LilyPond — 記譜法リファレンス

このマニュアルは LilyPond バージョン 2.25.21 で提供されるすべての記譜法についての参照を提供します。このマニュアルは、読み手が 学習マニュアル で扱っている題材に慣れ親しんでいることを前提としています。

このマニュアルと他のドキュメントの関係について、あるいは、このマニュアルを他の形式で読む方法についての情報は、マニュアル を参照してください。

マニュアルのいずれかを見失ってしまった場合、https://lilypond.org/ にマニュアルがすべて揃っています。


1 音楽記譜法

この章では音楽表記を作成する方法について説明します。


1.1 ピッチ

[image of music]

このセクションでは音符のピッチを指定する方法について議論します。このプロセスには 3 つのステップがあります: 入力、変更、出力です。


1.1.1 ピッチを記述する

このセクションではピッチを入力する方法について議論します。音符をオクターブの中に置くには 2 つの方法があります: 絶対モードと相対モードです。たいていの場合、相対モードの方が便利です。


絶対オクターブ入力

ピッチ名は a から g までの小文字を使って指定されます。c から b までの音符名はミドル C の下のオクターブに譜刻されます。

{
  \clef bass
  c4 d e f
  g4 a b c
  d4 e f g
}

[image of music]

他のオクターブはシングル クォート (') またはカンマ (,) 文字で指定されます。各 ' はピッチを 1 オクターブ上げます。一方、各 , はピッチを 1 オクターブ下げます。

{
  \clef treble
  c'4 e' g' c''
  c'4 g b c'
  \clef bass
  c,4 e, g, c
  c,4 g,, b,, c,
}

[image of music]

共通して何度も用いられるオクターブ記号は、\fixed の後に基準ピッチを入力し、その後の音楽を入力することで 1 度だけで済みます。 \fixed の中にあるピッチは、基準ピッチよりもオクターブ上か下にある場合にのみ ' か , の記号が必要です。

{
  \fixed c' {
    \clef treble
    c4 e g c'
    c4 g, b, c
  }
  \clef bass
  \fixed c, {
    c4 e g c'
    c4 g, b, c
  }
}

[image of music]

\fixed の後に続く音楽表記内のピッチは、外側にあるいかなる \relative の影響も受けません。次で説明します。

参照

音楽用語集: Pitch names

コード断片集: ピッチ


相対オクターブ入力

絶対オクターブ入力は、一つ一つの音符のオクターブを指定する必要があります。相対オクターブ入力は、対照的に、すぐ前の音符との関係で各オクターブを指定します。1 つの音符のオクターブを変更すると、続く音符のすべてに影響します。

相対音符モードは \relative コマンドを使って明示的に入力する必要があります。

\relative startpitch musicexpr

相対モードでは、各音符は可能な限り前の音符の近くに配置されます。このことは、musicexp の中にある各ピッチのオクターブが以下のように算出されるということを意味します:

  • 音符に対してオクターブ変更記号が使用されていない場合、その音符のオクターブは前の音符との音程が 5 度よりも小さくなるよう算出されます。この音程は臨時記号を考慮せずに決定されます。
  • オクターブ変更記号 ', を付け加えることによって、オクターブ記号無しの場合のピッチから、ピッチを 1 オクターブ上げ下げすることができます。
  • 複数のオクターブ変更記号を使用することができます。例えば、'' と ,, はピッチを 2 オクターブ変えます。
  • 最初の音符のピッチは startpitch と相対関係で決定されます。startpitch は絶対オクターブ モードで指定されます。以下のどれがわかりやすいですか?
    c のオクターブ

    c' でミドル C を指定することは極めて基本的なため、c のオクターブは、どちらかといえば素直です。あなたの音楽が c''' より高い gis で始まる場合、\relative c''' { gis' … } のように書くことができます。

    内部の最初の音符のオクターブ

    \relative gis''' { gis … } と書くことで、内部の最初の音符の絶対ピッチを簡単に決めることができます。

    明示的な開始ピッチ無し

    \relative { gis''' … } の形式は前の選択肢のコンパクト版として機能します。内部の最初の音符は絶対ピッチで書かれます。(これは基準ピッチとして f を選択したのと同じです。)

    このドキュメントは通常、最後の選択肢を使用します。

ここで、実際に相対モードの例を挙げます:

\relative {
  \clef bass
  c d e f
  g a b c
  d e f g
}

[image of music]

オクターブ変更記号は 4 度よりも大きな音程に対して使用されます:

\relative {
  c'' g c f,
  c' a, e'' c
}

[image of music]

音符の連なりはオクターブ変更記号が無い場合であっても大きな音程に広がる可能性があります:

\relative {
  c f b e
  a d g c
}

[image of music]

\relative ブロックがネストされている場合、最も内側の \relative ブロックが、外側の \relative とは独立した自身の参照ピッチで開始します。

\relative {
  c' d e f
  \relative {
    c'' d e f
  }
}

[image of music]

\relative\chordmode ブロックでは効果を持ちません。

\new Staff {
  \relative c''' {
    \chordmode { c1 }
  }
  \chordmode { c1 }
}

[image of music]

\relative\chordmode ブロックの中で使用することは認められません。

\transpose ブロックの中では、\relative を記述しない限り、絶対モードになります。

\relative {
  d' e
  \transpose f g {
    d e
    \relative {
      d' e
    }
  }
}

[image of music]

前の要素が和音である場合、その和音の最初の音符が後に続く音符または和音の参照ポイントとして使用されます。和音の内部では、次の音符は常に 1 つ前の音符との相対関係になります。次の例を、c の音符に気を付けて、注意深く検証してください。

\relative {
  c'
  <c e g>
  <c' e g'>
  <c, e, g''>
}

[image of music]

上で説明したように、ピッチのオクターブは音符名のみを使って算出され、いかなる変更 (訳注: シャープやフラット) にも影響を受けません。そのため、B の後の E ダブル シャープは B よりも上に配置され、B の後の F ダブル フラットは B よりも下に配置されます。言い換えると、重増 4 度は重減 5 度よりも小さい – それぞれの音程に含まれる半音の数に関係無く – と見なされます。

\relative {
  c''2 fis
  c2 ges
  b2 eisis
  b2 feses
}

[image of music]

状況が複雑であるときには、前の音符にかかわらず固定したピッチを指定するほうが有益かもしれません。これは \resetRelativeOctave によって行うことができます。

\relative {
  <<
    { c''2 d }
    \\
    { e,,2 f }
  >>
  \resetRelativeOctave c''
  c2
}

[image of music]

参照

音楽用語集: fifth, interval, Pitch names

記譜法リファレンス: オクターブ チェック

コード断片集: ピッチ

内部リファレンス: RelativeOctaveMusic


臨時記号

Note: LilyPond を始めたばかりのユーザはしばしば臨時記号と調号のことで混乱します。LilyPond では、音符名はピッチを指定します – 調号と音部記号がこれらのピッチをどのように表示するかを決定します。c のような変更を加えられていない音符は、調号や音部記号とは無関係に、‘C ナチュラル’ を意味します。更なる情報は、ピッチと調号 を参照してください。

シャープのピッチは音符名に is を付け加えることによって作られ、フラットのピッチは es を付け加えることによって作られます。予想しているかもしれませんが、ダブル シャープダブル フラットisis または eses を付け加えることによって作られます。この構文はオランダ語の音符命名規約から派生しました。臨時記号に他の名前を使うには、他の言語での音符名 を参照してください。

\relative c'' { ais1 aes aisis aeses }

[image of music]

ナチュラルのピッチは単に音符名を入力します。接尾辞は必要ありません。ナチュラル記号は、前の臨時記号や調号の効果をキャンセルするのに必要な場合に表示されます。

\relative c'' { a4 aes a2 }

[image of music]

4 分音が付け加えられるかもしれません。以下の一連の C は左から順にピッチが増えていっています:

\relative c'' { ceseh1 ces ceh c cih cis cisih }

[image of music]

通常、臨時記号は自動的に譜刻されますが、手動で譜刻する場合もあるかもしれません。親切の臨時記号はピッチの後にエクスクラメーション記号 ! を付け加えることによって譜刻することができます。忠告の臨時記号 (つまり、括弧で囲まれた臨時記号) はピッチの後にクエスチョン記号 ? を付け加えることによって譜刻することができます。これら追加の臨時記号を使ってナチュラル記号を作り出すこともできます。

\relative c'' { cis cis cis! cis? c c c! c? }

[image of music]

タイで結ばれた音符に付ける臨時記号は新しいシステム (訳者: 譜 1 行分のこと) の開始点でのみ譜刻されます:

\relative c'' {
  cis1~ 1~
  \break
  cis
}

[image of music]

Selected Snippets

タイで繋がれた音符が改行した際の臨時記号を隠す

タイで繋がれた音符が改行した際の臨時記号を隠す方法を示しています。

\relative c'' {
  \override Accidental.hide-tied-accidental-after-break = ##t
  cis1~ cis~
  \break
  cis
}

\paper { tagline = ##f }

[image of music]

追加のナチュラル記号が自動で追加されないようにする

伝統的な譜刻のスタイルに合わせて、前に出現したダブルシャープやダブルフラットがシャープやフラットでキャンセルされた場合には、ナチュラル記号が表示されます。これを現代の慣習に合わせて変更するには、Staff コンテキストの extraNatural プロパティを f に設定します。

\relative c'' {
  aeses4 aes ais a
  \set Staff.extraNatural = ##f
  aeses4 aes ais a
}

[image of music]

参照

音楽用語集: sharp, flat, double sharp, double flat, Pitch names, quarter tone

学習マニュアル: ピッチと調号

記譜法リファレンス: 自動臨時記号, 注釈的な臨時記号 (ムジカ・フィクタ), 他の言語での音符名

コード断片集: ピッチ.

内部リファレンス: Accidental_engraver, Accidental, AccidentalCautionary, accidental-interface

既知の問題と警告

4 分音臨時記号の表記の仕方で広く認められた標準はないため、LilyPond の記号はいかなる標準にも準拠しません。


他の言語での音符名

他のさまざまな言語での音符名と臨時記号名のセットが定義されています。通常、音符名の言語の選択はファイルの先頭で行います。 以下の例はイタリア語の音符名を使用します:

\language "italiano"

\relative {
  do' re mi sib
}

[image of music]

利用可能な言語ファイルとそれらが定義している音符名を挙げます:

言語音符名
nederlandsc d e f g a bes b
català または
 catalan
do re mi fa sol la sib si
deutschc d e f g a b h
englishc d e f g a bf/b-flat b
español または
 espanol
do re mi fa sol la sib si
françaisdo /re mi fa sol la sib si
italianodo re mi fa sol la sib si
norskc d e f g a b h
português または
 portugues
do re mi fa sol la sib si
suomic d e f g a b h
svenskac d e f g a b h
vlaamsdo re mi fa sol la sib si

音符名に加えて、臨時記号の接尾辞も言語によって異なる場合があります:

言語シャープフラットダブル シャープダブル フラット
nederlandsisesisiseses
català または
 catalan
d/sbdd/ssbb
deutschisesisiseses
englishs/-sharpf/-flatss/x/-sharpsharpff/-flatflat
español または
 espanol
sbss/xbb
françaisdbdd/xbb
italianodbddbb
norskiss/isess/esississ/isisessess/eses
português または
 portugues
sbssbb
suomiisesisiseses
svenskaissessississessess
vlaamskbkkbb

オランダ語、ドイツ語、ノルウェー語、フィンランド語では、aes は縮めて as となりますが、オランダ語とノルウェー語については、LilyPond ではどちらの形式も認められます。これは eseesaesesaseseeseseses でも同様です。

ドイツ語とフィンランド語については、LilyPond は ases よりよく使われる形である asas が使用できます。

\relative c'' { a2 as e es a ases e eses }

[image of music]

音楽の中には ‘通常の’ シャープやフラットの音の変化をさらに細かく分けた微分音を使用するものがあります。四分音 (訳者: シャープやフラットの半分の音の変化。4 分音符ではありません) の接尾辞を以下の表で挙げます。接頭辞 半-1.5- はそれぞれ ‘半分’ と ‘1 つ半’ を意味します。

元号半-シャープ半-フラット1.5-シャープ1.5-フラット
nederlandsihehisiheseh
català または
 catalan
qd/qsqbtqd/tqstqb
deutschihehisiheseh
englishqsqftqstqf
español または
 espanol
cscbtcstcb
françaissdsbdsdbsb
italianosdsbdsdbsb
norskihehissih/isihesseh/eseh
português または
 portugues
sqtbqtstqtbtqt
suomiihehisiheseh
svenskaihehissihesseh
vlaamshkhbkhkbhb

ドイツ語では、微分音に対して、上記の通常の表記の他に、似た形の短縮形を使用することもできます。

\language "deutsch"

\relative c'' { asah2 eh aih eisih }

[image of music]

ここに示されている大半の言語は西洋クラシック音楽 – Common Practice Period: 西暦1600年から1900年頃のバロック音楽、クラシック音楽、ロマン派音楽とも言えます – に関係があります。しかしながら、他のピッチやチューニング方法もサポートされています: 非西洋音楽の一般的な記譜法 を参照してください。

参照

音楽用語集: Pitch names, Common Practice Period.

記譜法リファレンス: 非西洋音楽の一般的な記譜法

あらかじめイストールされているファイル: scm/define-note-names.scm

コード断片集: ピッチ


1.1.2 複数のピッチを変更する

このセクションではピッチを変更する方法について議論します。


オクターブ チェック

相対モードでは、オクターブ変更記号を付け忘れることが容易に起こり得ます。オクターブ チェックは、予期しないオクターブの音符を見つけた場合に警告を表示してオクターブを修正することによって、そのようなエラーを見つけ出すことをより容易にします。

音符のオクターブをチェックするには、= の後に絶対オクターブを指定します。以下の例は、2 番目の音符の絶対オクターブがオクターブ チェックによって示される d' ではなく d'' であるため、警告を発し (そしてピッチを変更し) ます。

\relative {
  c''2 d='4 d
  e2 f
}

[image of music]

音符のオクターブは \octaveCheck controlpitch コマンドでもチェックすることができます。controlpitch は絶対モードで指定されます。これは前の音符と controlpitch との間の音程が 4 度以内であるかどうかをチェックします (つまり、通常の相対モードでの算出方法と同じです)。このチェックが失敗した場合、警告が表示されます。このチェックの前にある音符は変更されませんが、その後に続く音符はオクターブが修正されます。

\relative {
  c''2 d
  \octaveCheck c'
  e2 f
}

[image of music]

以下の 2 小節を見てください。1 番目と 3 番目の \octaveCheck は失敗していますが、2 番目のチェックは失敗していません。

\relative {
  c''4 f g f

  c4
  \octaveCheck c'
  f
  \octaveCheck c'
  g
  \octaveCheck c'
  f
}

[image of music]

参照

コード断片集: ピッチ

内部リファレンス: RelativeOctaveCheck.


移調

音楽表記は \transpose で移調させることができます。構文は以下の通りです:

\transpose frompitch topitch musicexpr

これは musicexprfrompitch から topitch に移調されるということを意味します: frompitch のピッチの音符はすべて topitch に変更され、他の音符もすべて同じ音程で移調されます。frompitchtopitch のピッチはどちらも絶対モードで指定されます。

Note: \transpose ブロックの中にある音符は、そのブロックの中に \relative が無い限り、絶対モードになります。

D-メジャーの調で書かれた楽曲を思い浮かべてください。この楽曲を E-メジャーに移調することができます。調号も自動的に移調されることに注意してください。

\transpose d e {
  \relative {
    \key d \major
    d'4 fis a d
  }
}

[image of music]

C (通常の コンサート ピッチ) で書かれたパートを A のクラリネットで演奏する (そのため、A は C として表記され、演奏は表記されたものよりも 3 度低くなります) 場合、そのパート譜は以下のように作り出されます:

\transpose a c' {
  \relative {
    \key c \major
    c'4 d e g
  }
}

[image of music]

\key c \major を明示的に指定しているということに注意してください。調号を指定しなかった場合、音符は移調されますが、調号は譜刻されません。

\transpose は同音異名のピッチを区別します: \transpose c cis\transpose c des はどちらも半音上に移調します。1 番目の移調はシャープを譜刻し、音符の五線譜上での位置は変わりません。2 番目の移調はフラットを譜刻し、音符の五線譜上での位置は上に上がります。

music = \relative { c' d e f }
\new Staff {
  \transpose c cis { \music }
  \transpose c des { \music }
}

[image of music]

\transpose は上記とは異なる方法で用いることもでき、それによって移調楽器のために書かれた音符を入力することができます。前の例では C (またはコンサート ピッチ) でピッチを入力して、それらを移調楽器のために譜刻する方法を示しましたが、それとは正反対のことも可能です – 例えば、移調楽器のパート譜から指揮譜を譜刻することです。例えば、E で始まる B-フラットのトランペットの音楽 (コンサート ピッチでは D で始まる音楽) を入力している場合に、指揮譜を作り出すには以下のように記述します:

musicInBflat = { e4 … }
\transpose c bes, \musicInBflat

この音楽を F で譜刻する (例えば、フレンチ ホルンの楽譜にアレンジし直すために) には、既存の音楽をもう 1 つの \transpose で包み込みます:

musicInBflat = { e4 … }
\transpose f c' { \transpose c bes, \musicInBflat }

移調楽器についての更なる情報は、楽器の移調 を参照してください。

Selected Snippets

臨時記号の数が最小になるようにピッチを移調する ("スマート" トランスポーズ)

この例は、臨時記号の数が最小になるように、異名同音を置き換える Scheme コードを使用しています。この場合、次のルールが適用されます:

ダブルシャープやダブルフラットは削除されます

B シャープ -> C

E シャープ -> F

C フラット -> B

F フラット -> E

このようにして、最も自然な異名同音が選ばれます。

#(define (naturalize-pitch p)
   (let ((o (ly:pitch-octave p))
         (a (* 4 (ly:pitch-alteration p)))
         ;; alteration, a, in quarter tone steps,
         ;; for historical reasons
         (n (ly:pitch-notename p)))
     (cond
      ((and (> a 1) (or (eqv? n 6) (eqv? n 2)))
       (set! a (- a 2))
       (set! n (+ n 1)))
      ((and (< a -1) (or (eqv? n 0) (eqv? n 3)))
       (set! a (+ a 2))
       (set! n (- n 1))))
     (cond
      ((> a 2) (set! a (- a 4)) (set! n (+ n 1)))
      ((< a -2) (set! a (+ a 4)) (set! n (- n 1))))
     (if (< n 0) (begin (set! o (- o 1)) (set! n (+ n 7))))
     (if (> n 6) (begin (set! o (+ o 1)) (set! n (- n 7))))
     (ly:make-pitch o n (/ a 4))))

#(define (naturalize music)
   (let ((es (ly:music-property music 'elements))
         (e (ly:music-property music 'element))
         (p (ly:music-property music 'pitch)))
     (if (pair? es)
         (ly:music-set-property!
          music 'elements
          (map naturalize es)))
     (if (ly:music? e)
         (ly:music-set-property!
          music 'element
          (naturalize e)))
     (if (ly:pitch? p)
         (begin
           (set! p (naturalize-pitch p))
           (ly:music-set-property! music 'pitch p)))
     music))

naturalizeMusic =
#(define-music-function (m)
   (ly:music?)
   (naturalize m))

music = \relative c' { c4 d e g }

\score {
  \new Staff {
    \transpose c ais { \music }
    \naturalizeMusic \transpose c ais { \music }
    \transpose c deses { \music }
    \naturalizeMusic \transpose c deses { \music }
  }
  \layout { }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 楽器の移調, 反転, 様式的な変形, 相対オクターブ入力, 逆行

コード断片集: ピッチ

内部リファレンス: TransposedMusic

既知の問題と警告

相対変換コマンドはその引数の中にある \transpose, \chordmode, あるいは \relative セクションには影響を及ぼしません。移調された音楽の中で相対モードを使用するには、\transpose の中に \relative を置く必要があります。

\transpose を使用している場合、3 重の臨時記号は表示されません。代わりに ‘異名等価の’ ピッチが表示されます (例えば e の 3 重フラットの代わりに d フラットが表示されます)。


反転

単一の操作で音楽表記を反転して、移調することができます:

\inversion around-pitch to-pitch musicexpr

The musicexpr の音程は around-pitch を中心に反転され、さらに around-pitchto-pitch にマッピングされるように移調されます。

music = \relative { c' d e f }
\new Staff {
  \music
  \inversion d' d' \music
  \inversion d' ees' \music
}

[image of music]

Note: 反転されるモチーフは絶対オクターブ形式で記述するか、最初に絶対オクターブ形式に変換されるよう \relative ブロックで囲む必要があります。

参照

記譜法リファレンス: 様式的な変形, 逆行, 移調


逆行

音楽表記を後ろから前に演奏する逆行を作り出すことができます:

music = \relative { c'8. ees16( fis8. a16 b8.) gis16 f8. d16 }

\new Staff {
  \music
  \retrograde \music
}

[image of music]

既知の問題と警告

\retrograde は非常に単純なツールです。多くのイベントは交換ではなく‘反転’するため、スパナの開始点にある調整や方向指示子は対応する終了点にも追加する必要があります。つまり、^(^) によって終了しなければならないということです。全ての \<\cresc\!\endcr で終わらなければならず、全ての \>\decr\enddecr で終わらなければなりません。効果が永続するようなプロパティ変更のコマンドやオーバライドは予期しない結果を生み出すかもしれません。

参照

記譜法リファレンス: 反転, 様式的な変形, 移調


1.1.3 ピッチを表示する

このセクションではピッチの出力を変更する方法について議論します。


音部記号

コマンドを明示しない場合、LilyPond のデフォルトの音部記号は高音部記号 (ト音記号) です。

c'2 c'

[image of music]

しかし、音部記号は \clef コマンドと適切な音部記号の名前を用いることで変えることができます。以下のそれぞれの例の中にある音符はすべてミドル C です。

\clef treble
c'2 c'
\clef alto
c'2 c'
\clef tenor
c'2 c'
\clef bass
c'2 c'

[image of music]

指定することのできる全ての音部記号の名前は 音部記号のスタイル にあります。

専門的な音部記号 – 例えば古代の音楽に用いられるもの – は 計量記譜法の音部記号グレゴリオ聖歌の音部記号 に説明してあります。タブ譜の音部記号が必要な音楽に関しては、 デフォルトのタブ譜カスタム タブ譜 に説明があります。

合図音符を用いる際の音部記号については、合図音符をフォーマットする\cueClef\cueDuringWithClef コマンドを参照してください。

音部名に _8 または ^8 を付け加えることによって、音部はそれぞれ 1 オクターブ下/上に移調され、_15 または ^15 によって 2 オクターブ移調されます。音部名にアルファベット以外の文字が含まれる場合、音部名をダブル クォートで囲む必要があります。

\clef treble
c'2 c'
\clef "treble_8"
c'2 c'
\clef "bass^15"
c'2 c'
\clef "alto_2"
c'2 c'
\clef "G_8"
c'2 c'
\clef "F^5"
c'2 c'

[image of music]

数字の引数を括弧や角括弧で囲むことで、オプションのオクターブを表示させることができます:

\clef "treble_(8)"
c'2 c'
\clef "bass^[15]"
c'2 c'

[image of music]

ピッチは数字の引数が括弧で囲まれていない場合と同じです。

デフォルトでは、改行のタイミングで音部記号の変更が行われる時には、次の行の音部記号の他に、前の行の最後に予告の音部記号が表示されます。この予告の音部記号は表示しないようにすることができます。

\clef treble { c'2 c' } \break
\clef bass { c'2 c' } \break
\clef alto
  \set Staff.explicitClefVisibility = #end-of-line-invisible
  { c'2 c' } \break
  \unset Staff.explicitClefVisibility
\clef bass { c'2 c' } \break

[image of music]

デフォルトでは、以前に表示された音部記号と同じ音部記号を \clef コマンドで指定しても、再表示はされず無視されます。この挙動は \set Staff.forceClef = ##t で変更することができます。

  \clef treble
  c'1
  \clef treble
  c'1
  \set Staff.forceClef = ##t
  c'1
  \clef treble
  c'1

[image of music]

さらに正確に言うと、音部記号を表示するのは \clef コマンドそのものではありません。代わりに、このコマンドは Clef_engraver のプロパティを変更し、Clef_engraver はそれによって現在の譜に音部記号を表示するかどうかを決定します。forceClef プロパティはこの音部記号を表示するかの決定をその場で上書きします。

手動で音部記号が変更された場合、変更後の音部記号は通常より小さく表示されます。この挙動を変更することができます。

  \clef "treble"
  c'1
  \clef "bass"
  c'1
  \clef "treble"
  c'1
  \override Staff.Clef.full-size-change = ##t
  \clef "bass"
  c'1
  \clef "treble"
  c'1
  \revert Staff.Clef.full-size-change
  \clef "bass"
  c'1
  \clef "treble"
  c'1

[image of music]

Selected Snippets

音部記号のプロパティを調整する

音部記号のグリフ、位置、オクターブ記号を変更するだけでは、変更後の音符の位置は変更されません。調号を正しい位置に表示するためには、middleCClefPosition も設定する必要があります。これは、“ミドル C” の位置を、中央の譜線を 0、上方向を正、下方向を負として設定します。

例えば、\clef "treble_8" は、clefGlyph, clefPosition, (音部記号自体の縦位置) middleCPosition, clefTransposition を設定するのと同等です。これらのプロパティの (middleCPosition を除く) どれかが変更された場合、新たに音部記号が表示されます。

次の例は、これらのプロパティを手動でセットする方法を示しています。最初の行では音部記号と音符の位置関係は通常通りですが、次の行ではそうではありません。

{
  % The default treble clef
  \key f \major
  c'1
  % The standard bass clef
  \set Staff.clefGlyph = "clefs.F"
  \set Staff.clefPosition = 2
  \set Staff.middleCPosition = 6
  \set Staff.middleCClefPosition = 6
  \key g \major
  c'1
  % The baritone clef
  \set Staff.clefGlyph = "clefs.C"
  \set Staff.clefPosition = 4
  \set Staff.middleCPosition = 4
  \set Staff.middleCClefPosition = 4
  \key f \major
  c'1
  % The standard choral tenor clef
  \set Staff.clefGlyph = "clefs.G"
  \set Staff.clefPosition = -2
  \set Staff.clefTransposition = -7
  \set Staff.middleCPosition = 1
  \set Staff.middleCClefPosition = 1
  \key f \major
  c'1
  % A non-standard clef
  \set Staff.clefPosition = 0
  \set Staff.clefTransposition = 0
  \set Staff.middleCPosition = -4
  \set Staff.middleCClefPosition = -4
  \key g \major
  c'1 \break

  % The following clef changes do not preserve
  % the normal relationship between notes, key signatures
  % and clefs:

  \set Staff.clefGlyph = "clefs.F"
  \set Staff.clefPosition = 2
  c'1
  \set Staff.clefGlyph = "clefs.G"
  c'1
  \set Staff.clefGlyph = "clefs.C"
  c'1
  \set Staff.clefTransposition = 7
  c'1
  \set Staff.clefTransposition = 0
  \set Staff.clefPosition = 0
  c'1

  % Return to the normal clef:

  \set Staff.middleCPosition = 0
  c'1
}

\paper { tagline = ##f }

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 計量記譜法の音部記号, グレゴリオ聖歌の音部記号, デフォルトのタブ譜, カスタム タブ譜, 合図音符をフォーマットする

インストールされているファイル: scm/parser-clef.scm

コード断片集: ピッチ

内部リファレンス: Clef_engraver, Clef, ClefModifier, clef-interface

既知の問題と警告

音部記号に付けるオクターブ移動の数字は、個別のグラフィカル オブジェクトとして扱われます。このため、Clef に適用される \override は、別の \overrideClefModifier グラフィカル オブジェクトに適用する必要があります。

\new Staff \with {
  \override Clef.color = #blue
  \override ClefModifier.color = #red
}

\clef "treble_8" c'4

[image of music]


調号

Note: LilyPond を始めたばかりのユーザはしばしば臨時記号と調号のことで混乱します。LilyPond では、音符名は未加工の入力です。調号と音部記号がこの未加工の入力をどのように表示するかを決定します。c のような変更を加えられていない音符は、調号や音部記号とは無関係に、‘C ナチュラル’ を意味します。更なる情報は、ピッチと調号 を参照してください。

調号は楽曲を演奏すべき調性を示します。調号は譜の先頭で変更記号 (フラットやシャープ) のセットによって示されます。調号は変更されることがあります:

\key pitch mode

調号を pitch-メジャーや pitch-マイナーにするには、mode をそれぞれ \major または \minor にします。さらに標準のモード名 – チャーチ モード とも呼ばれます – を使うこともできます: \ionian, \dorian, \phrygian, \lydian, \mixolydian, \aeolian それに \locrian です。

\relative {
  \key g \major
  fis''1
  f
  fis
}

[image of music]

新たにモードを定義することができます – モードが C で始まる場合、C で始まる音階の各ステップに対する変更記号をリスト アップします。

freygish = #`((0 . ,NATURAL) (1 . ,FLAT) (2 . ,NATURAL)
    (3 . ,NATURAL) (4 . ,NATURAL) (5 . ,FLAT) (6 . ,FLAT))

\relative {
  \key c \freygish c'4 des e f
  \bar "||" \key d \freygish d es fis g
}

[image of music]

KeySignature のプロパティ flat-positionssharp-positions を用いて、調号の臨時記号を通常とは異なるオクターブに表示させたり、複数のオクターブに表示させることができます。これらのプロパティに渡される値は、臨時記号を表示させる譜ポジションの範囲を指定します。1 つの値だけを渡した場合、その譜ポジションで終了するオクターブの範囲に臨時記号が配置されます。

\override Staff.KeySignature.flat-positions = #'((-5 . 5))
\override Staff.KeyCancellation.flat-positions = #'((-5 . 5))
\clef bass \key es \major es g bes d'
\clef treble \bar "||" \key es \major es' g' bes' d''

\override Staff.KeySignature.sharp-positions = #'(2)
\bar "||" \key b \major b' fis' b'2

[image of music]

Selected Snippets

調号が変化する際にナチュラル記号が表示されないようにする

調号が変化する際、前の調号を打ち消すナチュラル記号が自動的に表示されます。これは Staff コンテキストの printKeyCancellation プロパティを f にセットすることで防止することができます。

\relative c' {
  \key d \major
  a4 b cis d
  \key g \minor
  a4 bes c d
  \set Staff.printKeyCancellation = ##f
  \key d \major
  a4 b cis d
  \key g \minor
  a4 bes c d
}

[image of music]

非伝統的な調号

広く使われている \key コマンドは、Staff コンテキストの keyAlterations をセットしています。非標準な調号を作成するには、このプロパティを直接セットします。

コマンドの形式は以下のようなリストです:

\set Staff.keyAlterations = #`(((octave . step) . alter) ((octave . step) . alter) ...)

が構文です。リストの各要素について、octave がオクターブを指定し (0 がミドル C からその上の B まで)、step はオクターブ内の音階 (0 が C, 6 が B)、alter,SHARP ,FLAT ,DOUBLE-SHARP などです。

または、各要素についてより簡潔な形式があり、(step . alter) は全てのオクターブに対して変化記号が適用されます。“シャープ” が 100 セントではない微分音のスケールでは、alter を 200 セントの全音を 1 とした数値で指定できます。

\include "arabic.ly"
\relative do' {
  \set Staff.keyAlterations = #`((0 . ,SEMI-FLAT)
                                 (1 . ,SEMI-FLAT)
                                 (2 . ,FLAT)
                                 (5 . ,FLAT)
                                 (6 . ,SEMI-FLAT))
%\set Staff.extraNatural = ##f
  re reb \dwn reb resd
  dod dob dosd \dwn dob |
  dobsb dodsd do do |
}

[image of music]

参照

音楽用語集: church mode, scordatura

学習マニュアル: ピッチと調号

コード断片集: ピッチ

内部リファレンス: KeyChangeEvent, Key_engraver, Key_performer, KeyCancellation, KeySignature, key-signature-interface


オッターバ囲み

オッターバ囲み は譜をオクターブ単位で移調します:

\relative a' {
  a2 b
  \ottava #-2
  a2 b
  \ottava #-1
  a2 b
  \ottava #0
  a2 b
  \ottava #1
  a2 b
  \ottava #2
  a2 b
}

[image of music]

Selected Snippets

オッターバ囲みのテキストを変更する

内部的には、\ottavaottavation プロパティを (例えば、8va8vb に) セットし、middleCPosition プロパティを変更します。オッターバ囲みのテキストを変更するには、\ottava の後に ottavation をセットするようにしてください。

オッターバ囲みが短い場合には、テキストを短くすると良いでしょう。

{
  c'2
  \ottava 1
  \set Staff.ottavation = "8"
  c''2
  \ottava 0
  c'1
  \ottava 1
  \set Staff.ottavation = "Text"
  c''1
}

[image of music]

オッターバを単一のボイスに対して適用する

譜に 2 つ以上のボイスがある場合、オッターバを設定すると、囲みの中にある全てのボイスの音符が移動してしまいます。オッターバを単一のボイスに対して適用したい場合には、middleCPosition とオッターバ囲みを明示的にセットする必要があります。ヘ音記号の middleCPosition は本来 6 にセットされており、これは譜の中央の線から 6 つ上であることを示しています。このスニペットでは、オッターバ部分の middleCPosition を 7 加算して、1 オクターブ移動しています。

\layout {
  \context {
    \Staff
    \remove Ottava_spanner_engraver
  }
  \context {
    \Voice
    \consists Ottava_spanner_engraver
  }
}

{
  \clef bass
  << { <g d'>1~ q2 <c' e'> }
  \\
    {
      r2.
      \ottava -1
      <b,,, b,,>4 ~ |
      q2
      \ottava 0
      <c e>2
    }
  >>
}

[image of music]

オッターヴァのスパナの傾きを変更する

オッターヴァのスパナの傾きを変更することができます。

\relative c'' {
  \override Staff.OttavaBracket.stencil = #ly:line-spanner::print
  \override Staff.OttavaBracket.bound-details =
    #`((left . ((Y . 0)
                (attach-dir . ,LEFT)
                (padding . 0)
                (stencil-align-dir-y . ,CENTER)))
       (right . ((Y . 5.0) ; Change the number here
                 (padding . 0)
                 (attach-dir . ,RIGHT)
                 (text . ,(make-draw-dashed-line-markup
                           (cons 0 -1.2))))))
  \override Staff.OttavaBracket.left-bound-info =
     #ly:horizontal-line-spanner::calc-left-bound-info-and-text
  \override Staff.OttavaBracket.right-bound-info =
     #ly:horizontal-line-spanner::calc-right-bound-info
  \ottava 1
  c1
  c'''1
}

[image of music]

参照

音楽用語集: octavation

コード断片集: ピッチ

内部リファレンス: Ottava_spanner_engraver, OttavaBracket, ottava-bracket-interface


楽器の移調

楽器の移調を含む楽器を譜刻するとき、いくつかのパートはコンサート ピッチ とは異なるピッチで譜刻される可能性があります。このような場合、移調楽器 の調を指定すべきです。指定しなければ MIDI 出力や他のパートの出だしのピッチは誤ったものになります。引用についての更なる情報は 他のボイスを引用する を参照してください。

\transposition pitch

\transposition で使用するピッチは、譜に書かれた c' をその移調楽器で演奏したときに聴こえる実際の音に対応したものであるべきです。このピッチは絶対モードで入力します。ですから、楽譜よりも 1 度高い音を出す楽器は \transposition d' を使うべきです。\transposition は、ピッチがコンサート ピッチでは ない ピッチで入力されている場合に のみ 使用すべきです。

バイオリンと B-フラットのクラリネットのための音符をいくつか挙げます。それぞれのパートは、それぞれが指揮譜に刻譜されるときに使用される音符と調を使って入力されています。2 つの楽器は斉奏で演奏しています。

\new GrandStaff <<
  \new Staff = "violin" \with {
    instrumentName = "Vln"
    midiInstrument = "violin"
  }
  \relative c'' {
    % not strictly necessary, but a good reminder
    \transposition c'
    \key c \major
    g4( c8) r c r c4
  }
  \new Staff = "clarinet" \with {
    instrumentName = \markup { Cl (B\flat) }
    midiInstrument = "clarinet"
  }
  \relative c'' {
    \transposition bes
    \key d \major
    a4( d8) r d r d4
  }
>>

[image of music]

\transposition は楽曲の途中で変更されることもあります。例えば、クラリネット奏者は A のクラリネットから B-フラットのクラリネットに持ち替えなければならないことがあります。

flute = \relative c'' {
  \key f \major
  \cueDuring "clarinet" #DOWN {
    R1 _\markup\tiny "clarinet"
    c4 f e d
    R1 _\markup\tiny "clarinet"
  }
}
clarinet = \relative c'' {
  \key aes \major
  \transposition a
  aes4 bes c des
  R1^\markup { muta in B\flat }
  \key g \major
  \transposition bes
  d2 g,
}
\addQuote "clarinet" \clarinet
<<
  \new Staff \with { instrumentName = "Flute" }
    \flute
  \new Staff \with { instrumentName = "Cl (A)" }
    \clarinet
>>

[image of music]

参照

音楽用語集: concert pitch, transposing instrument

記譜法リファレンス: 他のボイスを引用する, 移調

コード断片集: ピッチ


自動臨時記号

臨時記号の譜刻の仕方には多くの異なる規約があります。LilyPond はどの臨時記号スタイルを使用するのかを指定するための関数を提供します。この関数は以下のように呼び出されます:

\new Staff <<
  \accidentalStyle voice
  { … }
>>

指定された臨時記号スタイルは、デフォルトでは、カレントの Staff に適用されます (スタイル pianopiano-cautionary は例外です。これらは以下で説明します)。オプションとして、この関数は 2 つ目の引数をとることができ、それによってスタイルを変更すべき範囲 (スコープ) を指定できます。例えば、カレントの StaffGroup のすべての譜で同じスタイルを使うには、以下のようにします:

\accidentalStyle StaffGroup.voice

サポートされる臨時記号スタイルを以下で示します。それぞれのスタイルを実際に示すために、以下の例を使用します:

musicA = {
  <<
    \relative {
      cis''8 fis, bes4 <a cis>8 f bis4 |
      cis2. <c, g'>4 |
    }
    \\
    \relative {
      ais'2 cis, |
      fis8 b a4 cis2 |
    }
  >>
}

musicB = {
  \clef bass
  \new Voice {
    \voiceTwo \relative {
      <fis a cis>8[ <fis a cis>
      \change Staff = up
      cis' cis
      \change Staff = down
      <fis, a> <fis a>]
      \showStaffSwitch
      \change Staff = up
      dis'4 |
      \change Staff = down
      <fis, a cis>4 gis <f a d>2 |
    }
  }
}

\new PianoStaff {
  <<
    \context Staff = "up" {
      \accidentalStyle default
      \musicA
    }
    \context Staff = "down" {
      \accidentalStyle default
      \musicB
    }
  >>
}

[image of music]

両方の譜で同じ臨時記号スタイルを使うのなら、この例の最後のブロックを以下で置き換えられます:

\new PianoStaff {
  <<
    \context Staff = "up" {
      %%% 次の行を変更したいスタイルに合わせて変更してください:
      \accidentalStyle Score.default
      \musicA
    }
    \context Staff = "down" {
      \musicB
    }
  >>
}
default

これはデフォルトの譜刻の仕方です。これは 18 世紀の一般的な習慣と一致します: 臨時記号が有効なのは、その臨時記号が発生した小節の終わりまでで、かつ、その臨時記号が発生したオクターブの中だけです。そのため以下の例の中では、第 2 小節の b や最後の c の前にはナチュラル記号は譜刻されていません:

[image of music]

voice

通常の臨時記号の付け方では、臨時記号は Staff レベルで保持されます。しかしながらこのスタイルでは、臨時記号はそれぞれのボイスで別々に譜刻されます。それを除けば、このスタイルの規則は default と同じです。

結果として、あるボイスからの臨時記号は他のボイスでキャンセルされず、これはしばしば望まない結果となります: 以下の例では、2 番目の a をナチュラルで演奏するか、シャープで演奏するかを決定するのは困難です。そのため、voice オプションは、それぞれのボイスが別々の演奏者によって個々に読まれる場合にのみ使用すべきです。譜が 1 人の演奏者によって使用される場合 (例えば、指揮者やピアノ譜の場合)、このスタイルの代わりに modernmodern-cautionary を使用すべきです。

[image of music]

modern

この規則は 20 世紀の一般的な臨時記号の付け方と一致します: この規則はいくつかの余分なナチュラル記号を省略します – 伝統的にダブル シャープの後のシャープに前置されるナチュラル記号と、ダブル フラットの後のフラットに前置されるナチュラル記号を省略します。

modern 規則の臨時記号の付け方は default とほぼ同じですが、あいまいさを避けるための 2 つの規則が追加されます – 一時的な臨時記号が使われると、 その後の小節で (同じオクターブにある音符に対して) キャンセル記号が譜刻され、臨時記号が使われた小節では他のオクターブにある音符にもキャンセル記号が譜刻されます。そのため、上部譜の第 2 小節の中にある bc の前にはナチュラルが付けられています:

[image of music]

modern-cautionary

この規則は modern と似ていますが、忠告的臨時記号として ‘追加の’ 臨時記号が (括弧付きで) 譜刻されます。これらの臨時記号は、AccidentalCautionaryfont-size プロパティをオーバライドすることで異なったサイズで表示することができます。

[image of music]

modern-voice

この規則は多声の臨時記号として使用されます。演奏家が複数の声部の中の 1 つの声部を演奏する場合にも、すべての声部を演奏する場合にも使用されます。臨時記号はそれぞれの声部に対して譜刻されますが、同じ Staff の中であっても声部をまたいでキャンセルされます。そのため、最後の小節で a がキャンセルされています – なぜなら、前のキャンセルは異なる声部で行われたからです。さらに下部譜では d がキャンセルされています – その臨時記号は前の小節の異なる声部で付けられたものだからです:

[image of music]

modern-voice-cautionary

この規則は modern-voice と同じですが、追加の臨時記号 (これは voice では譜刻されません) は忠告として譜刻されます。たとえ default で譜刻されるすべての臨時記号がこの規則でも譜刻されたとしても、それらの臨時記号のいくつかは忠告として譜刻されます。

[image of music]

piano

この規則は 20 世紀のピアノ譜の臨時記号のつけ方を反映しています。このスタイルは modern スタイルと非常によく似ています。しかしながらこのスタイルでは、同じ GrandStaff または PianoStaff の中にある譜をまたがって臨時記号はキャンセルされます。そのため、最後の和音ではすべての音符でキャンセルが行われています。

この臨時記号スタイルは、デフォルトで、GrandStaffPianoStaff に適用されます。

[image of music]

piano-cautionary

この規則は piano と同じですが、追加の臨時記号は忠告として譜刻されます。

[image of music]

choral

このルールは modern-voicepiano の組み合わせです。これは自身のボイスのみを追う歌手にとって必要な全ての臨時記号を表示し、また ChoirStaff の全てのボイスを同時に追う読譜者のために追加の臨時記号も表示します。

この臨時記号スタイルは ChoirStaff でデフォルトで適用されています。

[image of music]

choral-cautionary

この規則は choral と同じですが、追加の臨時記号は忠告として譜刻されます。

[image of music]

neo-modern

この規則は現代音楽での一般的な臨時記号の付け方を再現します: 臨時記号は modern と同じように譜刻されますが、同じ小節の中で臨時記号を付けられた音符と同じ音符が再び現れた場合、その音符にも臨時記号が譜刻されます – ただし、臨時記号を付けられた音符の直後に同じ音符が現れる場合は除きます (訳者: 第 1 小節の下部譜にある 2 つの f には両方とも臨時記号が譜刻されていますが、第 1 小節の上部譜にある 2 つのミドル C は連続しているため、後のミドル C には臨時記号が譜刻されません)。

[image of music]

neo-modern-cautionary

この規則は neo-modern と似ていますが、追加の臨時記号は忠告の臨時記号として (括弧付きで) 譜刻されます。これらの臨時記号は、AccidentalCautionaryfont-size プロパティをオーバライドすることで異なったサイズで表示することができます。

[image of music]

neo-modern-voice

この規則は、1 つのボイスを演奏する音楽家とすべてのボイスを演奏する音楽家両方のための複数ボイスの臨時記号に使用されます。neo-modern と同様に、臨時記号は各ボイスに譜刻されますが、同じ Staff にあるボイスをまたがるとキャンセルされます。

[image of music]

neo-modern-voice-cautionary

この規則は neo-modern-voice と似ていますが、追加の臨時記号が忠告の臨時記号として譜刻されます。

[image of music]

dodecaphonic

この規則は 20 世紀初頭の作曲家たちによって導入された臨時記号の付け方を反映しています – ナチュラルの音符と非ナチュラルの音符 (訳者: ピアノの白鍵に対応する音符と黒鍵に対応する音符) 間にある上下関係を無効にしようとする試みです。このスタイルでは、すべて の音符にナチュラル記号を含む臨時記号が付けられます。

[image of music]

dodecaphonic-no-repeat

dodecaphonic と似て、通常全ての 音符に臨時記号が譜刻されますが、同じ譜の中でピッチが直後に繰り返される場合には譜刻されません。

[image of music]

dodecaphonic-first

dodecaphonic と似て、通常全ての 音符に臨時記号が譜刻されますが、小節内で最初に出現したものに限られます。オクターブが異なるものは新たに譜刻されますが、異なるボイスでも臨時記号の効果は持続します。

[image of music]

teaching

この規則は学生向けを意図したものであり、自動的に譜刻される忠告の臨時記号によって容易にスケール譜を作ることを容易にします。臨時記号は modern と同じように譜刻されます。しかしながら、調号によって指定されたすべてのシャープ音、フラット音に対して忠告の臨時記号が譜刻されます – ただし、前の音符の直後にある同じピッチの音符は例外です。

[image of music]

no-reset

この規則は default と同じですが、臨時記号の保持は小節内に限定されず、‘最後まで’ 保持されます:

[image of music]

forget

この規則は no-reset と正反対です: 臨時記号はまったく保持されません – そのため、調号に対応しながら、前にある音楽とは無関係にすべての臨時記号が譜刻されます。

[image of music]

参照

コード断片集: ピッチ

内部リファレンス: Accidental, Accidental_engraver, GrandStaff, PianoStaff, Staff, AccidentalSuggestion, AccidentalPlacement, accidental-suggestion-interface

既知の問題と警告

同時発生する音符はシーケンシャル モードで入力されたものと見なされます。このことが意味するのは、和音の各音符は入力ファイルの中で記述された順に 1 つずつ発生するものとして、和音の臨時記号は譜刻されるということです。これは和音の中の臨時記号が互いに依存関係にある場合に問題となります – この問題はデフォルトの臨時記号スタイルでは発生しません。この問題は、問題となる音符に !? を手動で付け加えることによって解決できます。

臨時記号の忠告的なキャンセルは 1 つ前の小節を見て行われます。しかしながら、\repeat volta N セクションの後にくる \alternative ブロックでは、キャンセルの算出はその前に 譜刻された 小節ではなく、その前に 演奏された 小節を見て行われると演奏者は予想します。以下の例では、2 番目の差し替え小節の中にあるナチュラル c にナチュラル記号は必要ありません。

[image of music]

以下の方法で解決できます: 局部的に臨時記号スタイルを forget に変更する関数を定義します:

forget = #(define-music-function (music) (ly:music?) #{
  \accidentalStyle forget
  #music
  \accidentalStyle modern
#})
{
  \accidentalStyle modern
  \time 2/4
  \repeat volta 2 {
    c'2
  }
  \alternative {
     cis'
     \forget c'
  }
}

[image of music]


音域

用語 音域 (ambitus) は、音楽のある部分の中にあるボイスがとるピッチの範囲を示します。さらに、ある楽器が演奏することができるピッチ範囲を示すこともあるかもしれません。音域をボーカル パートに譜刻することによって、歌い手はそのパートの音域が歌い手の能力と一致するかどうかを容易に見極めることができます。

音域は、楽曲の開始点で、最初の音部記号の近くに記されます。範囲は最低ピッチと最高ピッチを表す 2 つの音符によってグラフィカルに示されます。臨時記号は、その臨時記号が調号の一部でない場合にのみ譜刻されます。

\layout {
  \context {
    \Voice
    \consists Ambitus_engraver
  }
}

\relative {
  aes' c e2
  cis,1
}

[image of music]

Selected Snippets

音域をボイスごとに追加する

音域をボイスごとに追加することができます。この場合、衝突を避けるために Ambitus を手動で移動する必要があります。

\new Staff <<
  \new Voice \with {
    \consists "Ambitus_engraver"
  } \relative c'' {
    \override Ambitus.X-offset = 2.0
    \voiceOne
    c4 a d e
    f1
  }
  \new Voice \with {
    \consists "Ambitus_engraver"
  } \relative c' {
    \voiceTwo
    es4 f g as
    b1
  }
>>

[image of music]

複数のボイスを持つ譜での音域

Staff コンテキストに Ambitus_engraver を追加すると、譜にボイスが複数ある場合でも、譜ごとに音域を表示します。

\new Staff \with {
  \consists "Ambitus_engraver"
  }
<<
  \new Voice \relative c'' {
    \voiceOne
    c4 a d e
    f1
  }
  \new Voice \relative c' {
    \voiceTwo
    es4 f g as
    b1
  }
>>

[image of music]

音域の隙間を変更する

音域表示において、デフォルトの符頭と線との隙間を変更することができます。

\layout {
  \context {
    \Voice
    \consists "Ambitus_engraver"
  }
}

\new Staff {
  \time 2/4
  % Default setting
  c'4 g''
}

\new Staff {
  \time 2/4
  \override AmbitusLine.gap = 0
  c'4 g''
}

\new Staff {
  \time 2/4
  \override AmbitusLine.gap = 1
  c'4 g''
}

\new Staff {
  \time 2/4
  \override AmbitusLine.gap = 1.5
  c'4 g''
}

\paper { tagline = ##f }

[image of music]

参照

音楽用語集: ambitus

コード断片集: ピッチ

内部リファレンス: Ambitus_engraver, Voice, Staff, Ambitus, AmbitusAccidental, AmbitusLine, AmbitusNoteHead, ambitus-interface

既知の問題と警告

複数のボイスがある場合にボイスごとに音域をとることによって生じる音域の衝突を処理するシステムはありません。


1.1.4 符頭

このセクションでは符頭を変更する方法について説明します。


特殊な符頭

符頭を変更することができます:

\relative c'' {
  c4 b
  \override NoteHead.style = #'cross
  c4 b
  \revert NoteHead.style
  a b
  \override NoteHead.style = #'harmonic
  a b
  \revert NoteHead.style
  c4 d e f
}

[image of music]

すべての符頭スタイルを調べるには、符頭のスタイル を参照してください。

cross スタイルはさまざまな音楽的意図を表すために使用されます。以下の定義済みコマンドは符頭を譜コンテキストとタブ譜コンテキストで変更し、何らかの音楽的意味を表すために使用することができます:

\relative {
  c''4 b
  \xNotesOn
   a b c4 b
  \xNotesOff
  c4 d
}

[image of music]

この定義済みコマンドの音楽関数は、譜コンテキストやタブ譜コンテキストの和音の内外で使用して、符頭を×の形にすることができます:

\relative {
  c''4 b
  \xNote { e f }
  c b < g \xNote c f > b
}

[image of music]

\xNote, \xNotesOn それに \xNotesOff の同義語として \deadNote, \deadNotesOn それに \deadNotesOff を使用することができます。dead note という用語はギタリストが一般的に使用します。

また、ダイアモンド形のための似たような短縮記法があります:

\relative c'' {
  <c f\harmonic>2 <d a'\harmonic>4 <c g'\harmonic> f\harmonic
}

[image of music]

定義済みコマンド

\harmonic, \xNotesOn, \xNotesOff, \xNote.

参照

コード断片集: ピッチ

記譜法リファレンス: 符頭のスタイル, 和音の音符, ハーモニクスとデッド ノートの指示

内部リファレンス: note-event, Note_heads_engraver, Ledger_line_engraver, NoteHead, LedgerLineSpanner, note-head-interface, ledger-line-spanner-interface


演奏を容易にする記譜法の符頭

‘演奏を容易にする’ 符頭は、符頭の中に音符名を含みます。これは、初心者のための楽譜で使用されます。文字を読みやすくするために、大きなフォント サイズで譜刻すべきです。大きなフォントで譜刻する方法は、譜サイズを設定する を参照してください。

#(set-global-staff-size 26)
\relative c' {
  \easyHeadsOn
  c2 e4 f
  g1
  \easyHeadsOff
  c,1
}

[image of music]

定義済みコマンド

\easyHeadsOn, \easyHeadsOff

Selected Snippets

演奏を容易にする記譜法で数字を使用する

演奏を容易にする記譜法では、NoteHead オブジェクトの note-names プロパティを使用し、符頭の内側に表示される文字を決定しています。このプロパティをオーバライドすることで、スケールの度数を表す数字を符頭に表示することができます。

全ての符頭オブジェクトに対してこれを適用するために、簡単なエングラーバを作成することができます。

#(define Ez_numbers_engraver
   (make-engraver
    (acknowledgers
     ((note-head-interface engraver grob source-engraver)
      (let* ((context (ly:translator-context engraver))
             (tonic-pitch (ly:context-property context 'tonic))
             (tonic-name (ly:pitch-notename tonic-pitch))
             (grob-pitch
              (ly:event-property (event-cause grob) 'pitch))
             (grob-name (ly:pitch-notename grob-pitch))
             (delta (modulo (- grob-name tonic-name) 7))
             (note-names
              (make-vector 7 (number->string (1+ delta)))))
        (ly:grob-set-property! grob 'note-names note-names))))))

#(set-global-staff-size 26)

\paper { tagline = ##f }

\layout {
  ragged-right = ##t
  \context {
    \Voice
    \consists \Ez_numbers_engraver
  }
}

\relative c' {
  \easyHeadsOn
  c4 d e f
  g4 a b c \break

  \key a \major
  a,4 b cis d
  e4 fis gis a \break

  \key d \dorian
  d,4 e f g
  a4 b c d
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 譜サイズを設定する

コード断片集: ピッチ

内部リファレンス: note-event, Note_heads_engraver, NoteHead, note-head-interface


シェイプ ノートの符頭

シェイプ ノート記譜法では、符頭の形状は音階の中での音符の位置付けに対応します。この表記は 19 世紀のアメリカの歌集で一般的なものです。シェイプ ノートの符頭は Sacred Harp、Southern Harmony、Funk (Harmonia Sacra)、Walker、それに Aiken (Christian Harmony) スタイルで使用されます:

\relative c'' {
  \aikenHeads
  c, d e f g2 a b1 c \break
  \aikenThinHeads
  c,4 d e f g2 a b1 c \break
  \sacredHarpHeads
  c,4 d e f g2 a b1 c \break
  \southernHarmonyHeads
  c,4 d e f g2 a b1 c \break
  \funkHeads
  c,4 d e f g2 a b1 c \break
  \walkerHeads
  c,4 d e f g2 a b1 c \break
}

[image of music]

符頭の形状は音階の中での位置に対応し、音階のベースは \key コマンドによって決まります。マイナーで記述している場合、符頭の形状を決定する音階ステップはメジャーの場合との相対関係になります:

\relative c'' {
  \key a \minor
  \aikenHeads
  a b c d e2 f g1 a \break
  \aikenHeadsMinor
  a,4 b c d e2 f g1 a \break
  \aikenThinHeadsMinor
  a,4 b c d e2 f g1 a \break
  \sacredHarpHeadsMinor
  a,2 b c d \break
  \southernHarmonyHeadsMinor
  a2 b c d \break
  \funkHeadsMinor
  a2 b c d \break
  \walkerHeadsMinor
  a2 b c d \break
}

[image of music]

定義済みコマンド

\aikenHeads, \aikenHeadsMinor, \aikenThinHeads, \aikenThinHeadsMinor, \funkHeads, \funkHeadsMinor, \sacredHarpHeads, \sacredHarpHeadsMinor, \southernHarmonyHeads, \southernHarmonyHeadsMinor, \walkerHeads, \walkerHeadsMinor

Selected Snippets

Aiken head thin variant noteheads

Aiken head white notes get harder to read at smaller staff sizes, especially with ledger lines. Losing interior white space makes them appear as quarter notes.

\score {
  {
    \aikenHeads
    c''2 a' c' a

    % Switch to thin-variant noteheads
    \set shapeNoteStyles = ##(doThin reThin miThin
                              faThin sol laThin tiThin)
    c'' a' c' a
  }
}

[image of music]

音階に応じて異なる符頭のスタイルを適用する

shapeNoteStyles プロパティは、音階 (調号と、tonic プロパティによる) に応じて符頭の形を変化させるために用いることができます。このプロパティは形のセットを与える必要がありますが、(triangle, cross, xcircle などの図形表現を用いて) 自由に定義できるほか、階名を使用して、アメリカの古い伝統の形を基に定義することができます (いくつかのラテン語の階名も使用することができます)。

古いアメリカの歌集を模倣するには、\aikenHeads\sacredHarpHeads といった定義済みのコマンドを符頭のスタイルとして用いることができます。

この例では、シェイプ ノートの符頭を得るいくつかの方法を示しています。また、和声機能と符頭の対応を維持しながらメロディを移調する機能も示しています。

fragment = {
  \key c \major
  c2 d
  e2 f
  g2 a
  b2 c
}

\new Staff {
  \transpose c d
  \relative c' {
    \set shapeNoteStyles = ##(do re mi fa
                               #f la ti)
    \fragment
  }

  \break

  \relative c' {
    \set shapeNoteStyles = ##(cross triangle fa #f
                               mensural xcircle diamond)
    \fragment
  }
}

[image of music]

すべての符頭スタイルを調べるには、符頭のスタイル を参照してください。

参照

コード断片集: ピッチ

記譜法リファレンス: 符頭のスタイル

内部リファレンス: note-event, Note_heads_engraver, NoteHead, note-head-interface


即興

即興はしばしばスラッシュ形の符頭で記されます。そのような表記では、演奏者は好みのピッチを選ぶことができますが、指定されたリズムに従って演奏する必要があります。このような符頭は以下のようにして作成することができます:

\new Voice \with {
  \consists Pitch_squash_engraver
} \relative {
  e''8 e g a a16( bes) a8 g
  \improvisationOn
  e8 ~
  2 ~ 8 f4 f8 ~
  2
  \improvisationOff
  a16( bes) a8 g e
}

[image of music]

定義済みコマンド

\improvisationOn, \improvisationOff

参照

コード断片集: ピッチ

内部リファレンス: Pitch_squash_engraver, Voice, RhythmicStaff


1.2 リズム

[image of music]

このセクションではリズム、休符、演奏時間、連桁、小節について議論します。


1.2.1 リズムを記述する


演奏時間

演奏時間は数とドットで指定されます。演奏時間はその演奏時間の逆数で入力されます。例えば、4 分音符は 4 で入力され (1/4 の音符だから)、半音符は 2 で入力されます (1/2 の音符だから)。全音符よりも長い音符を入力するには、\longa コマンド (全音符の 4 倍) と \breve コマンド (全音符の 2 倍) を使う必要があります。128 分音符のような短い音符を指定することもできます。それよりも短い音価を指定することも可能ですが、必ず連桁付きの音符となります。

音符の演奏時間は数とドットで入力します。入力された数は音符の長さの逆数となります。例えば、4 分音符は 1/4 の長さを持つため、4 と入力します。2 分音符は 2、8 分音符は 8 となります。1024 までの短い音符は入力できますが、それよりも短い音符は連桁で繋がれた状態でしか表示できません。連桁 を参照してください。

全音符よりも長い音符については、\longa – ブレヴィスの 2 倍 – や \breve コマンドを使用してください。ブレヴィスの 4 倍の長さは \maxima コマンドで入力できますが、古代の記譜法でしか表示できません。古代の記譜法 を参照してください。

\relative {
  \time 8/1
  c''\longa c\breve c1 c2
  c4 c8 c16 c32 c64 c128 c128
}

[image of music]

同じ例で自動連桁を off にしてみます。

\relative {
  \time 8/1
  \autoBeamOff
  c''\longa c\breve c1 c2
  c4 c8 c16 c32 c64 c128 c128
}

[image of music]

独立した演奏時間 – ピッチを持たず、演奏時間だけの音符 – が音楽内に現れた場合、前の音符や和音からピッチを受け継ぎます。

\relative {
  \time 8/1
  c'' \longa \breve 1 2
  4 8 16 32 64 128 128
}

[image of music]

独立したピッチ – 演奏時間を持たず、ピッチだけの音符 – が音楽内に現れた場合、前の音符や和音から演奏時間を受け継ぎます。前の演奏時間が存在しない場合、デフォルトは 4 つまり 4 分音符となります。

\relative { a' a a2 a a4 a a1 a }

[image of music]

付点音符の演奏時間を得るには、演奏時間の後にドット (.) を置きます。2 重付点音符は 2 つのドットを置き、3 重付点音符は 3 つのドットなどとなります。

\relative { a'4 b c4. b8 a4. b4.. c8. }

[image of music]

譜線を避けるために、音符のドットは通常上に移動されます。しかし、多声の場合では、必要ならば手動でドットの位置を譜線の上か下に移動することができます。Direction and placement を参照してください。

演奏時間の中には数字とドットだけでは表せず、2 つ以上の音符をタイでつなげるしかない場合があります。詳細は タイ を参照してください。

歌詞音節と音符を揃えるために演奏時間を指定する方法については 声楽 を参照してください。

音符を演奏時間に比例させた間隔で配置することができます。プロポーショナル ノーテーション を参照してください。

定義済みコマンド

\autoBeamOn, \autoBeamOff, \dotsUp, \dotsDown, \dotsNeutral

Selected Snippets

二全音符を変更する

二全音符の表示を、符頭の左右に線が 1 本あるバロック式の表示から、2 本あるものに変更することができます。

\relative c'' {
  \time 4/2
  c\breve |
  \override Staff.NoteHead.style = #'altdefault
  b\breve
  \override Staff.NoteHead.style = #'baroque
  b\breve
  \revert Staff.NoteHead.style
  a\breve
}

[image of music]

音符ごとに付点の数を独立して変更する

音符ごとに、入力したドットの数とは独立して付点の数を変更することができます。

\relative c' {
  c4.. a16 r2 |
  \override Dots.dot-count = 4
  c4.. a16 r2 |
  \override Dots.dot-count = 0
  c4.. a16 r2 |
  \revert Dots.dot-count
  c4.. a16 r2 |
}

[image of music]

参照

音楽用語集: breve, longa, maxima, note value, Duration names notes and rests

記譜法リファレンス: 連桁, タイ, 符幹, リズムを記述する, 休符を記述する, 声楽, 古代の記譜法, プロポーショナル ノーテーション

コード断片集: リズム

内部リファレンス: Dots, DotColumn

既知の問題と警告

休符の演奏時間には基本的に限界 (最大値や最小値) がありませんが、図柄の数には限界があり、1024 から \maxima までの休符を譜刻することができます。


連符

連符は \tuplet を使った音楽表記から作られ、音楽表記の速度に分数を掛け合わせます。

\tuplet fraction { music }

分数 (fraction) の分子が音符の上または下に譜刻され、オプションで囲みが付きます。最も一般的な連符は 3 連符です。(3 つの音符が音符 2 つ分の演奏時間で演奏されます。)

\relative {
  a'2 \tuplet 3/2 { b4 4 4 }
  c4 c \tuplet 3/2 { b4 a g }
}

[image of music]

連符の長いパッセージを入力するとき、各グループに別々の \tuplet コマンドを記述することは不便です。音楽の前に一つの連符グループの長さを直接指定することで、連符を自動的にグループ化することができます:

\relative {
  g'2 r8 \tuplet 3/2 8 { cis16 d e e f g g f e }
}

[image of music]

連符囲みは手動で譜の上または下に配置することができます:

\relative {
  \tupletUp \tuplet 3/2 { c''8 d e }
  \tupletNeutral \tuplet 3/2 { c8 d e }
  \tupletDown \tuplet 3/2 { f,8 g a }
  \tupletNeutral \tuplet 3/2 { f8 g a }
}

[image of music]

連符はネストすることができます:

\relative {
  \autoBeamOff
  c''4 \tuplet 5/4 { f8 e f \tuplet 3/2 { e[ f g] } } f4
}

[image of music]

ネストされた連符の演奏開始点が同時である場合に、それらの連符を変更するには \tweak を使う必要があります。 \tweak コマンド を参照してください。

多くの古い版で好まれるように、連符囲みはスラーに置き換えることができます:

\relative {
  \tuplet 3/2 4 {
    \override TupletBracket.tuplet-slur = ##t
    c'4 e8 d4 f8
    \override TupletBracket.bracket-visibility = ##t
    e f g f e d
  } c1
}

[image of music]

デフォルトでは、連符囲みは、それがまたがるすべての音符が連桁でつながれない場合にのみ譜刻されます。場合によっては (上記の例のようにスラーを使用するなど)、次のスニペットのいずれかで詳しく説明されているように、bracket-visibility プロパティを使用して、その動作を変更することが望ましい場合があります。

より一般的には、オブジェクトの可視性 で説明されているように、 TupletBracket オブジェクトと TupletNumber オブジェクトのどちらかまたは両方を非表示または表示できます。しかしながら、連符囲みを譜刻せずに音符の演奏時間をより柔軟に変更する方法も 演奏時間を変更する で紹介されています。

定義済みコマンド

\tupletUp, \tupletDown, \tupletNeutral.

Selected Snippets

一つの \tuplet コマンドで複数の連符を入力する

tupletSpannerDuration プロパティは、一つの \tuplet コマンド内にある音符が、どれぐらいの長さで連符一つ分を作るかを指定します。これにより、一つの \tuplet コマンドで多くの連続した連符を作成することができ、入力が簡潔になります。

tupletSpannerDuration を設定する方法はいくつかあります。\tupletSpan コマンドは、プロパティを与えられた長さにセットし、長さではなく \default が与えられた場合はリセットします。もう一つの方法は、\tuplet のオプション引数を用いることです。

\relative c' {
  \time 2/4
  \tupletSpan 4
  \tuplet 3/2 { c8^"\\tupletSpan 4" c c c c c }
  \tupletSpan \default
  \tuplet 3/2 { c8^"\\tupletSpan \\default" c c c c c }
  \tuplet 3/2 4 { c8^"\\tuplet 3/2 4 {...}" c c c c c }
}

[image of music]

連符の数字を変更する

デフォルトでは、連符の上には \tuplet の引数として与えられた数字のみが表示されます。

代わりに、3:2 のような形の数字を表示することができます。また、数字を非表示にすることもできます。

\relative c'' {
  \tuplet 3/2 { c8 c c }
  \tuplet 3/2 { c8 c c }
  \override TupletNumber.text = #tuplet-number::calc-fraction-text
  \tuplet 3/2 { c8 c c }
  \omit TupletNumber
  \tuplet 3/2 { c8 c c }
}

[image of music]

デフォルトでない連符の数字

LilyPond は連符に表示される数字として、実際の音価の比率とは異なる値を整形して表示する関数が用意されています。連符の数や比だけでなく、音価を示す音符を表示することもできます。

\relative c'' {
  \once \override TupletNumber.text =
    #(tuplet-number::non-default-tuplet-denominator-text 7)
  \tuplet 3/2  { c4. c4. c4. c4. }
  \once \override TupletNumber.text =
    #(tuplet-number::non-default-tuplet-fraction-text 12 7)
  \tuplet 3/2  { c4. c4. c4. c4. }
  \once \override TupletNumber.text =
    #(tuplet-number::append-note-wrapper
      (tuplet-number::non-default-tuplet-fraction-text 12 7)
      (ly:make-duration 3 0))
  \tuplet 3/2  { c4. c4. c4. c4. }
  \once \override TupletNumber.text =
    #(tuplet-number::append-note-wrapper
      tuplet-number::calc-denominator-text
      (ly:make-duration 2 0))
  \tuplet 3/2  { c8 c8 c8 c8 c8 c8 }
  \once \override TupletNumber.text =
    #(tuplet-number::append-note-wrapper
      tuplet-number::calc-fraction-text
      (ly:make-duration 2 0))
  \tuplet 3/2  { c8 c8 c8 c8 c8 c8 }
  \once \override TupletNumber.text =
    #(tuplet-number::fraction-with-notes
      (ly:make-duration 2 1) (ly:make-duration 3 0))
  \tuplet 3/2  { c4. c4. c4. c4. }
  \once \override TupletNumber.text =
    #(tuplet-number::non-default-fraction-with-notes 12
      (ly:make-duration 3 0) 4 (ly:make-duration 2 0))
  \tuplet 3/2  { c4. c4. c4. c4. }
}

[image of music]

連符の括弧の可視性をコントロールする

連符の括弧の可視性についての挙動は、デフォルトでは同じ長さの連桁がある場合に表示されないようになっています。これをコントロールするには、bracket-bisibility プロパティを #t (常に表示), #'if-no-beam (連桁が無い場合にのみ表示。デフォルトの振る舞い), #f (常に非表示) のいずれかにセットします。 3 つ目の選択肢は、実際には TupletBracket オブジェクトを出力から完全に省略することに相当します。

music = \relative c'' {
  \tuplet 3/2 { c16[ d e } f8]
  \tuplet 3/2 { c8 d e }
  \tuplet 3/2 { c4 d e }
}

\new Voice {
  \relative c' {
    \override Score.TextMark.non-musical = ##f
    \textMark "default" \music
    \override TupletBracket.bracket-visibility = #'if-no-beam
    \textMark \markup \typewriter "'if-no-beam" \music
    \override TupletBracket.bracket-visibility = ##t
    \textMark \markup \typewriter "#t" \music
    \override TupletBracket.bracket-visibility = ##f
    \textMark \markup \typewriter "#f" \music
    \omit TupletBracket
    \textMark \markup \typewriter "omit" \music
  }
}

\paper { tagline = ##f }

[image of music]

連桁で繋がれた連符の途中で改行する

この作為的な例は、連桁で繋がれた連符の途中で手動あるいは自動の改行を許可する方法を示しています。ただし、拍に収まらない連符は手動で連桁を繋ぐ必要があります。

\paper { tagline = ##f }
\layout {
  \context {
    \Voice
    % Permit line breaks within tuplets
    \remove "Forbid_line_break_engraver"
    % Allow beams to be broken at line breaks
    \override Beam.breakable = ##t
  }
}
\relative c'' {
  a8
  \repeat unfold 5 { \tuplet 3/2 { c[ b a] } }
  % Insert a manual line break within a tuplet
  \tuplet 3/2 { c[ b \bar "" \break a] }
  \repeat unfold 5 { \tuplet 3/2 { c[ b a] } }
  c8
}

[image of music]

参照

音楽用語集: triplet, tuplet, polymetric

学習マニュアル: Tweaking methods

記譜法リファレンス: 向きと配置, オブジェクトの可視性, 時間管理, 演奏時間を変更する, \tweak コマンド, 多拍子記譜法

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: TupletBracket, TupletNumber, TimeScaledMusic.


演奏時間を変更する

*N/M (または、M が 1 の場合は *N) を演奏時間の後に付け加えることによって、単一の音符、休符、和音の演奏時間を分数 N/M 倍することができます。要素は評価結果が数字または *#(ly:music-length music) のような音楽的な長さとなる Scheme 表記を用いて加えることもできます。これは、音符や複数小節の休符の長さを音楽変数から導き出した長さにするために、 ‘1’ の長さを調整するのに便利です。

要素の追加は作り出される音符や休符の見た目には影響を与えませんが、変更された演奏時間は小節の中での位置を算出するためと、MIDI 出力での演奏時間を決定するために使用されます。掛け合わせる要素は *L*M/N のように組み合わせることができます。掛け合わせる要素は演奏時間の一部です: 音符の演奏時間が指定されていない場合、前の音符から取ったデフォルトの演奏時間に要素が掛け合わされます。

以下の例では、最初の 3 つの音符で 2 拍ですが、連符囲みは譜刻されていません。

\relative {
  \time 2/4
  % 演奏時間を変更して 3 連符にします
  a'4*2/3 gis a
  % 通常の演奏時間
  a4 a
  % 和音の演奏時間を 2 倍にします
  <a d>4*2
  % 演奏時間は 4 分音符ですが、見た目は 16 分音符です
  b16*4 c4
}

[image of music]

空白休符の演奏時間も掛け算によって変更できます。これは s1*23 のように多くの小節をスキップする場合に役に立ちます。

同様の方法で分数を使うことで、長く伸びた音楽を圧縮することができます。それによりそれぞれの音符、和音、休符には分数が掛け合わせられたかのようになります。これは楽譜要素の見た目をそのままにして、要素の内部演奏時間に与えられた伸縮比の要素、たいていは分子/分母を掛け合わせます。ここで、音楽がどのように圧縮され、伸張されるかを示す例を挙げます:

\relative {
  \time 2/4
  % 通常の演奏時間
  <c'' a>4 c8 a
  % 2/3 を掛けます
  \scaleDurations 2/3 {
    <c a f>4. c8 a f
  }
  % 2 を掛けます
  \scaleDurations 2 {
    <c' a>4 c8 b
  }
}

[image of music]

このコマンドの応用例の 1 つは多拍子記譜法での使用です。多拍子記譜法 を参照してください。

参照

記譜法リファレンス: 連符, 不可視の休符, 多拍子記譜法

コード断片集: Rhythms

既知の問題と警告

小節内での位置の計算はその小節の音符に適用される全ての演奏時間の伸縮や、それより前の小節からの計算結果を考慮する必要があります。この計算は分数を用いて行われています。計算の途中で分子あるいは分母が 2^30 を超えると、プログラムの実行と譜刻はその時点でエラーを発生せずに止まります。 (訳注: 内部的に、分子と分母をそれぞれ整数型として持つ分数型を用いているため、あまりに複雑な演奏時間の伸縮を行うと、計算の途中で分子や分母が2^30 を超えてしまい譜刻が途中で止まってしまうということです。)


タイ

タイは同じピッチの隣り合う符頭を結び付けます。タイは音符の演奏時間を伸張する効果があります。

Note: タイを音楽的なフレーズを表す スラーフレージング スラー と混同しないでください。タイは音符の演奏時間を伸ばす働きを持ち、音価を増やすドットに似ています。

タイは、結ばれる 2 つの音符の 1 つ目にチルド記号 (~) を付加することで入力します。この記号は音符が次の音符とタイで結ばれるということを示し、次の音符は同じピッチでなければなりません。

{ a'2~ 4~ 16 r r8 }

[image of music]

タイでは、演奏時間のみを入力することで‘最後に明示されたピッチ’を用いることができます:

{ a'2~ 4~ 16 r r8 }

[image of music]

タイは、音符が小節線をまたがる場合か、リズムを表すためにドットを使うことができない場合に使用されます。さらに、以下の例のように音価が小節の区画をまたがる場合にも使用されます (訳者補足: 4/4 拍子では 1 小節は 1/4, 1/4, 1/4, 1/4 の区画に分けられます。下の例の第 2 小節では半音符が区画をまたがっているので良くない書き方であり、第 1 小節のように書くべきです。):

\relative {
  r8 c'4.~ 4 r4 |
  r8^"こうすべきではありません" c2~ 8 r4
}

[image of music]

小節線をまたいで多くの音符をタイで結び付ける必要がある場合、自動音符分割を使用したほうが簡単かもしれません – 自動音符分割 を参照してください。これは長い音符を自動的に分割して、小節線をまたがる音符をタイで結び付けます。

タイを和音に適用する場合、ピッチが一致する符頭すべてが結ばれます。一致する符頭が無い場合、タイは作成されません。和音の内部にタイを置くことによって、和音の一部だけをタイで結ぶことができます。

\relative c' {
  <c e g>2~ 2 |
  <c e g>4~ <c e g c>
    <c~ e g~ b> <c e g b> |
}

[image of music]

繰り返しの 2 回目の差し替え部分はタイで結ばれた音符で始まっています。そのような繰り返し部分でのタイは以下のように指定する必要があります:

\relative {
  \repeat volta 2 { c'' g <c e>2~ }
  \alternative {
    % 1 番目の差し替え部分: 後に続く音符は通常通りタイで結ばれます
    { <c e>2. r4 }
    % 2 番目の差し替え部分: 後に続く音符にはリピート用のタイを付けます
    { <c e>2\repeatTie d4 c }
  }
}

[image of music]

L.v. タイ (レセ ヴィブレ: laissez vibrer) は音符を終端で途切れさせないということを示します。ピアノ、ハープ、他の弦楽器、それに打楽器のための楽譜で使用されます。L.v. タイは以下のように入力します:

<c' f' g'>1\laissezVibrer

[image of music]

タイを手動で上向きまたは下向きに配置することができます。 向きと配置 を参照してください。

タイを破線、点線、実線と破線の組み合わせにすることができます。

\relative c' {
  \tieDotted
  c2~ 2
  \tieDashed
  c2~ 2
  \tieHalfDashed
  c2~ 2
  \tieHalfSolid
  c2~ 2
  \tieSolid
  c2~ 2
}

[image of music]

破線パターンのカスタマイズを指定することができます:

\relative c' {
  \tieDashPattern #0.3 #0.75
  c2~ 2
  \tieDashPattern #0.7 #1.5
  c2~ 2
  \tieSolid
  c2~ 2
}

[image of music]

タイの破線パターン定義の構造は、スラーの破線パターン定義と同じです。複雑な破線パターンについての更なる情報は スラー を参照してください。

タイとの間に隙間を作りたいオブジェクトには、whiteout レイアウト プロパティと layer レイアウト プロパティをオーバライドしてください。

\relative {
  \override Tie.layer = #-2
  \override Staff.TimeSignature.layer = #-1
  \override Staff.KeySignature.layer = #-1
  \override Staff.TimeSignature.whiteout = ##t
  \override Staff.KeySignature.whiteout = ##t
  b'2 b~
  \time 3/4
  \key a \major
  b r4
}

[image of music]

定義済みコマンド

\tieUp, \tieDown, \tieNeutral, \tieDotted, \tieDashed, \tieDashPattern, \tieHalfDashed, \tieHalfSolid, \tieSolid

Selected Snippets

アルペジオにタイを使用する

タイはアルペジオを表記する際にも使われます。この場合、タイの始端となる複数の音符は同時である必要はありません。これは tieWaitForNote プロパティを #t にセットすることで実現できます。この機能は例えば、和音のトレモロにタイを繋ぐ場合などに有用ですが、通常の音符に対して用いることもできます。

\relative c' {
  \set tieWaitForNote = ##t
  \grace { c16[ ~ e ~ g] ~ } <c, e g>2
  \repeat tremolo 8 { c32 ~ c' ~ } <c c,>1
  e8 ~ c ~ a ~ f ~ <e' c a f>2
  \tieUp
  c8 ~ a
  \tieDown
  \tieDotted
  g8 ~ c g2
}

[image of music]

タイを手動で譜刻する

タイは TieColumn オブジェクトの tie-configuration プロパティを変更することで手動で譜刻することができます。最初の数値が中央の譜線からの距離を譜スペースの半分の単位で表し、次の数値が向きを表します (1 = 上, -1 = 下)。

LilyPond は最初の数値の正確な値と不正確な値を区別することに注意してください。正確な値 (つまり、整数または (/ 4 5) のような分数) を使用する場合、値はおおよその垂直位置として機能し、LilyPond によってさらに調整され、タイが譜線を避けるようにします。浮動小数点数のような不正確な値を使用する場合は、それ以上調整せずに垂直位置と見なされます。

\relative c' {
  <>^"default"
  g'1 ^~ g

  <>^"0"
  \once \override Tie.staff-position = 0
  g1 ^~ g

  <>^"0.0"
  \once \override Tie.staff-position = 0.0
  g1 ^~ g

  <>^"reset"
  \revert Tie.staff-position
  g1 ^~ g
}

\relative c' {
  \override TextScript.outside-staff-priority = ##f
  \override TextScript.padding = 0

  <>^"default"
  <c e g>1~ <c e g>

  <>^"0, -2, -4"
  \override TieColumn.tie-configuration =
    #'((0 . 1) (-2 . 1) (-4 . 1))
  <c e g>1~ <c e g>

  <>^"0.0, -2.0, -4.0"
  \override TieColumn.tie-configuration =
    #'((0.0 . 1) (-2.0 . 1) (-4.0 . 1))
  <c e g>1~ <c e g>

  <>^"reset"
  \override TieColumn.tie-configuration = ##f
  <c e g>1~ <c e g>
}

\paper { tagline = ##f }

[image of music]

参照

音楽用語集: tie, laissez vibrer

記譜法リファレンス: スラー, 自動音符分割

コード断片集: Expressive marks, Rhythms

内部リファレンス: LaissezVibrerTie, LaissezVibrerTieColumn, TieColumn, Tie

既知の問題と警告

タイがアクティブなときに譜を切り換えても斜めのタイは作られません。

タイの最中に音部記号やオクターブを変更することはきちんと定義されていません。そのような場合には、スラーを用いる方が好ましいです。


1.2.2 休符を記述する

休符は音楽表記の中の音楽の一部として入力されます。


休符

休符は音符名 r を持つ音符として入力されます。全休符よりも長い演奏時間を持つ休符には以下に示す定義済みコマンドを使用します:

\new Staff {
  % この 2 行は例を見やすくするためのものです
  \time 16/1
  \omit Staff.TimeSignature
  % 八全休符を譜刻します。二全休符 4 つと等価です
  r\maxima
  % 四全休符を譜刻します。二全休符 2 つと等価です
  r\longa
  % 二全休符を譜刻します。
  r\breve
  r1 r2 r4 r8 r16 r32 r64 r128
}

[image of music]

全休符 – 小節の中心に置かれます – は複数小節の休符として入力する必要があります。複数小節の休符は多くの小節に対してと同様に単一の小節に対しても使用することができます。詳細は 小節単位の休符 を参照してください。

休符の垂直方向の位置を明示的に指定するには、音符の後に続けて \rest を記述します。その音符が譜上で占める位置に、その音符の演奏時間を持つ休符が配置されます。これは多声部音楽を手動で精密にフォーマットすることを考慮したものです。なぜなら、自動休符フォーマットでは多声部音楽の休符の衝突を回避できないからです。

\relative { a'4\rest d4\rest }

[image of music]

Selected Snippets

休符のスタイル

休符には様々なスタイルが使用できます。

restsA = {
  r\maxima r\longa r\breve r1 r2 r4 r8 r16 s32
  s64 s128 s256 s512 s1024 s1024
}
restsB = {
  r\maxima r\longa r\breve r1 r2 r4 r8 r16 r32
  r64 r128 r256 r512 r1024 s1024
}

\new Staff \relative c {
  \omit Score.TimeSignature
  \cadenzaOn

  \override Staff.Rest.style = #'mensural
  <>^\markup \typewriter { mensural } \restsA \bar "" \break

  \override Staff.Rest.style = #'neomensural
  <>^\markup \typewriter { neomensural } \restsA \bar "" \break

  \override Staff.Rest.style = #'classical
  <>^\markup \typewriter { classical } \restsB \bar "" \break

  \override Staff.Rest.style = #'z
  <>^\markup \typewriter { z-style } \restsB \bar "" \break

  \override Staff.Rest.style = #'default
  <>^\markup \typewriter { default } \restsB \bar "" \break
}

\paper {
  indent = 0
  tagline = ##f
}

[image of music]

参照

音楽用語集: breve, longa, maxima

記譜法リファレンス: 小節単位の休符

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: Rest

既知の問題と警告

休符の演奏時間には基本的に限界がありません (最大値としても、最小値としても)。しかしながら、図柄の数には限界があります: 1024 分から全音符の 8 倍までの休符を譜刻することができます。


不可視の休符

不可視の休符 (‘空白休符’ とも呼ばれます) は音符名 s を持つ音符として入力することができます:

\relative c'' {
  c4 c s c |
  s2 c |
}

[image of music]

空白休符は音符モードと和音モードでのみ利用可能です。他のモードでは、例えば歌詞を入力している場合、音楽モーメントをスキップするには \skip を使用します。\skip は明示的な演奏時間を必要としますが、\addlyrics\lyricsto を使っていて、歌詞が関係するメロディーの音符から演奏時間を得ている場合は無視されます。

<<
  {
    a'2 \skip2 a'2 a'2
  }
  \new Lyrics {
    \lyricmode {
      foo2 \skip 1 bla2
    }
  }
>>

[image of music]

\skip はコマンドであるため、s とは異なり後に続く音符のデフォルト演奏時間には影響を与えません。

<<
  {
    \repeat unfold 8 { a'4 }
  }
  {
    a'4 \skip 2 a' |
    s2 a'
  }
>>

[image of music]

空白休符は、音符や休符と同様に、StaffVoice が存在しない場合に、それらを暗黙的に作成します:

{ s1 s s }

[image of music]

\skip はただ音楽的な時間をスキップするだけです。これはいかなる種類の出力も作成しません。

% これは有効な入力ですが、何もしません
{ \skip 1 \skip1 \skip 1 }

[image of music]

参照

学習マニュアル: Visibility and color of objects

記譜法リファレンス: 隠された音符, オブジェクトの可視性

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: SkipMusic


小節単位の休符

1 つまたは複数の小節に対する休符は音符名として大文字の ‘R’ を持つ音符として入力します。これらの演奏時間は、演奏時間を変更する で説明されているように、演奏時間の乗数を使用する機能を含めて、音符に使用される演奏時間表記と同じように入力されます。

% 休みの小節は 1 つの小節にまとめられます
\compressMMRests {
  R1*4
  R1*24
  R1*4
  b'2^"Tutti" b'4 a'4
}

[image of music]

上記の例は、空の小節を圧縮する で説明されているように、複数の空の小節を圧縮する方法も示しています。

複数小節にまたがる休符の演奏時間は、常に 1 つまたは複数の小節の長さに等しくなければなりません。したがって、一部の拍子記号では、ドットや分数を使う必要があります:

\compressMMRests {
  \time 2/4
  R1 | R2 |
  \time 3/4
  R2. | R2.*2 |
  \time 13/8
  R1*13/8 | R1*13/8*12 |
  \time 10/8
  R4*5*4 |
}

[image of music]

1 小節分の休符は、拍子次第で全休符または二全休符のどちらかとして、小節の中央に譜刻されます。

\time 4/4
R1 |
\time 6/4
R1*3/2 |
\time 8/4
R1*2 |

[image of music]

マークアップを複数小節にまたがる休符に付け加えることができます。

\compressEmptyMeasures
\time 3/4
R2.*10^\markup { \italic "ad lib." }

[image of music]

複数小節にまたがる休符が \partial 設定の直後にある場合、小節チェックの警告が表示されないかもしれません。

定義済みコマンド

\textLengthOn, \textLengthOff, \compressMMRests

Selected Snippets

複数小節にまたがる休符の長さをコントロールする

複数小節にまたがる休符の長さは、休符の長さに依存しますが、MultiMeasureRest.space-increment によってコントロールされます。デフォルト値は 2.0 です。

\relative c' {
  \compressEmptyMeasures
  R1*2 R1*4 R1*64 R1*16
  \override Staff.MultiMeasureRest.space-increment = 2.5
  R1*2 R1*4 R1*64 R1*16
}

\paper { tagline = ##f }

[image of music]

複数小節にまたがる休符の位置を変更する

通常の休符と異なり、音符に付加することによって複数小節にまたがる休符の位置を変更するコマンドは用意されていません。しかし、多声の音楽では、奇数番号のボイスと偶数番号のボイスで休符の位置が分けられます。複数小節にまたがる休符の位置は以下のようにコントロールできます:

\relative c'' {
  % Multi-measure rests by default are set under the fourth line
  R1
  % They can be moved using an override
  \override MultiMeasureRest.staff-position = -2
  R1
  \override MultiMeasureRest.staff-position = 0
  R1
  \override MultiMeasureRest.staff-position = 2
  R1
  \override MultiMeasureRest.staff-position = 3
  R1
  \override MultiMeasureRest.staff-position = 6
  R1
  \revert MultiMeasureRest.staff-position
  \break

  % In two Voices, odd-numbered voices are under the top line
  << { R1 } \\ { a1 } >>
  % Even-numbered voices are under the bottom line
  << { a1 } \\ { R1 } >>
  % Multi-measure rests in both voices remain separate
  << { R1 } \\ { R1 } >>

  % Separating multi-measure rests in more than two voices
  % requires an override
  << { R1 } \\ { R1 } \\
     \once \override MultiMeasureRest.staff-position = 0
     { R1 }
  >>

  % Using compressed bars in multiple voices requires another override
  % in all voices to avoid multiple instances being printed
  \compressMMRests
  <<
   \revert MultiMeasureRest.direction
    { R1*3 }
    \\
   \revert MultiMeasureRest.direction
    { R1*3 }
  >>
}

[image of music]

複数小節にまたがる休符にマークアップを付加する

複数小節にまたがる休符に付加されるマークアップは、休符の上または下に中央揃えされます。マークアップが長い場合であっても、休符が広げられることはありません。休符をマークアップに合わせて広げる場合は、休符の前に空の和音を追加して、それにマークアップを付加してください。

このような方法で付加されたテキストは、空の和音が本来表示されるべき場所に合わせて左揃えされます。しかし、小節の長さをテキストに合わせるようにすれば、テキストが中央揃えされたように見えます。

\relative c' {
  \compressMMRests {
    \textLengthOn
    <>^\markup { [MAJOR GENERAL] }
    R1*19
    <>_\markup { \italic { Cue: ... it is yours } }
    <>^\markup { A }
    R1*30^\markup { [MABEL] }
    \textLengthOff
    c4^\markup { CHORUS } d f c
  }
}

[image of music]

参照

音楽用語集: multi-measure rest

記譜法リファレンス: 演奏時間, 演奏時間を変更する, 空の小節を圧縮する, テキスト, テキストをフォーマットする, テキスト スクリプト

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: MultiMeasureRest, MultiMeasureRestNumber, MultiMeasureRestScript, MultiMeasureRestText

既知の問題と警告

複数小節にまたがる休符の上に運指記号を配置すると (例えば、R1*10-4)、運指の数字が休みの小節数と衝突する可能性があります。

複数の通常の休符を自動的に単一の複数小節休符にまとめる方法はありません。

複数小節にまたがる休符が休符の衝突を引き起こすことはありません。


1.2.3 リズムを表示する


拍子

拍子は以下のようにセットします:

\time 2/4 c''2
\time 3/4 c''2.

[image of music]

小節の途中で拍子記号を変更することについては、上拍で扱っています。

拍子は楽曲の始まりと拍子が変更されたときに譜刻されます。行の終わりで変更が起こる場合、警告の拍子が行の終わりに譜刻されます。デフォルトの振る舞いを変更することができます。オブジェクトの可視性 を参照してください。

\relative c'' {
  \time 2/4
  c2 c
  \break
  c c
  \break
  \time 4/4
  c c c c
}

[image of music]

2/2 や 4/4 で使用される拍子は数字を使用するスタイルに変更することができます:

\relative c'' {
  % デフォルトのスタイル
  \time 4/4 c1
  \time 2/2 c1
  % 数字を使うスタイルに変更します
  \numericTimeSignature
  \time 4/4 c1
  \time 2/2 c1
  % デフォルトのスタイルに戻します
  \defaultTimeSignature
  \time 4/4 c1
  \time 2/2 c1
}

[image of music]

計量拍子については 計量記譜法の拍子記号 でカバーされています。

譜刻される拍子を設定することに加えて、\time コマンドは拍子に基づくプロパティ baseMoment, beatStructure, それに beamExceptions の値も設定します。これらのプロパティにあらかじめ定義されているデフォルト値は scm/time-signature-settings.scm で見つかります。

beatStructure のデフォルトの値は、\time に省略可能な 1 つ目の引数を与えることでオーバライドできます:

\score {
  \new Staff {
    \relative {
      \time 2,2,3 7/8
      \repeat unfold 7 { c'8 } |
      \time 3,2,2 7/8
      \repeat unfold 7 { c8 } |
    }
  }
}

[image of music]

また、baseMomentbeamExceptions も含めた、全ての拍子に基づくプロパティのデフォルトの値を一度にセットすることができます。値は異なる拍子記号について独立に設定できます。新しい値は同じ拍子記号の \time コマンドが続く時に有効となります。

\score {
  \new Staff {
    \relative c' {
      \overrideTimeSignatureSettings
        4/4        % timeSignatureFraction
        1/4        % baseMoment
        3,1        % beatStructure
        #'()       % beamExceptions
      \time 4/4
      \repeat unfold 8 { c8 } |
    }
  }
}

[image of music]

\overrideTimeSignatureSettings は 4 つの引数をとります:

  1. timeSignatureFraction, この設定が適用される、拍子記号を示す分数。
  2. baseMoment, 拍子の基本タイミングの単位となる分子と分母を保持する分数。
  3. beatStructure, 小節の拍構造を示す Scheme リスト。基本タイミングを単位とします。
  4. beamExceptions, 指定された拍子でそれぞれの拍で終了しない連桁の規則を保持する配列リスト。自動連桁の振る舞いを設定する に説明があります。

デフォルトの拍子プロパティ値の変更を元の値に戻すことができます:

\score {
  \relative {
    \repeat unfold 8 { c'8 } |
    \overrideTimeSignatureSettings
      4/4        % timeSignatureFraction
      1/4        % baseMoment
      3,1        % beatStructure
      #'()       % beamExceptions
    \time 4/4
    \repeat unfold 8 { c8 } |
    \revertTimeSignatureSettings 4/4
    \time 4/4
    \repeat unfold 8 { c8 } |
  }
}

[image of music]

Timing_translatorDefault_bar_line_engraverScore コンテキストから Staff コンテキストに移動させることにより、異なる譜に対して異なる値のデフォルト拍子プロパティを割り当てることができます。

\score {
  \new StaffGroup <<
     \new Staff {
        \overrideTimeSignatureSettings
          4/4        % timeSignatureFraction
          1/4        % baseMoment
          3,1        % beatStructure
          #'()       % beamExceptions
        \time 4/4
        \repeat unfold 8 {c''8}
     }
     \new Staff {
        \overrideTimeSignatureSettings
          4/4        % timeSignatureFraction
          1/4        % baseMoment
          1,3        % beatStructure
          #'()       % beamExceptions
        \time 4/4
        \repeat unfold 8 {c''8}
     }
  >>
  \layout {
    \context {
      \Score
      \remove Timing_translator
    }
    \context {
      \Staff
      \consists Timing_translator
    }
  }
}

[image of music]

これらの拍子記号に基づく変数を変更するさらなる方法 – 変更の際に同じ拍子記号がもう一度表示されることを避ける方法 – については、 自動連桁の振る舞いを設定する にあります。

定義済みコマンド

\numericTimeSignature, \defaultTimeSignature

Selected Snippets

拍子記号の (分数ではなく) 分子のみを数字で表示する

拍子記号の分数全体を表示せず、分子のみ (今回は 7) を表示したい場合があります。これは \override Staff.TimeSignature.style = #'single-number を用いてスタイルを永続的に変更することで簡単に実現できます。\revert Staff.TimeSignature.style を使用することで、この設定を元に戻すことが出来ます。1 つの拍子記号に対してのみ単一の数字で表示したい場合は、\override の前に \once を記述します。

\relative c'' {
  \time 3/4
  c4 c c
  % Change the style permanently
  \override Staff.TimeSignature.style = #'single-number
  \time 2/4
  c4 c
  \time 3/4
  c4 c c
  % Revert to default style:
  \revert Staff.TimeSignature.style
  \time 2/4
  c4 c
  % single-number style only for the next time signature
  \once \override Staff.TimeSignature.style = #'single-number
  \time 5/4
  c4 c c c c
  \time 2/4
  c4 c
}

[image of music]

参照

音楽用語集: time signature

記譜法リファレンス: 計量記譜法の拍子記号, 自動連桁の振る舞いを設定する, 時間管理

インストールされているファイル: scm/time-signature-settings.scm.

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: TimeSignature, Timing_translator


メトロノーム記号

基本的なメトロノーム記号は単純に以下のように記述します:

\relative {
  \tempo 4 = 120
  c'2 d
  e4. d8 c2
}

[image of music]

メトロノーム記号を 2 つの数の範囲として譜刻することもできます:

\relative {
  \tempo 4 = 40 - 46
  c'4. e8 a4 g
  b,2 d4 r
}

[image of music]

テキストを持つテンポ指示にすこともできます:

\relative {
  \tempo "Allegretto"
    c''4 e d c
    b4. a16 b c4 r4
}

[image of music]

メトロノーム記号とテキストを組み合わせると、メトロノーム記号は自動的に括弧で囲まれます:

\relative {
  \tempo "Allegro" 4 = 160
  g'4 c d e
  d4 b g2
}

[image of music]

一般に、テキストを任意のマークアップ オブジェクトにすることができます:

\relative {
  \tempo \markup { \italic Faster } 4 = 132
  a'8-. r8 b-. r gis-. r a-. r
}

[image of music]

テキストを伴わないメトロノーム記号を括弧で囲むには、空の文字列を含めて記述します:

\relative {
  \tempo "" 8 = 96
  d''4 g e c
}

[image of music]

長い休符 (小節単位の休符 を参照してください) がある楽器のパート譜では、テンポ表示同士が近づいてしまうことがあります。 \markLengthOn コマンドは、テンポ表示が重ならないように水平方向のスペースを追加し、\markLengthOff はテンポ表示が水平方向のスペースを無視するデフォルトの挙動に戻します。

\compressMMRests {
  \markLengthOn
  \tempo "Molto vivace"
  R1*12
  \tempo "Meno mosso"
  R1*16
  \markLengthOff
  \tempo "Tranquillo"
  R1*20
}

[image of music]

Selected Snippets

メトロノーム記号やリハーサル記号を譜の下に表示する

デフォルトでは、メトロノーム記号やリハーサル記号は譜の上に表示されます。これらを譜の下に表示するには、MetronomeMarkRehearsalMarkdirection プロパティを正しくセットします。

\layout {
  indent = 0
  ragged-right = ##f
}

{
  % Metronome marks below the staff
  \override Score.MetronomeMark.direction = #DOWN
  \tempo 8. = 120
  c''1

  % Rehearsal marks below the staff
  \override Score.RehearsalMark.direction = #DOWN
  \mark \default
  c''1
}

[image of music]

メトロノーム記号を表示せずにテンポを変更する

楽譜には何も出力せずに MIDI 出力のテンポのみを変更するには、メトロノーム記号を非表示にします。

\score {
  \new Staff \relative c' {
    \tempo 4 = 160
    c4 e g b
    c4 b d c
    \set Score.tempoHideNote = ##t
    \tempo 4 = 96
    d,4 fis a cis
    d4 cis e d
  }
  \layout { }
  \midi { }
}

[image of music]

マークアップ モードでメトロノーム記号を作成する

新しいメトロノーム記号はマークアップ モードで作成できますが、MIDI 出力のテンポは変更されません。

\relative c' {
  \tempo \markup {
    \concat {
      (
      \smaller \general-align #Y #DOWN \note { 16. } #UP
      " = "
      \smaller \general-align #Y #DOWN \note { 8 } #UP
      )
    }
  }
  c1
  c4 c' c,2
}

[image of music]

詳細は テキストをフォーマットする を参照してください。

参照

音楽用語集: metronome, metronomic indication, tempo indication, metronome mark

記譜法リファレンス: テキストをフォーマットする, MIDI 出力を作り出す, 小節単位の休符

コード断片集: Staff notation

内部リファレンス: MetronomeMark


上拍

弱拍上拍 などのような部分小節またはピックアップ小節は、\partial コマンドを使って入力します:

\partial duration

\partial が楽譜の最初で用いられた際には、duration は最初の小節より前にある音楽の長さです。

\relative {
  \time 3/4
  \partial 4.
  r4 e'8 | a4 c8 b c4 |
}

[image of music]

\partial が楽譜の最初より後に用いられた際には、durationは現在の小節の 残りの 長さとなります。新しい番号の小節は作られません。

\relative {
  \set Score.barNumberVisibility = #all-bar-numbers-visible
  \override Score.BarNumber.break-visibility =
	    #end-of-line-invisible
  \time 9/8
  d''4.~ 4 d8 d( c) b | c4.~ 4. \bar "||"
  \time 12/8
  \partial 4.
  c8( d) e | f2.~ 4 f8 a,( c) f |
}

[image of music]

\partial コマンドは小節の途中で拍子記号が変化する場合に必要ですが、単独で使われることもあります。

\relative {
  \set Score.barNumberVisibility = #all-bar-numbers-visible
  \override Score.BarNumber.break-visibility =
	    #end-of-line-invisible
  \time 6/8
  \partial 8
  e'8 | a4 c8 b[ c b] |
  \partial 4
  r8 e,8 | a4 \bar "||"
  \partial 4
  r8 e8 | a4
  c8 b[ c b] |
}

[image of music]

\partial コマンドは Timing.measurePosition プロパティをセットします。これは小節のどれだけが経過したかを表す分数です。

参照

音楽用語集: anacrusis

記譜法リファレンス: 装飾小音符

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: Timing_translator


無韻律の音楽

韻律のある音楽では、自動的に小節線が挿入され、小節番号が算出されます。無韻律の音楽 (例えばカデンツァ) では、これは望ましくなく、コマンド \cadenzaOn を用いて ‘スイッチ off’ することができます。‘スイッチ on’ に戻すには、適切な場所で \cadenzaOff を用います。

\relative c'' {
  c4 d e d
  \cadenzaOn
  c4 c d8[ d d] f4 g4.
  \cadenzaOff
  \bar "|"
  d4 e d c
}

[image of music]

カデンツァが終わると、小節番号が再開されます。

\relative c'' {
  % すべての小節番号を表示します
  \override Score.BarNumber.break-visibility = #all-visible
  c4 d e d
  \cadenzaOn
  c4 c d8[ d d] f4 g4.
  \cadenzaOff
  \bar "|"
  d4 e d c
}

[image of music]

カデンツァの中に \bar コマンドを挿入しても、小節線は表示されますが、新しい小節が始まることはありません。そのため、全ての臨時記号 – 通常小節の最後まで効果が持続する – は、\bar による小節線の後でも有効のままです。もし小節線の後の臨時記号を表示させたいならば、親切の臨時記号 (!) や忠告の臨時記号 (?) を手動で挿入する必要があります。臨時記号 を参照してください。

\relative c'' {
  c4 d e d
  \cadenzaOn
  cis4 d cis d
  \bar "|"
  % 最初の cis は小節線の後ですが、臨時記号無しで表示されます
  cis4 d cis! d
  \cadenzaOff
  \bar "|"
}

[image of music]

自動連桁は \cadenzaOn で無効になります。このため、カデンツァ内の連桁はすべて手動で入力する必要があります (手動連桁)。

\relative {
  \repeat unfold 8 { c''8 }
  \cadenzaOn
  cis8 c c c c
  \bar"|"
  c8 c c
  \cadenzaOff
  \repeat unfold 8 { c8 }
}

[image of music]

これらの定義済みコマンドは、たとえ Voice コンテキストの 1 つの中に配置したとしても、楽譜の中にあるすべての譜に影響を与えます。これを変更するには、Timing_translatorScore コンテキストから Staff コンテキストに移動させます。多拍子記譜法 を参照してください。

定義済みコマンド

\cadenzaOn, \cadenzaOff

参照

音楽用語集: cadenza

記譜法リファレンス: オブジェクトの可視性, 多拍子記譜法, 手動連桁, 臨時記号

コード断片集: Rhythms

既知の問題と警告

自動の改行と改ページが挿入されるのは小節線のある場所だけです。そのため、長い無韻律の音楽で改行や改ページを行うには手動で ‘不可視の’ 小節線を挿入する必要があります:

\bar ""

多拍子記譜法

多拍子記譜法がサポートされます。 複合拍子記譜法がサポートされます。明示的な複合拍子と、拍子指定を変更して音符の演奏時間を伸縮することによる複合拍子のどちらもです。

それぞれの譜は異なる拍子を持ち、小節の長さは等価である場合

各譜共通の拍子記号をセットして、timeSignatureFraction にお望みの分数をセットします。それから、\scaleDurations 関数を用いて共通の拍子記号に対する 各譜の音符の演奏時間を伸縮させます。

以下の例では、拍子記号 3/4, 9/8, それに 10/8 の音楽が並列しています。2 番目の譜では示された演奏時間に 2/3 が掛けられ (なぜなら、2/3 * 9/8 = 3/4 だからです)、3 番目の譜では示された演奏時間に 3/5 が掛けられます (なぜなら、3/5 * 10/8 = 3/4 だからです)。演奏時間の伸縮は自動連桁の規則に影響を与えるため、手動で連桁を付ける必要があるかもしれません。

\relative <<
  \new Staff {
    \time 3/4
    c'4 c c |
    c4 c c |
  }
  \new Staff {
    \time 3/4
    \set Staff.timeSignatureFraction = 9/8
    \scaleDurations 2/3 {
      \repeat unfold 3 { c8[ c c] }
      \repeat unfold 3 { c4 c8 }
    }
  }
  \new Staff {
    \time 3/4
    \set Staff.timeSignatureFraction = 10/8
    \scaleDurations 3/5 {
      \repeat unfold 2 { c8[ c c] }
      \repeat unfold 2 { c8[ c] } |
      c4. c \tuplet 3/2 { c8[ c c] } c4
    }
  }
>>

[image of music]

それぞれの譜は異なる拍子を持ち、小節の長さは等価ではない場合

Timing_translatorDefault_bar_line_engraverStaff コンテキストに移すことによって、それぞれの譜に独立した拍子を与えることができます。

\layout {
  \context {
    \Score
    \remove Timing_translator
  }
  \context {
    \Staff
    \consists Timing_translator
  }
}

% 以上で、各譜はそれぞれに拍子を持つようになります

\relative <<
  \new Staff {
    \time 3/4
    c'4 c c |
    c4 c c |
  }
  \new Staff {
    \time 2/4
    c4 c |
    c4 c |
    c4 c |
  }
  \new Staff {
    \time 3/8
    c4. |
    c8 c c |
    c4. |
    c8 c c |
  }
>>

[image of music]

複合拍子記号

複合拍子記号は \compoundMeter を用いて作成します。構文は以下の通りです:

\compoundMeter #'(list of lists)

最も簡単な構成は単一のリストであり、リストの 最後の 数字が拍子記号の分母になります。

\relative {
  \compoundMeter #'((2 2 2 8))
  \repeat unfold 6 c'8 \repeat unfold 12 c16
}

[image of music]

リストを追加することでより複雑な拍子を構築することができます。また、この関数で指定された値に基づいて自動連桁の設定は調節されます。

\relative {
  \compoundMeter #'((1 4) (3 8))
  \repeat unfold 5 c'8 \repeat unfold 10 c16
}

\relative {
  \compoundMeter #'((1 2 3 8) (3 4))
  \repeat unfold 12 c'8
}

[image of music]

参照

音楽用語集: polymetric, polymetric time signature, meter

記譜法リファレンス: 自動連桁, 手動連桁, 拍子, 演奏時間を変更する

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: TimeSignature, Timing_translator, Staff

既知の問題と警告

それぞれの譜において、同時に起こる音符の水平方向の位置は同じになりますが、(それぞれの譜にある) 小節線は、異なる拍子記号によって一貫性の無いスペーシングを生み出す可能性があります。

多拍子記譜法で midi ブロックを使用した場合、予期しない小節線チェックの警告が表示される可能性があります。その場合は、midi ブロック内で、Timing_translatorScore コンテキストから Staff コンテキストに移動してください。

\midi {
  \context {
    \Score
    \remove Timing_translator
  }
  \context {
     \Staff
     \consists Timing_translator
  }
}

[image of music]


自動音符分割

小節線をまたがる長い音符を自動的にタイで結ばれた音符に変換することができます。これを行うには、Note_heads_engraverCompletion_heads_engraver で置き換えます。同様に、小節線をまたがる長い休符を自動的に分割することができます。 これを行うには、Rest_engraverCompletion_rest_engraver で置き換えます。以下の例では、小節線をまたがる音符と休符は分割され、音符はされにタイで結ばれています。

\new Voice \with {
  \remove Note_heads_engraver
  \consists Completion_heads_engraver
  \remove Rest_engraver
  \consists Completion_rest_engraver
}
\relative {
  c'2. c8 d4 e f g a b c8 c2 b4 a g16 f4 e d c8. c2 r1*2
}

[image of music]

これらのエングラーバは進行中の音符と休符をすべて小節線のところで分割して、音符に対してはタイを挿入します。これらのエングラーバの用途の 1 つに複雑な楽譜のデバッグがあります: 何小節かで音符がきちんと満たされていない場合、このエングラーバで挿入されたタイが、それぞれの小節の狂いを示します。

completionUnit プロパティは音符を分割する際の好ましい長さを指定します。

\new Voice \with {
  \remove Note_heads_engraver
  \consists Completion_heads_engraver
} \relative {
  \time 9/8 g\breve. d''4. \bar "||"
  \set completionUnit = \musicLength 4.
  g\breve. d4.
}

[image of music]

これらのエングラーバは、連符のような長さが伸縮された音符に対しては、入力と同じ伸縮率を保ったまま分割します。

\new Voice \with {
  \remove Note_heads_engraver
  \consists Completion_heads_engraver
} \relative {
  \time 2/4 r4
  \tuplet 3/2 {g'4 a b}
  \scaleDurations 2/3 {g a b}
  g4*2/3 a b
  \tuplet 3/2 {g4 a b}
  r4
}

[image of music]

参照

音楽用語集: tie

学習マニュアル: Engravers explained, Adding and removing engravers

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: Note_heads_engraver, Completion_heads_engraver, Rest_engraver, Completion_rest_engraver, Forbid_line_break_engraver

既知の問題と警告

前のバージョンの挙動を維持するため、c1*2 のような 1 小節より長い音符や休符は、{ c1 c1 } のように伸縮しない長さに分割されます。completionFactor プロパティでこの挙動を調整でき、これを#f にセットすることで音符や休符を伸縮することができます。


旋律のリズムを示す

しばしば旋律のリズムだけを示したいことがあります。これはリズム譜を使うことで達成できます。そのような譜上にある音符のピッチはすべて破棄され、その譜自体は 1 本の線を持ちます:

<<
  \new RhythmicStaff {
    \new Voice = "myRhythm" \relative {
      \time 4/4
      c'4 e8 f g2
      r4 g g f
      g1
    }
  }
  \new Lyrics {
    \lyricsto "myRhythm" {
      This is my song
      I like to sing
    }
  }
>>

[image of music]

ギター コード表はしばしばつま弾き (ストラム) のリズムを示します。これは Pitch_squash_engraver\improvisationOn を使うことで達成できます。

<<
  \new ChordNames {
    \chordmode {
      c1 f g c
    }
  }
  \new Voice \with {
    \consists Pitch_squash_engraver
  } \relative c'' {
    \improvisationOn
    c4 c8 c c4 c8 c
    f4 f8 f f4 f8 f
    g4 g8 g g4 g8 g
    c4 c8 c c4 c8 c
  }
>>

[image of music]

和音を含む音楽も、まず \reduceChords 関数で 1 つの音符にまとめることによって RhythmicStaff に入力したり、Pitch_squash_engraver に使用することができます。

\new RhythmicStaff {
  \time 4/4
  \reduceChords {
    <c>2
    <e>2
    <c e g>2
    <c e g>4
    <c e g>4
  }
}

[image of music]

定義済みコマンド

\improvisationOn, \improvisationOff, \reduceChords

Selected Snippets

ギター ストロークのリズム

ギター音楽では、メロディの音符、コードネーム、フレット図と共に、ストロークのリズムを表示することができます。

\include "predefined-guitar-fretboards.ly"
<<
  \new ChordNames {
    \chordmode {
      c1 | f | g | c
    }
  }
  \new FretBoards {
    \chordmode {
      c1 | f | g | c
    }
  }
  \new Voice \with {
    \consists "Pitch_squash_engraver"
  } {
    \relative c'' {
      \improvisationOn
      c4 c8 c c4 c8 c
      f4 f8 f f4 f8 f
      g4 g8 g g4 g8 g
      c4 c8 c c4 c8 c
    }
  }
  \new Voice = "melody" {
    \relative c'' {
      c2 e4 e4
      f2. r4
      g2. a4
      e4 c2.
    }
  }
  \new Lyrics {
    \lyricsto "melody" {
      This is my song.
      I like to sing.
    }
  }
>>

[image of music]

参照

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: RhythmicStaff, Pitch_squash_engraver


1.2.4 連桁


自動連桁

デフォルトでは、連桁は自動的に挿入されます:

\relative c'' {
  \time 2/4 c8 c c c
  \time 6/8 c8 c c c8. c16 c8
}

[image of music]

自動的に決定される連桁が満足いかないものである場合、明示的に連桁を挿入することが可能です – 手動連桁 を参照してください。連桁を休符の上まで伸ばそうと意図しているのなら、連桁を手動で挿入する 必要があります

自動連桁を必要としない場合、\autoBeamOff で off にすることができ、\autoBeamOn で on にすることができます:

\relative c' {
  c4 c8 c8. c16 c8. c16 c8
  \autoBeamOff
  c4 c8 c8. c16 c8.
  \autoBeamOn
  c16 c8
}

[image of music]

Note: 歌曲の中でメリスマを表すために連桁を使用する場合、\autoBeamOff で自動連桁を off にして、手動で連桁を示すべきです。\partCombine\autoBeamOff と一緒に用いると予期しない結果になる可能性があります。詳細はコード断片集を参照してください。

自動的に挿入されるデフォルトの連桁とは異なるパターンの連桁を作成することができます – 自動連桁の振る舞いを設定する を参照してください。

定義済みコマンド

\autoBeamOff, \autoBeamOn

Selected Snippets

改行に跨る連桁

連桁が小節線を跨ぐ場合、改行は通常禁止されます。この挙動は以下のようにして変更することができます。

\relative c'' {
  \override Beam.breakable = ##t
  c8 c[ c] c[ c] c[ c] c[ \break
  c8] c[ c] c[ c] c[ c] c
}

\paper { tagline = ##f }

[image of music]

向きの変わる連桁が作られる符頭間の距離を変更する

向きが変わる連桁は、符頭と符頭が大きく離れている場合に自動的に作られます。この挙動は auto-knee-gap プロパティで調整することができます。符頭間の距離が auto-knee-gap と連桁オブジェクトの幅を[c 足したものよりも大きい場合に、向きの変わる連桁が作られます (連桁オブジェクトの幅は、音符の長さや、連桁の傾きによって異なります)。デフォルトでは、auto-knee-gap は 5.5 譜スペースにセットされています。

{
  f8 f''8 f8 f''8
  \override Beam.auto-knee-gap = 6
  f8 f''8 f8 f''8
}

[image of music]

Partcombine and \autoBeamOff

The function of \autoBeamOff when used with \partCombine can be difficult to understand. It may be preferable to use

\set Staff.autoBeaming = ##f

instead to ensure that auto-beaming is turned off for the entire staff. Use this at a spot in your score where no beam generated by the auto-beamer is still active.

