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テキスト スパナ
いくつかの演奏指示 – 例えば rallentando や accelerando – は、テキストとして記述され、点線で複数の音符の上に伸ばされます。そのようなオブジェクト – “スパナ” と呼ばれます – は、以下の構文を用いることで、ある音符から他の音符までの範囲に作成することができます:
\relative { \override TextSpanner.bound-details.left.text = "rit." b'1\startTextSpan e,\stopTextSpan }
譜刻される文字列はオブジェクト プロパティを通じてセットされます。デフォルトでは文字列はイタリック体で譜刻されます。しかしながら、テキストをフォーマットする で記述されているように、\markup
ブロックを用いることで他の書体にすることができます。
\relative { \override TextSpanner.bound-details.left.text = \markup { \upright "rit." } b'1\startTextSpan c e,\stopTextSpan }
テキスト文字列と同様に、線のスタイルもオブジェクト プロパティとして定義することができます。線スタイルの構文は ライン スタイル で記述されています。
定義済みコマンド
\textSpannerUp
,
\textSpannerDown
,
\textSpannerNeutral
既知の問題と警告
LilyPond が処理できるテキスト スパナは 1 ボイスにつき、1 つだけです。
Selected Snippets
強弱記号のテキスト スパナ音楽関数
カスタム テキスト スパナを定義することができ、ヘアピンやテキスト
クレッシェンドと同時に用いることができます。\<
と \>
はデフォルトでヘアピンを作り出し、\cresc
などはデフォルトでテキスト スパナを作り出します。
% Some sample text dynamic spanners, to be used as postfix operators crpoco = #(make-music 'CrescendoEvent 'span-direction START 'span-type 'text 'span-text "cresc. poco a poco") \relative c' { c4\cresc d4 e4 f4 | g4 a4\! b4\crpoco c4 | c4 d4 e4 f4 | g4 a4\! b4\< c4 | g4\dim a4 b4\decresc c4\! }
強弱記号のカスタム テキスト スパナ後置関数
これは、クレッシェンドのテキスト スパナをカスタマイズする後置関数です。スパナは小節の最初の音符から始めるべきです。-\mycresc
の記法を使用しなければ、スパナの開始点が次の音符になってしまいます。
% Two functions for (de)crescendo spanners where you can explicitly % give the spanner text. mycresc = #(define-music-function (mymarkup) (markup?) (make-music 'CrescendoEvent 'span-direction START 'span-type 'text 'span-text mymarkup)) mydecresc = #(define-music-function (mymarkup) (markup?) (make-music 'DecrescendoEvent 'span-direction START 'span-type 'text 'span-text mymarkup)) \relative c' { c4-\mycresc "custom cresc" c4 c4 c4 | c4 c4 c4 c4 | c4-\mydecresc "custom decresc" c4 c4 c4 | c4 c4\! c4 c4 }
参照
記譜法リファレンス: ライン スタイル, 強弱記号, テキストをフォーマットする
コード断片集: Text, Expressive marks
内部リファレンス: TextSpanner
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