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5.2 既存の音楽を譜刻する
既存の楽譜からの音楽を入力している (つまり、既存の楽譜の楽曲を譜刻している) のなら、
- 1 回につき 1 つのシステム
(訳者: システムとは譜の集まりのこと。例えば、ピアノ譜での 1 システムとは、右手譜 1 小節とそれに対応する左手譜 1 小節)
を入力し (しかし、それでもテキスト 1 行につき 1 小節だけにします)、それを終えたときに各システムをチェックします。処理をスピード アップさせるために
showLastLength
プロパティやshowFirstLength
プロパティを使うことになるかもしれません – Skipping corrected music を参照してください。 -
mBreak = { \break }
を定義して、写している楽譜が改行するたびに\mBreak
を入力ファイルに挿入します。これにより、LilyPond の音楽とオリジナルの音楽を比較することがずっと容易になります。入力した楽譜の校正が終わったときに、それらの改行すべてを削除するためにmBreak = { }
を定義することになるかもしれません。これにより、LilyPond は LilyPond が最適と思う場所に改行を入れることができるようになります。 - 移調楽器のパートは変数に入力します。移調楽器の音符は以下で囲むことを推奨します:
\transpose c natural-pitch {…}
(
natural-pitch
はその楽器のオープン ピッチです) これにより、変数の中の音楽は C で効率的に記述することができます。変数を使用していれば、必要なときに移調しなおすこともできます (例えば、楽譜をコンサート ピッチで譜刻したり、トロンボーン パートをト音記号からヘ音記号に変換したり、など)。音楽をすべて変数の中に首尾一貫したピッチで記述しておけば、移調のミスは起こりにくくなります。また、移調が C との間で行われるだけ – つまり、他に使用する調が楽器のナチュラル ピッチだけ: B-フラット トランペットなら bes、A-フラット クラリネットなら aes – であるとしても、音楽を変数に格納しておくべきです。