staff-position プロパティ

あるボイスの中にある複数小節に亘る休符は他のボイスの中にある音符と衝突する可能性があります。このような休符は小節線と小節線の間の中央に譜刻されるため、LilyPond がそれと衝突するかもしれない音符を突き止めるのは非常に困難です。なぜなら、現在の音符間それに音符-休符間の衝突対応は、同時に起こる音符と休符に対してのみ行われるからです。以下に、このタイプの衝突の例を挙げます:

<< \relative { c'4 c c c } \\ { R1 } >>

[image of music]

ここでの最良の解決策は、複数小節に亘る休符を下へ移動させることです。なぜなら、その休符はボイス 2 の中にあるからです。\voiceTwo (すなわち、<<{…} \\ {…}>> 構造の 2 番目のボイス) のデフォルト状態では、MultiMeasureReststaff-position-6 にセットされています。そのため、そのプロパティを、例えば半譜スペース 4 つ分押し下げるには、-10 に変更する必要があります。

<<
  \relative { c'4 c c c }
  \\
  \override MultiMeasureRest.staff-position = #-10
  { R1 }
>>

[image of music]

これは、例えば extra-offset を使うよりも良い解決方法です。なぜなら、その休符の上に加線が自動的に挿入されるからです。

正確な値と不正確な値の違いについては、 タイを手動で譜刻する を参照してください。

GNU LilyPond 学習マニュアル v2.25.21 (開発版).