Internally, \partCombine works with four voices – stem up single, stem down single, combined, and solo. In order to use \autoBeamOff to stop all auto-beaming when used with \partCombine, it is necessary to use four calls to \autoBeamOff.

{
  % \set Staff.autoBeaming = ##f % turns off all auto-beaming

  \partCombine {
    \autoBeamOff   % applies to split up-stems
    \repeat unfold 4 a'16
    % \autoBeamOff % applies to combined stems
    \repeat unfold 4 a'8
    \repeat unfold 4 a'16
    % \autoBeamOff % applies to solo
    \repeat unfold 4 a'16
    r4
  } {
    % \autoBeamOff % applies to split down-stems
    \repeat unfold 4 f'8
    \repeat unfold 8 f'16 |
    r4
    \repeat unfold 4 a'16
  }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 手動連桁, 自動連桁の振る舞いを設定する.

インストールされているファイル: scm/auto-beam.scm

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: Auto_beam_engraver, Beam_engraver, Beam, BeamEvent, BeamForbidEvent, beam-interface, unbreakable-spanner-interface

既知の問題と警告

連桁のプロパティは連桁構築の開始時に決定され、その後から連桁の完了までの間に追加された連桁プロパティの変更は 次の 連桁から影響を与えます。


自動連桁の振る舞いを設定する

自動連桁が有効な場合、連桁の配置は以下の 3 つのコンテキスト プロパティによって決定されます: baseMoment, beatStructure, beamExceptions。これらの値は以下で示すようにオーバライドすることができますが、拍子 で説明しているように、デフォルトの値そのものを変更することもできます。

beamExceptions が現在の拍子記号に対して定義されている時、そのルールのみが連桁の配置の決定に使用されます。 baseMomentbeatStructure の値は使用されません。

beamExceptions が現在の拍子記号に対して定義されていない時、baseMomentbeatStructure の値によって連桁の配置が決定されます。

baseMomentbeatStructure による連桁

デフォルトで、非常によく使われる拍子に対しては beamExceptions のルールが定義されているため、自動連桁に baseMomentbeatStructure の値を使用させるためには、beamExceptions のルールを無効化しなければいけません。beamExceptions はこのようにして無効化します:

\set Timing.beamExceptions = #'()

beamExceptions#'() にセットされた場合 (明示的にセットされた場合と、現在の拍子記号に対してルールが定義されていない場合の両方を含みます)、連桁の終了点は baseMomentbeatStructure コンテキスト プロパティで指定された拍に従います。beatStructure は小節内の各拍の長さが baseMoment の単位で定義された Scheme リストです。デフォルトでは、baseMoment は 1/拍子の分母です。

beatStructurebaseMoment の値はそれぞれの拍子記号に対して別々に存在するということに注意してください。これらの値を変更しても、影響が及ぶのは現在有効な拍子記号に対してのみです。そのため、これらの変更は新しい拍子記号のセクションが始まる \time コマンドの前ではなく後に置かれなければいけません。ある拍子記号に与えられた新しい値は記憶されており、その拍子記号が新たに出現した際に再び有効になります。

\relative c'' {
  \time 5/16
  c16^"default" c c c c |
  % beamExceptions は 5/16 の拍子については定義されていないようですが、
  % 念のために無効にしておきましょう
  \set Timing.beamExceptions = #'()
  \set Timing.beatStructure = 2,3
  c16^"(2+3)" c c c c |
  \set Timing.beatStructure = 3,2
  c16^"(3+2)" c c c c |
}

[image of music]

\relative {
  \time 4/4
  a'8^"default" a a a a a a a
  % beamExceptions は 4/4 に対しては明らかに定義されているため、
  % これを無効にします
  \set Timing.beamExceptions = #'()
  \set Timing.baseMoment = \musicLength 4
  \set Timing.beatStructure = 1,1,1,1
  a8^"changed" a a a a a a a
}

[image of music]

連桁の設定変更をある特定のテキストに限定することができます。下位コンテキストに連桁の設定が含まれない場合、そのコンテキストを囲んでいる上位コンテキストの設定が適用されます。

\new Staff {
  \time 7/8
  % beamExceptions は 7/8 に対しては定義されていないため
  % 無効にする必要はありません
  \set Staff.beatStructure = 2,3,2
  <<
    \new Voice = one {
      \relative {
        a'8 a a a a a a
      }
    }
    \new Voice = two {
      \relative {
        \voiceTwo
        \set Voice.beatStructure = 1,3,3
        f'8 f f f f f f
      }
    }
  >>
}

[image of music]

譜で複数のボイスが使用されている場合に連桁設定を譜のすべてのボイスに適用するには、Staff コンテキストで設定を行う必要があります:

\time 7/8
% リズム 3-1-1-2
% デフォルトで連桁設定の変更は Voice に適用され、うまくいきません
% なぜなら、自動生成されるボイスで、すべての拍は baseMoment (1 . 8) だからです
\set beatStructure = 3,1,1,2
<< \relative {a'8 a a a16 a a a a8 a} \\ \relative {f'4. f8 f f f} >>

% コンテキスト Staff を指定するとうまくいきます
\set Staff.beatStructure = 3,1,1,2
<< \relative {a'8 a a a16 a a a a8 a} \\ \relative {f'4. f8 f f f} >>

[image of music]

baseMoment の値を調整することで、連桁の振る舞いを変更することができます。baseMoment の値を変更した場合、beatStructure に新しい baseMoment と矛盾しない値を設定する必要があります。

\time 5/8
% beamExceptions は 5/8 に対しては定義されていないため
% 無効にする必要はありません
\set Timing.baseMoment = \musicLength 16
\set Timing.beatStructure = 7,3
\repeat unfold 10 { a'16 }

[image of music]

beatLengthmoment – 演奏時間の単位 – です。タイプ moment の量は Scheme 関数 ly:make-moment によって作り出されます。この関数についての更なる情報は 時間管理 を参照してください。

デフォルトでは、baseMoment には「1/拍子の分母」がセットされています。このデフォルトの例外は scm/time-signature-settings.scm で見つかります。

beamExceptions に基づいた連桁

特殊な自動連桁規則 (連桁の終わりが拍に従わないもの) はプロパティ beamExceptions に定義します。

beamExceptions の値は – 少し複雑な Scheme データ構造ですが – は、 \beamExceptions 関数によって非常に簡単に生成できます。この関数には 1 つ以上の手動連桁を含む、小節の長さのリズムパターンを与えます (小節は小節チェック記号 | で分割されている必要があります。この関数では他に小節の長さを識別する方法が無いためです)。簡単な例を示します:

\relative c'' {
  \time 3/16
  \set Timing.beatStructure = 2,1
  \set Timing.beamExceptions =
    \beamExceptions { 32[ 32] 32[ 32] 32[ 32] }
  c16 c c |
  \repeat unfold 6 { c32 } |
}

[image of music]

Note: beamExceptions の値は 完全な 例外リストである必要があります。つまり、その設定には適用されるべき例外がすべて含まれている必要があります。例外の 1 つだけを追加、削除、変更することはできません。このことは扱い難いように思えるかもしれませんが、新しい連桁パターンを指定する際に現在の連桁設定を知る必要がないということを意味します。

拍子が変更されると、Timing.baseMoment, Timing.beatStructure, それに Timing.beamExceptions のデフォルト値が設定されます。拍子を設定すると、その Timing コンテキストの自動連桁設定はデフォルトの振る舞いにリセットされます。

\relative a' {
  \time 6/8
  \repeat unfold 6 { a8 }
  % (4 + 2) にグループ化します
  \set Timing.beatStructure = 4,2
  \repeat unfold 6 { a8 }
  % デフォルトの振る舞いに戻ります
  \time 6/8
  \repeat unfold 6 { a8 }
}

[image of music]

ある拍子に対するデフォルトの自動連桁設定は scm/beam-settings.scm の中で決定されます。ある拍子に対する自動連桁のデフォルト設定を変更する方法は 拍子 で説明しています。

ある拍子に対する自動連桁設定の多くには beamExceptions が登録されています。例えば、4/4 拍子は 16 分音符しかない小節を 2 つの連桁で囲もうとします。beamExceptions がリセットされていなければ、beamExceptions 規則は beatStructure 設定をオーバライドすることができます。

\time 4/4
\set Timing.baseMoment = \musicLength 8
\set Timing.beatStructure = 3,3,2
% 以下は beamExceptions のため、(3 3 2) の連桁にはなりません
\repeat unfold 8 {c''8} |
% 以下は beamExceptions をクリアするため、(3 3 2) の連桁になります
\set Timing.beamExceptions = #'()
\repeat unfold 8 {c''8}

[image of music]

同様に、3/4 拍子はデフォルトで 8 分音符しかない小節を 1 つの連桁で囲みます。3/4 拍子の 8 分音符に拍毎の連桁を付けるには、beamExceptions をリセットします。

\time 3/4
% beamExceptions により、デフォルトで (6) の連桁を付けます
\repeat unfold 6 {a'8} |
% beatLength により、これは (1 1 1) の連桁を付けます
\set Timing.beamExceptions = #'()
\repeat unfold 6 {a'8}

[image of music]

ロマン派や古典派時代の譜刻では、3/4 拍子の小節の途中から連桁が始まることがありますが、誤った 6/8 拍子の印象を与えるため現代の習慣では用いません (Gould の 153 ページを参照してください)。3/8 拍子でも同様の状況が発生します。この振る舞いはコンテキスト プロパティ beamHalfMeasure によって制御されます – これは分子が 3 の拍子記号の場合にのみ効果を持ちます:

\relative a' {
  \time 3/4
  r4. a8 a a |
  \set Timing.beamHalfMeasure = ##f
  r4. a8 a a |
}

[image of music]

自動連桁はどのように機能するのか

自動連桁が有効である場合、自動連桁の配置はコンテキスト プロパティ baseMoment, beatStructure, それに beamExceptions によって決定されます。

連桁の配置を決定する際、以下の規則が並び順の優先度で適用されます:

  • […] で手動連桁が指定されている場合、連桁は指定どおりに設定されます。手動連桁が指定されていない場合、
  • その連桁タイプに対する beamExceptions に連桁終了規則が定義されている場合、その規則を用いて連桁を終了させる位置を決定します。連桁終了規則が定義されていない場合、
  • もっと長い連桁タイプに対する beamExceptions に連桁終了規則が定義されている場合、その規則を用いて連桁を終了させる位置を決定します。連桁終了規則が定義されていない場合、
  • baseMomentbeatStructure の値を用いてその小節での拍の終わりを決定し、拍の終わりで連桁を終了させます。

上記の規則で、連桁タイプ は連桁でグループ化された音符の最短演奏時間です。

デフォルトの連桁規則は scm/time-signature-settings.scm の中にあります。

Selected Snippets

連桁を細分する

16 分音符 (あるいはそれより短い音符) の連桁は、デフォルトでは細分されません。つまり、3 つ以上の音符全体が分かれることなく平等に連桁で繋がれます。この挙動は、subdivideBeams プロパティをセットすることで、連桁を細分するように変更することができます。このプロパティがセットされると、連桁が現在の baseMoment の間隔で細分されて表示されるようになります。分割された後の音符全体の長さが分割長より短い (不完全な連桁) 場合は、連桁の本数は可能な最長分割グループが基になります。しかし、分割された後の音符が 1 つしか存在しない場合、この制限は適用されません。 baseMoment は、明示的にセットされなければ、現在の拍子記号の分母分の 1 に設定されます。baseMoment は、このスニペットのように ly:make-moment 関数を用いて、連桁を分割する単位となる長さを分数で指定する必要があります。また、baseMoment が変更された場合、beatStructure も新たな baseMoment に合わせて変更する必要があります:

\relative c'' {
  c32[ c c c c c c c]

  \set subdivideBeams = ##t
  c32[ c c c c c c c]

  % Set minimum beam subdivision interval to 1/8 just for this beam
  \once \set minimumBeamSubdivisionInterval = \musicLength 8
  c32[ c c c c c c c]

  % Set maximum beam subdivision interval to 1/16 just for this beam
  \once \set maximumBeamSubdivisionInterval = \musicLength 16
  c32[ c c c c c c c]

  % Set maximum beam subdivision interval to 3/8 just for this beam
  \once \set maximumBeamSubdivisionInterval = \musicLength 8*3
  [ \repeat unfold 16 c64 ] r2.

  % Set maximum beam subdivision interval to 1/64 to limit subdivision depth,
  % despite not being metrically correct
  \once \set minimumBeamSubdivisionInterval = \musicLength 32
  \once \set maximumBeamSubdivisionInterval = \musicLength 64
  [ \repeat unfold 32 c128 ] r2.

  % Shorten beam by 1/32
  c32[ c c c c c c] r32

  % Shorten beam by 3/32
  c32[ c c c c] r16.

  % Respect the incomplete beams of the previous two examples
  \set respectIncompleteBeams = ##t
  c32[ c c c c c c] r32
  % no visual change here as last two stems are exempt from this
  % special rule
  c32[ c c c c] r16.
}

[image of music]

厳密な拍に基づく連桁

16 分音符以下の連桁の向きは、音符が属する拍に基づいて決定することができます。最初の連桁では突き出るものが避けられ (デフォルト)、次の連桁は拍に厳密に従います。

\relative c'' {
  \time 6/8
  a8. a16 a a
  \set strictBeatBeaming = ##t
  a8. a16 a a
}

[image of music]

小節のグループ化記号

小節内の拍のまとまりは、beatStructure コンテキスト プロパティによりコントロールされます。beatStructure の値はscm/time-signature-settings.scm に、多くの拍子記号に対して設定されています。beatStructure の値は、\set で変更することができます。あるいは、\time を拍子記号と beatStructure の明示的な変更のために用いることができます。そのためには、拍子記号の前に小節内部の拍のグループを数値のリストで (Scheme の構文で) 与えます。

\timeTiming コンテキストに適用されるため、Voice のような他のより低いレベルのコンテキストにセットされた beatStructurebaseMoment の値を上書きしません。

Measure_grouping_engraver がコンテキストに含まれている場合、拍のグループを示す記号が表示されます。この記号はリズムが複雑な現代音楽を読みやすくします。この例では、9/8 の小節が 2 つの方法で 2 つのパターンにグループ化されています。5/8 は scm/time-signature-settings.scm のデフォルト設定を用いています。

\score {
  \new Voice \relative c'' {
    \time 9/8
    g8 g d d g g a( bes g) |
    \set Timing.beatStructure = 2,2,2,3
    g8 g d d g g a( bes g) |
    \time 4,5 9/8
    g8 g d d g g a( bes g) |
    \time 5/8
    a4. g4 |
  }
  \layout {
    \context {
      \Staff
      \consists "Measure_grouping_engraver"
    }
  }
}

[image of music]

Score コンテキストでの自動連桁

Score コンテキストに設定された自動連桁の設定は全ての譜に適用されますが、StaffVoce レベルで設定することもできます。

\relative c'' {
  \time 5/4
  % Set default beaming for all staves
  \set Score.baseMoment = \musicLength 8
  \set Score.beatStructure = 3,4,3
  <<
    \new Staff {
      c8 c c c c c c c c c
    }
    \new Staff {
      % Modify beaming for just this staff
      \set Staff.beatStructure = 6,4
      c8 c c c c c c c c c
    }
    \new Staff {
      % Inherit beaming from Score context
      <<
        {
          \voiceOne
          c8 c c c c c c c c c
        }
        % Modify beaming for this voice only
        \new Voice {
          \voiceTwo
          \set Voice.beatStructure = 6,4
          a8 a a a a a a a a a
        }
      >>
    }
  >>
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 拍子

インストールされているファイル: scm/time-signature-settings.scm

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: Auto_beam_engraver, Beam, BeamForbidEvent, beam-interface

既知の問題と警告

自動連桁が終了しておらず、まだ音符を受け付けている最中に楽譜が終了する場合、その最後の連桁はまったく譜刻されません。<< … \\ … >> で入力される多声ボイスでも同様です。自動連桁がまだ音符を受け付けている最中に多声ボイスが終了する場合、その最後の連桁はまったく譜刻されません。ボイスや楽譜の最後の連桁には手動で連桁を付けることにより、これらの問題を回避できます。

デフォルトでは、Timing コンテキストは Score コンテキストにエイリアスされています。このことは、ある譜で拍子の設定を行うと、他の譜での連桁の付け方にも影響を与えると言うことを意味します。このため、後で出てくる譜で拍子の設定を行うと、前にある譜でセットしたカスタム連桁はリセットされます。この問題を回避する方法の 1 つは、拍子の設定は 1 つの譜でしか行わないことです。

<<
  \new Staff {
    \time 3/4
    \set Timing.baseMoment = \musicLength 8
    \set Timing.beatStructure = 1,5
    \set Timing.beamExceptions = #'()
    \repeat unfold 6 { a'8 }
  }
  \new Staff {
    \repeat unfold 6 { a'8 }
  }
>>

[image of music]

拍子に対するデフォルトの連桁設定を変更することで、常にお望みの連桁を使うこともできます。ある拍子に対する自動連桁設定を変更する方法は 拍子 で説明しています。

<<
  \new Staff {
    \overrideTimeSignatureSettings
      3/4               % timeSignatureFraction
      1/8               % baseMoment
      1,5               % beatStructure
      #'()		% beamExceptions
    \time 3/4
    \repeat unfold 6 { a'8 }
  }
  \new Staff {
    \time 3/4
    \repeat unfold 6 { a'8 }
  }
>>

[image of music]


手動連桁

自動連桁アルゴリズムをオーバライドする必要がある場合もあります。例えば、自動連桁は休符や小節線を越えて連桁を配置することはなく、合唱譜では連桁はしばしば音符ではなく歌詞の韻律に従って配置されます。そのような連桁は [] で開始点と終了点を記すことによって手動で指定することができます:

\relative { r4 r8[ g' a r] r g[ | a] r }

[image of music]

方向指示子を用いることで、連桁の向きを手動で設定することができます:

\relative { c''8^[ d e] c,_[ d e f g] }

[image of music]

連桁でつながれないようにするために、個々の音符には \noBeam が記されるかもしれません:

\relative {
  \time 2/4
  c''8 c\noBeam c c
}

[image of music]

装飾小音符の連桁と通常の音符の連桁は同時進行で発生します。通常の音符の連桁の途中に、連桁でつながれない装飾小音符は配置されません。

\relative {
  c''4 d8[
  \grace { e32 d c d }
  e8] e[ e
  \grace { f16 }
  e8 e]
}

[image of music]

プロパティ stemLeftBeamCountstemRightBeamCount をセットすることによって連桁をさらに厳密に手動制御することが可能です。これらの値はそれぞれ、次の音符の左側と右側に描く連桁の本数を指定します。どちらかのプロパティがセットされている場合、その値は 1 度だけ使用され、それから消去されます。以下の例では、最後の f は左側に連桁を 1 本だけ持って – すなわち、グループ全体をつなげている 8 分音符の連桁を持って – 譜刻されています。

\relative a' {
  a8[ r16 f g a]
  a8[ r16
  \set stemLeftBeamCount = #2
  \set stemRightBeamCount = #1
  f16
  \set stemLeftBeamCount = #1
  g16 a]
}

[image of music]

定義済みコマンド

\noBeam

Selected Snippets

水平な符尾とはみ出す連桁

単一の音符に出現する連桁や、端がはみ出す連桁は、stemLeftBeamCount, stemRightBeamCount と連桁指示 [] を組み合わせることで作ることができます。

単一の音符で、右側にのみはみ出す連桁については、音符に [] を付加し、stemLeftBeamCount を 0 にします (Example 1 を参照)。

左側にのみはみ出す場合は、代わりに stemRightBeamCount を 0 にします (Example 2)。

複数音符の連桁で、右側にはみ出す場合は、stemRightBeamCount を正の値にします。左側にはみ出す場合は、stemLeftBeamCount を正の値にします (Example 3)。

休符に囲まれた単一の音符では、両方向にはみ出した連桁を表示したほうが分かりやすい場合があります。これは連桁指示 [] のみで実現できます (Example 4)。

(注意: \set stemLeftBeamCount は常に \once \set と同等です。つまり、連桁の本数は“保持されず”、最後の例における 16[] の音符はその前の \set に影響されません。)

\score {
  <<
    % Example 1
    \new RhythmicStaff {
      \set stemLeftBeamCount = 0
      c16[]
      r8.
    }
    % Example 2
    \new RhythmicStaff {
      r8.
      \set stemRightBeamCount = 0
      16[]
    }
    % Example 3
    \new RhythmicStaff {
      16 16
      \set stemRightBeamCount = 2
      16 r r
      \set stemLeftBeamCount = 2
      16 16 16
    }
    % Example 4
    \new RhythmicStaff {
      16 16
      \set stemRightBeamCount = 2
      16 r16
      16[]
      r16
      \set stemLeftBeamCount = 2
      16 16
    }
  >>
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 向きと配置, 装飾小音符

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: Beam, BeamEvent, Beam_engraver, beam-interface, Stem_engraver


羽状の連桁

羽状の連桁は、楽曲全体のテンポを変えることなく、音符の小さなグループをテンポを上げながら (あるいは下げながら) 演奏すべきであることを示すために使用されます。羽状連桁の範囲は [] を使って手動で指定する必要があり、連桁の羽は Beam のプロパティ grow-direction に向きを指定することによって調整することができます。

音符の配置と MIDI 出力での音が羽状連桁によって指示された ritardando (徐々に緩やかに) や accelerando (次第に速く) を反映すべきであるのなら、音符は波括弧で区切られた音楽表記としてグループ化される必要があり、さらに、そのグループの最初の音符と最後の音符の演奏時間の比率を指定する featheredDurations コマンドを前に置く必要があります。

角括弧は連桁の範囲を示し、波括弧は演奏時間を変更される音符はどれなのかを示します。通常これら 2 つは同じ音符のグループを囲みますが、同じであることは必須ではありません: 2 つのコマンドは独立しています。

以下の例では、8 つの 16 分音符は 2 分音符とまったく同じ時間を占めますが、最初の音符の長さは最後の音符の長さの半分であり、中間の音符は徐々に長くなります。最初の 4 つの 32 分音符は徐々にスピード アップしますが、最後の 4 つの 32 分音符は一定のテンポです。

\relative c' {
  \override Beam.grow-direction = #LEFT
  \featherDurations 2/1
  { c16[ c c c c c c c] }
  \override Beam.grow-direction = #RIGHT
  \featherDurations 2/3
  { c32[ d e f] }
  % revert to non-feathered beams
  \override Beam.grow-direction = #'()
  { g32[ a b c] }
}

[image of music]

譜刻される音符の間隔は音符の演奏時間を近似的に表しているだけですが、MIDI 出力での演奏時間は正確です。

定義済みコマンド

\featherDurations

参照

コード断片集: Rhythms

既知の問題と警告

\featherDurations は非常に短い音楽コード断片に対してだけ、そして分数の数が小さいときにだけ機能します。


1.2.5 小節


小節線

小節線は小節を区切り、繰り返しを示すためにも使用されます。通常、単線の小節線が拍子に基づいて出力に自動的に挿入されます。

自動的に挿入される単線の小節線は \bar コマンドで他のタイプに変更することができます。例えば、通常、2 重線の閉じの小節線が楽曲の最後に配置されます:

\relative { e'4 d c2 \bar "|." }

[image of music]

ある小節の最後の音符が、自動的に挿入される小節線の所で終わっていなくても無効ではありません: その音符は次の小節に持ち越されるものと見なされます。しかしながら、そのような持ち越しのある小節がいくつも続く場合、その音楽は圧縮されて表示される可能性があり、ページからはみ出す可能性さえあります。これは、自動改行は完全な小節 – つまり、小節の終端ですべての音符が終わっている小節 – の終わりでのみ発生するからです。

Note: 誤った演奏時間の指定は改行を抑制し、結果として非常に圧縮された楽譜やページからはみ出す楽譜の原因となります。

手動で挿入された小節線のところでも – たとえ、その小節が不完全であっても – 改行することができます。小節線を譜刻せずに改行を可能にするには、以下を使用します:

\bar ""

これは不可視の小節線を挿入し、そこで改行が発生することを可能にします (強制はしません)。小節番号カウンタは増加しません。強制的に改行を行うには、改行 を参照してください。

不可視の小節線と他の特殊な小節線は任意の位置に手動で挿入することができます。それらの小節線の位置がある小節の終わりと一致する場合、それらの小節線はそこに自動で挿入されるはずだった単線の小節線に取って代わります。小節の終わりと一致しない場合、指定された小節線がその位置に挿入されます。

手動の小節線は純粋に視覚的なものです。それらは通常の小節線が影響を与えるプロパティ – 小節番号、臨時記号、改行など – には何の影響も与えません。手動の小節線はその後に続く自動小節線の算出や配置に影響を与えません。自動小節線がすでに存在する場所に手動小節線が配置されても、自動小節線の効果は変更されません。

手動で挿入できる小節線として、単線の小節線は 2 種類あり、2 重線の小節線は 5 種類あります:

\relative {
  f'1 \bar "|"
  f1 \bar "."
  g1 \bar "||"
  a1 \bar ".|"
  b1 \bar ".."
  c1 \bar "|.|"
  d1 \bar "|."
  e1
}

[image of music]

さらに、点線と破線の小節線があります:

\relative {
  f'1 \bar ";"
  g1 \bar "!"
  a1
}

[image of music]

さらに、繰り返しの小節線が 9 種類あります:

\relative {
  f'1 \bar ".|:"
  g1 \bar ":..:"
  a1 \bar ":|.|:"
  b1 \bar ":|.:"
  c1 \bar ":.|.:"
  d1 \bar "[|:"
  e1 \bar ":|][|:"
  f1 \bar ":|]"
  g1 \bar ":|."
  a1
}

[image of music]

更に、小節線は単純な短線として表示することができます:

f'1 \bar "'" g'1

[image of music]

しかし、このような短線は通常、グレゴリア聖歌の中で使われます。そこでは代わりに \divisioMinima を用いるほうが良いです。グレゴリア聖歌の ディビジオ セクションで説明してあります。

LilyPond は Kievan 記譜法をサポートしており、特殊な Kievan の小節線を入力することができます:

f'1 \bar "k"

[image of music]

この記譜法に関する更なる情報は、キエフ記譜法で譜刻する に説明してあります。

行内のセーニョ記号として、3 タイプの小節線があり、改行での振る舞いがそれぞれ異なります:

\fixed c' {
  c4 4 4 4
  \bar "S"
  d4 4 4 4 \break
  \bar "S"
  e4 4 4 4
  \bar "S-|"
  f4 4 4 4 \break
  \bar "S-|"
  g4 4 4 4
  \bar "S-||"
  a4 4 4 4 \break
  \bar "S-||"
  b4 4 4 4
  \bar "S-S"
  c'4 4 4 4 \break
  \bar "S-S"
  d'1
}

[image of music]

繰り返しを表す小節線は手動で挿入される場合がありますが、それらの小節線自体は LilyPond に繰り返されるセクションを認識させることはしません。そのような繰り返されるセクションはさまざまな繰り返しのコマンドを使って入力した方が良いです (繰り返し を参照してください)。繰り返しのコマンドは自動的に適切な小節線を譜刻します。

さらに、".|:-||" を使用することができます。これは ".|:" と等価ですが、例外として改行位置では、この小節線は行の終わりに 2 重線の小節線を置き、次の行の始めに繰り返し開始の小節線を置きます。

\fixed c' {
  c4 4 4 4
  \bar ".|:"
  d4 4 4 4 \break
  \bar ".|:"
  e4 4 4 4
  \bar ".|:-|"
  f4 4 4 4 \break
  \bar ".|:-|"
  g4 4 4 4
  \bar ".|:-||"
  a4 4 4 4 \break
  \bar ".|:-||"
  b4 4 4 4
  \bar ".|:-|."
  c'4 4 4 4 \break
  \bar ".|:-|."
  d'4 4 4 4
}

[image of music]

繰り返しとセーニョ記号の組み合わせは 6 種類あります:

\fixed c' {
  g,4 4 4 4
  \bar ":|.S"
  a,4 4 4 4 \break
  \bar ":|.S"
  b,4 4 4 4
  \bar ":|.S-S"
  c4 4 4 4 \break
  \bar ":|.S-S"
  d4 4 4 4
  \bar "S.|:-S"
  e4 4 4 4 \break
  \bar "S.|:-S"
  f4 4 4 4
  \bar "S.|:"
  g4 4 4 4 \break
  \bar "S.|:"
  a4 4 4 4
  \bar "S.|:-|"
  b4 4 4 4 \break
  \bar "S.|:-|"
  c'4 4 4 4
  \bar "S.|:-||"
  d'4 4 4 4 \break
  \bar "S.|:-||"
  e'4 4 4 4
  \bar ":|.S.|:"
  f'4 4 4 4 \break
  \bar ":|.S.|:"
  g'4 4 4 4
  \bar ":|.S.|:-S"
  a'4 4 4 4 \break
  \bar ":|.S.|:-S"
  b'1
}

[image of music]

さらに、\inStaffSegno コマンドがあります。これは、\repeat volta コマンドと用いられた際に、繰り返しの小節線と結合したセーニョ小節線を作り出します。通常の繰り返し を参照してください。

\defineBarLine を用いて、新しい小節線を定義することができます:

\defineBarLine bartype #'(end begin span)

\defineBarLine の引数は‘空の’文字列 "" を含むことができ、これは不可視の小節線を作り出します。または、#f にセットすることで、何の小節線も表示しないようにすることができます。

定義した後、新しい小節線は \bar bartype で使用することができます。

現在使用できる小節線の要素は 10 個存在します:

\defineBarLine ":" #'("" ":" "")
\defineBarLine "=" #'("=" "" "")
\defineBarLine "[" #'("" "[" "")
\defineBarLine "]" #'("]" "" "")

\new Staff {
  s1 \bar "|"
  s1 \bar "."
  s1 \bar "!"
  s1 \bar ";"
  s1 \bar ":"
  s1 \bar "k"
  s1 \bar "S"
  s1 \bar "="
  s1 \bar "["
  s1 \bar "]"
  s1 \bar ""
}

[image of music]

"=" 小節線は、セーニョ記号と組み合わせて使うための二重の小節線を提供します。二重の細い小節線を単独で表示させるためにをこれを使わないでください。\bar "||" を使ってください。

"-" 記号は、小節線に注釈を入れるために使用します。これは、同じ見た目をしていても改行によって挙動が変化する場合や、譜をまたぐ小節線の見た目が異なる場合に区別するのに便利です。"-" の後に続く部分は、小節線を構築する際に使用されません。

\defineBarLine "||-dashedSpan" #'("||" "" "!!")

\new StaffGroup <<
  \new Staff \relative c'' {
    c1 \bar "||"
    c1 \bar "||-dashedSpan"
    c1
  }
  \new Staff \relative c'' {
    c1
    c1
    c1
  }
>>

[image of music]

更に、スペース文字 " " は、譜をまたぐ小節線がメインの小節線に正しく揃うようにするプレース ホルダとして機能します:

\defineBarLine ":|.-wrong" #'(":|." "" "|.")
\defineBarLine ":|.-right" #'(":|." "" " |.")

\new StaffGroup <<
  \new Staff \relative c'' {
    c1 \bar ":|.-wrong"
    c1 \bar ":|.-right"
    c1
  }
  \new Staff \relative c'' {
    c1
    c1
    c1
  }
>>

[image of music]

小節線の要素を追加したい場合、LilyPond はそれらを定義するシンプルな手段を提供しています。小節線の変更あるいは追加に関する更なる情報は、ファイル scm/bar-line-.scm を参照してください。

多くの譜を持つ楽譜では、ある譜の \bar コマンドは自動的にすべての譜に適用されます。結果として、StaffGroup, PianoStaff, あるいは GrandStaff では、小節線は譜をまたがって 1 本に接続されます。

<<
  \new StaffGroup <<
    \new Staff \relative {
      e'4 d
      \bar "||"
      f4 e
    }
    \new Staff \relative { \clef bass c'4 g e g }
  >>
  \new Staff \relative { \clef bass c'2 c2 }
>>

[image of music]

コマンド \bar bartype は ‘\set Timing.whichBar = bartype’ の短縮記法です。whichBar プロパティがセットされるといつでも小節線が作成されます。

自動的に挿入される小節線に使用されるデフォルトの小節線タイプは "|" です。これは ‘\set Timing.measureBarType = bartype’ でいつでも変更することができます。

参照

記譜法リファレンス: 改行, 繰り返し, 譜をグループ化する

インストールされているファイル: scm/bar-line.scm

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: BarLine (Staff の階層で作成されます), SpanBar (譜をまたぎます), Timing_translator (Timing プロパティ用です)


小節番号

小節番号は、デフォルトでは、最初の行を除く各行の開始点で譜刻されます。番号自体は currentBarNumber プロパティに保存されていて、通常は各小節で自動的に更新されます。小節番号を手動で設定することも可能です:

\relative c' {
  c1 c c c
  \break
  \set Score.currentBarNumber = #50
  c1 c c c
}

[image of music]

小節番号は、各行の開始点に配置する代わりに、規則的な間隔で譜刻することができます。このようにするには、小節番号を行の開始点以外の位置に譜刻できるよう、デフォルトの振る舞いをオーバライドする必要があります。これは BarNumberbreak-visibility プロパティによって制御されます。これは 3 つの値をとります – 3 つの値は、対応する小節番号を可視にするかしないかを指定するために、#t または #f にセットされます。3 つの値の順番は、end of line visible, middle of line visible, beginning of line visible (行の終了点での可視性、行の途中での可視性、行の開始点での可視性) です。以下の例では、譜刻可能な場所すべてに小節番号を譜刻しています:

\relative c' {
  \override Score.BarNumber.break-visibility = ##(#t #t #t)
  \set Score.currentBarNumber = #11
  % 最初の小節番号が表示されるようにします
  \bar ""
  c1 | c | c | c |
  \break
  c1 | c | c | c |
}

[image of music]

Selected Snippets

最初の小節に小節番号を表示する

デフォルトでは、最初の小節番号が ’1’ 以下の場合、表示が抑制されます。barNumberVisibilityall-bar-numbers-visible にセットすることで、最初の小節にも小節番号を表示することができます。しかし、これを動作させるためには更に、最初の音符の前に空白の小節線を挿入する必要があります。

\layout {
  indent = 0
  ragged-right = ##t
}

\relative c' {
  \set Score.barNumberVisibility = #all-bar-numbers-visible
  c1 | d | e | f \break
  g1 | e | d | c
}

[image of music]

一定間隔で小節番号を表示する

barNumberVisibility プロパティをセットすることで、小節番号を一定間隔で表示することができます。以下の例では、行末を除いて、2 小節ごとに小節番号が表示されています。

\relative c' {
  \override Score.BarNumber.break-visibility = #end-of-line-invisible
  \set Score.currentBarNumber = 11
  % Print a bar number every second measure
  \set Score.barNumberVisibility = #(every-nth-bar-number-visible 2)
  c1 | c | c | c | c
  \break
  c1 | c | c | c | c
}

\paper { tagline = ##f }

[image of music]

小節番号が表示される間隔を変更する

小節番号が表示される間隔は {set-bar-number-visibility} コンテキスト関数を変更することで変更することもできます。

\relative c' {
  \override Score.BarNumber.break-visibility = #end-of-line-invisible
  \context Score \applyContext #(set-bar-number-visibility 4)
  \repeat unfold 10 c'1
  \context Score \applyContext #(set-bar-number-visibility 2)
  \repeat unfold 10 c
}

\paper { tagline = ##f }

[image of music]

小節番号を四角や丸の中に表示する

小節番号は四角や丸の中に表示することができます。

\relative c' {
  % Prevent bar numbers at the end of a line and permit them elsewhere
  \override Score.BarNumber.break-visibility = #end-of-line-invisible
  \set Score.barNumberVisibility = #(every-nth-bar-number-visible 4)

  % Increase the size of the bar number by 2
  \override Score.BarNumber.font-size = 2

  % Draw a box round the following bar number(s)
  \override Score.BarNumber.stencil
    = #(make-stencil-boxer 0.1 0.25 ly:text-interface::print)
  \repeat unfold 5 { c1 }

  % Draw a circle round the following bar number(s)
  \override Score.BarNumber.stencil
    = #(make-stencil-circler 0.1 0.25 ly:text-interface::print)
  \repeat unfold 4 { c1 } \bar "|."
}

[image of music]

小節番号を変更する

小節番号を付番する異なる方法が 2 つあり、繰り返しのある音楽に対して有用です。

music = \relative c' {
  \repeat volta 3 {
    c4 d e f |
    \alternative {
      \volta 1 { c4 d e f | c2 d \break }
      \volta 2 { f4 g a b | f4 g a b | f2 a | \break }
      \volta 3 { c4 d e f | c2 d } } }
  c1 \bar "|."
}

\markup "default"
{
  \music
}

\markup \typewriter "'numbers"
{
  \set Score.alternativeNumberingStyle = #'numbers
  \music
}

\markup \typewriter "'numbers-with-letters"
{
  \set Score.alternativeNumberingStyle = #'numbers-with-letters
  \music
}

\paper { tagline = ##f }

[image of music]

小節番号を揃える

デフォルトで小節番号は親オブジェクトに右揃えされます。つまり、小節番号は行の左端に、行内に表示される場合には小節線の左端に表示されます。これを中央揃えあるいは左揃えにすることができます。

\relative c' {
  \set Score.currentBarNumber = 111
  \override Score.BarNumber.break-visibility = #all-visible
  % Increase the size of the bar number by 2
  \override Score.BarNumber.font-size = 2
  % Print a bar number every second measure
  \set Score.barNumberVisibility = #(every-nth-bar-number-visible 2)
  c1 | c1
  % Center-align bar numbers
  \override Score.BarNumber.self-alignment-X = #CENTER
  c1 | c1
  % Left-align bar numbers
  \override Score.BarNumber.self-alignment-X = #LEFT
  c1 | c1
}

[image of music]

楽譜から小節番号を削除する

Score コンテキストから Bar_number_engraver を削除することで、小節番号を完全に削除することができます。

\layout {
  \context {
    \Score
    \omit BarNumber
    % or:
    %\remove "Bar_number_engraver"
  }
}

\relative c'' {
  c4 c c c \break
  c4 c c c
}

\paper { tagline = ##f }

[image of music]

参照

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: BarNumber, Bar_number_engraver

既知の問題と警告

小節番号は StaffGroup の左括弧の上端と衝突する可能性があります。これを解決するには、BarNumberpadding プロパティを使って小節番号を適切な位置に配置します。詳細は StaffGroupBarNumber を参照してください。


小節と小節番号のチェック

小節チェックは入力された演奏時間の誤りを検出する手助けをします。小節チェックは、小節線が書き込まれると予想される場所ならどこにでも、小節記号 | を使うことで挿入できます。他の場所で小節チェックの線に遭遇した場合、警告のリストがログ ファイルに書き込まれ、小節チェックに失敗した行番号と行を示します。次の例では、2 番目の小節チェックがエラーを発します。

\time 3/4 c2 e4 | g2 |

正しくない演奏時間は滅茶苦茶な楽譜を生成する可能性があります – 特にその楽譜が多声である場合はそうなる可能性があります。入力を修正するには、まずざっと見て失敗した小節チェックと演奏時間の誤りを探すと良いでしょう。

連続する小節チェックは同じ音楽的間隔で off になり、最初の警告メッセージだけが表示されます。これにより、警告の焦点がタイミング エラーの発生源に絞られます。

歌詞でも小節チェックを使用することができます。以下に例を挙げます:

\lyricmode {
  \time 2/4
  Twin -- kle | Twin -- kle |
}

歌詞での小節チェック マークは、マークが処理されてその次の音節が出現するタイミングで評価されます。もし歌詞が、小節の最初に休符を持つボイスと関連づいているなら、その小節の最初に配置できる音節が存在せず、警告が表示されます。

入力の中で小節チェックあるいはパイプ記号 | に遭遇した場合にとられるアクションを再定義することも可能です。これにより、小節チェック以外のことを行うことができます。再定義は音楽表記を "|" に代入することによって行います。以下の例では、| は小節の終わりをチェックするのではなく、それが現れた場所に 2 重線の小節線を挿入するようセットされています。

"|" = \bar "||"
{
  c'2 c' |
  c'2 c'
  c'2 | c'
  c'2 c'
}

[image of music]

大きな楽曲をコピーしている場合、LilyPond の小節番号とコピー元のオリジナルの小節番号の対応をチェックすると役に立ちます。この対応は \barNumberCheck によってチェックすることができます。例えば、

\barNumberCheck #123

を使用すると、currentBarNumber が処理された時に 123 でなければ、警告が表示されます。

参照

コード断片集: Rhythms


リハーサル記号

リハーサル記号を譜刻するには、\mark コマンドを使用します:

\relative c'' {
  c1 \mark \default
  c1 \mark \default
  c1 \mark \default
  c1 \mark \default
}

[image of music]

\mark \default を使用するとリハーサル記号は自動的に +1 されますが、手動で整数をリハーサル記号にセットすることもできます。セットした値は rehearsalMark に保存されます。

\relative c'' {
  c1 \mark \default
  c1 \mark \default
  c1 \mark #8
  c1 \mark \default
  c1 \mark \default
}

[image of music]

文字 ‘I’ は、譜刻の慣習に従って、スキップされます。文字 ‘I’ を含めたければ、リハーサル記号のスタイル (文字のみ、四角で囲まれた文字、丸で囲まれた文字) に合わせて以下のコマンドの 1 つを使用します:

\set Score.rehearsalMarkFormatter = #format-mark-alphabet
\set Score.rehearsalMarkFormatter = #format-mark-box-alphabet
\set Score.rehearsalMarkFormatter = #format-mark-circle-alphabet
\relative c'' {
  \set Score.rehearsalMarkFormatter = #format-mark-box-alphabet
  c1 \mark \default
  c1 \mark \default
  c1 \mark #8
  c1 \mark \default
  c1 \mark \default
}

[image of music]

スタイルはプロパティ rehearsalMarkFormatter によって定義されます。これは引数としてカレントの記号 (整数) とカレントのコンテキストをとる関数です。この関数はマークアップ オブジェクトを返します。以下の例では、rehearsalMarkFormatter には定義済みの手続きがセットされています。数小節後では、四角で囲まれた番号を作り出す手続きがセットされています。

\relative c'' {
  \set Score.rehearsalMarkFormatter = #format-mark-numbers
  c1 \mark \default
  c1 \mark \default
  \set Score.rehearsalMarkFormatter = #format-mark-box-numbers
  c1 \mark \default
  \set Score.rehearsalMarkFormatter = #format-mark-circle-numbers
  c1 \mark \default
  \set Score.rehearsalMarkFormatter = #format-mark-circle-letters
  c1
}

[image of music]

ファイル scm/translation-functions.scmformat-mark-letters (デフォルトのフォーマット), format-mark-box-letters, format-mark-numbers それに format-mark-box-numbers の定義を保持しています。これらを参考にして他のフォーマット関数を作り出すこともできます。

加算された数字や文字の代わりに小節番号を取得するために format-mark-barnumbers, format-mark-box-barnumbers, それに format-mark-circle-barnumbers を使うことがあります。

リハーサル記号の他のスタイルを手動で指定することができます:

\mark "A1"

Score.rehearsalMarkFormatter はこの方法で指定された記号に影響を与えません。しかしながら、文字列として \markup 使用することができます。

\mark \markup { \box A1 }

音楽的図柄 (セーニョ記号など) を \mark の中に譜刻することができます:

\relative c' {
  c1 \mark \markup { \musicglyph "scripts.segno" }
  c1 \mark \markup { \musicglyph "scripts.coda" }
  c1 \mark \markup { \musicglyph "scripts.ufermata" }
  c1
}

[image of music]

\musicglyph を使用して譜刻できる記号のリストは、Emmentaler フォント を参照してください。

リハーサル記号の配置の一般的な調整については、テキストをフォーマットする を参照してください。更に細かな制御を行う場合は、オブジェクトを揃えるbreak-alignable-interface を参照してください。

ファイル scm/translation-functions.scmformat-mark-numbersformat-mark-letters の定義を保持しています。ここにある定義を参考にして他のフォーマット関数を作り出すことができます。

参照

記譜法リファレンス: Emmentaler フォント, テキストをフォーマットする, オブジェクトを揃える

インストールされているファイル: scm/translation-functions.scm

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: MarkEvent, Mark_engraver, RehearsalMark


1.2.6 特殊なリズム関連事項


装飾小音符

装飾小音符は装飾の音であり、小さなフォントで表示され、論理的には演奏時間を持ちません。

\relative {
  c''4 \grace b16 a4(
  \grace { b16 c16 } a2)
}

[image of music]

装飾音符には他にも 3 つのタイプがあります。acciaccatura (長さを持たない装飾小音符で、スラーでつなげられるスラッシュ付きの符幹を持つ音符) と、 appoggiatura (一定の比率で主音符から演奏時間を取り、スラッシュを持たない音符) です。スラーで結ばれた主音符の間に装飾小音符を配置するために、\slashedGrace 関数を用いて、 acciaccatura のようにスラッシュ付きの符幹を持つがスラーは付かない装飾小音符を譜刻することもできます。

\relative {
  \acciaccatura d''8 c4
  \appoggiatura e8 d4
  \acciaccatura { g16 f } e2
  \slashedGrace a,8 g4
  \slashedGrace b16 a4(
  \slashedGrace b8 a2)
}

[image of music]

装飾小音符の配置は他の譜と同期されます。以下の例では、8 分の装飾小音符 1 つに対して 2 つの 16 分装飾小音符が割り当てられています:

<<
  \new Staff \relative { e''2 \grace { c16 d e f } e2 }
  \new Staff \relative { c''2 \grace { g8 b } c2 }
>>

[image of music]

装飾小音符で記譜を終えたいのならば、\afterGrace コマンドを使用します。このコマンドは 2 つの引数をとります: 主音符と主音符の後に続く装飾小音符です。

\relative { c''1 \afterGrace d1 { c16[ d] } c1 }

[image of music]

これは主音符の後に装飾小音符を配置します。装飾小音符がどのタイミングで配置されるかは、主音符の長さとの割合で決められます。以下に示すデフォルトの設定はトップレベルで再定義することができます:

afterGraceFraction = 3/4

代わりに、個々の \afterGrace コマンドの直後に分数を与えることで割合を指定することもできます。

次の例は順に、デフォルトのスペース、主音符の 15/16 に指定した場合、主音符の 1/2 に指定した場合の結果を示しています。

<<
  \new Staff \relative {
    c''1 \afterGrace d1 { c16[ d] } c1
  }
  \new Staff \relative {
    c''1 \afterGrace 15/16 d1 { c16[ d] } c1
  }
  \new Staff \relative {
    c''1 \afterGrace 1/2 d1 { c16[ d] } c1
  }
>>

[image of music]

\afterGrace の効果は、空白休符を用いても得ることができます。以下の例では、主音符の長さの 7/8 のスペースをとった後に装飾小音符を配置しています。

\new Voice \relative {
  <<
    { d''1^\trill_( }
    { s2 s4. \grace { c16 d } }
  >>
  c1)
}

[image of music]

\grace 音楽表記は特殊な譜刻設定を導入します – 例えば、小さなフォントを作り出し、向きを設定するためです。それゆえ、装飾小音符の特殊な設定をオーバライドするためにレイアウトの調整を行う場合、調整は装飾小音符の表記の中に置くべきです。さらに、そのオーバライドは装飾小音符の表記の中で元に戻しておくべきです。以下の例では、装飾小音符の符幹のデフォルトの向きがオーバライドされ、それから元に戻されています。

\new Voice \relative {
  \acciaccatura {
    \stemDown
    f''16->
    \stemNeutral
  }
  g4 e c2
}

[image of music]

Selected Snippets

通常の符頭で装飾音符のスラッシュを使用する

アッチャカトゥーラに付加されるスラッシュを、他の場面で使用することができます。

\relative c'' {
  \override Flag.stroke-style = "grace"
  c8( d2) e8( f4)
}

[image of music]

装飾音符のスタイルを調整する

add-grace-property, remove-grace-property を用いて、装飾音符のスタイルを楽譜全体にわたって変更することができます。次の例は 常に上向きとなっている Stem の向きの設定を無効にして、またデフォルトの符頭をクロスに変更しています。

\relative c'' {
  \new Staff {
    $(remove-grace-property 'Voice 'Stem 'direction)
    $(add-grace-property 'Voice 'NoteHead 'style 'cross)
    \new Voice {
       \acciaccatura { f16 } g4
       \grace { d16 e } f4
       \appoggiatura { f,32 g a } e2
    }
  }
}

[image of music]

装飾音符のデフォルトの挙動を再定義する

装飾音符に関するデフォルトの識別子は startGraceMusic, stopGraceMusic, startAcciaccaturaMusic, stopAcciaccaturaMusic, startAppoggiaturaMusic, stopAppoggiaturaMusic であり、ly/grace-init.ly に定義されています。これらを再定義することで、装飾音符の挙動を変更することができます。

startAcciaccaturaMusic = {
  <>(
  \override Flag.stroke-style = "grace"
  \slurDashed
}

stopAcciaccaturaMusic = {
  \revert Flag.stroke-style
  \slurSolid
  <>)
}

\relative c'' {
  \acciaccatura d8 c1
}

[image of music]

装飾音符を浮いたスペースに配置する

strict-grace-spacing プロパティをセットすることで、装飾音符を列として ’浮いた’ 状態にすることができます。つまり、装飾音符ではない音符のスペーシングと独立させることができます: まず、通常の音符がスペーシングされ、その後に装飾音符が左側に配置されます。

\relative c'' {
  <<
    \override Score.SpacingSpanner.strict-grace-spacing = ##t
    \new Staff \new Voice {
      \afterGrace c4 { c16[ c8 c16] }
      c8[ \grace { b16 d } c8]
      c4 r
    }
    \new Staff {
      c16 c c c c c c c c4 r
    }
  >>
}

[image of music]

参照

音楽用語集: grace notes, acciaccatura, appoggiatura

記譜法リファレンス: 演奏時間を変更する, 手動連桁

インストールされているファイル: ly/grace-init.ly

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: GraceMusic, Grace_beam_engraver, Grace_auto_beam_engraver, Grace_engraver, Grace_spacing_engraver

既知の問題と警告

複数の音符を連桁でつないだ アッチャカトゥーラ にはスラッシュは付けられず、複数の音符を連桁でつないだ アッポジャトゥーラ とまったく同じに見えます。

装飾小音符の同期は予期しない結果を引き起こす可能性があります。譜の記譜要素 – 拍子、小節線など – も同期をとられます。装飾小音符を持つ譜と持たない譜を混在させる場合は気をつけて下さい。例えば:

<<
  \new Staff \relative { e''4 \section \grace c16 d2. }
  \new Staff \relative { c''4 \section d2. }
>>

[image of music]

これは、他の譜にある装飾小音符の演奏時間に対応した空白の装飾小音符を挿入することによって修正することができます。上の例を以下のように修正します:

<<
  \new Staff \relative { e''4 \section \grace c16 d2. }
  \new Staff \relative { c''4 \section \grace s16 d2. }
>>

[image of music]

実際の音符部分には \acciaccatura\appoggiatura を用いていたとしても、空白休符の部分には \grace コマンドを用いるようにしてください。そうしないと、見えない装飾小音符と次の音符とを繋ぐ、醜いスラーが表示されます。

装飾小音符セクションはシーケンシャルな音楽表記の中でのみ使用すべきです。装飾小音符セクションのネスト、並置はサポートされておらず、クラッシュや他のエラーを引き起こすかもしれません。

MIDI 出力において装飾小音符はそれぞれ 1/4 の実演奏時間を持ちます。一連の装飾小音符の演奏時間が前の音符の演奏時間よりも長い場合、“Going back in MIDI time” エラーになります。エラーを避けるには、装飾小音符の演奏時間を短くします。例えば:

c'8 \acciaccatura { c'8[ d' e' f' g'] }

を以下のようにします:

c'8 \acciaccatura { c'16[ d' e' f' g'] }

あるいは、明示的に演奏時間を変更します:

c'8 \acciaccatura { \scaleDurations 1/2 { c'8[ d' e' f' g'] } }

演奏時間を変更する を参照してください。


カデンツァに揃える

オーケストラのコンテキストにおいて、カデンツァは特殊な問題を提起します: 楽譜の構成に演奏時間を持つカデンツァや他のソロ パッセージが含まれる場合、他のすべての楽器は、そのカデンツァの演奏時間の分だけスキップする必要があります。さもなければ、他の楽器はカデンツァの終わりよりも早すぎる (あるいは遅すぎる) タイミングで始まってしまいます。

この問題の解決方法の一つは、関数 mmrest-of-lengthskip-of-length を使用することです。これらの Scheme 関数は、引数として定義済みの音楽表記をとり、その音楽表記と同じ長さの複数小節休符または \skip を生成します。

MyCadenza = \relative {
  c'4 d8 e f g g4
  f2 g4 g
}

\new GrandStaff <<
  \new Staff {
    \MyCadenza c'1
    \MyCadenza c'1
  }
  \new Staff {
    #(mmrest-of-length MyCadenza)
    c'1
    #(skip-of-length MyCadenza)
    c'1
  }
>>

[image of music]

参照

音楽用語集: cadenza

コード断片集: Rhythms


時間管理

時間は Timing_translator – これは、デフォルトでは、Socre コンテキストの中にあります – によって管理されます。エイリアス TimingTiming_translator が配置されているコンテキストに付け加えられます。 エイリアス Timing が利用可能であることを保証するため、コンテキスト (VoiceStaff など) を明示的にインスタンス化する必要があるかもしれません。

以下の Timing のプロパティは、楽譜内でのタイミングの経過を追うために使用されます。

currentBarNumber

カレントの小節番号。このプロパティの使用例は、小節番号 を参照してください。

measureLength

カレントの拍子での小節の長さ。4/4 拍子では 1 であり、6/8 拍子では 3/4 です。この値は小節線を挿入するタイミングと自動連桁の生成の仕方を決定します。

measurePosition

カレントで処理している小節内での位置。この値は、measureLength に到達するか超過したときに、この値から measureLength を減算されることによって、リセットされます。リセットが起こるときに、currentBarNumber が +1 されます。

timing

真にセットされている場合、各タイム ステップごとに上記の変数は更新されます。偽にセットされている場合、エングラーバはカレントの小節に永久に留まります。

タイミングは、上記の値のいずれかを明示的に設定することによって、変更することができます。次の例では、デフォルトの 4/4 拍子が譜刻されていますが、measureLength は 5/4 にセットされています。第 3 小節の 4/8 の位置で、measurePositoin は 1/8 進められて 5/8 になり、それによりその小節は 1/8 短くされます。次の小節線は 5/4 ではなく 9/8 の位置で引かれます。

\new Voice \relative {
  \set Timing.measureLength = \musicLength 4*5
  c'1 c4 |
  c1 c4 |
  c4 c
  \set Timing.measurePosition = \musicLength 8*5
  b4 b b8 |
  c4 c1 |
}

[image of music]

この例が示すように、ly:make-moment n/m は全音符の n/m の長さの演奏時間を構成します。例えば、ly:make-moment 1/8 は 1 個の 8 分音符の演奏時間であり、ly:make-moment 7/16 は 7 個の 16 分音符の演奏時間です。

参照

記譜法リファレンス: 小節番号, 無韻律の音楽

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: Timing_translator, Score


1.3 発想記号

[image of music]

このセクションでは楽譜の中で作成可能なさまざまな発想記号をリストアップします。


1.3.1 音符に付けられる発想記号

このセクションでは、音符に添付される発想記号を作成する方法について説明します。音符に添付される発想記号には以下のものがあります: アーティキュレーション、装飾、強弱記号。新たに強弱記号を作成する方法についても議論します。


アーティキュレーションと装飾

アーティキュレーション、装飾音それに他の演奏指示を表すさまざまな記号は以下の構文を用いて音符に付けることができます:

note\name

name に対してとり得る値は アーティキュレーションの一覧 でリストアップしています。例えば:

\relative {
  c''4\staccato c\mordent b2\turn
  c1\fermata
}

[image of music]

これらのアーティキュレーションのいくつかはより容易に入力できるよう短縮記法を持っています。短縮記法は音符名の後ろに付けられ、ダッシュ - とそれに続くアーティキュレーションを表す記号から成ります。あらかじめ定義されている短縮記法は以下のアーティキュレーションです: marcato, stopped, tenuto, staccatissimo, accent, staccato それに portato。これらの出力は以下のように表示されます:

\relative {
  c''4-^ c-+ c-- c-!
  c4-> c-. c2-_
}

[image of music]

アーティキュレーションのデフォルトの配置規則はファイル scm/script.scm で定義されています。アーティキュレーションと装飾は手動で譜の上または下に配置されることもあります – 向きと配置 を参照してください。

アーティキュレーションは Script オブジェクトです。これらのプロパティについて Script に説明があります。

アーティキュレーションは音符と同様に休符や複数小節の休符に付けることもできます。複数小節の休符にアーティキュレーションを付けると、MultiMeasureRestScript オブジェクトが作成されます。

\override Script.color = #red
\override MultiMeasureRestScript.color = #blue
a'2\fermata r\fermata
R1\fermata

[image of music]

アーティキュレーションに加えて、テキストとマークアップを音符に付けることができます。テキスト スクリプト を参照してください。

音符につけられる Script と TextScript の配置順序についての更なる情報は、オブジェクトの配置 を参照してください。

Selected Snippets

アーティキュレーションの省略記法のデフォルト値を書き換える

アーティキュレーションの省略記法は ly/script-init.ly に定義されており、変数 dashHat, dashPlus, dashDash, dashBang, dashLarger, dashDot, dashUnderscore にデフォルト設定がセットされています。これらを変更することができます。この例では、dashPlus 変数に trill をセットすることで、-+ を入力した際にデフォルトの + 記号の代わりにトリル記号が表示されるようにしています。

\paper { tagline = ##f }

\relative c'' { c1-+ }

dashPlus = \trill

\relative c'' { c1-+ }

[image of music]

スクリプトの縦方向の優先順位をコントロールする

スクリプト (音符に付加する記号) の縦方向の優先順位は、script-priority プロパティでコントロールされます。値が小さいほど、音符の近くに配置されます。この例では、1 つ目は TextScript (シャープ記号) を低い優先度を持つようにしており、一番低い位置に表示されます。2 つ目はトリル (Script) が低い優先度を持ち、内側に表示されるようになっています。2 つのオブジェクトが同じ優先度を持つ場合には、入力された順番が配置に影響します。

\relative c''' {
  \once \override TextScript.script-priority = -100
  a2^\prall^\markup { \sharp }

  \once \override Script.script-priority = -100
  a2^\prall^\markup { \sharp }

  \set fingeringOrientations = #'(up)
  <c-2 a-1>2
  <a-1 c\tweak script-priority -100 -2>2
}

[image of music]

遅れターンを作成する

下の音符が臨時記号を持つような遅れターンを作るには、いくつかのオーバライドが必要です。outside-staff-priority プロパティを #f にセットしなければ、avoid-slur プロパティよりも優先されてしまい、スラーの内側に記号が入りません。分数 2/31/3 は、水平位置を調整しています。

\relative c'' {
  \after 2*2/3 \turn c2( d4) r |
  \after 4 \turn c4.( d8)
  \after 4
  {
    \once \set suggestAccidentals = ##t
    \once \override AccidentalSuggestion.outside-staff-priority = ##f
    \once \override AccidentalSuggestion.avoid-slur = #'inside
    \once \override AccidentalSuggestion.font-size = -3
    \once \override AccidentalSuggestion.script-priority = -1
    \once \hideNotes
    cis8\turn \noBeam
  }
  d4.( e8)
}

[image of music]

参照

音楽用語集: tenuto, accent, staccato, portato

学習マニュアル: Placement of objects

記譜法リファレンス: テキスト スクリプト, 向きと配置, アーティキュレーションの一覧, トリル

インストールされているファイル: scm/script.scm

コード断片集: 発想記号

内部リファレンス: Script, TextScript


強弱記号

絶対強弱記号は音符の後にコマンドを用いて – c4\ff などのように – 指定します。 利用可能な強弱記号は \ppppp, \pppp, \ppp, \pp, \p, \mp, \mf, \f, \ff, \fff, \ffff, \fffff, \fp, \sf, \sff, \sp, \spp, \sfz, \rfz, それに \n です。 強弱記号を手動で譜の上または下に配置することもできます – 向きと配置 を参照してください。

\relative c'' {
  c2\ppp c\mp
  c2\rfz c^\mf
  c2_\spp c^\ff
}

[image of music]

クレッシェンド 記号は \< で始まり、\!、絶対強弱記号あるいは追加のクレッシェンド記号またはデクレッシェンド記号で終わります。デクレッシェンド 記号は \> で始まり、\!、絶対強弱記号あるいは次のクレッシェンド記号またはデクレッシェンド記号で終わります。\cr\decr\<\> の代わりに用いることができます。 また、クレッシェンド記号やデクレッシェンド記号の終点に、それぞれ \endcr\enddecr\! の代わりに用いることもできます。この記譜法を用いるとデフォルトでは ヘアピン が譜刻されます。

\relative c'' {
  c2\< c\!
  d2\< d\f
  e2\< e\>
  f2\> f\!
  e2\> e\mp
  d2\> d\>
  c1\!
}

[image of music]

\! で終了するヘアピンは、\! が割り当てられた音符の右端で終了します。次の クレッシェンド または デクレッシェンド 記号の開始によってヘアピンが終了する場合、そのヘアピンは次の \< または \> が割り当てられた音符の中央で終了します。次のへアピンは、通常通りに音符の左端で始まる代わりに、右端から始まります。1 拍目で終わるヘアピンは、前の小節線のところで終了します。

\relative {
  c''1\< | c4 a c\< a | c4 a c\! a\< | c4 a c a\!
}

[image of music]

\! の代わりに絶対強弱記号で終了するヘアピンも同じように譜刻されます。しかしながら、絶対強弱記号の幅によってヘアピンの終了点は変わります。

\relative {
  c''1\< | c4 a c\mf a | c1\< | c4 a c\ffff a
}

[image of music]

1 つの音符に複数の記号を譜刻するには、空白休符を用いる必要があります。これは特に、同じ音符に クレッシェンドデクレッシェンド を付ける場合に有用です。

\relative {
  c''4\< c\! d\> e\!
  << f1 { s4 s4\< s4\> s4\! } >>
}

[image of music]

\espressivo コマンドを用いて、同じ音符にクレッシェンドとデクレッシェンドを付けることができます。しかしながら、これは強弱記号ではなくアーティキュレーションとして実装されているということに注意してください。

\relative {
  c''2 b4 a
  g1\espressivo
}

[image of music]

テキストのクレッシェンド記号は \cresc で開始します。テキストのデクレッシェンド記号は \decresc または \dim で開始します。必要に応じて延長線が譜刻されます。

\relative {
  g'8\cresc a b c b c d e\mf |
  f8\decresc e d c e\> d c b |
  a1\dim ~ |
  a2. r4\! |
}

[image of music]

強弱のテキスト符号の変更でヘアピンを置換することもできます:

\relative c'' {
  \crescTextCresc
  c4\< d e f\! |
  \dimTextDecresc
  g4\> e d c\! |
  \dimTextDecr
  e4\> d c b\! |
  \dimTextDim
  d4\> c b a\! |
  \crescHairpin
  \dimHairpin
  c4\< d\! e\> d\! |
}

[image of music]

新たに絶対強弱記号や強弱に対応させるテキストを作成するには、新たな強弱記号 を参照してください。

強弱記号の垂直方向の位置は DynamicLineSpanner によって処理されます。

Dynamics を用いて水平線上に強弱記号を譜刻することができます。タイミングを示すために空白休符を使用します。(Dynamics コンテキスト内の音符は音楽的時間を取りますが、譜刻されません。)Dynamics コンテキストはテキスト スクリプト、テキスト スパナ、ピアノ ペダル記号などを保持することができ、有用です。

<<
  \new Staff \relative {
    c'2 d4 e |
    c4 e e,2 |
    g'4 a g a |
    c1 |
  }
  \new Dynamics {
    s1\< |
    s1\f |
    s2\dim s2-"rit." |
    s1\p |
  }
>>

[image of music]

定義済みコマンド

\dynamicUp, \dynamicDown, \dynamicNeutral, \crescTextCresc, \dimTextDim, \dimTextDecr, \dimTextDecresc, \crescHairpin, \dimHairpin

Selected Snippets

小節線にぶつかるヘアピンの挙動を設定する

ヘアピンの終端となる音符が強拍にある場合、ヘアピンはその前にある小節線の直前が終端となります。この挙動は to-barline プロパティをオーバライドすることで調整できます。

\relative c'' {
  e4\< e2.
  e1\!
  \override Hairpin.to-barline = ##f
  e4\< e2.
  e1\!
}

[image of music]

ヘアピンの最小長さをセットする

ヘアピンが短すぎる場合、Hairpin オブジェクトの minimum-length プロパティを変更することで長くすることができます。

<<
  {
    \after 4 \< \after 2 \> \after 2. \! f'1
    \override Hairpin.minimum-length = 8
    \after 4 \< \after 2 \> \after 2. \! f'1
  }
  {
    \repeat unfold 8 c'4
  }
>>

[image of music]

ヘアピンの端点を移動する

ヘアピンの端点は Hairpin オブジェクトの shorten-pair をセットすることで移動できます。正の値は端点を右に移動し、負の値は左に移動します。minimum-length プロパティとは異なり、このプロパティはヘアピンのみの見た目に影響します。水平方向のスペーシングには影響しません (始点や終点にある強弱記号もです)。そのため、この方法はヘアピンを割り当てられた領域の中で微調整するのに適しています。

{
  c'1~\<
  c'2~ c'\!
  \once \override Hairpin.shorten-pair = #'(2 . 2)
  c'1~\<
  c'2~ c'\!
  \once \override Hairpin.shorten-pair = #'(-2 . -2)
  c'1~\<
  c'2~ c'\!
  c'1~\p-\tweak shorten-pair #'(2 . 0)\<
  c'2~ c'\ffff
}

[image of music]

ヘアピンの表示に al niente 記譜法を用いる

ヘアピン強弱記号は、Hairpin オブジェクトの circled-tip プロパティを #t にセットすることで、端に丸を付けて (“al niente” 記譜法) 表示することができます。

\relative c'' {
  \override Hairpin.circled-tip = ##t
  c2\< c\!
  c4\> c\< c2\!
}

[image of music]

ヘアピンを様々なスタイルで表示する

ヘアピン強弱記号は様々なスタイルで作成できます。

\paper { tagline = ##f }

\relative c'' {
  \override Hairpin.stencil = #flared-hairpin
  a4\< a a a\f
  a4\p\< a a a\ff
  a4\sfz\< a a a\!
  \override Hairpin.stencil = #constante-hairpin
  a4\< a a a\f
  a4\p\< a a a\ff
  a4\sfz\< a a a\!
  \override Hairpin.stencil = #flared-hairpin
  a4\> a a a\f
  a4\p\> a a a\ff
  a4\sfz\> a a a\!
  \override Hairpin.stencil = #constante-hairpin
  a4\> a a a\f
  a4\p\> a a a\ff
  a4\sfz\> a a a\!
}

[image of music]

強弱記号やテキスト スクリプトを縦方向に揃える

全ての DynamicLineSpanner オブジェクト (ヘアピンや強弱記号テキスト) は、他のアイテムが邪魔しない限り、譜から少なくとも staff-padding だけ離れた基準線に配置されます。staff-padding を十分に大きくすると、強弱記号を揃えることができます。

また、\textLengthOn を用いて、テキスト スクリプトをベースラインに揃えることができます。

music = \relative c' {
  a'2\p b\f
  e4\p f\f\> g, b\p
  c2^\markup { \huge gorgeous } c^\markup { \huge fantastic }
}

{
  \music
  \break
  \override DynamicLineSpanner.staff-padding = 3
  \textLengthOn
  \override TextScript.staff-padding = 1
  \music
}

\paper { tagline = ##f }

[image of music]

テキスト強弱記号の線を隠す

(cresc. や dim. のような) 強弱を変更するテキストは、その範囲を破線で示しています。次のようにしてこの線を表示しないようにすることができます。

\relative c'' {
  \override DynamicTextSpanner.style = #'none
  \crescTextCresc
  c1\< | d | b | c\!
}

[image of music]

テキストによる強弱記号のテキストとスパナのスタイルを変更する

クレッシェンドやデクレッシェンドに使われるテキストは crescendoText, decrescendoText コンテキスト プロパティをセットすることで変更できます。

スパナの線は、DynamicTextSpannerstyle プロパティをセットすることでスタイルを変更できます。デフォルトの値は 'dashed-line であり、他に 'line, 'dotted-line, 'none が設定できます。

\relative c'' {
  \set crescendoText = \markup { \italic { cresc. poco } }
  \set crescendoSpanner = #'text
  \override DynamicTextSpanner.style = #'dotted-line
  a2\< a
  a2 a
  a2 a
  a2 a\mf
}

[image of music]

参照

音楽用語集: al niente, crescendo, decrescendo, hairpin

学習マニュアル: アーティキュレーションと強弱記号

記譜法リファレンス: 向きと配置, 新たな強弱記号, MIDI 出力をより良くする, MIDI での音の強弱を制御する

コード断片集: 発想記号

内部リファレンス: DynamicText, Hairpin, DynamicLineSpanner, Dynamics


新たな強弱記号

強弱記号を作成する最も容易な方法は、\markup オブジェクトを使用することです。

moltoF = \markup { molto \dynamic f }

\relative {
  <d' e>16_\moltoF <d e>
  <d e>2..
}

[image of music]

マークアップ モードでは、注釈の強弱記号 (括弧や角括弧で囲まれます) を作成することができます。マークアップ モードの構文は テキストをフォーマットする で記述されています。

roundF = \markup {
    \center-align \concat { \bold { \italic ( }
           \dynamic f \bold { \italic ) } } }
boxF = \markup { \bracket { \dynamic f } }
\relative {
  c'1_\roundF
  c1_\boxF
}

[image of music]

単純に中央揃えの強弱記号は make-dynamic-script 関数を用いて簡単に作成できます。

sfzp = #(make-dynamic-script "sfzp")
\relative {
  c'4 c c\sfzp c
}

[image of music]

一般に、make-dynamic-script は引数として何らかのマークアップ オブジェクトをとります。強弱記号のフォントに含まれる文字は f,m,p,r,s それに z だけです。このため、テキストや句読点を含む強弱記号を必要とする場合、フォント ファミリとフォント エンコーディングを通常のテキストに戻すためのマークアップ コマンド – 例えば \normal-text – を用いる必要があります。通常のマークアップの代わりに make-dynamic-script を用いる利点は、同じ符頭に付けられるマークアップ オブジェクトとヘアピンが垂直方向に揃うことを保証されている点にあります。

roundF = \markup { \center-align \concat {
           \normal-text { \bold { \italic ( } }
           \dynamic f
           \normal-text { \bold { \italic ) } } } }
boxF = \markup { \bracket { \dynamic f } }
mfEspress = \markup { \center-align \line {
              \hspace #3.7 mf \normal-text \italic espress. } }
roundFdynamic = #(make-dynamic-script roundF)
boxFdynamic = #(make-dynamic-script boxF)
mfEspressDynamic = #(make-dynamic-script mfEspress)
\relative {
  c'4_\roundFdynamic\< d e f
  g,1~_\boxFdynamic\>
  g1
  g'1~\mfEspressDynamic
  g1
}

[image of music]

Scheme 形式のマークアップ モードを用いることもできます。マークアップ Scheme の構文は Markup construction in Scheme で説明されています。

moltoF = #(make-dynamic-script
            (markup #:normal-text "molto"
                    #:dynamic "f"))
\relative {
  <d' e>16 <d e>
  <d e>2..\moltoF
}

[image of music]

強弱記号を音符に中央揃えさせるのではなく、左揃えさせるには、\tweak を使います:

moltoF = \tweak DynamicText.self-alignment-X #LEFT
         #(make-dynamic-script
            (markup #:normal-text "molto"
                    #:dynamic "f"))
\relative {
  <d' e>16 <d e>
  <d e>2..\moltoF <d e>1
}

[image of music]

マークアップ モードでのフォント設定は フォントとフォント サイズを選択する で記述されています。

参照

記譜法リファレンス: テキストをフォーマットする, フォントとフォント サイズを選択する, MIDI 出力をより良くする, MIDI での音の強弱を制御する

拡張: Markup construction in Scheme

コード断片集: 発想記号


1.3.2 曲線の発想記号

このセクションでは曲線を持つさまざまな発想記号 – 通常のスラー、フレージング スラー、ブレス記号、Fall それに Doit – を作成する方法について説明します。


スラー

スラー は括弧を用いて入力します:

Note: 多声音楽では、スラーが始まったボイスでそのスラーを終わらせる必要があります。

\relative {
  f''4( g a) a8 b(
  a4 g2 f4)
  <c e>2( <b d>2)
}

[image of music]

スラーを手動で音符の上または下に配置することができます。向きと配置 を参照してください。

同時進行する、あるいは重なるスラーは特別な注意を必要とします。通常、外側のスラーはフレージングを表し、フレージング スラーは通常のスラーと重複します。フレージング スラーを参照してください。一つの Voice に通常のスラーが複数必要な場合、スラーの前に \= と識別子 (シンボルか非負の整数) を入力することによって、対応するスラーの始点と終点にラベルを付ける必要があります。

\fixed c' {
  <c~ f\=1( g\=2( >2 <c e\=1) a\=2) >
}

[image of music]

スラーは実線、点線あるいは破線のどれかになります。実線がスラーのデフォルト スタイルです:

\relative {
  c'4( e g2)
  \slurDashed
  g4( e c2)
  \slurDotted
  c4( e g2)
  \slurSolid
  g4( e c2)
}

[image of music]

スラーの半分を破線 (前半を破線、後半を実線) にする、あるいは、半分を実線 (前半を実線、後半を破線) にすることもできます:

\relative {
  c'4( e g2)
  \slurHalfDashed
  g4( e c2)
  \slurHalfSolid
  c4( e g2)
  \slurSolid
  g4( e c2)
}

[image of music]

スラーの破線パターンを定義することができます:

\relative {
  c'4( e g2)
  \slurDashPattern #0.7 #0.75
  g4( e c2)
  \slurDashPattern #0.5 #2.0
  c4( e g2)
  \slurSolid
  g4( e c2)
}

[image of music]

定義済みコマンド

\slurUp, \slurDown, \slurNeutral, \slurDashed, \slurDotted, \slurHalfDashed, \slurHalfSolid, \slurDashPattern, \slurSolid

Selected Snippets

和音のレガートに 2 つのスラーを使用する

和音をレガートで演奏する場合、2 つのスラーを書く場合があります。これは doubleSlurs をセットすることで実現できます。

\relative c' {
  \set doubleSlurs = ##t
  <c e>4( <d f> <c e> <d f>)
}

[image of music]

テキスト マークアップをスラーの内側に配置する

テキスト マークアップをスラーの内側に配置するには、outside-staff-priority プロパティを #f に設定する必要があります。

\relative c'' {
  \override TextScript.avoid-slur = #'inside
  \override TextScript.outside-staff-priority = ##f
  c2(^\markup { \halign #-10 \natural } d4.) c8
}

[image of music]

複雑な破線のスラーを作成する

dash-definition プロパティをセットすることで、スラーに複雑な破線パターンを追加することができます。dash-definitiondash-element のリストになっています。dash-element はスラーの各部分に対する破線パターンのパラメータ リストです。

スラーはベジエ曲線の媒介変数 t (左端が 0, 右端が 1) の関数として定義されます。dash-element は、(start-t stop-t dash-fraction dash-period) のリストになっています。start-t から stop-t までの範囲が、dash-period の長さにつき dash-fraction が黒になるような破線となります。dash-period は譜スペースの単位です。dash-fraction を 1 にすると実線のスラーになります。

\relative c' {
  \once \override
    Slur.dash-definition = #'((0 0.3 0.1 0.75)
                                (0.3 0.6 1 1)
                                (0.65 1.0 0.4 0.75))
  c4( d e f)
  \once \override
    Slur.dash-definition = #'((0 0.25 1 1)
                                (0.3 0.7 0.4 0.75)
                                (0.75 1.0 1 1))
  c4( d e f)
}

[image of music]

参照

音楽用語集: slur

学習マニュアル: ネストされない括弧とタイ

記譜法リファレンス: 向きと配置, フレージング スラー

コード断片集: 発想記号

内部リファレンス: Slur


フレージング スラー

音楽センテンスを示す フレージング スラー (またはフレーズ記号) はコマンド \(\) を用いて記述します:

\relative {
  c''4\( d( e) f(
  e2) d\)
}

[image of music]

印刷の上では、フレージング スラーは通常のスラーとほとんど同じです。しかしながら、それぞれ異なるオブジェクトとして取り扱われます。\slurUp はフレージング スラーには影響を与えません。フレージング スラーを手動で音符の上または下に配置することができます。向きと配置 を参照してください。

同時進行あるいは重なり合うフレージング スラーは、通常のスラーと同様に \= を用いて入力する必要があります。スラー を参照してください。

フレージング スラーを実線、点線あるいは破線にすることができます。実線がフレージング スラーのデフォルト スタイルです:

\relative {
  c'4\( e g2\)
  \phrasingSlurDashed
  g4\( e c2\)
  \phrasingSlurDotted
  c4\( e g2\)
  \phrasingSlurSolid
  g4\( e c2\)
}

[image of music]

フレージング スラーの半分を破線 (前半を破線、後半を実線) にする、あるいは、半分を実線 (前半を実線、後半を破線) にすることもできます:

\relative {
  c'4\( e g2\)
  \phrasingSlurHalfDashed
  g4\( e c2\)
  \phrasingSlurHalfSolid
  c4\( e g2\)
  \phrasingSlurSolid
  g4\( e c2\)
}

[image of music]

フレージング スラーの破線パターンを定義することができます:

\relative {
  c'4\( e g2\)
  \phrasingSlurDashPattern #0.7 #0.75
  g4\( e c2\)
  \phrasingSlurDashPattern #0.5 #2.0
  c4\( e g2\)
  \phrasingSlurSolid
  g4\( e c2\)
}

[image of music]

フレージング スラーに対する破線パターンの定義は、スラーに対する破線パターンの定義と同じ構造をとります。複雑な破線パターンについての更なる情報は、スラー のコード断片集を参照してください。

定義済みコマンド

\phrasingSlurUp, \phrasingSlurDown, \phrasingSlurNeutral, \phrasingSlurDashed, \phrasingSlurDotted, \phrasingSlurHalfDashed, \phrasingSlurHalfSolid, \phrasingSlurDashPattern, \phrasingSlurSolid

参照

学習マニュアル: ネストされない括弧とタイ

記譜法リファレンス: 向きと配置, スラー

コード断片集: 発想記号

内部リファレンス: PhrasingSlur


ブレス記号

ブレス記号は \breathe を用いて入力します:

{ c''2. \breathe d''4 }

[image of music]

ブレス記号は他の発想記号と異なり、前の音符と関連したものではなく、独立した音楽イベントです。そのため、前の音符に付加する発想記号や、手動連桁を示す角括弧、スラーやフレージング スラーを示す括弧は \breathe の前に配置されなければなりません。

ブレス記号は自動連桁を終わらせます。この振る舞いをオーバライドする方法は、手動連桁 を参照してください。

\relative { c''8 \breathe d e f g2 }

[image of music]

古代記譜法でのブレス記号の音楽指示子 – divisio (ディビジオ: 区切り記号) がサポートされています。詳細は ディビジオ を参照してください。

Selected Snippets

ブレス記号を変更する

ブレス記号のグリフは BreathingSign レイアウト オブジェクトの text プロパティをオーバライドすることで、任意のマークアップ テキストに変更することができます。

\relative c'' {
  c2
  \override BreathingSign.text =
    \markup { \musicglyph "scripts.rvarcomma" }
  \breathe
  d2
}

[image of music]

ブレス記号にチェックを使用する

歌曲や管楽では、ブレス記号によくチェック マークを使用します。これはコンマ記号で示すように短い間を挿入するものではなく、マークの前にある音符を少しだけ短くすることでブレスを行います。マークを譜から離すために、上方向に少し移動しています。

\relative c'' {
  c2
  \breathe
  d2
  \override BreathingSign.Y-offset = #2.6
  \override BreathingSign.text =
    \markup { \musicglyph "scripts.tickmark" }
  c2
  \breathe
  d2
}

[image of music]

カエスーラを挿入する

カエスーラ記号は BreathingSign オブジェクトの text プロパティをオーバライドすることで作成することができます。曲がったカエスーラ記号も使用することができます。

\relative c'' {
  \override BreathingSign.text = \markup {
    \musicglyph "scripts.caesura.straight"
  }
  c8 e4. \breathe g8. e16 c4

  \override BreathingSign.text = \markup {
    \musicglyph "scripts.caesura.curved"
  }
  g8 e'4. \breathe g8. e16 c4
}

[image of music]

参照

音楽用語集: caesura

記譜法リファレンス: ディビジオ

コード断片集: 発想記号

内部リファレンス: BreathingEvent, BreathingSign, Breathing_sign_engraver


Fall と Doit

\bendAfter コマンドを用いて、FallDoit 音符にを付け加えることができます。Fall あるいは Doit の向きはプラスあるいはマイナス (上あるいは下) で示します。指示の数は Fall あるいは Doit の主音符を展開させるピッチの幅を示します。

\relative c'' {
  c2\bendAfter #+4
  c2\bendAfter #-4
  c2\bendAfter #+6.5
  c2\bendAfter #-6.5
  c2\bendAfter #+8
  c2\bendAfter #-8
}

[image of music]

Selected Snippets

fall や doit の形を調整する

fall や doit の形を調整するために、 shortest-duration-space プロパティを変更することができます。

\relative c'' {
  \override Score.SpacingSpanner.shortest-duration-space = 4.0
  c2-\bendAfter 5
  c2-\bendAfter -4.75
  c2-\bendAfter 8.5
  c2-\bendAfter -6
}

[image of music]

参照

音楽用語集: fall, doit

コード断片集: 発想記号


1.3.3 直線の発想記号

このセクションでは直線的な軌道をとるさまざまな発想記号 – グリッサンド、アルペジオそれにトリル – を作成する方法について説明します。


グリッサンド

グリッサンド は音符の後に \glissando を付けることによって作成されます:

\relative {
  g'2\glissando g'
  c2\glissando c,
  \afterGrace f,1\glissando f'16
}

[image of music]

グリッサンドは譜を跨いで音符を結ぶことができます:

\new PianoStaff <<
  \new Staff = "right" {
    e'''2\glissando
    \change Staff = "left"
    a,,4\glissando
    \change Staff = "right"
    b''8 r |
  }
  \new Staff = "left" {
    \clef bass
    s1
  }
>>

[image of music]

グリッサンドは和音の中にある音符を結ぶことができます。2 つの和音の音符を平行に 1 対 1 で結ぶのではない場合、 \glissandoMap を設定することで、結び方を定義する必要があります。和音の音符は入力ファイル .ly で出現する順に 0, 1, … と番号が付きます。

\relative {
  <c' e>1\glissando g' |
  <c, e>1\glissando |
  <g' b> |
  \break
  \set glissandoMap = #'((0 . 1) (1 . 0))
  <c, g'>1\glissando |
  <d a'> |
  \set glissandoMap = #'((0 . 0) (0 . 1) (0 . 2))
  c1\glissando |
  <d f a> |
  \set glissandoMap = #'((2 . 0) (1 . 0) (0 . 1))
  <f d a'>1\glissando |
  <c c'> |
}

[image of music]

異なるスタイルのグリッサンドを作成することもできます。詳細は ライン スタイル を参照してください。

Selected Snippets

現代のグリッサンド

終端の音符が存在しない現代のグリッサンドは、不可視の音符とカデンツァを使用することで作ることができます。

\relative c'' {
  \time 3/4
  \override Glissando.style = #'zigzag
  c4 c
  \cadenzaOn
  c4\glissando
  \hideNotes
  c,,4
  \unHideNotes
  \cadenzaOff
  \bar "|"
}

[image of music]

長いグリッサンドにタイミング マークを追加する

長いグリッサンド部分の拍をタイミング マークで表示する場合があります。これは通例符頭が無く符幹だけの音符として表され、この中間部分に発想記号を付け加えることもできます。

符幹がグリッサンドにうまく揃わない場合には、わずかに配置を調整する必要があるかもしれません。

glissandoSkipOn = {
  \override NoteColumn.glissando-skip = ##t
  \hide NoteHead
  \override NoteHead.no-ledgers = ##t
}

glissandoSkipOff = {
  \revert NoteColumn.glissando-skip
  \undo \hide NoteHead
  \revert NoteHead.no-ledgers
}

\relative c'' {
  r8 f8\glissando
  \glissandoSkipOn
  f4 g a a8\noBeam
  \glissandoSkipOff
  a8

  r8 f8\glissando
  \glissandoSkipOn
  g4 a8
  \glissandoSkipOff
  a8 |

  r4 f\glissando \<
  \glissandoSkipOn
  a4\f \>
  \glissandoSkipOff
  b8\! r |
}

[image of music]

グリッサンドを改行できるようにする

after-line-breaking と共に breakable プロパティを #t にすることで、グリッサンドの途中で改行することができます。

\paper { tagline = ##f }

glissandoSkipOn = {
  \override NoteColumn.glissando-skip = ##t
  \hide NoteHead
  \override NoteHead.no-ledgers = ##t
}

\relative c'' {
  \override Glissando.breakable = ##t
  \override Glissando.after-line-breaking = ##t
  f1\glissando |
  \break
  a4 r2. |
  f1\glissando
  \once \glissandoSkipOn
  \break
  a2 a4 r4 |
}

[image of music]

繰り返しにまたがるグリッサンド

複数の \alternative ブロックにまたがるグリッサンドは、\alternative ブロックの始まりに見えない装飾音符を配置し、グリッサンドを付加することで模倣することができます。装飾音符のピッチはグリッサンドの始端と同じであるべきです。ここでは、装飾音符のピッチを引数に取る音楽関数を定義しています。

多声の音楽では、他のボイスの装飾音符と位置を合わせる必要があります。

repeatGliss = #(define-music-function (grace)
  (ly:pitch?)
  #{
    % the next two lines ensure the glissando is long enough
    % to be visible
    \once \override Glissando.springs-and-rods
      = #ly:spanner::set-spacing-rods
    \once \override Glissando.minimum-length = 3.5
    \once \hideNotes
    \grace $grace \glissando
  #})

\score {
  \relative c'' {
    \repeat volta 3 { c4 d e f\glissando }
    \alternative {
      { g2 d }
      { \repeatGliss f g2 e }
      { \repeatGliss f e2 d }
    }
  }
}

music =  \relative c' {
  \voiceOne
  \repeat volta 2 {
    g a b c\glissando
  }
  \alternative {
    { d1 }
    { \repeatGliss c \once \omit StringNumber e1\2 }
  }
}

\score {
  \new StaffGroup <<
    \new Staff <<
      \new Voice { \clef "G_8" \music }
    >>
    \new TabStaff  <<
      \new TabVoice { \clef "moderntab" \music }
    >>
  >>
}

\paper { tagline = ##f }

[image of music]

参照

音楽用語集: glissando

記譜法リファレンス: ライン スタイル

コード断片集: 発想記号

内部リファレンス: Glissando

既知の問題と警告

線の上にテキストを譜刻する (gliss. など) ことはサポートされていません。


アルペジオ

和音の アルペジオ (変則和音とも呼ばれます) は和音構造の後に \arpeggio を付けることによって記述されます:

\relative { <c' e g c>1\arpeggio }

[image of music]

異なるタイプのアルペジオを描くこともできます。\arpeggioNormal は通常のアルペジオに戻します:

\relative {
  <c' e g c>2\arpeggio

  \arpeggioArrowUp
  <c e g c>2\arpeggio

  \arpeggioArrowDown
  <c e g c>2\arpeggio

  \arpeggioNormal
  <c e g c>2\arpeggio
}

[image of music]

特殊な 括弧スタイル のアルペジオ シンボルを作成することができます:

\relative {
  <c' e g c>2

  \arpeggioBracket
  <c e g c>2\arpeggio

  \arpeggioParenthesis
  <c e g c>2\arpeggio

  \arpeggioParenthesisDashed
  <c e g c>2\arpeggio

  \arpeggioNormal
  <c e g c>2\arpeggio
}

[image of music]

括弧スタイルのアルペジオの破線プロパティは 'dash-definition プロパティで制御します。'dash-definition プロパティについては スラー で説明しています。

アルペジオをタイを用いて明示的に描き出すことができます。詳細は タイ を参照してください。

定義済みコマンド

\arpeggio, \arpeggioArrowUp, \arpeggioArrowDown, \arpeggioNormal, \arpeggioBracket, \arpeggioParenthesis, \arpeggioParenthesisDashed

Selected Snippets

ピアノ譜で譜をまたがるアルペジオを作成する

PianoStaff 内では、PianoStaff.connectArpeggios プロパティをセットすることで、譜をまたがるアルペジオを作成することができます。

\new PianoStaff \relative c'' <<
  \set PianoStaff.connectArpeggios = ##t
  \new Staff {
    <c e g c>4\arpeggio
    <g c e g>4\arpeggio
    <e g c e>4\arpeggio
    <c e g c>4\arpeggio
  }
  \new Staff {
    \clef bass
    \repeat unfold 4 {
      <c,, e g c>4\arpeggio
    }
  }
>>

[image of music]

他のコンテキストで譜をまたがるアルペジオを作成する

譜をまたがるアルペジオは Span_arpeggio_engraverScore コンテキストに追加されていれば、GrandStaff, PianoStaff, StaffGroup 以外にも作成することができます。

\score {
  \new ChoirStaff {
    \set Score.connectArpeggios = ##t
    <<
      \new Voice \relative c' {
        <c e>2\arpeggio
        <d f>2\arpeggio
        <c e>1\arpeggio
      }
      \new Voice \relative c {
        \clef bass
        <c g'>2\arpeggio
        <b g'>2\arpeggio
        <c g'>1\arpeggio
      }
    >>
  }
  \layout {
    \context {
      \Score
      \consists "Span_arpeggio_engraver"
    }
  }
}

[image of music]

異なるボイスにまたがるアルペジオを作成する

Staff コンテキストに Span_arpeggio_engraver が追加された場合、アルペジオは同じ譜にある異なるボイスにまたがって表示されます。

\new Staff \with {
  \consists "Span_arpeggio_engraver"
}
\relative c' {
  \set Staff.connectArpeggios = ##t
  <<
    { <e' g>4\arpeggio <d f> <d f>2 }
    \\
    { <d, f>2\arpeggio <g b>2 }
  >>
}

[image of music]

参照

音楽用語集: arpeggio

記譜法リファレンス: スラー, タイ

コード断片集: 発想記号

内部リファレンス: Arpeggio, Slur, PianoStaff

既知の問題と警告

ある PianoStaff の中の同時点で譜を跨ぐアルペジオと跨がないアルペジオを混在させることはできません。

譜を跨ぐアルペジオに括弧スタイルのアルペジオを適用することは単純な方法ではできません。譜を跨ぐ符幹を参照してください。


トリル

延長線を持たない短い トリル\trill で譜刻されます。アーティキュレーションと装飾 を参照してください。

延長線を持つ長いトリルは \startTrillSpan\stopTrillSpan で作成されます:

\relative {
  d''1\startTrillSpan
  d1
  c2\stopTrillSpan
  r2
}

[image of music]

改行を跨ぐトリルは、次行の最初の音符の上から再開されます。

\relative {
  d''1\startTrillSpan
  \break
  d1
  c2\stopTrillSpan
  r2
}

[image of music]

連続したトリルには、明示的な \stopTrillSpan コマンドは必要ありません。なぜなら、自動的に次のトリルが前のトリルの右端となるからです。

\relative {
  d''1\startTrillSpan
  d1
  b1\startTrillSpan
  d2\stopTrillSpan
  r2
}

[image of music]

トリルを装飾小音符と組み合わせることもできます。この組み合わせの構文と装飾小音符を正確に配置する方法については、装飾小音符 で説明しています。

\relative {
  d''1~\afterGrace
  d1\startTrillSpan { c32[ d]\stopTrillSpan }
  c2 r2
}

[image of music]

明示的なピッチを持つ予備の音符を必要とするトリルは \pitchedTrill コマンドを用いて譜刻することができます。最初の引数は主音符です。2 番目の引数は トリル の音符であり、括弧で囲まれた符幹を持たない符頭として譜刻されます。

\relative {
  \pitchedTrill
  d''2\startTrillSpan fis
  d2
  c2\stopTrillSpan
  r2
}

[image of music]

小節内で最初に出現するピッチを持つトリルでは、臨時記号がナチュラルも含めて表示されます。

{
  \key d \major
  \pitchedTrill
  d'2\startTrillSpan cis d\stopTrillSpan 
  \pitchedTrill
  d2\startTrillSpan c d\stopTrillSpan
  \pitchedTrill
  d2\startTrillSpan e d\stopTrillSpan
}

[image of music]

続く (同じ小節内の同じ音程の) 臨時記号は、手動で追加する必要があります。

\relative {
  \pitchedTrill
  eis''4\startTrillSpan fis
  eis4\stopTrillSpan
  \pitchedTrill
  eis4\startTrillSpan cis
  eis4\stopTrillSpan
  \pitchedTrill
  eis4\startTrillSpan fis
  eis4\stopTrillSpan
  \pitchedTrill
  eis4\startTrillSpan fis!
  eis4\stopTrillSpan
}

[image of music]

定義済みコマンド

\startTrillSpan, \stopTrillSpan

参照

音楽用語集: trill

記譜法リファレンス: アーティキュレーションと装飾, 装飾小音符

コード断片集: 発想記号

内部リファレンス: TrillSpanner


1.4 繰り返し

[image of music]

繰り返しは音楽の主要なコンセプトであり、繰り返しのために複数の記譜法が存在します。LilyPond は以下の種類の繰り返しをサポートします:

volta

繰り返される音楽は描き出されませんが、繰り返しの小節線で囲まれます。繰り返しが楽曲の先頭にある場合、繰り返しの小節線は繰り返しの終端にのみ譜刻されます。繰り返し時に入れ替えて演奏される部分 (volta) は囲みの右側に譜刻されます。これは入れ替えがある繰り返しの標準的な記譜法です。

unfold

繰り返される音楽は、repeatcount によって指定された回数だけ、描き出されます。これは反復の多い音楽を入力するときに有用です。

percent

これには拍の繰り返しや小節の繰り返しがあります。スラッシュまたはパーセント記号のような外見をしています。

tremolo

これはトレモロの連桁を描くために使用されます。


1.4.1 長い繰り返し

このセクションでは長い (通常は複数の小節) 繰り返しを入力する方法について議論します。繰り返しには 2 つの形式があります: 繰り返し記号によって囲まれる繰り返しと、描き出される繰り返し – これは反復の多い音楽を入力するために使用されます – です。繰り返し記号を手動で制御することもできます。


通常の繰り返し

通常の繰り返しの構文は以下の通りです。

\repeat volta repeatcount musicexpr

ここで、musicexpr は音楽表記です。

入れ替えを持たない 1 回の繰り返しは以下のようになります:

\relative {
  \repeat volta 2 { c''4 d e f }
  c2 d
  \repeat volta 2 { d4 e f g }
}

[image of music]

繰り返しの‘開始’記号は、デフォルトでは最初の小節には表示されません。しかし、最初の音符の前に \bar ".|:" を用いることで表示させることができます。

\relative {
  \repeat volta 2 { \bar ".|:" c''4 d e f }
  c2 d
  \repeat volta 2 { d4 e f g }
}

[image of music]

繰り返し時に入れ替えて演奏する部分は \alternative を用いて作り出すことができます。入れ替えの各グループを波括弧で囲んで、このブロックの中に配置します。

\repeat volta repeatcount musicexpr
\alternative {
  { musicexpr }
}

ここで、musicexpr は音楽表記です。

繰り返し回数が入れ替え部分の数よりも多い場合、始めの方の繰り返しには最初の入れ替え部分が使用されます。

繰り返しが 1 回で、入れ替えも 1 つの場合は以下のようになります:

\relative {
  \repeat volta 2 { c''4 d e f | }
  \alternative {
    { c2 e | }
    { f2 g | }
  }
  c1
}

[image of music]

繰り返しが複数回あり、最後に入れ替え部分を演奏する繰り返しは以下のようになります:

\relative {
  \repeat volta 4 { c''4 d e f | }
  \alternative {
    { c2 e | }
    { f2 g | }
  }
  c1
}

[image of music]

繰り返しが複数回あり、入れ替えも 2 つ以上ある繰り返しは以下のようになります:

\relative {
  \repeat volta 3 { c''4 d e f | }
  \alternative {
    { c2 e | }
    { f2 g | }
    { a2 g | }
  }
  c1
}

[image of music]

Note: 入れ替えが複数ある場合、入れ替えの閉じ波括弧と次の入れ替えの開始の波括弧の間に何かを置くべきではありません。さもないと、予期せぬ数の入れ替えが発生します。

Note: Voice コンテキストを明示的にインスタンス化せずに\relative\repeat の中に配置すると、余計な譜が表示されます。余計な譜が表示される を参照してください。

入れ替えの無い繰り返しが小節の途中で始まる場合、通常は後の小節の対応する中間部分で終了します (開始部分と終了部分で 1 つの完全な小節が作られます)。このような場合、繰り返し記号は‘本当の’小節線ではないため、小節チェックや \partial コマンドをそこに置くべきではありません:

c'4 e g
\repeat volta 4 {
  e4 |
  c2 e |
  g4 g g
}
  g4 |
  a2 a |
  g1 |

[image of music]

入れ替えの無い繰り返しが部分小節で始まる場合は、\partial コマンドが小節の最初に必要であることを除けば、同じ原則が適用されます:

\partial 4
\repeat volta 4 {
  e'4 |
  c2 e |
  g4 g g
}
  g4 |
  a2 a |
  g1 |

[image of music]

タイを 2 つ目の終了部に追加することができます:

\relative {
  c''1
  \repeat volta 2 { c4 d e f~ }
  \alternative {
    { f2 d }
    { f2\repeatTie f, }
  }
}

[image of music]

\inStaffSegno コマンドは、\repeat volta コマンドと一緒に用いられた際に、繰り返しの小節線とセーニョ記号を合体させた小節線を作り出します。どの繰り返し記号が使われるか (すなわち、開始記号か、終了記号か、両者を合わせた記号か) は、自動的に選択されます。対応する “D.S.” 記号は手動で入力しなければいけないことに注意してください。

繰り返しを使わない:

\relative {
  e'1
  \inStaffSegno
  f2 g a b
  c1_"D.S." \bar "|."
}

[image of music]

繰り返しの始まりに:

\relative {
  e'1
  \repeat volta 2 {
    \inStaffSegno  % start repeat
    f2 g a b
  }
  c1_"D.S." \bar "|."
}

[image of music]

繰り返しの終わりに:

\relative {
  e'1
  \repeat volta 2 {
    f2 g a b
    \inStaffSegno  % end repeat
  }
  f2 g a b
  c1_"D.S." \bar "|."
}

[image of music]

2 つの繰り返しの間に:

\relative {
  e'1
  \repeat volta 2 {
    f2 g a b
  }
  \inStaffSegno  % double repeat
  \repeat volta 2 {
    f2 g a b
  }
  c1_"D.S." \bar "|."
}

[image of music]

他の小節線記号を用いる場合、 (Score コンテキストに) プロパティ segnoBarType, startRepeatSegnoBarType, endRepeatSegnoBarType, doubleRepeatSegnoBarType を好みの値を設定します。小節線の種類はあらかじめ定義されているものか、前に \defineBarLine コマンドで定義されているものから選択する必要があります (小節線を参照してください)。

\defineBarLine ":|.S[" #'(":|." "S[" "")
\defineBarLine "]" #'("]" "" "")
\relative {
  e'1
  \repeat volta 2 {
    f2 g a b
    \once \set Score.endRepeatSegnoBarType = ":|.S["
    \inStaffSegno
  }
  f2 g \bar "]" a b
  c1_"D.S." \bar "|."
}

[image of music]

Selected Snippets

繰り返し括弧を短くする

デフォルトでは、繰り返し括弧は入れ替え部分全体に表示されますが、voltaSpannerDuration をセットすることで短くすることができます。次の例では、括弧は 1 小節、つまり 3/4 分だけ表示されます。

\relative c'' {
  \time 3/4
  c4 c c
  \set Score.voltaSpannerDuration = \musicLength 2.
  \repeat volta 5 {
    d4 d d
    \alternative {
      \volta 1,2,3,4 {
        e4 e e
        f4 f f }
      \volta 5 {
        g4 g g } } }
}

[image of music]

繰り返し括弧を他の譜にも追加する

デフォルトでは、Volta_engraverScore コンテキストに属しており、繰り返しの括弧は通常最上段の譜の上にのみ表示されます。これを調整するには、Volta_engraver を、括弧を表示させたい譜の Staff コンテキストに追加します。“複数譜に繰り返し括弧を表示する” スニペットも参照してください。

<<
  \new Staff { \repeat volta 2 { c'1 } \alternative { c' } }
  \new Staff { \repeat volta 2 { c'1 } \alternative { c' } }
  \new Staff \with { \consists "Volta_engraver" } { c'2 g' e' a' }
  \new Staff { \repeat volta 2 { c'1 } \alternative { c' } }
>>

[image of music]

入れ替え部分がある場合の二重繰り返しのデフォルトをセットする

入れ替え部分がある場合の二重繰り返しのスタイルには 3 種類あります。これは doubleRepeatBarType でセットすることができます。

\relative c'' {
  \repeat volta 2 { c1 }
  \set Score.doubleRepeatBarType = ":..:"
  \repeat volta 2 { c1 }
  \set Score.doubleRepeatBarType = ":|.|:"
  \repeat volta 2 { c1 }
  \set Score.doubleRepeatBarType = ":|.:"
  \repeat volta 2 { c1 }
}

[image of music]

小節番号を変更する

小節番号を付番する異なる方法が 2 つあり、繰り返しのある音楽に対して有用です。

music = \relative c' {
  \repeat volta 3 {
    c4 d e f |
    \alternative {
      \volta 1 { c4 d e f | c2 d \break }
      \volta 2 { f4 g a b | f4 g a b | f2 a | \break }
      \volta 3 { c4 d e f | c2 d } } }
  c1 \bar "|."
}

\markup "default"
{
  \music
}

\markup \typewriter "'numbers"
{
  \set Score.alternativeNumberingStyle = #'numbers
  \music
}

\markup \typewriter "'numbers-with-letters"
{
  \set Score.alternativeNumberingStyle = #'numbers-with-letters
  \music
}

\paper { tagline = ##f }

[image of music]

参照

音楽用語集: repeat, volta

記譜法リファレンス: 小節線, コンテキストのプラグインを変更する, タイとスラーの形状を変更する, 時間管理

インストールされているファイル: ly/engraver-init.ly

コード断片集: Repeats

内部リファレンス: VoltaBracket, RepeatedMusic, VoltaRepeatedMusic, UnfoldedRepeatedMusic

既知の問題と警告

\repeat ブロックから \alternative ブロックまで続くスラーは、最初の入れ替え部分に対してのみ機能します。他の入れ替え部分に対して見た目上、スラーを伸ばすには \repeatTie を使います。 しかしながら、この手法はスラーが 1 本の場合のみ可能であり、TabStaff では機能しません。複数のスラーを入れ替え部分に伸ばし、TabStaff コンテキストでも機能する手法は タイとスラーの形状を変更する で示しています。

さらに、入れ替え部分の最後から繰り返しの開始点までスラーで結ぶこともできません。

\repeat ブロックから \alternative ブロックまで続くグリッサンドは最初の入れ替え部分に対してのみ機能します。他の入れ替え部分に対して見た目上、グリッサンドを伸ばすには、見えない装飾音符から始まるグリッサンドのコードを記述します。例として、グリッサンド の楽譜断片集にある “繰り返しを跨いでグリッサンドを延長する” を参照してください。

不完全な小節で始まる繰り返しが measureLength プロパティの変更を行う\alternative ブロックを持つ場合、\unfoldRepeats を使用するとおかしな場所に小節線が引かれ、小節チェック警告が発生します。

以下のようにネストされた繰り返し

\repeat …
\repeat …
\alternative

はあいまいです。なぜなら、\alternative がどちらの \repeat に属するのかはっきりしないからです。このあいまいさは、常に \alternative を内側の \repeat に属させることによって解決されます。はっきりとさせるために、そのような状況では波括弧を使用すると賢明です。


手動の繰り返し記号

Note: 以下の手法は特殊な繰り返し構造を表示するためだけに使用され、予期しない振る舞いをする可能性があります。たいていのケースでは、繰り返しは標準の \repeat コマンドを用いるか、適切な小節線を譜刻することによって作成すべきです。更なる情報は、小節線 を参照してください。

プロパティ repeatCommands を用いて繰り返しのレイアウトを制御することができます。このプロパティの値は繰り返しコマンドの Scheme リストです。

start-repeat

.|: 小節線を譜刻します。

\relative {
  c''1
  \set Score.repeatCommands = #'(start-repeat)
  d4 e f g
  c1
}

[image of music]

標準の譜刻習慣に従い、楽曲の先頭では繰り返し記号は譜刻されません。

end-repeat

:|. 小節線を譜刻します。

\relative {
  c''1
  d4 e f g
  \set Score.repeatCommands = #'(end-repeat)
  c1
}

[image of music]

(volta number) … (volta #f)

指定された番号を持つ新しい volta を作成します。Volta 囲みは明示的に終了させる必要があります。さもなければ、譜刻されません。

\relative {
  f''4 g a b
  \set Score.repeatCommands = #'((volta "2"))
  g4 a g a
  \set Score.repeatCommands = #'((volta #f))
  c1
}

[image of music]

複数の繰り返しコマンドが同時に発生することもあります:

\relative {
  f''4 g a b
  \set Score.repeatCommands = #'((volta "2, 5") end-repeat)
  g4 a g a
  c1
  \set Score.repeatCommands = #'((volta #f) (volta "95") end-repeat)
  b1
  \set Score.repeatCommands = #'((volta #f))
}

[image of music]

テキストを volta 囲みに含めることができます。テキストに使用できるのは数字やマークアップ テキストです。テキストをフォーマットする を参照してください。マークアップ テキストを使用するための最も簡単な方法は、最初にマークアップを定義し、それからそのマークアップを Scheme リストに含める方法です。

voltaAdLib = \markup { \volta-number { 1. 2. 3... } \italic { ad lib. } }
\relative {
  c''1
  \set Score.repeatCommands = #`((volta ,voltaAdLib) start-repeat)
  c4 b d e
  \set Score.repeatCommands = #`((volta #f)
                                 (volta ,#{ \markup \volta-number "4." #})
                                 end-repeat)
  f1
  \set Score.repeatCommands = #'((volta #f))
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 小節線, テキストをフォーマットする

コード断片集: Repeats

内部リファレンス: VoltaBracket, RepeatedMusic, VoltaRepeatedMusic


繰り返しを描き出す

unfold コマンドを用いることにより、繰り返しを単に反復する音楽を描き出すために使用することができます。構文は以下の通りです:

\repeat unfold repeatcount musicexpr

ここで、musicexpr は音楽表記であり、repeatcountmusicexpr を繰り返す回数です。

\relative {
  \repeat unfold 2 { c''4 d e f }
  c1
}

[image of music]

いくつかのケースでは、特に \relative コンテキストの中では、\repeat unfold 関数は音楽表記を複数回記述したものと同じにはなりません。例えば、

\repeat unfold 2 { a'4 b c }

これは以下と等価ではありません。

a'4 b c | a'4 b c

入れ替え部分がある繰り返しを展開することもできます。

\relative {
  \repeat unfold 2 { c''4 d e f }
  \alternative {
    { c2 g' }
    { c,2 b }
  }
  c1
}

[image of music]

繰り返し回数が入れ替え部分の数よりも多い場合、最初の入れ替え部分だけが適用されます。残りの入れ替えは無視されて譜刻されません。

\relative {
  \repeat unfold 4 { c''4 d e f }
  \alternative {
    { c2 g' }
    { c,2 b }
    { e2 d }
   }
  c1
}

[image of music]

