[ << 音楽記譜法 ] | [トップ][目次][インデックス] | [ 専門的な記譜法 >> ] |
[ < 繰り返しを描き出す ] | [ 上へ : 繰り返し ] | [ パーセント繰り返し > ] |
1.4.2 短い繰り返し
このセクションでは、短い繰り返しを入力する方法について議論します。短い繰り返しには 2 つの形式があります: 単一の音符、単一の小節あるいは 2 小節の繰り返しを表すスラッシュまたはパーセント記号と、トレモロです。
パーセント繰り返し | ||
トレモロの繰り返し |
[ << 音楽記譜法 ] | [トップ][目次][インデックス] | [ 専門的な記譜法 >> ] |
[ < 短い繰り返し ] | [ 上へ : 短い繰り返し ] | [ トレモロの繰り返し > ] |
パーセント繰り返し
繰り返される短いパターンは 1 回だけ譜刻され、繰り返しは特殊な記号で置き換えられます。
構文は以下の通りです
\repeat percent number musicexpr
ここで、musicexpr
は音楽表記です。
1 小節よりも短いパターンはスラッシュで置き換えられます。
\relative c'' { \repeat percent 4 { c128 d e f } \repeat percent 4 { c64 d e f } \repeat percent 5 { c32 d e f } \repeat percent 4 { c16 d e f } \repeat percent 4 { c8 d } \repeat percent 4 { c4 } \repeat percent 2 { c2 } }
1 または 2 小節のパターンはパーセントのような記号で置き換えられます。
\relative c'' { \repeat percent 2 { c4 d e f } \repeat percent 2 { c2 d } \repeat percent 2 { c1 } }
\relative { \repeat percent 3 { c''4 d e f | c2 g' } }
1 小節よりも短いけれども異なる演奏時間が含まれるパターンは2 重線のパーセント記号を用います。
\relative { \repeat percent 4 { c''8. <d f>16 } \repeat percent 2 { \tuplet 3/2 { r8 c d } e4 } }
Selected Snippets
パーセント繰り返しのカウンタ
パーセント記号による小節の繰り返しが 2 回以上続く場合には、この例のようにプロパティをセットすることで、カウンタを表示することができます。
\relative c'' { \set countPercentRepeats = ##t \repeat percent 4 { c1 } }
パーセント繰り返しのカウンタの可視性
パーセント繰り返しのカウンタは repeatCountVisibility
コンテキスト
プロパティをセットすることで一定間隔で表示することができます。
\relative c'' { \set countPercentRepeats = ##t \set repeatCountVisibility = #(every-nth-repeat-count-visible 5) \repeat percent 10 { c1 } \break \set repeatCountVisibility = #(every-nth-repeat-count-visible 2) \repeat percent 6 { c1 d1 } }
独立したパーセント繰り返し
パーセント繰り返しを単独で表示することができます。
makePercent = #(define-music-function (note) (ly:music?) "Make a percent repeat the same length as NOTE." (make-music 'PercentEvent 'length (ly:music-length note))) \relative c'' { \makePercent s1 }
参照
音楽用語集: percent repeat, simile
コード断片集: Repeats
内部リファレンス: RepeatSlash, RepeatSlashEvent, DoubleRepeatSlash, PercentRepeat, PercentRepeatCounter, PercentRepeatedMusic, Percent_repeat_engraver, DoublePercentEvent, DoublePercentRepeat, DoublePercentRepeatCounter, Double_percent_repeat_engraver, Slash_repeat_engraver
既知の問題と警告
パーセント記号の繰り返しは、パーセント記号以外に何も含むことができません。特に、拍子の変更は繰り返されません。
\repeat percent 3 { \time 5/4 c2. 2 \time 4/4 2 2 }
拍子の変更や \partial
コマンドは、パーセント記号の繰り返しの外側にある並列部分で行われる必要があります (例えば、独立したタイミング トラック)。
<< \repeat percent 3 { c2. 2 2 2 } \repeat unfold 3 { \time 5/4 s4*5 \time 4/4 s1 } >>
[ << 音楽記譜法 ] | [トップ][目次][インデックス] | [ 専門的な記譜法 >> ] |
[ < パーセント繰り返し ] | [ 上へ : 短い繰り返し ] | [ 同時進行する音符 > ] |
トレモロの繰り返し
トレモロには 2 つの形式があります: 2 つの和音あるいは 2 つの音符を交互に演奏するものと、単一の音符あるいは和音を素早く繰り返すものです。交互に演奏するトレモロは、音符あるいは和音の間に多重連桁を付け加えることによって示され、一方、単一の音符を素早く繰り返すトレモロは単一の音符に多重連桁あるいは多重スラッシュを付け加えることによって示されます。
2 つの音符の間にトレモロ記号を配置するには、トレモロ スタイルの \repeat
を使用します:
\relative c'' { \repeat tremolo 8 { c16 d } \repeat tremolo 6 { c16 d } \repeat tremolo 2 { c16 d } }
\repeat tremolo
の構文では、波括弧の中にある音符の数がちょうど 2 つであること、それに、繰り返しの回数が普通の音符あるいは付点音符として表すことができる音価に相当することが必須です。それゆえ、\repeat tremolo 7
は有効であり、2 重付点音符を作り出します。しかしながら、\repeat tremolo 9
は無効です。
トレモロの演奏時間は、波括弧で囲まれた音楽表記の演奏時間に繰り返し回数を掛けたものに等しいです:
\repeat tremolo 8 { c16 d16 }
は全音符のトレモロであり、トレモロの連桁でつながれた 2 つの全音符として譜刻されます。
単一の音符上にトレモロ記号を配置する方法は 2 つあります。\repeat tremolo
構文をここでも使用します
– この場合、音符を波括弧で囲むべきではありません:
\repeat tremolo 4 c'16
音符の後に :N
を付け加えることによって同じ出力を得ることができます。N
は細部の演奏時間を表し、8 以上である必要があります。N
が 8 である場合、音符の符幹に 1 本の連桁が付け加えられます。N
が省略された場合、
最後の値が使用されます:
\relative { c''2:8 c:32 c: c: }
Selected Snippets
譜をまたがるトレモロ
\repeat tremolo
は、和音のトレモロに対してはちょうど 2 つの引数を取らなければならないため、譜をまたがる和音のトレモロは
同じ括弧内に音を配置し、\change Staff
コマンドで譜を変更する必要があります。
\new PianoStaff << \new Staff = "up" \relative c'' { \key a \major \time 3/8 s4. } \new Staff = "down" \relative c'' { \key a \major \time 3/8 \voiceOne \repeat tremolo 6 { <a e'>32 { \change Staff = "up" \voiceTwo <cis a' dis>32 } } } >>
参照
コード断片集: Repeats
[ << 音楽記譜法 ] | [トップ][目次][インデックス] | [ 専門的な記譜法 >> ] |
[ < パーセント繰り返し ] | [ 上へ : 短い繰り返し ] | [ 同時進行する音符 > ] |