[ << 出力を調整する ] | [トップ][目次][インデックス] | [ テンプレート >> ] |
[ < オブジェクトのサイズ ] | [ 上へ : オブジェクトの見た目 ] | [ オブジェクトの配置 > ] |
5.3.3 オブジェクトの長さと太さ
LilyPond では距離と長さは一般に譜スペース – 譜の中の隣り合う線の間隔 –
で測ります (特別な場合では、譜スペースの半分で測ることもあります)。一方、たいていの thickness
プロパティは line-thickness
と呼ばれる内部プロパティを単位として測ります。例えば、デフォルトでは、ヘアピン (訳者: 強弱記号) の線の太さは
1 単位の line-thickness
であり、音符の符幹の thickness
は 1.3 です。けれども、それとは単位の異なる太さプロパティがあるということにも注意してください。例えば、連桁の太さプロパティは譜スペースで測ります。
それでは、どうやって長さをフォント サイズに比例させるのでしょうか?これは、まさにこの目的のために提供されている magstep
と呼ばれる特別な関数の助けを借りることによって達成できます。この関数は引数を 1 つ – フォント サイズの変化 (前の例では #-2) –
をとり、他のオブジェクトの縮小に比例したスケーリング ファクタを返します。以下のように使用します:
\new Staff ="main" { \relative { r4 g'8 g c4 c8 d | e4 r8 << { f8 c c } \new Staff \with { alignAboveContext = "main" \omit Clef \omit TimeSignature fontSize = #-2 % 符幹の長さと譜線の間隔を減らします \override StaffSymbol.staff-space = #(magstep -2) } { f8 f c } >> r4 | } }
符幹の長さと他の多くの長さに関係するプロパティは常に
staff-space
プロパティの値と比例関係になるよう算出されるため、それらの長さも自動的にスケール ダウンされます。これはオッシアの垂直方向のスケールだけに効果を及ぼすということに注意してください – 水平方向のスケールは、メインの音楽と同期するよう、メインの音楽のレイアウトによって決定されるため、水平方向のスケールは
staff-space
の変更によっていかなる影響も受けません。もちろん、メインの音楽のすべてのスケールがこの方法で変更された場合、水平方向のスペースも影響を受けます。このことについては、後のレイアウト セクションで議論します。
そして、これでオッシアの作成は完了です。他のすべてのオブジェクトのサイズと長さが類似の方法で変更されるかもしれません。
上記の例のようなスケールのちょっとした変更に対して、小節線、連桁、ヘアピン、スラーなどのさまざまな描画線の太さは通常はグローバルな調節を必要としません。ある特定のレイアウト オブジェクトの太さを調節する必要がある場合、それを達成する最良の方法はそのオブジェクトの thickness
プロパティをオーバライドすることです。スラーの太さを変更する例は レイアウト オブジェクトのプロパティ で示されています。すべての描画オブジェクト (つまり、フォントから作り出されるオブジェクトではないもの) の太さが同様の方法で変更されるかもしれません。
[ << 出力を調整する ] | [トップ][目次][インデックス] | [ テンプレート >> ] |
[ < オブジェクトのサイズ ] | [ 上へ : オブジェクトの見た目 ] | [ オブジェクトの配置 > ] |