入れ替え部分の数が繰り返し回数よりも多い場合、最初の入れ替え部分が使用され、残りの繰り返し部分は無視され、譜刻されません。

\relative {
  \repeat unfold 2 { c''4 d e f }
  \alternative {
    { c2 g' }
    { c,2 b }
    { e2 d }
  }
  c1
}

[image of music]

複数の unfold 関数をネストすることも可能です。(unfold は入れ替え部分を持っていても、持っていなくても構いません。)

\relative {
  \repeat unfold 2 {
    \repeat unfold 2 { c''4 d e f }
    \alternative {
      { c2 g' }
      { c,2 b }
    }
  }
  c1
}

[image of music]

和音構造は和音の繰り返し記号 q で繰り返すことができます。和音の繰り返し を参照してください。

Note: Voice コンテキストを明示的にインスタンス化せずに\relative\repeat の中に配置すると、余計な譜が表示されます。余計な譜が表示される を参照してください。

参照

記譜法リファレンス: 和音の繰り返し

コード断片集: Repeats

内部リファレンス: RepeatedMusic, UnfoldedRepeatedMusic


1.4.2 短い繰り返し

このセクションでは、短い繰り返しを入力する方法について議論します。短い繰り返しには 2 つの形式があります: 単一の音符、単一の小節あるいは 2 小節の繰り返しを表すスラッシュまたはパーセント記号と、トレモロです。


パーセント繰り返し

繰り返される短いパターンは 1 回だけ譜刻され、繰り返しは特殊な記号で置き換えられます。

構文は以下の通りです

\repeat percent number musicexpr

ここで、musicexpr は音楽表記です。

1 小節よりも短いパターンはスラッシュで置き換えられます。

\relative c'' {
  \repeat percent 4 { c128 d e f }
  \repeat percent 4 { c64 d e f }
  \repeat percent 5 { c32 d e f }
  \repeat percent 4 { c16 d e f }
  \repeat percent 4 { c8 d }
  \repeat percent 4 { c4 }
  \repeat percent 2 { c2 }
}

[image of music]

1 または 2 小節のパターンはパーセントのような記号で置き換えられます。

\relative c'' {
  \repeat percent 2 { c4 d e f }
  \repeat percent 2 { c2 d }
  \repeat percent 2 { c1 }
}

[image of music]

\relative {
  \repeat percent 3 { c''4 d e f | c2 g' }
}

[image of music]

1 小節よりも短いけれども異なる演奏時間が含まれるパターンは2 重線のパーセント記号を用います。

\relative {
  \repeat percent 4 { c''8. <d f>16 }
  \repeat percent 2 { \tuplet 3/2 { r8 c d } e4 }
}

[image of music]

Selected Snippets

パーセント繰り返しのカウンタ

パーセント記号による小節の繰り返しが 2 回以上続く場合には、この例のようにプロパティをセットすることで、カウンタを表示することができます。

\relative c'' {
  \set countPercentRepeats = ##t
  \repeat percent 4 { c1 }
}

[image of music]

パーセント繰り返しのカウンタの可視性

パーセント繰り返しのカウンタは repeatCountVisibility コンテキスト プロパティをセットすることで一定間隔で表示することができます。

\relative c'' {
  \set countPercentRepeats = ##t
  \set repeatCountVisibility = #(every-nth-repeat-count-visible 5)
  \repeat percent 10 { c1 } \break
  \set repeatCountVisibility = #(every-nth-repeat-count-visible 2)
  \repeat percent 6 { c1 d1 }
}

[image of music]

独立したパーセント繰り返し

パーセント繰り返しを単独で表示することができます。

makePercent =
#(define-music-function (note) (ly:music?)
   "Make a percent repeat the same length as NOTE."
   (make-music 'PercentEvent
               'length (ly:music-length note)))

\relative c'' {
  \makePercent s1
}

[image of music]

参照

音楽用語集: percent repeat, simile

コード断片集: Repeats

内部リファレンス: RepeatSlash, RepeatSlashEvent, DoubleRepeatSlash, PercentRepeat, PercentRepeatCounter, PercentRepeatedMusic, Percent_repeat_engraver, DoublePercentEvent, DoublePercentRepeat, DoublePercentRepeatCounter, Double_percent_repeat_engraver, Slash_repeat_engraver

既知の問題と警告

パーセント記号の繰り返しは、パーセント記号以外に何も含むことができません。特に、拍子の変更は繰り返されません。

\repeat percent 3 { \time 5/4 c2. 2 \time 4/4 2 2 }

[image of music]

拍子の変更や \partial コマンドは、パーセント記号の繰り返しの外側にある並列部分で行われる必要があります (例えば、独立したタイミング トラック)。

<<
  \repeat percent 3 { c2. 2 2 2 }
  \repeat unfold 3 { \time 5/4 s4*5 \time 4/4 s1 }
>>

[image of music]


トレモロの繰り返し

トレモロには 2 つの形式があります: 2 つの和音あるいは 2 つの音符を交互に演奏するものと、単一の音符あるいは和音を素早く繰り返すものです。交互に演奏するトレモロは、音符あるいは和音の間に多重連桁を付け加えることによって示され、一方、単一の音符を素早く繰り返すトレモロは単一の音符に多重連桁あるいは多重スラッシュを付け加えることによって示されます。

2 つの音符の間にトレモロ記号を配置するには、トレモロ スタイルの \repeat を使用します:

\relative c'' {
  \repeat tremolo 8 { c16 d }
  \repeat tremolo 6 { c16 d }
  \repeat tremolo 2 { c16 d }
}

[image of music]

\repeat tremolo の構文では、波括弧の中にある音符の数がちょうど 2 つであること、それに、繰り返しの回数が普通の音符あるいは付点音符として表すことができる音価に相当することが必須です。それゆえ、\repeat tremolo 7 は有効であり、2 重付点音符を作り出します。しかしながら、\repeat tremolo 9 は無効です。

トレモロの演奏時間は、波括弧で囲まれた音楽表記の演奏時間に繰り返し回数を掛けたものに等しいです: \repeat tremolo 8 { c16 d16 } は全音符のトレモロであり、トレモロの連桁でつながれた 2 つの全音符として譜刻されます。

単一の音符上にトレモロ記号を配置する方法は 2 つあります。\repeat tremolo 構文をここでも使用します – この場合、音符を波括弧で囲むべきではありません:

\repeat tremolo 4 c'16

[image of music]

音符の後に :N を付け加えることによって同じ出力を得ることができます。N は細部の演奏時間を表し、8 以上である必要があります。N が 8 である場合、音符の符幹に 1 本の連桁が付け加えられます。N が省略された場合、 最後の値が使用されます:

\relative {
  c''2:8 c:32
  c: c:
}

[image of music]

Selected Snippets

譜をまたがるトレモロ

\repeat tremolo は、和音のトレモロに対してはちょうど 2 つの引数を取らなければならないため、譜をまたがる和音のトレモロは 同じ括弧内に音を配置し、\change Staff コマンドで譜を変更する必要があります。

\new PianoStaff <<
  \new Staff = "up" \relative c'' {
    \key a \major
    \time 3/8
    s4.
  }
  \new Staff = "down" \relative c'' {
    \key a \major
    \time 3/8
    \voiceOne
    \repeat tremolo 6 {
      <a e'>32
      {
        \change Staff = "up"
        \voiceTwo
        <cis a' dis>32
      }
    }
  }
>>

[image of music]

参照

コード断片集: Repeats


1.5 同時進行する音符

[image of music]

楽譜の中で多声部は楽曲の 1 節の中にある複数のボイスを参照します。LilyPond の中で多声部は同じ譜にある複数のボイスを参照します。


1.5.1 単一のボイス

このセクションでは同じボイスの中にある同時進行する音符について議論します。


和音の音符

和音は <> で 1 組のピッチを囲むことによって形成されます。和音の後には – 普通の音符と同様に – 演奏時間が続くかもしれません:

\relative {
  <a' c e>1 <a c e>2 <f a c e>4 <a c>8. <g c e>16
}

[image of music]

さらに、和音の後には – 普通の音符と同様に – アーティキュレーションが続くかもしれません:

\relative {
  <a' c e>1\fermata <a c e>2-> <f a c e>4\prall <a c>8.^! <g c e>16-.
}

[image of music]

和音の中にある音符自体にもアーティキュレーションや装飾を付けることができます。

\relative {
  <a' c\prall e>1 <a-> c-^ e>2 <f-. a c-. e-.>4
  <a-+ c-->8. <g\fermata c e\turn>16
}

[image of music]

しかしながら、いくつかの記譜要素 – 強弱記号、ヘアピンなど – は和音の中の音符ではなく、和音に付ける必要があります。そうしなければ、譜刻されません。運指やスラーなどの他の記譜要素が和音の中の音符に付けられた場合、和音全体や単音に付けた場合と比べて配置が明らかに変化します。

\relative {
  <a'\f c( e>1 <a c) e>\f <a\< c e>( <a\! c e>)
  <a c e>\< <a c e> <a c e>\!
}

[image of music]

和音は和音に含まれる音符、アーティキュレーション、それに他の付属要素のコンテナにすぎません。従って、音符を持たない和音は演奏時間を持ちません。そのような和音に付属するアーティキュレーションは、後に続く音符や和音のタイミングで発生して、組み合わされます (そのような要素の複雑な組み合わせについては 同時進行表記 を参照してください):

\relative {
  \grace { g'8( a b }
  <> ) \p \< -. -\markup \italic "sempre staccato"
  \repeat unfold 4 { c4 e }  c1\f
}

[image of music]

和音の中のピッチに対して相対モードを使うことができます。各和音の最初の音符は常に、前の和音の最初の音符との相対関係で決まります。前が和音でない場合は、その和音の前にある最後のピッチとの相対関係になります。和音の中にある残りの音符はすべて 同じ和音の中にある 前の音符との相対関係になります。

\relative {
  <a' c e>1 <f a c> <a c e> <f' a c> <b, e b,>
}

[image of music]

和音についての更なる情報は、和音記譜法 を参照してください。

参照

音楽用語集: chord

学習マニュアル: Combining notes into chords

記譜法リファレンス: 和音記譜法, アーティキュレーションと装飾, 相対オクターブ入力, 複数のボイス

コード断片集: Simultaneous notes

既知の問題と警告

1 譜スペース内に 3 つ以上のピッチを保持している和音 – ‘<e f! fis!>’ など – では、符頭が重なります。状況に応じて、適切な表記を用います

  • 一時的に 複数のボイス を使用する – ‘<< f! \\ <e fis!> >>’,
  • いくつかのピッチを異名同音に書き換える – ‘<e f ges>’,
  • クラスタ

和音の繰り返し

入力の手間を省くために、前の和音を繰り返すための短縮記法があります。和音を繰り返すためのシンボルは q です:

\relative {
  <a' c e>1 q <f a c>2 q
}

[image of music]

前の和音のピッチが複製されているだけなので、 通常の和音と同様に、和音の繰り返しのシンボルにも演奏時間、アーティキュレーション、マークアップ、スラー、連桁などを使うことができます。

\relative {
  <a' c e>1\p^"text" q2\<( q8)[-! q8.]\! q16-1-2-3 q8\prall
}

[image of music]

和音繰り返しのシンボルは常に最後の和音を覚えているため、最後の和音の後に和音ではない音符や休符があったとしても、和音を繰り返すことができます。

\relative {
  <a' c e>1 c'4 q2 r8 q8 |
  q2 c, |
}

[image of music]

しかしながら、和音繰り返しのシンボルは前の和音の中にある、あるいは付属している強弱記号、アーティキュレーション、あるいは装飾を持ち越しません。

\relative {
  <a'-. c\prall e>1\sfz c'4 q2 r8 q8 |
  q2 c, |
}

[image of music]

それらのイベントを持ち越すには、\chordRepeats 関数を明示的に呼び出し、引数に持ち越す イベント タイプ を指定するリストを持たせます。これにより持ち越されるイベントはすでに和音 q に存在しているものだけです。

\relative {
  \chordRepeats #'(articulation-event)
  { <a'-. c\prall e>1\sfz c'4 q2 r8 q8-. } |
  q2 c, |
}

[image of music]

上記の例では \chordRepeats\relative 構造の内部で使用することで予期しない結果になっています: \chordRepeats の和音イベントが展開されると、通常どおりに入力された和音と区別が付かず、\relative は現在の状態に基づいてオクターブを割り当てます。

ネストされた \relative のインスタンスは内外のインスタンスに影響を与えないので、\chordRepeats の内側に \relative を配置することで\chordRepeats の和音を展開する前にオクターブを確定させることができます。今回のケースでは、内側にある \relative の内容は外側にある \relative の影響を受けないので、繰り返しの和音は前の和音の音程を維持しています。また、内側の \relative は外側の \relative に影響を与えないので、最後の音符のオクターブ入力が変化します。

\relative {
  \chordRepeats #'(articulation-event)
  \relative
  { <a'-. c\prall e>1\sfz c'4 q2 r8 q8-. } |
  q2 c'' |
}

[image of music]

\chordRepeats は明示的に呼び出された場合にのみ \relative と相互作用します: 暗黙的な繰り返し和音の展開はすべての \relative インスタンスが処理されてから行われます。

参照

記譜法リファレンス: 和音記譜法, アーティキュレーションと装飾

インストールされているファイル: ly/chord-repetition-init.ly


同時進行表記

2 重山括弧で囲まれた 1 つあるいは複数の音楽表記は同時進行します。最初の表記が単一の音符で始まる場合、あるいは同時進行する表記全体が明らかに単一のボイスの中にある場合、その表記全体は単一の譜の上に配置されます。そうでない場合、同時進行する表記の要素は別々の譜の上に配置されます。

以下の例は 1 つの譜の上にある同時進行表記を示しています:

\new Voice {  % 明らかに単一のボイスです
  << \relative { a'4 b g2 }
     \relative { d'4 g c,2 } >>
}

[image of music]

\relative {
  % 単一の音符で始まります
  a' << \relative { a'4 b g }
       \relative { d'4 g c, } >>
}

[image of music]

これは同時進行するセクションが同一のリズムを持つ場合に役に立ちます。しかしながら、異なる演奏時間を持つ音符を同じ符幹に取り付けようとするとエラーとなります。単一のVoice’ の中にある音符、アーティキュレーション、それにプロパティの変更は収集され、音楽的な順序で譜刻されます:

\relative {
  <a' c>4-.  <>-. << c a >>  << { c-. <c a> } { a s-. } >>
}

[image of music]

同時に複数の符幹や連桁、あるいは異なる音符の演奏時間やプロパティが必要な場合、複数のボイスを使う必要があります。

以下の例は、同時進行する表記が暗黙的に複数の譜を生成する様子を示しています:

% 単一の音符で始まりません
<< \relative { a'4 b g2 }
   \relative { d'4 g2 c,4 } >>

[image of music]

ここでは、リズムが異なっていても問題ありません。異なるボイスだと解釈されるからです。

既知の問題と警告

譜の同じ場所で、同じ向きの符幹を持つ複数のボイスから音符がシフトされずに (あるいは同じシフトで) 配置された場合、コンパイル中に以下のメッセージが表示されます:

warning: This voice needs a \voiceXx or \shiftXx setting

以下でこのメッセージを表示させなくすることができます:

\override NoteColumn.ignore-collision = ##t

しかしながら、これは警告を非表示にするだけでなく、衝突解決に関するすべてのメッセージを非表示にして、他にも意図しない影響を与える可能性があります (衝突の解決既知の問題 も参照してください)。


クラスタ

クラスタは演奏すべき連続したピッチの範囲を示します。クラスタは 1 組の音符の範囲 (envelope) として表されます。クラスタはひと続きの和音に関数 \makeClusters を適用することによって入力されます。例えば以下のように:

\relative \makeClusters { <g' b>2 <c g'> }

[image of music]

通常の音符とクラスタを同じ譜に一緒にして配置することができます – たとえ、それらが同時進行であってもです。そのようなケースでは、通常の音符とクラスタの衝突を自動的に回避しようとする試みは行われません。

参照

音楽用語集: cluster

コード断片集: Simultaneous notes

内部リファレンス: ClusterSpanner, ClusterSpannerBeacon, Cluster_spanner_engraver

既知の問題と警告

クラスタは少なくとも 2 つの和音を持つ場合にのみうまく譜刻されます。さもなければ、あまりにも狭く譜刻されます。

クラスタは符幹を持たず、それ自体で演奏時間を示すことはできません。しかしながら、譜刻されるクラスタの長さはクラスタを定義する和音の演奏時間によって決定されます。クラスタを分割するには、クラスタとクラスタの間に分割するための休符が必要です。

クラスタは MIDI 出力を作り出しません。


1.5.2 複数のボイス

このセクションでは複数のボイスあるいは複数の譜の中にある同時進行する音符について議論します。


単一譜の多声

明示的にボイスをインスタンス化する

単一の譜の中に複数の独立したボイスを配置するのに必要とされる基本的な構造が以下の例で示されています:

\new Staff <<
  \new Voice = "first"
    \relative { \voiceOne r8 r16 g'' e8. f16 g8[ c,] f e16 d }
  \new Voice= "second"
    \relative { \voiceTwo d''16 c d8~ 16 b c8~ 16 b c8~ 16 b8. }
>>

[image of music]

ここでは、ボイスは明示的にインスタンス化されていて、名前を与えられています。\voiceOne\voiceFour コマンドはボイスをセット アップし、それにより、1 番目と 3 番目のボイスは上向きの符幹を持ち、2 番目と 4 番目のボイスは下向きの符幹を持ち、3 番目と 4 番目のボイスの符頭は水平方向にずれて、それぞれのボイスの中の休符は衝突を避けるために自動的に移動させられます。\oneVoice コマンドはすべてのボイス設定をニュートラルなデフォルトの向きに戻します。

一時的に多声となる楽節 (パッセージ)

一時的に多声となる楽節は以下のような構成で作成することができます:

<< { \voiceOne … }
  \new Voice { \voiceTwo … }
>> \oneVoice

ここで、一時多声楽節の中の最初の表記は直前に使われていた Voice コンテキストに配置され、その Voice コンテキストは一時セクションの後も続いていきます。山括弧の中の他の表記は別の一時ボイスに代入されます。これと同様に、歌詞は多声セクションの前、最中、後に続いているボイスに代入されます:

\relative <<
  \new Voice = "melody" {
    a'4
    <<
      {
        \voiceOne
        g f
      }
      \new Voice {
        \voiceTwo
        d2
      }
    >>
    \oneVoice
    e4
  }
  \new Lyrics \lyricsto "melody" {
  This is my song.
  }
>>

[image of music]

ここで、\voiceOne\voiceTwo コマンドはそれぞれのボイスの設定を定義するために必要とされています。

2 重バックスラッシュ構造

<< {…} \\ {…} >> 構造 – この中では 2 つ (あるいはそれ以上) の表記が 2 重バックスラッシュで区切られています – は、同じような構造だが 2 重バックスラッシュを持たない構造とはまったく異なる振る舞いをします: この構造の中にある すべての 表記は新たな Voice コンテキストに代入されます。それらの新しい Voice コンテキストは暗黙的に作成され、あらかじめ決められた名前 "1", "2" などを与えられます。

最初の例は以下のように書き換えることができます:

<<
  \relative { r8 r16 g'' e8. f16 g8[ c,] f e16 d }
  \\
  \relative { d''16 c d8~ 16 b c8~ 16 b c8~ 16 b8. }
>>

[image of music]

一時ボイスが作成され、それから消去されることが問題にならない場合に、この構文を使用することができます。暗黙的に作成されるボイスには、それらがコードの中で現れる順番に従って、\voiceOne\voiceFour コマンドと同じ設定が与えられます。

以下の例では、真ん中のボイスは上向きの符幹を持ちます。そのため、それを 3 番目に置いて、望みどおりに上向きの符幹を持つボイス 3 にしています。休符が 2 重に譜刻されることを避けるために、空白休符を使用しています。

<<
  \relative { r8 g'' g  g g f16 ees f8 d }
  \\
  \relative { ees'8 r ees r d r d r }
  \\
  \relative { d''8 s c s bes s a s }
>>

[image of music]

簡単なことですが、コンテキストとエングラーバボイスを明示的にインスタンス化する で説明されているように、明示的に Voice コンテキストを作成しておくと賢明です。

Voice の順序

入力ファイルの中にある複数のボイスを譜刻する時、以下の順序で譜刻されます:

ボイス 1: 最上段
ボイス 2: 最下段
ボイス 3: 上から 2 番目
ボイス 4: 下から 2 番目
ボイス 5: 上から 3 番目
ボイス 6: 下から 3 番目
etc.

これは直感に反するように見えるかもしれませんが、自動レイアウト処理をシンプルにできます。奇数番号のボイスには上向きの符幹が与えられ、偶数番号のボイスには下向きの符幹が与えられるということに注意してください:

\new Staff <<
  \time 2/4
  { f''2 }  % 1: 最上段
  \\
  { c'2  }  % 2: 最下段
  \\
  { d''2 }  % 3: 上から 2 番
  \\
  { e'2  }  % 4: 下から 2 番
  \\
  { b'2  }  % 5: 上から 3 番
  \\
  { g'2  }  % 6: 下から 3 番
>>

[image of music]

ボイスの入力順序を変更したい場合、\voices コマンドが役に立ちます:

\new Staff \voices 1,3,5,6,4,2 <<
  \time 2/4
  { f''2 }  % 1: 最上段
  \\
  { d''2 }  % 3: 上から 2 番
  \\
  { b'2  }  % 5: 上から 3 番
  \\
  { g'2  }  % 6: 下から 3 番
  \\
  { e'2  }  % 4: 下から 2 番
  \\
  { c'2  }  % 2: 最下段
>>

[image of music]

Note: 歌詞、スパナ (スラー、タイ、強弱のヘアピン等) はボイスを ‘跨ぐ’ ことはできません。

同一のリズム

同じリズムを持ち、並行して進行する音楽を譜刻するという特殊なケースでは、並行する音楽を単一の Voice の中に組み込み、それにより和音を形成することができます。これを実現するには、並行する音楽を明示的にインスタンス化されたボイス内の同時進行音楽構造の中に置きます:

\new Voice <<
  \relative { e''4 f8 d e16 f g8 d4 }
  \relative { c''4 d8 b c16 d e8 b4 }
>>

[image of music]

この手法では、音楽が同じリズムを持たない場合に、おかしな連桁と警告を生じます。

定義済みコマンド

\voiceOne, \voiceTwo, \voiceThree, \voiceFour, \oneVoice

参照

学習マニュアル: Voices contain music, Explicitly instantiating voices

記譜法リファレンス: 打楽器の譜, 不可視の休符, 符幹

コード断片集: Simultaneous notes


ボイス スタイル

ボイス毎に異なる色と形を与えて、容易に見分けられるようにすることができます:

<<
  \relative { \voiceOneStyle d''4 c2 b4 }
  \\
  \relative { \voiceTwoStyle e'2 e }
  \\
  \relative { \voiceThreeStyle b2. c4 }
  \\
  \relative { \voiceFourStyle g'2 g }
>>

[image of music]

\voiceNeutralstyle コマンドは標準の体裁に戻すために使用されます。

定義済みコマンド

\voiceOneStyle, \voiceTwoStyle, \voiceThreeStyle, \voiceFourStyle, \voiceNeutralStyle

参照

学習マニュアル: I'm hearing Voices, Other sources of information.

コード断片集: Simultaneous notes


衝突の解決

同じピッチ、同じ符頭を持ち、符幹の方向が逆で異なるボイスの中にある符頭は自動的に 1 つの符頭にまとめられます – マージされます。しかしながら、音符の符頭が異なっていたり、符幹の方向が同じである場合はマージされません。異なるボイスの中にあり、符幹の方向が逆の休符は垂直方向にずらされます。以下の例は 3 つの異なる状態を示しています – 第 1 小節の 1, 3 拍目、それに第 2 小節の 1 拍目で自動マージが失敗しています。

<<
  \relative {
    c''8 d e d c d c4
    g'2 fis
  } \\
  \relative {
    c''2 c8. b16 c4
    e,2 r
  } \\
  \relative {
    \oneVoice
    s1
    e'8 a b c d2
  }
>>

[image of music]

以下に示すように、異なる符頭を持つ音符をマージすることができます。この例では、第 1 小節の 1 拍目の符頭がマージされました:

<<
  \relative {
    \mergeDifferentlyHeadedOn
    c''8 d e d c d c4
    g'2 fis
  } \\
  \relative {
    c''2 c8. b16 c4
    e,2 r
  } \\
  \relative {
    \oneVoice
    s1
    e'8 a b c d2
  }
>>

[image of music]

四分音符と二分音符はこの方法ではマージされません。なぜなら区別が難しくなるからです。

第 1 小節の 3 拍目のように異なる付点を持つ符頭もマージすることができます:

<<
  \relative {
    \mergeDifferentlyHeadedOn
    \mergeDifferentlyDottedOn
    c''8 d e d c d c4
    g'2 fis
  } \\
  \relative {
    c''2 c8. b16 c4
    e,2 r
  } \\
  \relative {
    \oneVoice
    s1
    e'8 a b c d2
  }
>>

[image of music]

第 2 小節の最初の版音符と 8 分音符は正しくマージされていません。なぜなら 3 つ以上の音符が同じ列に並ぶ場合、自動マージは正しく機能できないからです。今回のケースでは、マージされた符頭が間違っています。マージが正しい符頭を選択できるようにするため、マージすべきでない符頭に \shift を適用する必要があります。ここでは、\shiftOn を適用することで、最上段にある g を列から外し、\mergeDifferentlyHeadedOn を正しく機能させています。

<<
  \relative {
    \mergeDifferentlyHeadedOn
    \mergeDifferentlyDottedOn
    c''8 d e d c d c4
    \shiftOn
    g'2 fis
  } \\
  \relative {
    c''2 c8. b16 c4
    e,2 r
  } \\
  \relative {
    \oneVoice
    s1
    e'8 a b c d2
  }
>>

[image of music]

\shiftOn コマンドは、ボイスの中にある音符がずれることを許可します (強制はしません)。\shiftOn がボイスに適用されると、そのボイスの中にある音符あるいは和音は、同じ向きの符幹を持つ他のボイスと符幹が衝突する場合にのみ、ずらされます。\shiftOff コマンドは、適用された時点から、このタイプの音符の移動を禁止します。

デフォルトでは、外側のボイス (通常はボイス 1 と 2) には \shiftOff が指定されていて、内側のボイス (ボイス 3 以上) には \shiftOn が指定されています。音符をずらす場合、上向きの符幹を持つボイス (奇数番号のボイス) は右側にずらされ、下向きの符幹を持つボイス (偶数番号のボイス) は左側にずらされます。

簡略化された多声表記が内部的にどのように展開されるかをお見せするための例を挙げます。

Note: 3 つ以上のボイスがある場合、入力ファイルでのボイスの垂直方向の順序は、譜上でのボイスの垂直方向の順序と同じにすべきではありません!

\new Staff \relative {
  %% 簡略化された入力
  <<
    { f''2  }  % 1: 最上段
    \\
    { g,2 }  % 2: 最下段
    \\
    { d'2 }  % 3: 真ん中の上側
    \\
    { b2  }  % 4: 真ん中の下側
  >>
  %% 上記の内部的な展開
  <<
    \new Voice = "1" { \voiceOne   \shiftOff f'2 }
    \new Voice = "2" { \voiceTwo   \shiftOff g,2 }
    \new Voice = "3" { \voiceThree \shiftOn  d'2 } % shifts right
    \new Voice = "4" { \voiceFour  \shiftOn  b2  } % shifts left
  >>
}

[image of music]

さらに 2 つのコマンド – \shiftOnn\shiftOnnn – は、複雑な状況で衝突を解決するために一時的に指定されるさらに大きなずれを提供します。実際の音楽からの例 を参照してください。

音符は符幹の向きが反対である場合 (例えば、デフォルトのボイス 1 と 2 である場合や、明示的に符幹の向きが反対になるよう指定されている場合) にのみマージされます。

定義済みコマンド

\mergeDifferentlyDottedOn, \mergeDifferentlyDottedOff, \mergeDifferentlyHeadedOn, \mergeDifferentlyHeadedOff

\shiftOn, \shiftOnn, \shiftOnnn, \shiftOff

Selected Snippets

衝突を避けるための追加のボイス

複雑な多声音楽では、音符どうしの衝突を避けるために追加のボイスが必要になる場合があります。4 つ以上の並列ボイスが必要な場合には、追加のボイスは Scheme 関数 context-spec-music を用いて変数を定義することで追加できます。

voiceFive = #(context-spec-music (make-voice-props-set 4) 'Voice)

\relative c'' {
  \time 3/4
  \key d \minor
  \partial 2
  <<
    \new Voice  {
      \voiceOne
      a4. a8
      e'4 e4. e8
      f4 d4. c8
    }
    \new Voice {
      \voiceTwo
      d,2
      d4 cis2
      d4 bes2
    }
    \new Voice {
      \voiceThree
      f'2
      bes4 a2
      a4 s2
    }
    \new Voice {
      \voiceFive
      s2
      g4 g2
      f4 f2
    }
  >>
}

[image of music]

多声の音楽で付点付きの音符を移動する

上のボイスにある付点付きの音符が、下の音符との衝突を避けるために移動する場合、デフォルトでは右側に移動します。この挙動は、NoteCollisionprefer-dotted-right プロパティをオーバライドすることで変更できます。

\new Staff \relative c' <<
  {
    f2. f4
    \override Staff.NoteCollision.prefer-dotted-right = ##f
    f2. f4
    \override Staff.NoteCollision.prefer-dotted-right = ##t
    f2. f4
  }
  \\
  { e4 e e e e e e e e e e e }
>>

[image of music]

音符の水平位置を強制的に調整する

組版エンジンがうまく対処できない場合、次の構文で音符の水平位置をオーバライドすることができます。単位は譜スペースです。

\relative c' <<
  {
    <d g>2 <d g>
  }
  \\
  {
    <b f'>2
    \once \override NoteColumn.force-hshift = 1.7
    <b f'>2
  }
>>

[image of music]

参照

音楽用語集: polyphony

学習マニュアル: Multiple notes at once, Voices contain music, Real music example

コード断片集: Simultaneous notes

内部リファレンス: NoteColumn, NoteCollision, RestCollision

既知の問題と警告

\override NoteColumn.ignore-collision = ##t を使うと異なるボイスにある符頭が異なる音符を不適切にマージします。

\mergeDifferentlyHeadedOn
<< \relative { c'16 a' b a } \\ \relative { c'2 } >>
\override NoteColumn.ignore-collision = ##t
<< \relative { c'16 a' b a } \\ \relative { c'2 } >>

[image of music]


休符のマージ

複数のボイスを用いる場合、両方のパートに出現する休符はマージされるのが一般的です。これは Merge_rests_engraver を用いることで達成できます。

voiceA = \relative { d''4 r d2 | R1 | }
voiceB = \relative { fis'4 r g2 | R1 | }
\score {
  <<
    \new Staff \with {
      instrumentName = "unmerged"
    }
    <<
      \new Voice { \voiceOne \voiceA }
      \new Voice { \voiceTwo \voiceB }
    >>
    \new Staff \with {
      instrumentName = "merged"
      \consists Merge_rests_engraver
    }
    <<
      \new Voice { \voiceOne \voiceA }
      \new Voice { \voiceTwo \voiceB }
    >>
  >>
}

[image of music]

suspendRestMerging コンテキスト プロパティを ##t にセットすることで、休符のマージを一時的に無効にすることができます。


自動パート結合

自動パート結合は 2 つのパートに分かれた音楽を単一の譜にマージします。これはオーケストラ譜を譜刻する時に特に有用です。ある範囲で 2 つのパートの音楽が同一である場合、1 つの Voice だけが譜刻されます。2 つのパートが異なる箇所では第 2 Voice が譜刻されます。この場合、符幹の向きはそれぞれ上と下ににセットされ、さらにソロ パートと 二重奏 (due) パートが識別されて適切なマークが付けられます。

自動パート結合の構文は以下の通りです:

\partCombine musicexpr1 musicexpr2

以下の例は自動パート結合の基本的な機能を示しています: 2 つのパートを単一の譜に多声部として配置し、それぞれの符幹の向きをセットしています。個々のパート譜と結合譜で同じ変数が使用されています。

instrumentOne = \relative {
  c'4 d e f |
  R1 |
  d'4 c b a |
  b4 g2 f4 |
  e1 |
}

instrumentTwo = \relative {
  R1 |
  g'4 a b c |
  d4 c b a |
  g4 f( e) d |
  e1 |
}

<<
  \new Staff \instrumentOne
  \new Staff \instrumentTwo
  \new Staff \partCombine \instrumentOne \instrumentTwo
>>

[image of music]

両パートの第 3 小節の音符は同じなので、片方の音符だけが譜刻されています。符幹、スラー、それにタイの向きは、ソロなのかあるいは斉奏なのかによって、自動的に設定されます。多声が必要になる場合、第 1 パート (one と呼ばれるコンテキストを持ちます) は常に上向きの符幹を持ち、一方、第 2 パート (two と呼ばれるコンテキストを持ちます) は常に下向きの符幹を持ちます。ソロの場合、第 1 パートと第 2 パートにはそれぞれ ‘Solo’ と ‘Solo II’ というマークが付けられます。斉奏 (二重奏) パートには、デフォルトで、テキスト “a2” というマークが付けられます。

デフォルトでは、\partCombine は同じピッチの音符を 二重奏 の音符としてマージします。また、同じリズムで音程が 9 度以下の音符は和音として結合し、9 度より大きい (あるいは、ボイスが交差している) 場合は別々のボイスになります。この挙動は \partCombine コマンドの後に、省略可能な数字のペアの引数を与えることでオーバライドすることができます: 1 つ目が、結合が始まる音程 (デフォルトは 0) で、2 つ目が別々のボイスとなる音程です。2 つ目の引数を 0 にすることで、2 度以上の音符を分割し、1 にすることで 3 度以上の音符を分割するというようになります。

instrumentOne = \relative {
  a4 b c d |
  e f g a |
  b c d e |
}

instrumentTwo = \relative {
  c'4 c c c |
  c c c c |
  c c c c |
}

<<
  \new Staff \partCombine \instrumentOne \instrumentTwo
  \new Staff \partCombine #'(2 . 3) \instrumentOne \instrumentTwo
>>

[image of music]

\partCombine の 2 つの引数は別個の Voice コンテキストとして解釈されます。そのため、相対オクターブを用いる場合、両方のパートで \relative を記述すべきです。すなわち、以下のように記述します:

\partCombine
  \relative … musicexpr1
  \relative … musicexpr2

\partCombine の外側にある \relative セクションは musicexpr1musicexpr2 のピッチには影響を与えません。

プロの楽譜では長いパッセージで、2 つのボイスの音符のいくつかが同じでユニゾンとして譜刻できる場合であっても、ボイスを分けて譜刻することがあります。 ですから、音符を和音に組み合わせることと、1 つのボイスをソロとして表示することは等価ではありません。なぜなら、\partCombine 関数は各音符を個々に考慮するからです。 このような場合、\partCombine 関数を以下のコマンドのいずれかでオーバライドすることができます。全てのコマンドは音楽表記の中で次の音符だけに適用されるように \once 接頭辞を付けることができます。

  • \partCombineApart は音符を 2 つの別個のボイスとして譜刻します – たとえ和音やユニゾンにできる場合であっても分けて譜刻します。
  • \partCombineChords は音符を組み合わせて、和音として譜刻します。
  • \partCombineUnisono は音符を組み合わせて、“ユニゾン” として譜刻します。
  • \partCombineSoloI はボイス 1 だけを譜刻して、“Solo” のマークを付けます。
  • \partCombineSoloII はボイス 2 だけを譜刻して、“Solo” のマークを付けます。
  • \partCombineAutomatic は上記のコマンドの効果を終わらせ、標準の \partCombine に戻します。
instrumentOne = \relative c' {
  \partCombineApart c2^"apart" e |
  \partCombineAutomatic e2^"auto" e |
  \partCombineChords e'2^"chord" e |
  \partCombineAutomatic c2^"auto" c |
  \partCombineApart c2^"apart" \once \partCombineChords e^"chord once" |
  c2 c |
}
instrumentTwo = \relative {
  c'2 c |
  e2 e |
  a,2 c |
  c2 c' |
  c2 c |
  c2 c |
}

<<
  \new Staff { \instrumentOne }
  \new Staff { \instrumentTwo }
  \new Staff { \partCombine \instrumentOne \instrumentTwo }
>>

[image of music]

\partCombine を歌詞と同時に使う

\partCombine は歌詞と同時に動作するように設計されていません。歌詞を付けるために、ボイスの片方に名前が明示されていた場合、パート結合は動作を停止します。しかし、NullVoice コンテキストを用いることで効果を得ることができます。歌詞を共有する多声 を参照してください。

Selected Snippets

2 つのパートを 1 つの譜にまとめる

自動パート結合ツール (\partCombine コマンド) は、いくつかの異なるパートを同じ譜にまとめるものです。“solo” や “a2” といったテキスト指示は、デフォルトで追加されます。これらを削除するには、printPartCombineTexts プロパティを f にセットします。賛美歌のような歌曲では、“solo/a2” のテキストを追加する必要は無いため、これらを削除すると良いでしょう。しかしながら、これらを削除した場合、ソロの指示も表示されなくなるため問題があるかもしれません。このような場合は、通常の多声構文を用いると良いでしょう。

このスニペットは、2 つのパートを 1 つの譜に表示する 3 つの方法を示しています: 通常の多声、テキストを削除した \partCombine、テキストのある \partCombine の順です。

musicUp = \relative c'' {
  \time 4/4
  a4 c4.( g8) a4 |
  g4 e' g,( a8 b) |
  c b a2.
}

musicDown = \relative c'' {
  g4 e4.( d8) c4 |
  r2 g'4( f8 e) |
  d2 \stemDown a
}

\score {
  <<
    \new Staff \with {
      instrumentName = "standard polyphony"
    } << \musicUp \\ \musicDown >>

    \new Staff \with {
      instrumentName =
        \markup { \typewriter "\\partCombine" without text}
      printPartCombineTexts = ##f
    } \partCombine \musicUp \musicDown

    \new Staff \with {
      instrumentName =
        \markup { \typewriter "\\partCombine" with text}
    } \partCombine \musicUp \musicDown
  >>

  \layout {
    indent = 6.0\cm
    \context {
      \Score
      % Setting this to a large value avoids a bar line at the
      % beginning that would connect the three staves otherwise.
      \override SystemStartBar.collapse-height = 30
    }
  }
}

[image of music]

Changing \partCombine texts

When using the automatic part combining feature, the printed text for the solo and unison sections may be changed.

\new Staff <<
  \set Staff.soloText = "girl"
  \set Staff.soloIIText = "boy"
  \set Staff.aDueText = "together"
  \partCombine
    \relative c'' {
      g4 g r r
      a2 g
    }
    \relative c'' {
      r4 r a( b)
      a2 g
    }
>>

[image of music]

参照

音楽用語集: a due, part

記譜法リファレンス: パートを記述する

コード断片集: Simultaneous notes

内部リファレンス: PartCombineMusic, Voice

既知の問題と警告

すべての \partCombine… はボイスを 2 つだけ受け取ることができます。

\partCombine… 関数を \tuplet ブロックや \relative ブロックの中に置くことはできません。

printPartCombineTexts がセットされていて、ある小節で 2 つのボイスの音符が同じである場合、パート結合はその小節で a2 を複数譜刻する可能性があります。

\partCombineVoice の中の音符の開始だけを検知します。例えば、ある Voice でパート結合を開始した時に、他の Voice で音符がすでに開始しているかどうかを知ることはできません。このことは “Solo” や “Unison” が不適切に譜刻されるといった予期しない問題を引き起こす可能性があります

\partCombine はすべてのスパナ (スラー、タイ、強弱のヘアピン等) を同じ Voice で維持します。そのため、異なる Voice で始まる / 終わるスパナは不適切にの譜刻されたり、全く譜刻されなかったりする可能性があります。

\partCombine 関数が 2 つのパートを組み合わせることができない場合 (すなわち、2 つのボイスの演奏時間が異なる場合)、内部的に 2 つのボイスにカスタム名を付与します: それぞれ onetwo です。このことは、異なる名前を付けられた Voice への “切り替え” があった場合、その Voice のイベントは無視されることを意味します。

デフォルトのタブ譜 のタブ譜や 自動連桁音符 に対して \partCombine を使う場合は、それぞれの 既知の問題と警告 も参照してください。


音楽を並列に記述する

複数のパートを持つ音楽を入力コードの途中に挿入することができます。関数 \parallelMusic は、作成する変数名をいくつか持つリストと音楽表記を受け付けます。各小節ごとの音楽表記は各変数の値となり、後で音楽を譜刻するために使用することができます。

Note: 小節チェック | を使用する必要があり、各小節は同じ長さでなければなりません。

\parallelMusic voiceA,voiceB,voiceC {
  % Bar 1
  r8 g'16 c'' e'' g' c'' e'' r8 g'16 c'' e'' g' c'' e'' |
  r16 e'8.~   4              r16 e'8.~   4              |
  c'2                        c'2                        |

  % Bar 2
  r8 a'16 d'' f'' a' d'' f'' r8 a'16 d'' f'' a' d'' f'' |
  r16 d'8.~   4              r16 d'8.~   4              |
  c'2                        c'2                        |

}
\new StaffGroup <<
  \new Staff << \voiceA \\ \voiceB >>
  \new Staff { \clef bass \voiceC }
>>

[image of music]

相対モードを使用することができます。\relative コマンドを \parallelMusic 自体の中では使用しないということに注意してください。音符が前の音符と相対関係になるのはボイスの中であり、入力の中ではありません – 言い換えると、voiceA の相対音符は voiceB の音符を無視します。

\parallelMusic voiceA,voiceB,voiceC {
  % Bar 1
  r8 g16 c e g, c e r8 g,16 c e g, c e  |
  r16 e8.~ 4        r16 e8.~  4         |
  c2                c                   |

  % Bar 2
  r8 a,16 d f a, d f r8 a,16 d f a, d f |
  r16 d8.~  4        r16 d8.~  4        |
  c2                 c                  |

 }
\new StaffGroup <<
  \new Staff << \relative c'' \voiceA \\ \relative c' \voiceB >>
  \new Staff \relative c' { \clef bass \voiceC }
>>

[image of music]

これはピアノ譜で非常に良く機能します。以下の例は、4 つの連続する小節を 4 つの変数に割り当てています:

global = {
  \key g \major
  \time 2/4
}

\parallelMusic voiceA,voiceB,voiceC,voiceD {
  % Bar 1
  a8    b     c   d     |
  d4          e         |
  c16 d e fis d e fis g |
  a4          a         |

  % Bar 2
  e8      fis  g     a   |
  fis4         g         |
  e16 fis g  a fis g a b |
  a4           a         |

  % Bar 3 ...
}

\score {
  \new PianoStaff <<
     \new Staff {
       \global
       <<
         \relative c'' \voiceA
         \\
         \relative c'  \voiceB
       >>
     }
     \new Staff {
       \global \clef bass
       <<
         \relative c \voiceC
         \\
         \relative c \voiceD
       >>
     }
  >>
}

[image of music]

参照

学習マニュアル: Organizing pieces with variables

コード断片集: Simultaneous notes


1.6 譜の記譜法

[image of music]

このセクションでは、譜の見た目を変える方法、複数の譜を持つ楽譜を譜刻する方法、それに、テンポ指示と演奏指示楽節の音符を譜に付け加える方法について説明します。


1.6.1 譜を表示する

このセクションでは、譜を作成する方法と、譜をグループ化する方法をいくつか説明します。


新たに譜をインスタンス化する

stave: 譜 (staff: 譜 (表) の単称) は \new コマンドや \context コマンドで作成されます。詳細は コンテキストを作成して参照する を参照してください。

基本的な譜コンテキストは Staff です:

\new Staff \relative { c''4 d e f }

[image of music]

DrumStaff コンテキストは、一般的なドラム セットのための 5 線譜を作成します。各楽器は異なるシンボルで示されます。\drummode コマンドの後に続けて、楽器をドラム モードで入力します。各楽器は名前によって指定されます。詳細は 打楽器の譜 を参照してください。

\new DrumStaff {
  \drummode { cymc hh ss tomh }
}

[image of music]

RhythmicStaff は、入力のリズム価だけを表示する単線譜を作成します。(ピッチは無視されますが) 演奏時間が保持されます。詳細は 旋律のリズムを示す を参照してください。

\new RhythmicStaff { c4 d e f }

[image of music]

TabStaff は、標準のギター チューニングの 6 弦のタブ譜を作成します。詳細は デフォルトのタブ譜 を参照してください。

\new TabStaff \relative { c''4 d e f }

[image of music]

古代音楽の記譜法のために 2 つの譜コンテキストが用意されています: MensuralStaffVaticanaStaff です。これらのことは 定義されているコンテキスト で説明されています。

GregorianTranscriptionStaff コンテキストは、現代グレゴリア聖歌を記譜するための譜を作成します。これは小節線を譜刻しません。

\new GregorianTranscriptionStaff \relative { c''4 d e f e d }

[image of music]

新たに単一譜コンテキストを定義する場合があります。詳細は 新しいコンテキストを定義する を参照してください。

参照

音楽用語集: staff, staves

記譜法リファレンス: コンテキストを作成して参照する, 打楽器の譜, 旋律のリズムを示す, デフォルトのタブ譜, 定義されているコンテキスト, 譜シンボル, グレゴリオ聖歌のコンテキスト, 計量記譜法のコンテキスト, 新しいコンテキストを定義する

コード断片集: Staff notation

内部リファレンス: Staff, DrumStaff, GregorianTranscriptionStaff, RhythmicStaff, TabStaff, MensuralStaff, VaticanaStaff, StaffSymbol


譜をグループ化する

複数の譜からなるシステムを形成するために譜をグループ化するさまざまなコンテキストが存在します。グループ化を行うコンテキストはそれぞれにシステム開始境界線のスタイルと小節線の振る舞いを設定します。

コンテキストが指定されていない場合、デフォルトのプロパティが使用されます: グループは垂直の線で始まり、小節線はつながりません。

<<
  \new Staff \relative { c''1 c }
  \new Staff \relative { c''1 c }
>>

[image of music]

StaffGroup コンテキストでは、グループは角括弧で始まり、小節線はすべての譜を貫いて刻譜されます。

\new StaffGroup <<
  \new Staff \relative { c''1 c }
  \new Staff \relative { c''1 c }
>>

[image of music]

ChoirStaff では、グループは角括弧で始まりますが、小節線はつながりません。

\new ChoirStaff <<
  \new Staff \relative { c''1 c }
  \new Staff \relative { c''1 c }
>>

[image of music]

GrandStaff では、グループは波括弧で始まり、小節線はすべての譜を貫きます。

\new GrandStaff <<
  \new Staff \relative { c''1 c }
  \new Staff \relative { c''1 c }
>>

[image of music]

PianoStaffGrandStaff と同一ですが、例外として楽器名を刻譜することができます。詳細は 楽器名 を参照してください。

\new PianoStaff \with { instrumentName = "Piano" }
<<
  \new Staff \relative { c''1 c }
  \new Staff \relative { \clef bass c1 c }
>>

[image of music]

各譜グループ化コンテキストはプロパティ systemStartDelimiter を以下の値の 1 つにセットします: SystemStartBar, SystemStartBrace あるいは SystemStartBracket。4 つ目の境界線 – SystemStartSquare も利用可能ですが、これは明示的に指定する必要があります。

新たな譜グループ化コンテキストを定義することもできます。詳細は 新しいコンテキストを定義する を参照してください。

Selected Snippets

譜グループの先頭に角括弧を使用する

システム開始の境界線 SystemStartSquareStaffGroup または ChoirStaff で明示的にセットすることで使用することができます。

\score {
  \new StaffGroup { <<
  \set StaffGroup.systemStartDelimiter = #'SystemStartSquare
    \new Staff { c'4 d' e' f' }
    \new Staff { c'4 d' e' f' }
  >> }
}

[image of music]

システムに譜が 1 つしか存在しない場合にも括弧を表示する

ChoirStaffStaffGroup に譜が 1 つだけ存在する場合、デフォルトでは括弧や行頭の小節線は表示されません。これは collapse-height をオーバライドし、値を譜線の数より小さくセットすることで変更することができます。

括弧が波の形をしている PianoStaffGrandStaff のようなコンテキストでは、別のプロパティをセットする必要があります。例の 2 つ目のシステムを参照してください。

\score {
  \new StaffGroup <<
    % Must be lower than the actual number of staff lines
    \override StaffGroup.SystemStartBracket.collapse-height = 4
    \override Score.SystemStartBar.collapse-height = 4
    \new Staff {
      c'1
    }
  >>
}
\score {
  \new PianoStaff <<
    \override PianoStaff.SystemStartBrace.collapse-height = 4
    \override Score.SystemStartBar.collapse-height = 4
    \new Staff {
      c'1
    }
  >>
}

\paper { tagline = ##f }

[image of music]

Mensurstriche レイアウト (譜の間に小節線を表示する)

Mensurstriche (計量音楽風の) レイアウトでは、小節線を譜の中には表示せず、譜と譜の間に表示します。これは、ChoirStaff の代わりに StaffGroup を用いることで実現できます。譜の中にある小節線は \hide で非表示にします。

\layout {
  \context {
    \Staff
    measureBarType = "-span|"
  }
}

music = \fixed c'' {
  c1
  d2 \section e2
  f1 \fine
}

\new StaffGroup <<
  \new Staff \music
  \new Staff \music
>>

[image of music]

参照

音楽用語集: brace, bracket, grand staff

記譜法リファレンス: 楽器名, 新しいコンテキストを定義する

コード断片集: Staff notation

内部リファレンス: Staff, StaffGroup, ChoirStaff, GrandStaff, PianoStaff, SystemStartBar, SystemStartBrace, SystemStartBracket, SystemStartSquare


ネストされた譜グループ

譜グループ化コンテキストは任意の深さにネストすることができます。そうした場合、それぞれの子コンテキストは、親グループの角括弧に隣接して新しい角括弧を作成します。

\new StaffGroup <<
  \new Staff \relative { c''2 c | c2 c }
  \new StaffGroup <<
    \new Staff \relative { g'2 g | g2 g }
    \new StaffGroup \with {
      systemStartDelimiter = #'SystemStartSquare
    }
    <<
      \new Staff \relative { e'2 e | e2 e }
      \new Staff \relative { c'2 c | c2 c }
    >>
  >>
>>

[image of music]

新たにネストされた譜グループ化コンテキストを定義することができます。詳細は 新しいコンテキストを定義する を参照してください。

Selected Snippets

譜をネストする

systemStartDelimiterHierarchy は、より複雑な譜のグループ化を行うために用いることができます。\set StaffGroup.systemStartDelimiterHierarchy コマンドの引数として基となるのは、譜の数だけあるアルファベットのリストです。それぞれの譜の前に SystemStartDelimiter を追加することで、グループ化の始まりを示します。その際、グループとなる譜の範囲を括弧で囲む必要があります。リスト中の要素は省略することができますが、最上位のグループは必ず全ての譜を含みます。SystemStartDelimiterSystemStartBar, SystemStartBracket, SystemStartBrace, SystemStartSquare のいずれかです。

\new StaffGroup
\relative c'' <<
  \override StaffGroup.SystemStartSquare.collapse-height = 4
  \set StaffGroup.systemStartDelimiterHierarchy
    = #'(SystemStartSquare (SystemStartBrace (SystemStartBracket a
                             (SystemStartSquare b)  ) c ) d)
  \new Staff { c1 }
  \new Staff { c1 }
  \new Staff { c1 }
  \new Staff { c1 }
  \new Staff { c1 }
>>

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 譜をグループ化する, 楽器名, 新しいコンテキストを定義する

コード断片集: Staff notation

内部リファレンス: StaffGroup, ChoirStaff, SystemStartBar, SystemStartBrace, SystemStartBracket, SystemStartSquare


システムを分割する

1 ページあたりのシステムの数がページによって異なる場合、システム分割記号を間に置くことでシステムを分割するという慣習があります。デフォルトでは、システム分割記号は空になっていますが、 \paper オプションで有効にすることができます。

\book {
  \score {
    \new StaffGroup <<
      \new Staff {
        \relative {
          c''4 c c c
          \break
          c4 c c c
        }
      }
      \new Staff {
        \relative {
          c''4 c c c
          \break
          c4 c c c
        }
      }
    >>
  }
  \paper {
    system-separator-markup = \slashSeparator
    % 以下のコマンドはこのドキュメントでの体裁を整えるためだけのものです
    paper-width = 100\mm
    paper-height = 100\mm
    tagline = ##f
  }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: ページ レイアウト

コード断片集: Staff notation


1.6.2 個々の譜を変更する

このセクションでは、譜の属性を変更する方法について説明します: 例えば、譜線の本数や譜サイズを変更します。譜を開始/終了する方法とオッシア セクションをセットする方法についても記述します。


譜シンボル

\stopStaff コマンドと \startStaff コマンドを使って、楽譜内の任意の場所で譜線を停止あるいは (再) 開始させることができます。

\relative {
  \stopStaff f''4 d \startStaff g, e
  f'4 d \stopStaff g, e
  f'4 d \startStaff g, e
}

[image of music]

+

定義済みコマンド

\startStaff, \stopStaff

譜の線 (加線を含む) は StaffSymbol グラフィカル オブジェクトに属し、 StaffSymbol プロパティを用いて変更することができます。しかしながら、変更は譜が (再) 開始する前に行う必要があります。

譜線の本数を変更することができます:

\relative {
  f''4 d \stopStaff
  \override Staff.StaffSymbol.line-count = #2
  \startStaff g, e |

  f'4 d \stopStaff
  \revert Staff.StaffSymbol.line-count
  \startStaff g, e |
}

[image of music]

各譜線の位置を変更することもできます。数字のリストでそれぞれの譜線の位置を指定します。0 は通常の譜における中央の線で、通常の譜の譜線の位置は (-4 -2 0 2 4) となります。 1 つの値に対して 1 本の譜線が譜刻されるので、1 つのオーバライドで譜線の位置と本数を変更することができます。

\relative {
  f''4 d \stopStaff
  \override Staff.StaffSymbol.line-positions = #'(1 3 5 -1 -3)
  \startStaff g, e |
  f'4 d \stopStaff
  \override Staff.StaffSymbol.line-positions = #'(8 6.5 -6 -8 -0.5)
  \startStaff g, e |
}

[image of music]

符幹の向きが通常通り (譜の下半分では上向き、上半分では下向き) になるように、カスタマイズした譜では中央の線 (あるいは「間」) を通常の中央の位置 (0) に配置するようにしてください。 新しい譜線に対応して、音部記号とミドル C の位置を調節する必要があるかもしれません。音部記号 を参照してください。

譜線の太さを変えることができます。デフォルトでは、加線 (訳者注: ledger line, 譜の上下に突き出た符頭と符幹に付けられる短い譜線) と符幹の太さも影響を受けます。

\new Staff \with {
  \override StaffSymbol.thickness = #3
} \relative {
  f''4 d g, e
}

[image of music]

加線の太さを譜線の太さから独立して設定することもできます。

\new Staff \with {
  \override StaffSymbol.thickness = #2
  \override StaffSymbol.ledger-line-thickness = #'(0.5 . 0.4)
} \relative {
  f'''4 a, a,, f
}

[image of music]

1 つ目の値は譜線の太さに、2 つ目は譜線の間隔に掛け算され、それら 2 つの値を加算した値が加線の太さになります。

加線の垂直方向の位置を変更することができます:

\new Staff \with {
  \override StaffSymbol.ledger-positions = #'(-3 -2 -1 2 5 6)
} \relative {
  f'''4 a, a,, f
}

[image of music]

符頭の位置と加線を持つ他の符頭との関係に応じて、符頭の上または下に追加の加線を配置することできます。

\new Staff \with {
  \override StaffSymbol.ledger-extra = #4
} \relative {
  f'''4 a, d, f,
}

[image of music]

譜の内部に加線を表示させることもできます。この場合、譜線のカスタマイズが必要です。以下の例は明示的に ledger-position をセットしない場合とした場合の加線のデフォルト位置を示しています。以下の例で、StaffSymbol 全体に対する \override を元に戻すには\stopStaff を行う必要があります。

\relative d' {
  \override Staff.StaffSymbol.line-positions = #'(-8 0 2 4)
  d4 e f g
  \stopStaff
  \startStaff
  \override Staff.StaffSymbol.ledger-positions = #'(-8 -6 (-4 -2) 0)
  d4 e f g
}

[image of music]

譜線の間隔を変えることができます。この設定は加線の間隔にも影響を与えます。

\new Staff \with {
  \override StaffSymbol.staff-space = #1.5
} \relative {
  f'''4 d, g, e,
}

[image of music]

Selected Snippets

いくつかの譜線を他より太くする

教育上の目的で、譜線を太くすることができます (目的の例としては、中央の線の強調や、ト音記号の線を強調することなど)。これは強調したい線のすぐ近くに新たな譜線を追加することで実現できます。譜線の追加には StaffSymbol オブジェクトの line-positions プロパティを使用します。

{
  \override Staff.StaffSymbol.line-positions =
    #'(-4 -2 -0.2 0 0.2 2 4)
  d'4 e' f' g'
}

[image of music]

参照

音楽用語集: line, ledger line, staff

記譜法リファレンス: 音部記号

コード断片集: Staff notation

内部リファレンス: StaffSymbol, staff-symbol-interface


オッシア譜

適切な位置で新しく同時進行の譜を作成することによって、オッシア 譜をセットすることができます:

\new Staff \relative {
  c''4 b d c
  <<
    { c4 b d c }
    \new Staff { e4 d f e }
  >>
  c4 b c2
}

[image of music]

しかしながら、上の例は通常は望ましいものではありません。オリジナルの譜の上にあり、拍子記号や音部記号を持たず、小さなサイズのフォントを使用するオッシア譜を作成するには調整が必要です。学習マニュアルの Nesting music expressions に望ましいオッシア譜を作成するための方法が記述されています。

以下の例は、オッシア譜をオリジナルの譜の上に配置するために alignAboveContext プロパティを用いています。この手法は、2, 3 のオッシア譜が必要とされているだけである場合であれば、最も適切な方法です。

\new Staff = "main" \relative {
  c''4 b d c
  <<
    { c4 b d c }

    \new Staff \with {
      \remove Time_signature_engraver
      alignAboveContext = "main"
      \magnifyStaff #2/3
      firstClef = ##f
    }
    { e4 d f e }
  >>
  c4 b c2
}

[image of music]

多くの別個のオッシア譜が必要である場合、ある特有の コンテキスト ID を持つ空の Staff コンテキストを作成する方が適切かもしれません: このコンテキストを 呼び出し、オッシア譜が必要とされる場所で \startStaff\stopStaff を用いることでオッシア譜が作成されます。この手法の利点は、以下の例よりも長い楽曲であれば、明らかです。

<<
  \new Staff = "ossia" \with {
    \remove Time_signature_engraver
    \hide Clef
    \magnifyStaff #2/3
  }
  { \stopStaff s1*6 }

  \new Staff \relative {
    c'4 b c2
    <<
      { e4 f e2 }
      \context Staff = "ossia" {
        \startStaff e4 g8 f e2 \stopStaff
      }
    >>
    g4 a g2 \break
    c4 b c2
    <<
      { g4 a g2 }
      \context Staff = "ossia" {
        \startStaff g4 e8 f g2 \stopStaff
      }
    >>
    e4 d c2
  }
>>

[image of music]

オッシア譜を作成するための代替手段として、\RemoveAllEmptyStaves コマンドが用いられるかもしれません。この手法は、オッシア譜が改行の直後に発生する場合、最も便利な手法です。\RemoveAllEmptyStaves についての更なる情報は、譜を隠す を参照してください。

<<
  \new Staff = "ossia" \with {
    \remove Time_signature_engraver
    \hide Clef
    \magnifyStaff #2/3
    \RemoveAllEmptyStaves
  } \relative {
    R1*3
    c''4 e8 d c2
  }
  \new Staff \relative {
    c'4 b c2
    e4 f e2
    g4 a g2 \break
    c4 b c2
    g4 a g2
    e4 d c2
  }
>>

[image of music]

Selected Snippets

オッシアと歌詞の縦方向の揃え位置

このスニペットは、歌詞とオッシアの位置を調整するために alignBelowContextalignAboveContext コンテキスト プロパティを使用する方法を示しています。

\relative c' <<
  \new Staff = "1" { c4 c s2 }
  \new Staff = "2" { c4 c s2 }
  \new Staff = "3" { c4 c s2 }
  { \skip 2
    <<
      \lyrics {
        \set alignBelowContext = "1"
        lyrics4 below
      }
      \new Staff \with {
        alignAboveContext = "3"
        fontSize = -2
        \override StaffSymbol.staff-space = #(magstep -2)
        \remove "Time_signature_engraver"
      } {
        \tuplet 6/4 {
          \override TextScript.padding = 3
          c8[^"ossia above" d e d e f]
        }
      }
    >>
  }
>>

\paper {
  ragged-right = ##t
}

[image of music]

参照

音楽用語集: ossia, staff, Frenched staff

学習マニュアル: Nesting music expressions, Size of objects, Length and thickness of objects

記譜法リファレンス: 譜を隠す

コード断片集: Staff notation

内部リファレンス: StaffSymbol


譜を隠す

Staff コンテキストから Staff_symbol_engraver を削除することによって、譜線を隠すことができます。そうする代わりに、\stopStaff を用いることもできます。

\new Staff \with {
  \remove Staff_symbol_engraver
}
\relative { a''8 f e16 d c b a2 }

[image of music]

空の譜は隠すことができます (いわゆる ‘Frenched Score’ にするため)。これは、コンテキスト中で \RemoveEmptyStaves を適用することで実現できます。(\layout ブロック内に適用することによって) 楽譜全体に設定することも、(\with ブロック内に適用することによって) 特定の譜に限定することもできます。このコマンドは、最初のシステムを除いて、楽譜内にある全ての空の譜を削除します。最初のシステムにある譜も隠したい場合は、\RemoveAllEmptyStaves を使ってください。サポートしているコンテキストは Staff, RhythmicStaff, VaticanaStaff です。

Note: 譜が空であると見なされるのは、それが複数小節にわたる休符、休符、スキップ、空白休符、あるいはそれらの要素の組み合わせだけで構成されている場合です。

\layout {
  \context {
    \Staff
    \RemoveEmptyStaves
  }
}

\relative <<
  \new Staff {
    e'4 f g a \break
    b1 \break
    a4 b c2
  }
  \new Staff {
    c,4 d e f \break
    R1 \break
    f4 g c,2
  }
>>

[image of music]

譜に対してオッシア セクションを作成するために、\RemoveAllEmptyStaves を用いることもできます。詳細は オッシア譜 を参照してください。

定義済みコマンド

\RemoveEmptyStaves, \RemoveAllEmptyStaves

参照

音楽用語集: Frenched staff

学習マニュアル: Visibility and color of objects

記譜法リファレンス: コンテキストのデフォルト設定を変更する, 譜シンボル, オッシア譜, 隠された音符, 不可視の休符, オブジェクトの可視性

コード断片集: Staff notation

内部リファレンス: ChordNames, FiguredBass, Lyrics, Staff, VerticalAxisGroup, Staff_symbol_engraver

既知の問題と警告

Staff_symbol_engraver を削除すると、小節線も隠されます。小節線が強制的に可視になるよう設定されている場合、フォーマット エラーが発生するかもしれません。そのような場合は、エングラーバを削除する代わりに、以下のオーバライドを使用してください:

\omit StaffSymbol
\override NoteHead.no-ledgers = ##t

\Staff \RemoveEmptyStaves に関連する既知の問題と警告は コンテキストのデフォルト設定を変更する を参照してください。


1.6.3 パートを記述する

このセクションでは、楽譜に楽器名を挿入するためにしばしば必要となる、オーケストラまたはアンサンブル音楽用のパートを作成する方法について説明します。他のボイスを引用する方法、演奏指示音符を譜刻する方法、個々のパートで複数の連続する空の小節をまとめる方法についても記述します。


楽器名

Staff, PianoStaff, StaffGroup, GrandStaff それに ChoirStaff コンテキストの中にある譜の左側に、楽器名を譜刻することができます。instrumentName の値が最初の行の譜に対して使用され、shortInstrumentName の値がそれに続くすべての行の譜に対して使用されます。

\new Staff \with {
  instrumentName = "Violin "
  shortInstrumentName = "Vln. "
} \relative {
  c'4.. g'16 c4.. g'16 \break | c1 |
}

[image of music]

\markup を用いて、より複雑な楽器名を作成することができます:

\new Staff \with {
  instrumentName = \markup {
    \column { "Clarinetti"
      \line { "in B" \smaller \flat }
    }
  }
} \relative {
  c''4 c,16 d e f g2
}

[image of music]

2 つ以上の譜コンテキストがグループ化されている場合、デフォルトでは楽器名と短縮楽器名は中央揃えされます。複数行にわたる楽器名を中央揃えするには、\center-column を用いる必要があります:

<<
  \new Staff \with {
    instrumentName = "Flute"
  } \relative {
    f''2 g4 f
}
  \new Staff \with {
    instrumentName = \markup {
      \center-column { "Clarinet"
        \line { "in B" \smaller \flat }
      }
    }
  } \relative { c''4 b c2 }
>>

[image of music]

しかしながら、楽器名が長い場合、indent 設定と short-indent 設定の値を増やさない限り、譜グループの中にある楽器名は中央揃えされません。これらの設定についての詳細は シフトとインデントのための \paper 変数 を参照してください。

<<
  \new Staff \with {
    instrumentName = "Alto Flute in G"
    shortInstrumentName = "Flt."
  } \relative {
    f''2 g4 f \break
    g4 f g2
  }
  \new Staff \with {
    instrumentName = "Clarinet"
    shortInstrumentName = "Clar."
  } \relative {
    c''4 b c2 \break
    c2 b4 c
  }
>>

\layout {
  indent = 3.0\cm
  short-indent = 1.5\cm
}

[image of music]

楽器名を他のコンテキスト (ChordNamesFiguredBass など) に付け加えるには、 そのコンテキストに Instrument_name_engraver を追加する必要があります。詳細は コンテキストのプラグインを変更する を参照してください。

楽曲の途中で shortInstrumentName や、新しい楽器に必要なその他の設定を変更することもできます。しかしながら、instrumentName は最初のインスタンスが譜刻され、楽曲の途中での変更は無視されます:

prepPiccolo = <>^\markup \italic { muta in Piccolo }

prepFlute = <>^\markup \italic { muta in Flauto }

setPiccolo = {
  <>^\markup \bold { Piccolo }
  \transposition c''
}

setFlute = {
  <>^\markup \bold { Flute }
  \transposition c'
}

\new Staff \with {
  instrumentName = "Flute"
  shortInstrumentName = "Flt."
}
\relative {
  g'1 g g g \break
  g1 g \prepPiccolo R R \break
  \set Staff.instrumentName = "Piccolo"
  \set Staff.shortInstrumentName = "Picc."
  \setPiccolo
  g1 g g g \break
  g1 g \prepFlute R R \break
  \set Staff.instrumentName = "Flute"
  \set Staff.shortInstrumentName = "Flt."
  \setFlute
  g1 g g g
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: シフトとインデントのための \paper 変数, コンテキストのプラグインを変更する

コード断片集: Staff notation

内部リファレンス: InstrumentName, PianoStaff, Staff


他のボイスを引用する

あるボイスが他のボイスと同じ音符を演奏することはごく一般的なことです。例えば、第 1 バイオリンと第2バイオリンがあるパッセージで同じフレーズを演奏することがあります。これは、ボイスに他のボイスを 引用 させることで実現でき、第 2 ボイスの音楽全体を再入力する必要はありません。

最上位レベルのスコープで用いる \addQuote コマンドは一部を引用することができる音楽を定義します。

\quoteDuring コマンドを用いて、引用を開始する位置を示します。このコマンドは 2 つの引数をとります: \addQuote で定義した引用するボイスの名前と、引用部分の演奏時間を示す音楽表記です。

fluteNotes = \relative {
  a'4 gis g gis | b4^"quoted" r8 ais\p a4( f)
}

oboeNotes = \relative {
  c''4 cis c b \quoteDuring "flute" { s1 }
}

\addQuote "flute" { \fluteNotes }

\score {
  <<
    \new Staff \with { instrumentName = "Flute" } \fluteNotes
    \new Staff \with { instrumentName = "Oboe" } \oboeNotes
  >>
}

[image of music]

\quoteDuring で使用される音楽表記が空白休符や複数小節休符ではなく音符を保持している場合、引用は多声となり、予期しない結果となる可能性があります。

fluteNotes = \relative {
  a'4 gis g gis | b4^"quoted" r8 ais\p a4( f)
}

oboeNotes = \relative {
  c''4 cis c b \quoteDuring "flute" { e4 r8 ais b4 a }
}

\addQuote "flute" { \fluteNotes }

\score {
  <<
    \new Staff \with { instrumentName = "Flute" } \fluteNotes
    \new Staff \with { instrumentName = "Oboe" } \oboeNotes
  >>
}

[image of music]

\unfoldRepeats コマンドを \quoteDuring と一緒に使う場合、引用の中でも \unfoldRepeats コマンドを使わなければなりません:

fluteNotes = \relative {
  \repeat volta 2 { a'4 gis g gis }
}

oboeNotesDW = \relative {
  \repeat volta 2 \quoteDuring "incorrect" { s1 }
}

oboeNotesW = \relative {
  \repeat volta 2 \quoteDuring "correct" { s1 }
}


\addQuote "incorrect" { \fluteNotes }

\addQuote "correct" { \unfoldRepeats \fluteNotes }

\score {
  \unfoldRepeats
  <<
    \new Staff \with { instrumentName = "Flute" }
    \fluteNotes
    \new Staff \with { instrumentName = "Oboe (incorrect)" }
    \oboeNotesDW
    \new Staff \with { instrumentName = "Oboe (correct)" }
    \oboeNotesW
  >>
}

[image of music]

\quoteDuring コマンドは引用されるパートと引用するパート両方の \transposition を使用して、引用されるパートと同じ響きのピッチに変換して、引用するパートの音符を作り出します。

clarinetNotes = \relative c'' {
  \transposition bes
  \key d \major
  b4 ais a ais | cis4^"quoted" r8 bis\p b4( f)
}

oboeNotes = \relative {
  c''4 cis c b \quoteDuring "clarinet" { s1 }
}

\addQuote "clarinet" { \clarinetNotes }


\score {
  <<
    \new Staff \with { instrumentName = "Clarinet" } \clarinetNotes
    \new Staff \with { instrumentName = "Oboe" } \oboeNotes
  >>
}

[image of music]

デフォルトでは引用される音楽はすべてのアーティキュレーション、強弱記号、マークアップ等を含んでいます。quotedEventTypes コンテキスト プロパティを用いることで、引用される音楽から引用するオブジェクトを選択することが可能です。

fluteNotes = \relative {
  a'2 g2 |
  b4\<^"quoted" r8 ais a4\f( c->)
 }

oboeNotes = \relative {
  c''2. b4 |
  \quoteDuring "flute" { s1 }
}

\addQuote "flute" { \fluteNotes }

\score {
  <<
    \set Score.quotedEventTypes = #'(note-event articulation-event
                                     crescendo-event rest-event
                                     slur-event dynamic-event)
    \new Staff \with { instrumentName = "Flute" } \fluteNotes
    \new Staff \with { instrumentName = "Oboe" } \oboeNotes
  >>
}

[image of music]

引用にもタグを付けることができます。タグを使用する を参照してください。

参照

記譜法リファレンス: 楽器の移調, タグを使用する

インストールされているファイル: scm/define-event-classes.scm.

コード断片集: Staff notation

内部リファレンス: +Music classes, QuoteMusic, Voice

既知の問題と警告

\addQuote 中にある最初の Voice の内容だけが引用されます。そのため、音楽表記が \new\context Voice を含んでいても、それらの内容は引用されません。装飾小音符の引用はサポートされておらず、LilyPond がクラッシュする可能性さえあります。 ネストされた連符を引用しようとしてもうまくいきません。


合図音符をフォーマットする

合図音符をフォーマットする最も簡単な方法は、パートの中で明示的に CueVoice コンテキストを作成することです。

\relative {
  R1
  <<
    { e'2\rest r4. e8 }
    \new CueVoice {
      \stemUp d'8^"flute" c d e fis2
    }
  >>
  d,4 r a r
}

[image of music]

音部記号の変更が必要で、合図音符に適切なサイズの音部記号を譜刻する場合、\cueClef コマンドは明示的な CueVoice コンテキストと共に用いられます。その後、\cueClefUnset コマンドを用いて、オリジナルの音部記号 – 再度、適切なサイズにされた – に戻すことができます。

\relative {
  \clef "bass"
  R1
  <<
    { e'2\rest r4. \cueClefUnset e,8 }
    \new CueVoice {
      \cueClef "treble" \stemUp d''8^"flute" c d e fis2
    }
  >>
  d,,4 r a r
}

[image of music]

必要があれば、CueVoice 無しで \cueClef コマンドと \cueClefUnset コマンドを用いることもできます。

\relative {
  \clef "bass"
  R1
  \cueClef "treble"
  d''8^"flute" c d e fis2
  \cueClefUnset
  d,,4 r a r
}

[image of music]

もっと複雑な合図音符 – 例えば、移調を含んでいる、複数の音楽ソースからの合図音符を挿入する – の場合、\cueDuring コマンドや \cueDuringWithClef コマンドを用いることができます。これらのコマンドは \quoteDuring を特殊化したものです。\quoteDuring については、前のセクションの 他のボイスを引用する を参照してください。

構文は以下の通りです:

\cueDuring quotename #direction music

\cueDuringWithClef quotename #direction #clef music

quotename に対応する小節の音楽は CueVoice コンテキストとして追加されて music と同時進行して、多声になります。direction は引数 UP または DOWN を取り – それぞれ第 1 ボイス及び第 2 ボイスと対応します – 合図音符が他のボイスに対してどのように譜刻されるかを決定します。

fluteNotes = \relative {
  r2. c''4 | d8 c d e fis2 | g2 d |
}

oboeNotes = \relative c'' {
  R1
  <>^\markup \tiny { flute }
  \cueDuring "flute" #UP { R1 }
  g2 c,
}

\addQuote "flute" { \fluteNotes }

\new Staff {
  \oboeNotes
}

[image of music]

instrumentCueName プロパティを設定することによって、\cueDuring で音楽のどの部分を引用するか調節することができます。このプロパティのデフォルト値は '(note-event rest-event tie-event beam-event tuplet-span-event) であり、音符、休符、タイ、連桁、それに連符だけが引用され、アーティキュレーション、強弱記号、マークアップ等は引用されません。

Note: 以下の例のように Voice\cueDuring で始まる場合、Voice を明示的に宣言する必要があります。そうしないと音楽表記全体が CueVoice コンテキストに属してしまいます。

oboeNotes = \relative {
  r2 r8 d''16(\f f e g f a)
  g8 g16 g g2.
}
\addQuote "oboe" { \oboeNotes }

\new Voice \relative c'' {
  \set Score.quotedCueEventTypes = #'(note-event rest-event tie-event
                                      beam-event tuplet-span-event
                                      dynamic-event slur-event)
  \cueDuring "oboe" #UP { R1 }
  g2 c,
}

[image of music]

引用される楽器の名前を表示するために、マークアップを用いることができます。合図音符が音符記号の変更を必要とする場合、手動で変更することができますが、合図音符が終わったところで手動で元の音部記号に戻す必要がありmす。

fluteNotes = \relative {
  r2. c''4 d8 c d e fis2 g2 d2
}

bassoonNotes = \relative c {
  \clef bass
  R1
  \clef treble
  <>^\markup \tiny { flute }
  \cueDuring "flute" #UP { R1 }
  \clef bass
  g4. b8 d2
}

\addQuote "flute" { \fluteNotes }

\new Staff {
  \bassoonNotes
}

[image of music]

あるいはまた、代わりに \cueDuringWithClef 関数を用いることができます。このコマンドは追加の引数で音部の変更を指定して、合図音符に音部記号を譜刻しますが、合図音部が終了したところで元の音部記号を自動的に譜刻します。

fluteNotes = \relative {
  r2. c''4 d8 c d e fis2 g2 d2
}

bassoonNotes = \relative c {
  \clef bass
  R1
  <>^\markup { \tiny "flute" }
  \cueDuringWithClef "flute" #UP "treble" { R1 }
  g4. b8 d2
}

\addQuote "flute" { \fluteNotes }

\new Staff {
  \bassoonNotes
}

[image of music]

\quoteDuring と同様に、\cueDuring は楽器の移調を考慮します。合図音符は合図を受け取る楽器のピッチで作り出され、ソース楽器の同じ響きのピッチになります。

合図音符を移調させるには \transposedCueDuring を使用します。このコマンドはコンサート ミドル C の音を表すピッチを (絶対モードで) 指定する追加の引数を取ります。これは、全く別の場所で登録された楽器から合図を取る場合に有用です。

piccoloNotes = \relative {
  \clef "treble^8"
  R1
  c'''8 c c e g2
  c4 g g2
}

bassClarinetNotes = \relative c' {
  \key d \major
  \transposition bes,
  d4 r a r
  \transposedCueDuring "piccolo" #UP d { R1 }
  d4 r a r
}

\addQuote "piccolo" { \piccoloNotes }

<<
  \new Staff \piccoloNotes
  \new Staff \bassClarinetNotes
>>

[image of music]

\killCues コマンドは音楽表記から合図音符を削除します。これにより、同じ音楽表記を使って合図を持つ楽器パートと楽譜を作り出すことが可能です。\killCues コマンドは \cueDuring によって引用された音符とイベントだけを削除します。合図に関連する他のマークアップ – 音部変更と引用元の楽器を識別するラベルなど – にはタグを付けて楽譜に含めるかどうかを選択することができます。タグを使用する を参照してください。

fluteNotes = \relative {
  r2. c''4 d8 c d e fis2 g2 d2
}

bassoonNotes = \relative c {
  \clef bass
  R1
  \tag #'part {
    \clef treble
    <>^\markup \tiny { flute }
  }
  \cueDuring "flute" #UP { R1 }
  \tag #'part \clef bass
  g4. b8 d2
}

\addQuote "flute" { \fluteNotes }

\new Staff {
  \bassoonNotes
}

\new StaffGroup <<
  \new Staff {
    \fluteNotes
  }
  \new Staff {
    \removeWithTag #'part { \killCues { \bassoonNotes } }
  }
>>

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 他のボイスを引用する, 楽器の移調, 楽器名, 音部記号, 合図, タグを使用する

コード断片集: Staff notation

内部リファレンス: CueVoice, Voice

既知の問題と警告

\cueDuring を使用した場合、Voice コンテキストと CueVoice コンテキストの間で休符の衝突が発生する可能性があります。\cueDuringWithClef\transposedCueDuring を使用する場合、追加で必要となる引数は引用と向きの後に配置する必要があります。


空の小節を圧縮する

デフォルトでは、すべての小節は空であっても譜刻されます – これは、リズムイベント (音符、休符、非表示の休符など) が複数の小節にまたがるほど長い場合に発生する可能性があります。 この動作は、次の図に示すように、すべての空の小節を単一の小節にまとめることで変更できます (この例の 2 番目の部分は小節を展開して実際にはデフォルトの動作に戻ります):

\override Score.BarNumber.break-visibility = #'#(#f #t #t)
\time 2/4
\compressEmptyMeasures
c'1 d'1. e'\breve
\bar "||"
\expandEmptyMeasures
c'1 d'1. e'\breve

[image of music]

その表記法は構文的には正しいですが、前の例で示したように、音楽的な観点からは混乱するかもしれません。したがって、break-visibility を用いる で説明されている構文を使用して、小節番号を明示的に譜刻する必要があります。

そのような表記がより有用になる可能性があるのは、小節単位の休符 に適用される場合です。複数小節にまたがる休符は、複数小節にまたがる休符の記号を含む単一の小節として表示され、休符の小節数が小節の上に譜刻されます。

% デフォルトの振る舞い
\time 3/4 r2. | R2.*2 |
\time 2/4 R2 |
\time 4/4
% 休みの小節を 1 つの小節にまとめます
\compressEmptyMeasures
r1 | R1*17 | R1*4 |
\expandEmptyMeasures
% 休みの小節を展開します
\time 3/4
R2.*2 |

[image of music]

\compressEmptyMeasures とは異なり、音楽関数 \compressMMRests は休符にのみ適用され、他のイベントは圧縮されません。プロパティ設定ではなく関数として、その構文は音楽表現が続く必要があるという点でわずかに異なります:

\compressMMRests {
  % 休符は圧縮されます…
  R1*7
  % …ただし、音符は複数の小節にまたがることができます。
  g'1 a'1*2 d'1
  R1*2
}

[image of music]

このセクションで説明するすべてのコマンドは、実際には skipBars 内部プロパティに依存しています。これは、\set コマンド で説明されているように、 Score コンテキストで設定されます。

定義済みコマンド

\compressEmptyMeasures, \expandEmptyMeasures, \compressMMRests

Selected Snippets

単一の小節の休符に数字を付ける

複数小節にまたがる休符は、単一の小節を除いて、長さを数字で表示します。これは、restNumberThreshold を設定することで変更できます。

{
  \compressEmptyMeasures
  R1 R1*10 R1*11 \bar "||"
  \set restNumberThreshold = 0
  R1 R1*10 R1*11 \bar "||"
  \set restNumberThreshold = 10
  R1 R1*10 R1*11
}

[image of music]

複数小節にまたがる休符の形を変更する

休符が複数小節に渡り、それが 10 小節以下の場合には、四全休符や二全休符が並んだものとして表記されます (ドイツ語で Kirchenpausen – 教会休符と呼ばれます)。10 小節より長い場合は、単純な線として表示されます。このデフォルトの 10 を変更するには、expand-limit プロパティをオーバライドします。

\relative c'' {
  \compressMMRests {
    R1*2 | R1*5 | R1*9
    \override MultiMeasureRest.expand-limit = 3
    R1*2 | R1*5 | R1*9
  }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: break-visibility を用いる, 小節単位の休符, \set コマンド

内部リファレンス: MultiMeasureRest, MultiMeasureRestNumber, MultiMeasureRestScript, MultiMeasureRestText


1.7 編集者の注釈

[image of music]

このセクションでは、音符の見た目を変える方法と、分析や教育的な強調を付け加える方法について議論します。


1.7.1 譜の内部

このセクションでは、譜の内部にある要素に強調を付け加える方法について説明します。


記譜フォント サイズを選択する

Note:
テキストのフォント サイズに関しては、フォントとフォント サイズを選択するを参照してください。
譜のサイズに関しては、譜サイズを設定するを参照してください。
合図音符に関しては、合図音符をフォーマットするを参照してください。
オッシア譜に関しては、オッシア譜を参照してください。

譜のサイズを変えずに記譜のサイズを変更するには、\magnifyMusic コマンドに拡大縮小の割合を指定します:

\new Staff <<
  \new Voice \relative {
    \voiceOne
    <e' e'>4 <f f'>8. <g g'>16 <f f'>8 <e e'>4 r8
  }
  \new Voice \relative {
    \voiceTwo
    \magnifyMusic 0.63 {
      \override Score.SpacingSpanner.spacing-increment = #(* 1.2 0.63)
      r32 c'' a c a c a c r c a c a c a c
      r c a c a c a c a c a c a c a c
    }
  }
>>

[image of music]

上の例にある \override は、不具合の一時的な回避措置です。このセクションの最後にある“既知の問題と警告”を参照してください。

通常のサイズの音符が小さい音符とマージされる際には、符幹や臨時記号が正しく揃うように、小さい音符のサイズを(‘\once \normalsize によって) リセットする必要があります:

\new Staff <<
  \key fis \minor
  \mergeDifferentlyDottedOn
  \new Voice \relative {
    \voiceOne
    \magnifyMusic 0.63 {
      \override Score.SpacingSpanner.spacing-increment = #(* 1.2 0.63)
      \once \normalsize cis'32( cis' gis b a fis \once \normalsize d d'
      \once \normalsize cis, cis' gis b a gis \once \normalsize fis fis'
      \once \normalsize fis, fis' ais, cis b gis \once \normalsize eis eis'
      \once \normalsize a, a' bis, d cis b \once \normalsize gis gis')
    }
  }
  \new Voice \relative {
    \voiceTwo
    cis'8. d16 cis8. fis16 fis8. eis16 a8. gis16
  }
>>

[image of music]

\magnifyMusic コマンドは合図音符、装飾音符、オッシア譜を作るためのものとしては想定されていません – これらには、より適切な作成方法があります。代わりに、このコマンドは以下のような場合に適しています: 単一の譜にある、単一の楽器について、記譜サイズが変化し、しかし装飾音符を用いるのは適切ではない場合 – 例えばカデンツァのようなパッセージや上の例にあるような場合です。 \magnifyMusic の値を 0.63 にセットすることで、CueVoice と同じ大きさになります。

Note: \magnifyMusic コマンドは譜のサイズを変更する時にも使うべきではありません。譜サイズを設定するを参照してください。

個々のレイアウト オブジェクトのサイズを変更する

個々のレイアウト オブジェクトは \tweak\override コマンドを使って、font-size プロパティを調整することでサイズを変更できます:

\relative {
  % 符頭のサイズを変更します
  <f' \tweak font-size -4 b e>-5
  % 運指記号のサイズを変更します
  bes-\tweak font-size 0 -3
  % 臨時記号のサイズを変更します
  \once \override Accidental.font-size = -4 bes!-^
  % アーティキュレーションのサイズを変更します
  \once \override Script.font-size = 4 bes!-^
}

[image of music]

それぞれのレイアウト オブジェクトの font-size のデフォルト値は、内部リファレンスにリストアップされています。font-size プロパティはfont-interface をサポートしているレイアウト オブジェクトにのみ設定できます。font-size がオブジェクトの ‘Standard settings’ に存在していない場合は、デフォルト値は 0 です。All layout objects を参照してください。

fontSize プロパティを理解する

fontSize コンテキスト プロパティは、コンテキストに属するグリフ ベースの (訳注: フォントの文字として定義されている、詳しくは後述) 記譜要素全ての相対サイズを調整します:

\relative {
  \time 3/4
  d''4---5 c8( b a g) |
  \set fontSize = -6
  e'4-- c!8-4( b a g) |
  \set fontSize = 0
  fis4---3 e8( d) fis4 |
  g2.
}

[image of music]

fontSize の値は、現在の譜の高さに応じた通常のサイズからの相対値を示しています。デフォルトの fontSize は 0 です。fontSize に 6 を加えることで大きさが 2 倍になり、6 を減じることで半分になります。1 が約 12% の増減になります。

font-size プロパティの対数的な単位は常に直観的とは限りません。Scheme 関数 magnification->font-size はこれに対応する便利な関数です。例えば、記譜の大きさをデフォルトの 75% にしたい場合は、以下のようにします:

\set fontSize = #(magnification->font-size 0.75)

Scheme 関数 magstep は逆のことをします: font-size の値を拡大縮小率に変換します。

fontSize プロパティはグリフとして描かれている記譜要素のみに作用します – 例えば、符頭、臨時記号、文字などです。譜のサイズそのものや、符幹、連桁のサイズ、水平方向のスペースなどは変化しません。(譜のサイズを変更せずに) 符幹、連桁のサイズや、水平方向のスペースを変更するには、上記の \magnifyMusic を使用してください。譜のサイズを含めて、全てのサイズを変更する場合は、譜サイズを設定するを参照してください。

fontSize コンテキスト プロパティ が設定されると、個々のレイアウト オブジェクトのグリフが出力される前に、fontSize の値と、font-size グラフィカル オブジェクト プロパティの値が足し合わされます。これは、fontSize が既に設定されていて、個々の font-size プロパティを更に設定する場合に混乱するかもしれません:

% NoteHead のデフォルトの font-size は 0 です
% Fingering のデフォルトの font-size は -5 です
c''4-3

\set fontSize = -3
% NoteHead のフォント サイズの最終的な値は -3 になります
% Fingering のフォント サイズの最終的な値は -8 になります
c''4-3

\override Fingering.font-size = 0
% Fingering のフォント サイズの最終的な値は -3 になります
c''4-3

[image of music]

以下のような短縮記法コマンドも存在します:

コマンド同等なコマンド相対サイズ
\teeny\set fontSize = -371%
\tiny\set fontSize = -279%
\small\set fontSize = -189%
\normalsize\set fontSize = 0100%
\large\set fontSize = 1112%
\huge\set fontSize = 2126%
\relative c'' {
  \teeny
  c4.-> d8---3
  \tiny
  c4.-> d8---3
  \small
  c4.-> d8---3
  \normalsize
  c4.-> d8---3
  \large
  c4.-> d8---3
  \huge
  c4.-> d8---3
}

[image of music]

フォント サイズの変更は、ひな形のサイズが望みのサイズに最も近くなるよう (一定の割合で) 増減することによって、達成されます。標準フォント サイズ (font-size = 0 のフォント サイズ) は標準の譜の高さに基づきます。20pt の譜では、11pt のフォントが選択されます。

定義済みコマンド

\magnifyMusic, \teeny, \tiny, \small, \normalsize, \large, \huge

参照

記譜法リファレンス: フォントとフォント サイズを選択する, 譜サイズを設定する, 合図音符をフォーマットする, オッシア譜

インストールされているファイル: ly/music-functions-init.ly, ly/property-init.ly

コード断片集: Editorial annotations

内部リファレンス: font-interface

既知の問題と警告

\magnifyMusic を使用する際に、水平方向のスペースが不適切になる 2 つの不具合があります。これを解決する方法が 1 つだけありますが、全ての場合にうまくいくとは限りません。次の例で、mag 変数を好きな値に置き換えてください。\newSpacingSection コマンドの片方や両方、あるいは \override\revert コマンドを取り除いてみることができます:

\magnifyMusic mag {
  \newSpacingSection
  \override Score.SpacingSpanner.spacing-increment = #(* 1.2 mag)
  [music]
  \newSpacingSection
  \revert Score.SpacingSpanner.spacing-increment
}

運指の指示

運指の指示は 音符-数字 を用いることで挿入することができます:

\relative { c''4-1 d-2 f-4 e-3 }

[image of music]

指の入れ替えのためにマークアップ テキストや文字列を使うこともできます。

\relative {
  c''4-1 d-2 f\finger \markup \tied-lyric "4~3" c\finger "2 - 3"
}

[image of music]

ある音符を親指で演奏するよう指示するために、サム スクリプト (thumb script) を付け加えることができます (例えば、チェロ音楽で)。

\relative { <a'_\thumb a'-3>2 <b_\thumb b'-3> }

[image of music]

和音の個々の音符の後に運指を付け加えることによって、和音に対する運指法を付け加えることができます。

\relative {
  <c''-1 e-2 g-3 b-5>2 <d-1 f-2 a-3 c-5>
}

[image of music]

運指指示の配置を手動で譜の上または下にすることができます。向きと配置 を参照してください。

Selected Snippets

和音内の運指記号の位置をコントロールする

運指番号の位置を精密にコントロールすることができます。位置の設定が適用されるためには、単一の音符であっても和音構造 <> を用いる必要があります。

\relative c' {
  \set fingeringOrientations = #'(left)
  <c-1 e-3 a-5>4
  \set fingeringOrientations = #'(down)
  <c-1 e-3 a-5>4
  \set fingeringOrientations = #'(down right up)
  <c-1 e-3 a-5>4
  \set fingeringOrientations = #'(up)
  <c-1 e-3 a-5>4
  \set fingeringOrientations = #'(left)
  <c-1>2
  \set fingeringOrientations = #'(down)
  <e-3>2
  \set stringNumberOrientations = #'(up left down)
  <f\3 a\2 c\1>1
  \set strokeFingerOrientations = #'(down right up)
  <c\rightHandFinger 1 e\rightHandFinger 2 c'\rightHandFinger 4 >
}

[image of music]

運指記号を譜の内側に表示する

デフォルトでは、縦方向の運指記号は譜の外側に配置されます。この挙動を取り消すことができます。注意: この場合、和音でない場合にも <> を用いる必要があります。

\relative c' {
  <c-1 e-2 g-3 b-5>2
  \override Fingering.staff-padding = #'()
  <c-1 e-2 g-3 b-5>4 g'-0
  a8[-1 b]-2 g-0 r
  \override Fingering.add-stem-support = ##f
  a[-1 b]-2 g-0 r
  \override Fingering.add-stem-support = ##t
  a[-1 b]-2 g-0 r
  \override Fingering.add-stem-support = #only-if-beamed
  a[-1 b]-2 g-0 r
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 向きと配置

コード断片集: Editorial annotations

内部リファレンス: FingeringEvent, fingering-event, Fingering_engraver, New_fingering_engraver, Fingering


隠された音符

隠された (または不可視、透明の) 音符は、音楽理論や作曲の演習の際に有用です。

\relative {
  c''4 d
  \hideNotes
  e4 f
  \unHideNotes
  g a
  \hideNotes
  b
  \unHideNotes
  c
}

[image of music]

符頭、符幹、旗、それに休符は不可視です。連桁は、隠された音符から始まる場合は、不可視です。 不可視の音符に取り付けられたオブジェクトは可視のままです。

\relative c'' {
  e8(\p f g a)--
  \hideNotes
  e8(\p f g a)--
}

[image of music]

定義済みコマンド

\hideNotes, \unHideNotes

参照

学習マニュアル: オブジェクトの可視性と色

Notation Reference: 不可視の休符, オブジェクトの可視性, 譜を隠す

コード断片集: Editorial annotations

内部リファレンス: Note_spacing_engraver, NoteSpacing


オブジェクトに色を付ける

個々のオブジェクトに色を割り振ることができます。有効なカラー名は 色の一覧 でリストアップされています。

\override NoteHead.color = #red
c''4 c''
\override NoteHead.color = #(x11-color 'LimeGreen)
d''
\override Stem.color = #blue
e''

[image of music]

Scheme 関数 x11-color を用いることによって、X11 のために定義された色の全範囲にアクセスすることができます。この関数は引数を 1 つとります。この引数は 'FooBar という形式のシンボルであったり、"FooBar" という形式の文字列であったりします。最初の形式はより素早く記述できて、より効率的です。しかしながら、2 番目の形式を使うと複数単語形式の X11 カラーにアクセスすることができます。

x11-color がパラメータとして意味をなさない場合、その色はデフォルトの黒になります。

\new Staff \with {
  instrumentName = \markup {
    \with-color #(x11-color 'red) "Clarinet"
    }
  }
  \relative c'' {
  \override Staff.StaffSymbol.color = #(x11-color 'SlateBlue2)
  gis8 a
  \override Beam.color = #(x11-color "medium turquoise")
  gis a
  \override Accidental.color = #(x11-color 'DarkRed)
  gis a
  \override NoteHead.color = #(x11-color "LimeGreen")
  gis a
  % 以下は意図的に意味をなさない色を指定しています。符幹が黒のままであることに注意してください
  \override Stem.color = #(x11-color 'Boggle)
  b2 cis
}

[image of music]

Scheme 関数 rgb-color を用いることによって、厳密な RGB カラーを指定することができます。

\new Staff \with {
  instrumentName = \markup {
    \with-color #(x11-color 'red) "Clarinet"
    }
  }
\relative c'' {
  \override Staff.StaffSymbol.color = #(x11-color 'SlateBlue2)
  \override Stem.color = #(rgb-color 0 0 0)
  gis8 a
  \override Stem.color = #(rgb-color 1 1 1)
  gis8 a
  \override Stem.color = #(rgb-color 0 0 0.5)
  gis4 a
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 色の一覧, \tweak コマンド

コード断片集: Editorial annotations

既知の問題と警告

X11 カラーは必ずしも同様の名前を持つノーマル カラーとまったく同じとなるわけではありません。

すべての X11 カラーが Web ブラウザで見分けられるわけではありません。つまり、ある Web ブラウザは LineGreenForestGreen を同じ色で表示するかもしれません。Web 向けでは、ノーマル カラーを使用することを推奨します (つまり、blue, green, red)。

和音の中にある音符に別々に色を付けるのに \override を使うことはできません。代わりにそれぞれの音符の前に \tweak や、それと同等な\single\override を使用してください – \tweak コマンド を参照してください。


括弧

音楽イベントの前に \parenthesize を置くことによって、そのオブジェクトに括弧を付けることができます。和音の前に \parenthesize を置くと、和音の音符それぞれに括弧が付けられます。和音内部の音符に個別に括弧を付けることもできます。

\relative {
  c''2 \parenthesize d
  c2 \parenthesize <c e g>
  c2 <c \parenthesize e g>
}

[image of music]

音符ではないオブジェクトにも括弧を付けることができます。アーティキュレーションに対して括弧をつける場合、\parenthesize コマンドの前にハイフンが必要です。

\relative {
  c''2-\parenthesize -. d
  c2 \parenthesize r
}

[image of music]

参照

コード断片集: Editorial annotations

内部リファレンス: Parenthesis_engraver, Parentheses, parentheses-interface

既知の問題と警告

和音に括弧を付けると、和音全体に単一の大きな括弧が付くのではなく、それぞれの音符に個別に括弧が付きます。


符幹

音符が見つかった場合はいつでも Stem オブジェクトが自動的に作成されます。全音符や休符の場合でも Stem オブジェクトが作成されますが、不可視になります。

符幹の向きを手動で上または下にすることができます – 向きと配置 を参照してください。

定義済みコマンド

\stemUp, \stemDown, \stemNeutral

Selected Snippets

譜の中央にある音符の符幹のデフォルトの向き

譜の中央にある音符の符幹の向きは、Stemneutral-direction プロパティにセットされています。

\relative c'' {
  a4 b c b
  \override Stem.neutral-direction = #up
  a4 b c b
  \override Stem.neutral-direction = #down
  a4 b c b
}

[image of music]

メロディに合わせて譜の中央にある音符の符幹の向きを自動で変更する

LilyPond では、Voice コンテキストに Melody_engraver を追加し、Stemneutral-direction をオーバライドすることで、譜の中央にある音符の符幹の向きを、メロディに合わせて変更することができます。

\relative c'' {
  \time 3/4
  a8 b g f b g |
  \set suspendMelodyDecisions = ##t
  a  b g f b g |
  \unset suspendMelodyDecisions
  c  b d c b c |
}

\layout {
  \context {
    \Voice
    \consists "Melody_engraver"
    \autoBeamOff
  }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 向きと配置

コード断片集: Editorial annotations

内部リファレンス: Stem_engraver, Stem, stem-interface


1.7.2 譜の外部

このセクションでは、譜の外側から譜の中にある要素を強調するための方法について説明します。


音符名

音符名は NoteNames コンテキストを用いて、テキストとして譜刻できます。通常の譜と同時に用いると、各音符と同期してその名前を譜の上部または下部に譜刻することができます。

\language "italiano"
melody = \relative do'' {
  fad2 si,8 dod re mi fad4. re8 fad2
}

<<
  \new NoteNames { \melody }
  \new Staff { \key si \minor \melody }
  \new NoteNames {
    \set printNotesLanguage = "deutsch"
    \set printAccidentalNames = ##f
    \melody
  }
>>

[image of music]

デフォルトでは、音符名は音楽の入力で使われるものと同じ言語で譜刻されます。しかしながら、printNotesLanguage プロパティで他の言語を選択することが可能です (他の言語での音符名 を参照してください) 。臨時記号を譜刻するかどうかは、printAccidentalNames プロパティで決定されます。

プロパティをシンボルにセットし、printOctaveNames##t にセットすることで、音符名を LilyPond の入力構文と密接に似せることができます。より一般的な結果が欲しい場合は、‘科学的な’ オクターブ名にすることもできます。

melody = \relative c'' {
  fis2 b,8 cis d e fis4. d8 fis2
}

<<
  \new NoteNames {
    \set printOctaveNames = ##t
    \set printAccidentalNames = #'lily
    \melody
  }
  \new Staff { \key b \minor \melody }
  \new NoteNames {
    \set printOctaveNames = #'scientific
    \melody
  }
>>

[image of music]

noteNameSeparator プロパティは和音がどのように譜刻されるかを定義します。その他のフォーマット関数は noteNameFunction で定義され、このような関数は、いずれかを無視する場合であっても、 pitchcontext 引数を受けなければなりません。

somechords = \relative c' {
  <b d fis>2 <b cis e g> <b d fis> q
}

<<
  \new NoteNames {
    \set noteNameSeparator = "+"
    \somechords
  }
  \new Staff { \key b \minor \somechords }
  \new NoteNames {
    \set noteNameFunction =
      #(lambda (pitch ctx)
         (alteration->text-accidental-markup
          (ly:pitch-alteration pitch)))
    \somechords
  }
>>

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 他の言語での音符名

内部リファレンス: NoteName, NoteNames, Note_name_engraver


バルーン ヘルプ

記譜要素に四角いバルーンで印を付けて、テキストを付け加えることができます。この機能の主目的は記譜法を説明することです。

\new Voice \with { \consists Balloon_engraver }
\relative c'' {
  \balloonGrobText #'Stem #'(3 . 4) \markup { "I'm a Stem" }
  a8
  \balloonGrobText #'Rest #'(-4 . -4) \markup { "I'm a rest" }
  r
  <c, g'-\balloonText #'(-2 . -2) \markup { "I'm a note head" } c>2.
}

[image of music]

上の例には 2 つの音楽関数が使われています – balloonGrobTextballoonText です。前者は \once \override のように使用され、任意のグラフィカル オブジェクトにテキストを付加します。後者はたいてい和音の中で \tweak のように使用され、個々の音符にテキストを付加します。

バルーン ヘルプのテキストは音符の間隔に影響を与えませんが、影響を与えるように変更することもできます:

\new Voice \with { \consists Balloon_engraver }
\relative c'' {
  \balloonGrobText #'Stem #'(3 . 4) \markup { "I'm a Stem" }
  a8
  \balloonGrobText #'Rest #'(-4 . -4) \markup { "I'm a rest" }
  r
  \balloonLengthOn
  <c, g'-\balloonText #'(-2 . -2) \markup { "I'm a note head" } c>2.
}

[image of music]

定義済みコマンド

\balloonLengthOn, \balloonLengthOff

参照

コード断片集: Editorial annotations

内部リファレンス: Balloon_engraver, BalloonText, balloon-interface


グリッド ライン

音符に同期して、譜の間に垂直な線を描くことができます。

線の終点を作成するために Grid_point_engraver を用いる必要があります。一方、実際に線を描くために Grid_line_span_engraver を用いる必要があります。デフォルトでは、グリッド ラインは各符頭の左端に揃えられます。グリッド ラインは上の譜の中央線から下の譜の中央線まで引かれます。gridInterval でグリッド ライン間の演奏時間を指定する必要があります。

\layout {
  \context {
    \Staff
    \consists Grid_point_engraver
    gridInterval = \musicLength 4
  }
  \context {
    \Score
    \consists Grid_line_span_engraver
  }
}

\score {
  \new ChoirStaff <<
    \new Staff \relative {
      \stemUp
      c''4. d8 e8 f g4
    }
    \new Staff \relative {
      \clef bass
      \stemDown
      c4 g' f e
    }
  >>
}

[image of music]

Selected Snippets

グリッド線: 見た目を変更する

グリッド線の見た目は、プロパティをオーバライドすることで変更することができます。

\score {
  \new ChoirStaff <<
    \new Staff {
      \relative c'' {
        \stemUp
        c'4. d8 e8 f g4
      }
    }
    \new Staff {
      \relative c {
        % this moves them up one staff space from the default position
        \override Score.GridLine.extra-offset = #'(0.0 . 1.0)
        \stemDown
        \clef bass
        \once \override Score.GridLine.thickness = 5.0
        c4
        \once \override Score.GridLine.thickness = 1.0
        g'4
        \once \override Score.GridLine.thickness = 3.0
        f4
        \once \override Score.GridLine.thickness = 5.0
        e4
      }
    }
  >>
  \layout {
    \context {
      \Staff
      % set up grids
      \consists "Grid_point_engraver"
      % set the grid interval to one quarter note
      gridInterval = \musicLength 4
    }
    \context {
      \Score
      \consists "Grid_line_span_engraver"
      % this moves them to the right half a staff space
      \override NoteColumn.X-offset = -0.5
    }
  }
}

[image of music]

参照

コード断片集: Editorial annotations

内部リファレンス: Grid_line_span_engraver, Grid_point_engraver, GridLine, GridPoint, grid-line-interface, grid-point-interface.


分析の囲み

音楽分析では、囲みを使って楽曲の構造を示します。シンプルな水平な囲みがサポートされています。

\layout {
  \context {
    \Voice
    \consists Horizontal_bracket_engraver
  }
}
\relative {
  c''2\startGroup
  d\stopGroup
}

[image of music]

分析の囲みはネストすることができます。

\layout {
  \context {
    \Voice
    \consists Horizontal_bracket_engraver
  }
}
\relative {
  c''4\startGroup\startGroup
  d4\stopGroup
  e4\startGroup
  d4\stopGroup\stopGroup
}

[image of music]

Selected Snippets

分析用のブラケットを譜の上に表示する

分析用のブラケットは、デフォルトでは譜の下に表示されます。次の例は譜の上に表示する方法を示しています。

\layout {
  \context {
    \Voice
    \consists "Horizontal_bracket_engraver"
  }
}

\relative c'' {
  \once \override HorizontalBracket.direction = #UP
  c2\startGroup
  d2\stopGroup
}

[image of music]

ラベル付きの分析用ブラケット

Grob HorizontalBracketTexttext プロパティを設定することで、分析用のブラケットにテキストを追加することができます。同時に開始するブラケットに異なるテキストを追加する場合には、\tweak コマンドを使用してください。改行後のテキストは括弧付きで表示されます。

\paper { tagline = ##f }

\layout {
  \context {
    \Voice
    \consists "Horizontal_bracket_engraver"
    \override HorizontalBracket.direction = #UP
  }
}

{
  \once\override HorizontalBracketText.text = "a"
    c''\startGroup d''\stopGroup
    \once\override HorizontalBracketText.text = "a'"
    e''\startGroup d''\stopGroup |
  c''-\tweak HorizontalBracketText.text
        \markup \bold \huge "b" \startGroup
     -\tweak HorizontalBracketText.text "a" \startGroup
    d''\stopGroup
    e''-\tweak HorizontalBracketText.text "a'" \startGroup
    d''\stopGroup\stopGroup |
  c''-\tweak HorizontalBracketText.text foo \startGroup
    d'' e'' f'' | \break
  g'' a'' b'' c'''\stopGroup
}

[image of music]

参照

内部リファレンス: Horizontal_bracket_engraver, HorizontalBracket, horizontal-bracket-interface, HorizontalBracketText, horizontal-bracket-text-interface, Staff


1.8 テキスト

[image of music]

このセクションでは、楽譜に (さまざまなフォーマットの) テキストを含める方法について説明します。


1.8.1 テキストを記述する

このセクションでは、楽譜にテキストを付け加えるいくつかの方法を紹介します。

Note: アクセント付きのテキストや特殊なテキスト (他の言語の文字など) を記述するには、単純にその文字を直接 LilyPond ファイルに挿入します。ファイルは UTF-8 で保存しなければなりません。更なる情報は テキスト エンコーディング を参照してください。


テキスト オブジェクトの概要

テキスト オブジェクトは、ダブル クォーテーションの間の単純な文字列か、 テキストをフォーマットする に詳細を書いたさまざまな高度なテキスト フォーマットやグラフィカルな改善を受け入れることができる \markup ブロックとして入力されます。

このように markup ブロックは使われます:

  • TextScript オブジェクト (音符の後に -, ^ または  _ に続けて付け加えます)。テキスト スクリプト を参照してください。
  • ‘スパナ’として、いくつかの指示が複数の拍や小節を超えて長くなるとき。 テキスト スパナ を参照してください。
  • 楽譜の上側に譜刻される \mark または \tempo キーワードによってそれぞれ取り入れられる RehearsalMark または MetronomeMark オブジェクトのような記号。テキスト マーク を参照してください。
  • 単体の markup ブロックとして、\score ブロックの外側のトップレベルに譜刻される場合 (この特殊なケースでは \markup {...} コマンドは必須であり、省略してダブル クォーテーションの間に単純に文字列を挟む方法を選ぶことはできません)。独立したテキスト を参照してください。
  • \header ブロック内の定義 (例: title, subtitle, composer)、またはページ番号のための evenHeaderMarkup のような \paper ブロック内で定義される特殊な要素。これは タイトルとヘッダ で説明されています。

主な使い方ではありませんが、その他の多くのテキスト ベースのオブジェクトを markup ブロックで入力できます。

  • 運指法は \finger コマンドを導入することで markup ブロックで簡単に置き換えることができます。運指の指示 を参照してください。
  • 歌詞音節は \markup コマンドを通してフォーマットできます。 声楽で共通の記譜法 を参照してください。
  • コード ネームは実際には markup ブロックとして定義されているので、和音修飾子または和音の例外をカスタムするのと同じ方法で再定義することができます。 和音を表示する を参照してください。
  • 強弱記号はたいていシンプルな方法で入力されますが、markup ブロックとして 新たな強弱記号 を定義することができます。crescendo のようないくつかの強弱記号はスパナとして譜刻され、crescendoText のようなプロパティを通して再定義することができます。強弱記号 を参照してください。
  • バルーン ヘルプ 指示のような、いくつかの一般的なオブジェクトも markup ブロックで作られています。

実際、グラフィカル オブジェクト (または ‘grob’) の実質的な出現のカスタマイズのために \markup を使うことは、もしそのオブジェクトが text プロパティを持っている場合はそれを、もしくは stencil プロパティを上書きすることで可能となっています。これを可能にしているいくつかの仕組みは、 Flexible architecture で説明されています。

以下の例は markup ブロックの遍在性を説明します。上に列挙されたオブジェクトの一部としてだけではなく、さまざまな方法を通してテキスト オブジェクトで音楽オブジェクトを置き換えることにも使われます。

\header { title = \markup "Header" }

dyn =
#(make-dynamic-script #{ \markup \serif "DynamicText" #})

\markup \box "Top-level markup"

\score {
  <<
    \new ChordNames
    \with {
      majorSevenSymbol = \markup "majorSevenSymbol"
    }
    \chordmode { c1:maj7 }
    \new Staff {
      \tempo \markup "MetronomeMark"
      \mark \markup \smaller "RehearsalMark"
      \once \override TupletNumber.text =
        \markup "TupletNumber"
      \tuplet 3/2 {
        \once \override NoteHead.stencil =
          #ly:text-interface::print
        \once \override NoteHead.text =
          \markup \lower #0.5 "NoteHead"
        c''8^\markup \italic "TextScript"
        a'\finger \markup \serif "Fingering"
        \once \override Rest.stencil =
          #(lambda (grob)
             (grob-interpret-markup grob #{
               \markup  "Rest"
               #}))
        r
      }
    }
    \new Lyrics \lyricmode {
      \markup \smallCaps "LyricText" 1
    }
    \new Dynamics { s1\dyn }
  >>
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: テキストをフォーマットする, テキスト スクリプト, テキスト スパナ, テキスト マーク, 独立したテキスト, 運指の指示, 声楽で共通の記譜法, 和音を表示する, 新たな強弱記号, 強弱記号, バルーン ヘルプ

Essay on automated music engraving: Flexible architecture

コード断片集: Text


テキスト スクリプト

以下の例で示すように、シンプルな “引用符で囲まれたテキスト” 指示を楽譜に付け加えることができます。そのような指示は、向きと配置 で説明する構文を用いて、手動で譜の上または下に配置することができます。

\relative { a'8^"pizz." g f e a4-"scherz." f }

[image of music]

この構文は実際には短縮記法です。テキストをフォーマットする で記述されているように、\markup ブロックを用いて明示的に、より複雑なテキスト フォーマットを音符に付け加えることができます。

\relative {
  a'8^\markup { \italic pizz. } g f e
  a4_\markup { \tiny scherz. \bold molto } f }

[image of music]

デフォルトでは、テキスト指示は音符の間隔に影響を与えません。しかしながら、テキスト指示の幅を考慮に入れることもできます: 以下の例では、最初のテキスト文字列は音符の間隔に影響を与えていませんが、2 番目のテキスト文字列は影響を与えています。

\relative {
  a'8^"pizz." g f e
  \textLengthOn
  a4_"scherzando" f
}

[image of music]

テキスト スクリプトだけでなく、アーティキュレーションを音符に付けることもできます。更なる情報は アーティキュレーションと装飾 を参照してください。

テキスト スクリプトとアーティキュレーションの順序についての更なる情報は オブジェクトの配置 を参照してください。

定義済みコマンド

\textLengthOn, \textLengthOff

参照

学習マニュアル: オブジェクトの配置

記譜法リファレンス: テキストをフォーマットする, 向きと配置, アーティキュレーションと装飾

コード断片集: Text

内部リファレンス: TextScript

既知の問題と警告

テキスト スクリプトと歌詞がマージンに収まることを保証するためのチェックは計算量を増やします。処理速度を上げる必要がある場合は、以下を用います:

\override Score.PaperColumn.keep-inside-line = ##f

テキスト スパナ

いくつかの演奏指示 – 例えば rallentandoaccelerando – は、テキストとして記述され、点線で複数の音符の上に伸ばされます。そのようなオブジェクト – “スパナ” と呼ばれます – は、以下の構文を用いることで、ある音符から他の音符までの範囲に作成することができます:

\relative {
  \override TextSpanner.bound-details.left.text = "rit."
  b'1\startTextSpan
  e,\stopTextSpan
}

[image of music]

譜刻される文字列はオブジェクト プロパティを通じてセットされます。デフォルトでは文字列はイタリック体で譜刻されます。しかしながら、テキストをフォーマットする で記述されているように、\markup ブロックを用いることで他の書体にすることができます。

\relative {
  \override TextSpanner.bound-details.left.text =
    \markup { \upright "rit." }
  b'1\startTextSpan c
  e,\stopTextSpan
}

[image of music]

テキスト文字列と同様に、線のスタイルもオブジェクト プロパティとして定義することができます。線スタイルの構文は ライン スタイル で記述されています。

定義済みコマンド

\textSpannerUp, \textSpannerDown, \textSpannerNeutral

既知の問題と警告

LilyPond が処理できるテキスト スパナは 1 ボイスにつき、1 つだけです。

Selected Snippets

強弱記号のテキスト スパナ音楽関数

カスタム テキスト スパナを定義することができ、ヘアピンやテキスト クレッシェンドと同時に用いることができます。\<\> はデフォルトでヘアピンを作り出し、\cresc などはデフォルトでテキスト スパナを作り出します。

% Some sample text dynamic spanners, to be used as postfix operators
crpoco =
#(make-music 'CrescendoEvent
             'span-direction START
             'span-type 'text
             'span-text "cresc. poco a poco")

\relative c' {
  c4\cresc d4 e4 f4 |
  g4 a4\! b4\crpoco c4 |
  c4 d4 e4 f4 |
  g4 a4\! b4\< c4 |
  g4\dim a4 b4\decresc c4\!
}

[image of music]

強弱記号のカスタム テキスト スパナ後置関数

これは、クレッシェンドのテキスト スパナをカスタマイズする後置関数です。スパナは小節の最初の音符から始めるべきです。-\mycresc の記法を使用しなければ、スパナの開始点が次の音符になってしまいます。

% Two functions for (de)crescendo spanners where you can explicitly
% give the spanner text.
mycresc =
#(define-music-function (mymarkup) (markup?)
   (make-music 'CrescendoEvent
               'span-direction START
               'span-type 'text
               'span-text mymarkup))
mydecresc =
#(define-music-function (mymarkup) (markup?)
   (make-music 'DecrescendoEvent
               'span-direction START
               'span-type 'text
               'span-text mymarkup))

\relative c' {
  c4-\mycresc "custom cresc" c4 c4 c4 |
  c4 c4 c4 c4 |
  c4-\mydecresc "custom decresc" c4 c4 c4 |
  c4 c4\! c4 c4
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: ライン スタイル, 強弱記号, テキストをフォーマットする

コード断片集: Text, Expressive marks

内部リファレンス: TextSpanner


テキスト マーク

リハーサル記号 で記述されている構文を用いて、さまざまなテキスト要素を楽譜に付け加えることができます:

\relative {
  \mark "Verse"
  c'2 g'
  \bar "||"
  \mark "Chorus"
  g2 c,
  \bar "|."
}

[image of music]

この構文を用いることで、任意のテキストを小節線上に配置することが可能です。テキストをフォーマットする で記述されているように、\markup ブロックを用いてより複雑なテキスト フォーマットを付け加えることもできます:

\relative {
  <c' e>1
  \mark \markup { \italic { colla parte } }
  <d f>2 <e g>
  <c f aes>1
}

[image of music]

さらに、マークアップ内部での音楽記譜法 で説明されているように、この構文で適切なシンボル名を指定することによって、特殊な記号 – コーダ、セーニョ、フェルマータなど – を譜刻することが可能です:

\relative {
  <bes' f>2 <aes d>
  \mark \markup { \musicglyph "scripts.ufermata" }
  <e g>1
}

[image of music]

このようなオブジェクトを配置できる位置は、楽譜の最上段の譜の上だけです。オブジェクトを小節の終わりで指定するか、途中で指定するか次第で、小節線の上に配置されたり、音符の間に配置されたりします。改行位置で指定した場合、そのリハーサル記号は次の行の先頭に譜刻されます。

\relative c'' {
  \mark "Allegro"
  c1 c
  \mark "assai" \break
  c  c
}

[image of music]

定義済みコマンド

\markLengthOn, \markLengthOff

Selected Snippets

リハーサル記号を全ての譜の上に表示する

リハーサル記号は通常、一番上にある譜の上に表示されますが、全ての譜の上に表示することもできます。

\score {
  <<
    \new Staff { \mark \default c''1 \textMark "molto" c'' }
    \new Staff { \mark \default c'1 \textMark "molto" c' }
  >>
  \layout {
    \context {
      \Score
      \remove Mark_engraver
      \remove Text_mark_engraver
      \remove Staff_collecting_engraver
    }
    \context {
      \Staff
      \consists Mark_engraver
      \consists Text_mark_engraver
      \consists Staff_collecting_engraver
    }
  }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: リハーサル記号, テキストをフォーマットする, マークアップ内部での音楽記譜法, Emmentaler フォント.

