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演奏時間
演奏時間は数とドットで指定されます。演奏時間はその演奏時間の逆数で入力されます。例えば、4 分音符は 4
で入力され (1/4 の音符だから)、半音符は 2
で入力されます (1/2 の音符だから)。全音符よりも長い音符を入力するには、\longa
コマンド (全音符の 4 倍)
と \breve
コマンド (全音符の 2 倍) を使う必要があります。128 分音符のような短い音符を指定することもできます。それよりも短い音価を指定することも可能ですが、必ず連桁付きの音符となります。
音符の演奏時間は数とドットで入力します。入力された数は音符の長さの逆数となります。例えば、4 分音符は 1/4 の長さを持つため、4
と入力します。2 分音符は 2
、8 分音符は 8
となります。1024
までの短い音符は入力できますが、それよりも短い音符は連桁で繋がれた状態でしか表示できません。連桁 を参照してください。
全音符よりも長い音符については、\longa
– ブレヴィスの 2 倍 –
や \breve
コマンドを使用してください。ブレヴィスの 4 倍の長さは
\maxima
コマンドで入力できますが、古代の記譜法でしか表示できません。古代の記譜法 を参照してください。
\relative { \time 8/1 c''\longa c\breve c1 c2 c4 c8 c16 c32 c64 c128 c128 }
同じ例で自動連桁を off にしてみます。
\relative { \time 8/1 \autoBeamOff c''\longa c\breve c1 c2 c4 c8 c16 c32 c64 c128 c128 }
独立した演奏時間 – ピッチを持たず、演奏時間だけの音符 – が音楽内に現れた場合、前の音符や和音からピッチを受け継ぎます。
\relative { \time 8/1 c'' \longa \breve 1 2 4 8 16 32 64 128 128 }
独立したピッチ – 演奏時間を持たず、ピッチだけの音符 – が音楽内に現れた場合、前の音符や和音から演奏時間を受け継ぎます。前の演奏時間が存在しない場合、デフォルトは 4
つまり 4 分音符となります。
\relative { a' a a2 a a4 a a1 a }
付点音符の演奏時間を得るには、演奏時間の後にドット (.
) を置きます。2 重付点音符は 2 つのドットを置き、3 重付点音符は 3 つのドットなどとなります。
\relative { a'4 b c4. b8 a4. b4.. c8. }
譜線を避けるために、音符のドットは通常上に移動されます。しかし、多声の場合では、必要ならば手動でドットの位置を譜線の上か下に移動することができます。Direction and placement
を参照してください。
演奏時間の中には数字とドットだけでは表せず、2 つ以上の音符をタイでつなげるしかない場合があります。詳細は タイ を参照してください。
歌詞音節と音符を揃えるために演奏時間を指定する方法については 声楽 を参照してください。
音符を演奏時間に比例させた間隔で配置することができます。プロポーショナル ノーテーション を参照してください。
定義済みコマンド
\autoBeamOn
,
\autoBeamOff
,
\dotsUp
,
\dotsDown
,
\dotsNeutral
Selected Snippets
二全音符を変更する
二全音符の表示を、符頭の左右に線が 1 本あるバロック式の表示から、2 本あるものに変更することができます。
\relative c'' { \time 4/2 c\breve | \override Staff.NoteHead.style = #'altdefault b\breve \override Staff.NoteHead.style = #'baroque b\breve \revert Staff.NoteHead.style a\breve }
音符ごとに付点の数を独立して変更する
音符ごとに、入力したドットの数とは独立して付点の数を変更することができます。
\relative c' { c4.. a16 r2 | \override Dots.dot-count = 4 c4.. a16 r2 | \override Dots.dot-count = 0 c4.. a16 r2 | \revert Dots.dot-count c4.. a16 r2 | }
参照
音楽用語集: breve, longa, maxima, note value, Duration names notes and rests
記譜法リファレンス: 連桁, タイ, 符幹, リズムを記述する, 休符を記述する, 声楽, 古代の記譜法, プロポーショナル ノーテーション
コード断片集: リズム
既知の問題と警告
休符の演奏時間には基本的に限界 (最大値や最小値) がありませんが、図柄の数には限界があり、1024
から \maxima
までの休符を譜刻することができます。
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