オブジェクトに色を付ける

個々のオブジェクトに色を割り振ることができます。有効なカラー名は 色の一覧 でリストアップされています。

\override NoteHead.color = #red
c''4 c''
\override NoteHead.color = #(x11-color 'LimeGreen)
d''
\override Stem.color = #blue
e''

[image of music]

Scheme 関数 x11-color を用いることによって、X11 のために定義された色の全範囲にアクセスすることができます。この関数は引数を 1 つとります。この引数は 'FooBar という形式のシンボルであったり、"FooBar" という形式の文字列であったりします。最初の形式はより素早く記述できて、より効率的です。しかしながら、2 番目の形式を使うと複数単語形式の X11 カラーにアクセスすることができます。

x11-color がパラメータとして意味をなさない場合、その色はデフォルトの黒になります。

\new Staff \with {
  instrumentName = \markup {
    \with-color #(x11-color 'red) "Clarinet"
    }
  }
  \relative c'' {
  \override Staff.StaffSymbol.color = #(x11-color 'SlateBlue2)
  gis8 a
  \override Beam.color = #(x11-color "medium turquoise")
  gis a
  \override Accidental.color = #(x11-color 'DarkRed)
  gis a
  \override NoteHead.color = #(x11-color "LimeGreen")
  gis a
  % 以下は意図的に意味をなさない色を指定しています。符幹が黒のままであることに注意してください
  \override Stem.color = #(x11-color 'Boggle)
  b2 cis
}

[image of music]

Scheme 関数 rgb-color を用いることによって、厳密な RGB カラーを指定することができます。

\new Staff \with {
  instrumentName = \markup {
    \with-color #(x11-color 'red) "Clarinet"
    }
  }
\relative c'' {
  \override Staff.StaffSymbol.color = #(x11-color 'SlateBlue2)
  \override Stem.color = #(rgb-color 0 0 0)
  gis8 a
  \override Stem.color = #(rgb-color 1 1 1)
  gis8 a
  \override Stem.color = #(rgb-color 0 0 0.5)
  gis4 a
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 色の一覧, \tweak コマンド

コード断片集: Editorial annotations

既知の問題と警告

X11 カラーは必ずしも同様の名前を持つノーマル カラーとまったく同じとなるわけではありません。

すべての X11 カラーが Web ブラウザで見分けられるわけではありません。つまり、ある Web ブラウザは LineGreenForestGreen を同じ色で表示するかもしれません。Web 向けでは、ノーマル カラーを使用することを推奨します (つまり、blue, green, red)。

和音の中にある音符に別々に色を付けるのに \override を使うことはできません。代わりにそれぞれの音符の前に \tweak や、それと同等な\single\override を使用してください – \tweak コマンド を参照してください。


LilyPond 記譜法リファレンス v2.25.21 (開発版).