コード断片集: Text

内部リファレンス: MarkEvent, Mark_engraver, RehearsalMark


独立したテキスト

\markup ブロックはそれ自体で、すべての \score ブロックの外側に、“最上位レベルの表記” として存在することができます。この構文は ファイル構造 で記述されています。

\markup {
  Tomorrow, and tomorrow, and tomorrow...
}

[image of music]

これによりテキストを音楽から分離して譜刻することが可能になります。これは、ブックの中にある複数のスコア で記述されているように、入力ファイルが複数の楽曲を保持している場合に特に有用です。

\score {
  c'1
}
\markup {
  Tomorrow, and tomorrow, and tomorrow...
}
\score {
  c'1
}

[image of music]

独立したテキスト ブロックは複数のページに広がることができます。これにより、テキスト ドキュメントやブック全体を LilyPond の中に譜刻することが可能になります。この機能と、この機能の構文は 複数ページにわたるマークアップ で記述されています。

定義済みコマンド

\markup, \markuplist

Selected Snippets

独立したテキストの 2 段組み

\markup コマンドを用いて、独立したテキストを複数段組みにすることができます:

\markup {
  \fill-line {
    \hspace #1
    \column {
      \line { O sacrum convivium }
      \line { in quo Christus sumitur, }
      \line { recolitur memoria passionis ejus, }
      \line { mens impletur gratia, }
      \line { futurae gloriae nobis pignus datur. }
      \line { Amen. }
    }
    \hspace #2
    \column \italic {
      \line { O sacred feast }
      \line { in which Christ is received, }
      \line { the memory of His Passion is renewed, }
      \line { the mind is filled with grace, }
      \line { and a pledge of future glory is given to us. }
      \line { Amen. }
    }
    \hspace #1
  }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: テキストをフォーマットする, ファイル構造, ブックの中にある複数のスコア, 複数ページにわたるマークアップ

コード断片集: Text

内部リファレンス: TextScript


1.8.2 テキストをフォーマットする

このセクションでは、\markup モード特有の構文を用いた基本的かつ高度なテキスト フォーマットについて説明します。


テキスト マークアップの導入部

\markup ブロックは “マークアップ モード” と呼ばれる拡張可能な構文でテキストを譜刻するために用いられます。このようなブロックは、テキスト オブジェクトの概要 で説明されているように、どこにでも用いることができます。

マークアップ構文は LilyPond の通常の構文と同様です: \markup 表記は波括弧 { … } で囲まれます。単語 1 つが最小の表記と見なされ、その場合は波括弧で囲む必要はありません。

シンプルな “引用符で囲まれたテキスト” 指示とは異なり、\markup ブロックは、バックスラッシュ \ を用いて挿入されるネストされた表記やマークアップ コマンドを保持することができます。そのようなコマンドは直後の表記にのみ影響を与えます。

\relative {
  a'1-\markup intenso
  a2^\markup { poco \italic più forte  }
  c e1
  d2_\markup { \italic "string. assai" }
  e
  b1^\markup { \bold { molto \italic  agitato } }
  c
}

[image of music]

また、\markup ブロックは引用符で囲まれたテキスト文字列を保持することがあります。そのような文字列は最小のテキスト表記として扱われます。そのため、引用符で囲まれたマークアップ コマンドや特殊文字 (\# など) はテキストのフォーマットに影響を与えず、そのまま (逐語的に) 譜刻されます。ダブル クォーテーション自体は、それ自体の前にバックスラッシュを置くことによって譜刻されます。

\relative {
  a'1^"\italic markup..."
  a_\markup { \italic "... prints \"italic\" letters!" }
  a a
}

[image of music]

表記をばらばらなものとして扱うには、単語のリストをダブル クォーテーションで囲むか、前にコマンドを置く必要があります。マークアップ表記の定義の仕方は、表記の配置のされ方 – 垂直に中央揃えして積み重ねられる、水平に並べられる – に影響を与えます。以下の例では、2 番目の \markup 表記は 1 番目の表記と同じように扱われています:

\relative c'' {
  c1^\markup { \center-column { a bbb c } }
  c1^\markup { \center-column { a { bbb c } } }
  c1^\markup { \center-column { a \line { bbb c } } }
  c1^\markup { \center-column { a "bbb c" } }
}

[image of music]

マークアップを変数に格納することができます。そのような変数は直接音符にくっつけることができます:

allegro = \markup { \bold \large Allegro }

{
  d''8.^\allegro
  d'16 d'4 r2
}

[image of music]

\markup コマンドの一覧\markup 特有のコマンドの徹底したリストがあります。これらのコマンドの内部動作と、新たに実装する方法は、Markup functions で説明されています。

参照

記譜法リファレンス: テキスト オブジェクトの概要, \markup コマンドの一覧

拡張: Markup functions

インストールされているファイル: scm/markup.scm

コード断片集: Text

既知の問題と警告

マークアップ モードの構文エラー メッセージは混乱しやすいです。


フォントとフォント サイズを選択する

マークアップ モードでは、基本的なフォント切り替えがサポートされています:

\relative {
  d''1^\markup {
    \bold { Più mosso }
    \italic { non troppo \underline Vivo }
  }
  r2 r4 r8
  d,_\markup { \italic quasi \smallCaps Tromba }
  f1 d2 r
}

[image of music]

フォント サイズをグローバル譜サイズとの相対値で変更する方法はいくつかあります。

フォント サイズをあらかじめ定義されているサイズに設定することができます:

\relative b' {
  b1_\markup { \huge Sinfonia }
  b1^\markup { \teeny da }
  b1-\markup { \normalsize camera }
}

[image of music]

フォント サイズを前の値との相対関係で設定することができます:

\relative b' {
  b1_\markup { \larger Sinfonia }
  b1^\markup { \smaller da }
  b1-\markup { \magnify #0.6  camera }
}

[image of music]

フォント サイズをグローバル譜サイズによって設定されている値で拡大あるいは縮小させることができます:

\relative b' {
  b1_\markup { \fontsize #-2 Sinfonia }
  b1^\markup { \fontsize #1 da }
  b1-\markup { \fontsize #3 camera }
}

[image of music]

さらに、フォント サイズをグローバル譜サイズとは無関係に、固定ポイント サイズに設定することができます:

\relative b' {
  b1_\markup { \abs-fontsize #20 Sinfonia }
  b1^\markup { \abs-fontsize #8 da }
  b1-\markup { \abs-fontsize #14 camera }
}

[image of music]

テキストにスペースが含まれる場合、各スペースのサイズが他の文字のサイズに適したものになるので、引用符の内側にすべて置くのがベストです。

\markup \fontsize #6 \bold { Sinfonia da camera }
\markup \fontsize #6 \bold { "Sinfonia da camera" }

[image of music]

テキストを下付き文字あるいは上付き文字として譜刻することができます。デフォルトでは、それらは小さなサイズで譜刻されますが、通常サイズにすることもできます:

\markup {
  \column {
    \line { 1 \super st movement }
    \line { 1 \normal-size-super st movement
      \sub { (part two) }  }
  }
}

[image of music]

マークアップ モードは代わりのフォント ファミリを選択するための簡単な方法を提供します。他を指定しないかぎり、デフォルトの Serif フォント – ローマン体 – が自動的に選択されます。以下の例の最後の行では、最初の単語と 2 番目の単語はまったく同じです。

\markup {
  \column {
    \line { Act \number 1 }
    \line { \sans { Scene I. } }
    \line { \typewriter { Verona. An open place. } }
    \line { Enter \serif Valentine and Proteus. }
  }
}

[image of music]

新たな強弱記号手動の繰り返し記号 で言及されているように、番号や強弱記号など特定の項目に用いられるフォント ファミリの中にはすべての文字を提供しないものもあります。

フォント切り替えやフォーマット コマンドの中には、単語の中で使用されると望まない空白を作り出すものがあります。これはテキスト要素をつなげることによって容易に解決できます:

\markup {
  \column {
    \line {
      \concat { 1 \super st }
      movement
    }
    \line {
      \concat { \dynamic p , }
      \italic { con dolce espressione }
    }
  }
}

[image of music]

フォント に フォント切り換えとフォントのカスタム コマンドの徹底したリストがあります。

フォント で説明されているように、カスタム フォント セットを定義することも可能です。

定義済みコマンド

\teeny, \tiny, \small, \normalsize, \large, \huge, \smaller, \larger

参照

記譜法リファレンス: フォント, 新たな強弱記号, 手動の繰り返し記号, フォント

インストールされているファイル: scm/define-markup-commands.scm

コード断片集: Text

内部リファレンス: TextScript

既知の問題と警告

フォントのサイズ コマンド \teeny, \tiny, \small, \normalsize, \large それに \huge を用いると、\fontsize を用いた場合と比較して、つじつまの合わない行間になります。


テキスト揃え

このサブセクションでは、マークアップ モードのテキストを配置する方法について説明します。オブジェクトを移動させる で記述されている構文を用いて、マークアップ オブジェクト全体を移動させることも可能です。

マークアップ オブジェクトの揃え方はいくつかあります。デフォルトでは、テキスト指示はそのテキストの左端で揃えられます: 以下の例では、最初のマークアップと 2 番目のマークアップの揃えられ方はまったく同じです。

\relative {
  d''1-\markup { poco }
  f
  d-\markup { \left-align poco }
  f
  d-\markup { \center-align { poco } }
  f
  d-\markup { \right-align poco }
}

[image of music]

水平方向の揃え方は、数値を使って、微調整することができます:

\relative {
  a'1-\markup { \halign #-1 poco }
  e'
  a,-\markup { \halign #0 poco }
  e'
  a,-\markup { \halign #0.5 poco }
  e'
  a,-\markup { \halign #2 poco }
}

[image of music]

オブジェクトの中には揃えるための機能をそれ自身で持っているものがあり、それらは上記のコマンドでは影響を受けません。テキスト マーク の中の例で示されているように、そのようなマークアップ オブジェクト全体を移動させることが可能です。

垂直方向に揃える方法はもう少し複雑です。上で述べたようにマークアップ オブジェクト全体を移動させることが可能ですが、マークアップ ブロックの中にある特定の要素を移動させることも可能です。 特定要素だけをを移動させるには、移動させる要素の前に アンカ ポイント – もう 1 つのオブジェクト要素、あるいは不可視のオブジェクト要素 – を置く必要があります。以下の例では 2 つのケースを示しています。最後のマークアップはアンカ ポイントを持たず、それゆえ移動されません。

\relative {
  d'2^\markup {
    Acte I
    \raise #2 { Scène 1 }
  }
  a'
  g_\markup {
    \null
    \lower #4 \bold { Très modéré }
  }
  a
  d,^\markup {
    \raise #4 \italic { Une forêt. }
  }
  a'4 a g2 a
}

[image of music]

コマンドの中にはマークアップ モードの中にあるテキスト オブジェクトの水平方向と垂直方向の両方の揃え方に影響を与えることができるものもあります。そのようなコマンドで移動させるオブジェクトの前にはアンカ ポイントを置く必要があります:

\relative {
  d'2^\markup {
    Acte I
    \translate #'(-1 . 2) "Scène 1"
  }
  a'
  g_\markup {
    \null
    \general-align #Y #3.2 \bold "Très modéré"
  }
  a
  d,^\markup {
    \null
    \translate-scaled #'(-1 . 2) \teeny "Une forêt."
  }
  a'4 a g2 a
}

[image of music]

マークアップ オブジェクトに何行かのテキストが含まれる場合もあります。以下の例では、それぞれの要素あるいは表記はそれ自体の行に配置され、左揃えあるいは中央揃えされています:

\markup {
  \column {
    a
    "b c"
    \line { d e f }
  }
  \hspace #10
  \center-column {
    a
    "b c"
    \line { d e f }
  }
}

[image of music]

同様に、要素あるいは表記のリストの広がりが水平の行幅いっぱいを占めることがあります (要素が 1 つだけの場合、その要素はページの中央に揃えられます)。さらに、そのような表記は複数行にわたるテキストや他の任意の表記を含むことができます:

\markup {
  \fill-line {
    \line { William S. Gilbert }
    \center-column {
      \huge \smallCaps "The Mikado"
      or
      \smallCaps "The Town of Titipu"
    }
    \line { Sir Arthur Sullivan }
  }
}
\markup {
  \fill-line { 1885 }
}

[image of music]

要素は line-width プロパティを上書きすることにより、指定された幅を満たすように広げることができます。デフォルトではこれは行全体を示す #f にセットされています。

\markup {
  \column {
    \fill-line { left center right }
    \null
    \override #'(line-width . 30)
    \fill-line { left center right }
  }
}

[image of music]

さらに、長いテキスト指示を自動的に行幅に合わせて折り返すことができます。そのようなテキスト指示は、以下の例で示すように、左揃えされるか両端揃えされます。

\markup {
  \column {
    \line  \smallCaps { La vida breve }
    \line \bold { Acto I }
    \wordwrap \italic {
      (La escena representa el corral de una casa de
      gitanos en el Albaicín de Granada.  Al fondo una
      puerta por la que se ve el negro interior de
      una Fragua, iluminado por los rojos resplandores
      del fuego.)
    }
    \hspace #0

    \line \bold { Acto II }
    \override #'(line-width . 50)
    \justify \italic {
      (Calle de Granada.  Fachada de la casa de Carmela
      y su hermano Manuel con grandes ventanas abiertas
      a través de las que se ve el patio
      donde se celebra una alegre fiesta)
    }
  }
}

[image of music]

Markup for text alignment にテキスト揃えコマンドの徹底したリストがあります。

参照

学習マニュアル: オブジェクトを移動させる

記譜法リファレンス: Markup for text alignment, テキスト マーク

インストールされているファイル: scm/define-markup-commands.scm.

コード断片集: Text

内部リファレンス: TextScript


マークアップ内部でのグラフィック記譜法

マークアップ コマンドを用いて、さまざまなグラフィック オブジェクトを楽譜に付け加えることができます。

以下の例で示すように、マークアップ コマンドの中にはテキスト要素をグラフィックスで飾り付けることができるものがあります。

\markup \fill-line {
  \center-column {
    \circle Jack
    \box "in the box"
    \null
    \line {
      Erik Satie
      \hspace #3
      \bracket "1866 - 1925"
    }
    \null
    \rounded-box \bold Prelude
  }
}

[image of music]

コマンドの中にはテキストの周りのパディングを増やすことを必要とするものもあります。パティングの増加は Markup for text alignment で徹底的に記述されているマークアップ コマンドを用いて達成できます。

\markup \fill-line {
  \center-column {
    \box "Charles Ives (1874 - 1954)"
    \null
    \box \pad-markup #2 "THE UNANSWERED QUESTION"
    \box \pad-x #8 "A Cosmic Landscape"
    \null
  }
}
\markup \column {
  \line {
    \hspace #10
    \box \pad-to-box #'(-5 . 20) #'(0 . 5)
      \bold "Largo to Presto"
  }
  \pad-around #3
      "String quartet keeps very even time,
Flute quartet keeps very uneven time."
}

[image of music]

テキストを持たないグラフィック要素やシンボルを譜刻することもできます。他のマークアップ表記と同様に、そのようなオブジェクトも組み合わせることができます。

\markup {
  \combine
    \draw-circle #4 #0.4 ##f
    \filled-box #'(-4 . 4) #'(-0.5 . 0.5) #1
  \hspace #5

  \center-column {
    \triangle ##t
    \combine
      \draw-line #'(0 . 4)
      \arrow-head #Y #DOWN ##f
  }
}

[image of music]

高度なグラフィック機能として、外部画像ファイルを Encapsulated PostScript フォーマット (eps) に変換してインクルードする機能や、ネイティブの PostScript コードを用いてグラフィックを直接に入力ファイルへ埋め込む機能があります。このような機能を使う場合、以下で示すように、描画サイズを明示的に指定することを推奨します:

c'1^\markup {
  \combine
    \epsfile #X #10 "./context-example.eps"
    \with-dimensions #'(0 . 6) #'(0 . 10)
    \postscript "
      -2 3 translate
      2.7 2 scale
      newpath
      2 -1 moveto
      4 -2 4 1 1 arct
      4 2 3 3 1 arct
      0 4 0 3 1 arct
      0 0 1 -1 1 arct
      closepath
      stroke"
  }
c'

[image of music]

Graphical markup にグラフィック特有のコマンドの徹底したリストがあります。

参照

記譜法リファレンス: Markup for text alignment, 寸法, 編集者の注釈, Graphical markup

インストールされているファイル: scm/define-markup-commands.scm, scm/stencil.scm

コード断片集: Text

内部リファレンス: TextScript


マークアップ内部での音楽記譜法

マークアップ オブジェクトの内部で、さまざまな音楽記譜要素を楽譜に付け加えることができます。

音符と臨時記号はマークアップ コマンドを用いて入力することができます:

a'2 a'^\markup {
  \note {4} #1
  =
  \note-by-number #1 #1 #1.5
}
b'1_\markup {
  \natural \semiflat \flat
  \sesquiflat \doubleflat
}
\glissando
a'1_\markup {
  \natural \semisharp \sharp
  \sesquisharp \doublesharp
}
\glissando b'

[image of music]

他の記譜オブジェクトもマークアップ モードの中で譜刻することができます:

\relative {
  g1 bes
  ees\finger \markup \tied-lyric "4~1"
  fis_\markup { \dynamic rf }
  bes^\markup {
    \beam #8 #0.1 #0.5
  }
  cis
  d-\markup {
    \markalphabet #8
    \markletter #8
  }
}

[image of music]

より一般的には、以下で示すように、使用可能な音楽シンボルはすべてマークアップ オブジェクトに含めることができます。Emmentaler フォント に、音楽シンボルと音楽シンボル名の徹底したリストがあります。

\relative {
  c''2
  c'^\markup { \musicglyph "eight" }
  c,4
  c,8._\markup { \musicglyph "clefs.G_change" }
  c16
  c2^\markup { \musicglyph "timesig.neomensural94" }
}

[image of music]

テキストではない図柄を譜刻するもう 1 つの方法が フォントの説明 で記述されています。この方法はさまざまなサイズの波括弧を譜刻する場合に有用です。

さらに、マークアップ モードは特定の楽器のためのダイアグラムをサポートします:

\relative {
  c''1^\markup {
    \fret-diagram-terse "x;x;o;2;3;2;"
  }
  c^\markup {
    \harp-pedal "^-v|--ov^"
  }
  c
  c^\markup {
    \combine
      \musicglyph "accordion.discant"
      \combine
	\raise #0.5 \musicglyph "accordion.dot"
	\raise #1.5 \musicglyph "accordion.dot"
  }
}

[image of music]

そのようなダイアグラムは Instrument-specific markup でドキュメント化されています。

楽譜全体でさえもマークアップ オブジェクト内部にネストさせることができます:

\relative {
  c'4 d^\markup {
    \score {
      \relative { c'4 d e f }
    }
  }
  e f |
  c d e f
}

[image of music]

Markup for music and musical symbols に、音楽記譜法関連のコマンドの徹底したリストがあります。

参照

記譜法リファレンス: Markup for music and musical symbols, Emmentaler フォント, フォントの説明

インストールされているファイル: scm/define-markup-commands.scm, scm/fret-diagrams.scm, scm/harp-pedals.scm

コード断片集: Text

内部リファレンス: TextScript

既知の問題と警告

マークアップ オブジェクト内に出現する \score の縦方向のスペーシングは baseline-skip によって調整されます。\paper による設定は全て無視されます。


複数ページにわたるマークアップ

標準のマークアップ オブジェクトは分割することができません。しかしながら、 ある特定の構文は複数ページにわたるテキストを入力することを可能にします:

\markuplist {
  \justified-lines {
    両端揃えされた非常に長いテキスト。
    ...
  }
  \wordwrap-lines {
    もう 1 つの非常に長いテキスト。
    ...
  }
  ...
}

[image of music]

この構文はマークアップのリストを受け付けます。受け付けるものは以下の通りです:

  • マークアップ リスト コマンドの結果
  • マークアップのリスト
  • マークアップ リストのリスト

\markuplist コマンドの一覧 に、マークアップ リスト コマンドの徹底したリストがあります。

参照

記譜法リファレンス: \markuplist コマンドの一覧

拡張: New markup list command definition

コード断片集: Text

インストールされているファイル: scm/define-markup-commands.scm

内部リファレンス: TextScript

定義済みコマンド

\markuplist


1.8.3 フォント

このセクションでは、フォントを扱う方法と、楽譜の中でフォントを変更する方法について説明します。


フォントの説明

フォントはいくつかのライブラリを通じて扱われます。FontConfig は利用可能なフォントを検出するために使用されます。選択されたフォントは Pango を用いて描かれます。

オペレーティング システムに既にインストールされているフォントに加えて、次のコマンドを使用して、FontConfig によって検出された (したがって LilyPond スコアで利用できる) セットに追加のフォントを追加できます:

#(ly:font-config-add-font "path/to/font-file.otf")

#(ly:font-config-add-directory "path/to/directory/")

これらのコマンドはどちらも、絶対パスまたは相対パスのいずれかを受け入れます。これにより、関連するフォントファイルをソースコードとともにコピーするだけで、任意のシステムで楽譜をコンパイルできます。

検出されたフォントは、個々に登録するフォント および ドキュメント全体のフォント で説明されている方法を使用して選択する必要があります。使用可能なフォントの完全なリストをコンソールログに出力するときに、 #(ly:font-config-display-fonts) コマンドを使用して、実際に検出されたフォントとその名前を確認することができます (これらはファイル名自体とは異なる場合があるため)。

音楽記譜フォントはいくつかのファミリに分類された特殊な図柄のセットと言うことができます。以下の構文により、LilyPond のさまざまな Feta グリフをマークアップ モードの中で直接使用することが可能になります:

a'1^\markup {
  \vcenter {
    \override #'(font-encoding . fetaBraces)
    \lookup "brace120"
    \override #'(font-encoding . fetaText)
    \column { 1 3 sf }
    \override #'(font-encoding . fetaMusic)
    \lookup "noteheads.s0petrucci"
  }
}

[image of music]

しかしながら、これらの図柄はすべて – fetaBraces で保持されているさまざまサイズの波括弧を除いて – は、マークアップ内部での音楽記譜法 で記述されている、もっと簡単な構文を用いて利用することができます。

fetaBraces に保持されている図柄を使う場合、波括弧のサイズは図柄名の一部となっている任意の数値によって指定されます。0 から 575 までの整数すべてを指定でき、0 は最小の波括弧を提供します。最適な値はトライ&エラーで決定する必要があります。これらの図柄はすべて左波括弧です。右波括弧は回転によって得ることができます – オブジェクトを回転させる を参照してください。

3 ファミリのテキスト フォントが利用可能になっています:

  • roman (serif) フォントのデフォルトは LilyPond Serif (TeX Gyre Schola のエイリアス)です。
  • sans フォントのデフォルトは LilyPond Sans Serif (TeX Gyre Heros のエイリアス)です。
  • typewriter (monospaced) フォントのデフォルトは LilyPond Monospace (TeX Gyre Cursor のエイリアス)です。

roman (serif) フォント、 sans フォント、typewriter フォントです。

svg バックエンドでは:

ファミリデフォルト フォント
romanserif
sanssans-serif
typewritermonospace

serif, sans-serif, and monospace は、SVG や CSS の仕様における generic-family です。

他のバックエンドでは:

ファミリデフォルト フォント (エイリアス)エイリアス定義のリスト
romanLilyPond SerifTeX Gyre Schola, C059, Century SchoolBook URW, Century Schoolbook L, DejaVu Serif, ..., serif
sansLilyPond Sans SerifTeX Gyre Heros, Nimbus Sans, Nimbus Sans L, DejaVu Sans, ..., sans-serif
typewriterLilyPond MonospaceTeX Gyre Cursor, Nimbus Mono PS, Nimbus Mono, Nimbus Mono L, DejaVu Sans Mono, ..., monospace

LilyPond Serif, LilyPond Sans Serif, LilyPond Monospace は、LilyPond 専用の FontConfig 設定ファイル 00-lilypond-fonts.conf に定義されたフォント エイリアスです。ある文字がリストの最初にあるフォントに存在しない場合、その文字を持つリストの次のフォントが代わりに使用されます。エイリアス定義の詳細については、インストール ディレクトリ中の 00-lilypond-fonts.conf を参照してください。

それぞれのファミリには異なる形状とセットのフォントが保持されています。以下の例は、ファミリ、形状、セットそれにサイズを変更する様子を示しています。デフォルト サイズから変更する場合、font-size に提供する値が必要となります。

\override Score.RehearsalMark.font-family = #'typewriter
\mark \markup "Ouverture"
\override Voice.TextScript.font-shape = #'italic
\override Voice.TextScript.font-series = #'bold
d''2.^\markup "Allegro"
\override Voice.TextScript.font-size = #-3
c''4^smaller

[image of music]

同様の構文をマークアップ モードの中で使用することができます。しかしながら、マークアップ モードの中では、フォントとフォント サイズを選択する で説明されている、もっと簡単な構文を使用するほうが良いでしょう:

\markup {
  \column {
    \line {
      \override #'((font-shape . italic) (font-size . 4))
      Idomeneo,
    }
    \line {
      \override #'(font-family . typewriter)
      {
        \override #'(font-series . bold)
        re
        di
      }
      \override #'(font-family . sans)
      Creta
    }
  }
}

[image of music]

OpenType フォントを使用している場合、フォント機能を使用することができます。OpenType フォントの script と language は指定できません。注: 全ての OpenType フォントが機能をサポートしているとは限りません。使用するフォントに無い機能を使用しようとした場合、機能は単純に無視されます。

% 真のスモール キャピタル
\markup { Normal Style: Hello HELLO }
\markup { \caps { Small Caps: Hello } }
\markup { \override #'(font-features . ("smcp"))
          { True Small Caps: Hello } }

% 数字スタイル
\markup { Normal Number Style: 0123456789 }
\markup { \override #'(font-features . ("onum"))
          { Old Number Style: 0123456789 } }

% 代替スタイル
\markup { \override #'(font-features . ("salt 0"))
          { Stylistic Alternates 0: εφπρθ } }
\markup { \override #'(font-features . ("salt 1"))
          { Stylistic Alternates 1: εφπρθ } }

% 機能の組み合わせ
\markup { \override #'(font-features . ("onum" "smcp" "salt 1"))
          { Multiple features: Hello 0123456789 εφπρθ } }

[image of music]

OpenType 機能の完全な一覧は以下を参照してください: https://www.microsoft.com/typography/otspec/featurelist.htm

OpenType フォントの機能を識別するには以下を参照してください: https://lists.gnu.org/archive/html/lilypond-devel/2017-08/msg00004.html

あらかじめ構成されているフォント間で切り替えを行う方が簡単ですが、他のフォントを使用することも可能です。他のフォントを使用する方法は以下のセクションで説明されています: 個々に登録するフォントドキュメント全体のフォント

参照

記譜法リファレンス: Emmentaler フォント, マークアップ内部での音楽記譜法, オブジェクトを回転させる, フォントとフォント サイズを選択する, フォント


個々に登録するフォント

以下の構文を用いることで、オペレーティング システムにインストールされていて、FontConfig に認識されている任意のフォントを楽譜の中で使用することができます:

\override Staff.TimeSignature.font-name = "Bitstream Charter"
\override Staff.TimeSignature.font-size = #2
\time 3/4

a'1_\markup {
  \override #'(font-name . "Bitstream Vera Sans,sans-serif, Oblique Bold")
    { Vera Oblique Bold }
}

[image of music]

font-name はカンマ区切りの ‘フォント’ のリストと、スペース区切りの ‘スタイル’ のリストを記述できます。リスト中の ‘フォント’ がインストールされていて、要求されたグリフを含んでいれば、それが使われます。そうでないなら代わりにリストの のフォントが使われます。

lilypond を以下のオプションを付けて実行するとオペレーティング システムで利用可能なすべてのフォントのリストを表示します:

lilypond -dshow-available-fonts

参照

記譜法リファレンス: フォントの説明, ドキュメント全体のフォント

コード断片集: Text


ドキュメント全体のフォント

以下の例で示す方法に従ってフォント ファミリを指定することにより、roman, sans それに typewriter フォント ファミリとして使用されるデフォルト フォントを変更することができます。この例ではグローバル譜サイズにセットされた値で自動的にフォントのサイズを伸縮しています。個々に登録するフォント のように、カンマ区切りの ‘フォント’ のリストを記述できます。しかし、フォント ‘スタイル’ は記述できません。フォントについての説明は、フォントの説明 を参照してください。

\paper  {
  property-defaults.fonts.serif = "Linux Libertine O"
  property-defaults.fonts.sans = "Nimbus Sans, Nimbus Sans L"
  property-defaults.fonts.typewriter = "DejaVu Sans Mono"
}

\relative c'{
  c1-\markup {
    roman,
    \sans sans,
    \typewriter typewriter. }
}

[image of music]

注: make-pango-font-tree は記譜フォントをデフォルトの Emmentaler にリセットします。

次の構文を使用することで、他をデフォルトの値のままにしつつ、特定のフォントを変更することができます。次の例は、上の make-pango-font-tree の例と同じ結果になります。make-pango-font-tree と同様に、roman, sans, typewriter カテゴリに対してコンマ区切りの‘フォント’のリストを指定します。譜のサイズをデフォルトの 20 pt から変更する必要がない場合、#:factor (/ staff-height pt 20) は不要です。

\paper {
  #(define fonts
    (set-global-fonts
     #:roman "Linux Libertine O"
     #:sans "Nimbus Sans, Nimbus Sans L"
     #:typewriter "DejaVu Sans Mono"
     #:factor (/ staff-height pt 20) ; 譜サイズを変更しない場合は不要
    ))
}

記譜フォントを指定することもできます。次の例は、記譜フォントをデフォルトと同様に設定しているため、上の例と同じ結果になります。 詳しい情報は、記譜フォントを置換する を参照してください。

\paper {
  #(define fonts
    (set-global-fonts
     #:music "emmentaler"            ; デフォルト
     #:brace "emmentaler"            ; デフォルト
     #:roman "Linux Libertine O"
     #:sans "Nimbus Sans, Nimbus Sans L"
     #:typewriter "DejaVu Sans Mono"
     #:factor (/ staff-height pt 20) ; 譜サイズを変更しない場合は不要
    ))
}

注: set-global-fonts を呼び出すたびに、記譜フォントとテキスト フォントの両方を完全にリセットします。あるカテゴリが未指定であった場合、そのカテゴリのデフォルト値が使用されます。また、set-global-fonts は、その後の全ての \book ブロックに影響します。\book ブロックが複数あり、ブック毎に異なるフォントを使用したい場合、set-global-fonts を以下のように複数回呼び出します:

\paper {
  #(define fonts
    (set-global-fonts
     …
    ))
}
\book {
  …
}

\paper {
  #(define fonts
    (set-global-fonts
     …
    ))
}
\book {
  …
}

参照

記譜法リファレンス: フォントの説明, 個々に登録するフォント, フォントとフォント サイズを選択する, フォント, 記譜フォントを置換する


2 専門的な記譜法

この章では、特定のタイプの楽器やスタイル向けの音楽記譜を作成するための方法について説明します。


2.1 声楽

[image of music]

このセクションでは声楽を譜刻し、歌詞を旋律の音符に揃える方法について説明します。


2.1.1 声楽で共通の記譜法

このセクションでは声楽の譜刻に共通する問題について説明します。


声楽のためのリファレンス

このセクションでは声楽を譜刻する際に発生する記譜法の問題についての詳細について記述している場所を示します。

  • たいていの声楽では歌詞として記述されたテキストを用います。この記譜法についての導入部は Setting simple songs にあります。
  • 声楽はたいてい歌詞や他のテキスト要素 (配役の名前等) のためにmarkup モードの使用を必要とします。markup モードの構文は テキスト マークアップの導入部 で説明しています。
  • 声楽譜の最初に 音域 (ambitus) が追加されることがあります。音域について 音域 で説明しています。
  • デフォルトでは強弱記号は譜の下に配置されます。しかしながら、たいていの合唱の楽譜では、合唱のための楽譜レイアウト で説明しているように、強弱記号は歌詞を避けるために譜の上に配置されます。

参照

音楽用語集: ambitus

学習マニュアル: Setting simple songs

記譜法リファレンス: テキスト マークアップの導入部, 音域, 合唱のための楽譜レイアウト

コード断片集: Vocal music


歌詞を入力する

歌詞は \lyricmode で始めるか \addlyrics または \lyricsto を用いる特殊な入力モードで入力されます。この特殊な入力モードでは、入力 d はピッチ D とは解釈されず、テキストの 1 文字の歌詞と解釈されます。言い換えると、歌詞を音符のように入力して、ピッチではなくテキストとして譜刻します。

例:

\lyricmode { Three4 blind mice,2 three4 blind mice2 }

歌詞の水平方向の配置を指定するための手法は主に 2 つあります – 上記の例のように歌詞の各音節の演奏時間を指定するか、\addlyrics または \lyricsto を用いて歌詞を自動的に旋律や他のボイスに揃えさせるかのどちらかです。前者は 歌詞音節の手動演奏時間 で説明します。後者は 歌詞音節の自動演奏時間 で説明します。

歌詞の単語または音節はアルファベット (さらに他のいくつかの文字 – 以下を読んでください) で始まり、空白か数字で終わります。歌詞の音節の頭文字以後の文字は、数字や空白を除く、任意の文字になります。

数字や空白ではない文字は歌詞の一部と見なされるため、} で終わる単語であっても有効です – このことが以下のミスを引き起こします:

\lyricmode { lah lah lah}

上記の例で、} は歌詞の最後の音節に含まれるため、波括弧 { は閉じられず、入力ファイルはおそらくコンパイルされません。これを避けるため、波括弧の前後に常に空白を記述すべきです:

\lyricmode { lah lah lah }

句読点、アクセントが付いた文字を持つ歌詞、英語以外の言語の文字、あるいは特殊文字 (ハート記号や引用符等) は、UTF-8 エンコードで保存することで、直接入力することができます。さらなる情報は、特殊文字 を参照してください。

\relative { d''8 c16 a bes8 f ees' d c4 }
\addlyrics { „Schad’ um das schö -- ne grü -- ne Band, }

[image of music]

歌詞モードで通常の引用符を使うことができますが、引用符の前にバックスラッシュを配置し、歌詞の音節全体を追加の引用符で囲む必要があります。例を挙げます:

\relative { \time 3/4 e'4 e4. e8 d4 e d c2. }
\addlyrics { "\"I" am so lone -- "ly,\"" said she }

[image of music]

歌詞モードでの単語の開始の完全な定義は複雑です。歌詞モードで、単語は以下の文字で始まります: アルファベット, _, ?, !, :, ', 制御文字 ^A から ^F, ^Q から ^W, ^Y, ^^, 128 以上の ASCII コードの 8 ビット文字, バックスラッシュとの組み合わせ \`, \', \", または \^

歌詞の中で \markup を用いることで、歌詞の体裁を様々に制御することができます。多くのオプションの説明は、テキストをフォーマットする を参照してください。

Selected Snippets

歌詞音節をフォーマットする

単一の歌詞音節にマークアップ モードを使用することができます。

mel = \relative c'' { c4 c c c }
lyr = \lyricmode {
  Lyrics \markup { \italic can } \markup { \with-color #red contain }
  \markup { \fontsize #8 \bold Markup! }
}

<<
  \new Voice = melody \mel
  \new Lyrics \lyricsto melody \lyr
>>

[image of music]

参照

学習マニュアル: Songs

記譜法リファレンス: 歌詞音節の自動演奏時間, フォント, テキストをフォーマットする, 入力モード, 歌詞音節の手動演奏時間, 特殊文字

内部リファレンス: LyricText

コード断片集: Text


歌詞を旋律に揃える

歌詞は \lyricmode 内で解釈され、Lyrics コンテキスト内で譜刻されます。 コンテキストの説明 を参照してください。

\new Lyrics \lyricmode { … }

\lyricmode の異なる形が 2 種類あり、それらは歌詞を音楽に揃えるために、コンテキストを関連付けする機能を持ちます。\addlyrics はより便利で、Voice コンテキストの音楽のすぐ後に記述することで、自身で暗黙的に Lyrics コンテキストを作成し歌詞が音楽に揃えられます。\lyricsto はより多機能で、関連付ける Voice コンテキストを名前で指定します。また、Lyrics コンテキストは明示的に作成する必要があります。詳しくは、歌詞音節の自動演奏時間 を参照してください。

歌詞は主に 2 つの方法で歌詞に揃えることができます:

  • \addlyric, \lyricsto を用いるか、プロパティ associatedVoice を設定することにより、他のボイスあるいは (特殊な状況ですが) 関連付けされた旋律から歌詞の音節の演奏時間を取ることで、歌詞を自動的に揃えることができます。詳細は 歌詞音節の自動演奏時間 を参照してください。
    <<
      \new Staff <<
        \time 2/4
        \new Voice = "one" \relative {
          \voiceOne
          c''4 b8. a16 g4. r8 a4 ( b ) c2
        }
        \new Voice = "two" \relative {
          \voiceTwo
           s2 s4. f'8 e4 d c2
        }
      >>
    
    % "one" の音符に揃えます
      \new Lyrics \lyricsto "one" {
        Life is __ _ love, live __ life.
      }
    
    % 最初は "one" の音符に揃えて、それから "two" に切り替えます
      \new Lyrics \lyricsto "one" {
        No more let
        \set associatedVoice = "two"  % 切り替える音節の前にセットする必要があります
        sins and sor -- rows grow.
      }
    >>
    

    [image of music]

    歌詞の 1 番は通常の歌詞の入力方法を示しています。

    歌詞の 2 番は歌詞を揃えるボイスを切り替える方法を示しています。この方法は、歌詞の 1 番と 2 番で音符への単語の揃え方が異なり、単語を揃えるべき音符がすべてボイス コンテキストの中にある場合に有用です。詳細は 歌詞の節 を参照してください。

  • 歌詞を \lyricmode で入力し、音節の演奏時間を明示的に示すことで、歌詞を音符とは独立して揃えることができます。
    <<
      \new Voice = "one" \relative {
        \time 2/4
        c''4 b8. a16 g4. f8 e4 d c2
      }
    
    % 前で指定された演奏時間 2 を用います
      \new Lyrics \lyricmode {
        Joy to the earth!
      }
    
    % 音符とは異なるリズムをセットするために、演奏時間を明示します
      \new Lyrics \lyricmode {
        Life4 is love,2. live4 life.2
      }
    >>
    

    [image of music]

    歌詞の 1 番は演奏時間が指定されず、各単語には前の値 2 がされるため、音符と揃いません。

    歌詞の 2 番は音符とは全く独立して単語を揃える方法を示しています。この方法は、歌詞の 1 番と 2 番で音符への単語の揃え方が異なり、単語を揃えるべき音符がボイス コンテキストから得られない場合に有用です。詳細は 歌詞音節の手動演奏時間 を参照してください。このテクニックは譜の上に会話をセットする場合にも有用です – これの例は 音楽の中での会話 を参照してください。

参照

学習マニュアル: Aligning lyrics to a melody

記譜法リファレンス: コンテキストの説明, 歌詞音節の自動演奏時間, 歌詞の節, 歌詞音節の手動演奏時間, 音楽の中での会話, 歌詞音節の手動演奏時間

内部リファレンス: Lyrics


歌詞音節の自動演奏時間

以下の 3 つの方法で歌詞を旋律の音符に揃えることができます:

  • \lyricsto で旋律を保持しているボイス コンテキストを指定します。
  • \addlyrics で歌詞を入力して、それを旋律を保持しているボイス コンテキストの直後に配置します。
  • 任意のタイミングで associatedVoice プロパティを設定することで歌詞の揃えを名前を持つ他のボイス コンテキストに切り替えます。

3 つの方法のいずれでも、単語の音節の間にハイフンを描き、単語の後ろに延長線を描くことができます。詳細は 延長線とハイフン を参照してください。

歌詞を揃える Voice コンテキストが “消滅” してはいけません。さもないと、その後の歌詞は失われてしまいます。ボイスは何もすることが無くなると消滅する可能性があります – コンテキストを残しておく を参照してください。

\lyricsto を用いる

旋律を保持している名前の付いたボイス コンテキストを \lyricsto で指定することにより、歌詞を旋律の下に揃えることができます:

<<
  \new Voice = "melody" \relative {
    a'1 a4. a8 a2
  }
  \new Lyrics \lyricsto "melody" {
    These are the words
  }
>>

[image of music]

これは歌詞を名前の付いた Voice コンテキストに揃えます – Voice コンテキストは既に存在している必要があります。このため、普通は Voice コンテキストを先に記述して、その後に Lyrics コンテキストを記述します。歌詞自体は \lyricsto コマンドの後に記述します。\lyricsto コマンドは自動的に歌詞モードを呼び出します。デフォルトでは、歌詞は音符の下に配置されます。配置場所を変更する方法は 歌詞の垂直方向の配置 を参照してください。

\addlyrics を用いる

\addlyrics コマンドは便利なショートカットで、もっと複雑な LilyPond 構造を使う歌詞のセットアップの代わりとして用いることができます。

{ MUSIC }
\addlyrics { LYRICS }

上記は下記と同等です:

\new Voice = "blah" { MUSIC }
\new Lyrics \lyricsto "blah" { LYRICS }

ここで例を挙げます:

{
  \time 3/4
  \relative { c'2 e4 g2. }
  \addlyrics { play the game }
}

[image of music]

\addlyrics セクションを追加することで、歌詞の 2 番、3 番を追加することができます:

{
  \time 3/4
  \relative { c'2 e4 g2. }
  \addlyrics { play the game }
  \addlyrics { speel het spel }
  \addlyrics { joue le jeu }
}

[image of music]

コマンド \addlyrics は多声を扱うことはできません。また、このコマンドは TabVoice に歌詞を関連付けることもできません。そのような場合は \lyricsto を使うべきです。

associatedVoice を用いる

associatedVoice プロパティを設定することで、歌詞を揃える旋律を変更することができます:

\set associatedVoice = "lala"

プロパティの値 (ここでは "lala" です) は Voice コンテキストの名前になります。技術的な理由により、変更を適用する歌詞の音節の前にこの set コマンドを配置する必要があります。

ここで、使用例を挙げます:

<<
  \new Staff <<
    \time 2/4
    \new Voice = "one" \relative {
      \voiceOne
      c''4 b8. a16 g4. r8 a4 ( b ) c2
    }
    \new Voice = "two" \relative {
      \voiceTwo
       s2 s4. f'8 e8 d4. c2
    }
  >>
% 最初は "one" の音符に揃えます
% それから "two" に切り替えます
  \new Lyrics \lyricsto "one" {
    No more let
    \set associatedVoice = "two"  % 切り替える音節の前にセットする必要があります
    sins and sor -- rows grow.
  }
>>

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 延長線とハイフン, コンテキストを残しておく, 歌詞の垂直方向の配置


歌詞音節の手動演奏時間

複雑な声楽では、歌詞を音符とは完全に独立させて配置する方が望ましい場合があります。そのような場合、\lyricsto\addlyrics を用いたり、associatedVoice プロパティを設定したりはしません。歌詞の音節を音符のように – しかしながら、ピッチをテキストに置き換えて – 入力し、歌詞の各音節の後には演奏時間を明示的に記述します。

音節の間にハイフンを描くことは普通にできますが、延長線を描くには関連付されたボイスが存在する必要があります。

ここで、2 つの例を挙げます:

<<
  \new Voice = "melody" \relative {
    c''2 a f f e e
  }
  \new Lyrics \lyricmode {
    c4. -- a -- f -- f -- e2. -- e
  }
>>

[image of music]

<<
  \new Staff {
    \relative {
      c''2 c2
      d1
    }
  }
  \new Lyrics {
    \lyricmode {
      I2 like4. my8 cat!1
    }
  }
  \new Staff {
    \relative {
      c'8 c c c c c c c
      c8 c c c c c c c
    }
  }
>>

[image of music]

このテクニックは、譜の上に会話を書く場合に有用です – 音楽の中での会話 を参照してください。

歌詞の水平位置を変更するには、self-alignment-X プロパティをオーバライドします:

<<
  \new Voice = "melody" \relative {
    \time 3/4
    c'2 e4 g2 f
  }
  \new Lyrics \lyricmode {
    \override LyricText.self-alignment-X = #LEFT
    play1 a4 game4
  }
>>

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 音楽の中での会話

内部リファレンス: Lyrics, Voice


複数の歌詞音節を 1 つの音符に割り当てる

1 つの音符にスペースで区切られた複数の音節を割り当てるには、そのフレーズを引用符で囲むか、_ 文字を用います。代替手段として、チルド記号 (~) を用いて音節をタイで結ぶこともできます。

{
  \relative {
    \autoBeamOff
    r8 b' c fis, fis c' b e,
  }
  \addlyrics
  {
    \override LyricHyphen.minimum-distance = #1.0 % Ensure hyphens are visible
    Che_in ques -- ta_e_in quel -- l'al -- tr'on -- da
  }
  \addlyrics { "Che in" ques -- "ta e in" quel -- l'al -- tr'on -- da }
  \addlyrics { Che~in ques -- ta~e~in quel -- l'al -- tr'on -- da }
}

[image of music]

参照

内部リファレンス: LyricCombineMusic


複数の音符を 1 つの歌詞音節に割り当てる

しばしば、特に中世やバロックの音楽では、1 つの音節を複数の音符で歌います。これをメリスマと呼びます。melisma を参照してください。通常、メリスマの音節はメリスマの最初の音符に左揃えされます。

メリスマが単語の最後ではない音節で発生する場合、その音節と次の音節をハイフンで結びます。これは音節の直後に 2 重ハイフン -- を配置することで示します。

メリスマが単語の最後の音節または音節が 1 つしかない単語で発生する場合、最後の音節からメリスマの最後の音符まで延長線を描きます。これは単語の直後に 2 重アンダースコア __ を配置することで示します。

メリスマを示す方法は 5 つあります:

  • タイで結ばれた音符には、自動的にメリスマが作成されます:
    <<
      \new Voice = "melody" \relative {
        \time 3/4
        f''4 g2 ~ |
        4 e2 ~ |
        8
      }
      \new Lyrics \lyricsto "melody" {
        Ky -- ri -- e __
      }
    >>
    

    [image of music]

  • 各メリスマの音符にスラーを配置することで、譜から自動的にメリスマを作成することができます。これが歌詞を入力する通常の方法です:
    <<
      \new Voice = "melody" \relative {
        \time 3/4
        f''4 g8 ( f e f )
        e8 ( d e2 )
      }
      \new Lyrics \lyricsto "melody" {
        Ky -- ri -- e __
      }
    >>
    

    [image of music]

    フレージング スラーはメリスマの作成には影響を与えないことに注意してください。

  • 自動連桁を off にして、手動で連桁を付けられた音符はメリスマと見なされます。自動連桁の振る舞いを設定する を参照してください。
    <<
      \new Voice = "melody" \relative {
        \time 3/4
        \autoBeamOff
        f''4 g8[ f e f]
        e2.
      }
      \new Lyrics \lyricsto "melody" {
        Ky -- ri -- e
      }
    >>
    

    [image of music]

    この例はメリスマに 8 分音符よりも長い音符を含めているため、明らかに不適切です。

  • スラーが付いていない音符でも、\melisma\melismaEnd で囲まれていればメリスマとして扱われます。
    <<
      \new Voice = "melody" \relative {
        \time 3/4
        f''4 g8
        \melisma
        f e f
        \melismaEnd
        e2.
      }
      \new Lyrics \lyricsto "melody" {
        Ky -- ri -- e
      }
    >>
    

    [image of music]

  • メリスマに含まれる余分な各音符に対して歌詞の中にアンダースコア _ を記述することで、メリスマを定義することができます。
    <<
      \new Voice = "melody" \relative {
        \time 3/4
        f''4 g8 f e f
        e8 d e2
      }
      \new Lyrics \lyricsto "melody" {
        Ky -- ri -- _ _ _ e __ _ _
      }
    >>
    

    [image of music]

旋律の中のタイ、スラー、それに手動連桁をメリスマにしないことも可能です。メリスマにしないためには、melismaBusyProperties を設定します:

<<
  \new Voice = "melody" \relative {
    \time 3/4
    \set melismaBusyProperties = #'()
    c'4 d ( e )
    g8 [ f ] f4 ~ 4
  }
  \new Lyrics \lyricsto "melody" {
    Ky -- ri -- e e -- le -- i -- son
  }
>>

[image of music]

melismaBusyProperties に対する設定を変えることで、メリスマの自動検出にタイ、スラー、それに連桁を含める / 除外することができます。Tunable context propertiesmelismaBusyProperties を参照してください。

代替手段として、ignoreMelismata に真をセットすることですべてのメリスマを無視することができます。リズムが異なる歌詞の節 を参照してください。

melismaBusyProperties がアクティブになっているパッセージの中でメリスマを使う必要がある場合、メリスマに含める各音符に対して歌詞の中にアンダースコアを記述します:

<<
  \new Voice = "melody" \relative {
    \time 3/4
    \set melismaBusyProperties = #'()
    c'4 d ( e )
    g8 [ f ] ~ 4 ~ f
  }
  \new Lyrics \lyricsto "melody" {
    Ky -- ri -- _ e __ _ _ _
  }
>>

[image of music]

定義済みコマンド

\autoBeamOff, \autoBeamOn, \melisma, \melismaEnd

参照

音楽用語集: melisma

学習マニュアル: Aligning lyrics to a melody

記譜法リファレンス: 歌詞を旋律に揃える, 歌詞音節の自動演奏時間, 自動連桁の振る舞いを設定する, リズムが異なる歌詞の節

内部リファレンス: Tunable context properties

既知の問題と警告

メリスマの延長線は自動的には作成されません。手動で 2 重アンダースコアを記述する必要があります。


延長線とハイフン

しばしば単語の最後の音節で、その音節から次の音節まで長い水平の線を描いてメリスマを示すことがあります。そのような線のことを延長線と呼び、‘ __ ’ で記述します (2 重アンダースコアの前後にスペースがあることに注意してください)。

Note: 楽譜の中でメリスマは延長線で示され、延長線は 2 重のアンダースコアとして入力します。しかしながら、個々の音符をスキップすることで短いメリスマを作ることも可能です。音符のスキップには単一のアンダースコアを記述します – デフォルトでは、音符のスキップは延長線を作り出しません。

同じ単語の音節間の中央にハイフンを記譜するには、‘ -- ’ を記述します (2 重ハイフンの前後にスペースがあることに注意してください)。ハイフンは音節の間の中央に配置され、長さは音節の間のスペースによって調節されます。

密に譜刻された楽譜では、ハイフンが削除されることもあります。ハイフンが削除されるかどうかを LyricHyphen のプロパティ minimum-distance (2 つの音節の間の最小間隔) と minimum-length (ハイフンを削除するかどうかの閾値) で制御することができます。

参照

内部リファレンス: LyricExtender, LyricHyphen


母音の段階的な変化

音節間の矢印で示される可能性のある母音の遷移 (母音または持続する子音の段階的な変化) は、 \vowelTransition コマンドで入力します (Gould pp. 452–453 を参照してください)。矢印は遷移の長さを示し、デフォルトでは常に描画されます (ぎっしりと譜刻された音楽では、必要に応じてスペースが追加されます)。ピッチが変化しない音符間のタイやスラーは、母音の変化にもかかわらず、新しいアーティキュレーションがないことを示しています。矢印の最小の長さは、 VowelTransitionminimum-length プロパティで調整できます。

{
  c'2 c'
  \set melismaBusyProperties = #'()
  c'2 ~ c'
  \time 3/2
  d'4( e' f' e' f'2
  e'2.)
}
\addlyrics
{
  Ah \vowelTransition oh,
  ah \vowelTransition oh,
  ah \vowelTransition _ _ _ _
  oh.
}

[image of music]

参照

音楽用語集: vowel transition

内部リファレンス: VowelTransition


2.1.2 歌詞に特有のテクニック


歌詞と変数に取り組む

歌詞を保持する変数を作成することができます。歌詞は歌詞モードで入力する必要があります:

musicOne = \relative {
  c''4 b8. a16 g4. f8 e4 d c2
}
verseOne = \lyricmode {
  Joy to the world, the Lord is come.
}
\score {
  <<
    \new Voice = "one" {
      \time 2/4
      \musicOne
    }
    \new Lyrics \lyricsto "one" {
      \verseOne
    }
  >>
}

[image of music]

変数が \addlyrics または \lyricsto で呼び出される場合、歌詞に演奏時間を付ける必要はありません。

順序が異なったり、もっと複雑だったりする場合、最も良い方法は最初に音楽と歌詞を保持する変数を定義して、 譜と歌詞の階層をセットアップして (歌詞自体は省略します) から、\context を用いて歌詞を追加します。この方法は、\lyricsto によって参照されるボイスが常に定義済みであることを保証します。例を挙げます:

sopranoMusic = \relative { c''4 c c c }
contraltoMusic = \relative { a'4 a a a }
sopranoWords = \lyricmode { Sop -- ra -- no words }
contraltoWords = \lyricmode { Con -- tral -- to words }

\score {
  \new ChoirStaff <<
    \new Staff {
      \new Voice = "sopranos" {
        \sopranoMusic
      }
    }
    \new Lyrics = "sopranos"
    \new Lyrics = "contraltos"
    \new Staff {
      \new Voice = "contraltos" {
        \contraltoMusic
      }
    }
    \context Lyrics = "sopranos" {
      \lyricsto "sopranos" {
        \sopranoWords
      }
    }
    \context Lyrics = "contraltos" {
      \lyricsto "contraltos" {
        \contraltoWords
      }
    }
  >>
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 歌詞の垂直方向の配置

内部リファレンス: LyricCombineMusic, Lyrics


歌詞の垂直方向の配置

音楽の種類によって、歌詞が譜の上、下、あるいは間に配置されることもあります。歌詞を関連する譜の下に配置することが最も簡単で、Staff コンテキストの下に Lyrics コンテキストを定義するだけで実現できます:

\score {
  <<
    \new Staff {
      \new Voice = "melody" {
        \relative { c''4 c c c }
      }
    }
    \new Lyrics {
      \lyricsto "melody" {
        Here are the words
      }
    }
  >>
}

[image of music]

歌詞を譜の上に配置する方法は 2 つあります。簡単な (そして好まれる) のは、上記と同じ構文を用いて歌詞の配置を明示的に指定する方法です:

\score {
  <<
    \new Staff = "staff" {
      \new Voice = "melody" {
        \relative { c''4 c c c }
      }
    }
    \new Lyrics \with { alignAboveContext = "staff" } {
      \lyricsto "melody" {
        Here are the words
      }
    }
  >>
}

[image of music]

代替手段として、2 ステップのプロセスを用いることもできます。最初に、Staff コンテキストと Voice コンテキストより先に Lyrics コンテキストを宣言して (内容は記述しません)、それから参照する Voice コンテキストの宣言の後に \context を用いて \lyricsto コマンドを配置します。以下のようにします:

\score {
  <<
    \new Lyrics = "lyrics" \with {
      % 譜の上に配置する歌詞は以下のオーバライドを行う必要があります
      \override VerticalAxisGroup.staff-affinity = #DOWN
    }
    \new Staff {
      \new Voice = "melody" {
        \relative { c''4 c c c }
      }
    }
    \context Lyrics = "lyrics" {
      \lyricsto "melody" {
        Here are the words
      }
    }
  >>
}

[image of music]

別々の譜に配置される 2 つのボイスがある場合、上記の方法のいずれかを用いて歌詞を譜の間に配置することができます。ここでは、2 番目の方法を用いる例を挙げます:

\score {
  \new ChoirStaff <<
    \new Staff {
      \new Voice = "sopranos" {
        \relative { c''4 c c c }
      }
    }
    \new Lyrics = "sopranos"
    \new Lyrics = "contraltos" \with {
      % 譜の上に配置する歌詞は以下のオーバライドを行う必要があります
      % lyrics above a staff should have this override
      \override VerticalAxisGroup.staff-affinity = #DOWN
    }
    \new Staff {
      \new Voice = "contraltos" {
        \relative { a'4 a a a }
      }
    }
    \context Lyrics = "sopranos" {
      \lyricsto "sopranos" {
        Sop -- ra -- no words
      }
    }
    \context Lyrics = "contraltos" {
      \lyricsto "contraltos" {
        Con -- tral -- to words
      }
    }
  >>
}

[image of music]

他の歌詞と譜の組み合わせは、上記の例に磨きをかけるか、学習マニュアルの中にあるテンプレート – Vocal ensembles templates を参照してください – を吟味することによって作り出すことができます。

Selected Snippets

2.12 の歌詞のスペーシングを新しいバージョンで得る

縦方向のスペーシング エンジンはバージョン 2.14 で変更されました。そのため、歌詞が異なってスペーシングされます。

LyricStaff コンテキストに対して、スペーシング エンジンがバージョン 2.12 と同様に振る舞うようなプロパティをセットすることができます。

\header { tagline = ##f }

global = {
  \key d \major
  \time 3/4
}

sopMusic = \relative c' {
  % VERSE ONE
  fis4 fis fis | \break
  fis4. e8 e4
}

altoMusic = \relative c' {
  % VERSE ONE
  d4 d d |
  d4. b8 b4 |
}

tenorMusic = \relative c' {
  a4 a a |
  b4. g8 g4 |
}

bassMusic = \relative c {
  d4 d d |
  g,4. g8 g4 |
}

words = \lyricmode {
  Great is Thy faith -- ful -- ness,
}

\score {
  \new ChoirStaff <<
    \new Lyrics = sopranos
    \new Staff = women <<
      \new Voice = "sopranos" {
        \voiceOne
        \global \sopMusic
      }
      \new Voice = "altos" {
        \voiceTwo
        \global \altoMusic
      }
    >>
    \new Lyrics = "altos"
    \new Lyrics = "tenors"
    \new Staff = men <<
      \clef bass
      \new Voice = "tenors" {
        \voiceOne
        \global \tenorMusic
      }
      \new Voice = "basses" {
        \voiceTwo  \global \bassMusic
      }
    >>
    \new Lyrics = basses
    \context Lyrics = sopranos \lyricsto sopranos \words
    \context Lyrics = altos \lyricsto altos \words
    \context Lyrics = tenors \lyricsto tenors \words
    \context Lyrics = basses \lyricsto basses \words
  >>
  \layout {
    \context {
      \Lyrics
      \override VerticalAxisGroup.staff-affinity = ##f
      \override VerticalAxisGroup.staff-staff-spacing =
        #'((basic-distance . 0)
	   (minimum-distance . 2)
	   (padding . 2))
    }
    \context {
      \Staff
      \override VerticalAxisGroup.staff-staff-spacing =
        #'((basic-distance . 0)
	   (minimum-distance . 2)
	   (padding . 2))
    }
  }
}

[image of music]

参照

学習マニュアル: Vocal ensembles templates

記譜法リファレンス: コンテキストの配置順序, コンテキストを作成して参照する


歌詞の水平方向の配置

歌詞の間隔を広げるには LyricSpaceminimum-distance プロパティを設定します。

\relative c' {
  c c c c
  \override Lyrics.LyricSpace.minimum-distance = #1.0
  c c c c
}
\addlyrics {
  longtext longtext longtext longtext
  longtext longtext longtext longtext
}

[image of music]

この変更を楽譜の全ての歌詞に適用するには、\layout ブロックの中でプロパティの設定を行います。

\score {
  \relative {
  c' c c c
  c c c c
  }
  \addlyrics {
  longtext longtext longtext longtext
  longtext longtext longtext longtext
  }
  \layout {
    \context {
      \Lyrics
      \override LyricSpace.minimum-distance = #1.0
    }
  }
}

[image of music]

Selected Snippets

歌詞の揃え位置

歌詞の水平方向の揃え位置は、LyricText オブジェクトの self-alignment-X プロパティをオーバライドすることで設定できます。-1 が左、0 が中央、1 が右になります。#LEFT, #CENTER, #RIGHT を用いることもできます。

\layout { ragged-right = ##f }

\relative c'' {
  c1
  c1
  c1
}
\addlyrics {
  \once \override LyricText.self-alignment-X = #LEFT
  "This is left-aligned"
  \once \override LyricText.self-alignment-X = #CENTER
  "This is centered"
  \once \override LyricText.self-alignment-X = 1
  "This is right-aligned"
}

[image of music]

既知の問題と警告

テキスト スクリプトと歌詞がマージンの中に収まることを確認するチェックはより多くの計算を必要とします。この機能を無効にすることで、処理をわずかにスピードアップすることができます:

\override Score.PaperColumn.keep-inside-line = ##f

歌詞が小節線を避けるようにするには、以下を使います:

\layout {
  \context {
    \Lyrics
      \consists Bar_engraver
      \consists Separating_line_group_engraver
      \hide BarLine
  }
}

歌詞と繰り返し

1 回の繰り返し

音楽 の繰り返しは別の場所で説明しています – 繰り返し を参照してください。このセクションでは、歌詞を繰り返しのある音楽に追加する方法について説明します。

繰り返しで歌詞の単語が変わらないのであれば、歌詞を音楽と同じ繰り返し構造にすることで、音楽に歌詞を付けることができます。

\score {
  <<
    \new Staff {
      \new Voice = "melody" {
        \relative {
          a'4 a a a
          \repeat volta 2 { b4 b b b }
        }
      }
    }
    \new Lyrics {
      \lyricsto "melody" {
        Not re -- peat -- ed.
        \repeat volta 2 { Re -- peat -- ed twice. }
      }
    }
  >>
}

[image of music]

繰り返しが展開された場合、歌詞も展開されます。

\score {
  \unfoldRepeats {
    <<
      \new Staff {
        \new Voice = "melody" {
          \relative {
            a'4 a a a
            \repeat volta 2 { b4 b b b }
          }
        }
      }
      \new Lyrics {
        \lyricsto "melody" {
          Not re -- peat -- ed.
          \repeat volta 2 { Re -- peat -- ed twice. }
        }
      }
    >>
  }
}

[image of music]

繰り返しが展開されて、異なる歌詞を持つ場合、単に歌詞の全ての単語を記述します:

\score {
  <<
    \new Staff {
      \new Voice = "melody" {
        \relative {
          a'4 a a a
          \repeat unfold 2 { b4 b b b }
        }
      }
    }
    \new Lyrics {
      \lyricsto "melody" {
        Not re -- peat -- ed.
        The first time words.
        Sec -- ond time words.
      }
    }
  >>
}

[image of music]

繰り返しの歌詞が異なる場合、並列に正しくネストされた別々の Lyrics コンテキストに各繰り返しの歌詞を入力する必要があります:

\score {
  <<
    \new Staff {
      \new Voice = "melody" {
        \relative {
          a'4 a a a
          \repeat volta 2 { b4 b b b }
        }
      }
    }
    \new Lyrics \lyricsto "melody" {
      Not re -- peat -- ed.
      <<
	{ The first time words. }
	\new Lyrics {
	  \set associatedVoice = "melody"
	  Sec -- ond time words.
	}
      >>
    }
  >>
}

[image of music]

同様の方法でさらに歌詞の行を追加することができます:

\score {
  <<
    \new Staff {
      \new Voice = "singleVoice" {
        \relative {
	  a'4 a a a
	  \repeat volta 3 { b4 b b b }
          c4 c c c
	}
      }
    }
    \new Lyrics \lyricsto "singleVoice" {
      Not re -- peat -- ed.
      <<
        { The first time words.	}
	\new Lyrics {
	  \set associatedVoice = "singleVoice"
	  Sec -- ond time words.
	}
	\new Lyrics {
	  \set associatedVoice = "singleVoice"
	  The third time words.
	}
      >>
      The end sec -- tion.
    }
  >>
}

[image of music]

しかしながら、この構造が ChoirStaff のような複数の譜を持つコンテキストに埋め込まれた場合、歌詞の 2 番と 3 番は譜の下に表示されます。

歌詞を正しく配置するには alignBelowContext を用います:

\score {
  <<
    \new Staff {
      \new Voice = "melody" {
        \relative {
	  a'4 a a a
	  \repeat volta 3 { b4 b b b }
          c4 c c c
	}
      }
    }
    \new Lyrics = "firstVerse" \lyricsto "melody" {
      Not re -- peat -- ed.
      <<
        { The first time words.	}
	\new Lyrics = "secondVerse"
        \with { alignBelowContext = "firstVerse" } {
	  \set associatedVoice = "melody"
	  Sec -- ond time words.
	}
	\new Lyrics = "thirdVerse"
        \with { alignBelowContext = "secondVerse" } {
	  \set associatedVoice = "melody"
	  The third time words.
	}
      >>
      The end sec -- tion.
    }
    \new Voice = "harmony" {
      \relative {
        f'4 f f f \repeat volta 2 { g8 g g4 g2 } a4 a8. a16 a2
      }
    }
  >>
}

[image of music]

差し替えのある繰り返し

繰り返し部分の歌詞が同じで、どの \alternative ブロックも休符で始まるのでなければ、歌詞と音楽で同じ構造を使うことができます。こうすることで \unfoldRepeats は音楽と歌詞の両方を正しく展開できます。

\score {
  <<
    \new Staff {
      \time 2/4
      \new Voice = "melody" {
        \relative {
          a'4 a a a
          \repeat volta 2 { b4 b }
          \alternative { { b b } { b c } }
        }
      }
    }
    \new Lyrics {
      \lyricsto "melody" {
        Not re -- peat -- ed.
        \repeat volta 2 { Re -- peat -- }
        \alternative { { ed twice. } { ed twice. } }
      }
    }
  >>
}

[image of music]

しかしながら、繰り返し部分の歌詞が異なるか、 どれかの \alternative ブロックが休符で始まる場合、歌詞に繰り返し構造を用いることはできず、歌詞を適用しない差し替え部分の音符をスキップするために手動で \skip コマンドを挿入する必要があります。

注意: 音符のスキップにアンダースコア _ を使わないでください – アンダースコアはメリスマを意味するため、前の音節が左揃えされてしまいます。

Note: \skip コマンドの後に数字を記述する必要があります。しかしながら、歌詞は \addlyrics\lyricsto で関連付けた旋律の音符から演奏時間を引き出すため、この数字は無視されます。各 \skip は後に続く数字の値に関係なく、任意の音価の音符を 1 つスキップします。

\score {
  <<
    \new Staff {
      \time 2/4
      \new Voice = "melody" {
        \relative {
          \repeat volta 2 { b'4 b }
          \alternative { { b b } { b c } }
          c4 c
        }
      }
    }
    \new Lyrics {
      \lyricsto "melody" {
        The first time words.
        \repeat unfold 2 { \skip 1 }
        End here.
      }
    }
    \new Lyrics {
      \lyricsto "melody" {
        Sec -- ond
        \repeat unfold 2 { \skip 1 }
        time words.
      }
    }
  >>
}

[image of music]

タイが途中で複数の差し替えに分かれる場合、最初の差し替えの音符がタイで結ばれ、2 番目以降の差し替えには \repeatTie が使用されます。この構造に歌詞が含まれることにより差し替え部分が長くなると、歌詞を音符に揃えることが困難となり、差し替え部分に含まれるタイの音符が受け入れがたい結果を発生させるかもしれません。

タイは最初の差し替えまで続くメリスマを作り出しますが、2 番目以降の差し替えには作りません。このため、歌詞を正しく揃えるには、差し替え部分でメリスマの自動作成を無効にして、手動でスキップを挿入する必要があります。

\score {
  <<
    \new Staff {
      \time 2/4
      \new Voice = "melody" {
        \relative {
          \set melismaBusyProperties = #'()
          \repeat volta 2 { b'4 b ~}
          \alternative { { b b } { b \repeatTie c } }
          \unset melismaBusyProperties
          c4 c
        }
      }
    }
    \new Lyrics {
      \lyricsto "melody" {
        \repeat volta 2 { Here's a __ }
        \alternative {
          { \skip 1 verse }
          { \skip 1 sec }
        }
        ond one.
      }
    }
  >>
}

[image of music]

\repeatTie を含むセクションの周辺で \unfoldRepeats が使われると、両方のタイプのタイが譜刻されるの避けるために \repeatTie は削除されます。

繰り返される部分の歌詞が異なる場合、その歌詞の周囲で \repeat を使うことはできず、前述のように手動で \skip コマンドを挿入する必要があります。

\score {
  <<
    \new Staff {
      \time 2/4
      \new Voice = "melody" {
        \relative {
          \repeat volta 2 { b'4 b ~}
          \alternative { { b b } { b \repeatTie c } }
          c4 c
        }
      }
    }
    \new Lyrics {
      \lyricsto "melody" {
        Here's a __ verse.
        \repeat unfold 2 { \skip 1 }
      }
    }
    \new Lyrics {
      \lyricsto "melody" {
        Here's one
        \repeat unfold 2 { \skip 1 }
        more to sing.
      }
    }
  >>
}

[image of music]

繰り返し部分から差し替え部分に延長線やハイフンを描きたいのであれば、それらを手動で挿入する必要があります。差し替え部分から次の部分に延長線やハイフンを描く場合も同様です。

\score {
  <<
    \new Staff {
      \time 2/4
      \new Voice = "melody" {
        \relative {
          \repeat volta 2 { b'4 b ~}
          \alternative { { b b } { b \repeatTie c } }
          c4 c
        }
      }
    }
    \new Lyrics {
      \lyricsto "melody" {
        Here's a __ verse.
        \repeat unfold 2 { \skip 1 }
      }
    }
    \new Lyrics {
      \lyricsto "melody" {
        Here's "a_"
        \skip 1
        "_" sec -- ond one.
      }
    }
  >>
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: コンテキストを残しておく, 繰り返し


歌詞のディヴィージ

ピッチが同じで歌詞とリズムが異なる 2 つのパートがある場合、一時的にメリスマの自動検出を off にして、歌詞の中でのメリスマ指示する手法を用いると適切な場合があります:

\score {
  <<
    \new Voice = "melody" {
      \relative c' {
        \set melismaBusyProperties = #'()
        \slurDown
        \slurDashed
        e4 e8 ( e ) c4 c |
        \unset melismaBusyProperties
        c
      }
    }
    \new Lyrics \lyricsto "melody" {
      They shall not o -- ver -- come
    }
    \new Lyrics \lyricsto "melody" {
      We will _
    }
  >>
}

[image of music]

2 つのパートの音楽と歌詞の両方が異なる場合、2 つの名前付きボイス コンテキストを作成して、それぞれに歌詞を付属させることで、異なる音楽と歌詞として表示させた方が良いかもしれません:

\score {
  <<
    \new Voice = "melody" {
      \relative {
        <<
          {
            \voiceOne
            e'4 e8 e
          }
          \new Voice = "splitpart" {
            \voiceTwo
            c4 c
          }
        >>
        \oneVoice
        c4 c |
        c
      }
    }
    \new Lyrics \lyricsto "melody" {
      They shall not o -- ver -- come
    }
    \new Lyrics \lyricsto "splitpart" {
      We will
    }
  >>
}

[image of music]

合唱音楽では、一部の小節において声部が分かれることがよくあります。2 つ以上の音楽表記がバックスラッシュ 2 つで分割される << {…} \\ {…} >> 構造は、声部の分割する正しい方法であるように見えます。しかしながらこの構造は、内部にある全ての音楽表記を新しい Voice コンテキストに割り当てるため、元の Voice コンテキストに歌詞を設定しても歌詞は表示されません。これは通常望むものではないでしょう。一時的に多声となる楽節を用いるのが適切です。単一譜の多声一時的に多声となる楽節 (パッセージ) 節を参照してください。


歌詞を共有する多声

2 つのボイスが異なるリズムを持ち、同じ歌詞を共有する場合、片方のボイスに歌詞を合わせるともう片方には合いません。下の例では、歌詞が上のボイスにのみ合わせられているため、2 つ目の延長線が短すぎます:

soprano = \relative { b'8( c d c) d2 }
alto = \relative { g'2 b8( a g a) }
words = \lyricmode { la __ la __ }

\new Staff <<
  \new Voice = "sopranoVoice" { \voiceOne \soprano }
  \new Voice { \voiceTwo \alto }
  \new Lyrics \lyricsto "sopranoVoice" \words
>>

[image of music]

望んでいた結果を得るには、2 つのボイスを適切に合わせた新たな NullVoice コンテキストを作り、歌詞をそれに合わせます。NullVoice コンテキストの音符は出力には現れませんが、歌詞を正しく合わせるのに使うことができます:

soprano = \relative { b'8( c d c) d2 }
alto = \relative { g'2 b8( a g a) }
aligner = \relative { b'8( c d c) b( a g a) }
words = \lyricmode { la __ la __ }

\new Staff <<
  \new Voice { \voiceOne \soprano }
  \new Voice { \voiceTwo \alto }
  \new NullVoice = "aligner" \aligner
  \new Lyrics \lyricsto "aligner" \words
>>

[image of music]

この方法は、単体では歌詞をサポートしていない \partCombine 関数にも用いることができます:

soprano = \relative { b'8( c d c) d2 }
alto = \relative { g'2 b8( a g a) }
aligner = \relative { b'8( c d c) b( a g a) }
words = \lyricmode { la __ la __ }

\new Staff <<
  \new Voice \partCombine \soprano \alto
  \new NullVoice = "aligner" \aligner
  \new Lyrics \lyricsto "aligner" \words
>>

[image of music]

既知の問題と警告

\addlyrics 関数は Voice にのみ動作するため、NullVoice と一緒に用いることはできません。

\partCombine 関数については、自動パート結合に説明があります。

最後に、この方法はボイスが異なる譜にある場合にも用いることができ、2 つよりも多くのボイスにも適用することができます:

soprano = \relative { b'8( c d c) d2 }
altoOne = \relative { g'2 b8( a b4) }
altoTwo = \relative { d'2 g4( fis8 g) }
aligner = \relative { b'8( c d c) d( d d d) }
words = \lyricmode { la __ la __ }

\new ChoirStaff \with {\accepts NullVoice } <<
  \new Staff \soprano
  \new NullVoice = "aligner" \aligner
  \new Lyrics \lyricsto "aligner" \words
  \new Staff \partCombine \altoOne \altoTwo
>>

[image of music]


2.1.3 歌詞の節


歌詞の節番号を追加する

stanza を設定することにより、歌詞の節番号を追加することができます。例を挙げます:

\new Voice \relative {
  \time 3/4 g'2 e4 a2 f4 g2.
} \addlyrics {
  \set stanza = "1. "
  Hi, my name is Bert.
} \addlyrics {
  \set stanza = "2. "
  Oh, ché -- ri, je t'aime
}

[image of music]

これらの番号は歌詞の前に配置されます。2 行からなる節をグループ化することができます。これは例えば、繰り返しで歌詞が異なる場合に有用です:

leftbrace = \markup {
  \override #'(font-encoding . fetaBraces)
  \lookup "brace80"
}

stanzaOneOne = \lyricmode {
  \set stanza = \markup {
    \column { \vspace #.33 "1. "}
    \leftbrace
  }
  Child, you’re mine and I love you.
  Lend thine ear to what I say.
}

stanzaOneThree = \lyricmode {
  Child, I have no great -- er joy
  Than to have you walk in truth.
}

\new Voice {
  \repeat volta 2 {
    c'8 c' c' c' c' c' c'4
    c'8 c' c' c' c' c' c'4
  }
}
\addlyrics { \stanzaOneOne }
\addlyrics { \stanzaOneThree }

[image of music]


歌詞の節に強弱記号を追加する

歌詞の前に強弱記号を配置することによって、歌詞の音の大きさの違いを示すことができます。LilyPond では、歌詞の前に配置されるものはすべて StanzaNumber オブジェクトに格納します – 強弱記号も同じです。技術的な理由により、歌詞の設定を \lyricmode の外で行う必要があります:

text = {
  \set stanza = \markup { \dynamic "ff" "1. " }
  \lyricmode {
    Big bang
  }
}

<<
  \new Voice = "tune" {
    \time 3/4
    g'4 c'2
  }
\new Lyrics \lyricsto "tune" \text
>>

[image of music]


歌詞の節に歌手の名前を追加する

歌手の名前を追加することもできます。歌手の名前は、楽器名と同様に、行の先頭に譜刻されます。vocalName を設定することにより、歌手名を作成します。shortVocalName として短縮名を入力することができます。

\new Voice \relative {
  \time 3/4 g'2 e4 a2 f4 g2.
} \addlyrics {
  \set vocalName = "Bert "
  Hi, my name is Bert.
} \addlyrics {
  \set vocalName = "Ernie "
  Oh, ché -- ri, je t'aime
}

[image of music]


リズムが異なる歌詞の節

しばしば、1 つの歌で歌詞の節によって歌詞を旋律に配置する仕方が若干異なる場合があります。そのような変化も \lyricsto で対応することができます。

メリスマを無視する

歌詞のある節ではメリスマになっているものが、他の節では複数の音節に分かれている場合があります。これを実現するには、複数音節に分かれるボイスはメリスマを無視するようにします。これは Lyrics コンテキストの中で ignoreMelismata を設定します。

<<
  \relative \new Voice = "lahlah" {
    \set Staff.autoBeaming = ##f
    c'4
    \slurDotted
    f8.[( g16])
    a4
  }
  \new Lyrics \lyricsto "lahlah" {
    more slow -- ly
  }
  \new Lyrics \lyricsto "lahlah" {
    go
    \set ignoreMelismata = ##t
    fas -- ter
    \unset ignoreMelismata
    still
  }
>>

[image of music]

既知の問題と警告

たいていの \set コマンドとは異なり、\set ignoreMelismata は前に \once があると機能しません。メリスマを無視させる歌詞の範囲を \set\unset で囲む必要があります。

装飾小音符に音節を割り当てる

デフォルトでは、\lyricsto を用いても装飾小音符 (つまり、\grace) には音節は割り当てられません。しかしながら、この振る舞いを変更することができます:

<<
  \new Voice = melody \relative {
    f'4 \appoggiatura a32 b4
    \grace { f16 a16 } b2
    \afterGrace b2 { f16[ a16] }
    \appoggiatura a32 b4
    \acciaccatura a8 b4
  }
  \new Lyrics
  \lyricsto melody {
    normal
    \set includeGraceNotes = ##t
    case,
    gra -- ce case,
    after -- grace case,
    \set ignoreMelismata = ##t
    app. case,
    acc. case.
  }
>>

[image of music]

既知の問題と警告

associatedVoice と同様に、includeGraceNotes は少なくとも装飾小音符に割り当てる音節よりも前に設定する必要があります。装飾小音符が音楽の始めにある場合は、\with または \context ブロックを使うことを検討してください:

<<
  \new Voice = melody \relative c' {
    \grace { c16( d e f }
    g1) f
  }
  \new Lyrics \with { includeGraceNotes = ##t }
  \lyricsto melody {
    Ah __ fa
  }
>>

[image of music]

代替の旋律に切り替える

音楽への歌詞の割り当て方をもっと複雑に変化させることができます。associatedVoice プロパティを設定することで、歌詞の中で歌詞を割り当てる旋律を変更することができます:

<<
  \relative \new Voice = "lahlah" {
    \set Staff.autoBeaming = ##f
    c'4
    <<
      \new Voice = "alternative" {
        \voiceOne
        \tuplet 3/2 {
          % show associations clearly.
          \override NoteColumn.force-hshift = #-3
          f8 f g
        }
      }
      {
        \voiceTwo
        f8.[ g16]
        \oneVoice
      } >>
    a8( b) c
  }
  \new Lyrics \lyricsto "lahlah" {
    Ju -- ras -- sic Park
  }
  \new Lyrics \lyricsto "lahlah" {
    % トリック: associatedVoice を 1 音節早く設定する必要があります!
    \set associatedVoice = "alternative" % "ran" に適用されます
    Ty --
    ran --
    no --
    \set associatedVoice = "lahlah" % "rus" に適用されます
    sau -- rus Rex
  } >>

[image of music]

歌詞の 1 番のテキストは通常の方法で旋律 ‘lahlah’ に割り当てられます。しかしながら、歌詞の 2 番は最初は lahlah コンテキストに割り当てられていますが、音節 ‘ran’ から ‘sau’ までの割り当てが旋律 alternative に切り替わります:

\set associatedVoice = "alternative" % "ran" に適用されます
Ty --
ran --
no --
\set associatedVoice = "lahlah" % "rus" に適用されます
sau -- rus Rex

ここで、alternative は 3 連符を保持している Voice コンテキストの名前です。

\set associatedVoice コマンドの配置に注意してください – 1 音節早く出現していますが、これで正しく機能します。

Note: \set associatedVoice コマンドは、割り当てが新しいボイスに切り替わる音節の前に配置する必要があります。言い換えると、ボイスの変更は予想よりも 1 音節遅く発生します。これは技術的な理由によるものであり、バグではありません。


歌詞の節を楽譜の終わりに譜刻する

しばしば、歌詞の 1 番を音楽にセットして、残りを詩の形式で楽譜の終わりに追加する方が適切な場合があります。これは、2 番以降を score ブロックの外の \markup セクションに追加することで実現できます。\markup で 2 つの方法で改行していることに注意してください。

melody = \relative {
e' d c d | e e e e |
d d e d | c1 |
}

text = \lyricmode {
\set stanza = "1." Ma- ry had a lit- tle lamb,
its fleece was white as snow.
}

\score { <<
  \new Voice = "one" { \melody }
  \new Lyrics \lyricsto "one" \text
>>
  \layout { }
}
\markup {
  \column {
    \line { Verse 2. }
    \line { All the children laughed and played }
    \line { To see a lamb at school. }
  }
}
\markup {
  \wordwrap-string "
  Verse 3.

  Mary took it home again,

  It was against the rule."
}

[image of music]


歌詞の節を楽譜の終わりに複数の列で譜刻する

歌詞の節が多い場合、ページを複数の列に分けて歌詞を譜刻することがあります。しばしば、歌詞番号を列の外側に置くこともあります。以下の例は、LilyPond でそのような出力を作り出す方法を示しています。

melody = \relative {
  c'4 c c c | d d d d
}

text = \lyricmode {
  \set stanza = "1." This is verse one.
  It has two lines.
}

\score {
  <<
    \new Voice = "one" { \melody }
    \new Lyrics \lyricsto "one" \text
  >>
  \layout { }
}

\markup {
  \fill-line {
    \hspace #0.1 % この列を左マージンから離します
    % ページが過密な場合はこの設定を削除します
    \column {
      \line { \bold "2."
        \column {
          "This is verse two."
          "It has two lines."
        }
      }
      \combine \null \vspace #0.1 % 次の歌詞との間に垂直方向のスペースを入れます
      \line { \bold "3."
        \column {
          "This is verse three."
          "It has two lines."
        }
      }
    }
    \hspace #0.1 % 列の間に水平方向のスペースを入れます
    \column {
      \line { \bold "4."
        \column {
          "This is verse four."
          "It has two lines."
        }
      }
      \combine \null \vspace #0.1 % 次の歌詞との間に垂直方向のスペースを入れます
      \line { \bold "5."
        \column {
          "This is verse five."
          "It has two lines."
        }
      }
    }
  \hspace #0.1 % 右マージンに追加のスペースを加えます
  % ページが過密な場合はこの設定を削除します
  }
}

[image of music]

参照

内部リファレンス: LyricText, StanzaNumber


2.1.4 歌曲


歌曲のためのリファレンス

通常、歌曲は 3 つの譜に記譜され、上の譜を歌の旋律、下の 2 つの譜をピアノ伴奏とします。歌詞の 1 番は旋律の譜の直下に譜刻されます。歌詞の節が少しであれば 2 番以降を 1 番の下に譜刻することができます。しかしながら、歌詞の節が多くて収容し難い場合は、2 番以降の歌詞を楽譜の後に独立したテキストとして譜刻します。

歌曲を記述するのに必要とされる記譜要素はすべて別の場所で説明しています:

参照

学習マニュアル: Songs

記譜法リファレンス: 声楽で共通の記譜法, 和音を表示する, 譜を表示する, キーボードと他の複数譜の楽器, 歌詞の垂直方向の配置, 歌詞の節

コード断片集: Vocal music


リード譜

ボーカル パートと ‘和音モード’ を組み合わせることによって、リード譜を譜刻することができます。和音モードの構文についての説明は 和音記譜法 にあります。

Selected Snippets

シンプル リード シート

コード ネーム、メロディ、歌詞をまとめるとリード シートとなります:

<<
  \chords { c2 g:sus4 f e }
  \new Staff \relative c'' {
    a4 e c8 e r4
    b2 c4( d)
  }
  \addlyrics { One day this shall be free __ }
>>

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 和音記譜法


2.1.5 合唱

このセクションでは、合唱との関連が最も強い記譜法について説明します。合唱には、賛美歌、パート ソング、聖譚曲等が含まれます。


合唱のためのリファレンス

通常、合唱は ChoirStaff グループ内の 2, 3, あるいは 4 つの譜に記譜します。伴奏が必要であれば、合唱譜の下に PianoStaff グループを配置します。アカペラ のリハーサル譜であれば、普通は伴奏譜のサイズを小さくします。各ボーカル パートの音符は Voice コンテキストの中に配置し、各譜は単一のボーカル パート (つまり、1 つの Voice) あるいはボーカル パートのペア (つまり、2 つの Voice) を受け持ちます。

歌詞は Lyrics コンテキストの中に配置します。各歌詞は対応するの譜の下に配置するか、 あるいは譜が 2 パートを保持している場合は 1 つを譜の上、

合唱に共通するいくつかのトピックスは別の場所で説明しています:

  • SATB (S: ソプラノ、A: アルト、T: テナー、B: バス) ボーカル譜の導入部は学習マニュアルにあります。Four-part SATB vocal score を参照してください。また、SATB ボーカル譜の作成を簡単にする組み込みのテンプレートがあります。Built-in templates を参照してください。
  • 学習マニュアルには、様々なスタイルの合唱に適したいくつかのテンプレートもあります。Vocal ensembles templates を参照してください。
  • ChoirStaffPianoStaff についての情報は、譜をグループ化する を参照してください。
  • セイクリッド ハープや動揺の記譜法で用いられるシェイプ符頭について、シェイプ ノートの符頭 で説明しています。
  • 2 つのボーカル パートが 1 つの譜を共有する場合、上のパートの符幹、タイ、スラー等は上向きになり、下のパートは下向きになります。これを実現するには、\voiceOne\voiceTwo を用います。単一譜の多声 を参照してください。
  • ボーカル パートが一時的に分かれる場合は、一時的に多声となる楽節 を使うべきです (単一譜の多声 を参照してください)。

定義済みコマンド

\oneVoice, \voiceOne, \voiceTwo

参照

学習マニュアル: Four-part SATB vocal score, Vocal ensembles templates

記譜法リファレンス: コンテキストの配置順序, 譜をグループ化する, シェイプ ノートの符頭, 単一譜の多声

コード断片集: Vocal music

内部リファレンス: ChoirStaff, Lyrics, PianoStaff


合唱のための楽譜レイアウト

通常、4 つの譜を保持している合唱のシステムは、ピアノ伴奏があっても無くても、ページ毎に 2 つ配置されます。ページのサイズによっては、これを実現するためにいくつかのデフォルト設定を変更する必要があるかもしれません。以下の設定を考慮する必要があります:

  • グローバル譜サイズを変更することで、楽譜の要素全体のサイズを変更することができます。譜サイズを設定する を参照してください。
  • システム、譜、それに歌詞の間隔はすべて独立して調節することができます。垂直方向のスペース を参照してください。
  • 垂直方向のレイアウト変数の値を表示することで、垂直方向のスペースを調節する手助けとすることができます。少ないページに音楽を収めるための方法として、レイアウト変数の表示と他の事柄を 音楽を少ないページに収める で説明しています。
  • ページ毎のシステム数を 1 から 2 に変更した場合、そのことを示すために慣例として 2 つのシステムの間にシステム セパレータを配置します。システムを分割する を参照してください。
  • 他のページ フォーマット プロパティについての詳細は ページ レイアウト を参照してください。

強弱記号はデフォルトでは譜の下に配置されます。しかしながら、合唱では歌詞を避けるために、普通は強弱記号を譜の上に配置します。あらかじめ定義されているコマンド \dynamicUp は 1 つの Voice コンテキストの強弱記号の配置を譜の上にします。Voice コンテキストが複数ある場合、このコマンドを各コンテキスト内に配置する必要があります。代替手段として、強弱記号のプロパティを変更することで、 楽譜全体ですべての強弱記号を対応する譜の上に配置させることができます。以下に方法を示します:

\score {
  \new ChoirStaff <<
    \new Staff {
      \new Voice {
        \relative { g'4\f g g g }
      }
    }
    \new Staff {
      \new Voice {
        \relative { d'4 d d\p d }
      }
    }
  >>
  \layout {
    \context {
      \Score
      \override DynamicText.direction = #UP
      \override DynamicLineSpanner.direction = #UP
    }
  }
}

[image of music]

定義済みコマンド

\dynamicUp, \dynamicDown, \dynamicNeutral

参照

記譜法リファレンス: スペースを変更する, スペースを表示する, 音楽を少ないページに収める, ページ レイアウト, 楽譜レイアウト, システムを分割する, 譜サイズを設定する, 改行/改ページ, 垂直方向のスペース

内部リファレンス: VerticalAxisGroup, StaffGrouper

Selected Snippets

ディビジを見やすくするために arpeggioBracket を使用する

符幹が存在しないため情報がない場合に、ボイスの分割を arpeggioBracket で表すことができます。これは合唱曲によく見られます。

\include "english.ly"

\score {
  \relative c'' {
    \key a \major
    \time 2/2
    <<
      \new Voice = "upper"
      <<
        { \voiceOne \arpeggioBracket
          a2( b2
          <b d>1\arpeggio)
          <cs e>\arpeggio ~
          <cs e>4
        }
        \addlyrics { \lyricmode { A -- men. } }
      >>
      \new Voice = "lower"
      { \voiceTwo
        a1 ~
        a
        a ~
        a4 \bar "|."
      }
    >>
  }
  \layout { ragged-right = ##t }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 直線の発想記号


2.1.6 オペラと舞台ミュージカル

通常、オペラや舞台ミュージカルの音楽、歌詞、それに会話は、以下の形式の 1 つまたは複数により構築されます:

  • A 指揮譜 はフル オーケストラとボーカル パート、台詞がある場合は台詞の合図を保持します。
  • オーケストラ パート はオーケストラやバンドの個々の楽器の音楽を保持します。
  • ボーカル譜 は全てのボーカル パートとピアノ伴奏を保持します。通常、伴奏はオーケストラの縮小版であり、しばしばオーケストラのオリジナルの楽器名が示されます。ボーカル譜に舞台指示や台詞の合図が含まれることもあります。
  • ボーカル ブック はボーカル パートだけを保持します (伴奏はありません)。台詞の合図が含まれることもあります。
  • 台詞 はミュージカルの台詞と歌詞を保持します。普通は、舞台指示が含まれます。LilyPond で台詞を譜刻することはできますが、台詞には音楽が無いため、他の手段を用いる方が好ましいかもしれません。

オペラや舞台ミュージカルに共通するスタイルの楽譜を作り出すのに必要なトピックスをカバーしているLilyPond ドキュメントのセクションを以下のリファレンスで示します。その後のセクションでオペラや舞台ミュージカルの譜刻に特有のテクニックをカバーします。


オペラや舞台ミュージカルのためのリファレンス

  • 指揮譜は多くのグループ化された譜と歌詞を保持します。譜をグループ化する方法は 譜をグループ化する で説明しています。譜のグループをネストする方法は ネストされた譜グループ を参照してください。
  • 指揮譜とボーカル譜では、空の譜の譜刻を抑制することがあります。そのような “Frenched score” を作成する方法は 譜を隠す を参照してください。
  • オーケストラ パートを記述する方法は パートを記述する でカバーしています。オーケストラの楽器編成によっては、専門的な記譜法の他のセクションも関係するかもしれません。多くの楽器は移調楽器です – 楽器の移調 を参照してください。
  • ページのシステム数をページ毎に変える場合、慣習的にシステムの間にシステム分離記号を配置します。システムを分割する を参照してください。
  • 他のページ フォーマット プロパティの詳細は ページ レイアウト を参照してください。
  • 台詞の合図、舞台指示、それに脚注を挿入することができます – 脚注を作成するテキスト を参照してください。2 つの \score の間に独立したセクションとして詳細な舞台指示を追加することもできます – 独立したテキスト を参照してください。

参照

音楽用語集: Frenched score, Frenched staves, transposing instrument

記譜法リファレンス: 脚注を作成する, 譜をグループ化する, 譜を隠す, 楽器の移調, ネストされた譜グループ, ページ レイアウト, システムを分割する, 移調, パートを記述する, テキストを記述する

コード断片集: Vocal music


役名

通常、1 つの役に割り当てられている譜には左側に役名を示します:

\score {
  <<
    \new Staff {
      \set Staff.vocalName = \markup \smallCaps Kaspar
      \set Staff.shortVocalName = \markup \smallCaps Kas.
      \relative {
        \clef "G_8"
        c'4 c c c
        \break
        c4 c c c
      }
    }
    \new Staff {
      \set Staff.vocalName = \markup \smallCaps Melchior
      \set Staff.shortVocalName = \markup \smallCaps Mel
      \clef "bass"
      \relative {
        a4 a a a
        a4 a a a
      }
    }
  >>
}

[image of music]

複数の役が 1 つの譜を共有する場合、それぞれの役に適用されるセクションの開始時に、その役名を譜の上に譜刻します。 これは、マークアップで実現できます。しばしば、この目的のために専用のフォントを用います。

\relative c' {
  \clef "G_8"
  c4^\markup \fontsize #1 \smallCaps Kaspar
  c c c
  \clef "bass"
  a4^\markup \fontsize #1 \smallCaps Melchior
  a a a
  \clef "G_8"
  c4^\markup \fontsize #1 \smallCaps Kaspar
  c c c
}

[image of music]

役の入れ替えが頻繁にある場合、それぞれの役の定義を保持した変数を作り、役の入れ替えを容易に、そして正確に示す方が簡単かもしれません。

kaspar = {
  \clef "G_8"
  \set Staff.shortVocalName = "Kas."
  \set Staff.midiInstrument = "voice oohs"
  <>^\markup \smallCaps "Kaspar"
}

melchior = {
  \clef "bass"
  \set Staff.shortVocalName = "Mel."
  \set Staff.midiInstrument = "choir aahs"
  <>^\markup \smallCaps "Melchior"
}

\relative c' {
  \kaspar
  c4 c c c
  \melchior
  a4 a a a
  \kaspar
  c4 c c c
}

[image of music]

参照

学習マニュアル: Organizing pieces with variables

記譜法リファレンス: テキスト, \markup コマンドの一覧


合図

入りの直前にある他のパートの音楽を示すため、合図をボーカル譜、ボーカル ブック、それにオーケストラ パートに挿入することができます。さらに、合図はボーカル譜のピアノ伴奏にもしばしば挿入され、どのオーケストラ楽器が演奏されるのかを示します。これはフルの指揮譜を使用できない場合に、指揮者の助けとなります。

合図を挿入する基本的な仕組みはメインのテキストで完全に説明しています – 他のボイスを引用するテキストをフォーマットする を参照してください。しかしながら、多くの合図を挿入する必要がある場合 – 例えば、ボーカル譜のピアノ伴奏に楽器名を入れる場合、楽器名を合図音符の直前に注意深く配置する必要があります。以下の例は、これを実現する方法を示しています。

flute = \relative {
  s4 s4 e'' g
}
\addQuote "flute" { \flute }

pianoRH = \relative {
  c''4. g8
  % 合図音符の楽器名を、合図音符の直前、かつ譜の上に配置します
  <>^\markup { \right-align { \tiny "Flute" } }
  \cueDuring "flute" #UP { g4 bes4 }
}
pianoLH = \relative { c4 <c' e> e, <g c> }

\score {
  \new PianoStaff <<
    \new Staff {
      \pianoRH
    }
    \new Staff {
      \clef "bass"
      \pianoLH
    }
  >>
}

[image of music]

移調楽器が引用される場合、その楽器の合図音符が自動的に変換されるよう、楽器パートでキーを指定しておく必要があります。以下の例は B-フラットのクラリネットの移調を示しています。この例では合図音符は譜の下方に配置されるため、\cueDuring の中で DOWN を指定し (これにより、符幹が下向きになります)、楽器名を譜の下に配置しています。

clarinet = \relative c' {
  \transposition bes
  fis4 d d c
}
\addQuote "clarinet" { \clarinet }

pianoRH = \relative c'' {
  \transposition c'
  % 合図音符の楽器名を譜の下に配置します
  <>_\markup { \right-align { \tiny "Clar." } }
  \cueDuring "clarinet" #DOWN { c4. g8 }
  g4 bes4
}
pianoLH = \relative { c4 <c' e> e, <g c> }

\score {
  <<
    \new PianoStaff <<
      \new Staff {
        \new Voice {
          \pianoRH
        }
      }
      \new Staff {
        \clef "bass"
        \pianoLH
      }
    >>
  >>
}

[image of music]

上記の 2 例から、ボーカル譜に多くの合図を挿入することは退屈な作業で、入力ファイルでピアノ パートの音符が不明瞭になることは明白です。しかしながら、以下のコード断片で示すように、タイピングを減らして、ピアノの音符を明瞭にする音楽関数を定義することが可能です。

Selected Snippets

ボーカル譜にオーケストラの合図音符を追加する

これは、ボーカル譜に添えられるピアノ リダクションに多くのオーケストラの合図音符を追加しやすくするためのスニペットです。音楽関数 \cueWhile は 4 つの引数を取ります: 1 つ目は、\addQuote と同様の、合図音符の引用元となる音楽です。2 つ目は、合図音符の前に表示される名前です。3 つ目は、音符を \voiceOne で表示して名前を譜の上に表示するか、 音符を \voiceTwo で表示して名前を譜の下に表示するかを決定する #UP または #DOWN です。4 つ目は、合図音符が出現する部分のピアノの音楽です。合図音符の前に表示される名前は、音符の左端に揃えられます。様々な楽節を合図音符として表示することができますが、一度に複数個重ねることはできません。

cueWhile =
#(define-music-function
   (instrument name dir music)
   (string? string? ly:dir? ly:music?)
   #{
     \cueDuring $instrument #dir {
       \once \override TextScript.self-alignment-X = #RIGHT
       \once \override TextScript.direction = $dir
       <>-\markup { \tiny #name }
       $music
     }
   #})

flute = \relative c'' {
  \transposition c'
  s4 s4 e g
}
\addQuote "flute" { \flute }

clarinet = \relative c' {
  \transposition bes
  fis4 d d c
}
\addQuote "clarinet" { \clarinet }

singer = \relative c'' { c4. g8 g4 bes4 }
words = \lyricmode { here's the lyr -- ics }

pianoRH = \relative c'' {
  \transposition c'
  \cueWhile "clarinet" "Clar." #DOWN { c4. g8 }
  \cueWhile "flute" "Flute" #UP { g4 bes4 }
}
pianoLH = \relative c { c4 <c' e> e, <g c> }

\score {
  <<
    \new Staff {
      \new Voice = "singer" {
        \singer
      }
    }
    \new Lyrics {
      \lyricsto "singer"
      \words
    }
    \new PianoStaff <<
      \new Staff {
        \new Voice {
          \pianoRH
        }
      }
      \new Staff {
        \clef "bass"
        \pianoLH
      }
    >>
  >>
}

[image of music]

参照

音楽用語集: cue-notes

記譜法リファレンス: オブジェクトを揃える, 向きと配置, 合図音符をフォーマットする, 他のボイスを引用する, 音楽関数を使用する

コード断片集: Vocal music

内部リファレンス: CueVoice

既知の問題と警告

\cueDuring は自動的に CueVoice コンテキストを挿入し、すべての合図音符がこのコンテキストの中に配置されます。このことは、この方法では 1 つの合図音符の途中には他の合図音符を挿入することはできないということを意味します。これを行うには、別々の CueVoice コンテキストを明示的に宣言して、合図音符の抽出と挿入に \quoteDuring を用います。


語り音楽

‘parlato’ や ‘Sprechgesang’ などのエフェクトは、演者にピッチを持たずに、しかしながらリズムを持ちながら話すことを要求します。これは、特殊な符頭 で示すように、×の符頭で記譜します。


音楽の中での会話

通常、音楽の中での会話は譜の上にイタリック体で譜刻され、各フレーズの開始は特定の音楽イベントに紐付けられます。

短いフレーズであれば、単純なマークアップ接尾辞を用います。

\relative {
  a'4^\markup { \smallCaps { Alex - } \italic { He's gone } } a a a
  a4 a a^\markup { \smallCaps { Bethan - } \italic Where? } a
  a4 a a a
}

[image of music]

長いフレーズの場合は、フレーズをきちんと収められるよう楽譜を拡張する必要があるかもしれません。 LilyPond はこれを完全に自動的に行う機能を備えておらず、ページをレイアウトするために何らかの手作業が必要です。

密に詰め込まれた長い会話を持つフレーズやパッセージでは、Lyrics コンテキストを用いると良い結果を得られます。この Lryics コンテキストをボイスに関連付けすべきではなく、代わりに会話の各セクションの演奏時間を明示的に指定します。会話にずれがある場合、会話から最後の言葉を分離させて、それぞれに演奏時間を割り当てることで、下の音楽に対してスムーズに配置されます。

会話が複数行に広がる場合、手動で \break を挿入して、右マージンが不足しないよう会話の配置を調節する必要があります。各行の最終小節に配置される最後の単語も上記と同様に分離させる必要があります。

ここで、これまで述べてきたことを行う例を挙げます:

music = \relative {
  \repeat unfold 3 { a'4 a a a }
}

dialogue = \lyricmode {
  \markup {
    \fontsize #1 \upright \smallCaps Abe:
    "Say this over measures one and"
  }4*7
  "two"4 |
  \break
  "and this over measure"4*3
  "three"4 |
}

\score {
  <<
    \new Lyrics \with {
      \override LyricText.font-shape = #'italic
      \override LyricText.self-alignment-X = #LEFT
    }
    { \dialogue }
    \new Staff {
      \new Voice { \music }
    }
  >>
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 歌詞音節の手動演奏時間, テキスト

内部リファレンス: LyricText


2.1.7 聖歌と賛美歌

通常、詠唱、聖歌、それに賛美歌の音楽と言葉は特定の教会で確立されたフォーマットに従います。教会毎にフォーマットが異なりますが、発生する譜刻の問題は概して共通していて、このセクションでカバーします。


聖歌と賛美歌のためのリファレンス

グレゴリオ聖歌を様々なスタイルの古代記譜法で譜刻する方法を 古代の記譜法 で説明しています。

参照

記譜法リファレンス: 古代の記譜法

コード断片集: Vocal music


聖歌を設定する

現代の聖歌のための設定では、種々の古代記譜法の要素を加えた現代の記譜法を用います。考慮すべき要素や手法のいくつかを以下で示します。

聖歌ではしばしば、符幹の無い 4 分音符でピッチを示します。リズムは単語の音声リズムから取ります。

stemOff = { \hide Staff.Stem }

\relative c' {
  \stemOff
  a'4 b c2 |
}

[image of music]

聖歌ではしばしば小節線を省略したり、短い小節線や点線の小節線を用いて音楽の一時停止を示したりします。譜の小節線をすべて省略するには、小節線エングラーバを完全に削除します:

\score {
  \new StaffGroup <<
    \new Staff {
      \relative {
        a'4 b c2 |
        a4 b c2 |
        a4 b c2 |
      }
    }
    \new Staff {
      \relative {
        a'4 b c2 |
        a4 b c2 |
        a4 b c2 |
      }
    }
  >>
  \layout {
    \context {
      \Staff
      \remove Bar_engraver
    }
  }
}

[image of music]

譜毎に小節線を削除することもできます:

\score {
  \new ChoirStaff <<
    \new Staff
    \with { \remove Bar_engraver } {
      \relative {
        a'4 b c2 |
        a4 b c2 |
        a4 b c2 |
      }
    }
    \new Staff {
      \relative {
        a'4 b c2 |
        a4 b c2 |
        a4 b c2 |
      }
    }
  >>
}

[image of music]

譜の一部の小節線だけを削除するには、その部分を即興 (カデンツァ) として扱います。小節線を削除する範囲が長い場合、改行位置を示すためにダミーの小節線 \bar "" を挿入する必要があるかもしれません。

\relative a' {
  a4 b c2 |
  \cadenzaOn
  a4 b c2
  a4 b c2
  \bar ""
  a4 b c2
  a4 b c2
  \cadenzaOff
  a4 b c2 |
  a4 b c2 |
}

[image of music]

小節線を変更することによって、聖歌の休止や一時停止を示すことができます。

\relative a' {
  a4
  \cadenzaOn
  b c2
  a4 b c2
  \bar "'"
  a4 b c2
  a4 b c2
  \bar ";"
  a4 b c2
  \bar "!"
  a4 b c2
  \bar "||"
}

[image of music]

現代の記譜法を用いながらも、休止や一時停止にグレゴリオ聖歌で用いられる記譜法を用いる場合もあります。これには \breathe 記号を変更して使います:

divisioMinima = {
  \once \override BreathingSign.stencil = #ly:breathing-sign::divisio-minima
  \once \override BreathingSign.Y-offset = #0
  \breathe
}
divisioMaior = {
  \once \override BreathingSign.stencil = #ly:breathing-sign::divisio-maior
  \once \override BreathingSign.Y-offset = #0
  \breathe
}
divisioMaxima = {
  \once \override BreathingSign.stencil = #ly:breathing-sign::divisio-maxima
  \once \override BreathingSign.Y-offset = #0
  \breathe
}
finalis = {
  \once \override BreathingSign.stencil = #ly:breathing-sign::finalis
  \once \override BreathingSign.Y-offset = #0
  \breathe
}

