テキスト揃え

このサブセクションでは、マークアップ モードのテキストを配置する方法について説明します。オブジェクトを移動させる で記述されている構文を用いて、マークアップ オブジェクト全体を移動させることも可能です。

マークアップ オブジェクトの揃え方はいくつかあります。デフォルトでは、テキスト指示はそのテキストの左端で揃えられます: 以下の例では、最初のマークアップと 2 番目のマークアップの揃えられ方はまったく同じです。

\relative {
  d''1-\markup { poco }
  f
  d-\markup { \left-align poco }
  f
  d-\markup { \center-align { poco } }
  f
  d-\markup { \right-align poco }
}

[image of music]

水平方向の揃え方は、数値を使って、微調整することができます:

\relative {
  a'1-\markup { \halign #-1 poco }
  e'
  a,-\markup { \halign #0 poco }
  e'
  a,-\markup { \halign #0.5 poco }
  e'
  a,-\markup { \halign #2 poco }
}

[image of music]

オブジェクトの中には揃えるための機能をそれ自身で持っているものがあり、それらは上記のコマンドでは影響を受けません。テキスト マーク の中の例で示されているように、そのようなマークアップ オブジェクト全体を移動させることが可能です。

垂直方向に揃える方法はもう少し複雑です。上で述べたようにマークアップ オブジェクト全体を移動させることが可能ですが、マークアップ ブロックの中にある特定の要素を移動させることも可能です。 特定要素だけをを移動させるには、移動させる要素の前に アンカ ポイント – もう 1 つのオブジェクト要素、あるいは不可視のオブジェクト要素 – を置く必要があります。以下の例では 2 つのケースを示しています。最後のマークアップはアンカ ポイントを持たず、それゆえ移動されません。

\relative {
  d'2^\markup {
    Acte I
    \raise #2 { Scène 1 }
  }
  a'
  g_\markup {
    \null
    \lower #4 \bold { Très modéré }
  }
  a
  d,^\markup {
    \raise #4 \italic { Une forêt. }
  }
  a'4 a g2 a
}

[image of music]

コマンドの中にはマークアップ モードの中にあるテキスト オブジェクトの水平方向と垂直方向の両方の揃え方に影響を与えることができるものもあります。そのようなコマンドで移動させるオブジェクトの前にはアンカ ポイントを置く必要があります:

\relative {
  d'2^\markup {
    Acte I
    \translate #'(-1 . 2) "Scène 1"
  }
  a'
  g_\markup {
    \null
    \general-align #Y #3.2 \bold "Très modéré"
  }
  a
  d,^\markup {
    \null
    \translate-scaled #'(-1 . 2) \teeny "Une forêt."
  }
  a'4 a g2 a
}

[image of music]

マークアップ オブジェクトに何行かのテキストが含まれる場合もあります。以下の例では、それぞれの要素あるいは表記はそれ自体の行に配置され、左揃えあるいは中央揃えされています:

\markup {
  \column {
    a
    "b c"
    \line { d e f }
  }
  \hspace #10
  \center-column {
    a
    "b c"
    \line { d e f }
  }
}

[image of music]

同様に、要素あるいは表記のリストの広がりが水平の行幅いっぱいを占めることがあります (要素が 1 つだけの場合、その要素はページの中央に揃えられます)。さらに、そのような表記は複数行にわたるテキストや他の任意の表記を含むことができます:

\markup {
  \fill-line {
    \line { William S. Gilbert }
    \center-column {
      \huge \smallCaps "The Mikado"
      or
      \smallCaps "The Town of Titipu"
    }
    \line { Sir Arthur Sullivan }
  }
}
\markup {
  \fill-line { 1885 }
}

[image of music]

要素は line-width プロパティを上書きすることにより、指定された幅を満たすように広げることができます。デフォルトではこれは行全体を示す #f にセットされています。

\markup {
  \column {
    \fill-line { left center right }
    \null
    \override #'(line-width . 30)
    \fill-line { left center right }
  }
}

[image of music]

さらに、長いテキスト指示を自動的に行幅に合わせて折り返すことができます。そのようなテキスト指示は、以下の例で示すように、左揃えされるか両端揃えされます。

\markup {
  \column {
    \line  \smallCaps { La vida breve }
    \line \bold { Acto I }
    \wordwrap \italic {
      (La escena representa el corral de una casa de
      gitanos en el Albaicín de Granada.  Al fondo una
      puerta por la que se ve el negro interior de
      una Fragua, iluminado por los rojos resplandores
      del fuego.)
    }
    \hspace #0

    \line \bold { Acto II }
    \override #'(line-width . 50)
    \justify \italic {
      (Calle de Granada.  Fachada de la casa de Carmela
      y su hermano Manuel con grandes ventanas abiertas
      a través de las que se ve el patio
      donde se celebra una alegre fiesta)
    }
  }
}

[image of music]

Markup for text alignment にテキスト揃えコマンドの徹底したリストがあります。

参照

学習マニュアル: オブジェクトを移動させる

記譜法リファレンス: Markup for text alignment, テキスト マーク

インストールされているファイル: scm/define-markup-commands.scm.

コード断片集: Text

内部リファレンス: TextScript


LilyPond 記譜法リファレンス v2.25.21 (開発版).