2.4.2 ギター

ギターに関する記譜の問題の大部分は、フレットのある楽器全般のセクションで十分にカバーされています。しかしながら、ここでは 2, 3 の価値のあることをカバーします。歌詞の上にコード指示を配置しただけの歌集タイプのドキュメントを作成したいと望むユーザが時々います。LilyPond は楽譜譜刻プログラムなので、音楽記譜を持たないドキュメントの作成には推奨できません。ワード プロセッサ、テキスト エディタ、経験のあるユーザであれば GuitarTeX のような譜刻プログラムの方が適しています。


ポジションとバレーの指示

以下の例は、楽譜にギターのポジションとバレーの指示を含める方法を示しています。

\relative {
  \clef "treble_8"
  b,16 d g b e
  \textSpannerDown
  \override TextSpanner.bound-details.left.text = "XII "
  g16\startTextSpan
  b16 e g e b g\stopTextSpan
  e16 b g d
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: テキスト スパナ

コード断片集: Fretted strings, Expressive marks


ハーモニクスとデッド ノートの指示

デッド ノートやハーモニクスを示すための特殊な符頭を使うことができます。通常、ハーモニクスにはテキスト マークアップによる説明も付け加えます。

\relative {
  \clef "treble_8"
  \override NoteHead.style = #'harmonic-mixed
  d'8^\markup { \italic \fontsize #-2 "harm. 12" } <g b>4
}

[image of music]

デッド ノート (ゴースト ノートとも呼ばれます) が通常の譜とタブ譜でサポートされます:

music = \relative {
  < a\3 \deadNote c\2 a'\1 >4
  < b\3 \deadNote d\2 b'\1 >
  < c\3 \deadNote e\2 c'\1 >
  \deadNotesOn
  \tuplet 3/2 { g8 b e }
  \deadNotesOff
  < a,\3 c\2 e\1 >1
}
\new StaffGroup <<
  \new Staff {
    \clef "treble_8"
    \music
  }
  \new TabStaff {
    \music
  }
>>

[image of music]

もう 1 つの演奏テクニックに パーム ミュート (特に、エレキ ギターで使用されます) があります。弦を弾く手の平で弦にミュートをかけます (訳者: 手の平=パーム(palm))。LilyPond は、符頭を三角形に変更することで、パーム ミュートの音符記譜をサポートします。

\new Voice { % 警告: 楽曲の先頭に palmMuteOn がある場合、
             % palmMuteOff を正しく機能させるには Voice を
             % 明示的にインスタンス化する必要があります。
  \relative c, {
    \clef "G_8"
    \palmMuteOn
    e8^\markup { \musicglyph "noteheads.s2do"  = palm mute }
    < e b' e > e
    \palmMuteOff
    e e  \palmMute e e e |
    e8 \palmMute { e e e } e e e e |
    < \palmMute e b' e >8 \palmMute { e e e } < \palmMute e b' e >2
  }
}

[image of music]

参照

コード断片集: Fretted strings

記譜法リファレンス: 特殊な符頭, 符頭のスタイル


パワー コードの指示

パワー コードのそのシンボルをコード モードの中、あるいは和音構造として譜刻することができます。五度は通常、他のコード (メジャーあるいはマイナー トライアド) では省略されますが、例外として、これらのコード ネームでは明示されます。

ChordsAndSymbols = {
  \chordmode {
    e,,1:5
    a,,:5.8
    \set TabStaff.restrainOpenStrings = ##t
    \set minimumFret = #8
    c,:5
    f,:5.8
  }
  \set minimumFret = #2
  \set restrainOpenStrings = ##f
  <a, e> <a cis' e'>
  <g d' g'>
}
\score {
  <<
    \new ChordNames {
    \ChordsAndSymbols
    }
    \new Staff {
      \clef "treble_8"
      \ChordsAndSymbols
    }
    \new TabStaff {
      \ChordsAndSymbols
    }
  >>
}

[image of music]

参照

音楽用語集: power chord

記譜法リファレンス: 和音の拡張と変形, コード ネームを譜刻する

コード断片集: Fretted strings


LilyPond — 記譜法リファレンス v2.24.4 (安定版).