\score {
  \relative {
    g'2 a4 g
    \divisioMinima
    g2 a4 g
    \divisioMaior
    g2 a4 g
    \divisioMaxima
    g2 a4 g
    \finalis
  }
  \layout {
    \context {
      \Staff
      \remove Bar_engraver
    }
  }
}

[image of music]

聖歌は通常、拍子記号を省略し、しばしば音部記号も省略します。

\score {
  \new Staff {
    \relative {
      a'4 b c2 |
      a4 b c2 |
      a4 b c2 |
    }
  }
  \layout {
    \context {
      \Staff
      \remove Bar_engraver
      \remove Time_signature_engraver
      \remove Clef_engraver
    }
  }
}

[image of music]

通常、英国教会の伝統的な聖歌は シングル – 7 小節の音楽 – か、ダブル – 7 小節の音楽を 2 組 – のどちらかです。歌詞の各節が半分に分けられるのに対応して、7 小節の各グループは半分に分けられ、通常は 2 重小節線で区切られます。使われる音符は全音符と半音符だけです。半分に分けられたグループの最初の小節は常に全音符の和音を保持します。これが “主要音” です。通常、聖歌はページの中央に配置されます。

SopranoMusic = \relative {
  g'1 | c2 b | a1 | \bar "||"
  a1 | d2 c | c b | c1 | \bar "||"
}

AltoMusic = \relative {
  e'1 | g2 g | f1 |
  f1 | f2 e | d d | e1 |
}

TenorMusic = \relative {
  c'1 | c2 c | c1 |
  d1 | g,2 g | g g | g1 |
}

BassMusic =  \relative {
  c1 | e2 e | f1 |
  d1 | b2 c | g' g | c,1 |
}

global = {
  \time 2/2
}

% マークアップを使って聖歌をページの中央に配置します
\markup {
  \fill-line {
    \score {  % 中央揃え
      <<
        \new ChoirStaff <<
          \new Staff <<
            \global
            \clef "treble"
            \new Voice = "Soprano" <<
              \voiceOne
              \SopranoMusic
            >>
            \new Voice = "Alto" <<
              \voiceTwo
              \AltoMusic
            >>
          >>
          \new Staff <<
            \clef "bass"
            \global
            \new Voice = "Tenor" <<
              \voiceOne
              \TenorMusic
            >>
            \new Voice = "Bass" <<
              \voiceTwo
              \BassMusic
            >>
          >>
        >>
      >>
      \layout {
        \context {
          \Score
          \override SpacingSpanner.base-shortest-duration = \musicLength 2
        }
        \context {
          \Staff
          \remove Time_signature_engraver
        }
      }
    }  % score の終わり
  }
}  % markup の終わり

[image of music]

このような聖歌を設定するための他のアプローチを以下の最初のコード断片で示します。

Selected Snippets

チャントまたは詩編の記譜法

以下のような記譜は、詞が必ずしも同じ長さではない詩編のチャントなどで用いられます。

stemOff = \hide Staff.Stem
stemOn  = \undo \stemOff

\score {
  \new Staff \with { \remove "Time_signature_engraver" }
  {
    \key g \minor
    \cadenzaOn
    \stemOff a'\breve bes'4 g'4
    \stemOn a'2 \section
    \stemOff a'\breve g'4 a'4
    \stemOn f'2 \section
    \stemOff a'\breve^\markup { \italic flexe }
    \stemOn g'2 \fine
  }
}

[image of music]

雅歌や他の典礼書の設定はもっと自由度が高く、古代音楽の記譜要素を使うかもしれません。しばしば単語を譜の下に音符に揃えて配置します。そのような場合、音符の間隔を音符の演奏時間ではなく、音節に合わせます。

古代の記譜法のテンプレート – グレゴリオ聖歌の転写譜

この例は、グレゴリオ聖歌の転写譜を作成する方法を示しています。グレゴリオ聖歌は小節を持たず、符幹もありません。2 分音符と 4 分音符の符頭と、異なる長さの休符を表示するための特殊な記号しか用いません。

chant = \relative c' {
  \set Score.timing = ##f
  f4 a2 \divisioMinima
  g4 b a2 f2 \divisioMaior
  g4( f) f( g) a2 \finalis
}

verba = \lyricmode {
  Lo -- rem ip -- sum do -- lor sit a -- met
}

\score {
  \new GregorianTranscriptionStaff <<
    \new GregorianTranscriptionVoice = "melody" \chant
    \new GregorianTranscriptionLyrics = "one" \lyricsto melody \verba
  >>
}

[image of music]

参照

学習マニュアル: Visibility and color of objects, Vocal ensembles templates

記譜法リファレンス: 古代の記譜法, 小節線, コンテキストのプラグインを変更する, グレゴリオ聖歌の記譜, 無韻律の音楽, オブジェクトの可視性


賛美歌を配置する

通常、英国教会の聖歌の歌詞は曲とは別に楽譜の下の中央に譜刻されます。

シングルの聖歌 (7 小節) は歌詞の節毎に繰り返されます。ダブルの聖歌 (14 小節) は歌詞の節のペア毎に繰り返されます。歌詞をどのように聖歌に当てはめるかを示すために記号が挿入されます。歌詞の各節は 2 つに分割されます。通常、この分割を示すためにコロンが用いられます。これは楽譜の 2 重小節線に対応します。コロンの前にある歌詞は楽譜の最初の 3 小節で歌われ、コロンの後にある歌詞は次の 4 小節で歌われます。

楽譜の小節線に対応して、歌詞に単線の小節線 (あるいはカンマを逆さまにしたような記号) が挿入されます。マークアップ モードでは、小節線を小節チェック記号 | で挿入することができます。

\markup {
  \fill-line {
    \column {
      \left-align {
        \line { O come let us sing | unto the | Lord : let }
        \line { us heartily rejoice in the | strength of | our }
        \line { sal- | -vation. }
      }
    }
  }
}

[image of music]

fetaMusic フォントの図柄を必要とする記号があるかもしれません。詳細は フォント を参照してください。

tick = \markup {
  \raise #1 \fontsize #-5 \musicglyph "scripts.rvarcomma"
}
\markup {
  \fill-line {
    \column {
      \left-align {
        \line { O come let us sing \tick unto the \tick Lord : let }
        \line {
          us heartily rejoice in the \tick strength of \tick our
        }
        \line { sal \tick vation. }
      }
    }
  }
}

[image of music]

1 小節に 1 つの全音符が配置されている場合、その小節に対応する歌詞は音読のリズムで朗読されます。1 小節に 2 つの音符が配置されている場合、普通はそれに対応する歌詞には 1 つまたは 2 つの音節しかありません。3 以上の音節がある場合、普通は音符が変わる場所を示すためにドット (中黒) が挿入されます。

dot = \markup {
  \raise #0.7 \musicglyph "dots.dot"
}
tick = \markup {
  \raise #1 \fontsize #-5 \musicglyph "scripts.rvarcomma"
}
\markup {
  \fill-line {
    \column {
      \left-align {
        \line {
          O come let us sing \tick unto \dot the \tick Lord : let
        }
        \line {
          us heartily rejoice in the \tick strength of \tick our
        }
        \line { sal \tick vation. }
      }
    }
  }
}

[image of music]

聖歌の中には朗読セクションの終わりを示すためにカンマの代わりにアスタリスクを用いて、強調したり長く伸ばしたりする音節をボールド体で示すものがあります。

dot = \markup {
  \raise #0.7 \musicglyph "dots.dot"
}
tick = \markup {
  \raise #1 \fontsize #-5 \musicglyph "scripts.rvarcomma"
}
\markup {
  \fill-line {
    \column {
      \left-align {
        \line { Today if ye will hear his voice * }
        \line {
          \concat { \bold hard en }
          | not your | hearts : as in the pro-
        }
        \line { vocation * and as in the \bold day of tempt- | }
        \line { -ation | in the | wilderness. }
      }
    }
  }
}

[image of music]

また、強調する音節の上にアクセント記号を配置する聖歌もあります。

tick = \markup {
  \raise #2 \fontsize #-5 \musicglyph "scripts.rvarcomma"
}
\markup {
  \fill-line {
    \column {
      \left-align {
        \line {
          O come let us \concat {
            si \combine \tick ng
          }
          | unto the | Lord : let
        }
        \line {
          us heartily \concat {
            rejo \combine \tick ice
          }
          in the | strength of | our
        }
        \line { sal- | -vation. }
      }
    }
  }
}

[image of music]

マークアップを使用してテキストを中央に配置し、テキスト行をいくつかの列に配列する方法は、テキストをフォーマットする で説明しています。

これらの要素のほとんどをテンプレートの歌詞で示しています。Psalms を参照してください。

参照

学習マニュアル: Psalms, Vocal ensembles templates

記譜法リファレンス: フォント, テキストをフォーマットする


賛美歌での部分小節

しばしば、賛美歌は各行の始めと終わりを部分小節として、楽譜の各行がテキストの各行にうまく対応させます。これを行うには音楽の始めに \partial コマンドを配置して、各行の終わりに \bar "|" または \bar "||" を配置する必要があります。

賛美歌のテンプレート

このテンプレートは、それぞれの行が部分小節で開始し終了する賛美歌を作成する方法を示しています。また、詞を音楽の下に単独で表示する方法も示しています。

Timeline = {
  \time 4/4
  \tempo 4=96
  \partial 2
  s2 | s1 | s2 \breathe s2 | s1 | s2 \caesura \break
  s2 | s1 | s2 \breathe s2 | s1 | s2 \fine
}

SopranoMusic = \relative g' {
  g4 g | g g g g | g g g g | g g g g | g2
  g4 g | g g g g | g g g g | g g g g | g2
}

AltoMusic = \relative c' {
  d4 d | d d d d | d d d d | d d d d | d2
  d4 d | d d d d | d d d d | d d d d | d2
}

TenorMusic = \relative a {
  b4 b | b b b b | b b b b | b b b b | b2
  b4 b | b b b b | b b b b | b b b b | b2
}

BassMusic =  \relative g {
  g4 g | g g g g | g g g g | g g g g | g2
  g4 g | g g g g | g g g g | g g g g | g2
}

global = {
 \key g \major
}

\score {  % Start score
  <<
    \new PianoStaff <<  % Start pianostaff
      \new Staff <<  % Start Staff = RH
        \global
        \clef "treble"
        \new Voice = "Soprano" <<  % Start Voice = "Soprano"
          \Timeline
          \voiceOne
          \SopranoMusic
        >>  % End Voice = "Soprano"
        \new Voice = "Alto" <<  % Start Voice = "Alto"
          \Timeline
          \voiceTwo
          \AltoMusic
        >>  % End Voice = "Alto"
      >>  % End Staff = RH
      \new Staff <<  % Start Staff = LH
        \global
        \clef "bass"
        \new Voice = "Tenor" <<  % Start Voice = "Tenor"
          \Timeline
          \voiceOne
          \TenorMusic
        >>  % End Voice = "Tenor"
        \new Voice = "Bass" <<  % Start Voice = "Bass"
          \Timeline
          \voiceTwo
          \BassMusic
        >>  % End Voice = "Bass"
      >>  % End Staff = LH
    >>  % End pianostaff
  >>
}  % End score

\markup {
  \fill-line {
    ""
    {
      \column {
        \left-align {
          "This is line one of the first verse"
          "This is line two of the same"
          "And here's line three of the first verse"
          "And the last line of the same"
        }
      }
    }
    ""
  }
}

\layout {
  \context {
    \Score
    caesuraType = #'((bar-line . "||"))
    fineBarType = "||"
  }
}

\paper {  % Start paper block
  indent = 0     % don't indent first system
  line-width = 130   % shorten line length to suit music
  tagline = ##f % Don't print tag line, can be removed
}  % End paper block

[image of music]


2.1.8 古代の声楽

古代の声楽がサポートされます。古代の記譜法 で説明しています。

参照

記譜法リファレンス: 古代の記譜法


2.2 キーボードと他の複数譜の楽器

[image of music]

このセクションでは、キーボード楽器と複数の譜を用いる他の楽器 – ハープやビブラフォン等 – に固有の音楽記譜について説明します。キーボードを含む複数の譜を用いる楽器のグループ全体をまとめて “キーボード” と呼びます。


2.2.1 キーボードで共通の記譜法

このセクションでは多くのキーボードで生じる記譜の問題について説明します。


キーボードのためのリファレンス

通常、キーボードはピアノ譜で記譜します。これらは波括弧で括られた 2 つ以上の普通の譜です。他のキーを持つ楽器も同じ記譜法を用います。オルガン譜は通常、PianoStaff グループ内部にある 2 つの譜と、ペダル用の通常の譜によって記述されます。

キーボードの譜はそれぞれの独立性が高いですが、ボイスが 2 つの譜を跨ぐこともあります。このセクションではキーボードに特有の記譜テクニックについて説明します。

キーボードに共通する問題のいくつかは他の場所でカバーします:

  • 通常、キーボードは複数のボイスを持ち、ボイスの数はしょっちゅう変わります。このことは 衝突の解決 で説明しています。
  • 音楽を並列に記述する で説明しているように、キーボードは並列に記述することができます。
  • 強弱指示を 2 つの Staff コンテキストの間にある Dynamics コンテキストの中に配置して、強弱記号を 2 つの譜の間に配置することができます。強弱記号 を参照してください。
  • 運指は 運指の指示 で説明しています。
  • オルガン ペダルの指示はアーティキュレーションとして挿入します。アーティキュレーションの一覧 を参照してください。
  • グリッド ライン で垂直のグリッド ラインを表示させることができます。
  • キーボードはしばしばアルペジオでのタイや、レセ ヴィブレ タイを持ちます。タイ で説明しています。
  • 複数のボイスや譜を跨ぐアルペジオの配置は、アルペジオ でカバーしています。
  • トレモロ記号は トレモロの繰り返し で説明しています。
  • キーボードで必要となる可能性がある調整のいくつかを 実際の音楽からの例 で示しています。
  • ボイスを跨ぐタイを作り出すために隠れた音符を使うことがあります。調整のその他の使用方法 で示しています。

参照

学習マニュアル: Real music example, Other uses for tweaks

記譜法リファレンス: 譜をグループ化する, 楽器名, 衝突の解決, 音楽を並列に記述する, 運指の指示, アーティキュレーションの一覧, グリッド ライン, タイ, アルペジオ, トレモロの繰り返し

内部リファレンス: PianoStaff

コード断片集: Keyboards


譜を手動で変更する

以下のコマンドを用いて、ボイスの譜を手動で切り換えることができます:

\change Staff = staffname

文字列 staffname は譜の名前です。このコマンドはボイスをカレント譜から staffname という譜に切り換えます。staffname の一般的な値は "up""down"、あるいは "RH""LH" です。

ボイスの切り換え先となる譜は、切り換え時点で存在している必要があります。必要があれば、譜を “残しておく” べきです。コンテキストを残しておく を参照してください。または、空の和音 <> を使用するなどして明示的にインスタンス化します。和音の音符を参照してください。

\new PianoStaff <<
  \new Staff = "up" {
    % enforce creation of all contexts at this point of time
    <>
    \change Staff = "down" c2
    \change Staff = "up" c'2
  }
  \new Staff = "down" {
    \clef bass
    % keep staff alive
    s1
  }
>>

[image of music]

譜を跨ぐ音符には自動的に連桁が付けられます:

\new PianoStaff <<
  \new Staff = "up" {
    <e' c'>8
    \change Staff = "down"
    g8 fis g
    \change Staff = "up"
    <g'' c''>8
    \change Staff = "down"
    e8 dis e
    \change Staff = "up"
  }
  \new Staff = "down" {
    \clef bass
    % 譜を残しておきます
    s1
  }
>>

[image of music]

連桁を調整する必要がある場合、符幹の向きの変更を最初に行ってください。連桁の位置は最も近い譜の中央から算出します。連桁の調整の簡単な例が 表記の重なりを修正する にあります。

ボイスが譜を跨ぐ時に、記譜要素の重なりが発生することがあります:

\new PianoStaff <<
  \new Staff = "up" {
    \voiceOne
    % 譜を跨ぐボイスの中にある運指記号のためのスペースを作ります
    \once\override DynamicLineSpanner.staff-padding = #4
    e''2\p\< d''\>
    c''1\!
  }
  \new Staff = "down" <<
    {
      \clef bass
      s4. e,8\rest g,2\rest
      c1
    } \\ {
      c8\( g c'
      \change Staff = "up"
      e' g' b'-3 a' g'\)
      f'1
    }
  >>
>>

[image of music]

符幹とスラーは譜の間にある強弱記号と重なります。なぜなら、異なる譜にある音符を結ぶ連桁、スラー、他のスパナに対して、自動衝突解決は抑制されるからです。同様に、譜を跨ぐスパナによって配置に影響を受ける符幹やアーティキュレーションに対しても、自動衝突解決は抑制されます。そのような場合、必要に応じて、手動で衝突を解決する必要があります – 解決手段は 表記の重なりを修正する を参照してください。

参照

学習マニュアル: Fixing overlapping notation

記譜法リファレンス: 符幹, 自動連桁, コンテキストを残しておく

コード断片集: Keyboards

内部リファレンス: Beam, ContextChange

既知の問題と警告

譜の変更の直前に終了する自動連桁に対して、連桁衝突回避は機能しません。衝突回避を行うには、手動連桁を使用してください。


譜を自動で変更する

譜の上端と下端の間で、ボイスを自動的に切り換えることができます。構文は以下の通りです:

\autoChange …music

これはカレントの譜グループ (普通は、PianoStaff) 内部に "up""down" という 2 つの譜を作成します。デフォルトで下の譜は低音部となります。自動変更は基準ピッチ (ミドル C が切り換えポイントです) で譜を切り換え、次の切り換えまで休符でスキップしていきます。

\new PianoStaff {
  \autoChange {
    g4 a b c'
    d'4 r a g
  }
}

[image of music]

切り替えポイントを他のピッチにすることができます。譜を明示的に生成しない場合も、他の音部記号を用いることができます。

music = {
  g8 b a c' b8 d' c'8 e'
  d'8 r f' g' a'2
}

\autoChange d' \music
\autoChange b \with { \clef soprano } \music
\autoChange d' \with { \clef alto } \with { \clef tenor } \music

[image of music]

\autoChange の外側にある \relative セクションは、\autoChange の内部にある音符のピッチに影響を与えません。そのため、必要に応じて \autoChange の内部に \relative を配置します。

個々の譜に個別の制御を行う必要がある場合、手動で "up""down" という名前の譜を作成して、制御を行います。\autoChange コマンドは、作成された譜間で、ボイスを切り換えます。

Note: 譜を手動で作成する場合、譜の名前を "up""down" にする 必要があります

例えば、下の譜に調号を配置するには、譜を手動で作成する必要があります:

\new PianoStaff <<
  \new Staff = "up" {
    \new Voice = "melOne" {
      \key g \major
      \autoChange \relative {
        g8 b a c b d c e
        d8 r fis, g a2
      }
    }
  }
  \new Staff = "down" {
    \key g \major
    \clef bass
  }
>>

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 譜を手動で変更する

コード断片集: Keyboards

内部リファレンス: AutoChangeMusic

既知の問題と警告

譜の切り換えが最適な場所で行われない場合もあります。高品位の出力を得るには、譜の切り換えを手動で指定する必要があります。

和音は譜を跨って配置されません。和音構造の中にある最初の音符に基づく譜に割り当てられます。


譜変更線

ボイスが他の譜に切り替わる時に、音符を繋げる線を自動的に譜刻することができます:

\new PianoStaff <<
  \new Staff = "one" {
    \showStaffSwitch
    c'1
    \change Staff = "two"
    b2 a
  }
  \new Staff = "two" {
    \clef bass
    s1*2
  }
>>

[image of music]

譜の切り替え線が和音を繋ぐ場合、ソース ファイルにある和音の“最後の音符”に始端や終端が向けられます。これを利用して、線の縦方向の始端位置や終端位置をすばやく調整することができます:

\new PianoStaff <<
  \new Staff = "one" {
    <c' e' g'>1
    \showStaffSwitch
    \change Staff = "two"
    <a c' f>1
    \hideStaffSwitch
    \change Staff = "one"
    <e' g' c'>1
    \showStaffSwitch
    \change Staff = "two"
    <f a c'>1
  }
  \new Staff = "two" {
    \clef bass
    s1*4
  }
>>

[image of music]

定義済みコマンド

\showStaffSwitch, \hideStaffSwitch

参照

コード断片集: Keyboards

内部リファレンス: Note_head_line_engraver, VoiceFollower

Selected Snippets

譜をまたがる符幹

このスニペットは、Span_stem_engraver\crossStaff を用いて、自動的に譜をまたがる符幹を作成しています。

符幹の長さは自動的に計算されるため指定する必要はありません。

\layout {
  \context {
    \PianoStaff
    \consists "Span_stem_engraver"
  }
}

\new PianoStaff <<
  \new Staff {
    <b d'>4 r d'16\> e'8. g8 r\! |
    e'8 f' g'4
      \voiceTwo
      % Down to lower staff
      \crossStaff { e'8 e'8 } e'4 |
  }

  \new Staff {
    \clef bass
    \voiceOne
    % Up to upper staff
    \crossStaff { <e g>4 e, g16 a8. c8 } d |
    g8 f g4 \voiceTwo g8 g g4 |
  }
>>

[image of music]

現時点でこのエングラーバは、名前をダブル クォートで囲っても指定することができません。その代わり、名前の前にハッシュ記号 (#) を置くことで指定しなければなりません。

ブラケット型のアルペジオで譜をまたぐ和音を表示する

ブラケット型のアルペジオは、異なる譜にまたがる和音が同じ手で演奏されることを示します。これを表示するためには、PianoStaff が譜をまたぐアルペジオを使用できるように設定し、PianoStaff コンテキストでアルペジオの形をブラケットに設定します。

(Debussy, Les collines d’Anacapri, m. 65)

\new PianoStaff <<
  \set PianoStaff.connectArpeggios = ##t
  \override PianoStaff.Arpeggio.stencil =
    #ly:arpeggio::brew-chord-bracket
  \new Staff {
    \relative c' {
      \key b \major
      \time 6/8
      b8-.(\arpeggio fis'-.\> cis-.
        e-. gis-. b-.)\!\fermata^\laissezVibrer \bar "||"
    }
  }
  \new Staff {
    \relative c' {
      \clef bass
      \key b \major
      <<
        {
          <a e cis>2.\arpeggio
        }
        \\
        {
          <a, e a,>2.
        }
      >>
    }
  }
>>

[image of music]

参照

コード断片集: Keyboards

内部リファレンス: Stem


2.2.2 ピアノ

このセクションでは、ピアノに関係する記譜法を説明します。


ピアノ ペダル

一般的に、ピアノは音を変化させるために 3 本のペダルを持ちます: サステイン, ソステヌート (sos.), それに ウナ コルダ (una corda, U.C.) です。サステイン ペダルは、ビブラフォンやチェレスタにもあります。

\relative {
  c''4\sustainOn d e g
  <c, f a>1\sustainOff
  c4\sostenutoOn e g c,
  <bes d f>1\sostenutoOff
  c4\unaCorda d e g
  <d fis a>1\treCorde
}

[image of music]

ペダル指示には 3 つのスタイルがあります: テキスト、囲み、それにテキストと囲みの混合です。デフォルトで、サステイン ペダルとウナ コルダ ペダルの指示はテキスト スタイルですが、ソステヌート ペダル指示は混合スタイルです。

\relative {
  c''4\sustainOn g c2\sustainOff
  \set Staff.pedalSustainStyle = #'mixed
  c4\sustainOn g c d
  d\sustainOff\sustainOn g, c2\sustainOff
  \set Staff.pedalSustainStyle = #'bracket
  c4\sustainOn g c d
  d\sustainOff\sustainOn g, c2
  \bar "|."
}

[image of music]

ペダル コマンドの配置は、ピアノ演奏中の物理的なサステイン ペダルの動きに一致します。最後の小節線でのペダル指示は、最後のペダル オフ コマンドを省略することで挿入されます。

ペダル指示を Dynamics コンテキストに配置させることができます。

参照

記譜法リファレンス: タイ

コード断片集: Keyboards

内部リファレンス: SustainPedal, SustainPedalLineSpanner, SustainEvent, SostenutoPedal, SostenutoPedalLineSpanner, SostenutoEvent, UnaCordaPedal, UnaCordaPedalLineSpanner, UnaCordaEvent, PianoPedalBracket, Piano_pedal_engraver


2.2.3 アコーディオン

このセクションでは、アコーディオンに特有の記譜法について説明します。


ディスカント記号

アコーディオン演奏はしばしば、指定されたピッチよりも 1 オクターブ上または下のピッチとユニゾンになるリードのセットで構成されます。各アコーディオン メーカは、さまざまなリードの組み合わせを選択する シフト に異なる名前を付けています: oboe, musette, あるいは bandonium などです。そのため、演奏指示を単純にするための記号システムを用います。

使用可能なアコーディオン レジスターの一覧はAccordion registersにあります。

Selected Snippets

アコーディオンの音色切り替え記号

アコーディオンの音色切り替え記号は、\markup としても、(音色の切り替えは音と音の間に行われるため) 単独の音楽イベントとしても用いることができます。バスの音色は過度には一般化されていません。使用できるコマンドは、記譜法リファレンスの ’キーボードと他の複数譜の楽器’ にある ’ディスカント記号’ を参照してください。

#(use-modules (lily accreg))

\new PianoStaff
<<
  \new Staff \relative {
    \clef treble
    \discant "10"
    r8 s32 f'[ bes f] s e[ a e] s d[ g d] s16 e32[ a]
    <<
      { r16 <f bes> r <e a> r <d g> }
      \\
      { d r a r bes r }
    >> |
    <cis e a>1
  }

  \new Staff \relative {
    \clef treble
    \freeBass "1"
    r8 d'32 s16. c32 s16. bes32 s16. a32[ cis] s16
    \clef bass \stdBass "Master"
    <<
      { r16 <f, bes d>^"b" r <e a c>^"am" r <d g bes>^"gm" |
      <e a cis>1^"a" }
      \\
      { d8_"D" c_"C" bes_"B" | a1_"A" }
    >>
  }
>>

[image of music]

参照

コード断片集: Keyboards


2.2.4 ハープ

このセクションでは、ハープに特有の記譜法について説明します。


ハープのためのリファレンス

ハープ音楽に共通する特性のいくつかが、他の場所でカバーされています:

  • グリッサンドは最も特徴的なハープのテクニックです – グリッサンド
  • ビズビッリャンド (bisbigliando) はトレモロとして記述されます – トレモロの繰り返し
  • ナチュラル ハーモニクスは ハーモニクス でカバーされています。
  • アルペジオの向きと非アルペジオについては、アルペジオ を参照してください。

参照

記譜法リファレンス: トレモロの繰り返し, グリッサンド, アルペジオ, ハーモニクス


ハープ ペダル

ハープはオクターブ毎に 7 本の弦を持ち、それらはナチュラル ピッチ、フラット ピッチ、あるいはシャープ ピッチの音を出すことができます。レバー ハープは各弦を個別に調整することができますが、ペダル ハープは 1 つのペダルで同じピッチ名を持つすべての弦を制御します。演奏者の左から右に向かって、左のペダル D, C, それに B、右のペダルは E, F, G, それに A です。ペダルのポジションをテキスト記号で指示することがあります:

\textLengthOn
cis''1_\markup \concat \vcenter {
  [D \flat C \sharp B|E \sharp F \sharp G A \flat] }
c''!1_\markup \concat \vcenter {
  [ C \natural ] }

[image of music]

あるいはペダル ダイアグラムで指示することもあります:

\textLengthOn
cis''1_\markup { \harp-pedal "^v-|vv-^" }
c''!1_\markup { \harp-pedal "^o--|vv-^" }

[image of music]

\harp-pedal コマンドは文字列を受け取ります。^ はペダル ポジションを上 (フラット ピッチ)、- はペダル ポジションを真ん中 (ナチュラル ピッチ)、v はペダル ポジションを下 (シャープ ピッチ)、| 区切り線です。接頭辞 o は、その後のペダル記号を丸で囲みます。

参照

記譜法リファレンス: テキスト スクリプト, Instrument-specific markup


2.3 フレットの無い弦楽器

[image of music]

このセクションではフレットの無い弦楽器 – 主にオーケストラで使用される弦楽器 – のための楽譜を記述する際に有用な情報とリファレンスを提供します。


2.3.1 フレットの無い弦楽器で共通の記譜法

フレットの無い弦楽器のための特殊な記譜法は少ししかありません。フレットの無い弦楽器の演奏は単一の譜で記譜され、通常は 1 つのボイスしか必要としません。ダブル ストップ (重音奏法) やディヴィジ (divisi) パッセージで 2 つのボイスが必要となる場合もあります。


フレットの無い弦楽器のためのリファレンス

オーケストラの弦楽器や他の弓を使う楽器で用いられる記譜法のほとんどは他の場所でカバーされています。

  • “pizz.” や “arco” などのテキスト指示は、単なるテキストとして付け加えます – テキスト スクリプト を参照してください。
  • 親指の指示も含めた運指は、運指の指示 で説明しています。
  • ダブル ストップは通常、和音として記述します – 和音の音符 を参照してください。和音を弾く方向を付け加えることもできます – アルペジオ を参照してください。
  • 弦楽四重奏のためのテンプレートが String quartet templates にあります。他の例はコード断片集で示されています。

参照

学習マニュアル: String quartet templates

記譜法リファレンス: テキスト スクリプト, 運指の指示, 和音の音符, アルペジオ

コード断片集: Unfretted strings


ボーイング指示

ボーイング指示はアーティキュレーションとして作成します。アーティキュレーションについては、アーティキュレーションと装飾 で説明しています。

ボーイングのコマンド – \upbow\downbow – は、以下のようにスラーと一緒に用います:

\relative { c''4(\downbow d) e(\upbow f) }

[image of music]

弦番号として、(デフォルトの丸囲みアラビア数字ではなく) ローマ数字を追加することができます。弦番号の指示 を参照してください。

他にも、弦の指示はマークアップ コマンドを用いて表示することができます。アーティキュレーションで開放弦を指示することもできます。

a'4 \open
\romanStringNumbers
a'\2
a'2^\markup { \small "sul A" }

[image of music]

定義済みコマンド

\downbow, \upbow, \open, \romanStringNumbers

参照

記譜法リファレンス: アーティキュレーションと装飾, 弦番号の指示, スラー


ハーモニクス

ナチュラル ハーモニクス

いくつかの方法でナチュラル ハーモニクスを記譜することができます。一般的に、ダイアモンド形の符頭は、符頭がダイアモンド形ではない場合に押さえる弦に触れることを意味します。

\relative d'' {
  d4 e4.
  \harmonicsOn
  d8 e e
  d4 e4.
  \harmonicsOff
  d8 e e
}

[image of music]

一方、鳴らすピッチに通常の符頭を記譜すると共に、小さな丸を付けることでハーモニクスとして演奏することを示す方法もあります:

d''2^\flageolet d''_\flageolet

[image of music]

より小さな丸を描くこともできます。フレットの無い弦楽器のためのリファレンス にあるコード断片集を参照してください。

アーティフィシャル ハーモニクス

アーティフィシャル ハーモニクスは 2 つの音符で記譜します – 1 つは通常の符頭でストップ ポジションを示し、もう 1 つは中空のダイアモンド形の符頭でハーモニクス ポジションを示します。

\harmonic で記譜したアーティフィシャル ハーモニクスは符点を持ちません。符点を付ける必要がある場合は、コンテキスト プロパティ harmonicDots を設定します。

\relative e' {
  <e a\harmonic>2.  <c g'\harmonic>4
  \set harmonicDots = ##t
  <e a\harmonic>2.  <c g'\harmonic>4
}

[image of music]

参照

音楽用語集: harmonics

記譜法リファレンス: 特殊な符頭, フレットの無い弦楽器のためのリファレンス


スナップ (バルトーク) ピッツィカート

スナップ ピッツィカート (snap pizzicato) – バルトーク ピッツィカート (Bartók pizzicato) とも呼ばれます – は、ピッツィカートの 1 つで、故意に弦を上 (フィンガーボードと垂直) に引いて、弦をフィンガーボードにぶつけます。

\relative {
  c'4\snappizzicato
  <c' e g>4\snappizzicato
  <c' e g>4^\snappizzicato
  <c, e g>4_\snappizzicato
}

[image of music]


2.4 フレットのある弦楽器

[image of music]

このセクションでは、フレットのある弦楽器に特有の記譜法のいくつかの側面について説明します。


2.4.1 フレットのある弦楽器で共通の記譜法

このセクションでは、フレットのある弦楽器で共通する記譜法について説明します。


フレットのある弦楽器のためのリファレンス

フレットのある弦楽器の演奏は通常、単一の譜で、伝統的な音楽記譜法あるいはタブ譜で記譜されます。これら 2 つが組み合わされることがあり、特にポピュラー音楽では伝統的な記譜法の譜の上にコード ダイアグラムを配置することが一般的です。ギターとバンジョーは移調楽器であり、楽譜よりも 1 オクターブ下の音を出します。これらの楽器のための楽譜は音部記号 "treble_8" (あるいは、正しい MIDI 出力を得るために \transposition c) を使うべきです。フレットのある弦楽器に関係する他のいくつかの要素は他の場所でカバーされています:

  • 運指は 運指の指示 で説明しています。
  • レセ ヴィブレ (Laissez vibrer) タイは、アルペジオとトレモロで使われるタイと同様に、タイ で説明しています。
  • 複数のボイスを処理するための説明は、衝突の解決 にあります。
  • ハーモニクス指示についての説明は、ハーモニクス にあります。

参照

記譜法リファレンス: 運指の指示, タイ, 衝突の解決, 楽器名, 音楽を並列に記述する, アルペジオ, アーティキュレーションの一覧, 音部記号, 楽器の移調


弦番号の指示

音符の後に \number を付けることによって、演奏する音符の弦を指示することができます。

\clef "treble_8"
c4\5 e\4 g2\3
<c\5 e\4 g\3>1

[image of music]

運指と弦の指示を一緒に使う場合、明示的に作成された和音の中にある場合に のみ、 それら 2 要素を記述する順序で配置を制御することができます: 和音全体や和音の 中にない 単独の音符に適用される場合、運指記号は異なるメカニズムで配置されます。

\clef "treble_8"
g4\3-0
g-0\3
<g\3-0>
<g-0\3>

[image of music]

弦番号も、フレットの無い弦楽器の慣習のようにロマン数字で表示したり、譜の上ではなく下に配置することができます。

\clef "treble_8"
c'2\2
a\3
\romanStringNumbers
c'\2
\set stringNumberOrientations = #'(down)
a\3
\arabicStringNumbers
g1\4

[image of music]

Selected Snippets

和音内の運指記号の位置をコントロールする

運指番号の位置を精密にコントロールすることができます。位置の設定が適用されるためには、単一の音符であっても和音構造 <> を用いる必要があります。

\relative c' {
  \set fingeringOrientations = #'(left)
  <c-1 e-3 a-5>4
  \set fingeringOrientations = #'(down)
  <c-1 e-3 a-5>4
  \set fingeringOrientations = #'(down right up)
  <c-1 e-3 a-5>4
  \set fingeringOrientations = #'(up)
  <c-1 e-3 a-5>4
  \set fingeringOrientations = #'(left)
  <c-1>2
  \set fingeringOrientations = #'(down)
  <e-3>2
  \set stringNumberOrientations = #'(up left down)
  <f\3 a\2 c\1>1
  \set strokeFingerOrientations = #'(down right up)
  <c\rightHandFinger 1 e\rightHandFinger 2 c'\rightHandFinger 4 >
}

[image of music]

運指記号を譜の内側に表示する

デフォルトでは、縦方向の運指記号は譜の外側に配置されます。この挙動を取り消すことができます。注意: この場合、和音でない場合にも <> を用いる必要があります。

\relative c' {
  <c-1 e-2 g-3 b-5>2
  \override Fingering.staff-padding = #'()
  <c-1 e-2 g-3 b-5>4 g'-0
  a8[-1 b]-2 g-0 r
  \override Fingering.add-stem-support = ##f
  a[-1 b]-2 g-0 r
  \override Fingering.add-stem-support = ##t
  a[-1 b]-2 g-0 r
  \override Fingering.add-stem-support = #only-if-beamed
  a[-1 b]-2 g-0 r
}

[image of music]

定義済みコマンド

\arabicStringNumbers, \romanStringNumbers.

参照

記譜法リファレンス: 運指の指示

コード断片集: Fretted strings

内部リファレンス: StringNumber, Fingering


デフォルトのタブ譜

弦をはじく楽器の楽譜は、しばしばタブ譜で記譜されます。伝統的な記譜法ではピッチが符頭で記述されるのに対して、数字 (あるいは、歴史上存在する楽譜では文字のような記号) で記述されます。タブ譜では、譜線は演奏される音符の弦を意味し、譜線上に配置される数字は対応する弦で押さえるべきフレットを意味します。同時に弾く音符は垂直方向に揃えられていることに注意してください。

デフォルトでは、弦 1 は一番上の弦であり、TabStaff の一番上の線に対応します。TabStaff のチューニングは、デフォルトでは、標準ギター (6 弦) のチューニングです。音符は、TabStaff コンテキストと TabVoice コンテキストを用いて、タブ譜として譜刻されます。筆記体のタブ譜の音部記号が自動的に付け加えられます。

\new TabStaff \relative {
  a,8 a' <c e> a
  d,8 a' <d f> a
}

[image of music]

デフォルトのタブ譜は、音符の演奏時間や他の音楽記号 – 例えば、表現記号など – を保持しません。

symbols = {
  \time 3/4
  c4-.^"Allegro" d( e)
  f4-.\f g a^\fermata
  \mark \default
  c8_.\<\( c16 c~ 2\!
  c'2.\prall\)
}

\score {
  <<
    \new Staff { \clef "G_8" \symbols }
    \new TabStaff { \symbols }
  >>
}

[image of music]

伝統的な記譜法で用いられるすべての音楽記号をタブ譜に表示させるには、TabStaff コンテキスト内でコマンド \tabFullNotation を適用する必要があります。四分音符と区別するために、半音符には 2 重線の符幹が付けられるということを覚えておいてください。

symbols = {
  \time 3/4
  c4-.^"Allegro" d( e)
  f4-.\f g a^\fermata
  \mark \default
  c8_.\<\( c16 c~ 2\!
  c'2.\prall\)
}

\score {
  \new TabStaff {
    \tabFullNotation
    \symbols
  }
}

[image of music]

デフォルトでは、ピッチはフレット ボードの最も低い演奏ポジション (ファースト ポジション) に割り当てられます。自動的に開放弦が優先されます。ピッチを弾く弦を指定したい場合は、ピッチ名に弦番号指示を付け加えます。弦番号指示を伝統的な記譜法の譜に譜刻したくないのであれば、弦番号指示のステンシルを上書きすることでそうできます。通常、minimumFret の値を使って演奏ポジションを定義する方が入力しやすいです。minimumFret のデフォルト値は 0 です。

minimumFret がセットされている場合であっても、可能であれば開放弦が用いられます。この振る舞いは、restrainOpenStrings#t をセットすることで変更することができます。

\layout { \omit Voice.StringNumber }
\new StaffGroup <<
   \new Staff \relative {
     \clef "treble_8"
     \time 2/4
     c16 d e f g4
     c,16\5 d\5 e\4 f\4 g4\4
     c,16 d e f g4
   }
   \new TabStaff \relative {
     c16 d e f g4
     c,16\5 d\5 e\4 f\4 g4\4
     \set TabStaff.minimumFret = #5
     \set TabStaff.restrainOpenStrings = ##t
     c,16 d e f g4
   }
>>

[image of music]

和音繰り返し記号 q を使って和音構造を繰り返すことができます。この機能をタブ譜で用いる場合、弦の削除や運指番号等のイベントがやっかいです。そのため、和音の繰り返し を用いたタブ譜の音楽表記で以下を明示的に実行したいと思うでしょう:

\chordRepeats #'(string-number-event fingering-event)

このコマンドは共通するものなので、\tabChordRepeats でも用いることができます。

guitar = \relative {
  r8 <gis-2 cis-3 b-0>~ q4 q8~ 8 q4
}

\new StaffGroup <<
  \new Staff {
    \clef "treble_8"
    \guitar
  }
  \new TabStaff {
    \tabChordRepeats \guitar
  }
>>

[image of music]

デフォルトでは、改行されるタイには括弧が付けられます。繰り返しの差し替え部分でも同様です。

ties = \relative {
  \repeat volta 2 {
    e'2. f4~
    2 g2~
  }
  \alternative {
     { g4 f2. }
     { g4\repeatTie c,2. }
  }
  b1~
  \break
  b1
  \bar "|."
}

\score {
  <<
    \new StaffGroup  <<
      \new Staff {
        \clef "treble_8"
        \ties
      }
      \new TabStaff {
        \ties
      }
    >>
  >>
  \layout {
  indent = #0
  ragged-right = ##t
  }
}

[image of music]

コマンド \hideSplitTiedTabNotes は、括弧付きフレット番号の譜刻をキャンセルします:

ties = \relative {
  \repeat volta 2 {
    e'2. f4~
    2 g2~ }
  \alternative {
    { g4 f2. }
    { g4\repeatTie c,2. }
  }
  b1~
  \break
  b1
  \bar "|."
}

\score {
  <<
    \new StaffGroup  <<
      \new Staff {
        \clef "treble_8"
        \ties
      }
      \new TabStaff {
      \hideSplitTiedTabNotes
        \ties
      }
    >>
  >>
  \layout {
  indent = #0
  ragged-right = ##t
  }
}

[image of music]

ハーモニック指示を演奏するピッチとしてタブ譜に付け加えることができます:

\layout { \omit Voice.StringNumber }
firstHarmonic = {
  d'4\4\harmonic
  g'4\3\harmonic
  b'2\2\harmonic
}
\score {
  <<
    \new Staff {
      \clef "treble_8"
      \firstHarmonic
    }
    \new TabStaff { \firstHarmonic }
  >>
}

[image of music]

コマンド \harmonic は常に和音ではなく単一の音符 (和音の中にあることもあり得ます) にくっつける必要があります。12 フレットの開放弦ハーモニクス (ナチュラル ハーモニクス) でのみ意味をなします。他の全てのハーモニクスは LilyPond によって算出されます。これは、フレットを行う手の指が触れる弦のフレットを指示することにより実現されます。

fretHarmonics = {
  \harmonicByFret #5 d16\4
  \harmonicByFret #4 d16\4
  \harmonicByFret #3 d8\4
  \harmonicByFret #5 <g\3 b\2>2.
}
\score {
  <<
    \new Staff {
      \clef "treble_8"
      \fretHarmonics
    }
    \new TabStaff { \fretHarmonics }
  >>
}

[image of music]

上記の方法の代わりに、ハーモニクスの運指に弦の長さの比率を指定することによってハーモニクスを算出させることもできます。

ratioHarmonics = {
  \harmonicByRatio #1/2 <g\3 b\2 e'\1>4
  \harmonicByRatio #1/3 <g\3 b\2 e'\1>4
  \harmonicByRatio #1/4 { g8\3 b8\2 e'4\1 }
}
\score {
  <<
    \new Staff {
      \clef "treble_8"
      \ratioHarmonics
    }
    \new TabStaff { \ratioHarmonics }
  >>
}

[image of music]

Selected Snippets

タブ譜での符幹と連桁の挙動

タブ譜での符幹の向きは、伝統的な記譜法と同じように調整することができます。以下の例のように、連桁を水平にすることもできます。

\new TabStaff {
  \relative c {
    \tabFullNotation
    g16 b d g b d g b
    \stemDown
    \override Beam.concaveness = 10000
    g,,16 b d g b d g b
  }
}

[image of music]

タブ譜における多声

TabStaff における多声は、通常の譜と同じように作成することができます。

upper = \relative c' {
  \time 12/8
  \key e \minor
  \voiceOne
  r4. r8 e, fis g16 b g e e' b c b a g fis e
}

lower = \relative c {
  \key e \minor
  \voiceTwo
  r16 e d c b a g4 fis8 e fis g a b c
}

\score {
  <<
    \new StaffGroup = "tab with traditional" <<
      \new Staff = "guitar traditional" <<
        \clef "treble_8"
        \new Voice = "upper" \upper
        \new Voice = "lower" \lower
      >>
      \new TabStaff = "guitar tab" <<
        \new TabVoice = "upper" \upper
        \new TabVoice = "lower" \lower
      >>
    >>
  >>
}

[image of music]

タブ譜で開放弦のハーモニクスを表示する

このスニペットは開放弦のハーモニクスを表示する方法を示しています。

openStringHarmonics = {
  \textSpannerDown
  \override TextSpanner.staff-padding = 3
  \override TextSpanner.dash-fraction = 0.3
  \override TextSpanner.dash-period = 1

  %first harmonic
  \override TextSpanner.bound-details.left.text =
    \markup\small "1st harm. "
  \harmonicByFret 12 e,2\6\startTextSpan
  \harmonicByRatio #1/2 e,\6\stopTextSpan

  %second harmonic
  \override TextSpanner.bound-details.left.text =
    \markup\small "2nd harm. "
  \harmonicByFret 7 e,\6\startTextSpan
  \harmonicByRatio #1/3 e,\6
  \harmonicByFret 19 e,\6
  \harmonicByRatio #2/3 e,\6\stopTextSpan
  %\harmonicByFret 19 < e,\6 a,\5 d\4 >
  %\harmonicByRatio #2/3 < e,\6 a,\5 d\4 >

  %third harmonic
  \override TextSpanner.bound-details.left.text =
    \markup\small "3rd harm. "
  \harmonicByFret 5 e,\6\startTextSpan
  \harmonicByRatio #1/4 e,\6
  \harmonicByFret 24 e,\6
  \harmonicByRatio #3/4 e,\6\stopTextSpan
  \break

  %fourth harmonic
  \override TextSpanner.bound-details.left.text =
    \markup\small "4th harm. "
  \harmonicByFret 4 e,\6\startTextSpan
  \harmonicByRatio #1/5 e,\6
  \harmonicByFret 9 e,\6
  \harmonicByRatio #2/5 e,\6
  \harmonicByFret 16 e,\6
  \harmonicByRatio #3/5 e,\6\stopTextSpan

  %fifth harmonic
  \override TextSpanner.bound-details.left.text =
    \markup\small "5th harm. "
  \harmonicByFret 3 e,\6\startTextSpan
  \harmonicByRatio #1/6 e,\6\stopTextSpan
  \break

  %sixth harmonic
  \override TextSpanner.bound-details.left.text =
    \markup\small "6th harm. "
  \harmonicByFret 2.7 e,\6\startTextSpan
  \harmonicByRatio #1/7 e,\6\stopTextSpan

  %seventh harmonic
  \override TextSpanner.bound-details.left.text =
    \markup\small "7th harm. "
  \harmonicByFret 2.3 e,\6\startTextSpan
  \harmonicByRatio #1/8 e,\6\stopTextSpan

  %eighth harmonic
  \override TextSpanner.bound-details.left.text =
    \markup\small "8th harm. "
  \harmonicByFret 2 e,\6\startTextSpan
  \harmonicByRatio #1/9 e,\6\stopTextSpan
}

\score {
  <<
    \new Staff
    \with { \omit StringNumber } {
      \new Voice {
        \clef "treble_8"
        \openStringHarmonics
      }
    }
    \new TabStaff {
      \new TabVoice {
        \openStringHarmonics
      }
    }
  >>
}

\paper { tagline = ##f }

[image of music]

フレットのある楽器のハーモニクスをタブ譜で表示する

フレットのある楽器のハーモニクスをタブ譜で表示する方法です。

pinchedHarmonics = {
  \textSpannerDown
  \override TextSpanner.bound-details.left.text =
    \markup {\halign #-0.5 \teeny "PH" }
  \override TextSpanner.style = #'dashed-line
  \override TextSpanner.dash-period = 0.6
  \override TextSpanner.bound-details.right.attach-dir = 1
  \override TextSpanner.bound-details.right.text =
    \markup { \draw-line #'(0 . 1) }
  \override TextSpanner.bound-details.right.padding = -0.5
}

harmonics = {
  % artificial harmonics (AH)
  \textLengthOn
  <\parenthesize b b'\harmonic>4_\markup { \teeny "AH 16" }
  <\parenthesize g g'\harmonic>4_\markup { \teeny "AH 17" }
  <\parenthesize d' d''\harmonic>2_\markup { \teeny "AH 19" }

  % pinched harmonics (PH)
  \pinchedHarmonics
  <a'\harmonic>2\startTextSpan
  <d''\harmonic>4
  <e'\harmonic>4\stopTextSpan

  % tapped harmonics (TH)
  <\parenthesize g\4 g'\harmonic>4_\markup { \teeny "TH 17" }
  <\parenthesize a\4 a'\harmonic>4_\markup { \teeny "TH 19" }
  <\parenthesize c'\3 c''\harmonic>2_\markup { \teeny "TH 17" }

  % touch harmonics (TCH)
  a4( <e''\harmonic>2. )_\markup { \teeny "TCH" }
}

frettedStrings = {
  % artificial harmonics (AH)
  \harmonicByFret 4 g4\3
  \harmonicByFret 5 d4\4
  \harmonicByFret 7 g2\3

  % pinched harmonics (PH)
  \harmonicByFret 7 d2\4
  \harmonicByFret 5 d4\4
  \harmonicByFret 7 a4\5

  % tapped harmonics (TH)
  \harmonicByFret 5 d4\4
  \harmonicByFret 7 d4\4
  \harmonicByFret 5 g2\3

  % touch harmonics (TCH)
  a4 \harmonicByFret 9 g2.\3
}

\score {
  <<
    \new Staff
    \with { \omit StringNumber } {
      \new Voice {
        \clef "treble_8"
        \harmonics
      }
    }
    \new TabStaff {
      \new TabVoice {
        \frettedStrings
      }
    }
  >>
}

[image of music]

タブ譜でのスライド

スライドは StaffTabStaff コンテキストの両方に表示することができます。

slides = {
  c'8\3(\glissando d'8\3)
  c'8\3\glissando d'8\3
  \hideNotes
  \grace { g16\glissando }
  \unHideNotes
  c'4\3
  \afterGrace d'4\3\glissando {
  \stemDown \hideNotes
  g16 }
  \unHideNotes
}

\score {
  <<
    \new Staff { \clef "treble_8" \slides }
    \new TabStaff { \slides }
  >>
  \layout {
    \context {
      \Score
      \override Glissando.minimum-length = 4
      \override Glissando.springs-and-rods =
                          #ly:spanner::set-spacing-rods
      \override Glissando.thickness = 2
      \omit StringNumber
      % or:
      %\override StringNumber.stencil = ##f
    }
  }
}

[image of music]

タブ譜での和音のグリッサンド

和音のスライドはデフォルトで StaffTabStaff の両方に表示されます。TabStaff では、弦番号の自動計算の方法が和音と単一音で異なるため、弦番号が必要です。

myMusic = \relative c' {
  <c e g>1 \glissando <f a c>
  <cis, eis gis>1 \glissando <f a c>
  <cis eis gis>1 \glissando <f a c\3>
}

\score {
  <<
    \new Staff {
      \clef "treble_8"
      \omit StringNumber
      \myMusic
    }
    \new TabStaff \myMusic
  >>
}

\score {
  <<
    \new Staff {
      \clef "treble_8"
      \omit StringNumber
      \myMusic
    }
    \new TabStaff \with { \override Glissando.style = #'none } {
      \myMusic
    }
  >>
}

\paper { tagline = ##f }

[image of music]

ハンマリング オンとプリング オフ

ハンマリング オンやプリング オフはスラーで得ることができます。

\new TabStaff {
  \relative c' {
    d4( e\2)
    a( g)
  }
}

[image of music]

ボイスに対してハンマリング オンやプリング オフを使用する

ハンマリング オンやプリング オフの弧は、ボイス 1, 3 に対しては上向き、ボイス 2, 4 に対しては下向きになります。

\new TabStaff {
  \relative c' {
    << { \voiceOne g2( a) }
    \\ { \voiceTwo a,( b) }
    >> \oneVoice
  }
}

[image of music]

和音に対してハンマリング オンやプリング オフを使用する

和音に対してハンマリング オンやプリング オフを用いる際、弧は 1 つしか描かれません。“二重の弧” は、doubleSlurs プロパティを #t にセットすることで描くことができます。

\new TabStaff {
  \relative c' {
    % chord hammer-on and pull-off
    \set doubleSlurs = ##t
    <g' b>8( <a c> <g b>)
  }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 和音の繰り返し, グリッサンド, ハーモニクス, 符幹, 繰り返しを描き出す

コード断片集: Fretted strings

内部リファレンス: TabNoteHead, TabStaff, TabVoice, Beam

既知の問題と警告

和音は特殊な方法では処理できません。そのため、自動弦セレクタは和音の中にある 2 つの音符に対して同じ弦を選択することが容易に起こり得ます。

\partCombine を処理するには、TabStaff は特別なやり方で作成されたボイスを使う必要があります:

melodia = \partCombine { e4 g g g } { e4 e e e }
<<
  \new TabStaff <<
    \new TabVoice = "one" s1
    \new TabVoice = "two" s1
    \new TabVoice = "shared" s1
    \new TabVoice = "solo" s1
    { \melodia }
  >>
>>

[image of music]

ギターの特殊効果はハーモニクスとスライドに制限されています。


カスタム タブ譜

LilyPond のタブ譜は、音符に対するフレットを、その音符が割り当てられている弦に基づいて、自動的に算出します。フレットの算出を行うために、弦のチューニングを指定する必要があります。弦のチューニングは stringTunings プロパティで指定します。

LilyPond にはあらかじめ定義された弦チューニングが用意されています – バンジョー、マンドリン、ギター、バス ギター、ウクレレ、バイオリン、ビオラ、チェロ、それにダブル バス用があります。LilyPond は、あらかじめ定義されたチューニングに対して、適切な移調をセットします。以下の例はバス ギター用であり、記述されている音符よりも 1 オクターブ低く演奏されます。

<<
  \new Voice \with {
    \omit StringNumber
  } {
    \clef "bass_8"
    \relative {
      c,4 d e f
    }
  }
  \new TabStaff \with {
    stringTunings = #bass-tuning
  } {
    \relative {
      c,4 d e f
    }
  }
>>

[image of music]

デフォルトの弦チューニングは guitar-tuning で、これは標準の EADGBE チューニングです。他のあらかじめ定義されたチューニングには、guitar-open-g-tuning, mandolin-tuning それに banjo-open-g-tuning があります。あらかじめ定義された弦チューニングは ly/string-tunings-init.ly の中にあります。

望みに応じて任意の弦チューニングを作成することができます。\stringTuning 関数を用いて弦チューニングを定義し、カレント コンテキストの stringTunings としてセットすることができます。

\stringTuning の引数は、チューニングにおける各弦のピッチを定義する和音構造です。和音構造は絶対オクターブ モードにする必要があります – 絶対オクターブ入力 を参照してください。和音の中で、一番大きな番号を持つ弦 (一般的に低い音の弦) が最初に来る必要があります。例えば、a'', d'', g', それに c' のピッチを持つ 4 弦の楽器用の弦チューニングを定義することができます:

mynotes = {
  c'4 e' g' c'' |
  e''4 g'' b'' c'''
}

<<
  \new Staff {
    \clef treble
    \mynotes
  }
  \new TabStaff {
    \set Staff.stringTunings = \stringTuning <c' g' d'' a''>
    \mynotes
  }
>>

[image of music]

FretBoardsstringTunings プロパティ用いることで、自動的にフレット ダイアグラムを算出させることもできます。

弦チューニングは、あらかじめ定義されたフレット ダイアグラムに対するハッシュ キーの一部として使われます

上記の例を、以下のように書き換えることができます:

custom-tuning = \stringTuning <c' g' d'' a''>

mynotes = {
  c'4 e' g' c'' |
  e''4 g'' b'' c'''
}

<<
  \new Staff {
    \clef treble
    \mynotes
  }
  \new TabStaff {
    \set TabStaff.stringTunings = #custom-tuning
    \mynotes
  }
>>

[image of music]

内部的には、弦チューニングは弦ピッチの Scheme リストです – それぞれの弦ピッチは各弦に対するピッチで、弦番号 1 から N の順に並んでいて、弦 1 はタブ譜の最上段、弦 N はタブ譜の最下段となります。通常、このリストは高いピッチから低いピッチの順になりますが、いくつかの楽器 (例えば、ウクレレ) の弦はピッチの高低順に並んでいません。

弦チューニング リストの中の弦ピッチは 1 つ 1 つが LilyPond ピッチ オブジェクトです。ピッチ オブジェクトは Scheme 関数 ly:make-pitch (Scheme functions を参照してください) で作成されます。

\stringTuning は和音構造から弦チューニング リストを作成します。

LilyPond は、TabStaff の行数と自動的に算出される FretBoard の弦数 (これは stringTunings の要素数です) を自動的に算出します。

すべての TabStaff コンテキストに同じカスタム チューニングを適用するには、下記のようにします:

\layout {
  \context {
    \TabStaff
    stringTunings = \stringTuning <c' g' d'' a''>
  }
}

現代タブ譜の音部記号を使うこともできます。

\new TabStaff {
  \clef moderntab
  <a, e a>1
  \break
  \clef tab
  <a, e a>1
}

[image of music]

現代タブ譜の音部記号は、4 から 7 弦までのタブ譜をサポートします。

TabStaff は 4 分音のような微分音に対応しています。このような音はベンディングを使って演奏されます。 supportNonIntegerFret = ##t が Score コンテキストにセットされている必要があります。しかしながら、微分音は FretBoards ではサポートされていません。

\layout {
  \context {
    \Score
    supportNonIntegerFret = ##t
  }
}

custom-tuning = \stringTuning <e, a, d ges beh eeh'>

mus = \relative {
  eeses'4
  eeseh
  ees
  eeh
  e
  eih
  eis
  eisih
  eisis
}

<<
  \new Staff << \clef "G_8" \mus >>
  \new TabStaff \with { stringTunings = \custom-tuning } \mus
>>

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 絶対オクターブ入力, あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム.

インストールされているファイル: ly/string-tunings-init.ly scm/tablature.scm

コード断片集: Fretted strings

内部リファレンス: Tab_note_heads_engraver, Scheme functions.

既知の問題と警告

ウクレレなどのように弦がピッチ順に並んでいない楽器では、大抵の場合、 タブ譜の自動算出は正しく機能しません。


フレット ダイアグラム マークアップ

フレット ダイアグラムを注釈のマークアップとして楽譜に追加することができます。このマークアップは記譜するフレット ダイアグラムについての情報を保持します。フレット ダイアグラムのマークアップ インターフェイスは 3 種類あります: 標準、簡易、それに冗長です。これら 3 種類のインターフェイスが作り出すマークアップは等価ですが、そのマークアップ文字列が持つ情報量は異なります。フレット ダイアグラムを定義するのに用いられるマークアップ文字列の文法についての詳細は、Instrument-specific markup を参照してください。

標準フレット ダイアグラムのマークアップ文字列は、弦の上に配置されるドットの弦番号とフレット番号を示します。さらに、開放弦と消音 (ミュート) 弦を示すこともできます。

<<
  \new ChordNames {
    \chordmode {
      c1 d:m
    }
  }
  \new Staff {
    \clef "treble_8"
    <c e g c' e'>1^\markup {
      \fret-diagram "6-x;5-3;4-2;3-o;2-1;1-o;"
    }
    <d a d' f'>1^\markup {
      \fret-diagram "6-x;5-x;4-o;3-2;2-3;1-1;"
    }
  }
>>

[image of music]

フレット ダイアグラム マークアップ文字列のダイアグラムに、バレー指示を追加することができます。

<<
  \new ChordNames {
     \chordmode {
       f1 g
     }
  }
  \new Staff {
    \clef "treble_8"
    <f, c f a c' f'>1^\markup {
      \fret-diagram "c:6-1-1;6-1;5-3;4-3;3-2;2-1;1-1;"
    }
    <g, d g b d' g'>1^\markup {
      \fret-diagram "c:6-1-3;6-3;5-5;4-5;3-4;2-3;1-3;"
    }
  }
>>

[image of music]

フレット ダイアグラムのサイズ、それにダイアグラムの中のフレット数をフレット ダイアグラム マークアップ文字列の中で変更することができます。

<<
  \new ChordNames {
     \chordmode {
       f1 g
     }
  }
  \new Staff {
    \clef "treble_8"
    <f, c f a c' f'>1^\markup {
      \fret-diagram "s:1.5;c:6-1-1;6-1;5-3;4-3;3-2;2-1;1-1;"
    }
    <g, b, d g b g'>1^\markup {
      \fret-diagram "h:6;6-3;5-2;4-o;3-o;2-o;1-3;"
    }
  }
>>

[image of music]

バンジョーやウクレレなどの弦数に合わせて、フレット ダイアグラム マークアップ文字列でフレット ダイアグラムの弦数を変更することができます。

<<
  \new ChordNames {
    \chordmode {
      a1
    }
  }
  \new Staff {
    % ウクレレの 'A' コード
    a'1^\markup {
      \fret-diagram "w:4;4-2-2;3-1-1;2-o;1-o;"
    }
  }
>>

[image of music]

フレット ダイアグラム マークアップ文字列で運指の指示を追加して、配置を制御することができます。

<<
  \new ChordNames {
    \chordmode {
      c1 d:m
    }
  }
  \new Staff {
    \clef "treble_8"
    <c e g c' e'>1^\markup {
      \fret-diagram "f:1;6-x;5-3-3;4-2-2;3-o;2-1-1;1-o;"
    }
    <d a d' f'>1^\markup {
      \fret-diagram "f:2;6-x;5-x;4-o;3-2-2;2-3-3;1-1-1;"
    }
  }
>>

[image of music]

フレット ダイアグラム マークアップ文字列でドットの大きさと位置を制御することができます。

<<
  \new ChordNames {
    \chordmode {
      c1 d:m
    }
  }
  \new Staff {
    \clef "treble_8"
    <c e g c' e'>1^\markup {
      \fret-diagram "d:0.35;6-x;5-3;4-2;3-o;2-1;1-o;"
    }
    <d a d' f'>1^\markup {
      \fret-diagram "p:0.2;6-x;5-x;4-o;3-2;2-3;1-1;"
    }
  }
>>

[image of music]

フレット ダイアグラムは左利き用に譜刻できます。

\markup
  \center-column {
    "C"
    "(left-handed)"
     \override #`(fret-diagram-details . ((handedness . ,LEFT)))
     \fret-diagram "6-x;5-3-3;4-2-2;3-o;2-1;1-o;"
  }

[image of music]

fret-diagram-terse マークアップ文字列は弦番号を省略します。弦番号はセミコロンで示します。ダイアグラムの弦毎にセミコロンを記述します。最初のセミコロンは最高の弦番号に対応し、最後のセミコロンは第 1 弦に対応します。消音弦、開放弦、それにフレット番号を示すことができます。

<<
  \new ChordNames {
    \chordmode {
      c1 d:m
    }
  }
  \new Staff {
    \clef "treble_8"
    <c e g c' e'>1^\markup {
      \fret-diagram-terse "x;3;2;o;1;o;"
    }
    <d a d' f'>1^\markup {
      \fret-diagram-terse "x;x;o;2;3;1;"
    }
  }
>>

[image of music]

fret-diagram-terse マークアップ文字列にバレー指示を含めることができます。

<<
  \new ChordNames {
    \chordmode {
      f1 g
    }
  }
  \new Staff {
    \clef "treble_8"
    <f, c f a c' f'>1^\markup {
      \fret-diagram-terse "1-(;3;3;2;1;1-);"
    }
    <g, d g b d' g'>1^\markup {
      \fret-diagram-terse "3-(;5;5;4;3;3-);"
    }
  }
>>

[image of music]

fret-diagram-terse マークアップ文字列に運指の指示を含めることができます。

<<
  \new ChordNames {
    \chordmode {
      c1 d:m
    }
  }
  \new Staff {
    \override Voice.TextScript.fret-diagram-details.finger-code = #'below-string
    \clef "treble_8"
    <c e g c' e'>1^\markup {
      \fret-diagram-terse "x;3-3;2-2;o;1-1;o;"
    }
    <d a d' f'>1^\markup {
      \fret-diagram-terse "x;x;o;2-2;3-3;1-1;"
    }
  }
>>

[image of music]

fret-diagram-terse マークアップを使っている時、他のフレット ダイアグラム プロパティの調節には \override を用いる必要があります。

fret-diagram-terse マークアップでは、1 つの弦につき 1 つの指示しか追加できません。1 つの弦につき複数の指示を追加したい場合には、標準のフレット ダイアグラムか、fret-diagram-verbose を使用してください。

fret-diagram-verbose マークアップ文字列のフォーマットは Scheme リストです。リストの各要素はフレット ダイアグラム上に配置する要素を示しています。

<<
    \new ChordNames {
      \chordmode {
        c1 d:m
      }
    }
  \new Staff {
    \clef "treble_8"
    <c e g c' e'>1^\markup {
      \fret-diagram-verbose #'(
        (mute 6)
        (place-fret 5 3)
        (place-fret 4 2)
        (open 3)
        (place-fret 2 1)
        (open 1)
      )
    }
    <d a d' f'>1^\markup {
      \fret-diagram-verbose #'(
        (mute 6)
        (mute 5)
        (open 4)
        (place-fret 3 2)
        (place-fret 2 3)
        (place-fret 1 1)
      )
    }
  }
>>

[image of music]

fret-diagram-verbose マークアップ文字列に運指の指示とバレー指示を含めることができます。fret-diagram-verbose インターフェイスに特有なこととして、 カポ指示をフレット ダイアグラム上に配置することができます。カポ指示はすべての弦に重なる太い線です。カポを持つフレットは、フレット ダイアグラムの中の最も低いフレットです。

運指の指示を含むドットは、括弧付きのものも含めて色を付けることができます。括弧の色も独立に変更することができます。

マークアップはドットの中にも配置することができます。

<<
    \new ChordNames {
      \chordmode {
        f1 g c c b
      }
    }
  \new Staff {
    \clef "treble_8"
    \override Voice.TextScript
      .fret-diagram-details.finger-code = #'below-string
    <f, c f a c' f'>1^\markup {
      \fret-diagram-verbose #'(
        (place-fret 6 1)
        (place-fret 5 3)
        (place-fret 4 3)
        (place-fret 3 2)
        (place-fret 2 1)
        (place-fret 1 1)
        (barre 6 1 1)
      )
    }
    <g, b, d g b g'>1^\markup {
      \fret-diagram-verbose #'(
        (place-fret 6 3 2)
        (place-fret 5 2 1)
        (open 4)
        (open 3)
        (open 2)
        (place-fret 1 3 3)
      )
    }
    <c g c' e' g'>1^\markup {
      \fret-diagram-verbose #'(
        (capo 3)
        (mute 6)
        (place-fret 4 5 1)
        (place-fret 3 5 2)
        (place-fret 2 5 3)
      )
    }
    \override Voice.TextScript.size = 1.4
    <c g c' e' g'>1^\markup {
      \fret-diagram-verbose #'(
        (place-fret 6 3 1 red parenthesized default-paren-color)
        (place-fret 5 3 1 inverted)
        (place-fret 4 5 2 blue parenthesized)
        (place-fret 3 5 3 blue)
        (place-fret 2 5 4 blue)
        (place-fret 1 3 1 inverted)
      )
    }
    \override Voice.TextScript.size = 1.5
    <b, fis b dis' fis'>1^\markup 
      \override #'(fret-diagram-details . ((finger-code . in-dot)))
      \fret-diagram-verbose #`(
        (place-fret 5 2 1)
        (place-fret 4 4 "fis" red)
        (place-fret 3 4 "b" red)
        (place-fret
          2 4
          ,#{ \markup
                \concat {
                  \vcenter "d"
                  \fontsize #-5
                  \musicglyph "accidentals.sharp"} #}
          red)
        (place-fret 1 2 1)
      )
  }
>>

[image of music]

fret-diagram-verbose マークアップを使っている時、他のフレット ダイアグラム プロパティの調節には \override を用いる必要があります。

ユーザの好みに応じて、fret-diagram-interface プロパティでフレット ダイアグラムのグラフィック レイアウトをカスタマイズすることが可能です。 詳細は、fret-diagram-interface を参照してください。フレット ダイアグラム マークアップ用のインターフェイス プロパティは Voice.TextScript に属します。

Selected Snippets

フレット図の向きを変更する

フレット図は 3 種類の向きを指定できます。デフォルトの揃え位置は、一番上にある弦またはフレットです。

\include "predefined-guitar-fretboards.ly"

<<
  \chords {
    c1
    c1
    c1
  }
  \new FretBoards {
    \chordmode {
      c1
      \override FretBoard.fret-diagram-details.orientation =
        #'landscape
      c1
      \override FretBoard.fret-diagram-details.orientation =
        #'opposing-landscape
      c1
    }
  }
  \new Voice {
    c'1
    c'1
    c'
  }
>>

[image of music]

マークアップのフレット図をカスタマイズする

フレット図のプロパティは fret-diagram-details からセットできます。マークアップのフレット図では、オーバライドは Voice.TextScript オブジェクトや、マークアップに直接適用されます。

<<
  \chords { c1 | c | c | d }

  \new Voice = "mel" {
    \textLengthOn
    % Set global properties of fret diagram
    \override TextScript.size = 1.2
    \override TextScript.fret-diagram-details.finger-code = #'in-dot
    \override TextScript.fret-diagram-details.dot-color = #'white

    %% C major for guitar, no barre, using defaults
       % terse style
    c'1^\markup { \fret-diagram-terse "x;3-3;2-2;o;1-1;o;" }

    %% C major for guitar, barred on third fret
       % verbose style
       % size 1.0
       % roman fret label, finger labels below string, straight barre
    c'1^\markup {
      % standard size
      \override #'(size . 1.0) {
        \override #'(fret-diagram-details . (
                     (number-type . roman-lower)
                     (finger-code . in-dot)
                     (barre-type . straight))) {
          \fret-diagram-verbose #'((mute 6)
                                   (place-fret 5 3 1)
                                   (place-fret 4 5 2)
                                   (place-fret 3 5 3)
                                   (place-fret 2 5 4)
                                   (place-fret 1 3 1)
                                   (barre 5 1 3))
        }
      }
    }

    %% C major for guitar, barred on third fret
       % verbose style
       % landscape orientation, arabic numbers, M for mute string
       % no barre, fret label down or left, small mute label font
    c'1^\markup {
      \override #'(fret-diagram-details . (
                   (finger-code . below-string)
                   (number-type . arabic)
                   (label-dir . -1)
                   (mute-string . "M")
                   (orientation . landscape)
                   (barre-type . none)
                   (xo-font-magnification . 0.4)
                   (xo-padding . 0.3))) {
        \fret-diagram-verbose #'((mute 6)
                                 (place-fret 5 3 1)
                                 (place-fret 4 5 2)
                                 (place-fret 3 5 3)
                                 (place-fret 2 5 4)
                                 (place-fret 1 3 1)
                                 (barre 5 1 3))
      }
    }

    %% simple D chord
       % terse style
       % larger dots, centered dots, fewer frets
       % label below string
    d'1^\markup {
      \override #'(fret-diagram-details . (
                   (finger-code . below-string)
                   (dot-radius . 0.35)
                   (dot-position . 0.5)
                   (fret-count . 3))) {
        \fret-diagram-terse "x;x;o;2-1;3-2;2-3;"
      }
    }
  }
>>

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: Instrument-specific markup

コード断片集: Fretted strings

内部リファレンス: fret-diagram-interface


あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム

フレット ダイアグラムを FretBoards コンテキストを用いて表示させることができます。デフォルトでは、 FretBoards コンテキストは参照テーブルに保存されているフレット ダイアグラムを表示します:

\include "predefined-guitar-fretboards.ly"
\new FretBoards {
  \chordmode {
    c1 d
  }
}

[image of music]

あらかじめ定義されたフレット ダイアグラムのデフォルトは ファイル predefined-guitar-fretboards.ly の中にあります。 フレット ダイアグラムは、コードのピッチと現在使われている stringTunings の値に基づいて保存されます。predefined-guitar-fretboards.ly が保持しているあらかじめ定義されたフレット ダイアグラムは、ギター用だけです。predefined-guitar-fretboards.ly の中にある例に従って、他の楽器あるいは他のチューニング用のあらかじめ定義されたフレット ダイアグラムを追加することができます。

ウクレレ用のフレット ダイアグラムはファイル predefined-ukulele-fretboards.ly の中にあります。

\include "predefined-ukulele-fretboards.ly"

myChords = \chordmode { a1 a:m a:aug }

\new ChordNames {
  \myChords
}

\new FretBoards {
  \set Staff.stringTunings = #ukulele-tuning
  \myChords
}

[image of music]

マンドリン用のフレット ダイアグラムはファイル predefined-mandolin-fretboards.ly の中にあります。

\include "predefined-mandolin-fretboards.ly"

myChords = \chordmode { c1 c:m7.5- c:aug }

\new ChordNames {
  \myChords
}

\new FretBoards {
  \set Staff.stringTunings = #mandolin-tuning
  \myChords
}

[image of music]

コードのピッチを入力する方法は、同時進行する音楽として入力するか、コード モード (和音モードの概要 を参照してください) を用いて入力するかのどちらかです。

\include "predefined-guitar-fretboards.ly"
\new FretBoards {
  \chordmode { c1 }
  <c' e' g'>1
}

[image of music]

コード ネームとフレット ダイアグラムを一緒に表示させることが一般的に行われます。これを実現するには、ChordNames コンテキストを FretBoards コンテキストと並列に配置して、両方のコンテキストに同じ音楽を与えます。

\include "predefined-guitar-fretboards.ly"
mychords = \chordmode {
  c1 f g
}

<<
  \new ChordNames {
    \mychords
  }
  \new FretBoards {
    \mychords
  }
>>

[image of music]

あらかじめ定義されたフレット ダイアグラムは、c 移調されたコードに対するダイアグラムがフレット ダイアグラム テーブルに保存されていれば、移調可能です。

\include "predefined-guitar-fretboards.ly"
mychords = \chordmode {
  c1 f g
}

mychordlist = {
  \mychords
  \transpose c e { \mychords }
}
<<
  \new ChordNames {
    \mychordlist
  }
  \new FretBoards {
    \mychordlist
  }
>>

[image of music]

ギター用のあらかじめ定義されたフレット ダイアグラム テーブルは、17 キーのそれぞれに対して 8 つのコード (major, minor, augmented, diminished, dominant seventh, major seventh, minor seventh, dominant ninth) を保持しています。ウクレレ用のあらかじめ定義されたフレット ダイアグラム テーブルは、上記のコードに加えて、3 つのコード (major sixth, suspended second, それに suspended fourth) を保持しています。あらかじめ定義されたフレット ダイアグラムの完全なリストは 定義されたフレット図 で示されています。テーブルにエントリされていないコードがある場合、FretBoards エングラーバは 自動フレット ダイアグラム で説明する自動フレット ダイアグラム機能を用いてフレット ダイアグラムを算出します。

\include "predefined-guitar-fretboards.ly"
mychords = \chordmode {
  c1 c:maj9
}

<<
  \new ChordNames {
    \mychords
  }
  \new FretBoards {
    \mychords
  }
>>

[image of music]

フレット ダイアグラムをフレット ダイアグラム テーブルに追加することができます。ダイアグラムを追加するには、ダイアグラムのハッシュ テーブル、ダイアグラムのコード、使用するチューニング、それにダイアグラムの定義を指定する必要があります。通常、ハッシュ テーブルは default-fret-table です。ダイアグラムの定義は fret-diagram-terse 定義文字列またはfret-diagram-verbose マーキング リストのどちらかです。

\include "predefined-guitar-fretboards.ly"

\storePredefinedDiagram #default-fret-table
                        \chordmode { c:maj9 }
                        #guitar-tuning
                        "x;3-2;o;o;o;o;"

mychords = \chordmode {
  c1 c:maj9
}

<<
  \new ChordNames {
    \mychords
  }
  \new FretBoards {
    \mychords
  }
>>

[image of music]

ピッチのオクターブを変えることで、同じコード ネームに対して異なるフレット ダイアグラムを保存することができます。オクターブを変える場合は、デフォルトのオクターブに対して少なくとも 2 オクターブ上げるか下げる必要があります。デフォルトの 1 オクターブ上または下のオクターブは、フレットボードの移調に使用されるためです。

\include "predefined-guitar-fretboards.ly"

\storePredefinedDiagram #default-fret-table
                        \chordmode { c'' }
                        #guitar-tuning
                        #(offset-fret 2 (chord-shape 'bes guitar-tuning))

mychords = \chordmode {
  c1 c''
}

<<
  \new ChordNames {
    \mychords
  }
  \new FretBoards {
    \mychords
  }
>>

[image of music]

LilyPond はフレット ダイアグラムに加えて、コード シェイプの内部リストを保存します。コード シェイプとは、押さえるフレットをネック上の別の位置にシフトすることで別のコードを演奏できるようなフレット ダイアグラムです (訳注: 日本ではよくハイコードと呼ばれます)。コード シェイプを内部リストに追加することができ、フレット ダイアグラムを定義するために使うことができます。コード シェイプはネック上の様々な位置に移動することができるため、通常は開放弦を持ちません。フレット ダイアグラムと同様に、 コード シェイプは fret-diagram-terse 文字列でも fret-diagram-verbose リストでも入力することができます。

\include "predefined-guitar-fretboards.ly"

% 新しいコード シェイプを追加します

\addChordShape #'powerf #guitar-tuning "1-1;3-3;3-4;x;x;x;"

% パワー コード シェイプを基にして、新しいコードをいくつか追加します

\storePredefinedDiagram #default-fret-table
                        \chordmode { f'' }
                        #guitar-tuning
                        #(chord-shape 'powerf guitar-tuning)
\storePredefinedDiagram #default-fret-table
                        \chordmode { g'' }
                        #guitar-tuning
                        #(offset-fret 2 (chord-shape 'powerf guitar-tuning))

mychords = \chordmode {
  f1 f'' g g''
}

<<
  \new ChordNames {
    \mychords
  }
  \new FretBoards {
    \mychords
  }
>>

[image of music]

fret-diagram-interface のプロパティを通じて、フレット ダイアグラムのグラフィカル レイアウトをユーザの好みに応じてカスタマイズすることができます。詳細は fret-diagram-interface を参照してください。あらかじめ定義されたフレット ダイアグラムのインターフェイス プロパティはFretBoards.FretBoard に属します。

Selected Snippets

フレットボードのフレット図をカスタマイズする

フレット図のプロパティは fret-diagram-details からセットできます。FretBoardのフレット図では、オーバライドは FretBoards.FretBoard オブジェクトに適用されます。FretBoardsVoice のように最下位のコンテキストであるため、プロパティのオーバライドでは省略することができます。

\include "predefined-guitar-fretboards.ly"

\storePredefinedDiagram #default-fret-table \chordmode { c' }
                        #guitar-tuning
                        "x;1-1-(;3-2;3-3;3-4;1-1-);"

% shorthand
oo = #(define-music-function
       (grob-path value)
       (list? scheme?)
       #{ \once \override $grob-path = #value #})

<<
  \new ChordNames {
    \chordmode { c1 | c | c | d }
  }
  \new FretBoards {
    % Set global properties of fret diagram
    \override FretBoards.FretBoard.size = 1.2
    \override FretBoard.fret-diagram-details.finger-code = #'in-dot
    \override FretBoard.fret-diagram-details.dot-color = #'white
    \chordmode {
      c
      \oo FretBoard.size #1.0
      \oo FretBoard.fret-diagram-details.barre-type #'straight
      \oo FretBoard.fret-diagram-details.dot-color #'black
      \oo FretBoard.fret-diagram-details.finger-code #'below-string
      c'
      \oo FretBoard.fret-diagram-details.barre-type #'none
      \oo FretBoard.fret-diagram-details.number-type #'arabic
      \oo FretBoard.fret-diagram-details.orientation #'landscape
      \oo FretBoard.fret-diagram-details.mute-string "M"
      \oo FretBoard.fret-diagram-details.label-dir #LEFT
      \oo FretBoard.fret-diagram-details.dot-color #'black
      c'
      \oo FretBoard.fret-diagram-details.finger-code #'below-string
      \oo FretBoard.fret-diagram-details.dot-radius #0.35
      \oo FretBoard.fret-diagram-details.dot-position #0.5
      \oo FretBoard.fret-diagram-details.fret-count #3
      d
    }
  }
  \new Voice {
    c'1 | c' | c' | d'
  }
>>

[image of music]

他の楽器のためのフレットボードを定義する

定義されたフレット図のリストに、標準的なギターのフレット図以外のものを追加することができます。このファイルは、ベネズエラのクアトロのために調弦といくつかのフレット図を追加する例を示しています。

このファイルは和音に運指を追加し、フレット図や TabStaff に表示する方法も示しています。五線譜には運指は表示されません。

これらのフレット図は弦の情報を含んでいるため、移調することができません。これは将来修正される予定があります。

% add FretBoards for the Cuatro
%   Note: This section could be put into a separate file
%      predefined-cuatro-fretboards.ly
%      and \included into each of your compositions

cuatroTuning = #`(,(ly:make-pitch 0 6 0)
                  ,(ly:make-pitch 1 3 SHARP)
		  ,(ly:make-pitch 1 1 0)
		  ,(ly:make-pitch 0 5 0))

dSix = { <a\4 b\1 d\3 fis\2> }
dMajor = { <a\4 d\1 d\3 fis \2> }
aMajSeven = { <a\4 cis\1 e\3 g\2> }
dMajSeven = { <a\4 c\1 d\3 fis\2> }
gMajor = { <b\4 b\1 d\3 g\2> }

\storePredefinedDiagram #default-fret-table \dSix
                        #cuatroTuning
                        "o;o;o;o;"
\storePredefinedDiagram #default-fret-table \dMajor
                        #cuatroTuning
                        "o;o;o;3-3;"
\storePredefinedDiagram #default-fret-table \aMajSeven
                        #cuatroTuning
                        "o;2-2;1-1;2-3;"
\storePredefinedDiagram #default-fret-table \dMajSeven
                        #cuatroTuning
                        "o;o;o;1-1;"
\storePredefinedDiagram #default-fret-table \gMajor
                        #cuatroTuning
                        "2-2;o;1-1;o;"

% end of potential include file /predefined-cuatro-fretboards.ly


#(set-global-staff-size 16)

primerosNames = \chordmode {
  d:6 d a:maj7 d:maj7
  g
}
primeros = {
  \dSix \dMajor \aMajSeven \dMajSeven
  \gMajor
}

\score {
  <<
    \new ChordNames {
      \set chordChanges = ##t
      \primerosNames
    }

    \new Staff {
      \new Voice \with {
        \remove "New_fingering_engraver"
      }
      \relative c'' {
        \primeros
      }
    }

    \new FretBoards {
      \set Staff.stringTunings = #cuatroTuning
%      \override FretBoard
%        #'(fret-diagram-details string-count) = 4
      \override FretBoard.fret-diagram-details.finger-code = #'in-dot
      \primeros
    }

    \new TabStaff \relative c'' {
      \set TabStaff.stringTunings = #cuatroTuning
      \primeros
    }

  >>

  \layout {
    \context {
      \Score
      \override SpacingSpanner.base-shortest-duration =
        \musicLength 16
    }
  }
  \midi { }
}

[image of music]

フレット図の chordChange プロパティ

フレット図をコードが変わるときにだけ表示したり、行頭だけに表示したりすることができます。

\include "predefined-guitar-fretboards.ly"

\paper { tagline = ##f }

myChords = \chordmode {
  c1 c1 \break
  \set chordChanges = ##t
  c1 c1 \break
  c1 c1
}

<<
  \new ChordNames { \myChords }
  \new FretBoards { \myChords }
  \new Staff { \myChords }
>>

[image of music]

代替フレット テーブル

代替フレット テーブルを作ることができます。これらはコードの代替形を表示するために使用されます。

代替フレット テーブルを使用するには、最初にテーブルを作成する必要があります。その後、テーブルにフレット図が追加されます。

作成されたフレット テーブルは空のままでも構いませんし、既存のテーブルからコピーしてくることもできます。

予め定義されたフレット図のテーブルは \predefinedDiagramTable で選択することができます。

\include "predefined-guitar-fretboards.ly"

% Make a blank new fretboard table
#(define custom-fretboard-table-one
   (make-fretboard-table))

% Make a new fretboard table as a copy of default-fret-table
#(define custom-fretboard-table-two
   (make-fretboard-table default-fret-table))

% Add a chord to custom-fretboard-table-one
\storePredefinedDiagram #custom-fretboard-table-one
                        \chordmode {c}
                        #guitar-tuning
                        "3-(;3;5;5;5;3-);"

% Add a chord to custom-fretboard-table-two
\storePredefinedDiagram #custom-fretboard-table-two
                        \chordmode {c}
                        #guitar-tuning
                        "x;3;5;5;5;o;"

<<
  \chords {
    c1 | d1 |
    c1 | d1 |
    c1 | d1 |
  }
  \new FretBoards {
    \chordmode {
      \set predefinedDiagramTable = #default-fret-table
      c1 | d1 |
      \set predefinedDiagramTable = #custom-fretboard-table-one
      c1 | d1 |
      \set predefinedDiagramTable = #custom-fretboard-table-two
      c1 | d1 |
    }
  }
  \new Staff {
    \clef "treble_8"
    <<
      \chordmode {
        c1 | d1 |
        c1 | d1 |
        c1 | d1 |
      }
      {
        s1_\markup "Default table" | s1 |
        s1_\markup \column {"New table" "from empty"} | s1 |
        s1_\markup \column {"New table" "from default"} | s1 |
      }
    >>
  }
>>

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: カスタム タブ譜, 自動フレット ダイアグラム, 和音モードの概要, 定義されたフレット図

インストールされているファイル: ly/predefined-guitar-fretboards.ly,
ly/predefined-guitar-ninth-fretboards.ly,
ly/predefined-ukulele-fretboards.ly,
ly/predefined-mandolin-fretboards.ly

コード断片集: Fretted strings

内部リファレンス: fret-diagram-interface


自動フレット ダイアグラム

FretBoards コンテキストを用いて、入力された音符からフレット ダイアグラムを自動的に作成することができます。アクティブな stringTunings で入力された音符に対してあらかじめ定義されたダイアグラムが用意されていない場合、このコンテキストはその音符を演奏するために使用する弦とフレットを算出します。

<<
  \new ChordNames {
    \chordmode {
      f1 g
    }
  }
  \new FretBoards {
    <f, c f a c' f'>1
    <g,\6 b, d g b g'>1
  }
  \new Staff {
    \clef "treble_8"
    <f, c f a c' f'>1
    <g, b, d g b' g'>1
  }
>>

[image of music]

デフォルトではあらかじめ定義されたダイアグラムは読み込まれないため、フレット ダイアグラムの自動算出がデフォルトの振る舞いとなります。一旦デフォルトのダイアグラムが読み込まれると、あらかじめ定義されたコマンドで自動算出を有効または無効にすることができます:

\storePredefinedDiagram #default-fret-table
                        <c e g c' e'>
                        #guitar-tuning
                        "x;3-1-(;5-2;5-3;5-4;3-1-1-);"
<<
  \new ChordNames {
    \chordmode {
      c1 c c
    }
  }
  \new FretBoards {
    <c e g c' e'>1
    \predefinedFretboardsOff
    <c e g c' e'>1
    \predefinedFretboardsOn
    <c e g c' e'>1
  }
  \new Staff {
    \clef "treble_8"
    <c e g c' e'>1
    <c e g c' e'>1
    <c e g c' e'>1
  }
>>

[image of music]

フレットボード算出機能が適切なダイアグラムを算出できないことがあります。これは、手動で音符を弦に割り当てることにより修復できることがあります。多くの場合、手動で割り当てる必要のある音符は 1 つだけです。その音符を手動で割り当てると、他の音符は FretBoards コンテキストにより適切に配置されます。

FretBoard フレット ダイアグラムに運指を追加することができます。

<<
  \new ChordNames {
    \chordmode {
      c1 d:m
    }
  }
  \new FretBoards {
    <c-3 e-2 g c'-1 e'>1
    <d a-2 d'-3 f'-1>1
  }
  \new Staff {
    \clef "treble_8"
    <c e g c' e'>1
    <d a d' f'>1
  }
>>

[image of music]

FretBoard コンテキストの弦とフレットを算出する際に使用される最小フレットを minimumFret プロパティでセットすることができます。 property.

<<
  \new ChordNames {
    \chordmode {
      d1:m d:m
    }
  }
  \new FretBoards {
    <d a d' f'>1
    \set FretBoards.minimumFret = #5
    <d a d' f'>1
  }
  \new Staff {
    \clef "treble_8"
    <d a d' f'>1
    <d a d' f'>1
  }
>>

[image of music]

TabStaff コンテキストと同様に、FretBoards コンテキストの弦とフレットは stringTunings プロパティに依存します。stringTunings プロパティについての情報は、カスタム タブ譜 を参照してください。

fret-diagram-interface のプロパティを通じて、フレット ダイアグラムのグラフィカル レイアウトをユーザの好みに応じてカスタマイズすることができます。詳細は fret-diagram-interface を参照してください。FretBoards フレット ダイアグラムののインターフェイス プロパティはFretBoards.FretBoard に属します。

定義済みコマンド

\predefinedFretboardsOff, \predefinedFretboardsOn

参照

記譜法リファレンス: カスタム タブ譜

コード断片集: Fretted strings

内部リファレンス: fret-diagram-interface

既知の問題と警告

自動フレットボード算出機能は、モノトーン チューニングではない楽器では適切に機能しません。


右手の運指

右手の運指 p-i-m-a は後に数字が続く \rightHandFinger を用いて入力する必要があります。

Note: Scheme 表記で数字を入力する場合、数字の後にくるもの (閉じ括弧 > 等であっても) の前にスペースを置くことを忘れないで下さい。

\clef "treble_8"
c4\rightHandFinger #1
e\rightHandFinger #2
g\rightHandFinger #3
c'\rightHandFinger #4
<c\rightHandFinger #1 e\rightHandFinger #2
 g\rightHandFinger #3 c'\rightHandFinger #4 >1

[image of music]

入力しやすくするために、\rightHandFinger を短縮することができます。 例えば、RH に短縮します:

RH=#rightHandFinger

Selected Snippets

右手の運指記号の配置

次の例で示すように、あるプロパティをセットすることによって、右手の運指記号の配置を細かくコントロールすることができます。注意: 和音構造 <> を用いる必要があります。

#(define RH rightHandFinger)

\relative c {
  \clef "treble_8"

  \set strokeFingerOrientations = #'(up down)
  <c\RH 1 e\RH 2 g\RH 3 c\RH 4 >4

  \set strokeFingerOrientations = #'(up right down)
  <c\RH 1 e\RH 2 g\RH 3 c\RH 4 >4

  \set strokeFingerOrientations = #'(left)
  <c\RH 1 e\RH 2 g\RH 3 c\RH 4 >2

  \set strokeFingerOrientations = #'(right)
  c\RH 1
}

[image of music]

弦番号と右手の運指

この例は左手の運指記号、弦番号、右手の運指記号を組み合わせています。

#(define RH rightHandFinger)

\relative c {
  \clef "treble_8"
  <c-3\5\RH 1 >4
  <e-2\4\RH 2 >4
  <g-0\3\RH 3 >4
  <c-1\2\RH 4 >4
}

[image of music]

参照

コード断片集: Fretted strings

内部リファレンス: StrokeFinger


2.4.2 ギター

ギターに関する記譜の問題の大部分は、フレットのある楽器全般のセクションで十分にカバーされています。しかしながら、ここでは 2, 3 の価値のあることをカバーします。歌詞の上にコード指示を配置しただけの歌集タイプのドキュメントを作成したいと望むユーザが時々います。LilyPond は楽譜譜刻プログラムなので、音楽記譜を持たないドキュメントの作成には推奨できません。ワード プロセッサ、テキスト エディタ、経験のあるユーザであれば GuitarTeX のような譜刻プログラムの方が適しています。


ポジションとバレーの指示

以下の例は、楽譜にギターのポジションとバレーの指示を含める方法を示しています。

\relative {
  \clef "treble_8"
  b,16 d g b e
  \textSpannerDown
  \override TextSpanner.bound-details.left.text = "XII "
  g16\startTextSpan
  b16 e g e b g\stopTextSpan
  e16 b g d
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: テキスト スパナ

コード断片集: Fretted strings, Expressive marks


ハーモニクスとデッド ノートの指示

デッド ノートやハーモニクスを示すための特殊な符頭を使うことができます。通常、ハーモニクスにはテキスト マークアップによる説明も付け加えます。

\relative {
  \clef "treble_8"
  \override NoteHead.style = #'harmonic-mixed
  d'8^\markup { \italic \fontsize #-2 "harm. 12" } <g b>4
}

[image of music]

デッド ノート (ゴースト ノートとも呼ばれます) が通常の譜とタブ譜でサポートされます:

music = \relative {
  < a\3 \deadNote c\2 a'\1 >4
  < b\3 \deadNote d\2 b'\1 >
  < c\3 \deadNote e\2 c'\1 >
  \deadNotesOn
  \tuplet 3/2 { g8 b e }
  \deadNotesOff
  < a,\3 c\2 e\1 >1
}
\new StaffGroup <<
  \new Staff {
    \clef "treble_8"
    \music
  }
  \new TabStaff {
    \music
  }
>>

[image of music]

もう 1 つの演奏テクニックに パーム ミュート (特に、エレキ ギターで使用されます) があります。弦を弾く手の平で弦にミュートをかけます (訳者: 手の平=パーム(palm))。LilyPond は、符頭を三角形に変更することで、パーム ミュートの音符記譜をサポートします。

\new Voice { % 警告: 楽曲の先頭に palmMuteOn がある場合、
             % palmMuteOff を正しく機能させるには Voice を
             % 明示的にインスタンス化する必要があります。
  \relative c, {
    \clef "G_8"
    \palmMuteOn
    e8^\markup { \musicglyph "noteheads.s2do"  = palm mute }
    < e b' e > e
    \palmMuteOff
    e e  \palmMute e e e |
    e8 \palmMute { e e e } e e e e |
    < \palmMute e b' e >8 \palmMute { e e e } < \palmMute e b' e >2
  }
}

[image of music]

参照

コード断片集: Fretted strings

記譜法リファレンス: 特殊な符頭, 符頭のスタイル


パワー コードの指示

パワー コードのそのシンボルをコード モードの中、あるいは和音構造として譜刻することができます。五度は通常、他のコード (メジャーあるいはマイナー トライアド) では省略されますが、例外として、これらのコード ネームでは明示されます。

ChordsAndSymbols = {
  \chordmode {
    e,,1:5
    a,,:5.8
    \set TabStaff.restrainOpenStrings = ##t
    \set minimumFret = #8
    c,:5
    f,:5.8
  }
  \set minimumFret = #2
  \set restrainOpenStrings = ##f
  <a, e> <a cis' e'>
  <g d' g'>
}
\score {
  <<
    \new ChordNames {
    \ChordsAndSymbols
    }
    \new Staff {
      \clef "treble_8"
      \ChordsAndSymbols
    }
    \new TabStaff {
      \ChordsAndSymbols
    }
  >>
}

[image of music]

参照

音楽用語集: power chord

記譜法リファレンス: 和音の拡張と変形, コード ネームを譜刻する

コード断片集: Fretted strings


2.4.3 バンジョー


バンジョーのタブ譜

LilyPond は 5 弦バンジョーの基本的なサポートを提供します。5 弦バンジョーのタブ譜を作成するときは、5 番目の弦のフレット番号を正しく取得するためにバンジョー タブ譜フォーマット関数を使用してください:

music = {
  g8 d' g'\5 a b g e d' |
  g4 d''8\5 b' a'\2 g'\5 e'\2 d' |
  g4
}

<<
  \new Staff \with { \omit StringNumber }
  { \clef "treble_8"  \music }
  \new TabStaff \with {
    tablatureFormat = #fret-number-tablature-format-banjo
    stringTunings = #banjo-open-g-tuning
  }
  { \music }
>>

[image of music]

5 弦バンジョーの一般的なチューニングのいくつかは、あらかじめ定義されています: banjo-c-tuning (gCGBD), banjo-modal-tuning (gDGCD), banjo-open-d-tuning (aDF#AD) それに banjo-open-dm-tuning (aDFAD) です。

four-string-banjo 関数を用いて、これらを 4 弦バンジョーのチューニングに変換することができます:

\set TabStaff.stringTunings = #(four-string-banjo banjo-c-tuning)

参照

インストールされているファイル: ly/string-tunings-init.ly

コード断片集: Fretted strings


2.4.4 リュート


リュートのタブ譜

LilyPond はリュートのタブ譜をサポートします。

低音弦を追加するには、additionalBassString にピッチをセットします。一番下の線より下に、a, /a, //a, ///a, 4, 5 などのように表示されます。

tablatureFormat には fret-letter-tablature-format を使用するべきです。更なるカスタマイズには fretLabels を使います。

m = { f'4 d' a f d a, g, fis, e, d, c,  \bar "|." }

\score {
  <<
    \new Staff { \clef bass \cadenzaOn  \m }
    \new TabStaff \m
  >>
  \layout {
    \context {
      \Score
      tablatureFormat = #fret-letter-tablature-format
    }
    \context {
      \TabStaff
      stringTunings = \stringTuning <a, d f a d' f'>
      additionalBassStrings = \stringTuning <c, d, e, fis, g,>
      fretLabels = #'("a" "b" "r" "d" "e" "f" "g" "h" "i" "k")
    }
  }
}

[image of music]

既知の問題と警告

FretBoardsadditionalBassStrings と同時に使うことはサポートしておらず、期待に沿わない結果となります。


2.5 打楽器


2.5.1 打楽器で共通の記譜法

リズム音楽は主に打楽器とドラム記譜法で使用されますが、旋律のリズムを示すために使うこともできます。


打楽器のためのリファレンス

参照

記譜法リファレンス: 旋律のリズムを示す, 新たに譜をインスタンス化する, MIDI 出力を作り出す

コード断片集: Percussion


基本的な打楽器の記譜法

打楽器の音符は \drummode モードで入力することができます。このモードでの音符の入力の仕方は標準モードに似ています。打楽器の音符を入力する最も簡単な方法は、打楽器用のコンテキストとエントリを作成する \drums コマンドを用いる方法です:

\drums {
  hihat4 hh bassdrum bd
}

[image of music]

上記の例は、下記を短縮したものです:

\new DrumStaff \drummode {
  hihat4 hh bassdrum bd
}

[image of music]

打楽器の音符名には完全名と省略名があり、どちらも入力ファイルで使うことができます。打楽器の音符名の完全なリストが 打楽器の音符 にあります。

DrumStaff コンテキスト内で通常の記譜法でのピッチ (cis4 等) を使うとエラーになるということに注意してください。打楽器の音部記号は自動的に DrumStaff に付け加えられますが、明示的に付け加えることもできます。他の音部記号も使うことができます。

\drums {
  \clef percussion
  bd4 4 4 4
  \clef treble
  hh4 4 4 4
}

[image of music]

打楽器のための MIDI サポートにはいくつか考慮すべき問題があります。MIDI 出力を作り出す を参照してください。

参照

記譜法リファレンス: MIDI 出力を作り出す, 打楽器の音符

インストールされているファイル: ly/drumpitch-init.ly

コード断片集: Percussion


ドラム ロール

ドラム ロールは符幹に 3 本のスラッシュを付けて示します。4 分音符以上の長さの音符には 3 本のスラッシュが明示的に示され、8 分音符には 2 本のスラッシュが付けられ (連桁が 3 本目のスラッシュになります)、8 分音符よりも短い音符には連桁に 1 本のスラッシュが付け加えられます。これは、トレモロ記譜法によって実現されます – トレモロの繰り返し を参照してください。

\drums {
  \time 2/4
  sn16 8 16 8 8:32 ~
  8 8 4:32 ~
  4 8 16 16
  4 r4
}

[image of music]

スティックは音符の上または下にマークアップ "R" または "L" を配置することによって示すことができます。マークアップの配置については 向きと配置 を参照してください。staff-padding プロパティを上書きして、ベースラインを好みに合わせることができます。

\drums {
  \repeat unfold 2 {
    sn16^"L" 16^"R" 16^"L" 16^"L" 16^"R" 16^"L" 16^"R" 16^"R"
    \stemUp
    sn16_"L" 16_"R" 16_"L" 16_"L" 16_"R" 16_"L" 16_"R" 16_"R"
  }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: トレモロの繰り返し

コード断片集: Percussion


ピッチを持つ打楽器

ピッチを持つ打楽器 (シロフォン、ビブラフォン、それにティンパニー) は通常の譜を用いて記述します。通常の譜については、このマニュアルの他のセクションでカバーしています。

参照

記譜法リファレンス: MIDI 出力を作り出す

コード断片集: Percussion


打楽器の譜

通常、複数の楽器での打楽器パートは複数線の譜を使い、譜の高さで打楽器を指定します。譜刻するには、音符を DrumStaff コンテキストや DrumVoice コンテキスト内に配置する必要があります。

up = \drummode {
  crashcymbal4 hihat8 halfopenhihat hh hh hh openhihat
}
down = \drummode {
  bassdrum4 snare8 bd r bd sn4
}
\new DrumStaff <<
  \new DrumVoice { \voiceOne \up }
  \new DrumVoice { \voiceTwo \down }
>>

[image of music]

上記の例は冗長な多声記譜法です。私はボイスを聴いている で説明した短い多声記譜法を使うこともできます。例えば、以下のようになります:

\new DrumStaff <<
  \drummode {
    bd4 sn4 bd4 sn4
    << {
      \repeat unfold 16 hh16
    } \\ {
      bd4 sn4 bd4 sn4
    } >>
  }
>>

[image of music]

他のレイアウトでも実現できます。コンテキスト DrumVoice の中にある プロパティ drumStyleTable をセットすることによってレイアウトを変更できます。以下の変数があらかじめ定義されています:

drums-style

これがデフォルトです。これは五線譜上に通常のドラム キットを刻譜します:

[image of music]

このドラム構成は 6 種類のタムをサポートします。タムの種類が少ない場合は、望みの結果となるタムを選択してください。例えば、タムを五線譜の中間の 3 本の線に配置するのであれば、tommh, tomml, それに tomfh を使います。

agostini-drums-style

1965 年にフランス人のパーカッション奏者である Dante Agostini によって作られました。フランスではよく使われますが、他の国でも使われることがあります。

[image of music]

timbales-style

これは二線譜上にティンバレスを譜刻します:

[image of music]

congas-style

これは二線譜上にコンガを譜刻します:

[image of music]

bongos-style

これは二線譜上にボンゴを譜刻します:

[image of music]

percussion-style

これは全ての種類の打楽器を一線譜上に譜刻します:

[image of music]

カスタム打楽器譜 で説明されているように、カスタム打楽器スタイルを定義することもできます。

参照

学習マニュアル: I'm hearing Voices

記譜法リファレンス: カスタム打楽器譜

インストールされているファイル: ly/drumpitch-init.ly

コード断片集: Percussion


カスタム打楽器譜

カスタム打楽器スタイルを定義することができます。スタイルは連想配列として定義し、drumStyleTable プロパティにセットします。連想配列の各エントリは 4 つのアイテムからなります: 名前・符頭のスタイル (デフォルトは default)・アーティキュレーション (必要ない場合には #f)・譜内の符頭の位置です。この連想配列は最終的に alist->hash-table 関数を用いて Scheme ハッシュテーブルに変換しなければなりません。

#(define mydrums '(
         (bassdrum        default   #f           -1)
         (snare           default   #f           0)
         (hihat           cross     #f           1)
         (halfopenhihat   cross     halfopen     1)
         (pedalhihat      xcircle   stopped      2)
         (lowtom          diamond   #f           3)))

up = \drummode { hh8 hh hhho hhho hhp4 hhp }
down = \drummode { bd4 sn bd toml8 toml }

\new DrumStaff <<
  \set DrumStaff.drumStyleTable = #(alist->hash-table mydrums)
  \new DrumVoice { \voiceOne \up }
  \new DrumVoice { \voiceTwo \down }
>>

[image of music]

drumPitchNames 変数を連想配列として再定義することで、これらのカスタム スタイルに新たな名前を追加することもできます (あるいは下の例のように、新たなリストを既存の値に append することによって追加することもできます)。また、各項目を直接追加することもできます。これを用いて、エイリアス (略記法) を定義することができます。

drumPitchNames =
  #(append
    '((leftsnap . sidestick)
      (rightsnap . ridecymbal))
    drumPitchNames)

drumPitchNames.ls = #'sidestick
drumPitchNames.rs = #'ridecymbal

\drums {
  leftsnap4. rightsnap8 leftsnap4 rightsnap
  ls8 rs ls rs ls4 rs
}

[image of music]

同様に、drumPitchTable プロパティは音符名と MIDI ピッチ (MIDI サウンドフォントの楽器音) を関連付けています。このプロパティもハッシュテーブルとして定義される必要があり、連想配列 (デフォルト値が midiDrumPitches 変数にセットされています) から変換しなければなりません。関連付けを変更する方法は上記と同様で、連想配列全体を定義し直すか、各要素を変更するかのどちらかになります。次の例は、入力構文・出力スタイル・対応する MIDI 出力を含めた、新たな記譜法のセットを作る方法を示しています。

drumPitchNames.dbass      = #'dbass
drumPitchNames.dba        = #'dbass  % 'db は既に使われています
drumPitchNames.dbassmute  = #'dbassmute
drumPitchNames.dbm        = #'dbassmute
drumPitchNames.do         = #'dopen
drumPitchNames.dopenmute  = #'dopenmute
drumPitchNames.dom        = #'dopenmute
drumPitchNames.dslap      = #'dslap
drumPitchNames.ds         = #'dslap
drumPitchNames.dslapmute  = #'dslapmute
drumPitchNames.dsm        = #'dslapmute

#(define djembe-style
  '((dbass      default  #f         -2)
    (dbassmute  default  stopped    -2)
    (dopen      default  #f          0)
    (dopenmute  default  stopped     0)
    (dslap      default  #f          2)
    (dslapmute  default  stopped     2)))

midiDrumPitches.dbass     = g
midiDrumPitches.dbassmute = fis
midiDrumPitches.dopen     = a
midiDrumPitches.dopenmute = gis
midiDrumPitches.dslap     = b
midiDrumPitches.dslapmute = ais

test = \drummode { dba4 do ds dbm dom dsm }

\score {
  \new DrumStaff \with {
    \override StaffSymbol.line-count = #3
    instrumentName = "Djembé "
    drumStyleTable = #(alist->hash-table djembe-style)
    drumPitchTable = #(alist->hash-table midiDrumPitches)
  } {
    \time 3/4
    \test
  }
  \layout {}
  \midi {}
}

[image of music]

参照

インストールされているファイル: ly/drumpitch-init.ly

コード断片集: Percussion

内部リファレンス: DrumStaff, DrumVoice


ゴースト ノート

ドラムと打楽器のゴースト ノート (dead note, muted note, silenced note, false note とも呼ばれます) は \parenthesize コマンドを用いて作ることができます。詳細は 括弧 を参照してください。

\new DrumStaff
<<
  \context DrumVoice  = "1" { s1 }
  \context DrumVoice  = "2" { s1 }
  \drummode {
    <<
      {
        hh8[ 8] <hh sn> hh16
        \parenthesize sn  hh
        \parenthesize sn  hh8 <hh sn> hh
      } \\
      {
        bd4 r4 bd8 8 r8 bd
      }
    >>
  }
>>

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 括弧

コード断片集: Percussion


2.6 管楽器

[image of music]

このセクションでは管楽器の楽譜を記述する際に現れる記譜要素について説明します。


2.6.1 管楽器で共通の記譜法

このセクションでは多くの管楽器で共通の記譜法について説明します。


管楽器のためのリファレンス

管楽器のための多くの記譜の問題は、ブレスとタンギングに関係します:

  • ブレスは休符や ブレス記号 によって示すことができます。
  • レガート奏法は スラー で示します。
  • タンギングの種類 – レガートからノンレガート、スタッカートまでの範囲 – は、通常、アーティキュレーション記号で示し、スラーと組み合わせる場合もあります。アーティキュレーションと装飾 と breathing を参照してください。
  • フラッター タンギングは、通常、音符の上にトレモロ記号とテキスト マークアップを配置して示します。トレモロの繰り返し を参照してください。

他の記譜要素を管楽器に適用することができます:

  • 多くの管楽器は移調楽器です。楽器の移調 を参照してください。
  • スライド グリッサンドはトロンボーンの特徴ですが、他の管楽器でもキーやバルブのグリッサンドを演奏できます。グリッサンド を参照してください。
  • ハーモニック シリーズ (倍音連鎖) のグリッサンド – これは、全ての金管楽器で可能ですが、フレンチ ホルンでよく使われます – は、通常、装飾小音符 として記述します。
  • 音符の終わりでのピッチの変化は Fall と Doit で説明しています。
  • キー スラップとバルブ スラップはしばしば 特殊な符頭cross スタイルで示します。
  • 木管楽器は低い音符をオーバーブローして、ハーモニクスを鳴らすことができます。これは flageolet アーティキュレーションによって示します。アーティキュレーションの一覧 を参照してください。
  • 金管楽器のミュートは通常、テキスト マークアップで示しますが、頻繁に変更する場合は、stopped アーティキュレーションと open アーティキュレーションを使う方が良いでしょう。アーティキュレーションと装飾アーティキュレーションの一覧 を参照してください。
  • ホルンのストップット (閉塞音) は stopped アーティキュレーションで示します。アーティキュレーションと装飾 を参照してください。

参照

記譜法リファレンス: ブレス記号, スラー, アーティキュレーションと装飾, アーティキュレーションの一覧, トレモロの繰り返し, 楽器の移調, グリッサンド, 装飾小音符, Fall と Doit, 特殊な符頭

コード断片集: Winds


運指

トロンボーン以外の管楽器は各ピッチを鳴らすためにいくつかの指を使う必要があります。以下でいくつかの運指の例を示します。

木管楽器のダイアグラムを作り出すことができます。木管楽器のダイアグラム で説明します。

Selected Snippets

管楽器の運指記号

既存のグリフを組み合わせて、特殊な記号を作ることができます。これは管楽器に特に有用です。

mymarkup = {
  \once \override TextScript.outside-staff-padding = 0
  \once \override TextScript.staff-padding = 0
  \once \override TextScript.padding = 0.2
  \once \override TextScript.X-offset =
    #(lambda (g)
       (+ (ly:self-alignment-interface::centered-on-x-parent g)
          (ly:self-alignment-interface::x-aligned-on-self g)))
}

\relative c' {
  g\open
  \mymarkup
  g^\markup \combine
      \musicglyph "scripts.open"
      \musicglyph "scripts.tenuto"
  \mymarkup
  g^\markup \combine
      \musicglyph "scripts.open"
      \musicglyph "scripts.stopped"
  g\stopped
}

[image of music]

リコーダーの運指表

次の例では、管楽器の運指表を作成する方法を示しています。

% range chart for paetzold contrabass recorder

centermarkup = {
  \once \override TextScript.self-alignment-X = #CENTER
  \once \override TextScript.X-offset = #(lambda (g)
    (+ (ly:self-alignment-interface::centered-on-x-parent g)
       (ly:self-alignment-interface::x-aligned-on-self g)))
}

