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フォントの説明
フォントはいくつかのライブラリを通じて扱われます。FontConfig は利用可能なフォントを検出するために使用されます。選択されたフォントは Pango を用いて描かれます。
オペレーティング システムに既にインストールされているフォントに加えて、次のコマンドを使用して、FontConfig によって検出された (したがって LilyPond スコアで利用できる) セットに追加のフォントを追加できます:
#(ly:font-config-add-font "path/to/font-file.otf") #(ly:font-config-add-directory "path/to/directory/")
これらのコマンドはどちらも、絶対パスまたは相対パスのいずれかを受け入れます。これにより、関連するフォントファイルをソースコードとともにコピーするだけで、任意のシステムで楽譜をコンパイルできます。
検出されたフォントは、個々に登録するフォント および ドキュメント全体のフォント
で説明されている方法を使用して選択する必要があります。使用可能なフォントの完全なリストをコンソールログに出力するときに、
#(ly:font-config-display-fonts)
コマンドを使用して、実際に検出されたフォントとその名前を確認することができます
(これらはファイル名自体とは異なる場合があるため)。
音楽記譜フォントはいくつかのファミリに分類された特殊な図柄のセットと言うことができます。以下の構文により、LilyPond のさまざまな Feta
グリフをマークアップ モードの中で直接使用することが可能になります:
a'1^\markup { \vcenter { \override #'(font-encoding . fetaBraces) \lookup "brace120" \override #'(font-encoding . fetaText) \column { 1 3 sf } \override #'(font-encoding . fetaMusic) \lookup "noteheads.s0petrucci" } }
しかしながら、これらの図柄はすべて
– fetaBraces
で保持されているさまざまサイズの波括弧を除いて –
は、マークアップ内部での音楽記譜法 で記述されている、もっと簡単な構文を用いて利用することができます。
fetaBraces
に保持されている図柄を使う場合、波括弧のサイズは図柄名の一部となっている任意の数値によって指定されます。0
から 575
までの整数すべてを指定でき、0
は最小の波括弧を提供します。最適な値はトライ&エラーで決定する必要があります。これらの図柄はすべて左波括弧です。右波括弧は回転によって得ることができます
– オブジェクトを回転させる を参照してください。
3 ファミリのテキスト フォントが利用可能になっています:
- roman (serif) フォントのデフォルトは LilyPond Serif (TeX Gyre Schola のエイリアス)です。
- sans フォントのデフォルトは LilyPond Sans Serif (TeX Gyre Heros のエイリアス)です。
- typewriter (monospaced) フォントのデフォルトは LilyPond Monospace (TeX Gyre Cursor のエイリアス)です。
roman (serif) フォント、 sans フォント、typewriter フォントです。
svg
バックエンドでは:
ファミリ | デフォルト フォント |
---|---|
roman | serif |
sans | sans-serif |
typewriter | monospace |
serif
, sans-serif
, and monospace
は、SVG や CSS の仕様における generic-family
です。
他のバックエンドでは:
ファミリ | デフォルト フォント (エイリアス) | エイリアス定義のリスト |
---|---|---|
roman | LilyPond Serif | TeX Gyre Schola, C059, Century SchoolBook URW, Century Schoolbook L, DejaVu Serif, ..., serif |
sans | LilyPond Sans Serif | TeX Gyre Heros, Nimbus Sans, Nimbus Sans L, DejaVu Sans, ..., sans-serif |
typewriter | LilyPond Monospace | TeX Gyre Cursor, Nimbus Mono PS, Nimbus Mono, Nimbus Mono L, DejaVu Sans Mono, ..., monospace |
LilyPond Serif
, LilyPond Sans Serif
,
LilyPond Monospace
は、LilyPond 専用の FontConfig 設定ファイル
00-lilypond-fonts.conf
に定義されたフォント エイリアスです。ある文字がリストの最初にあるフォントに存在しない場合、その文字を持つリストの次のフォントが代わりに使用されます。エイリアス定義の詳細については、インストール ディレクトリ中の
00-lilypond-fonts.conf
を参照してください。
それぞれのファミリには異なる形状とセットのフォントが保持されています。以下の例は、ファミリ、形状、セットそれにサイズを変更する様子を示しています。デフォルト サイズから変更する場合、font-size
に提供する値が必要となります。
\override Score.RehearsalMark.font-family = #'typewriter \mark \markup "Ouverture" \override Voice.TextScript.font-shape = #'italic \override Voice.TextScript.font-series = #'bold d''2.^\markup "Allegro" \override Voice.TextScript.font-size = #-3 c''4^smaller
同様の構文をマークアップ モードの中で使用することができます。しかしながら、マークアップ モードの中では、フォントとフォント サイズを選択する で説明されている、もっと簡単な構文を使用するほうが良いでしょう:
\markup { \column { \line { \override #'((font-shape . italic) (font-size . 4)) Idomeneo, } \line { \override #'(font-family . typewriter) { \override #'(font-series . bold) re di } \override #'(font-family . sans) Creta } } }
OpenType フォントを使用している場合、フォント機能を使用することができます。OpenType フォントの script と language は指定できません。注: 全ての OpenType フォントが機能をサポートしているとは限りません。使用するフォントに無い機能を使用しようとした場合、機能は単純に無視されます。
% 真のスモール キャピタル \markup { Normal Style: Hello HELLO } \markup { \caps { Small Caps: Hello } } \markup { \override #'(font-features . ("smcp")) { True Small Caps: Hello } } % 数字スタイル \markup { Normal Number Style: 0123456789 } \markup { \override #'(font-features . ("onum")) { Old Number Style: 0123456789 } } % 代替スタイル \markup { \override #'(font-features . ("salt 0")) { Stylistic Alternates 0: εφπρθ } } \markup { \override #'(font-features . ("salt 1")) { Stylistic Alternates 1: εφπρθ } } % 機能の組み合わせ \markup { \override #'(font-features . ("onum" "smcp" "salt 1")) { Multiple features: Hello 0123456789 εφπρθ } }
OpenType 機能の完全な一覧は以下を参照してください: https://www.microsoft.com/typography/otspec/featurelist.htm
OpenType フォントの機能を識別するには以下を参照してください: https://lists.gnu.org/archive/html/lilypond-devel/2017-08/msg00004.html
あらかじめ構成されているフォント間で切り替えを行う方が簡単ですが、他のフォントを使用することも可能です。他のフォントを使用する方法は以下のセクションで説明されています: 個々に登録するフォント と ドキュメント全体のフォント。
参照
記譜法リファレンス: Emmentaler フォント, マークアップ内部での音楽記譜法, オブジェクトを回転させる, フォントとフォント サイズを選択する, フォント
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