\score {
  \new Staff \with {
    \remove "Time_signature_engraver"
    \omit Stem
    \omit Flag
    \consists "Horizontal_bracket_engraver"
  }
  {
    \clef bass
    \set Score.timing = ##f
    f,1*1/4 \glissando
    \clef violin
    gis'1*1/4
    \stemDown a'4^\markup "1)"
    \centermarkup
    \once \override TextScript.padding = 2
    bes'1*1/4_\markup \override #'(baseline-skip . 1.7) \column
      { \fontsize #-5 \slashed-digit #0 \finger 1 \finger 2
        \finger 3 \finger 4 \finger 5 \finger 6 \finger 7 }
    b'1*1/4
    c''4^\markup "1)"
    \centermarkup
    \once \override TextScript.padding = 2
    cis''1*1/4
    deh''1*1/4
    \centermarkup
    \once \override TextScript.padding = 2
    \once \override Staff.HorizontalBracket.direction = #UP
    e''1*1/4_\markup \override #'(baseline-skip . 1.7) \column
      { \fontsize #-5 \slashed-digit #0 \finger 1 \finger 2
        \finger 4 \finger 5}\startGroup
    f''1*1/4^\markup "2)"\stopGroup
  }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 木管楽器のダイアグラム

コード断片集: Winds


2.6.2 バグパイプ

このセクションではバグパイプで共通の記譜法について説明します。


バグパイプの定義

LilyPond はスコティッシュ、ハイランド バグパイプ音楽のための特殊な定義を保持しています。この定義を使うには、入力ファイルの先頭に以下を付け加えます:

\include "bagpipe.ly"

これにより、バグパイプ音楽で共通の特殊な装飾小音符を短いコマンドで付け加えられるようになります。例えば、以下を \taor と記述することができます:

\grace { \small G32[ d G e] }

さらに、bagpipe.ly はバグパイプ音符のために、適切なオクターブのピッチ定義を保持しています。そのため、\relative\transpose について配慮する必要はありません。

\include "bagpipe.ly"
{ \grg G4 \grg a \grg b \grg c \grg d \grg e \grg f \grA g A }

[image of music]

通常、バグパイプ音楽は D メジャーの調を使います (実際にはその調ではない場合であってもです)。しかしながら、使える調は D メジャーだけであるため、通常は調号を記譜しません。調号を記譜しないために、楽譜を \hideKeySignature で始めます。何らかの理由で調号を記譜したい場合は、代わりに \showKeySignature を使います。

現代音楽のなかには、C と F をフラットにするためクロス フィンガリングを使うものがあります。これは c-flatf-flat で示すことができます。同様に、軽音楽のピブロホ ハイ G (piobaireachd high g) は、g-flat で示すことができます。

参照

コード断片集: Winds


バグパイプの例

以下の例は、有名なアメージング グレースをバグパイプ記譜法にしたものです。

\include "bagpipe.ly"
\layout {
  indent = 0.0\cm
  \context { \Score \remove Bar_number_engraver }
}

\header {
  title = "Amazing Grace"
  meter = "Hymn"
  arranger = "Trad. arr."
}

{
  \hideKeySignature
  \time 3/4
  \grg \partial 4 a8. d16
  \slurd d2 \grg f8[ e32 d16.]
  \grg f2 \grg f8 e
  \thrwd d2 \grg b4
  \grG a2 \grg a8. d16
  \slurd d2 \grg f8[ e32 d16.]
  \grg f2 \grg e8. f16
  \dblA A2 \grg A4
  \grg A2 f8. A16
  \grg A2 \hdblf f8[ e32 d16.]
  \grg f2 \grg f8 e
  \thrwd d2 \grg b4
  \grG a2 \grg a8. d16
  \slurd d2 \grg f8[ e32 d16.]
  \grg f2 e4
  \thrwd d2.
  \slurd d2
  \bar "|."
}

[image of music]

参照

コード断片集: Winds


2.6.3 木管楽器

このセクションでは木管楽器に特有の記譜法について説明します。


2.6.3.1 木管楽器のダイアグラム

木管楽器のダイアグラムで特定の音符で使用する運指を示すことができ、以下の楽器のダイアグラムが利用可能です:

  • ピッコロ
  • フルート
  • オーボエ
  • クラリネット
  • バス クラリネット
  • サクソフォン
  • バスーン
  • コントラバスーン

木管楽器のダイアグラムはマークアップとして作成します:

c''1^\markup {
  \woodwind-diagram #'piccolo #'((lh . (gis))
                                 (cc . (one three))
                                 (rh . (ees)))
}

[image of music]

キーはオープン、途中まで閉じる、リング キーを閉じる、または完全に閉じることができます:

\textLengthOn
c''1^\markup {
  \center-column {
    "1/4 閉じる"
    \woodwind-diagram #'flute #'((cc . (one1q))
                                 (lh . ())
                                 (rh . ()))
  }
}

c''1^\markup {
  \center-column {
    "1/2閉じる"
    \woodwind-diagram #'flute #'((cc . (one1h))
                                 (lh . ())
                                 (rh . ()))
  }
}

c''1^\markup {
  \center-column {
    "3/4閉じる"
    \woodwind-diagram #'flute #'((cc . (one3q))
                                 (lh . ())
                                 (rh . ()))
  }
}

c''1^\markup {
  \center-column {
    "リング キーを閉じる"
    \woodwind-diagram #'flute #'((cc . (oneR))
                                 (lh . ())
                                 (rh . ()))
  }
}

c''1^\markup {
  \center-column {
    "完全に閉じる"
    \woodwind-diagram #'flute #'((cc . (oneF two))
                                 (lh . ())
                                 (rh . ()))
  }
}

[image of music]

トリルはグレーで示します:

c''1^\markup {
  \woodwind-diagram #'bass-clarinet
                    #'((cc . (threeT four))
                       (lh . ())
                       (rh . (b fis)))
}

[image of music]

様々なトリルを表示させることができます:

\textLengthOn
c''1^\markup {
  \center-column {
    "1/4 閉じるとリング キーを閉じる"
    \woodwind-diagram #'flute #'((cc . (one1qTR))
                                 (lh . ())
                                 (rh . ()))
  }
}

c''1^\markup {
  \center-column {
    "リング キーを閉じると完全に閉じる"
    \woodwind-diagram #'flute #'((cc . (oneTR))
                                 (lh . ())
                                 (rh . ()))
  }
}

c''1^\markup {
  \center-column {
    "リング キーを閉じるとオープン"
    \woodwind-diagram #'flute #'((cc . (oneRT))
                                 (lh . ())
                                 (rh . ()))
  }
}

c''1^\markup {
  \center-column {
    "オープンと完全に閉じる"
    \woodwind-diagram #'flute #'((cc . (oneT))
                                 (lh . ())
                                 (rh . ()))
  }
}

c''1^\markup {
  \center-column {
    "1/4 閉じると3/4 閉じる"
    \woodwind-diagram #'flute #'((cc . (one1qT3q))
                                 (lh . ())
                                 (rh . ()))
  }
}

[image of music]

楽器に対して使用できるすべてのキーと設定のリストを表示させることができます。コンソールに表示させるには #(print-keys-verbose 'flute) を用い、ログ ファイルに表示させるには #(print-keys-verbose 'flute (current-error-port)) を用います。楽譜出力に表示させることはできません。

新しいダイアグラムを作成することができますが、これには Scheme を使える必要があり、すべてのユーザができるわけではありません。ダイアグラムのパターンは scm/define-woodwind-diagrams.scmscm/display-woodwind-diagrams.scm にあります。

定義済みコマンド

Selected Snippets

木管楽器のダイアグラムのリスト

以下は、LilyPond で現在定義されている全ての木管楽器のダイアグラムです。

\layout {
  indent = 0
}

\relative c' {
  \textLengthOn
  c1^
  \markup {
    \center-column {
      'tin-whistle
      " "
       \woodwind-diagram
                  #'tin-whistle
                  #'()
    }
  }

  c1^
  \markup {
    \center-column {
      'piccolo
      " "
       \woodwind-diagram
                  #'piccolo
                  #'()
    }
  }

  c1^
  \markup {
    \center-column {
       'flute
       " "
       \woodwind-diagram
          #'flute
          #'()
    }
  }
  c1^\markup {
    \center-column {
      'oboe
      " "
      \woodwind-diagram
        #'oboe
        #'()
    }
  }

  c1^\markup {
    \center-column {
      'clarinet
      " "
      \woodwind-diagram
        #'clarinet
        #'()
    }
  }

  c1^\markup {
    \center-column {
      'bass-clarinet
      " "
      \woodwind-diagram
        #'bass-clarinet
        #'()
    }
  }

  c1^\markup {
    \center-column {
      'saxophone
      " "
      \woodwind-diagram
        #'saxophone
        #'()
    }
  }

  c1^\markup {
    \center-column {
      'bassoon
      " "
      \woodwind-diagram
        #'bassoon
        #'()
    }
  }

  c1^\markup {
    \center-column {
      'contrabassoon
      " "
      \woodwind-diagram
        #'contrabassoon
        #'()
    }
  }
}

[image of music]

木管楽器のダイアグラムを画像とテキストで表示する

多くの場合で、画像によるダイアグラムの表示に加えて、端に調名をテキストで表示することができます。

\relative c'' {
  \textLengthOn
  c1^\markup
    \woodwind-diagram
      #'piccolo
      #'((cc . (one three))
         (lh . (gis))
         (rh . (ees)))

  c^\markup
    \override #'(graphical . #f) {
      \woodwind-diagram
        #'piccolo
        #'((cc . (one three))
           (lh . (gis))
           (rh . (ees)))
    }
}

[image of music]

木管楽器のダイアグラムのサイズを変更する

木管楽器のダイアグラムのサイズや太さを変更することができます。

\relative c'' {
  \textLengthOn
  c1^\markup
    \woodwind-diagram
      #'piccolo
      #'()

  c^\markup
    \override #'(size . 1.5) {
      \woodwind-diagram
        #'piccolo
        #'()
    }
  c^\markup
    \override #'(thickness . 0.15) {
      \woodwind-diagram
        #'piccolo
        #'()
    }
}

[image of music]

木管楽器のダイアグラムの調リスト

以下のスニペットは、scm/define-woodwind-diagrams.scm に定義された、木管楽器のダイアグラムにおける可能な調と、それに対応する移調設定のリストを出力します。リストはログファイルに出力され、音楽には影響しません。コンソールに出力したい場合は、コマンドから (current-error-port) を削除してください。

#(print-keys-verbose 'piccolo (current-error-port))
#(print-keys-verbose 'flute (current-error-port))
#(print-keys-verbose 'flute-b-extension (current-error-port))
#(print-keys-verbose 'tin-whistle (current-error-port))
#(print-keys-verbose 'oboe (current-error-port))
#(print-keys-verbose 'clarinet (current-error-port))
#(print-keys-verbose 'bass-clarinet (current-error-port))
#(print-keys-verbose 'low-bass-clarinet (current-error-port))
#(print-keys-verbose 'saxophone (current-error-port))
#(print-keys-verbose 'soprano-saxophone (current-error-port))
#(print-keys-verbose 'alto-saxophone (current-error-port))
#(print-keys-verbose 'tenor-saxophone (current-error-port))
#(print-keys-verbose 'baritone-saxophone (current-error-port))
#(print-keys-verbose 'bassoon (current-error-port))
#(print-keys-verbose 'contrabassoon (current-error-port))

\score {c''1}

[image of music]

参照

インストールされているファイル: scm/define-woodwind-diagrams.scm,
scm/display-woodwind-diagrams.scm

コード断片集: Winds

内部リファレンス: TextScript, instrument-specific-markup-interface


2.7 和音記譜法

[image of music]

和音を通常の音符として入力したり、和音モードで入力したりすることができ、様々な従来のヨーロッパの和音命名規則を用いて表示することができます。和音ネームと通奏低音記譜を表示させることもできます。


2.7.1 和音モード

和音モードでは、和音のピッチではなく、和音構造の指示子を用いてコードを入力します。


和音モードの概要

和音を 和音の音符 で説明しているように、同時進行する音として入力することができます。

和音を “和音モード” で入力することもできます。 和音モードは、ピッチではなく、従来のヨーロッパ音楽での和音構造に焦点を当てた入力モードです。これは、コード ネームを使うことに慣れているユーザにとって、和音を記述するのに便利な機能です。他の入力モードについて更なる情報は、入力モード を参照してください。

\chordmode { c1 g a g c }

[image of music]

和音モードを用いて入力される和音は音楽要素であり、同時進行する音として入力される和音と同様に移調させることができます。\chordmode は絶対モードであり、\chordmode ブロックでは \relative は効果を持ちません。しかしながら、\chordmode での絶対ピッチは音符モードよりも 1 オクターブ高くなります。

一連の音楽の中で、和音モードと音符モードを切り替えることができます:

\relative {
  <c' e g>2 <g b d>
  \chordmode { c2 f }
  <c e g>2 <g' b d>
  \chordmode { f2 g }
}

[image of music]

参照

音楽用語集: chord

記譜法リファレンス: 和音の音符, 入力モード

コード断片集: Chords

既知の問題と警告

あらかじめ定義されているアーティキュレーションと装飾の短縮形を和音モードで使うことはできません。アーティキュレーションと装飾 を参照してください。


一般的な和音

長三和音 (メジャー トライアド) を入力するには、根音とオプションで演奏時間を示します:

\chordmode { c2 f4 g }

[image of music]

短三和音、増三和音、それに減三和音 (マイナー、オーグメンテッド、ディミニッシュト トライアド) は、演奏時間の後に : とクオリティー修飾子を配置することにより入力します:

\chordmode { c2:m f4:aug g:dim }

[image of music]

七の和音 (セブンス コード) を作成することができます:

\chordmode { c1:7 c:m7 c:maj7 c:dim7 c:aug7 }

[image of music]

以下に示す表は、三和音と七の和音に付けられるクオリティー修飾子を示しています。和音に付けくわえられる第 7 音は短 7 度またはフラットの 7 度で、基本となる七の和音は属七の和音となります。すべての変化は属七の和音からの変化です。修飾子の使い方についてのより完全な表は 一般的な和音修飾子 にあります。

修飾子動作
無しデフォルトの動作で、長三和音を作り出します。

[image of music]

m, m7短和音。この修飾子は第 3 音を下げます。

[image of music]

dim, dim7減和音。この修飾子は 3 度と 5 度 (と存在する場合は 7 度) の音を下げます。

[image of music]

aug増和音。この修飾子は第 5 音を上げます。

[image of music]

maj, maj7長七和音。この修飾子は第 7 音を上げます。maj の後の 7 はオプションです。長三和音を作り出す時にこの修飾子は 使いません

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 一般的な和音修飾子, 和音の拡張と変形

コード断片集: Chords

既知の問題と警告

和音に付けるクオリティー修飾子は 1 つだけ – 通常は和音の最も高い音に対して – にしてください。複数のクオリティー修飾子を持つ和音は、エラーや警告無しで構文解析されますが、結果は予測できません。1 つのクオリティー修飾子では実現できない和音は、個々のピッチに分解してください – 和音の拡張と変形 で説明しています。


和音の拡張と変形

和音モードで様々な複雑さの和音構造を作ることができます。修飾子文字列を使って和音を拡張したり、和音の音を追加 / 削除したり、和音の音を上げ / 下げしたり、低音を付け加えたり、転回を作り出したりすることができます。

: のすぐ後にくる最初の数字は和音の広がりを表します。和音は、根音から指定された数に達するまで 3 度毎に音を付け加えることによって構成されます。和音の拡張として付け加えられる第 7 音は、長 7 度ではなく短 7 度 (フラットの 7 度) であることに注意してください。拡張で指定された音が 3 度毎の音ではない場合 (例えば 6)、拡張を超えない範囲で 3 度毎に音が付け加えられ、最後に拡張の音が付け加えられます。拡張で取り得る最大値は 13 です。それよりも大きな値は 13 と解釈されます。

\chordmode {
  c1:2 c:3 c:4 c:5
  c1:6 c:7 c:8 c:9
  c1:10 c:11 c:12 c:13
  c1:14
}

[image of music]

特殊な例外として、c:5 は根音と第 5 音のみを含む‘パワー コード’になります。

第 11 音が第 13 音と組み合わされると響きが良くないため、:13 和音から第 11 音は削除されます (明示的に第 11 音が付け加えられない限りは)。

\chordmode {
  c1:13 c:13.11 c:m13
}

[image of music]

個々の音を和音に付けくわえることができます。追加は拡張の後にドット (.) を前置して記述します。和音に付けくわえられる第 7 音は、長 7 度ではなく、短 7 度またはフラットの 7 度です。

\chordmode {
  c1:3.5.6 c:3.7.8 c:3.6.13
}

[image of music]

追加する音の高さは望みの高さにすることができます。

\chordmode {
  c4:3.5.15 c:3.5.20 c:3.5.25 c:3.5.30
}

[image of music]

和音の音は、数字の後ろに + または- を置くことで変化させることができます。和音構造の一部として自動的に含まれる音を変化させるには、その音を追加して変化させます。

\chordmode {
  c1:7+ c:5+.3- c:3-.5-.7-
}

[image of music]

和音に音を追加できるだけでなく、^ を前置させた修飾子文字列で音を削除することができます。複数の音を削除する場合は、最初の ^ の後に削除する音を . で区切って記述します。

\chordmode {
  c1^3 c:7^5 c:9^3 c:9^3.5 c:13.11^3.7
}

[image of music]

修飾子 sus を修飾子文字列に付け加えることにより、サスペンド コードを作り出すことができます。これは和音から第 3 音を削除します。さらに sus の後に 2 または 4 を付け加えると、和音に第 2 音または第 4 音が追加されます。sus の後に 2 度や 4 度が続く場合、これは ^3 と等価であり、そうでない場合は sus4 つまり 5.4 と等価です。

\chordmode {
  c1:sus c:sus2 c:sus4 c:5.4
}

[image of music]

低音の追加 (根音ではないピッチを和音の下に配置します) は、和音の後に /pitch を記述することで指定できます。

\chordmode {
  c'1 c'/e c'/f
}

[image of music]

追加されるピッチがすでに和音の構成音であれば、これは和音の転回を譜刻するのに使うことができ、その場合にはそのピッチは追加されず、単にその和音の一番下に移動します。 /+pitch 構文を用いることで、どんな場合でも音符の追加として扱われます (つまり 2 回譜刻されます) 。

\chordmode {
  c'1 c'/g c'/+e
}

[image of music]

自動的な和音の転回やボイシングを 和音の転回と特殊なボイシング で示しています。

様々な標準和音を作り出すために使用される和音修飾子を 一般的な和音修飾子 で示しています。

参照

記譜法リファレンス: 和音の転回と特殊なボイシング, 一般的な和音修飾子

コード断片集: Chords

既知の問題と警告

和音内では同じ度数の音を使えるのは 1 度のみです。以下の例では、最後の 5+ が解釈されるため、増和音が作り出されます。

\chordmode { c1:3.5.5-.5+ }

[image of music]


和音の転回と特殊なボイシング

和音の修飾子と低音の追加に加えて、特殊な転回やボイシング(例えばジャズ音楽で一般的に使用される、いわゆる‘ドロップ 2’ ボイシング) を含む和音の自動的な譜刻にさまざまな関数を用いることができます。

\chordmode {
  \dropNote 2 {
    c2:maj7 d:m7
  }
  \invertChords 1 d1:maj7
}

[image of music]

和音の拡張と変形 で示された低音の追加とは異なり、これは和音が譜に譜刻される方法のみに影響し、文字で書かれた和音名には影響しません。さらに、これらの関数は和音モードだけでなく、和音の音符 で説明される <...> の和音構造でも用いることができます。

参照

記譜法リファレンス: 和音の拡張と変形, 和音の音符

コード断片集: Chords


2.7.2 和音を表示する

譜に音符を表示させるという標準の表示に加えて、コード ネームを表示させることができます。


コード ネームを譜刻する

コード ネームは ChordNames コンテキストに譜刻されます:

\new ChordNames {
  \chordmode {
    c2 f4. g8
  }
}

[image of music]

和音は同時進行する音符としてか、和音モードを使用することで入力することができます。転回や低音の追加が無い限り入力モードに関係なく、和音と同じコード ネームが表示されます:

chordmusic = \relative {
  <c' e g>2 <f bes c>
  <f c' e g>1
  \chordmode {
    c2 f:sus4 c1:/f
  }
}
<<
  \new ChordNames {
    \chordmusic
  }
  {
    \chordmusic
  }
>>

[image of music]

ChordNames コンテキストに休符が渡されると、noChordSymbol マークアップが表示されます。

<<
  \new ChordNames \chordmode {
    c1
    r1
    g1
    c1
  }
  \chordmode {
    c1
    r1
    g1
    c1
  }
>>

[image of music]

\chords { … }\new ChordNames \chordmode { … } の短縮形です。

\chords {
  c2 f4.:m g8:maj7
}

[image of music]

\new ChordNames {
  \chordmode {
    c2 f4.:m g8:maj7
  }
}

[image of music]

Selected Snippets

コード ネームを変更時のみ表示する

デフォルトでは、入力されたすべてのコードが出力されます。この動作を変更して、コード ネームが行頭とコード変更時にのみ表示されるようにすることができます。

harmonies = \chordmode {
  c1:m c:m \break c:m c:m d
}

<<
  \new ChordNames {
    \set chordChanges = ##t
    \harmonies
  }
  \new Staff {
    \relative c' { \harmonies }
  }
>>

[image of music]

シンプル リード シート

コード ネーム、メロディ、歌詞をまとめるとリード シートとなります:

<<
  \chords { c2 g:sus4 f e }
  \new Staff \relative c'' {
    a4 e c8 e r4
    b2 c4( d)
  }
  \addlyrics { One day this shall be free __ }
>>

[image of music]

参照

音楽用語集: chord

記譜法リファレンス: 音楽を並列に記述する

コード断片集: Chords

内部リファレンス: ChordNames, ChordName, Chord_name_engraver, Volta_engraver, Bar_engraver

既知の問題と警告

同時進行する音として和音を入力している場合、転回や低音の追加を含む和音のコード ネームは正しく表示されません。


コード ネームをカスタマイズする

和音の命名規則は 1 つではありません。流儀が異なれば、同じ和音に対して異なるコード ネームを使います。コード ネームで表示される記号にも違いがあります。コード ネームで表示される名前と記号をカスタマイズすることができます。

基本となるコード ネーム命名規則はジャズ音楽用のものです。これは Klaus Ignatzek によって提唱されたものです (Literature list を参照してください)。(他のコード ネーム命名規則は Scheme 関数で実装することができます。 コード断片集の Chords にある “Chord names alternative” に例があります。) 一般的なジャズ音楽用のコード表記のリストは、コード ネーム表 にあります。

デフォルトの命名規則は、いくつかの方法によって容易に変更することができます。まず、根音に対して異なる言語を使用するために、 \germanChords, \semiGermanChords, \italianChords, \frenchChords の定義済みコマンドを使用できます:

[image of music]

ドイツ歌集では短和音を接尾辞 m を伴わない小文字で記述する場合があります。これは chordNameLowercaseMinor プロパティを設定することで実現できます:

\chords {
  \set chordNameLowercaseMinor = ##t
  c2 d:m e:m f
}

[image of music]

コード ネームの表示を以下のプロパティを通じて調整することもできます。

chordRootNamer

通常、コード ネームは根音の文字にオプションの変化を付けて表示されます。この関数がピッチから文字に変換します。新しい関数をこのプロパティにセットすることで特殊な音符名 (例えば、B コードを表すドイツ語の ‘H’) を作り出すことができます。

majorSevenSymbol

このプロパティは chordRootNamer の出力に続けて長七和音を示すために使用されるマークアップ オブジェクトを保持します。あらかじめ定義されている選択肢は whiteTriangleMarkupblackTriangleMarkup です。

additionalPitchPrefix

コード ネームが追加のピッチを保持している場合、追加ピッチの前にテキストを付けることができます。見た目が雑然となることを避けるため、デフォルトでは追加ピッチの前にテキストは付きません。しかしながら、追加ピッチが少数の場合はテキストを付けると効果的です。

\new ChordNames {
  <c e g d'>    % add9
  \set additionalPitchPrefix = "add"
  <c e g d'>    % add9
}

[image of music]

chordNoteNamer

コード ネームが根音以外の追加ピッチを保持している場合 (例えば追加の低音)、この関数が追加ピッチを譜刻するのにを用いられます。デフォルトでは、ピッチは chordRootNamer を用いて譜刻されます。chordNoteNamer にカスタマイズした関数をセットすることで、この振る舞いを変えることができます。例えば、低音を小文字で譜刻させることができます。

chordNameSeparator

通常、コード ネームはパート毎に小さなスペースで区切られます。chordNameSeparator を設定することにより、区切りをお望みのマークアップに変更することができます。これはコード ネームと低音名の間の区切りには影響を与えません – この区切りをカスタマイズする場合は、slashChordSeparator を設定します。

\chords {
  c4:7.9- c:7.9-/g
  \set chordNameSeparator = \markup { "/" }
  \break
  c4:7.9- c:7.9-/g
}

[image of music]

slashChordSeparator

和音に通常の根音とは異なる低音を持たせることができます。これは “転回” と呼ばれ、デフォルトの記譜法では主和音と低音符の間をシュラッシュで区切るためスラッシュ “スラッシュ コード” とも呼ばれます。slashChordSeparator のデフォルト値はスラッシュですが、お望みのマークアップに変更することができます。

\chords {
  c4:7.9- c:7.9-/g
  \set slashChordSeparator = \markup { " over " }
  \break
  c4:7.9- c:7.9-/g
}

[image of music]

chordNameExceptions

このプロパティはペアのリストです。各ペアの最初の要素は和音の中に存在する音を指定するピッチのセットです。次の要素は、最初の要素で指定された和音のコード ネームを作り出すために、chordRootNamer の出力の後に記譜されるマークアップです。

minorChordModifier

短和音は和音の根音の右側に接尾辞 ‘m’ を配置することによって記述されることが多いです。しかしながら、マイナス記号等の他の接尾辞を使う場合もあります。

\chords {
  c4:min f:min7
  \set minorChordModifier = \markup { "-" }
  \break
  c4:min f:min7
}

[image of music]

chordPrefixSpacer

通常、minorChordModifier で指定される短和音の修飾子は和音の根音のすぐ右に譜刻されます。chordPrefixSpacer を設定することにより、根音と修飾子の間にスペースを置くことができます。根音が変化した場合、このスペースは配置されません。

定義済みコマンド

\whiteTriangleMarkup, \blackTriangleMarkup, \germanChords, \semiGermanChords, \italianChords, \frenchChords

Selected Snippets

コード ネームの例外

特殊なコードに対して専用の表記をするためのリストを保持するのが chordNameExceptions プロパティです。

% modify maj9 and 6(add9)
% Exception music is chords with markups
chExceptionMusic = {
  <c e g b d'>1-\markup { \super "maj9" }
  <c e g a d'>1-\markup { \super "6(add9)" }
}

% Convert music to list and prepend to existing exceptions.
chExceptions = #(append
  (sequential-music-to-chord-exceptions chExceptionMusic #t)
  ignatzekExceptions)

theMusic = \chordmode {
  g1:maj9 g1:6.9
  \set chordNameExceptions = #chExceptions
  g1:maj9 g1:6.9
}

\layout {
  ragged-right = ##t
}

<<
   \new ChordNames \theMusic
   \new Voice \theMusic
>>

[image of music]

メジャー セブンスのコード ネーム

メジャー セブンスのレイアウトは majorSevenSymbol で調整することができます。

\chords {
  c:7+
  \set majorSevenSymbol = \markup { j7 }
  c:7+
}

[image of music]

ChordNames コンテキストに小節線を追加する

ChordNames コンテキストに小節線を追加するには、Bar_engraver を追加します。

\new ChordNames \with {
  \override BarLine.bar-extent = #'(-2 . 2)
  \consists "Bar_engraver"
}

\chordmode {
  f1:maj7 f:7 bes:7
}

[image of music]

繰り返し括弧をコード ネームの下に表示する

Volta_engraver を対応する譜に付け加えることで、繰り返し括弧をコード ネームの下に表示できます。

\score {
  <<
    \chords {
      c1
      c1
    }
    \new Staff \with {
      \consists "Volta_engraver"
    }
    {
      \repeat volta 2 { c'1 }
      \alternative { c' }
    }
  >>
  \layout {
    \context {
      \Score
      \remove "Volta_engraver"
    }
  }
}

[image of music]

コード ネームの区切り記号を変更する

コード ネームの異なる部分を区切る記号は、任意のマークアップに設定することができます。

\chords {
  c:7sus4
  \set chordNameSeparator
    = \markup { \typewriter | }
  c:7sus4
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: コード ネーム表, 一般的な和音修飾子

楽譜譜刻の自動化についてのエッセー: Literature list

インストールされているファイル: scm/chords-ignatzek-names.scm, scm/chord-entry.scm, ly/chord-modifiers-init.ly

コード断片集: Chords

既知の問題と警告

コード ネームは、和音に含まれるピッチと \chordmode で入力される和音構造についての情報の両方から決定されます。和音の入力手段として同時進行するピッチを用いた場合、転回や低音により予期しないコード ネームとなります。

myChords = \relative c' {
  \chordmode { c1 c/g c/f }
  <c e g>1 <g c e> <f c' e g>
}
<<
  \new ChordNames { \myChords }
  \new Staff { \myChords }
>>

[image of music]


2.7.3 通奏低音

[image of music]

通奏低音を譜刻することができます。


通奏低音の導入部

LilyPond は通奏低音 (figured bass – thorough bass や basso continuo とも呼ばれます) をサポートします:

<<
  \new Voice { \clef bass dis4 c d ais g fis}
  \new FiguredBass {
    \figuremode {
      < 6 >4 < 7\+ >8 < 6+ [_!] >
      < 6 >4 <6 5 [3+] >
      < _ >4 < 6 5/>4
    }
  }
>>

[image of music]

通奏低音のサポートには 2 つのパートがあります: 1 つは入力モード \figuremode で、通奏低音の入力を受け入れます。もう 1 つはコンテキスト FiguredBass で、BassFigure オブジェクトの表示を扱います。Staff でも通奏低音を表示させることができます。

\figures { … }\new FiguredBass \figuremode { … } の短縮記譜法です。

通奏低音のサポートの外見は和音サポートに似ていますが、もっとシンプルです。\figuremode モードは通奏低音を保持し、FiguredBass コンテキストははそれらを入力されたとおりに譜刻するだけです。ピッチへの変換は行いません。

参照

音楽用語集: figured bass

コード断片集: Chords


通奏低音を入力する

\figuremode は入力モードを通奏低音モードに切り替えるのに用いられます。他の入力モードについての更なる情報は 入力モード で見つかります。

通奏低音モードでは、通奏低音のグループを <> で囲みます。演奏時間は > の後に入力します。

\new FiguredBass {
  \figuremode {
    <6 4>2
  }
}

[image of music]

通奏低音の各音程を変化させるために、ナチュラル記号を含む臨時記号を付け加えることができます。臨時記号は数字の後に + (シャープ)、- (フラット)、! (ナチュラル) を付け加えることで入力します。ダブルシャープやダブルフラットは記号を 2 重に入力します。第 3 度の音を変化させるときに、数字が省略されることがありますが、数字の代わりに _ を入力することで実現できます。

\figures {
  <7! 6+ 4-> <5++> <3--> < _+ > < 7 _!>
}

[image of music]

増音と減音を記述することができます:

\figures {
  <6\+ 5/> <7/>
}

[image of music]

通奏低音にバックスラッシュを付けることができます ( 通常、6 度の音を上げるのに用いられます):

\figures {
  <6> <6\\>
}

[image of music]

通奏低音に囲みを含ませることができます:

\figures {
  <[12] 8 [6  4]>
}

[image of music]

通奏低音として任意のテキスト マークアップを挿入することができます:

\figures {
  <\markup { \tiny \number 6 \super (1) } 5>
}

[image of music]

継続線で通奏低音の繰り返しを示すことができます:

<<
  {
    \clef bass
    e4 d c b,
    e4 d c b,
  }
  \figures {
    \bassFigureExtendersOn
    <6 4>4 <6 3> <7 3> <7 3>
    \bassFigureExtendersOff
    <6 4>4 <6 3> <7 3> <7 3>
  }
>>

[image of music]

以下の例のように、継続線は明示的に停止されない限り連続する通奏低音に置き換わります。

<<
  \figures {
    \bassFigureExtendersOn
    <6 4>4 <6 4> <6\! 4\!> <6 4>
  }
  {
    \clef bass
    d4 d c c
  }
>>

[image of music]

以下の表は利用可能な通奏低音の修飾子を要約しています。

修飾子用途
+, -, !臨時記号

[image of music]

\+, /増音と減音

[image of music]

\\音を 6 度上げる

[image of music]

\!継続線を終わらせる

[image of music]

定義済みコマンド

\bassFigureExtendersOn, \bassFigureExtendersOff

Selected Snippets

通奏低音の変化記号の位置を変更する

数字付き低音の前後に表示される臨時記号やプラス記号は、その位置を figuredBassAlterationDirectionfiguredBassPlusDirection プロパティによって変更することができます。

\figures {
  <5\+> <5+ 4\+> <6 4- 2\+> r
  \set figuredBassAlterationDirection = #RIGHT
  <5\+> <5+ 4\+> <6 4- 2\+> r
  \set figuredBassPlusDirection = #RIGHT
  <5\+> <5+ 4\+> <6 4- 2\+> r
  \set figuredBassAlterationDirection = #LEFT
  <5\+> <5+ 4\+> <6 4- 2\+> r
}

[image of music]

参照

コード断片集: Chords

内部リファレンス: BassFigure, BassFigureAlignment, BassFigureLine, BassFigureBracket, BassFigureContinuation, FiguredBass


通奏低音を表示する

FiguredBass コンテキストを用いて通奏低音を表示させることができます。たいていの譜コンテキストでも表示させることができます。

FiguredBass コンテキストに表示させる場合、通奏低音の垂直方向の位置は譜上にある音符の位置とは無関係です。

<<
  \relative {
    c''4 c'8 r8 c,4 c'
  }
  \new FiguredBass {
    \figuremode {
      <4>4 <10 6>8 s8
      <6 4>4 <6 4>
    }
  }
>>

[image of music]

上記の例では、余分な (空の) 譜が作成されるのを避けるために、FiguredBass コンテキストを明示的に作成する必要があります。

通奏低音を直接 Staff コンテキストに付け加えることもできます。この場合、通奏低音の垂直方向の位置は自動的に調節されます。

<<
  \new Staff = "myStaff"
  \figuremode {
    <4>4 <10 6>8 s8
    <6 4>4 <6 4>
  }
  %% Put notes on same Staff as figures
  \context Staff = "myStaff"
  {
    \clef bass
    c4 c'8 r8 c4 c'
  }
>>

[image of music]

通奏低音を Staff コンテキストに追加した場合、譜の上や下に表示することができます。

<<
  \new Staff = "myStaff"
  \figuremode {
    <4>4 <10 6>8 s8
    \bassFigureStaffAlignmentDown
    <6 4>4 <6 4>
  }
  %% Put notes on same Staff as figures
  \context Staff = "myStaff"
  {
    \clef bass
    c4 c'8 r8 c4 c'
  }
>>

[image of music]

定義済みコマンド

\bassFigureStaffAlignmentDown, \bassFigureStaffAlignmentUp, \bassFigureStaffAlignmentNeutral

参照

コード断片集: Chords

内部リファレンス: BassFigure, BassFigureAlignment, BassFigureLine, BassFigureBracket, BassFigureContinuation, FiguredBass

既知の問題と警告

継続線が正しく機能することを保証するために、通奏低音のリズムをバス パートに合わせた方が安全です。

<<
  {
    \clef bass
    \repeat unfold 4 { f16. g32 } f8. es16 d8 es
  }
  \figures {
    \bassFigureExtendersOn
    % バスと同じリズムなので、継続線は正しく機能します
    \repeat unfold 4 { <6 4->16. <6 4->32 }
    <5>8. r16 <6>8 <6\! 5->
  }
>>
<<
  {
    \clef bass
    \repeat unfold 4 { f16. g32 } f8. es16 d8 es
  }
  \figures {
    \bassFigureExtendersOn
    % タイミングは同じですが、継続線は正しく機能しません
    <6 4->4 <6 4->4
    <5>8. r16 <6>8 <6\! 5->
  }
>>

[image of music]


2.8 現代音楽

20 世紀の始めから、作曲のスタイルとテクニックは大幅に拡張されました。新しい調和音とリズムの開発、ピッチ スペクトルの拡張、広範囲な楽器技術の開発が並行して進展し、音楽記譜法も拡張されました。このセクションの目的は、これらの新しい記譜テクニックに関するリファレンスと情報を提供することです。


2.8.2 現代音楽のリズムへのアプローチ

このセクションでは、現代音楽のリズムの記譜法に関係する問題をハイライトします。


現代音楽のリズムへのアプローチのためのリファレンス


2.8.6 現代音楽に関する本と楽譜

このセクションでは現代音楽記譜法を学ぶ際に有用な本、楽譜例、その他の情報源を提示します。


現代音楽記譜法についての本と記事

  • Music Notation in the Twentieth Century: A Practical Guidebook by Kurt Stone [W. W. Norton, 1980]
  • Music Notation: A Manual of Modern Practice by Gardner Read [Taplinger, 1979]
  • Instrumentation and Orchestration by Alfred Blatter [Schirmer, 2nd ed. 1997]

2.9 古代の記譜法

[image of music]

古代の記譜法のサポートには、計量記譜法、グレゴリオ聖歌の記譜法、キエフ記譜法が含まれています。これらは、符頭や休符といったグラフィカル オブジェクトのスタイル プロパティを変更するか、これらのスタイルが適用された定義済みのコンテキストを使うことで使用することができます。

符頭、符尾、臨時記号、拍子記号、休符といった多くのグラフィカル オブジェクトは style プロパティを提供しており、古代の記譜法の様々なスタイルを模倣するために変更することができます。以下を参照してください:

古代の記譜法に特有なコンセプトについては、以下を参照してください:

参照

音楽用語集: custos, ligature, mensural notation

記譜法リファレンス: 計量記譜法の符頭, 計量記譜法の臨時記号と調号, 計量記譜法の休符, グレゴリオ聖歌の音部記号, 計量記譜法の符尾, 計量記譜法の拍子記号, クストス, ディビジオ, リガトゥーラ


2.9.1 サポートされているスタイルの概要

グレゴリオ聖歌を譜刻するのに適したスタイルが 3 つあります:

  • Editio Vaticana はグレゴリオ聖歌のスタイルとしては完全なものです。Solesmes 版に続くものであり、1904 年からのバチカン公式の聖歌本です。LilyPond はリガトゥーラ、クストス、quilisma や oriscus などの特殊記号を含めた全ての譜刻記号に対応しています。
  • Editio Medicaea スタイルは、Solesmes 版より以前に使われた、Medicaea (あるいは Ratisbona) 版に用いられるいくつかの記号に対応しています。Vaticana スタイルとの大きな違いは音部記号と符頭であり、音部記号は右下がりに、符頭は四角形で通常の大きさになっています。
  • Hufnagel (“蹄鉄の釘”) あるいはゴシックスタイルは、中世のドイツや中央ヨーロッパで用いられた写本のスタイルを模倣します。この名前は、基本的な符頭 (ヴィルガ) が小さな釘のように見えることから付けられました。

中世後期やルネサンス期に用いられる、計量音楽の写本や印刷本の見た目を模倣するスタイルが 3 つあります:

  • Mensural スタイルは中世後期やルネサンス初期の写本に使われるスタイルに最も近いです。このスタイルは、小さくて幅の狭いダイアモンド型の符頭や、手書きスタイルの休符を含みます。
  • Neomensural スタイルは、昔のスタイルをより現代化し様式化したものです。符頭はより広がり、休符は直線からなります。このスタイルは計量音楽の転写におけるインキピットなどに特に適しています。
  • Petrucci スタイルは、初めて活字を用いて音楽を印刷した (Harmonice musices odhecaton, 1501) Ottaviano Petrucci (1466-1539) にちなんで名付けられました。他の計量記譜法のスタイルよりも大きな符頭を持ちます。

BaroqueClassical は完全なスタイルではありません。デフォルトのスタイルとわずかな点が異なるだけです。 いくつかの符頭 (Baroque) と四分休符 (Classical) です。

全ての記譜記号について置き換えが存在するのは、計量音楽のスタイルのみです。休符や符尾は単旋律聖歌の記譜に用いられないため Gregorian スタイルに存在せず、Petrucci スタイルには符尾や臨時記号がありません。

それぞれの記譜要素は他とは独立して変更することができます。つまり、1 曲の中で Mensural スタイルの符尾を使いながら、Petrucci スタイルの符頭と、Classical スタイルの休符、Vaticana スタイルの音部記号を使うことができます。

参照

音楽用語集: mensural notation, flag


2.9.2 古代音楽で共通の記譜法


定義されているコンテキスト

グレゴリオ聖歌や計量音楽の記譜では、デフォルトで専用の Voice および Staff コンテキストが定義されています。これらのコンテキストは記譜要素の設定をそれぞれの音楽に適したものにセットします。これらのデフォルト設定で十分であるなら、詳細やコンテキストをカスタマイズする方法について気にせずに音符を入力していくことができます。これらの専用のコンテキストについては、VaticanaVoice, VaticanaStaff, MensuralVoice, MensuralStaff を参照してください。更なる情報は、

にあります。

参照

音楽用語集: mensural notation

記譜法リファレンス: グレゴリオ聖歌のコンテキスト, 計量記譜法のコンテキスト


リガトゥーラ

リガトゥーラは、2 つ以上の異なる音符を表します。 リガトゥーラが最初に用いられたのはグレゴリオ聖歌の写本で、同じ音節を上昇音型あるいは下降音型で歌う場合の表記でした。これらは計量記譜法でも用いられています。

リガトゥーラは \[\] で音符を囲むことによって入力します。いくつかのリガトゥーラのスタイルにおいては、それぞれに特有な入力をしなければならない場合があります。デフォルトでは、LigatureBracket のエングラーバがリガトゥーラの上に角型の囲みを表示します。

\relative {
  \[ g' c, a' f d' \]
  a g f
  \[ e f a g \]
}

[image of music]

さらに 2 つのリガトゥーラのスタイルがあります。グレゴリオ聖歌のための Vaticana スタイルと、計量音楽のための Mensural スタイルです (白色記譜法のリガトゥーラのみがサポートされており、いくつかの制限があります)。 これらのスタイルを使うには、Voice コンテキストでデフォルトの Ligature_bracket_engraver を置き換える必要があります。白色計量記譜法のリガトゥーラグレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ で 説明されています。

参照

音楽用語集 ligature

記譜法リファレンス: 白色計量記譜法のリガトゥーラ, グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ

既知の問題と警告

リガトゥーラのために必要なスペーシングは現在実装されておらず、結果として、リガトゥーラ間にスペースを取りすぎるかもしれません。改行も満足のいかない結果になるでしょう。

歌詞はリガトゥーラと正しく揃いません。

リガトゥーラの中には臨時記号が表示されませんが、代わりに、リガトゥーラの前の部分に全ての臨時記号が集められて表示されます。

この構文は非推奨となった“中置”スタイル (\[ music expr \]) を用いています。一貫性を保つため、これらは将来“後置”スタイル (note\[ … note\]) に置き換えられます。


クストス

クストス (custos, 複数形 custodes) はラテン語で“見張り”の意味で、譜の最後に出現する記号です。これは次の行の最初の音を予め示すもので、これにより演奏中の読譜を手助けします。

クストスは 17 世紀までは頻繁に用いられた記譜記号でした。現在では、Editio Vaticana のようなグレゴリオ聖歌の現代版などにしか残っていません。記譜のスタイルによって、クストスの形は異なります。

クストスを記譜するには、\layout ブロック内で、Staff コンテキストに Custos_engraver を追加します。 そして、必要ならば下の例のように \override を用いてクストスのスタイルを変更します:

\score {
  \relative {
    a'1
    \break
    g
  }
  \layout {
    \context {
      \Staff
      \consists Custos_engraver
      \override Custos.style = #'mensural
    }
  }
}

[image of music]

クストスの形は style プロパティで選択します。サポートされているスタイルは vaticana, medicaea, hufnagel, mensural です。

\new Lyrics \lyricmode {
  \markup { \column {
    \typewriter "vaticana "
    \line { " " \musicglyph "custodes.vaticana.u0" }
  } }
  \markup { \column {
    \typewriter "medicaea "
    \line { " " \musicglyph "custodes.medicaea.u0" }
  }}
  \markup { \column {
    \typewriter "hufnagel "
    \line { " " \musicglyph "custodes.hufnagel.u0" }
  }}
  \markup { \column {
    \typewriter "mensural "
    \line { " " \musicglyph "custodes.mensural.u0" }
  }}
}

[image of music]

参照

音楽用語集: custos

コード断片集: Ancient notation

内部リファレンス: Custos


2.9.3 計量音楽の記譜


計量記譜法のコンテキスト

定義されている MensuralVoiceMensuralStaff コンテキストは計量音楽スタイルの記譜をする場合に用いることができます。これらのコンテキストは、関連するコンテキスト プロパティやグラフィカル オブジェクト プロパティを正しい値にセットします。そのため、すぐに音楽を入力することができます。以下の抜粋で例を示します:

\score {
  <<
    \new MensuralVoice = "discantus" \relative {
      \hide Score.BarNumber {
        c''1\melisma bes a g\melismaEnd
        f\breve
        \[ f1\melisma a c\breve d\melismaEnd \]
        c\longa
        c\breve\melisma a1 g1\melismaEnd
        fis\longa^\signumcongruentiae
      }
    }
    \new Lyrics \lyricsto "discantus" {
      San -- ctus, San -- ctus, San -- ctus
    }
  >>
}

[image of music]

参照

音楽用語集: mensural notation


計量記譜法の音部記号

計量記譜法の音部記号は \clef コマンドによってサポートされています。音部記号によっては同じグリフを用いるものもありますが、音部記号が表示される位置のみが異なります。その場合は、音部記号に用いられる名前の最後に数字が付けられており、下にあるほど小さい数字、上にあるほど大きい数字になっています。

\override NoteHead.style = #'vaticana.punctum
\clef "vaticana-do1"
c'1

[image of music]

\override NoteHead.style = #'medicaea.punctum
\clef "medicaea-do3"
c'1

[image of music]

\override NoteHead.style = #'hufnagel.punctum
\clef "hufnagel-fa2"
c'1

[image of music]

\override NoteHead.style = #'neomensural
\clef "neomensural-c4"
c'1

[image of music]

音部記号が表示される位置を自由に変更することができます。音部記号 を参照してください。使用できる音部記号の完全な一覧については、音部記号のスタイル を参照してください。

参照

音楽用語集: mensural notation, clef

記譜法リファレンス: グレゴリオ聖歌の音部記号, 音部記号

インストールされているファイル: scm/parser-clef.scm

コード断片集: Pitches

内部リファレンス: Clef_engraver, Clef, ClefModifier, clef-interface

既知の問題と警告

mensural-gpetrucci-g にマッピングされています。


計量記譜法の拍子記号

メンスーラ記号 (拍子記号と似ていますが、完全に同一ではありません) のサポートは限定的です。それぞれの記号は特定の拍子記号の分数と結びついています。つまり、あるメンスーラ記号を \time n/m を用いて表示させたい場合、nm を次の表に沿って設定しなければならないということです:

[image of music]

古代の拍子記号を選択するには、グラフィカル オブジェクト TimeSignaturestyle プロパティを設定してください。サポートしているスタイルは neomensuralmensural です。上の表では neomensural スタイルを用いています。次の例ではスタイルごとの違いを示しています:

[image of music]

拍子 では、拍子記号に関する一般的な説明があります。

参照

音楽用語集: mensural notation

記譜法リファレンス: 拍子

既知の問題と警告

音長の比は一定ではないため、拍子記号を設定するだけでは変更されません。例えば、1 ブレヴィス = 3 セミブレヴィス (tempus perfectum) のような比は手で入力します:

breveTP = #(ly:make-duration -1 0 3/2)
…
{ c\breveTP f1 }

これは、breveTP を全音符の 3/2 × 2 = 3 倍に設定します。

mensural68altneomensural68alt シンボル (6/8 を表すもう一つのシンボル) は \time では表示させることができません。代わりに \markup {\musicglyph "timesig.mensural68alt" } を使ってください。


計量記譜法の符頭

古代の記譜法では、default 以外の符頭スタイルを用いることができます。これは NoteHead オブジェクトの style プロパティをセットすることで実現できます。設定可能な値は baroque, neomensural, mensural, petrucci, blackpetrucci, semipetrucci です。

baroque スタイルが default スタイルと異なる点は以下の通りです:

  • maxima 符頭があること
  • \breve 符頭が四角形であること

neomensural, mensural, petrucci スタイルが baroque スタイルと異なる点は以下の通りです:

  • セミブレヴィスと、それより短い音符の符頭が菱形であること
  • 符頭の中央から符幹が伸びていること

blackpetrucci スタイルは黒色計量記譜法や、白色計量記譜法におけるコロレーション (coloratio) 部において有用な符頭を描きます。この時、符頭のスタイルが符尾の数に影響を与えないため (訳注: 符尾の数は音符のすぐ後に入力される数字に依存するため)、セミミニマは a4 ではなく a8*2 として記述されるべきです。そうしなければ、ミニマのように見えてしまいます。3 連符を記譜するなどの目的でコロレーションが使われている時には、別の数が掛けられるでしょう。

semipetrucci スタイルでは、半分塗りつぶされた符頭が描かれます (ブレヴィス、ロンガ、マキシマ)。

以下は petrucci スタイルの例です:

\compressEmptyMeasures
\autoBeamOff
\override NoteHead.style = #'petrucci
a'\maxima a'\longa a'\breve a'1 a'2 a'4 a'8 a'16 a'
\override NoteHead.style = #'semipetrucci
a'\breve*5/6
\override NoteHead.style = #'blackpetrucci
a'8*4/3 a'
\override NoteHead.style = #'petrucci
a'\longa

[image of music]

符頭のスタイル では使用可能な全ての符頭スタイルが一覧となっています。

tseealso 音楽用語集: mensural notation, note head

記譜法リファレンス: 符頭のスタイル


計量記譜法の符尾

Stem グラフィカル オブジェクトの flag-style プロパティで古代の符尾を選択できます。default スタイル以外では、mensural スタイルのみがサポートされています。

\relative c' {
  \override Flag.style = #'mensural
  \override Stem.thickness = #1.0
  \override NoteHead.style = #'mensural
  \autoBeamOff
  c8 d e f c16 d e f c32 d e f s8
  c'8 d e f c16 d e f c32 d e f
}

[image of music]

それぞれの符尾において、一番内側の膨らみが譜線と垂直方向に揃っていることに注意してください。

neo-mensural や Petrucci スタイル専用の符尾はありません。グレゴリオ聖歌の記譜では符尾は用いません。

参照

音楽用語集: mensural notation, flag

既知の問題と警告

符尾を譜線と垂直方向に揃える動作は、符幹の端がちょうど譜線の位置にあるか、ちょうど 2 つの譜線の間にあることを前提としています。クラシック音楽の記譜における高度なレイアウト機能を用いると必ずしもそうはならない場合があります (しかしながら、通常は計量記譜法において用いるものではありません)。


計量記譜法の休符

Rest グラフィカル オブジェクトの style プロパティで古代の休符を選択します。サポートしている古代のスタイルは neomensuralmensural です。

次に示すのはこれらのスタイルの例です:

\compressEmptyMeasures
\override Rest.style = #'mensural
r\longa^"mensural" r\breve r1 r2 r4 r8 r16 s \break
\override Rest.style = #'neomensural
r\longa^"neomensural" r\breve r1 r2 r4 r8 r16

[image of music]

mensural や neo-mensural スタイルには 32 分や 64 分の休符がありません。通常のスタイルの休符が使用されます。

参照

音楽用語集 mensural notation

記譜法リファレンス: 休符

Snippets: コード断片集 Ancient notation

既知の問題と警告

mensural スタイルにおけるマキシマ休符の形は、実際には完全な (ブレヴィス 3 つ分の) ロンガ休符を表しています。そのため、実際にマキシマ休符を表示する時はロンガ休符を 2 つ (あるいは 3 つ) 並べてください。ロンガ休符は自動でグループ化されないため、ピッチ付きの休符を使って手動で配置する必要があります。


計量記譜法の臨時記号と調号

mensural スタイルは、デフォルトのスタイルとは異なるシャープとフラット記号を提供します。計量記譜法ではほとんどナチュラル記号を使いません。代わりに、シャープやフラットを使います。例えば、ヘ長調における B ナチュラルはシャープを使って表示されます。しかしながら、必要な場合にはナチュラル記号は vaticana スタイルのものを使用します。

[image of music]

臨時記号や調号のスタイルはそれぞれ、グラフィカル オブジェクト AccidentalKeySignaturealteration-glyph-name-alist プロパティでコントロールされます。例えば:

\override Staff.Accidental.alteration-glyph-name-alist =
  #alteration-mensural-glyph-name-alist

参照

音楽用語集: mensural notation, Pitch names, accidental, key signature

記譜法リファレンス: ピッチ, 臨時記号, 自動臨時記号, 調号

内部リファレンス: KeySignature


注釈的な臨時記号 (ムジカ・フィクタ)

1600 年ごろより前のヨーロッパ音楽では、歌唱者は一定のルールに従って自分の判断で音程を変化させることが求められました。これがムジカ・フィクタ (musica ficta) です。現代譜に写す場合には、これらの臨時記号は通常、音符の上に配置されます。

LilyPond ではこのような臨時記号をサポートしています。suggestAccidentals##t にセットすることで表示することができます。

\relative {
  fis' gis
  \set suggestAccidentals = ##t
  ais bis
}

[image of music]

これは、\set suggestAccidentals = ##f によって無効化されるまで、後に続く全ての臨時記号をムジカ・フィクタにします。より実用的な方法は、\once \set suggestAccidentals = ##t を用いることです。略記を定義することもできます:

ficta = { \once \set suggestAccidentals = ##t }
\score { \relative
  \new MensuralVoice  {
    \once \set suggestAccidentals = ##t
    bes'4 a2 g2 \ficta fis8 \ficta e! fis2 g1
  }
}

[image of music]

参照

内部リファレンス: Accidental_engraver, AccidentalSuggestion


白色計量記譜法のリガトゥーラ

白色計量記譜法のリガトゥーラのサポートは限定的です。

白色計量記譜法のリガトゥーラを譜刻するには、layout ブロック内で、Voice コンテキストの Ligature_bracket_engraverMensural_ligature_engraver に置き換えます:

\layout {
  \context {
    \Voice
    \remove Ligature_bracket_engraver
    \consists Mensural_ligature_engraver
  }
}

白色計量記譜法のリガトゥーラの形を記述するための追加の記法はありません。形は、周囲の音符のピッチや長さから独立に決定されます。これは、新しいユーザが慣れるまでには時間がかかるかもしれませんが、内部ではリガトゥーラの音楽的な情報が全て分かっているということを意味します。これは正しい MIDI 出力において必要であるだけでなく、リガトゥーラの自動変換も可能にします。

ある位置で、2 つの連続した音符は 2 つの四角形か、あるいは斜めの平行四辺形 (フレクサ型) として表示することができます。このような場合、デフォルトは 2 つの四角形で表示されますが、平行四辺形を表示させたい場合は、2 つ目の符頭の ligature-flexa プロパティを##t にセットします。平行四辺形の長さは flexa-width でセットすることができます。

例えば:

\score {
  \relative {
    \set Score.timing = ##f
    \set Score.measureBarType = ""
    \override NoteHead.style = #'petrucci
    \override Staff.TimeSignature.style = #'mensural
    \clef "petrucci-g"
    \[ c''\maxima g \]
    \[ d'\longa
       \override NoteHead.ligature-flexa = ##t
       \once \override NoteHead.flexa-width = #3.2
       c\breve f e d \]
    \[ c\maxima d\longa \]
    \[ e1 a, g\breve \]
  }
  \layout {
    \context {
      \Voice
      \remove Ligature_bracket_engraver
      \consists Mensural_ligature_engraver
    }
  }
}

[image of music]

Ligature_bracket_engraverMensural_ligature_engraver に置き換えない場合、上の音楽は以下のようになります:

[image of music]

参照

音楽用語集: ligature

記譜法リファレンス: グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ, リガトゥーラ

既知の問題と警告

リガトゥーラの水平方向のスペースは非常に良くないです。臨時記号は前の音符と衝突するかもしれません。


2.9.4 グレゴリオ聖歌の記譜

グレゴリオ聖歌の楽譜を記譜する時、Vaticana_ligature_engraver が適切な符頭を選択するため、符頭のスタイルについては明示的に指定する必要はありません。しかし、例えばパンクトゥム ネウマを表示するために、スタイルを vaticana.punctum にすることができます。同じように、Mensural_ligature_engraver が自動的に計量記譜法のリガトゥーラを作り出します。

参照

音楽用語集: ligature

記譜法リファレンス: 白色計量記譜法のリガトゥーラ, リガトゥーラ


グレゴリオ聖歌のコンテキスト

予め定義された VaticanaVoiceVaticanaStaff は、Editio Vaticana のスタイルでグレゴリオ聖歌の楽譜を記譜するのに使うことができます。これらのコンテキストは、関係する全てのコンテキスト プロパティやグラフィカル オブジェクト プロパティを適切な値に変更するため、すぐに音楽の内容を入力し始めることができます。以下の抜粋は一例です:

\new VaticanaScore {
  <<
    \new VaticanaVoice = "cantus" {
      \[ c'\melisma c' \flexa a \]
      \[ a \flexa \deminutum g\melismaEnd \]
      f \divisioMinima
      \[ f\melisma \pes a c' c' \pes d'\melismaEnd \]
      c' \divisioMinima \break
      \[ c'\melisma c' \flexa a \]
      \[ a \flexa \deminutum g\melismaEnd \] f \divisioMinima
    }
    \new Lyrics \lyricsto "cantus" {
      San- ctus, San- ctus, San- ctus
    }
  >>
}

\layout {
  indent = 0
  ragged-last = ##t
}

[image of music]


グレゴリオ聖歌の音部記号

次の表は、\clef コマンドでサポートしているグレゴリオ聖歌の音部記号を全て表示しています。いくつかの音部記号は同じ形をしていますが、どの線に合わせて表示されるかのみが異なります。このような音部記号は、最後に来る数字がどの線に表示されるかに対応しています。小さいものが下で、大きいものが上です。音部記号がどの線に表示されるかを強制的に変更することもできます (音部記号 に説明があります)。例の中で、音部記号の右に表示されている音符は、c' がどの位置に対応するかを示したものです。

説明サポートされている音部記号
Editio Vaticana スタイルのハ音記号vaticana-do1, vaticana-do2,
vaticana-do3

[image of music]

Editio Vaticana スタイルのヘ音記号vaticana-fa1, vaticana-fa2

[image of music]

Editio Medicaea スタイルのハ音記号medicaea-do1, medicaea-do2,
medicaea-do3

[image of music]

Editio Medicaea スタイルのヘ音記号medicaea-fa1, medicaea-fa2

[image of music]

hufnagel スタイルのハ音記号hufnagel-do1, hufnagel-do2,
hufnagel-do3

[image of music]

hufnagel スタイルのヘ音記号hufnagel-fa1, hufnagel-fa2

[image of music]

hufnagel style のハ音記号とヘ音記号を組み合わせたものhufnagel-do-fa

[image of music]

参照

音楽用語集: clef

記譜法リファレンス: 音部記号


グレゴリオ聖歌の臨時記号と調号

3 種類の臨時記号スタイルが利用可能です:

[image of music]

上で示したように、全ての臨時記号がサポートされているわけではありません。サポートされていない臨時記号にアクセスした場合、LilyPond は別のスタイルに変更します。

臨時記号や調号のスタイルはそれぞれ、グラフィカル オブジェクト AccidentalKeySignaturealteration-glyph-name-alist プロパティでコントロールされます。例えば:

\override Staff.Accidental.alteration-glyph-name-alist =
  #alteration-mensural-glyph-name-alist

参照

音楽用語集: accidental, key signature

記譜法リファレンス: ピッチ, 臨時記号, 自動臨時記号, 調号

内部リファレンス: KeySignature


ディビジオ

グレゴリオ聖歌の記譜法には休符がありません。代わりに、ディビジオ (ディビジオ) を使います。

ディビジオ (divisio, 複数形 divisiones, ラテン語で‘区切り’) は、グレゴリオ聖歌においてフレーズや節を表すために使われた記号です。 ディビジオ ミニマディビジオ マヨルディビジオ マキシマ はそれぞれ音楽的には、短い、中ぐらいの、長い休止を表します。これは ブレス記号 にあるブレス記号に似ています。フィナリス記号は歌の終わりを表すだけでなく、アンティフォナ (交唱聖歌) において、節の終わりを意味するのによく使われます。

ディビジオを使用するには、ファイル gregorian.ly をインクルードしてください。これには定義が含まれており、必要な場所に \divisioMinima, \divisioMaior, \divisioMaxima, \finalis を入力することができます。いくつかの版ではディビジオ ミニマの代わりに virgulacaesura が用いられることがあります。そのため、gregorian.ly には \virgula\caesura も定義されています。

[image of music]

定義済みコマンド

\virgula, \caesura, \divisioMinima, \divisioMaior, \divisioMaxima, \finalis.

参照

音楽用語集: caesura, divisio

記譜法リファレンス: ブレス記号

インストールされているファイル: ly/gregorian.ly


グレゴリオ聖歌のアーティキュレーション

アーティキュレーションと装飾 に挙げられている通常のアーティキュレーションの他に、グレゴリオ聖歌で用いるためのアーティキュレーションが Editio Vaticana スタイルで提供されています。

\new VaticanaScore {
  \new VaticanaVoice {
    \override TextScript.font-family = #'typewriter
    \override TextScript.font-shape = #'upright
    \override Script.padding = #-0.1
    a\ictus_"ictus " \bar "" \break
    a\circulus_"circulus " \bar "" \break
    a\semicirculus_"semicirculus " \bar "" \break
    a\accentus_"accentus " \bar "" \break
    \[ a_"episema" \episemInitium \pes b \flexa a b \episemFinis \flexa a \]
  }
}

\layout {
  indent = 0
  ragged-last = ##t
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: アーティキュレーションと装飾

コード断片集: Ancient notation

内部リファレンス: Episema, EpisemaEvent, Episema_engraver, Script, ScriptEvent, Script_engraver

既知の問題と警告

いくつかのアーティキュレーションは、符頭と縦方向に近づきすぎます。


付点 (モラ)

モラ\augmentum 音楽関数で追加します。\augmentum は変数を 1 つだけ取る音楽関数として定義されており、すぐ後に続く音楽表記にのみ作用するということに注意してください。つまり、\augmentum \virga c は効果が無く、代わりに \virga \augmentum c\augmentum {\virga c} と記述します。また、\augmentum {a g}\augmentum a \augmentum g の略記となります。

\new VaticanaScore {
  \new VaticanaVoice {
    \[ \augmentum a \flexa \augmentum g \]
    \augmentum g
  }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: ブレス記号

内部リファレンス: BreathingSign

コード断片集: Ancient notation


グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ

四角形ネウマ記法 (Editio Vaticana スタイルを踏襲しています) のサポートは限定的です。基本的なリガトゥーラは入力できますが、本格的に記譜する場合の、 複数のリガトゥーラの水平配置、歌詞の配置、臨時記号の正しい取り扱いといった必要な機能がサポートされていません。

グレゴリオ聖歌のネウマは、ファイルの先頭に gregorian.ly\include することで有効にできます。単旋律聖歌のネウマを生成するいくつかのコマンドが追加で使用できるようになります。

符頭は変更されたり、結合されたりします。

  • 符頭の形を変更するには、音名のに以下のコマンドのいずれかを入力します: \virga, \stropha, \inclinatum, \auctum, \descendens, \ascendens, \oriscus, \quilisma, \deminutum, \cavum, \linea
  • リガトゥーラは、結合する音符の\pes\flexa のコマンドを入力することで生成します。それぞれ、上向きと下向きの動きに対応します。

何も指定しない場合は、プンクトゥムが作られます。ヴィルガ のような単音のネウマを含む、他の全てのネウマは原則、リガトゥーラとして解釈されるため、 \[ … \] の間に配置されるべきです。

単音のネウマについて:

  • プンクトゥムが基本的な音符の形です (Vaticana スタイルでは、正方形がタイポグラフィの策略により少し曲がったものです)。通常の プンクトゥムに加え、斜体のプンクトゥム インクリナトゥムがあり、これは \inclinatum を前置することで表示します。通常のプンクトゥム\cavum で変化させることができ、白抜きの音符を作り出すことができます。また、\linea では、音符の両側に縦線を表示します。
  • ヴィルガ は右側に下向きの符幹を持ちます。\virga で表示します。

リガトゥーラについて:

他のネウマ譜入力システムとは異なり、リガトゥーラの見た目はコマンドの入力から指定されるわけではなく、音楽の意味に依存したいくつかの規則によって決まります。例えば、\[ a \pes b \flexa g \] のような低-高-低の音型を持つ 3 音のリガトゥーラは、3 つのプンクトゥム符頭を持つトルクルスを作ります。\[ a \flexa g \pes b \] のような高-低-高の音型では、曲がった平行四辺形と 1 のプンクトゥムから成るポレクトゥスを作ります。曲がった平行四辺形を表示させるための明示的なコマンドは無く、いつこの形を表示するかは入力された音楽によります。このアプローチは、入力の音楽的な側面と、出力のスタイルを分離しているということです。このようにすることで、同じ音楽を異なったグレゴリオ聖歌のスタイルで作り出すことができます。

液化ネウマについて:

グレゴリオ聖歌の音符におけるもう一つの主なグループが、いわゆる液化したネウマです。これは液化する音 – つまり、音程を持てる有声子音 (鼻音, l, r, v, j, それらの二重音) – で終わる音節の最後に使われることがあります。そのため、液化ネウマは単独で使われることはなく (しかしながら、単独で出力できるものもあります)、常にリガトゥーラの最後に出現します。

液化ネウマの表現方法は 2 つあり、見た目が異なりますが、通常互換性があります。1 つ目は、通常のように \pes\flexa を使い、後者の音符の形を変化させる方法です: \[ a \pes \deminutum b \] 。2 つ目は、\auctum を使った 1 音符のネウマに、方向を指示する \descendens\ascendens を付け加える方法です: \[ \auctum \descendens a \]

特殊な記号: 記号の 3 つ目のグループは、特殊な意味を持ついくつかの記号からなります (ちなみにそれらは、ほとんどがあまり分かっていないものです)。クイリスマオリスクスストロファがそうです。 これらは全て、音名の前に対応する修飾子を前置することで作られます: \quilisma, \oriscus, \stropha

リガトゥーラの括弧内 (\[ … \]) では実質、いくらでも符頭を組み合わせて 1 つのリガトゥーラを作ることができ、\pes, \flexa, \virga, \inclinatum などを前置することで自由に組み合わせることができます。上に示したリガトゥーラ形成のルールも、同じように組み合わせて応用することができます。このようにして、無限の組み合わせのリガトゥーラを作ることができます。

これらの記号は音楽の中で一定のルールに従って配置されますが、それらは LilyPond ではチェックされないということに注意してください。 例えば、クイリスマは常に上昇音型のリガトゥーラの中間にあり、通常は半音で動く場所に付きます。しかし、LilyPond では 1 音符のクイリスマを作ることができてしまいます。

音符の記号に加えて、gregorian.ly では \versus, \responsum, \ij, \iij, \IJ, and \IIJ といったコマンドを定義しています。これらはそれぞれ、歌詞や節のマーカー記号などに使うことのできる文字を作り出します。これらのコマンドは特殊な Unicode 文字を使用しており、正しく動作させるためには、フォントが文字をサポートしている必要があります。

次の表は限定的ではありますが、代表的なグレゴリオ聖歌で使われるリガトゥーラの一覧です。それぞれのリガトゥーラには、それを作り出すためのコード断片も同時に示されています。この表は、Solesmes の修道士によって 1983 年に出版された、Antiphonale Romanum (Liber Hymnarius) の第 2 巻に収録されている、大きなネウマの一覧表を基にしています。1 列目がリガトゥーラの名前を表しています。主要な形は太字で、液化ネウマは斜体で表示しています。3 列目がこのリガトゥーラを作り出すコード断片を g, a, b を例のピッチとして示しています。

単音のネウマ

主要な/液化した出力LilyPond
コード
プンクトゥム (Punctum)

[image of music]

\[ b \]

[image of music]

\[ \cavum b \]

[image of music]

\[ \linea b \]
Punctum Auctum Ascendens

[image of music]

\[ \auctum \ascendens b \]
Punctum Auctum Descendens

[image of music]

\[ \auctum \descendens b \]
プンクトゥム インクリナトゥム (Punctum inclinatum)

[image of music]

\[ \inclinatum b \]
Punctum Inclinatum Auctum

[image of music]

\[ \inclinatum \auctum b \]
Punctum Inclinatum Parvum

[image of music]

\[ \inclinatum \deminutum b \]
ヴィルガ (Virga)

[image of music]

2 音のリガトゥーラ

クリヴィス/フレクサ (Clivis vel Flexa)

[image of music]

\[ b \flexa g \]
Clivis Aucta Descendens

[image of music]

\[ b \flexa \auctum \descendens g \]
Clivis Aucta Ascendens

[image of music]

\[ b \flexa \auctum \ascendens g \]
Cephalicus

[image of music]

\[ b \flexa \deminutum g \]
ポダトゥス/ペス Podatus vel Pes

[image of music]

\[ g \pes b \]
Pes Auctus Descendens

[image of music]

\[ g \pes \auctum \descendens b \]
Pes Auctus Ascendens

[image of music]

\[ g \pes \auctum \ascendens b \]
Epiphonus

[image of music]

\[ g \pes \deminutum b \]
Pes Initio Debilis

[image of music]

\[ \deminutum g \pes b \]
Pes Auctus Descendens Initio Debilis

[image of music]

\[ \deminutum g \pes \auctum \descendens b \]

複数音のリガトゥーラ

トルクルス (Torculus)

[image of music]

\[ a \pes b \flexa g \]
Torculus Auctus Descendens

[image of music]

\[ a \pes b \flexa \auctum \descendens g \]
Torculus Deminutus

[image of music]

\[ a \pes b \flexa \deminutum g \]
Torculus Initio Debilis

[image of music]

\[ \deminutum a \pes b \flexa g \]
Torculus Auctus Descendens Initio Debilis

[image of music]

\[ \deminutum a \pes b \flexa \auctum \descendens g \]
Torculus Deminutus Initio Debilis

[image of music]

\[ \deminutum a \pes b \flexa \deminutum g \]
ポレクトゥス (Porrectus)

[image of music]

\[ a \flexa g \pes b \]
Porrectus Auctus Descendens

[image of music]

\[ a \flexa g \pes \auctum \descendens b \]
Porrectus Deminutus

[image of music]

\[ a \flexa g \pes \deminutum b \]
クリマクス (Climacus)

[image of music]

\[ \virga b \inclinatum a \inclinatum g \]
Climacus Auctus

[image of music]

\[ \virga b \inclinatum a \inclinatum \auctum g \]
Climacus Deminutus

[image of music]

\[ \virga b \inclinatum a \inclinatum \deminutum g \]
スカンディクス (Scandicus)

[image of music]

\[ g \pes a \virga b \]
Scandicus Auctus Descendens

[image of music]

\[ g \pes a \pes \auctum \descendens b \]
Scandicus Deminutus

[image of music]

\[ g \pes a \pes \deminutum b \]

特殊な記号

クイリスマ (Quilisma)

[image of music]

\[ g \pes \quilisma a \pes b \]
Quilisma Pes Auctus Descendens

[image of music]

\[ \quilisma g \pes \auctum \descendens b \]
オリスクス (Oriscus)

[image of music]

\[ \oriscus b \]
Pes Quassus

[image of music]

\[ \oriscus g \pes \virga b \]
Pes Quassus Auctus Descendens

[image of music]

\[ \oriscus g \pes \auctum \descendens b \]
サリクス (Salicus)

[image of music]

\[ g \oriscus a \pes \virga b \]
Salicus Auctus Descendens

[image of music]

\[ g \oriscus a \pes \auctum \descendens b \]
(アポ)ストロファ ((Apo)stropha)

[image of music]

\[ \stropha b \]
Stropha Aucta

[image of music]

\[ \stropha \auctum b \]
ビストロファ (Bistropha)

[image of music]

\[ \stropha b \stropha b \]
トリストロファ (Tristropha)

[image of music]

\[ \stropha b \stropha b \stropha b \]
Trigonus

[image of music]

\[ \stropha b \stropha b \stropha a \]

定義済みコマンド

サポートされている符頭を変化させる前置コマンドは以下です: \virga, \stropha, \inclinatum, \auctum, \descendens, \ascendens, \oriscus, \quilisma, \deminutum, \cavum, \linea

これらのコマンドは組み合わせることができますが、制約があります。例えば、\descendens\ascendens はどちらも符頭に付け加えることのできるコマンドですが、同じ符頭に両方を付けることはできません。

隣り合う符頭は、\pes\flexa 中置コマンドで結合することができます。それぞれ音型の上昇と下降を意味します。

付点 (モラ) を追加するには 1 引数のコマンド \augmentum を使ってください。

参照

音楽用語集: ligature

記譜法リファレンス: グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ, 白色計量記譜法のリガトゥーラ, リガトゥーラ

既知の問題と警告

\augmentum が最後の譜のリガトゥーラ内に出現した場合、縦方向の付点の位置がおかしくなることがあります。対処方法は、譜の最後にスキップ音符 (例えば s8) を追加することです。

\augmentum は 1 引数の音楽関数ではなく、前置コマンドとして実装されるべきです。そうすることで、\augmentum を他の前置コマンドと任意の順番で混合させることができます。


2.9.5 キエフ記譜法で譜刻する

(訳注: キエフ記譜法 (Kievan square notation) は、ロシア正教会を中心に使われている聖歌の記譜法です。符頭が四角形 (square) であることが特徴です。)


キエフ記譜法のコンテキスト

計量記譜法やグレゴリオ聖歌の記譜法と同様に、KievanVoiceKievanStaff コンテキストが予め定義されており、Kievan 記譜法で音楽を譜刻する際に使うことができます。これらのコンテキストは、関連するコンテキスト プロパティやグラフィカル オブジェクト プロパティを正しい値にセットします。そのため、すぐに音楽を入力することができます:

% Font settings for Cyrillic
\paper {
  property-defaults.fonts.serif = "Linux Libertine O,serif"
}

\score {
  <<
    \new KievanVoice = "melody" \relative c' {
      \cadenzaOn
        c4 c c c c2 b\longa
        \bar "k"
    }
    \new Lyrics \lyricsto "melody" {
      Го -- спо -- ди по -- ми -- луй.
    }
  >>
}

[image of music]

参照

音楽用語集: Kievan notation

既知の問題と警告

LilyPond は Synodal スタイルのキエフ記譜法をサポートしています。これは、Russian Holy Synod で 1910 年に作られた聖歌集で使われたもので、最近では Moscow Patriarchate Publishing House が再販しました。LilyPond はガリツィアでルシン語の単旋律聖歌に使われた、古い (より一般的でない) スタイルのキエフ記譜法をサポートしていません。


キエフ記譜法の音部記号

キエフ記譜法では、1 つの音部記号しか使いません (Tse-fa-ut 音部記号)。 これは、c の位置を表すのに使います:

  \clef "kievan-do"
  \kievanOn
  c'

[image of music]

参照

音楽用語集: Kievan notation, clef

記譜法リファレンス: 音部記号


キエフ記譜法の音符

キエフ記譜法では、適切なスタイルの符頭が選択され、符尾と符幹を表示しないようにする必要があります。これらは符頭、符幹、符尾のプロパティを適切な値にセットする \kievanOn 関数によって行うことができます。キエフ記譜法の音符が必要なくなったら、\kievanOff 関数で元に戻すことができます。

キエフ記譜法における最終音符は、長さを \longa にすることで選ぶことができます。朗唱を表す音符は、1 つの音符でいくつかの音節を歌うことを示すために使用されますが、\breve で選ぶことができます。次の例では、いくつかの種類の符頭を例示しています:

\autoBeamOff
\cadenzaOn
\kievanOn
b'1 b'2 b'4 b'8 b'\breve b'\longa
\kievanOff
b'2

[image of music]

参照

音楽用語集: Kievan notation, note head

記譜法リファレンス: 符頭のスタイル

既知の問題と警告

LilyPond は音符を描画する際に、符幹の向きが上か下かを自動的に決定します。しかしながら、聖歌をキエフ記譜法で譜刻する場合、同じメリスマ内の音符は符幹を同じ向きにすることが慣習となっています。これは Stem オブジェクトの direction プロパティを手動でセットすることで行うことができます。


キエフ記譜法の臨時記号

Accidental グラフィカル オブジェクトの alteration-glyph-name-alist プロパティに kievan スタイルを選択することができます。kievan スタイルは、デフォルトと異なるシャープ記号やフラット記号を提供します。キエフ記譜法にはナチュラル記号は存在しません。Synodal スタイルの音楽ではシャープ記号は使われませんが、昔の写本に使われていることがあります。この記号が含まれているのは主に互換性の理由からです。

\clef "kievan-do"
\override Accidental.alteration-glyph-name-alist =
 #alteration-kievan-glyph-name-alist
bes' dis'

[image of music]

参照

音楽用語集: Kievan notation, accidental

記譜法リファレンス: 臨時記号, 自動臨時記号, Emmentaler フォント


キエフ記譜法の小節線

キエフ記譜法では、曲の終わりに装飾的な記号が置かれるのが一般的です。これは最終小節線と呼ばれることがあります。\bar "k" で表示することができます。

  \kievanOn
  \clef "kievan-do"
  c' \bar "k"

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 小節, Emmentaler フォント


キエフ記譜法のメリスマ

キエフ記譜法では、1 つのメリスマに属する音符は互いに近くに配置され、メリスマ同士は空白で区切られます。これによりズナメニ聖歌の歌唱者は、メロディの構造を素早く識別することができます。LilyPond では、メリスマはリガトゥーラとして扱われ、メリスマ間のスペースは Kievan_ligature_engraver によって実装されています。

KievanVoiceKievanStaff コンテキストが使用されている時は、Kievan_ligature_engraver はデフォルトで有効化されています。他のコンテキストでは、\layout ブロックで、Ligature_bracket_engraverKievan_ligature_engraver に置き換えます。

\layout {
  \context {
    \Voice
    \remove Ligature_bracket_engraver
    \consists Kievan_ligature_engraver
  }
}

メリスマ間の空白は、KievanLigaturepadding プロパティをセットすることで変更することができます。

次の例では、リガトゥーラを使用しています:

% Font settings for Cyrillic
\paper {
  property-defaults.fonts.serif = "Linux Libertine O,serif"
}

\score {
  <<
    \new KievanVoice = "melody" \relative c' {
      \cadenzaOn
        e2 \[ e4( d4 ) \] \[ c4( d e  d ) \] e1 \bar "k"
    }
    \new Lyrics \lyricsto "melody" {
      Га -- врі -- и -- лу
    }
  >>
}

[image of music]

参照

音楽用語集: ligature

記譜法リファレンス: 白色計量記譜法のリガトゥーラ, グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ, リガトゥーラ

既知の問題と警告

リガトゥーラの水平方向のスペーシングは非常に悪いです。


2.9.6 古代音楽に取り組む – 事例とその解決法

古代音楽の譜刻に取り組む場合、LilyPond の主なターゲットである現代の記譜法とはかなり異なる作業を強いられることが多くあります。このセクションの残りでは、いくつかの事例を取り上げ、その解決法の 1 つを示します。取り上げる事例は以下の通りです:

  • 計量音楽の現代転写譜で、インキピット (オリジナルの楽譜がどのようであったかを楽譜の先頭に示すもの) をどのように作るか
  • ポリフォニー音楽の現代転写譜で頻繁に使われる、Mensurstriche レイアウトをどのように作るか
  • グレゴリオ聖歌を現代譜にどのように転写するか
  • 同じソースから古代と現代の記譜法の両方の楽譜をどのように生成するか

インキピット

計量音楽を現代記譜法に転写するとき、オリジナルの楽譜の最初にある休符や音符がどのようであったかを、音部記号と共に示すことが習慣となっています。これがインキピット (incipit) と呼ばれるものです。\incipit コマンドは、メインの譜の indent を、インキピットによって占有される部分の幅として、また、incipit-width を、インキピットの譜の幅として使用します。

\score {
  \new Staff <<
    \new Voice = Tenor {
      \set Staff.instrumentName = "Tenor"
      \override Staff.InstrumentName.self-alignment-X = #RIGHT
      \incipit { \clef "mensural-c4" \key f \major r\breve r1 c'1 }
      \clef "treble_8"
      \key f \major
      R1 r2 c'2 |
      a4. c'8
    }
    \new Lyrics \lyricsto Tenor { Cyn -- thia your }
  >>
  \layout
  {
    indent = 5\cm
    incipit-width = 3\cm
  }
}

[image of music]

既知の問題と警告

インキピットを生成するためには、instrumentName がセットされている必要があります。楽器名が必要ない場合には、 \set Staff.instrumentName = "" としてください。


Mensurstriche レイアウト

Mensurstriche (‘計量 (記譜法の) 線’) は一般に受け入れられた用語で、同じシステム (段) 内にある譜と譜の間には引かれ、譜自体には引かれない 小節線のことです。このようにして、小節線の持つ位置決めの機能を保ちつつ、 オリジナルのリズムの表示を失わないように (シンコペーションされた音符が小節線によって区切られてしまわないように) することが通例となっています。

Mensurstriche (計量音楽風の) レイアウトでは、小節線を譜の中には表示せず、譜と譜の間に表示します。これは、ChoirStaff の代わりに StaffGroup を用いることで実現できます。譜の中にある小節線は \hide で非表示にします。

\layout {
  \context {
    \Staff
    measureBarType = "-span|"
  }
}

music = \fixed c'' {
  c1
  d2 \section e2
  f1 \fine
}

\new StaffGroup <<
  \new Staff \music
  \new Staff \music
>>

[image of music]


グレゴリオ聖歌を転写する

グレゴリオ聖歌は、いくつかのシンプルな調整によって現代譜に転写することができます。

符幹: Voice コンテキストの Stem_engraver\remove によって削除することで、符幹を完全に作らないようにできます:

\layout {
  …
  \context {
    \Voice
      \remove Stem_engraver
  }
}

タイミング: 拍子の無い曲では、いくつかの手段があります:

Time_signature_engraverStaff コンテキストから問題なく削除することができます。そうせずに、拍子記号を透明にすると、拍子記号はスペースを確保したままであるため、楽譜には何もないスペースが残ってしまいます。

多くの場合では、\set Score.timing = ##f が良い結果をもたらします。他には、\cadenzaOn\cadenzaOff を使う方法があります。

小節線を削除するには、基本的には Staff コンテキストの Bar_engraver\remove によって削除します。小節線が必要な部分がある場合、\hide BarLine を代わりに使うことができます。

朗唱部分は、繰り返される音符が 1 つのブレーヴェで示されます。朗唱のテキストを配置する方法は 2 つあります。1 つ目は、左揃えの 1 音節として配置する方法です:

chant = \relative {
  \clef "G_8"
  c'\breve c4 b4 a c2 c4  \divisioMaior
  c\breve c4 c f, f \finalis
}

verba = \lyricmode {
  \once \override LyricText.self-alignment-X = #-1
  "Noctem quietam et" fi -- nem per -- fec -- tum
  \once \override LyricText.self-alignment-X = #-1
  "concedat nobis Dominus" om -- ni -- po -- tens.
}
\score {
  \new Staff <<
  \new Voice = "melody" \chant
  \new Lyrics = "one" \lyricsto melody \verba
  >>
  \layout {
    \context {
      \Staff
      \remove Time_signature_engraver
      \remove Bar_engraver
    }
    \context {
      \Voice
      \remove Stem_engraver
    }
  }
}

[image of music]

これで基本的に問題はありませんが、テキストが改行しないという問題があります。改行が必要な場合は、以下のように、楽譜に不可視の音符を付け加えます。

一部の転写のスタイルでは、例えば朗唱部分からメロディ部分へと以降することを示すために、符幹が用いられることがあります。このような場合、Stem_engraver\remove する代わりに、\hide Stem あるいは \override Stem.length = #0 を使い、 符幹が必要な場面で \undo \hide Stem (訳注: あるいは \revert Stem.length) を使って元に戻すことができます。

chant = \relative {
  \clef "G_8"
  \set Score.timing = ##f
  \hide Stem
  c'\breve \hide NoteHead  c c c c c
  \undo \hide NoteHead
  \undo \hide Stem \stemUp c4 b4 a
  \hide Stem c2 c4  \divisioMaior
  c\breve \hide NoteHead c c c c c c c
  \undo \hide NoteHead c4 c f, f \finalis
}

verba = \lyricmode {
  No -- ctem qui -- e -- tam et fi -- nem per -- fec -- tum
  con -- ce -- dat no -- bis Do -- mi -- nus om -- ni -- po -- tens.
}

\score {
  \new Staff <<
    \new Voice = "melody" \chant
    \new Lyrics \lyricsto "melody" \verba
  >>
  \layout {
    \context {
      \Staff
      \remove Time_signature_engraver
      \hide BarLine
    }
  }
}

[image of music]

ネウマ譜あるいはメリスマ式の聖歌 (それぞれの音節に様々な数の音符が割り当てられているもの) を転写することも一般的です。このとき、音節ごとに間を開けて、長いメリスマにおいては、更に細かいグループに分けて表示したい場合があります。これを行う方法の 1 つは、\time を 1/4 などに固定し、連符や短い音符を使って、それぞれの音節やグループで 1 小節を作るというものです。小節線や他のリズムに関する表示が透明になっていて、小節線の周りのスペースが増やされているなら、現代譜で上手くオリジナルを表現することができます。

異なる長さの音節 (“-ri” と “-rum” など) によって音符のグループが不均一な間隔で分かれてしまうなら、LyricText オブジェクトの X-extent プロパティを固定値にセットすることで対処できます。または、より厄介ではありますが、音節を \markup 要素にするという方法があります。更に調整が必要なら、s ‘音符’で簡単に行うことができます。

spiritus = \relative {
  \time 1/4
  \override Lyrics.LyricText.X-extent  = #'(0 . 3)
  d'4 \tuplet 3/2 { f8 a g } g a a4 g f8 e
  d4 f8 g g8 d f g a g f4 g8 a a4  s
  \tuplet 3/2 { g8 f d } e f g a g4
}

spirLyr = \lyricmode {
  Spi -- ri -- _ _ tus  _ Do -- mi -- ni  _ re -- ple -- _ vit _
  or -- _ bem _  ter -- ra -- _ rum, al -- _ _ le -- _ lu
  -- _ ia.
}
\score {
  \new Staff <<
    \new Voice = "chant" \spiritus
    \new Lyrics = "one" \lyricsto "chant" \spirLyr
  >>
  \layout {
    \context {
      \Staff
      \remove Time_signature_engraver
      \override BarLine.X-extent = #'(-1 . 1)
      \hide Stem
      \hide Beam
      \hide BarLine
      \hide TupletNumber
    }
  }
}

[image of music]


1 つのソースから古代譜と現代譜の両方を生成する

タグを使用して同じソースから計量音楽譜と現代譜を生成する

タグを使用して、同じ音楽に対して計量音楽譜と現代譜の両方を生成することができます。このスニペットでは、menrest 関数が定義されており、計量音楽における休符の位置は維持しながら、現代譜における休符は通常の位置に配置しています。タグは曲の終わりにある小節線を 2 つの楽譜で異なるものにするために使用していますが、区別が必要な他の場面でも用いることができます: 例えば、現代譜では “全休符” (R1, R\breve など) を使用したいが、計量音楽譜では通常の休符 (r1, r\breve など) を使用したい場合です。計量音楽を現代音楽に変換する作業は通常 “転写 (transcription)” と呼ばれます。

\header { tagline = ##f }

menrest =
#(define-music-function (note)
  (ly:music?)
    #{
      \tag #'mens $(make-music 'RestEvent note)
      \tag #'mod $(make-music 'RestEvent note 'pitch '())
    #})

MenStyle = {
  \autoBeamOff
  \override NoteHead.style = #'petrucci
  \override Score.BarNumber.transparent = ##t
  \override Stem.neutral-direction = #up
}

finalis = \section

Music = \relative c'' {
  \set Score.tempoHideNote = ##t
  \key f \major
  \time 4/4
  g1 d'2 \menrest bes4 bes2 a2 r4 g4 fis2.
  \finalis
}

MenLyr = \lyricmode { So farre, deere life, deare life }
ModLyr = \lyricmode { So far, dear life, dear life }

\score {
  \keepWithTag #'mens {
    <<
      \new MensuralStaff
      {
        \new MensuralVoice = Cantus
          \clef "mensural-c1" \MenStyle \Music
      }
      \new Lyrics \lyricsto Cantus \MenLyr
    >>
  }
}

\score {
  \keepWithTag #'mod {
    \new ChoirStaff <<
      \new Staff
      {
        \new Voice = Sop \with {
          \remove "Note_heads_engraver"
          \consists "Completion_heads_engraver"
          \remove "Rest_engraver"
          \consists "Completion_rest_engraver" }
        {
          \shiftDurations 1 0 { \autoBeamOff \Music }
        }
      }
      \new Lyrics \lyricsto Sop \ModLyr
    >>
  }
}

[image of music]


2.10 世界の音楽

このセクションの目的は、西洋音楽の慣習とは異なる音楽に関する記譜の問題をハイライトすることです。


2.10.1 非西洋音楽の一般的な記譜法

このセクションでは、西洋のクラシック音楽の様式には属さない楽譜を入力し、譜刻する方法を説明します。


記譜法とチューニング システムを拡張する

標準的なクラシック音楽の記譜法 (Common Practice Period – 16-19世紀のヨーロッパ音楽 – の記譜法) は全ての種類の音楽で使われるもので、西洋の ‘クラシック’ 音楽に限定されるものではありません。この記譜法は ピッチを記述する で説明されていて、様々な音符名が 他の言語での音符名 で説明されています。

非西洋音楽のいくつかとフォーク ミュージック、伝統音楽はしばしば異なるあるいは拡張されたチューニングシステムを採用していて、標準的なクラシック音楽の記譜法とは容易に適合しません。

標準の記譜法を用いますが、ピッチの違いを潜在させます。例えば、アラブ音楽 は、標準の半音 (訳者: シャープとフラット) と四分音 (訳者: シャープとフラットの半分) を用いますが、精密なピッチの変化はコンテキストによって決定されます。アラブ音楽 に関しては、初期ファイル arabic.ly が標準の記譜法を拡張するアラブ音楽に適したマクロと定義のセットを提供します。詳細は、アラブ音楽 を参照してください。

他のタイプの音楽は、拡張されたあるいは固有の記譜法を必要とします。例えば、トルコの伝統音楽 (オスマントルコの伝統音楽としても有名です) は、全音の 1/9 をベースとする音程を持つ マカーム と呼ばれる旋律様式を採用しています。標準の西洋音楽の音符を使いますが、ファイル turkish-makam.ly で独自に定義されている特殊な臨時記号が用いられます。トルコの伝統音楽とマカームについての詳細は トルコの伝統音楽 を参照してください。

他にも、関連する初期ファイル hel-arabic.lymakam.ly が利用可能です。

これらの初期ファイルの保存場所については、その他の情報源 を参照してください。

参照

音楽用語集: Common Practice Period, makamlar

学習マニュアル: その他の情報源

記譜法リファレンス: ピッチを記述する, 他の言語での音符名, アラブ音楽, トルコの伝統音楽


2.10.2 アラブ音楽

このセクションでは、アラブ音楽の記譜に関する問題をハイライトします。


アラブ音楽のためのリファレンス

アラブ音楽は主に口伝えで伝えられてきました。音楽を記述するときは、演奏者が多くを即興することを前提としたスケッチ形式で記されます。アラブ音楽を伝え、保護するために、いくつかのバリエーションを持つ西洋音楽記譜法を採用することが増えています。

和音の記述や独立したパートのような西洋音楽記譜法の要素のいくつかは、伝統的なアラブ音楽を記譜するのに必要としません。しかしながら、それとは異なる問題があります。例えば、西洋音楽で用いられる半音と全音に加えて、半音や全音の間にある中間音程を示す必要があります。さらに、多くのマカーム (旋法) – アラブ音楽のパート – を示す必要があります。

一般的に、アラブ音楽の記譜法は微分音要素を正確に示そうとはしません。

アラブ音楽に関係する問題のいくつかは他の場所でカバーされています:

  • 音符名と臨時記号 (四分音を含む) を用意する方法は、非西洋音楽の一般的な記譜法 で説明しています。
  • 追加の調号を用意する方法は、調号 で説明しています。
  • 複雑な拍子は、手動連桁 で説明されているように、音符を手動でグループ化することを必要とするかもしれません。
  • 自由なリズムの即興 – タクシーム – は、無韻律の音楽 で説明されているように小節線を省略します。

参照

記譜法リファレンス: 非西洋音楽の一般的な記譜法, 調号, 手動連桁

コード断片集: World music


アラブ音楽での音符名

伝統的なアラブ音楽の音符名は非常に長く、音楽を記述するという目的には必ずしも適しているとは言えません。

hel-arabic.ly で、英語の音符名を使うことができます。これは、hel-arabic.ly を用いた マカーム ラースト スケールです:

\include "hel-arabic.ly"
\language "arabic"
\language "english"
\relative {
\key c \rast
  c' d eqf f | g a bqf c | c bf a g | f d c
}

[image of music]

arabic.ly では、代わりにイタリア語 (あるいはソルフェージュ) の音符名を使うことができます。これは、arabic.ly を用いた マカーム ラースト スケールです:

\include "arabic.ly"
\relative {
  do' re misb fa | sol la sisb do | sisb la sol fa | misb re do
}

[image of music]

“マカーム ラースト” は四分音間隔が使われる七音音階であり、“アラブ音楽のマカーム” の最も重要で中核的なスケールであると考えられています。サポートされているアラブ音楽のスケールの完全なリストについては、LilyPond に含まれている hel-arabic.lyarabic.ly ファイルを参照してください。

非西洋音楽を記譜するための標準的な西洋記譜法の使用方法については、 非西洋音楽の一般的な記譜法 で説明しています。 他の言語での音符名 も参照してください。

半フラットの記号は、アラブ音楽の記譜法で用いられる記号と一致しません。特殊なアラブ音楽の半フラット記号を用いることが重要である場合は、半フラットの音符の前に arabic.ly で定義されている \dwn を配置します。この方法では、調号の中の半フラット記号の見た目を変えることはできません。

\include "arabic.ly"
\relative {
  \set Staff.extraNatural = ##f
  dod' dob dosd \dwn dob dobsb dodsd do do
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 他の言語での音符名, 非西洋音楽の一般的な記譜法, LilyPond ファイルをインクルードする

インストールされているファイル: ly/arabic.ly, ly/hel-arabic.ly

コード断片集: World music


アラブ音楽での調号

マイナーとメジャーの調号に加えて、アラブ音楽の調号は hel-arabic.lyarabic.ly の両方で定義され、多くの異なるマカーム グループを定義します。

一般的に、マカームはそのマカーム グループあるいは隣のグループの調号を使用し、楽曲全体にさまざまな臨時記号が付けられます。アラブ音楽のマカームの移調は、アラブ音楽の楽器の性質により、制限されています。

例として、“マカーム muhayer” の調号を示します:

\key re \bayati

ここで、re が muhayer マカームの終止音であり、bayati がそのグループでの基本となるマカームの名前です。

調号がグループを表していますが、一般にタイトルはより具体的なマカームを示します。そのため、上記の例では“マカーム muhayer” の名前もタイトルとして表示されます。

以下の表で示すように同じ bayati グループに属する他のマカーム (bayati, hussaini, saba, それに ushaq) も同じ方法で示すことができます。それらがその bayati グループのすべてのバリエーションです。それらは基本的な特質は変わらない兄弟関係にあり、基本となるマカーム (この場合は bayati) とは上方のテトラコードが異なっていたり、詳細の一部分が異なっています。

同じグループの他のマカーム (nawa) は bayati を移調したもので、表では移調をマカームの後ろに括弧書きで、基本となるマカームからの移調として記載しています。例えば、Nawa は以下のように示すことができます:

\key sol \bayati

アラブ音楽では、bayati のような用語が複数の意味を持ちます – マカーム グループを示し、そのグループで最も重要なマカームであり、基本となるマカームでもあります。

ここで、一般的なマカームの調号をマッピングしたグループを示します:

マカーム グループ調終止音グループの他のマカーム (終止音)
ajammajorsibjaharka (fa)
bayatibayatirehussaini, muhayer, saba, ushaq, nawa (sol)
hijazkurdreshahnaz, shad arban (sol), hijazkar (do)
iraqiraqsisb-
kurdkurdrehijazkar kurd (do)
nahawandminordobusalik (re), farah faza (sol)
nakrizminordonawa athar, hisar (re)
rastrastdomahur, yakah (sol)
sikahsikahmisbhuzam

Selected Snippets

非伝統的な調号

広く使われている \key コマンドは、Staff コンテキストの keyAlterations をセットしています。非標準な調号を作成するには、このプロパティを直接セットします。

コマンドの形式は以下のようなリストです:

\set Staff.keyAlterations = #`(((octave . step) . alter) ((octave . step) . alter) ...)

が構文です。リストの各要素について、octave がオクターブを指定し (0 がミドル C からその上の B まで)、step はオクターブ内の音階 (0 が C, 6 が B)、alter,SHARP ,FLAT ,DOUBLE-SHARP などです。

または、各要素についてより簡潔な形式があり、(step . alter) は全てのオクターブに対して変化記号が適用されます。“シャープ” が 100 セントではない微分音のスケールでは、alter を 200 セントの全音を 1 とした数値で指定できます。

\include "arabic.ly"
\relative do' {
  \set Staff.keyAlterations = #`((0 . ,SEMI-FLAT)
                                 (1 . ,SEMI-FLAT)
                                 (2 . ,FLAT)
                                 (5 . ,FLAT)
                                 (6 . ,SEMI-FLAT))
%\set Staff.extraNatural = ##f
  re reb \dwn reb resd
  dod dob dosd \dwn dob |
  dobsb dodsd do do |
}

[image of music]

参照

音楽用語集: maqam, bayati, rast, sikah, iraq, kurd

記譜法リファレンス: 調号

学習マニュアル: ピッチと調号

内部リファレンス: KeySignature

インストールされているファイル: ly/arabic.ly, ly/hel-arabic.ly

コード断片集: World music, Pitches


アラブ音楽での拍子

アラブ音楽とトルコ音楽の伝統的な形式 – セマーイー (Semai) など – は 10/8 のような通常とは異なる拍子を使います。このことは、音符の自動グループ化は拍で音符をグループ化する既存の楽譜とは大きく異なり、自動連桁機能の調節で対応することが困難ということを意味します。代替手段として、自動連桁機能を off にして、手動で音符に連桁を付けることになります。既存の楽譜に合わせることが必要でない場合であっても、自動連桁機能の振る舞いを調整し、複合拍子を用いることが望ましいかもしれません。

Selected Snippets

アラブ音楽の即興

一時的なタクシームや即興部分のために、拍子記号の省略や、\cadenzaOn の使用が可能です。小節線が省かれることで臨時記号が一度しか表示されなくなるるため、臨時記号の付加スタイルを調整する必要があるかもしれません。以下は、ヒジャーズの即興に使用される例を示しています。

\include "arabic.ly"

\relative sol' {
  \key re \kurd
  \accidentalStyle forget
  \cadenzaOn
  sol4 sol sol sol fad mib sol1 fad8 mib re4. r8 mib1 fad sol
}

[image of music]

参照

音楽用語集: semai, taqasim

記譜法リファレンス: 手動連桁, 自動連桁, 無韻律の音楽, 自動臨時記号, 自動連桁の振る舞いを設定する, 拍子

インストールされているファイル: ly/arabic.ly, ly/hel-arabic.ly

コード断片集: World music


アラブ音楽の例

ここで、トルコの セマーイー (Semai) の始めの部分を使ったテンプレートを挙げます。アラブ音楽教育では、セマーイー はアラブ音楽の記譜の特色のいくつか – このセクションで説明した中間的な音程や通常では使用しない旋法等 – を説明するためにお馴染みのものです。

\include "arabic.ly"
\score {
  \header {
    title = "Semai Muhayer"
    composer = "Jamil Bek"
  }
  \relative {
    \set Staff.extraNatural = ##f
    \set Staff.autoBeaming = ##f
    \key re \bayati
    \time 10/8

    re'4 re'8 re16 [misb re do] sisb [la sisb do] re4 r8
    re16 [misb do re] sisb [do] la [sisb sol8] la [sisb] do [re] misb
    fa4 fa16 [misb] misb8. [re16] re8 [misb] re  [do] sisb
    do4 sisb8 misb16 [re do sisb] la [do sisb la] la4 r8
  }
}

[image of music]

参照

インストールされているファイル: ly/arabic.ly, ly/hel-arabic.ly

コード断片集: World music


アラブ音楽のための更なる知識

下方のテトラ コードの共通性または移調によって関連するマカームをグループ化するように取り決められているにもかかわらず、マカームのグループ化の方法の詳細にはいくつかのバリエーションがあります。特定のマカームに対してどのように調号を指定するかについても、同じテキスト内であっても、一貫していません。しかしながら、マカーム毎に調号を指定するのではなく、マカームの‘グループ’毎に調号を指定するのが一般的です。

  • Habib Hassan Touma 著 The music of the Arabs [Amadeus Press, 1996] にはマカームについての説明と、それらのグループ化手法についての説明があります。
  • マカームについて説明している様々な Web サイトもあり、それらの中には音源による例を提供しているものもあります:
  • 以下の著者によるウード (アラブ音楽のリュート) の教本には、主なトルコ音楽とアラブ音楽の作曲についての説明があります。
    • Charbel Rouhana
    • George Farah
    • Ibrahim Ali Darwish Al-masri

2.10.3 トルコの伝統音楽

このセクションではトルコの伝統音楽記譜に関係する問題をハイライトします。


トルコの伝統音楽のためのリファレンス

トルコの伝統音楽はオスマン帝国時代 – ヨーロッパでクラシック音楽が開発されたのとほぼ同時期 – に発展し、 それ自体の作曲形式、理論それに演奏スタイルを持つ、活発で西洋音楽とは別個の流儀を持つ音楽として 20 世紀そして 21 世紀へと受け継がれてきました。際立った特徴の 1 つは全音階を 9 等分した ‘コンマ’ をベースとする微分音を使用することであり、微分音から マカーム (makam、複数形は makamlar) と呼ばれる旋律形式が構築されます。

トルコの伝統音楽に関する問題のいくつかは他の場所でカバーされています。特殊な音符名と臨時記号について、非西洋音楽の一般的な記譜法 で説明しています。


トルコ音楽の音符名

トルコの伝統音楽におけるピッチは固有の名前を持ちます。全音階の 1/9 をベースとしているため、西洋音楽の音階と旋法とは全く異なる音程のセットを採用しています:

現代の記譜法の観点から見ると、西洋音楽標準の譜の音符 (ド、レ、ミ、など) に音符を全音階の 1/9, 4/9, 5/9, 8/9 上げ下げするカスタム臨時記号を組み合わせて使うと便利です。これらのカスタム臨時記号はファイル turkish-makam.ly で定義されています。

非西洋音楽の記譜法についてのもっと一般的な説明は、非西洋音楽の一般的な記譜法 を参照してください。

参照

音楽用語集: makam, makamlar

記譜法リファレンス: 非西洋音楽の一般的な記譜法


トルコ音楽の調号

LilyPond は 200 以上のマカームの調号の定義をサポートしています – トルコのクラシック音楽で使用されているものをはるかに超えています – 各マカームには独自の特定のトニック / finalis ピッチがあります (トルコ語では ‘karar’ として知られています)。

各マカームの finalis を認識することが重要です。 g がデフォルトのトニックであり、 rast がマカームの名前である例を次に示します。

\key g \rast

正しい臨時記号であるコマ フラット (b1) とコマ シャープ (f4) (どちらもトニック g に関連) が自動的に表示されます。

Selected Snippets

Turkish Makam example

This template uses the start of a well-known Turkish Saz Semai that is familiar in the repertoire in order to illustrate some of the elements of Turkish music notation.

\paper { tagline = ##f }

% Initialize makam settings
\include "turkish-makam.ly"

\header {
    title = "Hüseyni Saz Semaisi"
    composer = "Lavtacı Andon"
}

\relative {
  \set Staff.extraNatural = ##f
  \set Staff.autoBeaming = ##f

  \key a \huseyni
  \time 10/8

  a'4 g'16 [fb] e8. [d16] d [c d e] c [d c8] bfc |
  a16 [bfc a8] bfc c16 [d c8] d16 [e d8] e4 fb8 |
  d4 a'8 a16 [g fb e] fb8 [g] a8. [b16] a16 [g] |
  g4 g16 [fb] fb8. [e16] e [g fb e] e4 r8 |
}

[image of music]


トルコ音楽のための更なる知識

  • Turk Musikisi Nazariyati ve Usulleri: Kudum Velveleleri by Ismail Hakki Ozkan [(Kultur serisi, 41) (Turkish) Paperback – 1986]

    マカームと usul の理論に関する情報が含まれています。

  • Music of the Ottoman Court by Walter Feldman [VWB Hardback – 1996]

    オスマン帝国の宮廷音楽の歴史に関する情報が含まれています。

  • Turkish Music Makam Guide by Murat Aydemir [Pan Paperback – 2010]

    2 枚の CD を含むトルコのマカームに関する英語の情報が含まれています。


3 入出力全般

このセクションでは、特定の記譜法ではなく、LilyPond の一般的な入出力の問題について扱います。


3.1 入力の構造

LilyPond の入力の主となるフォーマットはテキスト ファイルです。習慣として、それらのファイルの最後には .ly を付けます。


3.1.1 スコアの構造

\score ブロックは、波括弧で囲まれた単一の音楽表記を含んでいなければなりません:

\score {
  …
}

Note: \score ブロックの中には、最上位の音楽表記が 1 つだけ 存在していなければならず、その音楽表記は波括弧で囲まれていなければなりません

この単一の音楽表記は任意のサイズになり得ます。そして、それは他の音楽表記を保持して任意の複雑さを持ち得ます。以下の例はすべて音楽表記です:

{ c'4 c' c' c' }
{
  { c'4 c' c' c' }
  { d'4 d' d' d' }
}

[image of music]

<<
  \new Staff { c'4 c' c' c' }
  \new Staff { d'4 d' d' d' }
>>

[image of music]

{
  \new GrandStaff <<
    \new StaffGroup <<
      \new Staff { \flute }
      \new Staff { \oboe }
    >>
    \new StaffGroup <<
      \new Staff { \violinI }
      \new Staff { \violinII }
    >>
  >>
}

この一般規則の例外の 1 つにコメントがあります。(他の例外は、ファイル構造 を参照してください。)単一行コメントと複数行コメント (%{ … %} で囲まれます) はどちらも入力ファイルの任意の場所に配置することができます。コメントは \score ブロックの内側あるいは外側に配置することができ、\score ブロックの中にある単一の音楽表記の内側あるいは外側に配置することができます。

たとえ \score ブロックだけを保持しているファイルであっても、暗黙的に \book ブロックで囲まれるということを覚えておいてください。ソース ファイルの中にある \book は少なくとも 1 つの出力ファイルを作り出し、デフォルトでは出力ファイル名は入力ファイル名から派生します。fandangoforelephants.lyfandangoforelephants.pdf を作り出します。

(\book ブロックについての詳細は、ブックの中にある複数のスコア1 つの入力ファイルから複数の出力ファイルを生成するファイル構造 を参照してください。)

参照

学習マニュアル: Working on input files, Music expressions explained, Score is a (single) compound musical expression


3.1.2 ブックの中にある複数のスコア

ドキュメントは複数の楽曲とテキストを含むことができます。そのようなドキュメントの例には練習曲集や、複数の楽章を持つオーケストラのパート譜があります。楽章はそれぞれ \score ブロックで入力され、

\score {
  …music…
}

テキストは \markup ブロックで入力されます。

\markup {
  …text…
}

同じ .ly ファイルの中にあるすべての楽章とテキストは、通常、単一の出力ファイルとして譜刻されます。

\score {
  
}
\markup {
  
}
\score {
  
}

重要な例外として lilypond-book ドキュメントがあります。lilypond-book ドキュメントでは、明示的に \book ブロックを追加する必要があります。さもなければ、最初の \score あるいは \markup だけが出力に表示されます。

音楽の各節のヘッダはその節の \score ブロックの中に置くことができます。そのヘッダからの piece 名がそれぞれの楽章の前に譜刻されます。ブック全体のタイトルは \book の中に置くことができます。しかしながら、\book が存在しない場合は、\header を入力ファイルの先頭に挿入します。

\header {
  title = "Eight miniatures"
  composer = "Igor Stravinsky"
}
\score {
  \header { piece = "Romanze" }
  …
}
\markup {
   …text of second verse…
}
\markup {
   …text of third verse…
}
\score {
  \header { piece = "Menuetto" }
  …
}

\bookpart ブロックを用いて、 複数の楽曲をブックのパートとしてグループ化することができます。

ブック パートは改ページで区切られ、ブック自体と同様に \header ブロックによりタイトルを持つことができます。

\bookpart {
  \header {
    title = "Book title"
    subtitle = "First part"
  }
  \score { … }
  …
}
\bookpart {
  \header {
    subtitle = "Second part"
  }
  \score { … }
  …
}

3.1.3 1 つの入力ファイルから複数の出力ファイルを生成する

1 つの .ly ファイルから複数の出力ファイルを得たいのであれば、.ly ファイルに複数の \book ブロックを記述します。各 \book ブロックが個々に出力ファイルになります。入力ファイルで \book ブロックを記述しなければ、LilyPond は暗黙的にファイル全体を単一の \book として扱います。ファイル構造 を参照してください。

単一のソース ファイルから複数のファイルを作り出す時、LilyPond は、\book ブロックが作り出す出力ファイルが同じ入力ファイル内にある他の \book ブロックが作り出した出力ファイルを上書きしないことを保証します。

入力ファイルから派生するデフォルトの出力ファイル名に \book 毎の接尾辞を付け加えることによって上書きされないことを保証します。

出力が上書きされないよう、デフォルトでは出力ファイル名にバージョン番号の接尾辞を付け加えます。ソース ファイル eightminiatures.ly 内の以下の記述

\book {
  \score { … }
  \paper { … }
}
\book {
  \score { … }
  \paper { … }
}
\book {
  \score { … }
  \paper { … }
}

は、下記の出力ファイルを作り出します。

  • eightminiatures.pdf,
  • eightminiatures-1.pdf and
  • eightminiatures-2.pdf.

3.1.4 出力ファイル名

LilyPond は、出力ファイルを作り出す時に出力ファイル名を制御するための様々な機能を提供します。

前のセクションでは、LilyPond がどのように単一のソース ファイルから作り出される複数の出力ファイルが上書きされることを防ぐかを見てきました。\book ブロック毎の出力ファイル名に付け加えられる接尾辞を指定することもできます。各 \book ブロックの内部に \bookOutputSuffix 宣言を記述することにより、例えば eightminiatures-Romanze.pdf, eightminiatures-Menuetto.pdf それに eightminiatures-Nocturne.pdf といった名前の出力ファイルを作り出すことができます。

\book {
  \bookOutputSuffix "Romanze"
  \score { … }
  \paper { … }
}
\book {
  \bookOutputSuffix "Menuetto"
  \score { … }
  \paper { … }
}
\book {
  \bookOutputSuffix "Nocturne"
  \score { … }
  \paper { … }
}

\bookOutputName 宣言を用いることにより、\book ブロックに入力ファイル名とは異なる出力ファイル名を指定することもできます。

\book {
  \bookOutputName "Romanze"
  \score { … }
  \paper { … }
}
\book {
  \bookOutputName "Menuetto"
  \score { … }
  \paper { … }
}
\book {
  \bookOutputName "Nocturne"
  \score { … }
  \paper { … }
}

上記のファイルは下記の出力ファイルを作り出します:

  • Romanze.pdf
  • Menuetto.pdf
  • Nocturne.pdf

3.1.5 ファイル構造

.ly ファイルは最上位の表記を任意の数だけ保持することができます – ここで、最上位の表記とは以下の中の 1 つです:

  • \paper, \midi, \layout などの出力定義。最上位にある出力定義はブック全体のデフォルト設定を変更します。最上位に同じタイプの出力定義が複数ある場合は組み合わされますが、衝突した場合は後ろの方にある出力定義が優先されます。出力定義が \layout ブロックにどのような影響を与えるかの詳細は \layout ブロック を参照してください。
  • #(set-default-paper-size "a7" 'landscape)#(ly:set-option 'point-and-click #f) などの Scheme 表記。
  • \header ブロック。これはグローバル (ファイル構造の最上位) ヘッダ ブロックになります。このブロックは、ファイル内にある全てのブックにおける、作曲者、曲名といったタイトル フィールドのデフォルト設定を持ちます (タイトルの説明を参照してください)。
  • \score ブロック。このスコアは他の最上位のスコアとともに単一の \book にまとめられます。この振る舞いは、変数 toplevel-score-handler を最上位の階層で設定することによって、変更することができます。(デフォルトのハンドラはファイル ../scm/lily-library.scm で定義され、../ly/declarations-init.ly でセットされています。)
  • \book ブロックは複数の楽章 (すなわち、複数の \score ブロック) を論理的に 1 つのドキュメントにまとめます。複数の \score が存在する場合、それぞれの \book ブロックに対して 1 つずつ出力ファイルが作成され、それぞれの出力ファイルの中では該当するすべての楽章が連結されます。.ly ファイルの中で明示的に \book ブロックを指定する必要があるケースはただ 1 つ、単一の入力ファイルから複数の出力ファイルを作成することを望む場合です。例外の 1 つに lilypond-book ドキュメントがあります – そこでは、同じ例の中に複数の \socre あるいは \markup を配置したければ、明示的に \book ブロックを追加する必要があります。この振る舞いは、変数 toplevel-score-handler を最上位の階層で設定することによって、変更することができます。デフォルトのハンドラは初期化ファイル ../scm/lily.scm で定義されています。
  • \bookpart ブロック。改ページを簡単にするため、あるいは異なるパートで別々の \paper 設定を使用するために、ブックは – \bookpart を用いて – いくつかのパートに分割される可能性があります。
  • 以下のような複合音楽表記:
    { c'4 d' e'2 }
    

    これは楽節を \score に付け加え、その楽節を他のすべての最上位 \score や音楽表記とともに単一のブックにフォーマットにします。言い換えると、上記の音楽表記だけを保持しているファイルは以下のように翻訳されます:

    \book {
      \score {
        \new Staff {
          \new Voice {
            { c'4 d' e'2 }
          }
        }
        \layout { }
      }
      \paper { }
      \header { }
    }
    

    この振る舞いは、変数 toplevel-score-handler を最上位の階層で設定することによって、変更することができます。デフォルトのハンドラは初期化ファイル ../scm/lily.scm で定義されています。

  • マークアップ テキスト。例として以下の歌詞を挙げます:
    \markup {
       2.  The first line verse two.
    }
    

    マークアップ テキストは、それが出現した場所で、スコアあるいは音楽表記の上、間、あるいは下に描かれます。

  • 以下のような変数:
    foo = { c4 d e d }
    

    これは後で使用することができます。使用するには、入力ファイルの中で \foo と入力します。変数の名前は、(ASCII) 数字、複数のアンダスコア、複数のダッシュまたはスペースを含めないようにすべきです。Unicode が提供する他のすべての文字、例えばラテン文字、ギリシャ文字、中国語、キリル文字はすべて許可されます。隣接しない 1 つのアンダスコアやダッシュも許可されます。言い換えると、HornIIIαβγXII のような変数名は機能します。

    ダブル クォーテーションに囲まれた変数名は、すべての文字の組み合わせが許可されます。この場合、バックスラッシュとダブル クォーテーションはバックスラッシュでエスケープする必要があります (これらは実際に使うべきではありません) 。例: "foo bar", "a-b-c", "Horn 3"

以下の例は最上位の階層で入力される可能性がある 3 つのものを示しています:

\layout {
  % Don't justify the output
  ragged-right = ##t
}

\header {
   title = "Do-re-mi"
}

{ c'4 d' e2 }

ファイルの任意の場所で、以下の編集指示のいずれかが入力される可能性があります:

  • \version
  • \include
  • \sourcefilename
  • \sourcefileline
  • % 記号で始まる単一行コメント。
  • %{ … %} で囲まれる複数行コメント。

通常、入力の要素間にある空白は無視され、可読性を良くするために自由に削除あるいは追加することができます。しかしながら、以下の状況ではエラーを避けるために空白を挿入する必要があります:

  • 波括弧の前後。
  • コマンドあるいは変数 – すなわち、\ 記号で始まる要素 – の後。
  • Scheme 表記として解釈される要素 – すなわち、# 記号で始まる要素 – の後。
  • Scheme 表記要素を区切る空白。
  • lyricmode 中にある \set\override コマンドの前後。

参照

学習マニュアル: How LilyPond input files work

記譜法リファレンス: タイトルの説明, \layout ブロック


3.2 タイトルとヘッダ

ほとんどすべての楽譜にはタイトルと作曲者名が含まれます。楽譜の中にはさらに多くの情報を含むものもあります。


3.2.1 タイトル、ヘッダ、フッタを作成する


タイトルの説明

1 つの入力ファイルにある各 \book ブロックは、別々の出力ファイルを作り出します。ファイル構造 を参照してください。出力ファイルごとに 3 種類のタイトル エリアが提供されています: 各ブックの最初にあるブック タイトル、各ブック パートの最初にあるブック パート タイトル、各スコアの最初にあるスコア タイトルです。

titlecomposer のようなタイトル フィールドの値は \header ブロックでセットします (\header ブロックの構文や、デフォルトで使用可能なフィールドの完全なリストは、ブック パートとスコアのタイトルのデフォルト レイアウト を参照してください)。ブック タイトル、ブック パート タイトル、スコア タイトルは同じフィールドを含むことができますが、デフォルトではスコア タイトルに使用されるのは pieceopus に限られています。

\header ブロックは、4 つの異なる場所に配置することができ、それぞれが階層構造を作り出します。

  • 入力ファイルの最初。つまり全ての \book, \bookpart, \score ブロックよりも前。
  • \book ブロックの中だが、そのブックにある全ての \bookpart\score ブロックよりも外側。
  • \bookpart ブロックの中だが、そのブック パートにある全ての \score よりも外側。
  • \score ブロックの中。

それぞれのフィールドの値は、この階層に沿って上書きされます。高い階層にある値は、下の階層においてオーバライドされない限り保たれます。 つまり:

  • ブック タイトルはまず、入力ファイルの最初にあるフィールドから設定され、\book ブロック内でフィールドが定義されていた場合にはそれで上書きされます。最終的な値は、ブックの一番始め、つまり最初のブック パートの前に、ページを割くような何らかのものがある場合に、そのブックのブック タイトルを表示するために使われます。\pageBreak が 1 つあればブック タイトルは表示されるようになります。
  • ブック パート タイトルはまず、入力ファイルの最初にあるフィールドから設定され、\book ブロック内でフィールドが定義されていた場合はそれで上書きされ、また \bookpart ブロック内で定義されていた場合には更に上書きされます。最終的な値は、そのブック パートのブック パート タイトルを表示するために使われます。
  • スコア タイトルはまず、入力ファイルの最初にあるフィールドから設定され、\book ブロック内でフィールドが定義されていた場合はそれで上書きされ、\bookpart ブロック内で定義されていた場合には更に上書きされ、最後に \score ブロックで定義されていた場合にも上書きされます。最終的な値は、そのスコアのスコア タイトルを表示するために使われます。しかしスコア タイトルは、\paper 変数の print-all-headers#t にセットされていない限り、pieceopus フィールドのみが表示されるということに注意してください。

\header ブロックを 4 つの場所全てに配置する必要はありません。どれかを、あるいは全てを省略することができます。同様に、単純な入力ファイルでは、\book\bookpart ブロックを省略することができ、その時にはコンパイル時に暗黙的に作成されます。

ブックにスコアが 1 つだけある場合、\header ブロックは通常、ファイルの先頭に配置するべきです。こうすることで、ブック パート タイトルのみが生成され、全てのタイトル フィールドが使用できます。

ブックにスコアが複数ある場合、\header ブロックの配置方法は出版のスタイルに応じていくつか考えられます。例えば、出版譜が同じ作曲家によるいくつかの楽曲を含む場合、まずファイルの先頭に \header ブロックを配置し、そこでブック タイトルと作曲家を指定して、次にそれぞれの \score ブロック内に \header ブロックを配置し、そこで pieceopus を指定するのが最適でしょう。以下に例を示します:

\header {
  title = "SUITE I."
  composer = "J. S. Bach."
}

\score {
  \header {
    piece = "Prélude."
  }
  \new Staff \relative {
    \clef bass
    \key g \major
    \repeat unfold 2 { g,16( d' b') a b d, b' d, } |
    \repeat unfold 2 { g,16( e' c') b c e, c' e, } |
  }
}

\score {
  \header {
    piece = "Allemande."
  }
  \new Staff \relative {
    \clef bass
    \key g \major
    \partial 16 b16 |
    <g, d' b'~>4 b'16 a( g fis) g( d e fis) g( a b c) |
    d16( b g fis) g( e d c) b(c d e) fis( g a b) |
  }
}

[image of music]

更に複雑な配置をすることもできます。例えば、ブック内の \header ブロックにあるテキスト フィールドは全てのスコア タイトルに表示させることができ、いくつかのフィールドを上書きしたり、手動で表示を抑制することもできます:

\book {
  \paper {
    print-all-headers = ##t
  }
  \header {
    title = "DAS WOHLTEMPERIRTE CLAVIER"
    subtitle = "TEIL I"
    % このブックではデフォルトで LilyPond が生成するフッタを表示しません
    tagline = ##f
  }
  \markup { \vspace #1 }
  \score {
    \header {
      title = "PRAELUDIUM I"
      opus = "BWV 846"
      % このスコアでは subtitle を表示しません
      subtitle = ##f
    }
    \new PianoStaff <<
      \new Staff { s1 }
      \new Staff { \clef "bass" s1 }
    >>
  }
  \score {
    \header {
      title = "FUGA I"
      subsubtitle = "A 4 VOCI"
      opus = "BWV 846"
      % このスコアでは subtitle を表示しません
      subtitle = ##f
    }
    \new PianoStaff <<
      \new Staff { s1 }
      \new Staff { \clef "bass" s1 }
    >>
  }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: ファイル構造, ブック パートとスコアのタイトルのデフォルト レイアウト, タイトルのカスタム レイアウト


ブック パートとスコアのタイトルのデフォルト レイアウト

以下の例は表示に反映される \header のすべての変数の使用例です:

\book {
  \header {
      % 以下のフィールドは中央揃えされます。
    dedication = "Dedication"
    title = "Title"
    subtitle = "Subtitle"
    subsubtitle = "Subsubtitle"
      % 以下のフィールドは 1 行に配置されます
      % フィールド "instrument" は 2 ページ以降にも表示されます
    instrument = \markup \with-color #green "Instrument"
    poet = "Poet"
    composer = "Composer"
      % 以下のフィールドは同一行の両端に配置されます
    meter = "Meter"
    arranger = "Arranger"
      % 以下のフィールドは最下段の中央に配置されます
      % tagline は最後のページの最下部に配置されます
      % copyright は最初のページの最下部に配置されます
    tagline = "The tagline goes at the bottom of the last page"
    copyright = "The copyright goes at the bottom of the first page"
  }
  \score {
    \header {
        % 以下のフィールドは同一行の両端に配置されます
      piece = "Piece 1"
      opus = "Opus 1"
    }
    { s1 }
  }
  \score {
    \header {
        % 以下のフィールドは同一行の両端に配置されます
      piece = "Piece 2 on the same page"
      opus = "Opus 2"
    }
    { s1 }
  }
  \pageBreak
  \score {
    \header {
        % 以下のフィールドは同一行の両端に配置されます
      piece = "Piece 3 on a new page"
      opus = "Opus 3"
    }
    { s1 }
  }
}

[image of music]

以下に注意してください:

  • 楽器名は各ページに繰り返し表示されます。
  • \paper 変数 print-all-headers##f がセットされている場合 (デフォルトの設定です)、\score には pieceopus だけが表示されます。
  • \header ブロックでセットされなかったテキスト フィールドには\null マークアップがセットされ、スペースを無駄にしません。
  • デフォルト設定では、scoreTitleMarkuppiece テキスト フィールドと opus テキスト フィールドを同一行の両端に配置します。

デフォルトのレイアウトを変更するには タイトルのカスタム レイアウト を参照してください。

\book ブロックが、すぐ後に \bookpart ブロックが来るような形で始まった場合、ブック タイトルを表示するためのページが存在しないため、 ブック タイトルは表示されません。ブック タイトルが必要ならば、\book ブロックをマークアップや \pageBreak コマンドで開始してください。

より上位の \header ブロックのタイトルを最初のページに配置して、\score ブロックで定義される楽譜を次のページから始めるするには、\score ブロックの中にある \header ブロック内でbreakbefore 変数を使用します。

\book {
  \header {
    title = "This is my Title"
    subtitle = "This is my Subtitle"
    copyright = "This is the bottom of the first page"
  }
  \score {
    \header {
      piece = "This is the Music"
      breakbefore = ##t
    }
    \repeat unfold 4 { e'' e'' e'' e'' }
  }
}

[image of music]

参照

学習マニュアル: How LilyPond input files work

記譜法リファレンス: タイトルのカスタム レイアウト, ファイル構造

インストールされているファイル: ly/titling-init.ly


ヘッダとフッタのデフォルト レイアウト

ヘッダフッタ は、ブックのテキストとは別の、ページの最初と最後に表示されるテキスト行です。ヘッダとフッタは以下の \paper 変数によって制御されます:

  • oddHeaderMarkup
  • evenHeaderMarkup
  • oddFooterMarkup
  • evenFooterMarkup

これらのマークアップ変数は、最上位の \header ブロック (これはブックのすべてのスコアに適用されます) から、テキスト フィールドのみにアクセスすることができ、ly/titling-init.ly で定義されています。デフォルトでは以下のようになっています:

  • ページ番号は、2 ページ目から、ページ最上段の左端 (偶数ページの場合) または右端 (奇数ページの場合) に自動的に配置されます。
  • instrument テキスト フィールドは、2 ページ目から、各ページの中央に配置されます。
  • copyright テキストは最初のページの最下段中央に配置されます。
  • tagline は最後のページの最下段中央に配置されます。1 ページしかない場合は copyright の下に配置されます。

最上位の \header ブロックの中に tagline を追加することで、デフォルトの LilyPond フッタ テキストを変更することができます。

\book {
  \header {
    tagline = "... music notation for Everyone"
  }
  \score {
    \relative {
      c'4 d e f
    }
  }
}

[image of music]

デフォルトの LilyPond フッタ テキストを削除するには、tagline##f をセットします。


3.2.2 カスタム タイトル、ヘッダ、フッタ


タイトルのカスタム テキスト フォーマット

標準の \markup コマンドを使って \header ブロックの中にあるヘッダ、フッタ、それにタイトル テキストをカスタマイズすることができます。

\score {
  \header {
    piece = \markup { \fontsize #4 \bold "PRAELUDIUM I" }
    opus = \markup { \italic "BWV 846" }
  }
  { s1 }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: テキストをフォーマットする


タイトルのカスタム レイアウト

\header ブロックの中に \markup コマンドを配置することにより、シンプルなテキストをフォーマットすることができます。しかしながら、タイトルの配置を精密に制御することはできません。テキスト フィールドの配置をカスタマイズするには、以下の \paper 変数のどちらか、あるいは両方を変更します:

  • bookTitleMarkup
  • scoreTitleMarkup

これらの \markup のデフォルト値を用いた場合のタイトルの配置は ブック パートとスコアのタイトルのデフォルト レイアウト の中にある例で示しています。

ly/titling-init.ly で定義されている scoreTitleMarkup のデフォルト設定は以下のとおりです:

scoreTitleMarkup = \markup { \column {
  \if \should-print-all-headers { \bookTitleMarkup \hspace #1 }
  \fill-line {
    \fromproperty #'header:piece
    \fromproperty #'header:opus
  }
}
}

これは、piece テキスト フィールドと opus テキスト フィールドを同一行の両端に配置します:

\score {
  \header {
    piece = "PRAELUDIUM I"
    opus = "BWV 846"
  }
  { s1 }
}

[image of music]

以下の例では、scoreTitleMarkup を再定義することにより、piece テキスト フィールドを中央に配置して、フォントを大きく、太字にしています。

\book {
  \paper {
    indent = 0\mm
    scoreTitleMarkup = \markup {
      \fill-line {
        \null
        \fontsize #4 \bold \fromproperty #'header:piece
        \fromproperty #'header:opus
      }
    }
  }
  \header { tagline = ##f }
  \score {
    \header {
      piece = "PRAELUDIUM I"
      opus = "BWV 846"
    }
    { s1 }
  }
}

[image of music]

print-all-headers\paper ブロックの中に配置することにより、メイン タイトル ブロックのテキスト フィールドを個々のスコア タイトル ブロックに表示させることができます。

paper ブロックに print-all-headers をセットすると、スコアの \header ブロックでは通常表示されないテキスト フィールドを、スコア タイトル領域に表示させることができます。この方法の欠点は、個々の \score ブロックで、ブック パート タイトル領域のみに表示させたいテキスト フィールドを手動で抑制する必要があることです。タイトルの説明 を参照してください。

この欠点を回避するには、個々の \score ブロックに表示させたいテキスト フィールドを scoreTitleMarkup 定義に追加します。以下の例では、composer テキスト フィールド (通常、これは bookTitleMarkup に関連付けされています) を scoreTitleMarkup に追加することにより、各スコアは異なる作曲者を表示しています:

\book {
  \paper {
    indent = 0\mm
    scoreTitleMarkup = \markup {
      \fill-line {
        \null
        \fontsize #4 \bold \fromproperty #'header:piece
        \fromproperty #'header:composer
      }
    }
  }
  \header { tagline = ##f }
  \score {
    \header {
      piece = "MENUET"
      composer = "Christian Petzold"
    }
    { s1 }
  }
  \score {
    \header {
      piece = "RONDEAU"
      composer = "François Couperin"
    }
    { s1 }
  }
}

[image of music]

あなた自身のカスタム テキスト フィールドを作成して、それをマークアップ定義で参照することもできます。

\book {
  \paper {
    indent = 0\mm
    scoreTitleMarkup = \markup {
      \fill-line {
        \null
        \override #`(direction . ,UP)
        \dir-column {
          \center-align \fontsize #-1 \bold
            \fromproperty #'header:mycustomtext %% User-defined field
          \center-align \fontsize #4 \bold
            \fromproperty #'header:piece
        }
        \fromproperty #'header:opus
      }
    }
  }
  \header { tagline = ##f }
  \score {
    \header {
      piece = "FUGA I"
      mycustomtext = "A 4 VOCI" %% User-defined field
      opus = "BWV 846"
    }
    { s1 }
  }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: タイトルの説明


ヘッダとフッタのカスタム レイアウト

\header ブロックの中に \markup コマンドを配置することにより、シンプルなテキストをフォーマットすることができます。しかしながら、ヘッダとフッタの配置を精密に制御することはできません。テキスト フィールドの配置をカスタマイズするために、以下の \paper 変数のいずれか、あるいはいくつかを使用します:

  • oddHeaderMarkup
  • evenHeaderMarkup
  • oddFooterMarkup
  • evenFooterMarkup

\markup コマンド \on-the-fly を用いて、\paper ブロック内部で定義されたヘッダ テキストとフッタ テキストに条件付でマークアップを追加することができます。以下の構文を用います:

variable = \markup {
  …
  \on-the-fly  \procedure  markup
  …
}

procedure は、それを保持している \markdup コマンドが評価される度に呼び出されます。procedure はある特定の条件をテストして、条件が真である場合にのみmarkup 引数を解釈します (つまり、表示します)。

様々な条件をテストするためのプロシージャがあらかじめ用意されています:

Procedure nameCondition tested
print-page-number-check-firstこのページ番号は表示されるか?
create-page-number-stencilprint-page-numbers は真か?
print-all-headersprint-all-headers は真か?
first-pageブックの最初のページか?
not-first-pageブックの最初ではないページか?
(on-page nmbr)ページ番号 = nmbr か?
last-pageブックの最後のページか?
part-first-pageブック パートの最初のページか?
not-part-first-pageブック パートの最初ではないページか?
part-last-pageブック パートの最後のページか?
not-single-pageブック パートのページ数 > 1 か?

以下の例では、ページ番号を各ページの最下段中央に配置しています。まず、oddHeaderMarkupevenHeaderMarkupnull を定義することにより、デフォルト設定を削除します。次に、oddFooterMarkup に中央に配置されたページ番号を再定義します。最後に、evenFooterMarkupoddFooterMarkup を定義することにより、同じレイアウトにします:

\book {
  \paper {
    print-page-number = ##t
    print-first-page-number = ##t
    oddHeaderMarkup = \markup \null
    evenHeaderMarkup = \markup \null
    oddFooterMarkup = \markup {
      \fill-line {
        \if \should-print-page-number
        \fromproperty #'page:page-number-string
      }
    }
    evenFooterMarkup = \oddFooterMarkup
  }
  \score {
    \new Staff { s1 \break s1 \break s1 }
  }
}

[image of music]

複数の \on-the-fly 条件を ‘and’ 演算子で組み合わせることができます。例えば、

  \if \on-first-page
  \if \on-last-page
  { \markup … \fromproperty #'header: … }

これは、出力が単一のページかどうかを判断します。

参照

記譜法リファレンス: タイトルの説明, ブック パートとスコアのタイトルのデフォルト レイアウト

インストールされているファイル: ../ly/titling-init.ly


3.2.3 出力ファイルのメタデータを作成する

\header 変数には、楽譜の見た目上の出力に表示されるデータだけではなく、出力ファイルのメタデータを作り出すためにも使われます。例えば、PDF ファイルでは、このメタデータが PDF ファイルの properties フィールドとして PDF リーダに表示されます。それぞれの出力ファイルの形式に応じて、別々のファイルを作り出すようなレベルより上位での \header ブロックのみが使用されます。すなわち、PDF ファイルにおいては、\book レベルやトップレベルの \header 定義のみが PDF ドキュメント全体のメタデータとして有効で、MIDI ファイルにおいては、上で挙げたレベルに加えて \score レベルの \header ブロックでも有効です。

例えば、\header ブロックの title プロパティを ‘Symphony I’ にセットすると、PDF ドキュメントのタイトルと、MIDI ファイルのシーケンス名に使われることになります。

\header {
  title = "Symphony I"
}

楽譜上のタイトルと、PDF のタイトル プロパティを別の値にしたい場合、下の例のように pdftitle を使用することができます:

\header {
  title = "Symphony I"
  pdftitle = "Symphony I by Beethoven"
}

変数 title, subject, keywords, subtitle, composer, arranger, poet, author, copyright は全て、PDF のプロパティに使われます。これらは、頭に ‘pdf’ を付け加えることで楽譜上の出力とは違う値をセットすることもできます。

PDF の Creator プロパティは自動的に、‘LilyPond’ と現在の LilyPond のバージョンが組み合わされてセットされます。CreationDateModDate はどちらも、現在の日時にセットされますが、ModDate\header 変数 moddate (あるいは pdfmoddate) を正しい PDF 日時文字列にセットすることでオーバライドすることができます。

title 変数は MIDI でのシーケンス名としてもセットされます。midititle 変数を使うことで、楽譜上の出力と独立してシーケンス名を指定することができます。


3.2.4 脚注を作成する

脚注はいくつかの異なる場面で使われます。どのような場合であっても、‘脚注マーク’が参照としてテキストや音楽のところに配置され、対応する‘脚注テキスト’が同じページの下部に、水平線によって音楽から区切られて配置されます。この区切りの外観は paper 変数 footnote-separator-markup をセットすることで変更することができます。 その他の \paper 変数 を参照してください。

音楽表記の中にある脚注と、音楽表記外の独立したテキストにある脚注では、作り方が異なります。


音楽表記の中にある脚注

音楽内の脚注の概要

音楽表記の中にある脚注は 2 つのカテゴリーに分けられます:

イベントに紐づく脚注

これは、単一の音符、アーティキュレーション (指番号、アクセント、強弱記号など)、音符の後に付加するイベント (スラーや手動の連桁など) といった特定のイベントに付加されます。イベントに紐づく脚注の一般的な形は以下のようなものです:

[direction] \footnote [mark] offset footnote music
時間に紐づく脚注

これは、音楽コンテキスト内の時間の一点に関連付けられます。\time\clef といったいくつかのコマンドは、拍子記号や音部記号を作り出すのにイベントを使いません。和音もそれ自体ではイベントを作りません: その和音の符幹や符尾が、 タイム ステップの最後に (名目上は中にある音符のどれかを通して) 作られます。和音の中のどの音符が符幹や符尾の生成元として見なされるのかは、正確に定義されていません。そのため、符幹や符尾に脚注を付加する場合にも、こちらのタイプを用いると良いでしょう。

時間に基づく脚注は、イベントを参照せずに、このようなレイアウト オブジェクトに注釈を入れることができます。この脚注の一般的な形は以下のようなものです:

\footnote [mark] offset footnote [Context].GrobName

2 つの形にあるそれぞれの要素は以下のような意味を持ちます:

direction

\footnote が音符の後に付加するイベントやアーティキュレンションに適用される場合に限り、方向指示子 (-, _, ^) を前に付けて、music が (脚注マークと共に) その前にある音符や休符に付加されるようにしなければなりません。

mark

これは参照ポイントとページの下の脚注自体の両方に使われる、脚注マークを指定するマークアップや文字列です。これは省略することができ (これは \default に置き換えるのと同じです)、その時は自動的に連番が振られます。この連番は脚注が含まれるページごとにリセットされます。

offset

これは ‘#(2 . 1)’ のような数のペアで、マークを配置する場所の X, Y オフセットを、オブジェクトの境界からの譜スペース単位で指定します。正の値の場合は右/上からのオフセットとして、負の値の場合は左/下からのオフセットとして解釈されます。0 は境界に中央揃えされることを意味します。

Context

これは脚注の付加されるグラフィカル オブジェクトが作られるコンテキストを指定します。グラフィカル オブジェクトが Voice のような下位のコンテキストに属している場合は省略することができます。

GrobName

これは (‘Flag’ のように) 脚注の付加されるグラフィカル オブジェクトを指定します。これが指定された場合、脚注はある特定の音楽表記に付加されることはなく、その音楽タイミングで生成される、指定したグラフィカル オブジェクト全てに付加されます。

footnote

ページの下で用いる脚注テキストを指定するマークアップや文字列です。

music

脚注が付加される、音楽イベントや音符の後に付加するイベント、アーティキュレーションです。

イベントに紐づく脚注

以下の構文で、music によるイベントから生成されるレイアウト オブジェクトに脚注を加えることができます:

\footnote [mark] offset footnote music
\book {
  \header { tagline = ##f }
  \relative c'' {
    \footnote #'(-1 . 3) "A note" a4
    a4
    \footnote #'(2 . 2) "A rest" r4
    a4
  }
}

[image of music]

和音全体にイベントに紐づく脚注を付け加えることはできません。和音は、例え 1 つの音符しか持っていなかったとしても、それ自身ではイベントを作り出さないからです。しかし、和音のにある個別の音符には脚注を付け加えることができます:

\book {
  \header { tagline = ##f }
  \relative c'' {
    \footnote #'(2 . 3) "Does not work" <a-3>2 % これは動作しません
    <\footnote #'(-2 . -3) "Does work" a-3>4 % これは動作します
    <a-3 \footnote #'(3 . 1/2) "Also works" c-5>4 % これも動作します
  }
}

[image of music]

脚注が音符の後に付加するイベントやアーティキュレンションに付加される場合、\footnote コマンドの前に必ず方向指示子 (-, _, ^) を付けて、後にイベントやアーティキュレーションを続けなければなりません。この形では、\footnote の部分が、最後の引数 music に脚注マークが付加されたもののコピーとして解釈することができます。構文は以下です:

direction \footnote [mark] offset footnote music
\book {
  \header { tagline = ##f }
  \relative {
    a'4_\footnote #'(0 . -1) "A slur forced down" (
    b8^\footnote #'(1 . 0.5) "A manual beam forced up" [
    b8 ]
    c4 )
    c-\footnote #'(1 . 1) "Tenuto" --
  }
}

[image of music]

時間に紐づく脚注

脚注が付加されるレイアウト オブジェクトがイベントから間接的に生成されるものである場合 (AccidentalStem など) には、そのレイアウト オブジェクトの GrobName が脚注テキストの後に、music の代わりに必要です:

\book {
  \header { tagline = ##f }
  \relative c'' {
    \footnote #'(-1 . -3) "A flat" Accidental
    aes4 c
    \footnote #'(-1 . 0.5) "Another flat" Accidental
    ees
    \footnote #'(1 . -2) "A stem" Stem
    aes
  }
}

[image of music]

しかし、GrobName が指定された場合、脚注が現在のタイム ステップにある全てのグラフィカル オブジェクトに付加されることに注意してください:

\book {
  \header { tagline = ##f }
  \relative c' {
    \footnote #'(-1 . 3) "A flat" Accidental
    <ees ges bes>4
    \footnote #'(2 . 0.5) "Articulation" Script
    c'->-.
  }
}

[image of music]

和音内の各音符にはそれぞれ (イベントに紐づく) 脚注を加えることができます。‘NoteHead’ のみが音符から直接生成されるグラフィカル オブジェクトです。そのため、イベントに紐づく脚注は、和音内の ‘NoteHead’ に脚注を加える時にのみ有効です。和音における他のグラフィカル オブジェクトは間接的に生成されるものです。\footnote コマンド自体は、グラフィカル オブジェクトの種類と、どの特定のイベントに付加するかを両方指定できるような構文がありません。しかし、グラフィカル オブジェクトの種類を指定するために時間に紐づく脚注を使用し、それを \single で前置することで次に来るイベントのみに適用させることができます。

\book {
  \header { tagline = ##f }
  \relative c'' {
    < \footnote #'(1 . -2) "An A" a
      \single \footnote #'(-1 . -1) "A sharp" Accidental
      cis
      \single \footnote #'(0.5 . 0.5) "A flat" Accidental
      ees fis
    >2
  }
}

[image of music]

Note: 脚注が上の例のように、同じ音楽タイミングにあるいくつかの要素に付加する場合、脚注の番号は入力ファイルでの順番ではなく、上に表示されるものから順番に割り振られます。

音部記号や転調を示す調号のようなレイアウト オブジェクトは、基本的には実際のイベントから作られるわけではなく、プロパティが変化した結果として生成されるものです。また、小節線や小節番号は、タイミングに基づいて生成されるものです。そのため、このようなオブジェクトに脚注を付ける場合には、それが生成される音楽的タイミングに紐付ける必要があります。時間に紐づく脚注は、和音にある符幹や連桁に脚注を付加する場合にも有効です。このようなオブジェクトは名目上、和音内のどれか 1 つのイベントに割り当てられて生成されます。特定の音符に脚注を紐付けることは軽率でしょう。

脚注を付ける対象となるレイアウト オブジェクトは、時間に紐づく脚注の場合には常に明示する必要があります。また、グラフィカル オブジェクトが下位 (訳注: Voice など) ではないコンテキストで生成される場合には、正しいコンテキストを指定する必要があります。

\book {
  \header { tagline = ##f }
  \relative c'' {
    r1 |
    \footnote #'(-0.5 . -1) "Meter change" Staff.TimeSignature
    \time 3/4
    \footnote #'(1 . -1) "Chord stem" Stem
    <c e g>4 q q
    \footnote #'(-0.5 . 1) "Bar line" Staff.BarLine
    q q
    \footnote #'(0.5 . -1) "Key change" Staff.KeySignature
    \key c \minor
    q
  }
}

[image of music]

数字の代わりに独自の脚注マークを使うことができ、マークされるオブジェクトと、脚注マークを繋げる線の表示を抑制することができます:

\book {
  \header { tagline = ##f }
  \relative c' {
    \footnote "*" #'(0.5 . -2) \markup { \italic "* The first note" } a'4
    b8
    \footnote \markup { \super "$" } #'(0.5 . 1)
      \markup { \super "$" \italic " The second note" } e
    c4
    \once \override Score.Footnote.annotation-line = ##f
    b-\footnote \markup \tiny "+" #'(0.1 . 0.1)
      \markup { \super "+" \italic " Editorial" } \p
  }
}

[image of music]

脚注マークのカスタマイズについての更なる例は、独立したテキストの中にある脚注 にあります。


独立したテキストの中にある脚注

これらは参照ポイントを指す線を表示しません。脚注マークは、脚注を付加されるマークアップの後に続いて表示されます。マークは自動で挿入することができ、その場合には連番が割り振られます。手動で、独自のマークを使うよう設定することもできます。

独立したテキストの中にある脚注を自動で作る方法と、独自のマークを使うために手動で作る方法は異なります。

独立したテキストに自動マークで脚注を付加する

独立したテキストに自動マークで脚注を付加するための構文は以下です:

\markup { … \footnote text footnote … }

要素は以下の通りです:

text

これは、脚注を付加するマークアップや文字列です。

footnote

ページの下で用いる脚注テキストを指定するマークアップや文字列です。

例を示します:

\book {
  \header { tagline = ##f }
  \markup {
    "A simple"
    \footnote "tune" \italic " By me"
    "is shown below.  It is a"
    \footnote "recent" \italic " Aug 2012"
    "composition."
  }
  \relative {
    a'4 b8 e c4 d
  }
}

[image of music]

独立したテキストに独自のマークで脚注を付加する

独立したテキストに独自のマークで脚注を付加するための構文は以下です:

\markup { … \footnote mark footnote … }

要素は以下の通りです:

mark

これは参照ポイントに使われる、脚注マークを指定するマークアップや文字列です。このマークは脚注自体の最初に自動で挿入されないことに注意してください。

footnote

ページの下で用いる脚注テキストを指定するマークアップや文字列です。通常、mark から始めます。

音楽表記の中にある脚注 にあるように、* や + などの簡単な文字をマークとして用いることができます。他に、ASCII エイリアスを用いることができます (ASCII エイリアス を参照してください)。

\book {
  \paper { #(include-special-characters) }
  \header { tagline = ##f }
  \markup {
    "A simple tune"
    \footnote "*" \italic "* By me"
    "is shown below.  It is a recent"
    \footnote \super &dagger; \concat {
      \super &dagger; \italic " Aug 2012"
    }
    "composition."
  }
  \relative {
    a'4 b8 e c4 d
  }
}

[image of music]

Unicode 文字をマークに使うこともできます (Unicode を参照してください)。

\book {
  \header { tagline = ##f }
  \markup {
    "A simple tune"
    \footnote \super \char##x00a7 \concat {
      \super \char##x00a7 \italic " By me"
    }
    "is shown below.  It is a recent"
    \footnote \super \char##x00b6 \concat {
      \super \char##x00b6 \italic " Aug 2012"
    }
    "composition."
  }
  \relative {
    a'4 b8 e c4 d
  }
}

[image of music]

参照

学習マニュアル: Objects and interfaces

記譜法リファレンス: ASCII エイリアス, バルーン ヘルプ, 特殊文字の一覧, テキスト マーク, テキスト スクリプト, Unicode

内部リファレンス: FootnoteEvent, Footnote, Footnote_engraver

既知の問題と警告

同じページにある複数の脚注は上下にしか配置できません。一方の脚注はもう一方の脚注の上に配置され、同じ行に配置することはできません。

MultiMeasureRests、自動連桁、歌詞に脚注を付けることはできません。

脚注は譜や \markup オブジェクト、他の脚注マークや線と衝突する可能性があります。


3.2.5 ページ番号の参照

\label コマンドを用いて、楽譜のある特定の場所 – 楽譜の最上位あるいは内部 – に印をつけることができます。このラベルをマークアップの中で参照することできます。ラベルを付けられた場所のページ番号を取得するには、\page-ref マークアップ コマンドを使います。

\header { tagline = ##f }
\book {
  \label #'firstScore
  \score {
    {
      c'1
      \pageBreak \mark A \label #'markA
      c'1
    }
  }
  \markup { The first score begins on page \page-ref #'firstScore "0" "?" }
  \markup { Mark A is on page \page-ref #'markA "0" "?" }
}

[image of music]

\page-ref マークアップ コマンドは 3 つの引数をとります:

  1. ラベル。これは Scheme シンボルです – 例: #'firstScore
  2. マークアップ。これはマークアップの大きさを推定するためのゲージです。
  3. マークアップ。これは、ラベルが不明な場合にページ番号として用いられます。

ゲージが必要な理由は、マークアップが解釈されているときに改ページはまだ行われておらず、ページ番号はまだわからないからです。この問題を回避するために、実際のマークアップ解釈はもっと後に延期されます。しかしながら、マークアップの大きさは事前に判明している必要があるため、ゲージを使ってマークアップの大きさを決定します。ブックのページ数が 10 から 99 までの範囲であるのなら、ゲージを "00" – つまり、2 桁の数 – にします。

定義済みコマンド

\label, \page-ref


3.2.6 目次

目次は \markuplist \table-of-contents コマンドを用いて挿入します。目次に表示すべき要素は \tocItem コマンドで挿入されます – このコマンドは最上位あるいは音楽表記の内部で使用します。

\markuplist \table-of-contents
\pageBreak

\tocItem \markup "First score"
\score {
  {
    c'4  % ...
    \tocItem \markup "Some particular point in the first score"
    d'4  % ...
  }
}

\tocItem \markup "Second score"
\score {
  {
    e'4 % ...
  }
}

目次を構成するために使用するマークアップは \paper ブロックの中で定義します。‘予め定義された’マークアップが 2 種類あります:

  • tocTitleMarkup

    目次のタイトルをフォーマットするために使います。

    tocTitleMarkup = \markup \huge \column {
      \fill-line { \null "Table of Contents" \null }
      \null
    }
    
  • tocItemMarkup

    目次の中にある要素をフォーマットするために使います。

    tocItemMarkup = \markup \fill-line {
      \fromproperty #'toc:text \fromproperty #'toc:page
    }
    

これらの 2 つの変数は変更することができます。

これは目次のタイトルをフランス語に変更する例です:

\paper {
  tocTitleMarkup = \markup \huge \column {
    \fill-line { \null "Table des matières" \null }
    \hspace #1
  }

これは目次の各要素のフォント サイズを変更する例です:

tocItemMarkup = \markup \large \fill-line {
  \fromproperty #'toc:text \fromproperty #'toc:page
}

tocItemMarkup 定義の中で要素のテキストとページ番号を参照する方法に注目してください。

目次のアイテムと、対応するページ番号との間の部分をドットで埋めるために、tocItemMarkup の中に \tocItemWithDotsMarkup コマンドを挿入することができます:

\header { tagline = ##f }
\paper {
  tocItemMarkup = \tocItemWithDotsMarkup
}

\book {
  \markuplist \table-of-contents
  \tocItem \markup { Allegro }
  \tocItem \markup { Largo }
  \markup \null
}

[image of music]

更に複雑な目次を作るために、独自のマークアップを用いたカスタム コマンドを定義することもできます。次の例では、オペラの目次において幕の名前を入力する新たなスタイルを定義しています:

新たなマークアップ変数 (tocActMarkup) は \paper ブロックに定義します:

\paper {
  tocActMarkup = \markup \large \column {
    \hspace #1
    \fill-line { \null \italic \fromproperty #'toc:text \null }
    \hspace #1
  }
}

音楽関数 (tocAct) を定義します – ここで、新たなマークアップ定義であるtocActMarkup を使います:

tocAct =
  #(define-music-function (text) (markup?)
     (add-toc-item! 'tocActMarkup text))

このカスタム定義を使う LilyPond 入力ファイルはこのようになります:

[image of music]

目次内で使う \fill-with-pattern コマンドの例です:

\paper {
  tocItemMarkup = \markup { \fill-line {
    \override #'(line-width . 70)
    \fill-with-pattern #1.5 #CENTER . \fromproperty #'toc:text \fromproperty #'toc:page
    }
  }
}

参照

インストールされているファイル: ly/toc-init.ly

定義済みコマンド

\table-of-contents, \tocItem


3.3 入力ファイルに取り組む


3.3.1 LilyPond ファイルをインクルードする

大きなプロジェクトは別々のファイルに分割することができます。他のファイルを参照するには、以下のようにします:

\include "otherfile.ly"

\include "otherfile.ly" という行は、otherfile.ly の内容をカレント ファイルの \include がある場所に貼り付けるのと等価です。例えば、大きなプロジェクトでは、個々の楽器パートを別々のファイルで記述し、個々の楽器ファイルをまとめる “総譜” ファイルを作成することができます。通常、インクルードされるファイルはいくつかの変数を定義し、それらの変数は総譜ファイルの中で使用されます。インクルードされるファイルの中でタグ付きセクションにマークを付けて、それを楽譜の他の場所で使うことができます – 1 つのソースから異なる版を生成する を参照してください。

カレントのワーキング ディレクトリの中にあるファイルは \include コマンドに後にファイル名を指定するだけで参照することができます。他の場所にあるファイルはフル パス参照か相対パス参照 (ディレクトリ区切りとして、UNIX ではスラッシュ / を使用しますが、DOS/Windows ではバックスラッシュ \ を使用します) によって参照することができます。例えば、stuff.ly がカレントのワーキング ディレクトリよりも 1 つ上のディレクトリの中にある場合、以下のようにインクルードします:

\include "../stuff.ly"

あるいは、インクルードされるオーケストラのすべてのパート ファイルが、カレント ディレクトリ内部の parts というサブディレクトリの中に配置されている場合、以下のようにインクルードします:

\include "parts/VI.ly"
\include "parts/VII.ly"
… etc

インクルードされるファイルも \include 文を持つことができます。それら第 2 レベルの \include 文はそのファイルがメイン ファイルに組み込まれるまで解釈されません。そのため、第 2 レベルの \include 文で指定するファイル名はすべてメイン ファイルを保持しているディレクトリからの相対参照で指定しなければなりません – インクルード ファイルを保持しているディレクトリからではありません。しかしながら、この振る舞いは、オプション -drelative-includes をコマンド ラインで渡すことによって (あるいは、メイン入力ファイルの先頭に #(ly:set-option 'relative-includes #t) を付け加えることによって) グローバルに変更することができます。

relative-includes をセットした時、各 \include コマンドのパスはそのコマンドを保持しているファイルからの相対参照になります。この振る舞いを使用することが推奨されていて、lilypond の将来のバージョンではこの振る舞いがデフォルトになります。

relative-includes をファイル内の正しい位置で #t あるいは #f にセットすることで、メイン ディレクトリからの相対位置にあるファイルや、その他のディレクトリからの相対位置にあるファイルを同時に \include することができます。例えば、様々なファイルから使われるようなライブラリ libA のエントリ ポイントが、サブ ファイルを \include している場合、これらの \include 文の前に #(ly:set-option #relative-includes #t) を配置し、メインの .ly ファイルに読み込まれる時に、パスが正しく解釈されるようにします。このようになります:

libA/
  libA.ly
  A1.ly
  A2.ly
  …

エントリ ポイントとなるファイル libA.ly には以下の内容を含んでいます:

#(ly:set-option 'relative-includes #t)
\include "A1.ly"
\include "A2.ly"
…
% 通常の設定に戻します
#(ly:set-option 'relative-includes #f)

あとは以下の構文で、好きな .ly ファイルからライブラリ全体を読み込むことができます:

\include "~/libA/libA.ly"

さらに複雑なファイル構造も、設定を適切な場所で変更することによって扱うことができます。

コマンド ラインから LilyPond を呼び出すときにオプションとして指定したサーチ パスに含まれるディレクトリからファイルをインクルードすることもできます。サーチ パスを指定した場合、インクルードされるファイルはファイル名だけで指定されます。例えば、サーチ パスで指定する parts というサブディレクトリの中にあるファイルをインクルードする main.ly をコンパイルするには、main.ly を保持しているディレクトリに cd して、以下を入力します:

lilypond --include=parts main.ly

main.ly の中には以下を記述しておきます:

\include "VI.ly"
\include "VII.ly"
… etc

いくつもの楽譜でインクルードされるファイルは LilyPond ディレクトリ ../ly の中に置くことになるかもしれません (このディレクトリが存在する場所はインストールの仕方に依存します – Other sources of information を参照してください)。このディレクトリの中にあるファイルは、\include 文でファイル名を指定するだけでインクルードすることができます。この方法で english.ly のような言語依存のファイルをインクルードしています。

LilyPond は、実行開始時に、デフォルトでいくつかのファイルをインクルードします。このインクルードはユーザには明らかにされませんが、コマンド ラインから lilypond --verbose を実行することによってインクルードされるファイルを明らかにすることができます。--verbose オプションは、他の多くの情報とともに、LilyPond が使用するパスとファイルのリストを表示します。また、デフォルトでインクルードされるファイルのうち、より重要なファイルについて Other sources of information で議論されています。これらのファイルを編集することができますが、これらのファイルに加えられた変更は新しいバージョンの LilyPond をインストールすると失われます。

\include を使用している簡単な例がいくつか Scores and parts で示されています。

参照

学習マニュアル: Other sources of information, Scores and parts

既知の問題と警告

インクルードされるファイルに LilyPond のインストール ファイルと同じ名前が与えられている場合、LilyPond のインストール ファイルが優先されます。


3.3.2 1 つのソースから異なる版を生成する

同じ音楽ソースから異なるバージョンの楽譜を容易に生成できるようにするために、いくつかの方法が用意されています。長い音楽や注記のセクションをさまざまなやり方で組み合わせる場合には、おそらく変数が最も役に立つでしょう。差し替え用の短い音楽セクションの中から 1 つを選択する場合にはタグが役に立ち、楽曲の一部をいろいろな箇所で組み合わせることもできます。

どのような方法をとるにしても、楽譜構造から音楽表記を分離しておくと、音楽表記に手を触れずに楽譜構造を変更することが簡単に行えます。


変数を使用する

音楽のセクションが変数の中で定義されている場合、そのセクションを楽譜の異なる部分で再利用することができます – Organizing pieces with variables を参照してください。例えば、アカペラ のボーカル譜はリハーサル目的ですべてのパートをまとめたピアノ譜を持つことがよくあります。これは声楽全般で言えることです。その場合、音楽を入力する必要があるのは 1 回だけです。2 つの変数からの音楽を 1 つの譜に組み込むことができます – 自動パート結合 を参照してください。ここに例を挙げます:

sopranoMusic = \relative { a'4 b c b8( a) }
altoMusic = \relative { e'4 e e f }
tenorMusic = \relative { c'4 b e d8( c) }
bassMusic = \relative { a4 gis a d, }
allLyrics = \lyricmode { King of glo -- ry }
<<
  \new Staff = "Soprano" \sopranoMusic
  \new Lyrics \allLyrics
  \new Staff = "Alto" \altoMusic
  \new Lyrics \allLyrics
  \new Staff = "Tenor" {
    \clef "treble_8"
    \tenorMusic
  }
  \new Lyrics \allLyrics
  \new Staff = "Bass" {
    \clef "bass"
    \bassMusic
  }
  \new Lyrics \allLyrics
  \new PianoStaff <<
    \new Staff = "RH" {
      \partCombine \sopranoMusic \altoMusic
    }
    \new Staff = "LH" {
      \clef "bass"
      \partCombine \tenorMusic \bassMusic
    }
  >>
>>

[image of music]

音楽表記には変更を加えずに、楽譜構造の文を変えるだけで、ボーカル パートだけあるいはピアノ パートだけの楽譜を作り出すことができます。

長い楽譜では、変数定義をそれぞれ別々のファイルの中に置いて、それらのファイルをインクルードすることになるかもしれません – LilyPond ファイルをインクルードする を参照してください。


タグを使用する

\tag #'partA コマンドは音楽表記に partA という名前を付けます。この方法でタグを付けられた表記は、後で \keepWithTag #'name\removeWithTag #'name のどちらかを用いて、名前によって選択あるいは排除することができます。タグの付いた音楽にそのようなフィルタを適用した結果は以下のようになります:

フィルタ結果
\keepWithTag #'name あるいは \keepWithTag #'(name1 name2…) が前に付くタグ付きの音楽タグの付いていない音楽と、与えられたタグ名のいずれかに当てはまる音楽がインクルードされます。他のタグ名を持つタグ付き音楽は排除されます。
\removeWithTag #'name あるいは \removeWithTag #'(name1 name2…) が前に付くタグ付きの音楽タグの付いていない音楽と、与えられたタグ名のどれにも当てはまらない音楽がインクルードされます。与えられたタグ名のいずれかに当てはまる音楽は排除されます。
\keepWithTag\removeWithTag のどちらも前に付かないタグ付きの音楽タグの付いた音楽とタグの付いていない音楽すべてがインクルードされます。

\tag\keepWithTag それに \removeWithTag コマンドの引数はシンボルやシンボルのリスト (例えば #'score or #'(violinI violinII) と、音楽表記の順であるべきです。シンボルが LilyPond において正しい識別子 (アルファベットのみから成り、数字、アンダースコア、ダッシュは含まない) であり、音符名と混同しない場合である限り#' を省略することができ、シンボルのリストはドットで区切る記法を用いることができます。例えば、\tag #'(violinI violinII)\tag violinI.violinII と書くことができます。\keepWithTag\removeWithTag でも同様です。タグコマンドは音楽関数なので、\book または \score ブロックのような、音楽表記ではないオブジェクトをフィルターするのに使うことはできません。

以下の例では、楽曲を 2 つのバージョンで示しています。1 つはトリルを通常の記譜法で示していて、もう 1 つはトリルを明示的に展開しています:

music = \relative {
  g'8. c32 d
  \tag #'trills { d8.\trill }
  \tag #'expand {\repeat unfold 3 { e32 d } }
  c32 d
 }

\score {
  \keepWithTag #'trills \music
}
\score {
  \keepWithTag #'expand \music
}

[image of music]

\keepWithTag を使う代わりに、音楽セクションを排除する方が楽な場合もあります:

music = \relative {
  g'8. c32 d
  \tag #'trills {d8.\trill }
  \tag #'expand {\repeat unfold 3 {e32 d} }
  c32 d
 }

\score {
  \removeWithTag #'expand
  \music
}
\score {
  \removeWithTag #'trills
  \music
}

[image of music]

タグ フィルタリングはアーティキュレーション、テキストなどにも適用することができます。フィルタリングを行うにはアーティキュレーションの前に

-\tag #'your-tag

を置きます。例えば、以下は条件付の運指指示を持つ音符と条件付注記を持つ音符を定義しています:

c1-\tag #'finger ^4
c1-\tag #'warn ^"Watch!"

複数の \tag エントリで、または複数のタグを一つのシンボルのリストにすることで、表記に複数のタグを付けることもできます:

music = \relative c'' {
  \tag #'a \tag #'both { a4 a a a }
  \tag #'(b both) { b4 b b b }
}
<<
\keepWithTag #'a \music
\keepWithTag #'b \music
\keepWithTag #'both \music
>>

[image of music]

単一の音楽表記に複数の \removeWithTag フィルタを適用することによって、いくつかの異なる名前のタグが付いたセクションを排除することができます。または、\removeWithTag にタグのリストを与える表記を用いることもできます:

music = \relative c'' {
  \tag #'A { a4 a a a }
  \tag #'B { b4 b b b }
  \tag #'C { c4 c c c }
  \tag #'D { d4 d d d }
}
\new Voice {
  \removeWithTag #'B
  \removeWithTag #'C
  \music
  \removeWithTag #'(B C)
  \music
}

[image of music]

単一の音楽表記に 2 つ以上の \keepWithTag フィルタを適用すると、タグ付きセクションが すべて 排除されてしまいます。なぜなら、最初のフィルタがそのタグ以外を持つセクションを排除し、2 番目のフィルタが更にそのセクションを排除するからです。\keepWithTag コマンドを、複数のタグのリストを引数に与えて使うことで、そのリストに無いタグを持つセクションのみを削除することができます。

music = \relative c'' {
  \tag #'violinI { a4 a a a }
  \tag #'violinII { b4 b b b }
  \tag #'viola { c4 c c c }
  \tag #'cello { d4 d d d }
}

\new Staff {
  \keepWithTag #'(violinI violinII)
  \music
}

[image of music]

上の例では、violinIviolinII\tag を表示しますが、violacello は表示しません。

While \keepWithTag is convenient when dealing with one set of alternatives, the removal of music tagged with unrelated tags is problematic when using them for more than one purpose. \keepWithTag は、1 つだけの入れ替えのセットを扱う場合には便利ですが、関係のないタグが付けられた音楽を削除してしまうことは、タグを複数の目的で使用したい場合に問題となります。そのような場合では、タグの‘グループ’を宣言することができます。

\tagGroup #'(violinI violinII viola cello)

こうすることで、4 つの異なるタグが一つの‘タグ グループ’になります。それぞれのタグは、複数の‘タグ グループ’のメンバとなることはできません。

\keepWithTag #'violinI …

これで、violinI のタグ グループに含まれるタグから、該当するタグのみが表示され、その他のタグは削除されます。(訳注: 指定されたタグ グループに含まれないタグは表示されたままになります。)

music = \relative {
  \tagGroup #'(violinI violinII viola cello)
  \tag #'violinI { c''4^"violinI" c c c }
  \tag #'violinII { a2 a }
  \tag #'viola { e8 e e2. }
  \tag #'cello { d'2 d4 d }
  R1^"untagged"
}

\new Voice {
  \keepWithTag #'violinI
  \music
}

[image of music]

既存の音楽表記のある特定の場所にいくつか音を組み込みたいことがあります。\pushToTag\appendToTag を使って、既存の音楽構造の elements の前または後に素材を追加することができます。すべての音楽構造が elements を持つわけではありませんが、連続するか同時進行する音楽構造はまず間違いなく elements を持ちます:

music = { \tag #'here { \tag #'here <<c''>> } }

{
  \pushToTag #'here c'
  \pushToTag #'here e'
  \pushToTag #'here g' \music
  \appendToTag #'here c'
  \appendToTag #'here e'
  \appendToTag #'here g' \music
}

[image of music]

どちらのコマンドもタグ、組み込む素材、それにタグ付けされた音楽表記を 取り、タグが出現するたびに素材を組み込みます。

参照

学習マニュアル: Organizing pieces with variables

記譜法リファレンス: 自動パート結合, LilyPond ファイルをインクルードする

既知の問題と警告

\keepWithTag\removeWithTag でフィルタリングされた音楽表記に \relative を用いると、オクターブ関係が変化してしまいます。これは、フィルタリングされた音符のみが \relative で解釈されるためです。\keepWithTag\removeWithTag よりも先にまず \relative を適用することで、全ての音符が解釈されるようになるため、危険を回避することができます。


グローバル設定を使用する

別のファイルからグローバル設定をインクルードすることができます:

lilypond -dinclude-settings=MY_SETTINGS.ly MY_SCORE.ly

ページ サイズ、フォント、書体などのような設定のグループを別々のファイルに保存することができます。こうすることにより、適当な設定ファイルを指定するだけで、同じ楽譜から異なる版を作り出すことができます。

このテクニックはスタイル シートでも使えます。Style sheets を参照してください。

参照

学習マニュアル: Organizing pieces with variables, Style sheets

記譜法リファレンス: LilyPond ファイルをインクルードする


3.3.3 特殊文字


テキスト エンコーディング

LilyPond は Unicode 協会と ISO/IEC 10646 によって定義された文字レパートリを使用します。この文字レパートリは、ほとんどすべての現代言語と他の多くの言語で使用される文字セットに対して、固有の名前とコード位置を定義しています。Unicode はいくつかの異なるエンコーディングを用いて実装することができます。LilyPond は UTF-8 エンコーディング (UTF は Unicode Transformation Format を意味します) を使用します – UTF-8 はすべての共通ラテン文字を 1 バイトで表し、他の文字を可変バイト長形式 (最大 4 ビット) で表します。

文字の実際の見た目は利用可能なある特定のフォントの中にあるグリフ (図柄) によって決定されます – フォントはグリフを指す Unicode コードのサブセット (部分集合) の写像を定義しています。LilyPond は多言語テキストを、Pango ライブラリを用いて、レイアウトして描画します。

LilyPond は入力のエンコーディング変換をまったく行いません。これは非 ASCII 文字を含むすべてのテキスト – タイトル、歌詞テキストあるいは演奏指示 – を UTF-8 でエンコードして入力する必要があるということを意味します。そのようなテキストを入力する最も容易な方法は Unicode を認識するエディタを用いて、ファイルを UTF-8 で保存することです。人気のある現代的なエディタのほとんどが UTF-8 をサポートします – 例えば、vim, Emacs, jEdit, Gedit です。NT より後の MS Windows システムはすべてネイティブ キャラクタ エンコーディングとして Unicode を使用します。そのため、Notepad でさえ UTF-8 フォーマットのファイルを編集して保存することができます。Windows 用のもっと機能的なエディタに BabelPad があります。

非 ASCII 文字を保持している LilyPond 入力ファイルが UTF-8 フォーマットで保存されていない場合、エラー メッセージ

FT_Get_Glyph_Name () error: invalid argument

が表示されます。

ここでキリル文字、ヘブライ文字、ポルトガル語のテキストを表示する例を挙げます:

[image of music]


Unicode

単一の文字 – その文字に対する Unicode コード ポイントを知っているが、使用しているエディタではその文字を使用できない – を入力するには、\markup ブロック内部で \char ##xhhhh あるいは \char ##dddd を使用します – ここで hhhh はその文字に対する 16 進コードであり、dddd はそれに対応する 10 進数値です。先頭の 0 は省略可能ですが、16 進表記では 4 文字で指定する方法が一般的です。(\char の後に UTF-8 エンコーディングのコード ポイントを使うべきではありません。なぜなら、UTF-8 エンコーディングはバイト数を表すための余分なビットを保持しているからです。) 任意の文字に対する 16 進のコード ポイントを調べるための、Unicode コード表と文字名インデックスは Unicode コンソーシアム Web サイト https://www.unicode.org/ にあります。

例えば、\char ##x03BE\char #958 はどちらも Unicode U+03BE の文字を入力します – この文字は Unicode 名 “Greek Small Letter Xi” (ギリシャ小文字クシー) です。

この方法で任意の Unicode コード ポイントを入力することができます。すべての特殊文字がこの方法で入力されている場合、入力ファイルを UTF-8 フォーマットで保存する必要はありません。もちろん、入力された文字を保持しているフォントがすべてインストールされていて、LilyPond で利用可能になっている必要があります。

以下の例は UTF-8 コード化された文字を 4 箇所 – リハーサル記号の中、アーティキュレーション テキストとして、歌詞の中、楽譜の下にある独立したテキストの中 – で使用しています:

\score {
  \relative {
    c''1 \mark \markup { \char ##x03A8 }
    c1_\markup { \tiny { \char ##x03B1 " to " \char ##x03C9 } }
  }
  \addlyrics { O \markup { \concat { Ph \char ##x0153 be! } } }
}
\markup { "Copyright 2008--2023" \char ##x00A9 }

[image of music]

著作権についての注意書きの中で著作権記号を入力するには、以下のようにします:

\header {
  copyright = \markup { \char ##x00A9 "2008" }
}

ASCII エイリアス

特殊文字の ASCII エイリアスのリストを含めることができます:

\paper {
  #(include-special-characters)
}

\markup "&flqq; &ndash; &OE;uvre incomplète&hellip; &frqq;"

\score {
  \new Staff { \repeat unfold 9 a'4 }
  \addlyrics {
    This is al -- so wor -- kin'~in ly -- rics: &ndash;_&OE;&hellip;
  }
}

\markup \column {
  "特殊文字への置換を無効にすることができます:"
  "&ndash; &OE; &hellip;"
  \override #'(replacement-alist . ()) "&ndash; &OE; &hellip;"
}

[image of music]

また、エイリアスを作ることもできます。グローバルに作るか:

\paper {
  #(add-text-replacements!
    '(("100" . "hundred")
      ("dpi" . "dots per inch")))
}
\markup "A 100 dpi."

[image of music]

ローカルで作ります:

\markup \replace #'(("100" . "hundred")
                    ("dpi" . "dots per inch")) "A 100 dpi."

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 特殊文字の一覧

インストールされているファイル: ly/text-replacements.ly


3.4 出力を制御する


3.4.1 音楽の断片を抽出する

1 つあるいは複数の楽譜の断片を出力することができます。そのためには、\layout ブロックに抽出する部分を clip-regions 関数で明示します。そして、LilyPond を -dclip-systems オプション付きで実行します。

\layout {
  clip-regions
  = #(list
      (cons
       (make-rhythmic-location 5 1 2)
       (make-rhythmic-location 7 3 4)))
}

この例では、5 小節目の 2 分音符 1 つ分後 (5 1 2) から、7小節目の 4 分音符 3 つ分後 (7 3 4) までの部分を抽出します。

\layout ブロックの clip-regions リストに make-rhythmic-location のペアを追加することで、断片を追加することができます。

デフォルトでは、それぞれの断片は別々の EPS ファイルに出力されますが、必要であれば PDFPNG などの別のフォーマットで出力することもできます。抽出された音楽は、元の楽譜を文字通り‘切り抜いた’かのように出力されるため、断片が複数行にまたがる場合には、行ごとに出力ファイルが分割されます。

参照

記譜法リファレンス: \layout ブロック

アプリケーション使用方法: Command-line usage


3.4.2 校正済みの音楽をスキップする

音楽を入力あるいはコピーしているとき、閲覧、校正する必要があるのは、たいてい終わり近くの音楽 (そこに音符を追加している場所) だけです。校正プロセスを速めるために、最後の数小節以外の譜刻をスキップすることができます。これはソース ファイルの中に以下を置くことによって実現できます:

showLastLength = R1*5
\score { … }

これは入力ファイルの中にあるそれぞれの \score の最後の 5 小節だけを描画します (4/4 拍子と仮定して)。長い楽曲の場合、小さな部分だけを描画するのにかかる時間は楽曲をすべて描画するのにかかる時間よりも非常に短くなります。すでに譜刻済みの楽譜の開始部分に取り掛かる (例えば、新しいパートを追加する) ときには、showFirstLength プロパティも役に立つかもしれません。

楽譜の中のいくつかのパートをスキップは、プロパティ Score.skipTypesetting を用いたより細かなやり方で制御することができます。このプロパティがセットされていると、譜刻はまったく行われません。

このプロパティは MIDI ファイルへの出力を制御するためにも用いられます。このプロパティはすべてのイベント – テンポの変更や楽器の変更を含む – をスキップするということに注意してください。くれぐれも注意してください。

\relative c' {
  c1
  \set Score.skipTypesetting = ##t
  \tempo 4 = 80
  c4 c c c
  \set Score.skipTypesetting = ##f
  d4 d d d
}

[image of music]

多声の音楽では、Score.skipTypesetting はすべてのボイスと譜に影響を与えて、より多くの時間を節約します。


3.4.3 他の出力フォーマット

譜刻される楽譜のデフォルト出力フォーマットは、Portable Document Format (PDF), PostScript (PS) です。コマンド ライン オプションを指定することにより、Portable Network Graphics (PNG), Scalable Vector Graphics (SVG), Encapsulated PostScript (EPS) フォーマットによる出力が利用可能です。Basic command-line options for LilyPond を参照してください。


SVG 出力

SVG 出力では、符頭や休符などのグラフィカル オブジェクト (Grob) に対してメタデータを付加させることができます。このメタデータは idclass のような SVG 標準の属性でも良いですし、非標準のカスタム属性を追加することもできます。Grob の output-attributes を、属性名と値を含む Scheme の連想配列 (alist) でオーバライドしてください。値は数値、文字列、シンボルです。例:

{
  \once \override NoteHead.output-attributes =
  #'((id . 123)
     (class . "this that")
     (data-whatever . something))
  c
}

この入力は SVG ファイルに次の <g> (グループ) タグを作り出します:

<g id="123" class="this that" data-whatever="something">
  ...NoteHead grob SVG elements...
</g>

<g> タグは、与えられた Grob に対する全ての SVG エレメントを中に含みます。(Grob によっては複数のエレメントを含むことがあります。)SVG のシンタックスでは、非標準のカスタム メタデータ属性に対して data- 接頭辞を使用します。


3.4.4 記譜フォントを置換する

Gonville は、LilyPond で使われるグリフ セットで、Feta – Emmentaler フォントの一部 – の代わりとなります。Gonville は以下からダウンロードできます:

Gonville のサンプル小節です:

Gonville_after

LilyPond の Feta グリフのサンプル小節です:

Gonville_before

インストール手順

フォント ファイルをダウンロードし、展開します。gonville-11.otf, gonville-13.otf, gonville-14.otf, gonville-16.otf, gonville-18.otf, gonville-20.otf, gonville-23.otf, gonville-26.otf, gonville-brace.otf ファイルを …/share/lilypond/current/fonts/otf…/share/lilypond/X.Y.Z/fonts/otf にコピーします。 gonville-*.svggonville-*.woff のファイルを持っているならば、それらを …/share/lilypond/current/fonts/svg…/share/lilypond/X.Y.Z/fonts/svg にコピーします。 更なる情報は、Other sources of information を参照してください。

注: gonville-*.otf ファイルは pseps バックエンドで使われます。 (PDF や PostScript を出力します)。 gonville-*.svg ファイルは svg バックエンドで svg-woff オプションが無効な場合に使われます。 gonville-*.woff ファイルは svg バックエンドで svg-woff オプションが有効な場合に使われます。 更なる情報は、Advanced command-line options for LilyPond を参照してください。

次の構文は、記譜フォント (記号類とブレースの両方) を Gonville フォントに変更します:

\paper {
  property-defaults.fonts.music = "gonville"
}

注: set-global-fonts を呼び出すたびに、メインの記譜フォントとテキスト フォントの両方を完全にリセットします。どれかのカテゴリが指定されていない場合には、そのカテゴリのデフォルトフォントが使われます。set-global-fonts を呼び出すたびに、それに続く全ての \book (暗黙的に生成された場合と、明示的に生成された場合の両方を含みます) のフォントを変更します。つまり、それぞれの \book の前にset-global-fonts を呼び出すことによって、\book ごとにメイン フォントを指定することができます。更なる情報は、ドキュメント全体のフォント を参照してください。

参照

学習マニュアル: Other sources of information

記譜法リファレンス: Emmentaler フォント, ドキュメント全体のフォント

既知の問題と警告

Gonville では ‘古代の音楽’ を記譜することはできません。Gonville フォント ファミリーでは、これからリリースされる LilyPond の新しい図柄は提供されないかもしれません。ライセンス条件等を含む Gonville の更なる情報は、製作者の Web サイトを参照してください。

他の記譜フォント

fontname-*.otf, fontname-*.svg, fontname-*.woff のような他の記譜フォントを持っている場合、Gonville と同じように使用することができます。

つまり、 fontname-*.otf ファイルを …/share/lilypond/current/fonts/otf…/share/lilypond/X.Y.Z/fonts/otf にコピーします。 fontname-*.svgfontname-*.woff ファイルを持っているならば、それらを …/share/lilypond/current/fonts/svg…/share/lilypond/X.Y.Z/fonts/svg にコピーします。

注: 現在、LilyPond はフォントのファイル名に以下の接尾が付いていることを想定します。インストールしたフォントが正しく動作するためには、これらの全てが上のインストール フォルダに存在している必要があります: -11, -13, -14, -16, -18, -20, -23, -26, -brace です。 例えば、emmentaler-11.otf, emmentaler-20.svg, emmentaler-brace.woff のようなファイルが必要です。

次の構文は、記譜フォント (記号類とブレースの両方) を fontname フォントに変更します:

\paper {
  #(define fonts
    (set-global-fonts
     #:music "fontname" ; font filename without suffix and extension
     #:brace "fontname" ; font filename without suffix and extension
   ))
}

注: musicbrace カテゴリには、接尾や拡張子を除いたフォントのファイル名を指定してください。


3.5 MIDI 出力を作り出す

LilyPond は MIDI (Musical Instrument Digital Interface) 標準に従うファイルを出力することが出来るため、音楽の出力を聴いてチェックすることができます (MIDI を解釈できるアプリケーションやデバイスが必要です)。MIDI 出力を聞くことで、間違えて入力された音符や、臨時記号の欠落などのミスを発見しやすくなります。

MIDI ファイルは (AAC, MP3, Vorbis ファイルのような) 音を含みません。これらから音を作り出すためには、追加のソフトウェアが必要です。


3.5.1 MIDI でサポートされている記法

次に挙げる記法は、LilyPond の標準 MIDI 出力機能で使うことができます:

  • ブレス記号
  • コード ネームとして入力された和音
  • 複数の音符にまたがるクレッシェンドとデクレッシェンド。音量が始点から終点まで線形に変化します
  • ppppp から fffff までの強弱記号 (mp, mf, sf を含む)
  • 和音ではない微分音。ピッチ ベンドをサポートする MIDI プレイヤが必要です。
  • 歌詞
  • ピッチ
  • 長さが入力されたリズム (連符を含む)
  • ‘シンプルな’アーティキュレーション: スタッカート、スタッカーティッシモ、アクセント、マルカート、ポルタート
  • \tempo 関数が使われたテンポ変化
  • タイ
  • :[number]’ で入力されていないトレモロ

パン、バランス、エクスプレッション、リバーブ、コーラスのエフェクトはコンテキスト プロパティをセットすることで操作できます。MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ を参照してください。

次の articulate スクリプトと一緒に使うと、これらの表記も MIDI に出力することができます:

  • アッポジャトゥーラ。次の音符の半分の長さが使われます (付点は考慮されません)。例えば:
    \appoggiatura c8 d2.
    

    では、c の音が四分音符の長さを取ります。

  • 装飾記号 (例えば、モルデント、トリル、ターンなど)
  • ラレンタンド、アッチェレランド、リタルダント、ア テンポ
  • スラー (フレージング スラーを含む)
  • テヌート

MIDI 出力をより良くする を参照してください。


3.5.2 MIDI でサポートされていない記法

次の記法は、MIDI に出力することはできません:

  • スタッカート、スタッカーティッシモ、アクセント、マルカート、ポルタート以外のアーティキュレーション
  • 一つの音符にまたがるクレッシェンドとデクレッシェンド
  • フェルマータ
  • 通奏低音
  • グリッサンド
  • Fall や Doit
  • 微分音の和音
  • スウィングなどの、注釈として入力されたリズム
  • \tempo 以外で入力されたテンポ変化 (注釈として入力された場合など)
  • :[number]’ 入力されたトレモロ

3.5.3 MIDI ブロック

LilyPond 入力ファイルから MIDI 出力ファイルを作り出す場合、\score ブロックの中に \midi ブロックを挿入します。\midi ブロックは空でも構いません。

\score {
  … music …
  \layout { }
  \midi { }
}

Note: \score ブロックが音楽と、\midi ブロックしか含まない場合 (つまり、\layout ブロックを持たない場合)、MIDI 出力ファイルのみを作り出します。楽譜は出力されません。

デフォルトの出力ファイルの拡張子 (.midi) は lilypond コマンドに-dmidi-extension オプションを指定することで変更することができます:

lilypond -dmidi-extension=mid MyFile.ly

または、\book, \bookpart, \score ブロックのいずれかの前に、次の Scheme コードを追加することでも変更することができます。ファイル構造 を参照してください。

#(ly:set-option 'midi-extension "mid")

参照

記譜法リファレンス: ファイル構造, 出力ファイルのメタデータを作成する

インストールされているファイル: scm/midi.scm

既知の問題と警告

MIDI チャンネルは 15 個が利用可能で、さらにドラムのためのチャンネルが 1 つ (#10) あります。譜は一つずつ順番にチャンネルが割り当てられるため、15 よりも多くの譜を持つ楽譜は、複数の譜が同じ MIDI チャンネルに割り当てられます (上書きはされません)。この時、チャンネル毎に設定されるプロパティが競合してセットされている場合 – 例えば、異なる楽器が指定されている場合 – は問題になることがあります。

多拍子記譜法で midi ブロックを使用した場合、予期しない小節線チェックの警告が表示される可能性があります。その場合は、midi ブロック内で、Timing_translatorScore コンテキストから Staff コンテキストに移動してください。

\midi {
  \context {
    \Score
    \remove Timing_translator
  }
  \context {
     \Staff
     \consists Timing_translator
  }
}

[image of music]


3.5.4 MIDI での音の強弱を制御する

MIDI 全体の音量や、強弱記号による相対的な音量、楽器ごとの相対的な音量を設定することができます。

強弱記号は、可能な範囲内の MIDI 音量に変換されます。一方、クレッシェンドやデクレッシェンドは、始点と終点の間の音量を線形に変化させます。強弱記号の相対的な音量や、楽器ごとの全体的な音量を設定することができます。


MIDI での強弱記号

mp, mf, sf を含む、ppppp から fffff までの強弱記号のみが音量値を設定されています。そして、この値が全体の MIDI 音量レンジの値に適用されます。MIDI 出力において、指定された強弱記号に対応した最終的な音量を得るために、これらの値が全体の音量範囲に収まるように適用されます。デフォルトで、割合の最小値は 0.25 (ppppp) で、最大値は 0.95 (fffff) です。全ての強弱記号と、それに関連付けられた音量の割合の一覧は scm/midi.scm にあります。

Selected Snippets

MIDI 出力でカスタム強弱記号を作成する

次の例は、デフォルトのリストには含まれていない強弱記号を作成し、MIDI 出力に反映されるように音量値を割り当てる方法を示しています。

強弱記号 \rfz0.9 の値が割り当てられています。

#(define (myDynamics dynamic)
    (if (equal? dynamic "rfz")
      0.9
      (default-dynamic-absolute-volume dynamic)))

\score {
  \new Staff {
    \set Staff.midiInstrument = "cello"
    \set Score.dynamicAbsoluteVolumeFunction = #myDynamics
    \new Voice {
      \relative {
        a'4\pp b c-\rfz
      }
    }
  }
  \layout {}
  \midi {}
}

[image of music]

インストールされているファイル: ly/script-init.ly scm/midi.scm

コード断片集: MIDI

内部リファレンス: Dynamic_performer


MIDI の音量を設定する

全体の MIDI 音量の最小値と最大値は、midiMinimumVolumemidiMaximumVolumeScore レベルでセットすることで設定できます。これらのプロパティはボイスの開始時か強弱記号が配置された時に適用されます。それぞれの強弱記号に対応する音量の割合は次の式で計算されます:

midiMinimumVolume + (midiMaximumVolume - midiMinimumVolume) * fraction

次の例では、全体の MIDI 音量の範囲を 0.2 - 0.5 に制限します:

\score {
  <<
    \new Staff {
      \set Staff.midiInstrument = "flute"
      … music …
    }
    \new Staff {
      \set Staff.midiInstrument = "clarinet"
      … music …
    }
  >>
  \midi {
    \context {
      \Score
      midiMinimumVolume = #0.2
      midiMaximumVolume = #0.5
    }
  }
}

楽器ごとの音量を均等化するための単純な方法は、midiMinimumVolumemidiMaximumVolume プロパティを Staff コンテキストでセットすることです:

\score {
  \new Staff {
    \set Staff.midiInstrument = "flute"
    \set Staff.midiMinimumVolume = #0.7
    \set Staff.midiMaximumVolume = #0.9
    … music …
  }
  \midi { }
}

複数の譜を持ち、複数の MIDI 楽器を用いる楽譜では、それぞれの相対的な音量をセットすることができます:

\score {
  <<
    \new Staff {
      \set Staff.midiInstrument = "flute"
      \set Staff.midiMinimumVolume = #0.7
      \set Staff.midiMaximumVolume = #0.9
      … music …
    }
    \new Staff {
      \set Staff.midiInstrument = "clarinet"
      \set Staff.midiMinimumVolume = #0.3
      \set Staff.midiMaximumVolume = #0.6
      … music …
    }
  >>
  \midi { }
}

この例では、フルートの音量に比べてクラリネットの音量が減らされています。

これらの音量プロパティがセットされていない場合でも、LilyPond は特定の楽器に‘わずかな’音量の均等化を行っています。scm/midi.scm を参照してください。

インストールされているファイル: scm/midi.scm

参照

記譜法リファレンス: 楽譜レイアウト

内部リファレンス: Dynamic_performer

Selected Snippets

デフォルトの MIDI 楽器の音量を置き換える

デフォルトの MIDI 楽器の音量は Score コンテキストの instrumentEqualizer プロパティをセットすることで置き換えることができます。セットするのは Scheme 関数で、音色名を引数で与えられた際にその音色に対応する最小音量と最大音量 (音量は割合で指定) のペアを返すものです。

次の例は、それぞれフルートとクラリネットに対して最小音量を最大音量をセットしています。

#(define my-instrument-equalizer-alist '())

#(set! my-instrument-equalizer-alist
  (append
    '(
      ("flute" . (0.7 . 0.9))
      ("clarinet" . (0.3 . 0.6)))
    my-instrument-equalizer-alist))

#(define (my-instrument-equalizer s)
  (let ((entry (assoc s my-instrument-equalizer-alist)))
    (if entry
      (cdr entry))))

\score {
  <<
    \new Staff {
      \key g \major
      \time 2/2
      \set Score.instrumentEqualizer = #my-instrument-equalizer
      \set Staff.midiInstrument = "flute"
      \new Voice \relative {
        r2 g''\mp g fis~
        4 g8 fis e2~
        4 d8 cis d2
      }
    }
    \new Staff {
      \key g \major
      \set Staff.midiInstrument = "clarinet"
      \new Voice \relative {
        b'1\p a2. b8 a
        g2. fis8 e
        fis2 r
      }
    }
  >>
  \layout { }
  \midi {  }
}

[image of music]

既知の問題と警告

MIDI での音量変化は音符の開始時にのみ適用されます。そのため、クレッシェンドやデクレッシェンドが単一の音符に適用された場合、音量は変化しません。


MIDI ブロック プロパティを設定する

\midi ブロックでは、コンテキストを再構成したり、新たなコンテキストを定義したり、特定のプロパティに値をセットしたりすることができます。

\score {
  … music …
  \midi {
    \tempo 4 = 72
  }
}

この例では、テンポが四分音符 72 にセットされます。\midi ブロックのテンポ記号は、楽譜には出力されません。しかし、他の \tempo 指示が \score ブロックで指定された場合、それも MIDI 出力に反映されます。

\midi ブロック内で、\tempo コマンドが記述された場合、音楽の解釈中に、出力定義のコンテキスト内でプロパティをセットします。そのため、それはコンテキストの変更であるかのように解釈されます。

コンテキスト定義は、\layout ブロックと同じ表記を用います:

\score {
  … music …
  \midi {
    \context {
      \Voice
      \remove Dynamic_performer
    }
  }
}

この例は、MIDI 出力から強弱記号の効果を取り除きます。注: LilyPond では、音楽表記から MIDI 出力に変換するモジュール (translator) は‘パフォーマ’ (performer) と呼ばれます。

参照

学習マニュアル: Other sources of information

記譜法リファレンス: 発想記号, 楽譜レイアウト

インストールされているファイル: ly/performer-init.ly

コード断片集: MIDI

内部リファレンス: Dynamic_performer

既知の問題と警告

MIDI プレイヤの中には,出力のテンポ変化を正しく処理しないものがあります。

midiInstrument や他の MIDI オプションの変更を譜の始めに行った場合、MIDI 出力ファイル内でその変更が二重に記述されている場合があります。


3.5.5 MIDI の楽器を用いる

MIDI の楽器は、Staff コンテキストで midiInstrument プロパティをセットすることで指定することができます:

\score {
  \new Staff {
    \set Staff.midiInstrument = "glockenspiel"
    … music …
  }
  \midi { }
}

または:

\score {
  \new Staff \with {midiInstrument = "cello"} {
    … music …
  }
  \midi { }
}

楽器名が ‘MIDI の楽器’ セクションにある一覧のどれにも当てはまらない場合、acoustic grand 楽器が代わりに使用されます。 MIDI 楽器 を参照してください。

参照

学習マニュアル: Other sources of information

記譜法リファレンス: MIDI 楽器, 楽譜レイアウト

インストールされているファイル: scm/midi.scm.

既知の問題と警告

DrumStaff コンテキストで記譜されるパーカッションの楽器は、正しく MIDI の 10 チャンネルに出力されますが、いくつかのピッチ付きのパーカッション楽器 (シロフォン、マリンバ、ビブラフォン、ティンパニなど) は“通常の”楽器として扱われます。そのため、これらの楽器の MIDI 出力を正しく得る場合には、音楽は (DrumStaff ではなく) Staff コンテキストに入力されるべきです。10 チャンネルのドラム キット (channel 10 drum-kits) の完全なリストは、scm/midi.scm にあります。Other sources of information を参照してください。


3.5.6 MIDI で繰り返しを用いる

繰り返しを MIDI で表現するためには、\unfoldRepeats コマンドを適用します:

\score {
  \unfoldRepeats {
    \repeat tremolo 8 { c'32 e' }
    \repeat percent 2 { c''8 d'' }
    \repeat volta 2 { c'4 d' e' f' }
    \alternative {
      { g' a' a' g' }
      { f' e' d' c' }
    }
  }
  \midi { }
}

楽譜を出力しつつ、\unfoldRepeats の効果を MIDI 出力のみに制限するには、\score ブロックを二つ作る必要があります: 一つは (\unfoldRepeats を用いる) MIDI 用の \score、もう一つは (volta, tremolo, percent による繰り返しを用いる) 記譜用の \score です。

\score {
  … music …
  \layout { }
}
\score {
  \unfoldRepeats {
    … music …
  }
  \midi { }
}

複数のボイスを使用している場合、正しい MIDI 出力を得るためには全てのボイスの繰り返しが完全に展開されている必要があります。

参照

記譜法リファレンス: 繰り返し


3.5.7 MIDI のチャンネル マッピング

楽譜から MIDI ファイルを生成する場合、LilyPond は自動的に全ての音符を、MIDI デバイスに転送された時に再生されるべき MIDI チャンネルに割り当てます。MIDI チャンネル毎に設定できるパラメータがあり、例えば、そのチャンネルで音符が演奏される時に用いられる楽器を選択したり、そのチャンネルで演奏された音にいくつかのエフェクトを加えるように、MIDI デバイスに指示をしたりすることができます。常に、それぞれのパラメータはチャンネル毎に 1 つの値しか持つことができません (しかし途中で変更することは可能で、例えば楽譜の途中で楽器を変更することができます)。

MIDI は標準で 1 デバイスにつき 16 チャンネルのみを持つことができます。このチャンネル数の制限は、一度に演奏できる異なる楽器の数の制限にもなっています。

LilyPond は譜ごと、Lyrics コンテキスト毎に異なる MIDI トラックを生成します。 (Score.midiChannelMapping の値によっては、異なる楽器やボイス毎にトラックが生成される場合があります。) トラックの数には制限はありません。

MIDI のチャンネル数が制限されていることに対処するために、LilyPond には MIDI のチャンネル配置にいくつかの異なるモードが存在します。これは Score.midiChannelMapping コンテキスト プロパティで設定します。どの場合でも、制限よりも多い MIDI チャンネルが必要になった場合、割り当てられるチャンネル番号は 0 に戻ってきます。そのため、楽器の割り当てが間違っている音符ができるかもしれません。このコンテキスト プロパティは次のうちのどれかに設定することができます:

'staff

楽譜に存在する譜ごとに異なる MIDI チャンネルを割り当てます (これがデフォルトです)。それぞれの譜に含まれる全てのボイスの全ての音符は同じ MIDI チャンネルを共有し、同じ MIDI トラックにエンコードされます。

MIDI の歌詞は MIDI チャンネルを占有しませんが、譜と Lyrics コンテキストの合計数が 16 チャンネルの制限の対象となります。

'instrument

楽譜に指定された MIDI 楽器ごとに異なる MIDI チャンネルを割り当てます。つまり、同じ MIDI 楽器を持つ音符は、譜やボイスが異なっていても、同じ MIDI チャンネル (やトラック) を共有するということです。

この場合、歌詞コンテキストは (MIDI 楽器が指定されないため) MIDI チャンネルの 16 個という制限に数えられません。そのためこの設定は、楽譜に存在する譜や歌詞が 16 を超える場合には、MIDI チャンネルの割り当てがより良くなるかもしれません。

'voice

譜の中で異なる名前を持つボイスごとに、異なる MIDI チャンネルを割り当てます。異なる譜に属するボイスは必ず異なる MIDI チャンネルに割り当てられますが、同じ譜に属するボイスが同じ名前を持つ場合、それらは同じ MIDI チャンネルに割り当てられます。midiInstrument や、いくつかのエフェクトを操作する プロパティは Staff コンテキストに属するため、ボイスごとに異なる値を持つことはできません。1 番目のボイスが、譜に設定された楽器やエフェクトで演奏され、1 番目のボイスと異なる名前を持つ他のボイスは、デフォルトの楽器やエフェクトで演奏されます。

注: Staff_performerStaff から Voice コンテキストへ移動し、midiChannelMapping をデフォルトの 'staff'instrument にすることで、同じ譜にあるボイスによって異なる楽器やエフェクトを指定することができます。下のコード断片を参照してください。

下の例では、デフォルトの MIDI チャンネルの割り当て方法を 'instrument に変更しています:

\score {
  ...music...
  \midi {
    \context {
      \Score
      midiChannelMapping = #'instrument
    }
  }
}

Selected Snippets

MIDI チャンネルをボイスごとに割り当てる

MIDI を出力する際、デフォルトの挙動では譜ごとに MIDI チャンネルが作られ、譜の中にある全てのボイスは統合されます。これは、トラックごとに 16 しか存在しない MIDI チャンネルが足りなくなる恐れを減らします。

しかしながら、次の例のように Staff_performerVoice コンテキストに移動することで、ボイスごとに独自の MIDI チャンネルを持つようになります: 同じ譜にあるにもかかわらず、2 つの MIDI チャンネルが作られ、異なる midiInstrument が割り当てられます。

\score {
  \new Staff <<
    \new Voice \relative c''' {
      \set midiInstrument = "flute"
      \voiceOne
      \key g \major
      \time 2/2
      r2 g-"Flute" ~
      g fis ~
      fis4 g8 fis e2 ~
      e4 d8 cis d2
    }
    \new Voice \relative c'' {
      \set midiInstrument = "clarinet"
      \voiceTwo
      b1-"Clarinet"
      a2. b8 a
      g2. fis8 e
      fis2 r
    }
  >>
  \layout { }
  \midi {
    \context {
      \Staff
      \remove "Staff_performer"
    }
    \context {
      \Voice
      \consists "Staff_performer"
    }
    \tempo 2 = 72
  }
}

[image of music]


3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ

以下のコンテキスト プロパティは、様々な MIDI エフェクトを、割り当てられた MIDI チャンネルの音符に適用するために使われます。 (チャンネルが譜、MIDI 楽器、ボイスのどの単位で割り当てられるかは、Score.midiChannelMapping コンテキスト プロパティと、Staff_performer がどのコンテキストに配置されるかに依存します。MIDI のチャンネル マッピング を参照してください)。

これらのコンテキスト プロパティを変更すると、チャンネルに属するその後の全ての音符に影響を与えます。しかし、この内のいくつかは、すでに音が鳴っている音符にも適用されるものがあります (これは、MIDI 出力デバイスの実装次第です)。

以下のコンテキスト プロパティがサポートされています:

Staff.midiPanPosition

パン ポジションは、MIDI チャンネルの音が左から右までのどこに定位するかを設定します。このコンテキスト プロパティは -1.0 (#LEFT) から 1.0 (#RIGHT) までの数値を受理します。-1.0 は全ての音がステレオの左側から鳴るようになります (右側からは音が鳴りません)。0.0 (#CENTER) は左側と右側に均等に音を振り割ります。1.0 は全ての音が右側から鳴るようになります。-1.0 と 1.0 の間の値は、完全な左側と、完全な右側の間にある定位となります。

Staff.midiBalance

MIDI チャンネルのステレオ バランスを設定します。パンと同様に、このコンテキスト プロパティは -1.0 (#LEFT) から 1.0 (#RIGHT) までの数値を受理します。ステレオ信号の分布状態を変化させずに、2 つのステレオ スピーカーに送られる音量の相対値を調節します。

Staff.midiExpression

MIDI チャンネルに適用するエクスプレッション レベルを (可能な最大レベルとの比として) 設定します。MIDI デバイスは MIDI チャンネルのエクスプレッション レベルと、ボイスの現在の強弱レベル (\p\ff などで設定されます) とを組み合わせて、ボイス中の各音符の最終的な音量を決定します。エクスプレッションは、例えば、1 つの長い音符の中でクレッシェンドやデクレッシェンドを表現するために使うことができます (LilyPond はこれを自動ではサポートしません)。

エクスプレッション レベルは 0.0 (ゼロ エクスプレッション、つまり音量ゼロ) から 1.0 (フル エクスプレッション) までです。

Staff.midiReverbLevel

MIDI チャンネルに適用するリバーブ レベルを (可能な最大レベルとの比として) 設定します。このプロパティは 0.0 (リバーブ無し) から 1.0 (フル エフェクト) までの数値を受理します。

Staff.midiChorusLevel

MIDI チャンネルに適用するコーラス レベルを (可能な最大レベルとの比として) 設定します。このプロパティは 0.0 (コーラス無し) から 1.0 (フル エフェクト) までの数値を受理します。

既知の問題と警告

MIDI ファイルは実際の音声データを含まないため、これらのコンテキスト プロパティの変化は、MIDI ファイル内においてはチャンネル コントロールを変化させるという要求に変換されるに過ぎません。ある MIDI デバイス (例えばソフトウェア MIDI プレイヤ) が、MIDI ファイル内にあるこれらの要求を実際に扱うかどうかは、そのデバイスの実装に完全に依存します。つまり、デバイスによっては、要求のいくつか、または全てを無視することがあるということです。また、MIDI デバイスがこれらのコントロールの値の違いをどのように解釈するか (MIDI の標準規格は、コントロールが最小値や最大値を取る時にどのように振る舞うかを標準化しているのみです)、あるいはコントロールの値の変化が、その MIDI チャンネルで既に演奏されている音符に対して影響を与えるかも、MIDI デバイスの実装次第です。

MIDI ファイルを生成する際、LilyPond は範囲内にある割合の数値を、対応する整数へと (通常 7 ビット: 0-127、MIDI チャンネル コントロールがより細かな分解能をサポートする場合は 14 ビット: 0-32767) 線形に変換します。その際、小数は四捨五入されます。変換された整数値が、生成された MIDI ファイルにそのまま記録されます。手持ちの MIDI デバイスがこれらの値をどのように扱うかについては、デバイスのドキュメントを参照してください。


3.5.9 MIDI 出力をより良くする

MIDI の楽器や、\midi ブロックのプロパティを設定することでより良くすることができます。

追加されたスクリプトで、強弱、アーティキュレーション、リズムを MIDI に書き出す方法を微調整することができます: articulate スクリプトと swing スクリプトです。


奏法スクリプト

奏法スクリプトを使うには、入力ファイルの最初にこのような \include コマンドを追加します:

\include "articulate.ly"

このスクリプトは、アーティキュレーションやテンポ表示を反映させるために、MIDI 出力の音符を正しく‘タイム スケール’します。しかし、譜刻された出力も MIDI 出力の結果と対応して変化してしまいます。

\score {
  \articulate <<
    … music …
  >>
  \midi { }
}

\articulate コマンドは、省略記号 (トリルやターンなど) を解釈できます。対応している記号の一覧は、スクリプト内に記載してあります。ly/articulate.ly を参照してください。

参照

学習マニュアル: その他の情報源

記譜法リファレンス: 楽譜レイアウト

インストールされているファイル: ly/articulate.ly

Note: 奏法スクリプトは和音の長さを短くすることがあります。これはオルガン音楽などには適さないかもしれません。また、アーティキュレーションが全く付いていない音符も長さが短くなります。\articulate 関数を使う場所を一部分に限定するか、奏法スクリプトに定義された変数を書き換えることによって、長さが短くなる挙動を抑えることができます。


スウィング スクリプト

swing スクリプトは通常の演奏時間を均等でないリズムで演奏させることを可能にする追加の関数を提供します。最もわかりやすい例は、2 つの 8 分音符を 3 のリズムで演奏する、ジャズ音楽によく見られる‘スウィング’演奏ですが、追加の演奏方法もサポートされます。

このスクリプトは入力ファイルの先頭で \include されなければなりません:

\include "swing.ly"

3 つのコマンドが提供されます:

  • \tripletFeel は 3 連符風のスウィングを作成します。これは 2 つの引数を取ります: このスクリプトによって影響を受ける音符の長さ (概して、8 分音符を表す 8 となります)、そして、このスクリプトを適用する音楽表記です。
  • \applySwing は音楽表記の前に追加の引数を取ります: 通常の音符がどのように演奏されるかを表現する n 個の比の‘重みのリスト’: 例えば、#'(2 1) は 1 つ置きの音符が後続の音符の 2 倍の長さで演奏されることを示します (実際、 \tripletFeel duration {music}\applySwing duration #'(2 1) {music} のショートカットです) 。8 分音符をより平坦にスウィングするには、重みのリストを #'(3 2) あるいはテイストに応じてその他の値を使います。

    このリストは 2 つ以上の値を含み、より長く、より複雑なグルーヴパターンを許可します。例えば、16 分音符のサンバ感は以下のようにして得られます:

    \score {
      \applySwing 16 #'(3 2 2 3) {
        … music …
      }
      \midi { }
    }
    
  • \applySwingWithOffset は‘重みのリスト’と音楽表記の間にさらにもう 1 つの引数を足します: オフセットの長さ (ly:make-moment 表記のように入力します)。このコマンドは音楽表記をオフビートからスタートするときに、部分的なスウィング周期で使われるべきです。

Note: articulate スクリプトで用いる場合は、すべてのスウィング コマンドは譜の出力にも表示され、音符のスペーシングが不規則になります。これは、音楽を譜刻する代わりに MIDI 出力だけに専念する \score ブロックのみに用いることで避けることができます。

追加のヘルプや情報はスクリプトファイルにあります: ly/swing.ly を参照してください。

参照

学習マニュアル: Other sources of information

記譜法リファレンス: リズム

インストールされているファイル: ly/swing.ly

既知の問題と警告

  • 音楽の中の \repeat 構造 (\repeat unfold であっても) は、いつ音符のタイミングが決定されるかを考慮しません。これはすべての繰り返される部分の長さがスウィング周期の長さの整数倍でない場合に問題を起こします。
  • これらの関数は拍子や小節を意識しません。音楽がオフビートからスタートする場合に、オフセットが \applySwingWithOffset を用いて提供される必要があるのはこのためです。
  • 装飾音符は無視され、単純に影響を与えないように取り除かれます; 連符もそうです。

3.6 音楽情報を抽出する

グラフィカルな出力と MIDI を作り出すことに加えて、LilyPond は音楽情報をテキストとして表示することができます。


3.6.1 LilyPond 記譜法を表示する

LilyPond 記譜法で書かれた音楽表記を音楽関数 \displayLilyMusic で表示することが可能です。出力を見るには、通常、コマンド ラインで LilyPond を実行します。例えば、

{
  \displayLilyMusic \transpose c a, { c4 e g a bes }
}

は、以下を表示します:

{ a,4 cis4 e4 fis4 g4 }

デフォルトでは、LilyPond は上記のメッセージを他のすべてのメッセージと一緒にコンソールに表示します。上記のメッセージを分離して \displayLilyMusic の結果を保存するには、出力をファイルにリダイレクトします。

lilypond file.ly >display.txt

LilyPond は音楽表記を表示するだけでなく、それを解釈します (なぜなら、\displayLilyMusic は追加で音楽表記を表示するために返すだけだからです)。既存の音楽に \displayLilyMusic を挿入するだけでその音楽の情報を得られるので便利です。

音楽を解釈させ、コンソールには音楽を表示したい一方で、出力ファイルからはそれを削除したいならば、\void コマンドを使います:

{
  \void \displayLilyMusic \transpose c a, { c4 e g a bes }
  c1
}

3.6.3 音楽イベントをファイルに保存する

以下のファイルをインクルードすることにより、音楽イベントをファイルに保存することができます。

\include "event-listener.ly"

これは譜毎に FILENAME-STAFFNAME.notes あるいは FILENAME-unnamed-staff.notes というファイルを作成します。複数の名前の無い譜がある場合、 すべての譜のイベントが同じファイルに出力されるということに注意してください。出力は以下のようになります:

0.000   note     57       4   p-c 2 12
0.000   dynamic  f
0.250   note     62       4   p-c 7 12
0.500   note     66       8   p-c 9 12
0.625   note     69       8   p-c 14 12
0.750   rest     4
0.750   breathe

出力はタブ区切り行で、各行には 2 つの固定フィールドがあり、その後にオプション パラメータが続きます。

time  type  …params…

この情報は、簡単に Python スクリプト等の他のプログラムに読み込ませることができ、LilyPond で音楽分析や録音再生実験を行おうとする研究者にとってとても有用です。

既知の問題と警告

lilypond 音楽イベントすべてが event-listener.ly でサポートされるわけではありません。event-listener.ly は、良く作られた “概念実証” を意図しています。

読み取りたい音楽イベントがサポートされていないのであれば、あなたが作業している lilypond ディレクトリに event-listener.ly をコピーして、編集することで、望みの情報を出力させることができます。


4 スペースの問題

紙面全体のレイアウトは 3 つの要素によって決定されます: ページ レイアウト、改行、そしてスペースです。これらはすべて互いに影響を与え合います。スペース入れ方を選択することは音楽システムをどれくらいの密度で譜刻するかを決定します。これは改行をどこに挿入するかに影響を与え、それゆえ最終的には、楽曲が占めるページ数を決定します

大雑把に言って、このプロセスには 4 つのステップがあります: 最初に、演奏時間に基づいて可変距離 (‘スプリング’) が選択されます。とり得る改行の組み合わせがすべて試され、相対的に ‘悪い’ 楽譜が算出されます。それから、起こり得るシステムの高さが推定されます。 最後に、水平方向と垂直方向のスペースが混み合いすぎたり、広がりすぎたりしないように、改ページと改行の組み合わせが選択されます。

2 タイプのブロックがレイアウト設定を保持できます: \paper {…}\layout {…} です。\paper ブロックはブックやブック パートのすべてのスコアで共通のページ レイアウト設定を保持します – ページの高さやページ番号を表示するか等です。ページ レイアウト を参照してください。\layout ブロックはスコアのレイアウトを保持します – システム数や譜グループ間の間隔等です。ページ レイアウト を参照してください。


4.1 ページ レイアウト

このセクションでは \paper ブロックで使用するページ レイアウト オプションについて説明します。


4.1.1 \paper ブロック

\paper ブロック 3 つの異なる場所に配置することができ、以下の順番でブロックの階層構造を作り出します:

  • 入力ファイルの先頭。全ての \book, \bookpart, \score ブロックの前。
  • \book ブロックの中であるが、そのブックの全ての \bookpart\score ブロックの外。
  • \bookpart ブロックの中であるが、そのブック パートの全ての \score ブロックの外。

\paper ブロックは、\score ブロックの中には配置できません。

フィールドの値は、この順番に沿って継承されます。つまり、高い階層でセットされた値は、下の階層で値がセットされて上書きされない限り保たれます。

各階層で、\paper ブロックは複数配置することができます。例えば、\include されるファイル毎に \paper ブロックを配置できます。その場合、それぞれの階層でフィールドの値が統合されます。同じフィールドが存在する場合、最後に出現した値が用いられます。

\paper ブロックで可能な設定には以下のものがあります:

  • set-paper-size Scheme 関数
  • ページ レイアウトをカスタマイズするのに用いられる \paper 変数
  • ヘッダ、フッタ、それにタイトルのレイアウトをカスタマイズするのに用いられるマークアップ定義

set-paper-size 関数は次のセクション 紙面サイズと自動拡縮 で説明します。ページ レイアウトを扱う \paper 変数は後のセクションで説明します。ヘッダ、フッタ、それにタイトルを扱うマークアップ定義は カスタム タイトル、ヘッダ、フッタ で説明します。

たいていの \paper 変数は \paper ブロック内でのみ機能します。\layout ブロック内でも機能するいくつかの \paper 変数を\layout ブロック でリスト アップしています。

ページの長さに関係する \paper 変数の単位は、ユーザによって他の単位が指定されていなければ、ミリメーターです。例えば、以下の宣言は top-margin10mm に設定します:

\paper {
  top-margin = 10
}

top-margin0.5 インチに設定するには、単位接尾辞 \in を使用します:

\paper {
  top-margin = 0.5\in
}

利用可能な単位接尾辞は \mm, \cm, \in, それに \pt です。これらの単位はミリメーターから変換するための値であり、ly/paper-defaults-init.ly で定義されています。技術的には必要はありませんが、明快さのために、ミリメーターを用いる場合であっても \mm をコードに記述します。

Scheme を用いて \paper の値を定義することも可能です。上の例と等価な Scheme は以下のようになります:

\paper {
  #(define top-margin (* 0.5 in))
}

参照

記譜法リファレンス: 紙面サイズと自動拡縮, カスタム タイトル、ヘッダ、フッタ, \layout ブロック

インストールされているファイル: ly/paper-defaults-init.ly


4.1.2 紙面サイズと自動拡縮


紙面サイズを設定する

‘A4’ が紙面サイズを明示的に設定しなかった場合のデフォルト値です。しかしながら、デフォルト値を変更するために使うことができる関数が 2 つあります:

set-default-paper-size
#(set-default-paper-size "quarto")

この関数は常に最上位スコープに配置する必要があります。

set-paper-size
\paper {
  #(set-paper-size "tabloid")
}

この間数は常に \paper ブロックの中に配置する必要があります。

set-default-paper-size 関数を最上位スコープで用いる場合、どの \paper ブロックよりも前に配置する必要があります。set-default-paper-size はすべてのページの紙面サイズを設定しますが、set-paper-size が設定する紙面サイズは \paper ブロックが適用されるページだけです。例えば、\paper ブロックがファイルの最上位に配置されている場合、すべてのページの紙面サイズに摘要されます。\paper ブロックが \book の中に配置されている場合、そのブックのページだけに適用されます。

set-paper-size 関数を用いる場合、同じ \paper ブロック内で用いられる他のすべての関数よりも 前に 配置する必要があります。紙面サイズに応じた自動拡縮 を参照してください。

紙面サイズは scm/paper.scm で定義されていて、カスタム サイズを追加することも可能ですが、追加後のソフトウェア アップデートにより上書きされます。利用可能な紙面サイズは 定義された用紙サイズ でリスト アップされています。

以下のコマンドを用いてカスタム紙面サイズを追加することができ、追加した紙面サイズは set-default-paper-size または set-paper-size で使用することがでいます。

#(set! paper-alist (cons '("my size" . (cons (* 15 in) (* 3 in))) paper-alist))

\paper {
  #(set-paper-size "my size")
}

単位 in (インチ)、cm (センチメートル)、それに mm (ミリメートル) のすべてを使うことができます。

紙面サイズ関数にシンボル 'landscape を渡すとページは 90°回転し、それに応じてより長い行幅となります。

#(set-default-paper-size "a6" 'landscape)

出力を回転させずに紙面の縦横を入れ替えるには (例えば、ポストカードのサイズで出力する場合や、他のドキュメントに埋め込むための楽譜を生成する場合)、紙面サイズの名前にそのまま ‘landscape’ を付け加えます:

#(set-default-paper-size "a6landscape")

紙面サイズの名前が ‘landscape’ や ‘portlait’ で終わっている場合、'landscape シンボルは出力の回転にのみ影響し、紙面の縦横サイズには影響しません。

参照

記譜法リファレンス: 紙面サイズに応じた自動拡縮, 定義された用紙サイズ

インストールされているファイル: scm/paper.scm


紙面サイズに応じた自動拡縮

Scheme 関数 (set-default-paper-size または set-paper-size) により紙面サイズが変更された場合、いくつかの \paper 変数は自動的に新しいサイズに合わせて拡縮されます。特定の変数の自動拡縮をスキップするには、紙面サイズを設定した後にその変数を設定します。paper-height 変数や paper-width 変数の変更では、自動拡縮は起こらないということに注意してください。しかしながら paper-width 変数の変更は他の値に影響を与えます (これは拡縮とは別のことで、後で説明します)。 set-default-paper-size 関数と set-paper-size 関数については 紙面サイズを設定する で説明します。

自動拡縮によって影響を受ける垂直方向の長さは top-marginbottom-margin です (固定された垂直方向の \paper スペース変数 を参照してください)。自動拡縮によって影響を受ける水平方向の長さは right-margin, inner-margin, outer-margin, binding-offset, indent, それに short-indent です (水平方向の \paper スペース変数 を参照してください)。

これらの長さに対するデフォルト値は top-margin-default, bottom-margin-default 等の内部変数を用いて ly/paper-defaults-init.ly で設定されています。これらはデフォルトの紙面サイズ a4 の場合の値です。参考のために、a4 紙面での paper-height297\mm であり、paper-width210\mm です。

参照

記譜法リファレンス: 固定された垂直方向の \paper スペース変数, 水平方向の \paper スペース変数

インストールされているファイル: ly/paper-defaults-init.ly, scm/paper.scm


4.1.3 固定された垂直方向の \paper スペース変数

Note: いくつかの \paper 変数は紙面サイズに応じて自動的に拡縮され、結果として予期せぬ振る舞いを引き起こすことがあります。紙面サイズに応じた自動拡縮 を参照してください。

(拡縮する前の) デフォルト値は ly/paper-defaults-init.ly で定義されています。

paper-height

ページの高さ – デフォルトでは設定されていません。これは垂直方向の長さの自動拡縮は影響を与えません。

top-margin

ページの上端と印刷可能エリアの上端との間のマージン。紙面サイズが変更されると、それに応じてこの長さのデフォルト値も拡縮されます。

bottom-margin

印刷可能エリアの下端とページの下端との間のマージン。紙面サイズが変更されると、それに応じてこの長さのデフォルト値も拡縮されます。

ragged-bottom

これが真に設定されている場合、システムは自然なスペーシングを保持します。ページに縦方向にフィットするようにスペースが伸縮されません。

ragged-last-bottom

これが偽に設定されている場合、最終ページと、\bookpart ブロックで作られた各セクションの最終ページが、途中のページと同様に縦方向に伸縮されます。

参照

記譜法リファレンス: 紙面サイズに応じた自動拡縮

インストールされているファイル: ly/paper-defaults-init.ly

コード断片集: Spacing

既知の問題と警告

(\header ブロックによって作成された) タイトルはシステムとして扱われます。このため、ragged-bottomragged-last-bottom はタイトルと score の最初のシステムとの間にスペースを追加します。

明示的に定義された紙面サイズは、ユーザ定義の上または下のマージン設定を上書きします。


4.1.4 可変な垂直方向の \paper スペース変数

たいていの場合、ある要素間 (マージン、タイトル、システム、score 等の間) の垂直方向の間隔は、状況に応じて伸びたり縮んだりするよう、可変であることが好まれます。いくつかの \paper 変数 (以下でリスト アップします) は、長さを微調整することができます。

このセクションで説明する \paper 変数は、個々のシステム内にある譜のスペースを制御しないということに注意してください。システム内のスペースは、普通は \score ブロックや \score ブロックの中に配置される設定を通じて、グラフィカル オブジェクトのプロパティによって制御されます。システム内部の可変な垂直方向のスペース を参照してください。


可変な垂直方向スペース連想リストの構造

可変な垂直方向の \paper スペース変数は、それぞれが 4 つの キー を保持する連想配列 (association list) です:

  • basic-distance – 2 つの要素の 参照ポイント 間の垂直方向の間隔。単位は譜スペースです。衝突が生じない場合は、伸縮されません。(タイトルまたは最上位の) マークアップの参照ポイントは最も上の箇所です。システムの参照ポイントは、譜線を持たない (Lyrics コンテキスト等) であっても、最も近くにある StaffSymbol の垂直方向の中心です。basic-distance の値が paddingminimum-distance よりも小さいと無意味になります。なぜなら、間隔が paddingminimum-distance よりも小さくなることはないからです。
  • minimum-distance – 2 つの要素の参照ポイント間で、圧縮が起こる場合に許容される最小の垂直方向の間隔。単位は譜スペースです。minimum-distance の値が paddingよりも小さいと無意味になります。なぜなら、間隔が paddingよりも小さくなることはないからです。
  • padding – 2 つの要素間の境界ボックス (または輪郭) の間に必要な、垂直方向の最小の間隔。単位は譜スペースです。
  • stretchability – 間隔の伸び率。0 の場合、間隔は広がりません (衝突が生じない限りは)。正の値の場合、ある間隔の stretchability 値は他の間隔の stretchability との相対関係になります。例えば、ある間隔の stretchability 値がもう一つの間隔の stretchability の 2 倍である場合、間隔の広がり方は 2 倍になります。値は 0 以上の有限数でなければなりません。+inf.0programming_error を引き起こし、無視されます。一方、1.0e7 はほとんど無限の広がり方となります。値が設定されなければ、デフォルト値が設定されます。間隔の 縮み 率をユーザが直接設定することはできず、(basic-distance − minimum-distance) であることに注意してください。

譜がページの下端まで広がらない設定の場合、間隔は以下の中の最大値となります:

  • basic-distance,
  • minimum-distance,
  • padding + 衝突を回避するのに必要な最小の距離

複数ページの楽譜で、最後のページの楽譜がページ下端まで広がらない場合、最後のページのスペースは前のページと同じです。

配列リストを変更する方法は、連想配列を変更する で説明します。以下の例は、連想配列を変更する 2 つの方法を提示しています。最初の宣言はキー値を個別に変更していて、2 つ目は変数全体を再定義しています:

\paper {
  system-system-spacing.basic-distance = #8
  score-system-spacing =
    #'((basic-distance . 12)
       (minimum-distance . 6)
       (padding . 1)
       (stretchability . 12))
}

可変な垂直方向の \paper スペース変数のリスト

以下の変数の名前は upper-lower-spacing という形式で、upper 要素と lower 要素との間隔です。間隔の距離は 2 つの要素の参照ポイント間です (上記の連想配列構造の説明を参照してください)。変数名の中の ‘markup’ は タイトル マークアップ (bookTitleMarkupscoreTitleMarkup) と 最上位のマークアップ (ファイル構造) の両方を指します。すべての間隔の距離の単位は譜スペースです。

デフォルト設定は ly/paper-defaults-init.ly で定義しています。

markup-system-spacing

(タイトルまたは最上位の) マークアップと、その後に続くシステムとの間隔。

score-markup-spacing

score の最後のシステムと、その後に続く (タイトルまたは最上位の) マークアップとの間隔

score-system-spacing

score の最後のシステムと、その後に score の最初のシステムとの間隔 – score と score の間に (タイトルまたは最上位の) マークアップが無い場合。

system-system-spacing

同じ score の中にある 2 つのシステムの間隔。

markup-markup-spacing

2 つの (タイトルまたは最上位の) マークアップの間隔。

last-bottom-spacing

ページの最後のシステムまたは最上位のマークアップから、印刷可能エリアの下端 (つまり、ボトム マージンの上端) までの距離。

top-system-spacing

印刷可能エリアの上端 (つまり、トップ マージンの下端) から、ページの最初のシステムまでの距離 – 間に (タイトルまたは最上位の) マークアップが無い場合。

top-markup-spacing

印刷可能エリアの上端 (つまり、トップ マージンの下端) から、ページの最初の (タイトルまたは最上位の) までの距離 – 間にシステムが無い場合。

参照

記譜法リファレンス: システム内部の可変な垂直方向のスペース

インストールされているファイル: ly/paper-defaults-init.ly

コード断片集: Spacing


4.1.5 水平方向の \paper スペース変数

Note: いくつかの \paper の間隔は紙面サイズに応じて自動的に拡縮され、それにより予期せぬ結果となることがあります。紙面サイズに応じた自動拡縮 を参照してください。


幅とマージンの \paper 変数

ここでリスト アップされていない (拡縮する前の) デフォルト値は、ly/paper-defaults-init.ly で定義されています。

paper-width

ページの幅 - デフォルトでは、値は設定されていません。paper-width は水平方向の自動拡縮に影響を与えませんが、line-width 変数に影響を与えます。paper-widthline-width の両方に値が設定された場合、left-marginright-margin が更新されます。check-consistency も参照してください。

line-width

\paper ブロックで設定した場合、インデントされていないシステムの、譜線が利用できる横方向への長さが指定されます。設定されない場合、\paperline-width(paper-width − left-margin − right-margin) から計算されます。 \paperline-width が設定されており、left-marginright-margin の両方が設定されていない場合は、システムがページの中央に来るように余白が調節されます。check-consistency も参照してください。

line-width\layout ブロックに設定することで、スコア毎に別の値を指定することができます。これらの値は、\score 毎の譜線の長さを設定します。\scoreline-width が指定されていない場合、デフォルト値は \paperline-width です。 \scoreline-width を設定しても、紙の余白には影響しません。\scoreline-width で設定された譜線の長さは、\paperline-width で設定された紙面領域を基にして左揃えされます。\score\paperline-width が同じ値の場合、譜線は左余白から右余白までちょうどいっぱいに広がりますが、\scoreline-width\paperline-width よりも大きい場合、譜線は右余白を超えて広がってしまいます。

left-margin

ページの左端とインデントされていないシステムの譜線開始点との間のマージンです。紙面サイズが変更された場合、それに応じてこの変数のデフォルト値も拡縮されます。left-margin に値が設定されず、line-widthright-margin の両方に値が設定された場合、left-margin(paper-width − line-width − right-margin) に設定されます。line-width だけに値が設定された場合、左右のマージンは ((paper-width − line-width) / 2) に設定され、結果としてシステムはページの中央に配置されます。check-consistency も参照してください。

right-margin

ページの右端とページの右端まで広がる譜線終点との間のマージンです。紙面サイズが変更された場合、それに応じてこの変数のデフォルト値も拡縮されます。right-margin に値が設定されず、line-widthleft-margin の両方に値が設定された場合、right-margin(paper-width − line-width − left-margin) に設定されます。line-width だけに値が設定された場合、左右のマージンは ((paper-width − line-width) / 2) に設定され、結果としてシステムはページの中央に配置されます。check-consistency も参照してください。

check-consistency

真 (デフォルトの値) にセットされた場合、left-margin, line-width, それに right-margin の和が paper-width にならなければ警告を表示して、left-marginright-margin をデフォルト値に置き換え (必要に応じて紙面サイズに合わせて拡宿し) ます。偽にセットされた場合、不一致を無視して、システムがページの左端からはみ出すことを許可します。

ragged-right

真にセットされた場合、システムは譜線の幅いっぱいまで広がらず、本来の長さで終了します。デフォルトでは、1 つだけシステムを持つ score の場合は #t、複数のシステムを持つ score の場合は #f です。この変数は \layout ブロック内でセットされる可能性もあります。

ragged-last

真にセットされた場合、score の最後のシステムは譜線の幅いっぱいまで広がらず、本来の長さで終了します。デフォルトでは #f です。この変数は \layout ブロック内でセットされる可能性もあります。

参照

記譜法リファレンス: 紙面サイズに応じた自動拡縮

インストールされているファイル: ly/paper-defaults-init.ly

既知の問題と警告

明示的に定義された紙面サイズは、ユーザ定義の左または右のマージン設定を上書きします。


両面モードのための \paper 変数

(拡縮される前の) デフォルト値は ly/paper-defaults-init.ly で定義されています。

two-sided

真にセットされた場合、ページ番号が偶数か奇数かに応じて inner-margin, outer-margin それに binding-offset を用いてマージンを決定します。これは left-marginright-margin を上書きします。

inner-margin

book の一部であるページすべてが見開きページの内側に持つマージンです。(左ページの場合は右側のマージン、右ページの場合は左側のマージンです。) 紙面サイズが変更された場合、それに応じてこの変数のデフォルト値も拡縮されます。two-sided が真にセットされてい場合にのみ、機能します。

outer-margin

book の一部であるページすべてが見開きページの外側に持つマージンです。(左ページの場合は左側のマージン、右ページの場合は右側のマージンです。) 紙面サイズが変更された場合、それに応じてこの変数のデフォルト値も拡縮されます。two-sided が真にセットされてい場合にのみ、機能します。

binding-offset

製本により何かが隠れてしまわないように inner-margin を増加させる量です。紙面サイズが変更された場合、それに応じてこの変数のデフォルト値も拡縮されます。two-sided が真にセットされてい場合にのみ、機能します。

参照

記譜法リファレンス: 紙面サイズに応じた自動拡縮

インストールされているファイル: ly/paper-defaults-init.ly


シフトとインデントのための \paper 変数

このにリスト アップされていない (拡縮される前の) デフォルト値は ly/paper-defaults-init.ly で定義されています。

horizontal-shift

(タイトルとシステム セパレータを含む) すべてのシステムを右にシフトさせる量です。デフォルトでは 0.0\mm です。

indent

score の最初のシステムに対するインデントのレベルです。紙面サイズが変更された場合、それに応じてこの変数のデフォルト値も拡縮されます。最初のシステムの長さは、line-width の値からこの設定の値だけ減らされます。\layout ブロック内で設定された場合、\score 毎にインデントが変更されます。

short-indent

最初のシステムを除くすべてのシステムに対するインデントのレベルです。紙面サイズが変更された場合、それに応じてこの変数のデフォルト値も拡縮されます。最初以外のシステムの長さは、line-width の値からこの設定の値だけ減らされます。\layout ブロック内で設定された場合、\score 毎にインデントが変更されます。

参照

記譜法リファレンス: 紙面サイズに応じた自動拡縮

インストールされているファイル: ly/paper-defaults-init.ly

コード断片集: Spacing


4.1.6 他の \paper 変数


改行のための \paper 変数

max-systems-per-page

1 ページに配置されるシステムの最大数です。現在、これは ly:optimal-breaking アルゴリズムでのみサポートされます。デフォルトでは、値は設定されていません。

min-systems-per-page

1 ページに配置されるシステムの最小数です。この値が大きすぎると、システムがページからはみ出す可能性があります。現在、これは ly:optimal-breaking アルゴリズムでのみサポートされます。デフォルトでは、値は設定されていません。

systems-per-page

各ページに配置すべきシステム数です。現在、これは ly:optimal-breaking アルゴリズムでのみサポートされます。デフォルトでは、値は設定されていません。

system-count

score で使用すべきシステム数です。デフォルトでは、値は設定されていません。この変数は \layout ブロック内でセットされる可能性もあります。

参照

記譜法リファレンス: 改行


改ページのための \paper 変数

ここでリスト アップされていないデフォルト値は ly/paper-defaults-init.ly で定義されています。

page-breaking

改ページのアルゴリズムを指定します。選択肢は ly:minimal-breaking, ly:page-turn-breaking, ly:one-page-breaking, ly:one-line-breaking, ly:one-line-auto-height-breaking, ly:optimal-breaking (デフォルト) です。

page-breaking-system-system-spacing

改ページ アルゴリズムに system-system-spacing を実際の値とは異なる値だと思わせるトリックです。例えば、page-breaking-system-system-spacing.paddingsystem-system-spacing.padding よりも非常に大きくすると、改ページ アルゴリズムは各ページに数個のシステムしか配置しません。デフォルトではセットされていません。

page-count

score で使用すべきページ数です。デフォルトでは、値は設定されていません。

次の変数は、page-breakingly:page-turn-breaking にセットされている場合にのみ有効です。この時、改ページはページめくりの数が最小になるように設定されます。ページめくりはページ番号が奇数のページから偶数のページへと移動する際に起こるため、最後のページ番号が奇数になることが通常望ましいということになります。ページをめくることが好まれる場所は、手動で \allowPageTurn を挿入することで明示するか、Page_turn_engraver をインクルードすることで自動的に指定されます (最適ページめくり を参照してください)。

最適なページめくりにするための選択肢が不十分である場合には、LilyPond はスコアの途中か、(スコアが 2 つ以上ある場合には)スコアとスコアの間に空白のページを挿入したり、偶数ページでスコアを終えることがあります。これらを起こりづらくするために、次の 3 つの変数の値を増やすことができます。

値はペナルティとなります。つまり、大きな値ほど、他の選択肢に比べてその値に関連した動作が起こりづらくなるという意味です。

blank-page-penalty

楽譜の途中に空白ページが挿入されるペナルティです。blank-page-penalty が大きく、ly:page-turn-breaking が選択されていた場合、LilyPond は楽譜の途中に空白ページを挿入しにくくなります。その代わりに、ページを埋めるように音楽のスペーシングが広くなります。デフォルト: 5.

blank-last-page-penalty

楽譜を偶数ページで終了するペナルティです。blank-last-page-penalty が大きく、ly:page-turn-breaking が選択されていた場合、LilyPond は楽譜を偶数ページで終了しにくくなります。その代わりに、1 ページ増やしたり減らしたりするようにスペーシングを調節します。デフォルト: 0.

blank-after-score-page-penalty

1 つの楽譜の終わりと次の楽譜までの間に、空白ページを挿入するペナルティです。デフォルトでは、これは blank-page-penalty より小さくなっています。そのため、全ての楽譜の終わりに空白ページを挿入する方が、楽譜と楽譜の間に空白ページを挿入するよりも優先されます。デフォルト: 2.

参照

記譜法リファレンス: 改ページ, 最適改ページ, 最適ページめくり, 最小改ページ, 1 ページの改ページ, 1 行の改ページ, 高さが自動の 1 行の改ページ

インストールされているファイル: ly/paper-defaults-init.ly


ページ番号のための \paper 変数

ここでリスト アップされていないデフォルト値は ly/paper-defaults-init.ly で定義されています。

auto-first-page-number

改ページのアルゴリズムは、最初のページの番号が奇数であるか偶数であるかに影響されます。真にセットされた場合、改ページアルゴリズムが最初のページが奇数番号で始めるか偶数番号で始めるかを決定します。したがって、最初のページ番号はそのままになるか、1 加算されます。デフォルト: #f.

first-page-number

最初のページのページ番号の値です。

print-first-page-number

真にセットされた場合、最初のページにページ番号が譜刻されます。

print-page-number

偽にセットされた場合、ページ番号は譜刻されません。

page-number-type

ページ番号の種類を設定します。選択肢は roman-lower, roman-upper, arabic があります。デフォルト: 'arabic.

参照

インストールされているファイル: ly/paper-defaults-init.ly

既知の問題と警告

奇数のページ番号は常に右側に配置されます。楽譜をページ 1 から始めたいのであれば、カバー ページの裏にブランク ページ配置して、ページ 1 が右側にくるようにする必要があります。


その他の \paper 変数

page-spacing-weight

(垂直方向の) ページ スペースと (水平方向の) 行スペースの重要度の関係です。大きな値だと、ページ スペースがより重要になります。デフォルトでは、10 です。

print-all-headers

真にセットされている場合、出力の各 \score のすべてのヘッダを譜刻します。通常、piece ヘッダ変数と opus ヘッダ変数だけが譜刻されます。デフォルトでは、#f です。

system-separator-markup

しばしばオーケストラ譜で使用される、システム間に挿入されるマークアップ オブジェクトです。デフォルトでは、設定されていません。以下の例のように、ly/titling-init.ly で定義されている \slashSeparator マークアップを使用すると適当です:

#(set-default-paper-size "a8")

\book {
  \paper {
    system-separator-markup = \slashSeparator
  }
  \header {
    tagline = ##f
  }
  \score {
    \relative { c''1 \break c1 \break c1 }
  }
}

[image of music]

footnote-separator-markup

ページの下部の脚注テキストの上に挿入されるマークアップ オブジェクトです。デフォルトでは、ly/paper-defaults-init.ly で定義されている中央揃いされた水平線です。

参照

インストールされているファイル: ly/titling-init.ly, ly/paper-defaults-init.ly

コード断片集: Spacing

既知の問題と警告

デフォルトのページ ヘッダは、ページ番号と \header ブロックの instrument フィールドを同一の行に配置します。


4.2 楽譜レイアウト

このセクションでは、\layout ブロックで使用する楽譜レイアウト オプションについて説明します。


4.2.1 \layout ブロック

\paper ブロックがドキュメント全体のページ フォーマットに関係する設定を保持する一方で、\layout ブロックは楽譜特有のレイアウトに関する設定を保持します。楽譜レイアウト オプションを全体に設定するには、設定を最上位の \layout ブロックに配置します。個々の楽譜に対してレイアウト オプションを設定するには、音楽表記の後の \score ブロック内の \layout ブロックの中に設定を配置します。\layout ブロックに配置される設定には以下のものがあります:

  • layout-set-staff-size Scheme 関数、
  • \context ブロック内のコンテキスト変更、それに
  • 楽譜レイアウトに影響を与える \paper 変数

layout-set-staff-size 関数は次のセクション 譜サイズを設定する で説明します。コンテキスト変更は コンテキストのプラグインを変更するコンテキストのデフォルト設定を変更する で説明します。

\paper ブロック内のデフォルト値が用いられ、\layout ブロック内で使用できる \paper には以下のものがあります:

ここで、\layout ブロックの例を挙げます:

\layout {
  indent = 2\cm
  \context {
    \StaffGroup
    \override StaffGrouper.staff-staff-spacing.basic-distance = #8
  }
  \context {
    \Voice
    \override TextScript.padding = #1
    \override Glissando.thickness = #3
  }
}

最上位の表記として複数の \layout ブロックを配置することができます。これは、例えば、異なる設定が別個のファイルに保存されていて、任意の方法でインクルードする場合に有用です。内部的には、\layout ブロックが評価される時、カレントの \layout 構成のコピーが作成され、評価する \layout ブロックの内部で定義されている変更が適用され、その結果が新しいカレントの構成として保存されます。ユーザからは \layout ブロックが組み合わされたように見えますが、衝突が発生した場合 (複数のブロックで同じプロパティが変更された場合)、最後の定義が有効になります。

例えば、下記のブロック:

\layout {
  \context {
    \Voice
    \override TextScript.color = #magenta
    \override Glissando.thickness = #1.5
  }
}

これが一つ前の例の後に配置された場合、TextScript'padding 設定と 'color 設定は組み合わせれますが、Glissando'thickness 設定は前の設定と置き換わります (前の設定を上書きします)。

\layout ブロックを後で再利用するために変数に代入することができます。しかしながら、この方法は \layout ブロックを直接記述した場合とは少しですが重大な違いがあります。

変数を以下のように定義した場合:

layoutVariable = \layout {
  \context {
    \Voice
    \override NoteHead.font-size = #4
  }
}

カレントの \layout 構成に NoteHead.font-size 設定を追加しますが、この組み合わせは新しいカレントの構成として保存され ません。‘カレントの構成’ は変数が定義された時に評価されるのであり、変数が使われる時に評価されるのではありません。そのため、変数の効果は変数がソースに配置された位置によって異なります。

変数を他の \layout ブロックの中で使うことができます。例えば、以下のように:

\layout {
  \layoutVariable
  \context {
    \Voice
    \override NoteHead.color = #red
  }
}

上記のような変数を含む \layout ブロックは、カレントの構成をコピーせず、設定を追加するためのベースとなる構成として \layoutVariable の内容を用います。このことは、変数が定義されてから使われるまでの間に定義された変更は失われるということを意味します。

layoutVariable が使われる (あるいは \include される) 直前に定義されている場合、layoutVariable の内容はカレントの構成に変数内部で定義した設定を加えたものになります。そのため、上で示した \layoutVariable の使用例の場合、最終的な \layout ブロックの構成は以下のようになります:

  TextScript.padding = #1
  TextScript.color = #magenta
  Glissando.thickness = #1.5
  NoteHead.font-size = #4
  NoteHead.color = #red

これに indentStaffGrouper の設定がプラスしたものです。

しかしながら、変数が最初の \layout ブロックより前に定義されていた場合、カレントの構成は以下だけになってしまいます:

  NoteHead.font-size= #4 % (変数定義で記述されたものです)
  NoteHead.color = #red % (変数が使用された後に追加されたものです)

注意深く計画を立てれば、\layout 変数はソースのレイアウト設計を構築して、\layout 構成を既知の状態にリセットするための有用なツールになります。

参照

記譜法リファレンス: コンテキストのデフォルト設定を変更する

コード断片集: Spacing


4.2.2 譜サイズを設定する

デフォルトの 譜サイズ は 20 ポイントに設定されています。これは、7.03mm の譜の高さ (1 ポイントは 100/7227 インチ、あるいは 2540/7227 mm です) に相当します。譜サイズを変更するには 3 つの方法があります:

  1. 譜サイズをファイルの中にあるすべての楽譜 (正確には \book ブロックの中にあるすべての楽譜) に設定するには、set-global-staff-size を使用します:
    #(set-global-staff-size 14)
    

    上の例では、グローバルなデフォルトの譜サイズを高さが 14pt (4.92mm) になるよう設定し、それに応じてすべてのフォントを拡縮します。

  2. ブック内の 1 つのスコアの譜サイズを設定するには、スコアの \layout ブロックの中に layout-set-staff-size を配置してください:
    \score {
      …
      \layout {
        #(layout-set-staff-size 14)
      }
    }
    
  3. システム内の 1 つの譜の譜サイズを設定するには、\magnifyStaff コマンドを使います。例えば、ピアノを伴う室内楽の伝統的な譜刻では、ピアノ譜が 7mm である一方で、他の譜は 3/5 から 5/7 の大きさ (60% から 71%) となります。5/7 の比率を得るには、このようにします:
    \score {
      <<
        \new Staff \with {
          \magnifyStaff #5/7
        } { … }
        \new PianoStaff { … }
      >>
    }
    

    fontSize に対応する大きさが分かっている場合は、次の形を使うことが できます:

    \score {
      <<
        \new Staff \with {
          \magnifyStaff #(magstep -3)
        } { … }
        \new PianoStaff { … }
      >>
    }
    

    伝統的な譜刻の見た目を模倣するには、譜線の太さを減らすのを避けると良いでしょう。

フォント サイズに対応した太さの自動設定

Emmentaler フォントは、Feta 音楽グリフのセットを 8 つの異なるサイズで含んでいます。それぞれは、異なる譜サイズ向けに調整されているものです。グリフのサイズが小さいほど、相対的に細くなる譜線に合わせてより“太く”なります。推奨されるグリフ サイズは以下の表にリスト アップされています:

フォント名譜の高さ (pt)譜の高さ (mm)用途
feta1111.223.9ポケット サイズの楽譜
feta1312.604.4
feta1414.145.0
feta1615.875.6
feta1817.826.3歌集
feta20207.0標準パート譜
feta2322.457.9
feta2625.28.9

参照

記譜法リファレンス: 記譜フォント サイズを選択する, Emmentaler フォント

コード断片集: Spacing


4.3 改行/改ページ


4.3.1 改行

通常、改行は自動的に決定されます。改行は、行が混み合って見えたり散漫に見えたりしないように、連続する行の密度が同じくらいになるように選択されます。

小節線が引かれる場所で手動で強制的に改行を入れるには、\break コマンドを使用します:

\relative c'' {
  c4 c c c | \break
  c4 c c c |
}

[image of music]

デフォルトでは、小節の‘途中’に挿入された \break コマンドは無視されます (そして、LilyPond ファイルをコンパイルする時に警告メッセージが出力されます)。小節の途中で強制的に改行を入れるには、不可視の小節線 – ‘\bar "" – を \break コマンドの前に挿入することで、強制的に改行することができます:

\relative c'' {
  c4 c c
  \bar ""
  \break
  c |
  c4 c c c |
}

[image of music]

連符が開始する小節と終了する小節が異なる場合などのように、前の小節が音符の途中で終わっている場合、前の小節の終わりに \break を配置しても無視されます。この場合、Voice コンテキストから Forbid_line_break_engraver を削除し、同時進行の音楽表記を使い、2 つ目の‘ボイス’の正しい位置に \break を挿入してください: 音楽と並列に改行コマンドを追加する必要があるということに注意してください:

\new Voice \with {
  \remove Forbid_line_break_engraver
} \relative {
  <<
    { c''2. \tuplet 3/2 { c4 c c } c2. | }
    { s1 | \break s1 | }
  >>
}

[image of music]

同様にデフォルトでは、連桁が小節線を跨いでいる場合も、改行は無視されます。\override Beam.breakable = ##t コマンドで強制することができます:

\relative c'' {
  \override Beam.breakable = ##t
  c2. c8[ c | \break
  c8 c] c2. |
}

[image of music]

\noBreak コマンドは、コマンドが配置された小節線での改行を禁止します。

楽譜の中で、\autoLineBreaksOff\autoLineBreaksOn の間にある音楽は、自動改行が抑止されます。同様に自動改ページも抑止させたい場合は、\autoBreaksOff\autoBreaksOn コマンドを使うべきです。手動改行や改ページは、これらのコマンドによって影響されません。自動改行を抑止した際、音楽のすべてが 1 行に収まりきらない場合に右の余白を飛び出す可能性があることに注意してください。

自動改行は、小節線のところで \once \autoLineBreaksOn を用いることで、単一の小節線に対して有効にすることができます (改ページはできません)。これは、強制改行ではなく、許可された改行を示します。

行スペースに影響を与える最も基本的な設定は indentline-width です。これらは \layout ブロック内で設定されます。これらは音楽の最初の行のインデントと行の長さを制御します。

\layout ブロック内で ragged-right が真にセットされた場合、システムは、行全体に広がらずに、本来の長さで終了します。これは短い楽譜の断片を記譜する場合や、本来のスペースがどれくらい密になっているかチェックする場合に有用です。

オプション ragged-lastragged-right と似ていますが、楽曲の最後の行にだけ効果を持ちます。

\layout {
  indent = 0\mm
  line-width = 150\mm
  ragged-last = ##t
}

規則的な間隔で改行を行うには、スキップで区切られた \break を用いて、それを \repeat で繰り返します。例えば、以下の例は 28 小節 (4/4 拍子と仮定して) であり、4 小節ごとに改行が入ります (それ以外の場所で改行が入ることはありません):

<<
  \repeat unfold 7 {
    s1 \noBreak s1 \noBreak
    s1 \noBreak s1 \break
  }
  { 実際の音楽… }
>>

定義済みコマンド

\break, \noBreak, \autoBreaksOff, \autoBreaksOn, \autoLineBreaksOff, \autoLineBreaksOn

Selected Snippets

改行のために専用のボイスを用意する

改行や改ページの情報を音楽から分離し、\break, \pageBreak やその他のレイアウト情報のみを含む専用のボイスを用意した方が管理しやすい場合があります。

このパターンは、line-break-system-details のような、NonMusicalPaperColumn Grob の設定が長いプロパティをオーバライドする際に、特に有用です。

\paper { tagline = ##f }

music = \relative c'' { c4 c c c }

\score {
  \new Staff <<
    \new Voice {
      s1 * 2 \break
      s1 * 3 \break
      s1 * 6 \break
      s1 * 5 \break
    }
    \new Voice {
      \repeat unfold 2 { \music }
      \repeat unfold 3 { \music }
      \repeat unfold 6 { \music }
      \repeat unfold 5 { \music }
    }
  >>
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 改行のための \paper 変数, \layout ブロック

コード断片集: Spacing

内部リファレンス: LineBreakEvent

既知の問題と警告

\autoLineBreaksOff\autoBreaksOff を音楽の最初に配置すると、エラー メッセージが表示されます。何らかの音楽の後に、これらのコマンドを配置するようにしてください。


4.3.2 改ページ

このセクションでは、改ページについてのいくつかの方法や、それらをどのようにカスタマイズするかを示します。


手動改ページ

デフォルトの改ページは、\pageBreak\noPageBreak を挿入することによって上書きすることができます。これらのコマンドは \break\noBreak に似ています。 これらのコマンドは小節線のところに挿入すべきであり、その小節線での改ページを強制/禁止します。当然のことですが、\pageBreak は強制的に改行も行います。

\pageBreak コマンドと \noPageBreak コマンドは最上位レベルに挿入することができ、score や最上位レベルのマークアップの間に挿入することができます。

楽譜の中で、\autoPageBreaksOff\autoPageBreaksOn の間にある音楽は、自動改ページが抑制されます。手動改ページは、これらのコマンドに影響されません。

ragged-rightragged-last と類似で、垂直方向のスペースに対して同じ効果を持つ設定があります。ragged-bottom#t にセットされている場合、システムはページの垂直方向全体には広がりません。ragged-last-bottom#t にセットされている場合 (これがデフォルトです)、最後のページ (あるいは各 \bookpart の最後のページ) の下部に空きスペースが挿入することが許可されます。固定された垂直方向の \paper スペース変数 を参照してください。

改ページは page-breaking 関数によって算出されます。LilyPond は改ページを算出するためにいくつかのアルゴリズムを提供します: ly:optimal-breaking, ly:page-turn-breaking, それに ly:minimal-breaking などです。デフォルトは ly:optimal-breaking ですが、\paper ブロックの中で変更することができます:

\paper {
  page-breaking = #ly:page-turn-breaking
}

1 つのブックが多くの楽譜とページを持つ場合、改ページを処理するのに多くの処理時間とメモリが必要になり、改ページの問題を解決することが困難になる可能性があります。改ページ処理を簡単にするために、\bookpart ブロックを用いてブックをいくつかのパートに分割します: 改ページはパートごとに別々に処理されます。異なるブック パートには、異なる改ページ関数を使用することもできます。

\bookpart {
  \header {
    subtitle = "Preface"
  }
  \paper {
     %% ほとんどテキストしか保持していないパートでは
     %% ly:minimal-breaking が適しています
     page-breaking = #ly:minimal-breaking
  }
  \markup { … }
  …
}
\bookpart {
  %% このパートは音楽を保持しているので、デフォルトの
  %% ly:optimal-breaking を使用します
  \header {
    subtitle = "First movement"
  }
  \score { … }
  …
}

定義済みコマンド

\pageBreak, \noPageBreak, \autoPageBreaksOn, \autoPageBreaksOff

参照

記譜法リファレンス: 改行のための \paper 変数

コード断片集: Spacing

既知の問題と警告

\once 接頭辞は、\autoPageBreaksOn\autoPageBreaksOff には効果がありません。自動改ページがオフになっている時に、改ページを(一時的に) 許可するためにオンにする場合、オフにする前にその後何小節かはオンになっている必要があります (具体的な小節数は楽譜に依存します)。そうしなければ、改ページの機会が失われてしまいます。


最適改ページ

ly:optimal-breaking 関数は、LilyPond が改ページを決定するためのデフォルトの手法です。 この関数は、ページの (水平方向と垂直方向の両方の) 混み合いや広がりすぎを最小にする改ページを見つけ出そうと試みます。ly:page-turn-breaking とは異なり、この関数はページめくりについて考慮しません。

参照

コード断片集: Spacing


最小改ページ

The ly:minimal-breaking 関数は最小限の改ページを算出します: この関数は 1 ページに可能な限り多くのシステムを配置します。そのため、多くのページを持つ楽譜 – そのような場合、他の改ページ関数では時間がかかりすぎたり、メモリ使用量が多くなりすぎたりします – や、多くのテキストを持つ楽譜でこの関数を使用すると良いかもしれません。この関数を有効にするには以下のようにします:

\paper {
  page-breaking = #ly:minimal-breaking
}

参照

コード断片集: Spacing


1 ページの改ページ

ly:one-page-breaking 関数は特殊な目的のための改ページアルゴリズムで、ページの高さを音楽に合わせて自動的に調整し、全てが 1 ページに収まるようにします。paper ブロックの paper-height 変数は無視されますが、他の設定は通常通り反映されます。特に、最後のシステム (あるいはトップ レベルのマークアップ) とフッターの間のスペースは、paper ブロックの last-bottom-spacing でカスタマイズすることができます。ページの幅はデフォルトのままですが、paper ブロックの paper-width で設定することができます。

既知の問題と警告

ly:one-page-breaking は現在 \bookpart と互換性がありません。


1 行の改ページ

ly:one-line-breaking 関数は特殊な目的のための改ページアルゴリズムで、楽譜をそれぞれ 1 ページに 1 行で配置します。この改ページ関数はタイトルやマージンを譜刻しません。楽譜だけを譜刻します。

ページ幅は最も長い楽譜が 1 行に納まるように調節されます。\paper ブロックの中にある変数 paper-width, line-width それに indent は無視されますが、left-marginright-margin は有効です。ページの高さは変更されません。


高さが自動の 1 行の改ページ

ly:one-line-auto-height-breaking 関数は、ly:one-line-breaking とほとんど同様に動作しますが、ページの高さが自動的に音楽に合わせて自動的に変更されるところが異なります。具体的には、\paper ブロックの paper-height 変数が、楽譜の最大の高さ + top-margin + bottom-margin に渡るようにセットされます。

top-system-spacing 設定が、音楽の縦方向の位置に影響することに注意してください。paper ブロックでこれを ##f にセットすることで、単純に音楽を上部マージンと下部マージンの間に配置することができます。


最適ページめくり

しばしば、2 枚目のページ (横書きの本を開いたときの右側のページ) の終わりに休符を置くための改ページ構成が必要になります。こうすることで、演奏者は音符を見失うことなくページをめくることができます。ly:page-turn-breaking 関数はページの混み合いや広がりすぎを最小にする改ページを見つけ出そうと試みますが、ページめくりを特定の場所だけに置くための制約を受けます。

この改ページ関数を使うには、2 つのステップがあります。最初に、改ページ で説明されているように、\paper ブロックの中でこの関数を有効にする必要があります。次に、この関数に改ページを許可したい場所を教える必要があります。

2 番目のステップを達成するには、2 つの方法があります。1 つ目の方法では、入力ファイルの適当な場所に \allowPageTurn を挿入することによって、ページめくりの許可を手動で指定します。

この方法では手間がかかりすぎる場合は、Page_turn_engraverStaff あるいは Voice コンテキストに追加します。Page_turn_engraver はコンテキストをスキャンして音符の無いセクションを探します (休符を探すわけではなく、音符の無い部分を探すということに注意してください。単一譜の多声で、ボイスの 1 つが休符を持つ場合に、Page_turn_engraver に渡されないようにするためです。) Page_turn_engraver は音符を持たない十分に長いセクションを見つけると、‘特殊な’ 小節線 (2 重小節線など) がないかぎりは、そのセクションの最後の小節線のところに \allowPageTurn を挿入します。‘特殊な’ 小節線がある場合には、\allowPageTurn がそのセクションの最後にあるそのような小節線のところに挿入されます。

Page_turn_engraver はコンテキスト プロパティ minimumPageTurnLength を読み込んで、どれくらい音符が無いセクションが続いたらページめくりを考慮するかを決定します。minimumPageTurnLength のデフォルト値は (ly:make-moment 1/1) です。ページめくりを不可にしたいのならば、minimumPageTurnLength に非常に大きな値をセットします。

\new Staff \with { \consists Page_turn_engraver }
{
  a4 b c d |
  R1 | % ここでページめくりが許可されます
  a4 b c d |
  \set Staff.minimumPageTurnLength = \musicLength 2*5
  R1 | % ここではページめくりは許可されません
  a4 b r2 |
  R1*2 | % ここでページめくりが許可されます
  a1
}

Page_turn_engraver は volta 繰り返しを検出します。繰り返しの開始と終わりにページめくりを行うのに十分な時間がある場合にのみ、その繰り返しの最中でのページめくりが許可されます。繰り返しが非常に短い場合、Page_turn_engraver はページめくりを不可にする可能性があります。コンテキスト プロパティ minimumRepeatLengthForPageTurn に値を設定した場合、その値よりも長い演奏時間を持つ繰り返しに対してのみ、Page_turn_engraver は繰り返しの最中でページめくりを許可します。

ページめくりコマンド \pageTurn, \noPageTurn それに \allowPageTurn は、最上位レベル、最上位のマークアップや score どうしの間で使用される可能性もあります。

定義済みコマンド

\pageTurn, \noPageTurn, \allowPageTurn

参照

記譜法リファレンス: 改行のための \paper 変数

コード断片集: Spacing

既知の問題と警告

score の中に配置する Page_turn_engraver は 1 つだけにするべきです。複数の Page_turn_engraver がある場合、互いに干渉し合います。

参照

記譜法リファレンス: 垂直方向のスペース

コード断片集: Spacing


4.4 垂直方向のスペース

垂直方向のスペースは 3 つの要素によって制御されます: 利用可能なスペースの量 (つまり、紙面サイズとマージン)、システムの間隔、それにシステム内部での譜の間隔です。


4.4.1 システム内部の可変な垂直方向のスペース

システム内部の可変な垂直方向のスペースを制御する 3 つの仕組みがあり、以下のカテゴリに分けられます:

  • グループ化されていない譜,
  • グループ化されている譜 (ChoirStaff 等のような譜グループ内の譜)
  • 譜ではない行 (Lyrics, ChordNames 等)

システムの高さは 2 つのステップで決定されます。最初に、すべての譜が利用可能なスペースの量に応じた間隔で配置されます。次に、譜ではない行が譜の間に配置されます。

このセクションでは、システム内部の譜と譜ではない行の垂直方向のスペースを制御する仕組みだけを説明しているということに注意してください。システム、score、マークアップ、それにマージン間の垂直方向のスペースは、\paper 変数によって制御されます – 可変な垂直方向の \paper スペース変数 で説明しています。


システム内部のスペース プロパティ

システム内部の垂直方向のスペースは、2 セットのグラフィカル オブジェクト プロパティによって制御されます。1 つ目は VerticalAxisGroup グラフィカル オブジェクト – これは、譜と譜ではない行によって作成されます – のプロパティ セットです。2 つ目は StaffGrouper グラフィカル オブジェクト – これは、明示的に呼び出された場合に、譜グループによって作成されます – のプロパティ セットです。これらのプロパティは、このセクションの終わりで説明します。

これらのプロパティの名前は (staff-affinity を除いて)、item1-item2-spacing という形式に従います – ここで、item1item2 は、スペースを入れられる要素です。item2 は必ずしも item1 の下にある要素ではないということに注意してください。例えば、staff-affinityUP である場合、nonstaff-relatedstaff-spacing は譜ではない行から上向きにスペースをとります。

スペースは、2 つの要素の 参照ポイント 間の距離です。譜の参照ポイントは、その譜の StaffSymbol (すなわち、line-count が奇数の場合は中央の譜線で、line-count が偶数の場合は中央のスペースです) の垂直方向の中央です。譜ではない行の参照ポイントは、以下の表のようになります:

譜ではない行参照ポイント
ChordNamesベースライン
NoteNamesベースライン
Lyricsベースライン
Dynamics垂直方向の中央
FiguredBass最も上のポイント
FretBoardsトップ ライン

以下の画像では、水平方向の線が参照ポイントの位置を示しています:

[image of music]

垂直方向のスペースのグラフィカル オブジェクト プロパティは (staff-affinity を除いて)、可変な垂直方向の \paper スペース変数 で説明した \paper スペース変数と同じ連想配列構造を使用します。 連想配列を変更する方法は、連想配列を変更する で説明します。グラフィカル オブジェクト プロパティの調節は、\score ブロックか \layout ブロックの内部で、\override を用いて行う必要があります。

以下の例は、連想配列を変更する 2 つの方法を示しています。最初の宣言は 1 つのキー値を個別に更新して、2 番目の宣言はプロパティ全体を再定義しています:

\new Staff \with {
  \override VerticalAxisGroup.default-staff-staff-spacing.basic-distance = #10
} { … }

\new Staff \with {
  \override VerticalAxisGroup.default-staff-staff-spacing =
    #'((basic-distance . 10)
       (minimum-distance . 9)
       (padding . 1)
       (stretchability . 10))
} { … }

スペース設定をグローバルに変更するには、そのスペース設定を \layout ブロックの中に配置します:

\layout {
  \context {
    \Staff
    \override VerticalAxisGroup.default-staff-staff-spacing.basic-distance = #10
  }
}

垂直方向スペースのグラフィカル オブジェクト プロパティの標準設定は VerticalAxisGroupStaffGrouper でリスト アップしています。特定のタイプの譜ではない行のデフォルト設定は、Contexts の中にある関連するコンテキストの説明でリスト アップしています。

VerticalAxisGroup グラフィカル オブジェクトのプロパティ

通常、VerticalAxisGroup プロパティは、Staff レベル (あるいはそれと同等のレベル) で、\override を用いて調節します。

staff-staff-spacing

カレントの譜とそのすぐ下の譜の間隔 – その間に 1 つ以上の譜ではない行 (Lyrics 等) が配置されている場合であっても – を決定するために使用します。システムの最下段の譜には適用されません。

VerticalAxisGroupstaff-staff-spacing は、譜がグループの一部である場合は StaffGrouperstaff-staff-spacing プロパティを適用し、グループではない譜の場合はその譜の default-staff-staff-spacing を適用する Scheme 関数です。これにより、グループ化されている譜に異なる間隔を入れることが可能です。グループ化されていることとは無関係に同一の間隔を入れるには、上で示したプロパティ再定義を用いて、この関数を可変スペースの連想配列で置き換えます。

default-staff-staff-spacing

グループ化されていない譜で使用される staff-staff-spacing を定義している可変スペースの連想配列です。staff-staff-spacing\override を用いて上書きされることがあります。

staff-affinity

カレントの譜ではない行にスペースを入れるために使用する譜の方向です。選択肢は UP, DOWN, それに CENTER です。CENTER の場合、衝突や他のスペース上の制約によって妨げられない限り、譜ではない行は上下にある近くの譜から等距離になるよう配置されます。隣接する譜ではない行の staff-affinity は、方向が下から上へと増加しないようにする必要があります。例えば、DOWN に設定された譜ではない行のすぐ後に UP に設定された譜ではない行を置くべきではありません。システムの最上段にある譜ではない行は DOWN であるべきで、システムの最下段にある譜ではない行は UP であるべきです。譜ではない行の staff-affinity#f に設定すると、その行は譜として扱われます。譜に対して UP, CENTER, あるいは DOWNstaff-affinity を設定すると、その譜は譜ではない行として扱われます。

nonstaff-relatedstaff-spacing

カレントの譜ではない行と staff-affinity の方向にある最も近い譜との間隔です – 2 つの間に譜ではない行が無く、staff-affinityUPDOWN のどちらかである場合です。staff-affinityCENTER である場合、nonstaff-relatedstaff-spacing は最も近くにある 上下両サイド の譜の間隔になります – たとえ、カレントの譜ではない行と上下どちらかの譜の間に、他の譜ではない行があったとしてもです。このことは、譜ではない行の配置は、上下にある譜と譜ではない行の両方に依存するということを意味します。このスペースの stretchability に小さな値を設定すると、そのとおりのスペースになりやすくなります。このスペースの stretchability に大きな値を設定すると、そのとおりのスペースになりにくくなります。

nonstaff-nonstaff-spacing

カレントの譜ではない行と staff-affinity の方向にある次の譜ではない行の間隔です – 2 つの間に譜が無く、staff-affinityUPDOWN のどちらかである場合です。

nonstaff-unrelatedstaff-spacing

カレントの譜ではない行と staff-affinity とは反対方向にある譜の間隔です – 2 つの間に他の譜ではない行が無く、staff-affinityUPDOWN のどちらかである場合です。これは、例えば、Lyrics 行と Lyrics が属していない譜との間のパディングを最小にする必要がある場合に使用される可能性があります。

StaffGrouper グラフィカル オブジェクトのプロパティ

通常、StaffGrouper プロパティは、StaffGroup レベル (あるいはそれと同等のレベル) で、\override を用いて調節します。

staff-staff-spacing

カレントの譜グループ内部にある隣接する譜の間隔です。個々の譜の VerticalAxisGroup グラフィカル オブジェクトの staff-staff-spacing プロパティは、譜毎のスペース設定で上書きされる可能性があります。

staffgroup-staff-spacing

カレントの譜グループの最後の譜と、同じシステム内にあるすぐ下の譜の間隔です – 2 つの譜の間に 1 つ以上の譜ではない行 (Lyrics 等) が存在する場合であってもです。システムの最下段の譜には適用されません。個々の譜の VerticalAxisGroup グラフィカル オブジェクトの staff-staff-spacing プロパティは、譜毎のスペース設定で上書きされる可能性があります。

参照

記譜法リファレンス: 可変な垂直方向の \paper スペース変数, 連想配列を変更する

インストールされているファイル: ly/engraver-init.ly, scm/define-grobs.scm

内部リファレンス: Contexts, VerticalAxisGroup, StaffGrouper


グループ化されていない譜のスペース

(Staff, DrumStaff, TabStaff 等) は、1 つ以上のボイス コンテキストを保持することができ、他の譜を保持することはできないコンテキストです。

以下のプロパティは、グループ化されていない 譜のスペースに影響を与えます:

  • VerticalAxisGroup プロパティ:
    • default-staff-staff-spacing
    • staff-staff-spacing

これらのグラフィカル オブジェクト プロパティは、それぞれ上で説明しています。システム内部のスペース プロパティ を参照してください。

譜グループの一部である譜には、他にもプロパティがあります。グループ化されている譜のスペース を参照してください。

以下の例は、default-staff-staff-spacing プロパティがどのようにグループ化されていない譜のスペースに影響を与えるかを示しています。staff-staff-spacing に同じ上書きを適用すると同じ効果を持ちますが、譜がグループ化されている場合にも適用されます。

\layout {
  \context {
    \Staff
    \override VerticalAxisGroup.default-staff-staff-spacing =
      #'((basic-distance . 8)
         (minimum-distance . 7)
         (padding . 1))
  }
}

<<
  % 非常に低い位置にある音符は 'basic-distance が提供するよりも
  % 大きなスペースを必要とするため、この譜と次の譜の間隔は 'padding
  % によって決定されます。
  \new Staff { b,2 r | }

  % ここでは、'basic-distance が十分なスペースを提供していて、
  % ページ上にある他の要素のスペースを確保するためにスペースを
  % ('minimum-distance の値に向かって) 縮める必要はありません。
  % そのため、この譜と次の譜の間隔は 'basic-distance によって
  % 決定されます。
  \new Staff { \clef bass g2 r | }

  % 'padding に負の値を設定することにより、譜を重ねることができます。
  % 'basic-distance が取り得る最小の値は 0 です。
  \new Staff \with {
    \override VerticalAxisGroup.default-staff-staff-spacing =
      #'((basic-distance . 3.5)
         (padding . -10))
  } { \clef bass g2 r | }
  \new Staff { \clef bass g2 r | }
>>

[image of music]

参照

インストールされているファイル: scm/define-grobs.scm

コード断片集: Spacing

内部リファレンス: VerticalAxisGroup


グループ化されている譜のスペース

オーケストラ譜や他の大きな楽譜では、譜を譜ループ化することが一般的です。通常、グループ間のスペースは、同じグループの譜の間のスペースよりも大きくなります。

譜グループ (StaffGroup, ChoirStaff 等) は、同時進行する 1 つ以上の譜を保持することができるコンテキストです。

以下のプロパティは、譜グループの中にある譜のスペースに影響を与えます:

  • VerticalAxisGroup プロパティ:
    • staff-staff-spacing
  • StaffGrouper プロパティ:
    • staff-staff-spacing
    • staffgroup-staff-spacing

これらのグラフィカル オブジェクト プロパティは、上で個々に説明しています。システム内部のスペース プロパティ を参照してください。

以下の例は、StaffGrouper グラフィカル オブジェクトのプロパティがどのようにグループ化された譜のスペースに影響を与えるかを示しています:

\layout {
  \context {
    \Score
    \override StaffGrouper.staff-staff-spacing.padding = #0
    \override StaffGrouper.staff-staff-spacing.basic-distance = #1
  }
}

<<
  \new PianoStaff \with {
    \override StaffGrouper.staffgroup-staff-spacing.basic-distance = #20
  } <<
    \new Staff { c'1 }
    \new Staff { c'1 }
  >>

  \new StaffGroup <<
    \new Staff { c'1 }
    \new Staff { c'1 }
  >>
>>

[image of music]

参照

インストールされているファイル: scm/define-grobs.scm

コード断片集: Spacing

内部リファレンス: VerticalAxisGroup, StaffGrouper


譜ではない行のスペース

譜ではない行 (Lyrics, ChordNames 等) は、それが保持するレイアウト オブジェクトが譜のように譜刻される (すなわち、システム内部の水平線上での譜刻) コンテキストです。具体的に言うと、譜ではない行は Axis_group_engraver を含む譜ではないコンテキストです。

以下のプロパティが、譜ではない行のスペースに影響を与えいます:

  • VerticalAxisGroup プロパティ:
    • staff-affinity
    • nonstaff-relatedstaff-spacing
    • nonstaff-nonstaff-spacing
    • nonstaff-unrelatedstaff-spacing

これらのグラフィカル オブジェクト プロパティは、上で個々に説明しています。システム内部のスペース プロパティ を参照してください。

以下の例は、nonstaff-nonstaff-spacing プロパティがどのように隣接する譜ではない行のスペースに影響を与えるかを示しています。ここでは、stretchability キーに非常に大きな値を設定することにより、通常よりも歌詞が広がりやすくしています:

\layout {
  \context {
    \Lyrics
    \override VerticalAxisGroup.nonstaff-nonstaff-spacing.stretchability = #1000
  }
}

\new StaffGroup
<<
  \new Staff \with {
    \override VerticalAxisGroup.staff-staff-spacing = #'((basic-distance . 30))
  } { c'1 }
  \new Lyrics \with {
    \override VerticalAxisGroup.staff-affinity = #UP
  } \lyricmode { up }
  \new Lyrics \with {
    \override VerticalAxisGroup.staff-affinity = #CENTER
  } \lyricmode { center }
  \new Lyrics \with {
    \override VerticalAxisGroup.staff-affinity = #DOWN
  } \lyricmode { down }
  \new Staff { c'1 }
>>

[image of music]

参照

インストールされているファイル: ly/engraver-init.ly, scm/define-grobs.scm

コード断片集: Spacing

内部リファレンス: Contexts, VerticalAxisGroup


4.4.2 譜とシステムを明示的に配置する

上で説明した可変な垂直方向のスペースの仕組みを理解する方法の 1 つに、譜とシステムの間の垂直方向のパティングの大きさを制御する設定をコレクションすることがあります。

NonMusicalPaperColumn.line-break-system-details を用いて、垂直方向のスペースに別の方法でアプローチすることができます。可変な垂直方向のスペースの仕組みが垂直方向のパディングを指定するのに対して、NonMusicalPaperColumn.line-break-system-details はページ上の垂直方向の位置を指定することができます。

NonMusicalPaperColumn.line-break-system-details は 4 つの設定からなる連想配列を受け取ります:

  • X-offset
  • Y-offset
  • extra-offset
  • alignment-distances

以下の NonMusicalPaperColumn に対する上書きを含む、グラフィカル オブジェクトの上書きは、入力ファイルの中の 3 つの場所に配置することができます:

  • 音符入力の途中に直接配置する
  • \context ブロックの中に配置する
  • \with ブロックの中に配置する

NonMusicalPaperColumn を上書きする場合、通常は \context ブロックや \with ブロックの中で\override コマンドを使用します。一方、音符入力の途中で NonMusicalPaperColumn を上書きする場合、特殊なコマンド \overrideProperty を使用します。ここで、特殊なコマンド \overridePropertyNonMusicalPaperColumn を上書きする例をいくつか挙げます:

\overrideProperty NonMusicalPaperColumn.line-break-system-details
  #'((X-offset . 20))

\overrideProperty NonMusicalPaperColumn.line-break-system-details
  #'((Y-offset . 40))

\overrideProperty NonMusicalPaperColumn.line-break-system-details
  #'((X-offset . 20)
     (Y-offset . 40))

\overrideProperty NonMusicalPaperColumn.line-break-system-details
  #'((alignment-distances . (15)))

\overrideProperty NonMusicalPaperColumn.line-break-system-details
  #'((X-offset . 20)
     (Y-offset . 40)
     (alignment-distances . (15)))

これらの異なる設定がそれぞれどのように機能するのかを理解するために、まったく上書きを含まない例を見ることから始めます。

\header { tagline = ##f }
\paper { left-margin = 0\mm }
\book {
  \score {
    <<
      \new Staff <<
        \new Voice {
          s1*5 \break
          s1*5 \break
          s1*5 \break
        }
        \new Voice { \repeat unfold 15 { c'4 c' c' c' } }
      >>
      \new Staff {
        \repeat unfold 15 { d'4 d' d' d' }
      }
    >>
  }
}

[image of music]

この楽譜は改行/改ページ情報を専用のボイスに孤立させています。この改行/改ページ用のボイスを作成するテクニックは、例がより複雑になっていくときに、レイアウトと音楽入力を分離することを助けてくれます。改行/改ページ を参照してください。

明示的な \breaks を使うことで、音楽を 1 行あたり 5 小節に分割しています。垂直方向のスペースは LilyPond のデフォルトですが、各システムの垂直方向の開始位置が、NonMusicalPaperColumn グラフィカル オブジェクトの line-break-system-details 属性の中にある Y-offset により明示的にセットされています。

\header { tagline = ##f }
\paper { left-margin = 0\mm }
\book {
  \score {
    <<
      \new Staff <<
        \new Voice {
          \overrideProperty Score.NonMusicalPaperColumn.line-break-system-details
            #'((Y-offset . 0))
          s1*5 \break
          \overrideProperty Score.NonMusicalPaperColumn.line-break-system-details
            #'((Y-offset . 40))
          s1*5 \break
          \overrideProperty Score.NonMusicalPaperColumn.line-break-system-details
            #'((Y-offset . 60))
          s1*5 \break
        }
        \new Voice { \repeat unfold 15 { c'4 c' c' c' } }
      >>
      \new Staff {
        \repeat unfold 15 { d'4 d' d' d' }
      }
    >>
  }
}

[image of music]

line-break-system-details は潜在的に多くの値を持つ連想リストをとりますが、ここでは値を 1 つだけしかセットしていないということに注意してください。また、ここでは Y-offset プロパティは、各システムがページに描画される垂直方向の位置を決定しているということにも注意してください。

Y-offsetX-offset を用いて絶対位置を指定することができる一方、line-break-system-detailsextra-offset プロパティを用いて、相対位置を指定することもできます。この時、位置はデフォルトあるいは X-offsetY-offset によって絶対的に指定された位置からの相対的なものになります。extra-offset は、X 軸、Y 軸のオフセットからなる ペア を受け入れます。

\header { tagline = ##f }
\paper { left-margin = 0\mm }
\book {
  \score {
    <<
      \new Staff <<
        \new Voice {
          s1*5 \break
          \overrideProperty Score.NonMusicalPaperColumn.line-break-system-details
            #'((extra-offset . (0 . 10)))
          s1*5 \break
          \overrideProperty Score.NonMusicalPaperColumn.line-break-system-details
            #'((extra-offset . (0 . 10)))
          s1*5 \break
        }
        \new Voice { \repeat unfold 15 { c'4 c' c' c' } }
      >>
      \new Staff {
        \repeat unfold 15 { d'4 d' d' d' }
      }
    >>
  }
}

[image of music]

これまでに各システムの垂直方向の開始位置を明示的に設定しましたが、各システム内部の各譜の垂直方向の開始位置を手動で設定することも可能です。line-break-system-details のサブプロパティ alignment-offsets を用います。

\header { tagline = ##f }
\paper { left-margin = 0\mm }
\book {
  \score {
    <<
      \new Staff <<
        \new Voice {
          \overrideProperty Score.NonMusicalPaperColumn.line-break-system-details
            #'((Y-offset . 20)
               (alignment-distances . (10)))
          s1*5 \break
          \overrideProperty Score.NonMusicalPaperColumn.line-break-system-details
            #'((Y-offset . 60)
               (alignment-distances . (15)))
          s1*5 \break
          \overrideProperty Score.NonMusicalPaperColumn.line-break-system-details
          #'((Y-offset . 85)
             (alignment-distances . (20)))
          s1*5 \break
        }
        \new Voice { \repeat unfold 15 { c'4 c' c' c' } }
      >>
      \new Staff {
        \repeat unfold 15 { d'4 d' d' d' }
      }
    >>
  }
}

[image of music]

ここでは NonMusicalPaperColumn グラフィカル オブジェクトのline-break-system-details 属性に 2 つの値を代入しているということに注意してください。line-break-system-details 属性の連想配列はもっと多くのスペース パラメータ (例えば、Y-offset ペアに相当する X-offset ペア) を受け付けますが、システムと譜の垂直方向の開始地点を制御するのに必要な設定は、Y-offset ペアと alignment-offsets ペアだけです。 最後に、alignment-offsets は譜の垂直方向の位置を指定するのであり、譜グループの位置を指定するわけではないということに注意してください。

\header { tagline = ##f }
\paper { left-margin = 0\mm }
\book {
  \score {
    <<
      \new Staff <<
        \new Voice {
          \overrideProperty Score.NonMusicalPaperColumn.line-break-system-details
            #'((Y-offset . 0)
               (alignment-distances . (30 10)))
          s1*5 \break
          \overrideProperty Score.NonMusicalPaperColumn.line-break-system-details
            #'((Y-offset . 60)
               (alignment-distances . (10 10)))
          s1*5 \break
          \overrideProperty Score.NonMusicalPaperColumn.line-break-system-details
            #'((Y-offset . 100)
               (alignment-distances . (10 30)))
          s1*5 \break
        }
        \new Voice { \repeat unfold 15 { c'4 c' c' c' } }
      >>
      \new StaffGroup <<
        \new Staff { \repeat unfold 15 { d'4 d' d' d' } }
        \new Staff { \repeat unfold 15 { e'4 e' e' e' } }
      >>
    >>
  }
}

[image of music]

考慮すべき点がいくつかあります:

  • alignment-offsets を使用する場合、歌詞と他の譜ではない行は譜としてカウントされません。
  • X-offset, Y-offset, extra-offset, alignment-offsets に渡される数の単位は、譜線間隔の倍数と解釈されます。正の値は譜と歌詞を下または右に移動させ、負の値は譜と歌詞を上または左に移動させます。
  • ここで扱った NonMusicalPaperColumn.line-break-system-details 設定は譜とシステムを任意の場所に配置することを可能にするため、紙面領域やマージン領域を犯したり、他の譜やシステムの上に譜刻する可能性さえあります。これらの設定に適切な値を渡すことで、そのようなことは避けられます。

参照

コード断片集: Spacing


4.4.3 垂直方向の衝突回避

直観的に、音楽記譜には譜に属するオブジェクトと、譜の外側に配置されるべきオブジェクトがあります。譜の外側に属するオブジェクトには、リハーサル記号、テキスト、それに強弱記号などがあります (これからは、それらを譜外部オブジェクトと呼びます)。LilyPond が譜外部オブジェクトの垂直方向の配置を決定するとき、譜外部オブジェクトをできる限り譜の近くに、しかしながら、他のオブジェクトと衝突しない程度の近さに配置します。

LilyPond は outside-staff-priority プロパティを用いてあるグラフィカル オブジェクトが譜外部オブジェクトかどうかを決定します: outside-staff-priority が数であれば、そのグラフィカル オブジェクトは譜外部オブジェクトです。さらに、outside-staff-priority は LilyPond に、そのグラフィカル オブジェクトを配置する順番を教えてくれます。

まず最初にに、LilyPond は譜外部オブジェクトには属さないオブジェクトをすべて配置します。次に、譜外部オブジェクトを outside-staff-priority に従って (昇順に) ソートします。LilyPond は譜外部オブジェクトを、既に配置済みのオブジェクトと衝突しないよう、一つずつ配置していきます。つまり、2 つの譜外部オブジェクトが同じスペースをめぐって競合する場合、より小さな outside-staff-priority を持つオブジェクトが譜の近くに配置されます。

\relative c'' {
  c4_"Text"\pp
  r2.
  \once \override TextScript.outside-staff-priority = #1
  c4_"Text"\pp % ここでは、テキストが譜の近くに配置されます
  r2.
  % outside-staff-priority に数ではない値を設定することにより、
  % 自動衝突回避を無効にします
  \once \override TextScript.outside-staff-priority = ##f
  \once \override DynamicLineSpanner.outside-staff-priority = ##f
  c4_"Text"\pp % ここでは、2 つのオブジェクトが衝突します
}

[image of music]

譜外部オブジェクト周りの垂直方向のパディングは、 outside-staff-padding でコントロールできます。

\relative {
  \once \override TextScript.outside-staff-padding = #0
  a'4-"outside-staff-padding = #0"
  \once \override TextScript.outside-staff-padding = #3
  d-"outside-staff-padding = #3"
  c-"default outside-staff-padding"
  b-"default outside-staff-padding"
  R1
}

[image of music]

デフォルトでは、譜外部オブジェクトの配置は、配置済みのグラフィカル オブジェクトとの水平方向の衝突を回避するように配置されます。このことは、オブジェクト同士が水平方向に近く配置される状況を招く可能性があります。下の例にあるように、outside-staff-horizontal-padding をセットすることで、必要な水平方向のスペースを増やしています。また、この例では、テキストが加線に近づきすぎないように上方向に移動しています。

\relative {
  c''4^"Word" c c''2
  R1
  \once \override TextScript.outside-staff-horizontal-padding = #1
  c,,4^"Word" c c''2
}

[image of music]

参照

コード断片集: Spacing


4.5 水平方向のスペース


4.5.1 水平方向のスペースの概要

スペース エンジンは異なる演奏時間を異なる長さの可変距離 (‘スプリング’) に翻訳します。長い演奏時間はより多くのスペースをとり、短い演奏時間はより少ないスペースをとります。最短の演奏時間は固定量のスペース (これは SpacingSpanner オブジェクトの中にある shortest-duration-space によって制御されます) をとります。演奏時間が長くなるほど、より多くのスペースをとります: 演奏時間が倍になると、 spacing-increment 分のスペースがその音符に付け加えられます。

例えば、以下の楽曲には多くの 2 分音符、4 分音符、それに 8 分音符が含まれています。 8 分音符の後には符頭幅 (NHW) 1 つ分が挿入されます。4 分音符の後には 2 NHW が挿入され、2 分音符の後には 3 NHW が挿入されます。

\relative c' {
  c2 c4. c8
  c4. c8 c4. c8
  c8 c c4 c c
}

[image of music]

通常、spacing-increment は 1.2 譜スペースに設定されています。これは符頭の幅とだいたい同じです。さらに、shortest-duration-space は 2.0 に設定されています。つまり、最短の音符は 2.4 譜スペース (spacing-increment の 2 倍) の水平方向のスペースをとります。このスペースはシンボルの左端からカウントされます。そのため、最短の音符の後には一般に 1 NHW のスペースが挿入されます。

上記の手順に正確に従った場合、8 分音符や 16 分音符を含む楽譜に 32 分音符を 1 つ付け加えると、楽譜全体が大きく引き伸ばされます。最短の音符はもはや 16 分音符ではなく、32 分音符であり、それぞれの 16 分音符に 1 NHW が付け加えられます。このことを防ぐため、スペースをとるための最短の演奏時間を、その楽譜の中にある最短の音符ではなく、最も頻繁に出現する音符とします。

最も共通する最短演奏時間は以下のように決定されます: 各小節において、最短の演奏時間が決定されます。スペースの基本として、最も共通する最短演奏時間が選択されます。条件として、この最短演奏時間は常に 8 分音符以上の長さになります。

この演奏時間はカスタマイズすることもできます。SpacingSpanner の中にある common-shortest-duration を設定した場合、スペースのための基本演奏時間が設定されれます。この基本演奏時間の最大値 (通常、8 分音符) は、base-shortest-duration によって設定されます。

共通の最短音符よりも短い音符の後には、その音符の演奏時間と共通の最短音符の演奏時間の比を反映したスペースが付けられます。そのため、上記の例に 16 分音符を数個付け加えた場合、16 分音符の後には NHW の半分の幅のスペースが付けられます:

\relative { c''2 c4. c8 | c4. c16[ c] c4. c8 | c8 c c4 c c }

[image of music]

Essay on automated music engraving で説明したように、符幹の向きはスペーシングに影響し (Optical spacing を参照してください)、またそれは (Voice コンテキスト毎に生成される) NoteSpacing オブジェクトの stem-spacing-correction プロパティで調整することができます。

StaffSpacing オブジェクト (Staff コンテキストで生成されます) は、符幹や小節線のスペーシングと同じプロパティを持ちます。

次の例ではそのことを示しています。前者はデフォルトの設定で、後者は修正を誇張しています:

[image of music]

プロポーショナル ノーテーション (proportional notation) がサポートされます。プロポーショナル ノーテーション を参照してください。

参照

Essay on automated music engraving: Optical spacing

コード断片集: Spacing

内部リファレンス: SpacingSpanner, NoteSpacing, StaffSpacing, NonMusicalPaperColumn

既知の問題と警告

スペースを手動で上書きするための、手軽な仕組みはありません。余分なスペースを楽譜に挿入するために、以下の手段があります – 必要に応じて、パディングの値を調整しています。

 \override Score.NonMusicalPaperColumn.padding = #10

スペースを減らすための手段はありません。


4.5.2 新しいスペース セクション

newSpacingSection コマンドで、異なるスペーシング設定を持った新たなセクションを始めることができます。これは、音符の‘長い’/‘短い’について観念が異なるセクションがある場合に有用です。\newSpacingSection コマンドは、その時点に新しい SpacingSpanner を作り出します。

次の例では、拍子記号が変化したところで新たなセクションを作り出しています。そして、16 分音符の間隔が自動的に少し広がっています。

\relative c' {
  \time 2/4
  c4 c8 c
  c8 c c4 c16[ c c8] c4
  \newSpacingSection
  \time 4/16
  c16[ c c8]
}

[image of music]

自動的なスペース調整が要求に合わない場合は、手動で \overrideSpacingSpanner のプロパティに適用することができます。これらは、\newSpacingSection コマンドそのものと同じ音楽タイミングで適用される必要があり、それに続く音楽から新たなスペース セクションでプロパティが変更されるまでの間のスペースに影響します。例を示します:

\relative c' {
  \time 4/16
  c16[ c c8]
  \newSpacingSection
  \override Score.SpacingSpanner.spacing-increment = #2
  c16[ c c8]
  \newSpacingSection
  \revert Score.SpacingSpanner.spacing-increment
  c16[ c c8]
}

[image of music]

参照

コード断片集: Spacing

内部リファレンス: SpacingSpanner


4.5.3 水平方向のスペースを変更する

水平方向のスペースを、base-shortest-duration で変更することができます。ここで、同じ音楽を比較します。1 つではこのプロパティを変更せず、もう 1 つでは変更します。ly:make-moment の値が大きくなると、楽譜は小さくなります。ly:make-moment は演奏時間を構成するため、1/41/16 よりも長い演奏時間であるということに注意してください。

\score {
  \relative {
    g'4 e e2 | f4 d d2 | c4 d e f | g4 g g2 |
    g4 e e2 | f4 d d2 | c4 e g g | c,1 |
    d4 d d d | d4 e f2 | e4 e e e | e4 f g2 |
    g4 e e2 | f4 d d2 | c4 e g g | c,1 |
  }
}

[image of music]

\score {
  \relative {
    g'4 e e2 | f4 d d2 | c4 d e f | g4 g g2 |
    g4 e e2 | f4 d d2 | c4 e g g | c,1 |
    d4 d d d | d4 e f2 | e4 e e e | e4 f g2 |
    g4 e e2 | f4 d d2 | c4 e g g | c,1 |
  }
  \layout {
    \context {
      \Score
      \override SpacingSpanner.base-shortest-duration = \musicLength 16
    }
  }
}

[image of music]


連符を均等に割り付ける

デフォルトでは、連符のスペースは演奏時間とは関係の無い要素 (臨時記号、音部記号の変化など) に依存します。そのような記号を無視して、同じ演奏時間に等しいスペースを割り当てるには、Score.SpacingSpanner.uniform-stretching を使用します。このプロパティは、楽譜の先頭でのみ、変更することができます。

\score {
  <<
    \new Staff \relative c' {
      \tuplet 5/4 { c8 c c c c } c8 c c c
    }
    \new Staff \relative c' {
      c8 c c c \tuplet 5/4 { c8 c c c c }
    }
  >>
  \layout {
    \context {
      \Score
      \override SpacingSpanner.uniform-stretching = ##t
    }
  }
}

[image of music]


厳密な音符のスペーシング

strict-note-spacing がセットされている場合、音部記号、小節線、それに装飾小音符を考慮せずに、音符にスペースが割り当てられます。

\override Score.SpacingSpanner.strict-note-spacing = ##t
\new Staff \relative {
  c''8[ c \clef alto c \grace { c16 c } c8 c c]  c32[ c] }

[image of music]

参照

コード断片集: Spacing


4.5.4 行の幅

スペースに影響を与える最も基本的な設定は、indentline-width です。これらは \layout ブロックの中で設定されます。これらの設定は、楽譜の最初の行のインデントと、行の長さを制御します。

\layout ブロックの中で ragged-right が真にセットされている場合、システムは行全体を埋めるように水平方向に引き伸ばされず、本来の長さで終了します。これは、小さな楽譜の場合や、本来のスペースがどれくらいの密度なのかをチェックする場合に有用です。通常のデフォルト設定は偽ですが、1 つしかシステムを持たない楽譜の場合のデフォルト値は真です。

ragged-last オプションは ragged-right に似ていますが、楽曲の最後の行だけに影響を与えます。最後の行には、何の制限も加えられません。この結果は、文章の段落をフォーマットする場合と同じです。文章の段落において、最後の行は単純にそのままの長さにフォーマットされます。

\layout {
  indent = #0
  line-width = #150
  ragged-last = ##t
}

参照

コード断片集: Spacing


4.5.5 プロポーショナル ノーテーション

LilyPond はプロポーショナル ノーテーションをサポートします。この記譜法では、各音符は演奏時間に相当する水平方向のスペースをとります。このタイプの水平スペースは、方眼紙上の水平方向スペースと同等です。20 世紀後半、21 世紀前半の楽譜の中には、複雑なリズムをわかりやすく示すため、あるいは、時間軸や他の図の配置を容易にするために、プロポーショナル ノーテーションを使っているものがあります。

LilyPond はプロポーショナル ノーテーション用に 5 つの設定をサポートします。それらの設定は一緒に使われることもありますし、単独で使われることもあります:

  • proportionalNotationDuration
  • uniform-stretching
  • strict-note-spacing
  • \remove Separating_line_group_engraver
  • \override PaperColumn.used = ##t

以下の例では、これら 5 つのプロポーショナル ノーテーション用の設定を見ていき、それらがどのように相互に作用するかを調べます。

以下のような 1 小節の例から始めます。これは、ragged-right が ON であり、クラシック音楽でのスペースを使用します。

\score {
  <<
    \new RhythmicStaff {
      c2 16 16 16 16 \tuplet 5/4 { 16 16 16 16 16 }
    }
  >>
}

[image of music]

小節の始まりに配置された 2 分音符がその小節で占める水平方向のスペースは、半分よりもずっと少ないということに注意してください。そのため、小節の後半に配置された 16 分音符と、16 分音符からなる 5 連符 (すなわち、20 分音符) がその小節で占める水平方向のスペースは、半分よりもずっと多くなっています。

クラシック音楽の譜刻では、このスペースのとり方が望ましいかもしれません。なぜなら、2 分音符から水平方向のスペースを借りてきて、小節全体としてスペースを維持することができるからです。

他方で、時間軸や他の図を楽譜の上または下に挿入しようとした場合、プロポーショナル ノーテーションが必要になります。proportionalNotationDuration 設定でプロポーショナル ノーテーションを有効にします。

\score {
  <<
    \new RhythmicStaff {
      c2 16 16 16 16 \tuplet 5/4 { 16 16 16 16 16 }
    }
  >>
 \layout {
    \context {
      \Score
      proportionalNotationDuration = \musicLength 1*1/20
    }
  }
}

[image of music]

今度は、小節の前半に配置された 2 分音符と、後半に配置された短い音符の集まりが占める水平方向のスペースは等しくなりました。これで、この例の上または下に、時間軸や他の図を配置することが可能になりました。

proportionalNotationDuration 設定は、Score の中にあるコンテキスト設定です。入力ファイルの中でコンテキスト設定が出現するのは、3 つの場所のどれかだということを思い出してください – \with ブロックの中、\context ブロックの中、あるいは、\set コマンドを前に置いた形で音楽エントリの中に直接配置します。他のすべてのコンテキスト設定と同様に、ユーザはこれら 3 つの場所のどれか 1 つを選択して、そこで proportionalNotationDuration をセットすることができます。

proportionalNotationDuration 設定は引数を 1 つとります。これはすべての音楽要素へのスペースに関係する参照演奏時間です。LilyPond Scheme 関数 make-moment は 2 つの引数をとります – 全音符の分数を表す分子と分母です。それゆえ、(ly:make-moment 1/20) という呼び出しは、20 分音符の参照演奏時間となります。(ly:make-moment 1/16), (ly:make-moment 1/8), それに (ly:make-moment 3/97) という値はすべてとり得る値です。

では、どのように proportionalNotationDuration に渡す適切な参照演奏時間を決めるのでしょうか?通常、その楽曲の最速 (あるいは最小) の演奏時間に近い演奏時間から始めて、トライ&エラーで決めます。小さな参照演奏時間にすると疎な楽譜となり、大きな参照演奏時間にすると密な楽譜になります。

\score {
  <<
    \new RhythmicStaff {
      c2 16 16 16 16 \tuplet 5/4 { 16 16 16 16 16 }
    }
  >>
  \layout {
    \context {
      \Score
      proportionalNotationDuration = \musicLength 8
    }
  }
}

\score {
  <<
    \new RhythmicStaff {
      c2 16 16 16 16 \tuplet 5/4 { 16 16 16 16 16 }
    }
  >>
  \layout {
    \context {
      \Score
      proportionalNotationDuration = \musicLength 16
    }
  }
}

\score {
  <<
    \new RhythmicStaff {
      c2 16 16 16 16 \tuplet 5/4 { 16 16 16 16 16 }
    }
  >>
  \layout {
    \context {
      \Score
      proportionalNotationDuration = \musicLength 32
    }
  }
}

[image of music]

8 分音符以上などのようなあまりにも大きな演奏時間にすると、楽譜が密になりすぎて、符頭の衝突が発生する可能性があるということに注意してください。さらに、一般にプロポーショナル ノーテーションはクラシック音楽のスペースよりも多くの水平方向スペースをとるということに注意してください。プロポーショナル ノーテーションは、多くの水平方向スペースを使うことで、明快なリズムを提供します。

次に、重複する連符に最適なスペースを割り当てる方法を検証します。

まず、クラシック音楽のスペースで、異なるタイプの連符を付け加えたときに、何が起こるかを見ていきます。

\score {
  <<
    \new RhythmicStaff {
      c2 16 16 16 16 \tuplet 5/4 { 16 16 16 16 16 }
    }
    \new RhythmicStaff {
      \tuplet 9/8 { c8 8 8 8 8 8 8 8 8 }
    }
  >>
}

[image of music]

このスペースのとり方は良くありません。なぜなら、下の譜の音符の間隔が一様ではないからです。クラシック音楽の譜刻には複雑な連符はほとんど含まれないため、クラシック音楽の譜刻規則はこのような結果を生み出す可能性があります。proportionalNotationDuration を設定することにより、この状況はかなり修正されます。

\score {
  <<
    \new RhythmicStaff {
      c2 16 16 16 16 \tuplet 5/4 { 16 16 16 16 16 }
    }
    \new RhythmicStaff {
      \tuplet 9/8 { c8 8 8 8 8 8 8 8 8 }
    }
  >>
  \layout {
    \context {
      \Score
      proportionalNotationDuration = \musicLength 1*1/20
    }
  }
}

[image of music]

しかしながら、注意深く見ると、9 連符の後半の音符の間隔が、前半の音符の間隔よりもわずかに広くなっています。間隔を一様にするため、SpacingSpanner のプロパティである uniform-stretching を ON にします。

\score {
  <<
    \new RhythmicStaff {
      c2 16 16 16 16 \tuplet 5/4 { 16 16 16 16 16 }
    }
    \new RhythmicStaff {
      \tuplet 9/8 { c8 8 8 8 8 8 8 8 8 }
    }
  >>
  \layout {
    \context {
      \Score
      proportionalNotationDuration = \musicLength 1*1/20
      \override SpacingSpanner.uniform-stretching = ##t
    }
  }
}

[image of music]

今度は、適切にスペースが割り当てられました。リズムは視覚的に明快になり、必要があれば時間軸や図を挿入することができます。

LilyPond のプロポーショナル ノーテーション パッケージは、すべてのプロポーショナルな楽譜は SpacingSpanner'uniform-stretching 属性が ##t に設定されているものと見なします。SpacingSpanner'uniform-stretching 属性が ##t に設定されずに、proportionalNotationDuration が設定されると、例えば、スキップ (空白音符) の水平方向のスペースが適切に割り当てられません。

SpacingSpannerScore コンテキストの中にある抽象的なグラフィカル オブジェクトです。proportionalNotationDuration の設定と一緒に、SpacingSpanner をオーバライドする場所は、入力ファイルの 3 つの場所のいずれかになります – Score \with ブロックの中、Score \context ブロックの中、あるいは音符入力の場所に直接配置するかです。

デフォルトでは、Score ごとに SpacingSpanner が 1 つあります。つまり、デフォルトでは、uniform-stretching は楽譜全体で ON であるか、OFF であるかのどちらかであるということです。しかしながら、この振る舞いをオーバライドして、楽譜内の異なる場所で異なるスペース機能を設定することができます。これを実現するには、コマンド \newSpacingSection を用います。更なる情報は、新しいスペース セクション を参照してください。

次に、Separating_line_group_engraver の効果を検証し、なぜプロポーショナルな楽譜は頻繁にこのエングラーバを削除するのかを見ていきます。以下の例は、各システムの最初の音符の直前に小さな “前置きの” スペースがあることを示しています。

\paper {
  indent = #0
}

\new Staff {
  c'1
  \break
  c'1
}

[image of music]

この前置きのスペースの量は、前にあるのが拍子記号、調号、あるいは音部記号のいずれであっても、同じです。Separating_line_group_engraver はこのスペースに責任を負います。Separating_line_group_engraver を削除すると、このスペースはゼロになります。

\paper {
  indent = #0
}

\new Staff \with {
  \remove Separating_line_group_engraver
} {
  c'1
  \break
  c'1
}

[image of music]

拍子記号、調号、音部記号、それに臨時記号のような非音楽要素は、プロポーショナル ノーテーションでは問題になります。これらはすべて演奏時間を持ちません。しかしながら、これらはすべて水平方向のスペースを消費します。この問題に対して、プロポーショナルな楽譜はいくつかの異なるアプローチをとります。

調号のスペースの問題は、調号を持たないことで回避できるかもしれません。これは有効な選択肢です。なぜなら、たいていのプロポーショナルな楽譜は現代音楽だからです。拍子記号についても同じことが言えるかもしれません。時間軸や他の図を持つ楽譜であれば特にそうです。しかしながら、そのような楽譜は例外的なものであり、たいていのプロポーショナルな楽譜は少なくともいくつかの拍子記号を持ちます。さらに、音部記号と臨時記号はより必須のものです。

それでは、プロポーショナルなコンテキストにおける非音楽要素のスペースに対してどのような解決法が存在するのでしょうか?とり得る選択肢の 1 つに、SpacingSpannerstrict-note-spacing プロパティがあります。以下の 2 つの楽譜を比べてください:

\new Staff {
  \set Score.proportionalNotationDuration = \musicLength 16
  c''8 8 8 \clef alto d'2 2
}

\new Staff {
  \set Score.proportionalNotationDuration = \musicLength 16
  \override Score.SpacingSpanner.strict-note-spacing = ##t
  c''8 8 8 \clef alto d'2 2
}

[image of music]

どちらの楽譜もプロポーショナルです。しかしながら、最初の楽譜は音部変更があるため広がりすぎています。2 番目の楽譜は、strict-note-spacing を ON にしているため、プロポーショナルな間隔を維持しています。strict-note-spacing を ON にすると、拍子記号、調号、音部記号、それに臨時記号の幅は、スペース アルゴリズムの中で何の役割も果たさなくなります。

この設定に加えて、他にもプロポーショナルな楽譜で頻出する設定があります。以下のような設定です:

  • \override SpacingSpanner.strict-grace-spacing = ##t
  • \set tupletFullLength = ##t
  • \override Beam.breakable = ##t
  • \override Glissando.breakable = ##t
  • \override TextSpanner.breakable = ##t
  • \remove Forbid_line_break_engraver in the Voice context

これらの設定は、装飾小音符のスペースを厳密にし、連譜の囲みをリズム的な開始点、終了点まで拡張し、(連桁のような) 広がりを持つ要素が、システムやページが改まるときに中断されることを許可します。これらの設定について、本書の関連パートを参照してください。

参照

記譜法リファレンス: 新しいスペース セクション

コード断片集: Spacing


4.6 音楽を少ないページに収める

ときどき、譜の 1 つ、2 つが 2 番目 (あるいは、3 番目、4 番目…) のページに配置されてしまうことがあります。これは腹立たしいことです – 特に、前のページに十分なスペースがあるように見える場合は。

レイアウトの問題を解決しようとしている時、annotate-spacing は何にも代え難いツールです。このコマンドはさまざまなレイアウト スペース変数の値を表示します。詳細は以下のセクション スペースを表示する を参照してください。


4.6.1 スペースを表示する

ページ フォーマットのために変更される可能性がある、垂直方向のレイアウト変数の値を表示させるには、\paper ブロックの中で annotate-spacing をセットします:

\book {
  \score { { c4 } }
  \paper { annotate-spacing = ##t }
}

[image of music]

すべてのレイアウト値は、\paper ブロックや \layout ブロックの中で指定された単位とは無関係に、譜スペースで表示されます。上の例では、paper-height の値は 59.75 譜スペース であり、staff-size は 20 ポイント (デフォルト値) です。以下のことに注意してください:

1 ポイント= (25.4/72.27) mm
1 譜スペース= (staff-size)/4 ポイント
= (staff-size)/4 * (25.4/72.27) mm

この場合、1 譜スペースは約 1.757mm です。それゆえ、59.75 譜スペースである paper-height は 105mm であり、横置きの A6 紙の高さと同じです。ペア (a,b) は間隔を表します。a は間隔の下端を、b は上端を表します。

参照

記譜法リファレンス: 譜サイズを設定する

コード断片集: Spacing


4.6.2 スペースを変更する

annotate-spacing の出力は、垂直方向のレイアウト変数の値を詳細に取得します。マージンや他のレイアウト変数を変更することについての詳細は、ページ レイアウト を参照してください。

マージン以外にも、スペースを節約するための選択肢がいくつかあります:

  • (1 ページにできるだけ多くのシステムを収めるために) スペースがある限り、システムを可能な限り近寄せる。それにより、ページの下部に空きスペースが無くなります。
    \paper {
      system-system-spacing = #'((basic-distance . 0.1) (padding . 0))
      ragged-last-bottom = ##f
      ragged-bottom = ##f
    }
    
  • システム数を設定する。これは 2 つの意味でスペースを節約します。システム数を設定することで、たとえそれがデフォルト値であっても、各ページにより多くのシステムを収めることができる場合があります。なぜなら、見積もりのステップが迂回され、より正確な適合が得られるからです。さらに、システム数を減らすことで、より多くのページを節約できる場合があります。例えば、デフォルトのレイアウトが 11 システムである場合、以下の指定により、レイアウトは強制的に 10 システムに収められます。
    \paper {
      system-count = #10
    }
    
  • 強制的にページ数を設定する。例えば、以下の設定は強制的に 2 ページにレイアウトさせます。
    \paper {
      page-count = #2
    }
    
  • オブジェクトがシステムの垂直方向のサイズを増加させるのを避ける (あるいは減らす)。例えば、入れ替えの繰り返しの最後に用いる volta 囲みは余分なスペースを必要とします。これらの囲みが 2 つのシステムに広がっている場合、同じシステムにある場合よりも多くのスペースをとります。別の例では、システムから突き出ている強弱記号を譜に近づけることで、スペースを節約することができます:
    \relative e' {
      e4 c g\f c
      e4 c g-\tweak X-offset #-2.7 \f c
    }
    

    [image of music]

  • SpacingSpanner 経由で水平方向のスペースを変更する。詳細は、水平方向のスペースを変更する を参照してください。以下の例は、デフォルトをスペースを示しています:
    \score {
      \relative {
        g'4 e e2 |
        f4 d d2 |
        c4 d e f |
        g4 g g2 |
        g4 e e2 |
      }
    }
    

    [image of music]

    次の例では、common-shortest-duration の値を 1/4 から 1/2 に変更しています。この例では、4 分音符が最も共通で、最短の演奏時間です。そのため、common-shortest-duration を長くすることで ‘詰め込む’ 効果を得られます:

    \score {
      \relative {
        g'4 e e2 |
        f4 d d2 |
        c4 d e f |
        g4 g g2 |
        g4 e e2 |
      }
      \layout {
        \context {
          \Score
          \override SpacingSpanner.common-shortest-duration =
            \musicLength 2
        }
      }
    }
    

    [image of music]

    common-shortest-duration プロパティを動的に変更することはできません。そのため、このプロパティは常に \context ブロックの中に配置して、楽譜全体に適用されるようにする必要があります。

参照

記譜法リファレンス: ページ レイアウト, 水平方向のスペースを変更する

コード断片集: Spacing


5 デフォルトを変更する

LilyPond はデフォルトで最高品質の出力を提供できるよう設計されています。それにもかかわらず、デフォルトのレイアウトを変更する必要が発生する場合もあります。レイアウトは、‘プロパティ’ と呼ばれる多数の ‘つまみとスイッチ’ によって制御されています。これらのプロパティにアクセスし、変更するための手引は学習マニュアルの中にあります – 出力を調整する を参照してください。まずはこれを読むべきです。本章は同様の内容をカバーしていますが、よりリファレンス マニュアルに適したスタイルで提供します。

調整のために利用できる制御の定義についての説明は、別のドキュメントの中にあります: 内部リファレンス です。このマニュアルは利用可能なすべての変数、関数、それにオプションをリストアップしています。これは HTML ドキュメントとして記述されていて、オンライン で入手可能であり、LilyPond ドキュメント パッケージにも含まれています。

内部的には、LilyPond は Scheme (LISP 派生語) を用いて機能を提供しています。レイアウトについての決定をオーバライドすることは、プログラムの内部にアクセスすることであり、Scheme 入力が必要になります。Scheme の要素は、.ly の中で、ハッシュ記号 # を付けて記述します。1


5.1 コンテキストを理解する

このセクションでは、コンテキストとは何なのか、それをどのように変更するのかについて説明します。

参照

学習マニュアル: コンテキストとエングラーバ

インストールされているファイル: ly/engraver-init.ly, ly/performer-init.ly

コード断片集: Contexts and engravers

内部リファレンス: Contexts, Engravers and Performers


5.1.1 コンテキストの説明

コンテキストは階層的に配置されます:


出力定義 - コンテキストの青写真

このセクションでは、コンテキストを扱う際の出力定義との関連について説明します。実際の出力定義の例については、後で提示します (同じタイプの全コンテキストを変更する を参照してください)。

ファイルに記述される音楽は、コンテキストの種類や名前を参照しますが、コンテキストが作成されるのは、音楽が実際に解釈される時です。LilyPond は‘出力定義’に基づいて音楽を解釈し、異なる出力定義は異なる出力をもたらします。楽譜の見た目の出力に関係する出力定義は \layout で指定します。

MIDI 出力を作り出すのに使われる出力定義はもっと単純で、\midi によって指定されます。他の出力定義も LilyPond では内部的に使用されます。例えばパートを結合する出力定義 (自動パート結合) や音楽の引用を作り出す出力定義 (他のボイスを引用する) などです。

出力定義は、各コンテキストのデフォルトの設定だけでなく、コンテキスト同士の関係も定義します。多くの変更は通常 \layout ブロックで行われますが、MIDI に関係した設定は \midi ブロックで変更された場合にのみ効果があります。

いくつかの設定は複数の出力に効果があります: 例えば、autoBeaming があるコンテキストでオフになった場合、歌詞音節の自動演奏時間 で説明しているように、連桁は歌詞を音楽に合わせるためのメリスマとして扱われます。この位置合わせは見た目の出力だけでなく MIDI 出力でも行われます。autoBeaming\layout ブロックの出力定義内で変更されており、しかし対応する \midi ブロックでは変更されていない場合、MIDI では歌詞と音楽が一致しなくなります。

参照

インストールされているファイル: ly/engraver-init.ly, ly/performer-init.ly


Score - すべてのコンテキストのマスタ

これは最上位の記譜コンテキストです。他のコンテキストが Score コンテキストを保持することはできません。デフォルトでは、Score コンテキストが拍子記号の管理を扱い、音部記号、拍子記号、調号などのアイテムが譜間で揃っていることを保証します。

Score コンテキストは、\score {…} ブロックが処理されたときに暗黙的にインスタンス化されます。


上位コンテキスト - 譜コンテナ

StaffGroup

譜をグループ化して、左端に角括弧を付けます。このコンテキストに保持されている譜の小節線は垂直につながります。StaffGroup は譜のコレクション、それに左端の角括弧と延長された小節線だけを保持します。

ChoirStaff

保持されている譜の小節線が垂直につながらないことを除けば、StaffGroup と同じです。

GrandStaff

譜をグループ化して、左端に波括弧を付けます。このコンテキストに保持されている譜の小節線は垂直につながります。

PianoStaff

GrandStaff と似ていますが、各システムの左端に楽器名を付けることができます。


中位コンテキスト - 譜

Staff

音部記号、小節線、調、臨時記号を扱います。このコンテキストは Voice コンテキストを保持することができます。

RhythmicStaff

Staff と似ていますが、リズムを表示するためのものです。ピッチは譜刻には無視され、音符は線として表示されます。MIDI 出力ではピッチは変更されません。

TabStaff

タブ譜を生成するためのコンテキストです。デフォルトでは、音楽表記を 6 線のギター タブ譜として配置します。

DrumStaff

打楽器の譜刻を扱います。DrumVoice を保持することができます。

VaticanaStaff

Staff と同じですが、グレゴリオ聖歌形式の楽曲を譜刻するためにデザインされている点が異なります。

MensuralStaff

Staff と同じですが、計量形式の楽曲を譜刻するためにデザインされている点が異なります。


下位コンテキスト - ボイス

Voice レベルのコンテキストはある特定のプロパティを初期化し、適切なエングラーバを開始させます。下位コンテキストは defaultchild を持たないコンテキストです。中にコンテキストを受け入れたり保持することはできますが、明示的に作成され入力される必要があります。

Voice

譜の上にあるボイスに相当します。このコンテキストは、強弱記号、符幹、連桁、上付き/下付き文字、タイ、それに休符の変換を扱います。1 つの譜に複数のボイスを配置する必要がある場合、ボイスを明示的にインスタンス化する必要があります。

VaticanaVoice

Voice と同じですが、グレゴリオ聖歌形式の楽曲を譜刻するためにデザインされている点が異なります。

MensuralVoice

Voice と同じですが、定量形式の楽曲を譜刻するためにデザインされている点が異なります。

Lyrics

歌詞を保持するボイスに相当します。単一行の歌詞の表示を扱います。

DrumVoice

打楽器譜で使用されるボイス コンテキストです。

FiguredBass

このコンテキストの中で、\figuremode モードで記述された入力から BassFigure オブジェクトが作成されます。

TabVoice

TabStaff コンテキスト内部で使用されるボイス コンテキストです。通常、暗黙的に作成されます。

CueVoice

小さなサイズの音符を描画するために使用されるボイス コンテキストです。主に合図音符を譜に付け加えることを目的としています。合図音符をフォーマットする を参照してください。通常、暗黙的に作成されます。

ChordNames

コード ネームを譜刻します。


5.1.2 コンテキストを作成して参照する

LilyPond は、適切なコンテキストが存在しないうちに音楽表記に遭遇すると、自動的に下位コンテキストを作成します。しかしながら、通常これは、シンプルな楽譜やドキュメントの中の楽譜断片のような単純な場合にしかうまくいきません。もっと複雑な楽譜の場合、すべてのコンテキストを \new コマンドや \context コマンドを用いて明示的に指定することをお勧めします。これら 2 つのコマンドの構文はほとんど同じです:

[\new | \context] Context [ = name] [music-expression]

ここで、\new\context のどちらかを使用します。Context は作成するコンテキストのタイプであり、name は作成されるコンテキストにオプションで付けることができる名前であり、music-expression はこのコンテキストのエングラーバとパフォーマによって処理される単一の音楽表記です。

コンテキスト名を持たない \new コマンドは一般的に複数の譜を持つ score を作成するのに用いられます:

<<
  \new Staff \relative {
    % 暗黙的に Voice コンテキストが作成されます
    c''4 c
  }
  \new Staff \relative {
    d''4 d
  }
>>

[image of music]

そして、1 つの譜に複数のボイスが配置されます:

\new Staff <<
  \new Voice \relative {
    \voiceOne
    c''8 c c4 c c
  }
  \new Voice \relative {
    \voiceTwo
    g'4 g g g
  }
>>

[image of music]

無名のコンテキストは常に \new で指定する必要があります。

\new\context は動作が異なります:

  • \new はコンテキスト名を持っているか、いないかにかかわらず、例え同じ名前を持つコンテキストが存在していたとしても、常に全く新たなコンテキストを作成します:
    \new Staff <<
      \new Voice = "A" \relative {
        \voiceOne
        c''8 c c4 c c
      }
      \new Voice = "A" \relative {
        \voiceTwo
        g'4 g g g
      }
    >>
    

    [image of music]

  • コンテキスト名を持つ \context は、階層、名前、それにタイプが同じコンテキストが存在しない場合にのみ、新たなコンテキスを作成します。存在する場合、\context はすでに作成されているコンテキストへの参照となり、音楽表記はそのコンテキストに渡されて処理されます。

    名前を持つコンテキストの用途の 1 つとして、楽譜レイアウトと音楽コンテンツを分離させることができます。以下の 2 つの形式はどちらも有効です:

    \score {
      <<
        % 楽譜レイアウト
        \new Staff <<
          \new Voice = "one" {
            \voiceOne
          }
          \new Voice = "two" {
            \voiceTwo
          }
        >>
    
        % 音楽コンテンツ
        \context Voice = "one" {
          \relative {
            c''4 c c c
          }
        }
        \context Voice = "two" {
          \relative {
            g'8 g g4 g g
          }
        }
      >>
    }
    

    [image of music]

    \score {
      <<
        % 楽譜レイアウト
        \new Staff <<
          \context Voice = "one" {
            \voiceOne
          }
          \context Voice = "two" {
            \voiceTwo
          }
        >>
    
        % 音楽コンテンツ
        \context Voice = "one" {
          \relative {
            c''4 c c c
          }
        }
        \context Voice = "two" {
          \relative {
            g'8 g g4 g g
          }
        }
      >>
    }
    

    [image of music]

    名前付きコンテキストの他の使用例として、2 つの音楽表記をつなげて 1 つのコンテキストにすることができます。以下の例では、アーティキュレーションと音符は別々に入力されています: 変数を用いても同じことができます。Organizing pieces with variables を参照してください。

  • コンテキスト名を持たない \context は、階層とタイプが一致するコンテキストのうち最初に作成されたものに適用され (例えそのコンテキストが名前を持っていたとしても適用されます)、音楽表記はそのコンテキストに渡されて処理されます。この形式が有用なことは稀です。しかしながら、コンテキスト名と音楽表記を持たない \context は、コンテキスト内で \applyContext で記述した Scheme プロシージャを実行させるのに用いられます:
    \new Staff \relative {
      c'1
      \context Timing
      \applyContext #(lambda (ctx)
                       (newline)
                       (display (ly:context-current-moment ctx)))
      c1
    }
    

後で参照するコンテキストには名前を付ける必要があります。例えば、歌詞を音楽に関連付けるような場合です:

\new Voice = "tenor" music
…
\new Lyrics \lyricsto "tenor" lyrics

歌詞を音楽に関連付ける方法についての詳細は 歌詞音節の自動演奏時間 を参照してください。

ある特定のタイプのすべてのコンテキストのプロパティを \layout ブロックで変更することができます (構文は異なります) – 同じタイプの全コンテキストを変更する を参照してください。この構造でもレイアウトを音楽コンテンツから分離させることができます。単一のコンテキストを変更するのであれば、\with ブロックを用いる必要があります – 指定したコンテキストだけを変更する を参照してください。

参照

学習マニュアル: Organizing pieces with variables

記譜法リファレンス: 指定したコンテキストだけを変更する, 歌詞音節の自動演奏時間


5.1.3 コンテキストを残しておく

通常、コンテキストは何もすることが無くなった最初の音楽的タイミングで消滅させられます。そのため、Voice コンテキストはすべてのイベントを終えるとすぐに消滅し、Staff コンテキストは保持しているすべての Voice コンテキストのイベントが終了するとすぐに消滅する、などとなっています。このことは、早い段階にすでに消滅したコンテキストを参照する必要がある場合に、障害となります。例えば、\change コマンドで譜を変更する場合、\lyricsto コマンドで歌詞をボイスに結び付ける場合、あるいは、早い段階で登場したコンテキストに音楽イベントを追加する場合に障害となります。

この一般的な規則には 1 つ例外があります: {…} 構文 (シーケンシャルな音楽) の中で、構文が対象にする「現在のコンテキスト」は、その中の要素が更に下位のコンテキストを扱う場合、要素が終了した後もその下位のコンテキストを指し続けます。これはいくつかの場合において、暗黙的なコンテキストが誤って作成されることを防ぎますが、最初の下位コンテキストは、表記が終わるまで残り続けるということを意味しています。

一方、<<…>> 構造 (同時に起こる音楽) の表記は持続しません。そのため、コンテキストを作成するコマンドを、余分な <<…>> で囲むことによって、新たなコンテキストが、囲まれた {…} 表記全体にわたって残り続けることを阻止することができます。

いかなる音楽タイミングでも何かすることがあるようにすることで、任意のコンテキストを残しておくことができます。Staff コンテキストを残しておくには、それに含まれるボイスの 1 つが維持されることを保証する必要があります。ボイスを残しておく方法の 1 つに、ボイスに含まれる実際の音楽と並列に、空白休符をそのボイスに付け加えるという方法があります。残しておく必要があるすべての Voice コンテキストに対して、空白休符を付け加える必要があります。ところどころで使用されるボイスがある場合、前述の例外によって必要なボイスを残そうとするよりは、それらのボイスすべてを残しておく方が安全です。

以下の例では、空白休符の追加を用いる方法で、ボイス A とボイス B の両方が楽曲全体を通して維持されます:

musicA = \relative { d''4 d d d }
musicB = \relative { g'4 g g g }
keepVoicesAlive = {
  <<
    \new Voice = "A" { s1*5 }  % Voice "A" を 5 小節の間、維持する
    \new Voice = "B" { s1*5 }  % Voice "B" を 5 小節の間、維持する
  >>
}

music = {
  \context Voice = "A" {
    \voiceOneStyle
    \musicA
  }
  \context Voice = "B" {
    \voiceTwoStyle
    \musicB
  }
  \context Voice = "A" { \musicA }
  \context Voice = "B" { \musicB }
  \context Voice = "A" { \musicA }
}

\score {
  \new Staff <<
    \keepVoicesAlive
    \music
  >>
}

[image of music]

以下の例は、空白休符を用いる方法で、途切れ途切れのメロディに歌詞を持たせる方法を示しています。もちろん、実際に楽譜を書く場合は、メロディや伴奏は複数のセクションによって構成されることになります。

melody = \relative { a'4 a a a }
accompaniment = \relative { d'4 d d d }
words = \lyricmode { These words fol -- low the mel -- o -- dy }
\score {
  <<
    \new Staff = "music" {
      <<
        \new Voice = "melody" {
          \voiceOne
          s1*4  % Voice "melody" を 4 小節の間、残します
        }
        {
          \new Voice = "accompaniment" {
            \voiceTwo
            \accompaniment
          }
          <<
            \context Voice = "melody" { \melody }
            \context Voice = "accompaniment" { \accompaniment }
          >>
          \context Voice = "accompaniment" { \accompaniment }
          <<
            \context Voice = "melody" { \melody }
            \context Voice = "accompaniment" { \accompaniment }
          >>
        }
      >>
    }
    \new Lyrics \with { alignAboveContext = "music" }
    \lyricsto "melody" { \words }
  >>
}

[image of music]

これに代わる方法として、メロディに直接空白休符を付け加えて、メロディが伴奏と揃うようにする方法があります – 多くの場合、こちらの方法の方が良いかもしれません:

melody = \relative {
  s1  % 1 小節スキップします
  a'4 a a a
  s1  % 1 小節スキップします
  a4 a a a
}
accompaniment = \relative {
  d'4 d d d
  d4 d d d
  d4 d d d
  d4 d d d
}
words = \lyricmode { These words fol -- low the mel -- o -- dy }

\score {
  <<
    \new Staff = "music" {
      <<
        \new Voice = "melody" {
          \voiceOne
          \melody
        }
        \new Voice = "accompaniment" {
          \voiceTwo
          \accompaniment
        }
      >>
    }
    \new Lyrics \with { alignAboveContext = "music" }
    \lyricsto "melody" { \words }
  >>
}

[image of music]


5.1.4 コンテキストのプラグインを変更する

記譜コンテキスト (ScoreStaff のような) はプロパティを保存するだけなく、‘エングラーバ’ と呼ばれる記譜要素を作成するプラグインを保持します。例えば、Voice コンテキストは Note_head_engraver を保持し、Staff コンテキストは Key_engraver を保持します。

各プラグインについての説明は、 Engravers and Performers. を参照してください。Contexts の中にある各コンテキストについての説明では、そのコンテキストで使用されるエングラーバがリストアップされています。

これらのプラグインを入れ換えると有用な場合があります。プラグインを入れ換えるには、新たに作成するコンテキストを \new あるいは \context で開始し、そのコンテキストを以下のように変更します:

\new context \with {
  \consists …
  \consists …
  \remove …
  \remove …
  etc.
}
{
  …music…
}

ここで、… はエングラーバの名前になります。ここで、Staff コンテキストから Time_signature_engraverClef_engraver を削除する簡単な例を示します:

<<
  \new Staff \relative {
    f'2 g
  }
  \new Staff \with {
     \remove Time_signature_engraver
     \remove Clef_engraver
  } \relative {
    f'2 g2
  }
>>

[image of music]

2 番目の譜には、拍子記号と音部記号がありません。この方法は、オブジェクトを不可視にするよりも乱暴な方法です。なぜなら、譜全体に影響を与えるからです。さらに、望む望まないに係わらず、この方法はスペースにも影響を与えます。オブジェクトを消すもっと洗練された方法については、オブジェクトの可視性と色 を参照してください。

次の例は、ある実用的な応用です。通常、小節線と拍子記号は楽譜全体で同期されます。これは Timing_translatorDefault_bar_line_engraver によって行われます。このプラグインは拍子記号の管理や、小節内の配置の管理などを行います。これらのエングラーバを Score コンテキストから Staff コンテキストへ異動させることにより、楽譜の各譜に独自の拍子記号を持たせることが可能になります。

\score {
  <<
    \new Staff \with {
      \consists Timing_translator
    }
    \relative {
        \time 3/4
        c''4 c c c c c
    }
  \new Staff \with {
    \consists Timing_translator
  }
  \relative {
      \time 2/4
      c''4 c c c c c
  }
>>
\layout {
  \context {
    \Score
    \remove Timing_translator
    }
  }
}

[image of music]

既知の問題と警告

エングラーバを指定する順序は、エングラーバが処理を行う順序です。通常、エングラーバが指定される順序は問題にはなりません。しかしながら、いくつかの特殊なケースでは、この順序が重要になります。例えば、あるエングラーバがプロパティを記述して、それを他のエングラーバが読む場合、あるいは、あるエングラーバがグラフィカル オブジェクトを作成し、それを他のエングラーバが処理しなければならない場合です。

以下の順序は重要です:

  • 通常、Bar_engraver を最初にする必要があります。
  • New_fingering_engraverScript_column_engraver の前に配置する必要があります。
  • Timing_translatorBar_number_engraver の前に配置する必要があります。

参照

インストールされているファイル: ly/engraver-init.ly


5.1.5 コンテキストのデフォルト設定を変更する

プロパティを変更する で説明したように、コンテキストとグラフィカル オブジェクトのプロパティを \set コマンドや \override コマンドで変更することができます。これらのコマンドは音楽イベントを生成して、楽譜処理中にコマンドが出現するポイントで変更に効果を発揮させます。

対照的に、このセクションではコンテキストが作成された時点でコンテキストとグラフィカル オブジェクトのプロパティの デフォルト 値を変更する方法を説明します。これを行う方法は 2 つあります。1 つはある特定のタイプの全コンテキストのデフォルト値を変更する方法で、もう 1 つはただ 1 つのコンテキストのインスタンスのデフォルト値を変更する方法です。


同じタイプの全コンテキストを変更する

Score, Staff, Voice, その他のコンテキストにおいてデフォルトで使用される譜刻のためのコンテキスト設定は、\layout ブロックの中の\context ブロックで指定することができます。\layout ブロックは、それを適用する \score ブロックの中で、かつ、音楽表記の後に配置する必要があります。

譜刻ではなく MIDI 出力に関する設定をする場合は、\midi ブロックに別々に指定する必要があります (出力定義 - コンテキストの青写真を参照してください)。

\layout {
  \context {
    \Voice
    [すべての Voice コンテキストのコンテキスト設定]
  }
  \context {
    \Staff
    [context settings for all Staff contexts]
  }
}

以下のタイプの設定を指定することができます:

  • \override コマンド – コンテキスト名を省略します
    \score {
      \relative {
        a'4^"Thicker stems" a a a
        a4 a a\ff a
      }
      \layout {
        \context {
          \Staff
          \override Stem.thickness = #4.0
        }
      }
    }
    

    [image of music]

  • コンテキスト プロパティを直接設定します
    \score {
      \relative {
        a'4^"Smaller font" a a a
        a4 a a\ff a
      }
      \layout {
        \context {
          \Staff
          fontSize = #-4
        }
      }
    }
    

    [image of music]

  • \dynamicUp\accidentalStyle dodecaphonic のような音楽表記等、あらかじめ定義されているコマンド
    \score {
      \relative {
        a'4^"Dynamics above" a a a
        a4 a a\ff a
      }
      \layout {
        \context {
          \Voice
          \dynamicUp
        }
        \context {
          \Staff
          \accidentalStyle dodecaphonic
        }
      }
    }
    

    [image of music]

  • \with ブロックを有するユーザ定義変数 – \with ブロックの詳細は 指定したコンテキストだけを変更する を参照してください。
    StaffDefaults = \with {
      fontSize = #-4
    }
    
    \score {
      \new Staff {
        \relative {
          a'4^"Smaller font" a a a
          a4 a a a
        }
      }
      \layout {
        \context {
          \Staff
          \StaffDefaults
        }
      }
    }
    

    [image of music]

プロパティ設定コマンドは、\context ブロックで囲まずに、\layout ブロックの中に配置することができます。そのような設定は、指定されたタイプの任意のコンテキストの開始時にプロパティ設定コマンドをインクルードするのと等価です。コンテキストを指定しない場合、すべての 下位コンテキストに影響を与えます – 下位コンテキスト - ボイス を参照してください。\layout ブロックの中でのプロパティ設定コマンドの構文は、音楽ストリームの中で同じコマンドを記述するのと同じです。

\score {
  \new Staff {
    \relative {
      a'4^"Smaller font" a a a
      a4 a a a
    }
  }
  \layout {
    \accidentalStyle dodecaphonic
    \set fontSize = #-4
    \override Voice.Stem.thickness = #4.0
  }
}

[image of music]


指定したコンテキストだけを変更する

\with ブロックで指定したコンテキスト インスタンスのコンテキスト プロパティだけを変更することができます。他の全ての同じタイプのコンテキスト インスタンスは、LilyPond に組み込まれてスコープ内の \layout ブロックによって変更されたデフォルト設定のままです。\with ブロックは \new context-type コマンドの直後に配置する必要があります:

\new Staff \with { [このコンテキスト インスタンスだけに適用されるコンテキスト設定] }
{
  …
}

あるいは、もし入力モードを指定するような簡略記法のコマンド (例えば \chordmode の代わりに \chords を使うなど) を用いて音楽を入力する場合、\with をそのようなコマンドのすぐ後に配置する必要があります:

\chords \with { [この (暗黙的) コンテキスト インスタンスだけに適用されるコンテキスト設定] }
{
  …
}

このような記法によって作られる暗黙的なコンテキストが変更されます。 これは、同様な入力モードを指定する簡略記法のコマンドにも当てはまります (\drums, \figures)。入力モード を参照してください。

\with ブロックで行われるコンテキストの変更は音楽の内部にあるため、出力定義内での変更とは異なり、全ての 出力 (楽譜と MIDI の両方) に影響が及びます。

以下のタイプの設定を指定することができます:

  • \override コマンド – コンテキスト名を省略します
    \score {
      \new Staff {
        \new Voice
        \with {
          \override Stem.thickness = #4.0
        }
        {
          \relative {
            a'4^"Thick stems" a a a
            a4 a a a
          }
        }
      }
    }
    

    [image of music]

  • コンテキスト プロパティを直接設定します
    \score {
      <<
        \new Staff {
          \relative {
            a'4^"Default font" a a a
            a4 a a a
          }
        }
        \new Staff
        \with { fontSize = #-4 }
        {
          \relative {
            a'4^"Smaller font" a a a
            a4 a a a
          }
        }
      >>
    }
    

    [image of music]

  • \dynamicUp 等のあらかじめ定義されているコマンド
    \score {
      <<
        \new Staff {
          \new Voice {
            \relative {
              a'4^"Dynamics below" a a a
              a4 a a\ff a
            }
          }
        }
        \new Staff \with { \accidentalStyle dodecaphonic }
        {
          \new Voice \with { \dynamicUp }
          {
            \relative {
              a'4^"Dynamics above" a a a
              a4 a a\ff a
            }
          }
        }
      >>
    }
    

    [image of music]

参照

記譜法リファレンス: 入力モード


適用順序

ある特定のタイミングで適用されるプロパティの値は以下のように決定されます:

  • 入力ストリームの中の \override コマンドや \set コマンドが ある場合、その値が用いられます。
  • さもなければ、コンテキスト初期宣言の \with から取得したデフォルト値が用いられます。
  • さもなければ、\layout ブロックや \midi ブロックの中にある直近で適切な \context ブロックから取得したデフォルト値が用いられます。
  • さもなければ、LilyPond の組み込みデフォルト値が用いられます。

参照

学習マニュアル: Modifying context properties

記譜法リファレンス: コンテキストの説明, 下位コンテキスト - ボイス, \set コマンド, \override コマンド, \layout ブロック


5.1.6 新しいコンテキストを定義する

StaffVoice のようなコンテキストは、簡単なブロックの組み合わせで構成されています。 エングラーバ プラグインの組み合わせを変えることで、新しいタイプのコンテキスを作成することができます。

次の例は、ゼロからタイプの異なる Voice コンテキストを作り上げる方法を示しています。このコンテキストは Voice コンテキストに似ていますが、音符の代わりにスラッシュを譜の中央に譜刻します。これはジャズで即興を表すのに使うことができます。

[image of music]

これらの設定は \layout ブロック内部の \context ブロックの中で定義します:

\layout {
  \context {
    …
  }
}

以下では、上記の例の … に入るべき入力について議論します。

最初に、新しいコンテキストの名前を定義する必要があります:

\name ImproVoice

このコンテキストは Voice コンテキストに似せる必要があるため、(既存の) Voice コンテキストで動作するコマンドを同じように動作させる必要があります。これは、新しいコンテキストに Voice のエイリアスを与えることで実現できます。

\alias Voice

このコンテキストは音符と指示テキストを譜刻しますので、それらの機能を提供するエングラーバや、さらに同じタイミングで発生する音符・符幹・休符を列としてグループ化するエングラーバを付加する必要があります:

\consists Note_heads_engraver
\consists Text_engraver
\consists Rhythmic_column_engraver

符頭のスラッシュは譜の中央線上に配置される必要があります:

\consists Pitch_squash_engraver
squashedPosition = #0

Pitch_squash_engraver は (Note_heads_engraver によって作成される) 符頭を変更し、符頭の垂直位置を squashedPosition にセットします – 今回は 0、つまり中央線上です。

音符はスラッシュで、符幹を持ちません:

\override NoteHead.style = #'slash
\hide Stem

これらのプラグインすべてがコンテキストの下で協調する必要があります。コンテキストが協調するために用いるメカニズムは、コンテキストの \type を宣言することで確立することができます。\layout ブロックの中では、ほとんどのコンテキストは Engraver_group のタイプに属しています。いくつかの特殊なコンテキストや、\midi ブロックの中では別のコンテキスト タイプに属していることがあります。既存のコンテキスト定義をコピーし改変する場合には、タイプについても継承されます。この例では定義を 1 から作っているため、タイプを明示的に指定する必要があります:

\type Engraver_group

まとめると、以下のようになります:

\context {
  \name ImproVoice
  \type Engraver_group
  \consists Note_heads_engraver
  \consists Text_engraver
  \consists Rhythmic_column_engraver
  \consists Pitch_squash_engraver
  squashedPosition = #0
  \override NoteHead.style = #'slash
  \hide Stem
  \alias Voice
}

コンテキストは階層を構成します。通常の Voice コンテキストと同様に、ImproVoice コンテキストを Staff コンテキストの中に置く必要があります。それゆえ、Staff の定義を \accepts コマンドで変更します:

\context {
  \Staff
  \accepts ImproVoice
}

既存のコンテキスト定義を使い回す場合があるかもしれません。その際、結果としてできるコンテキストは、元のコンテキストが使用できる場所であればどこでも使用できると有用です。

\layout {
  …
  \inherit-acceptability to from
}

このようにすることで、from を含めることのできるすべてのコンテキストが、to のコンテキストも含めることができるようになります。例えば:

\layout {
  …
  \inherit-acceptability "ImproVoice" "Voice"
}

これは、\accepts ImproVoice を、StaffRhythmicStaff の定義に追加するのと同様の効果を示します。

\accepts の反対は \denies です。これは既存のコンテキスト定義を再利用する場合に必要となります。

必要なパーツを \layout ブロックの中に置きます:

\layout {
  \context {
    \name ImproVoice
    …
  }
  \inherit-acceptability "ImproVoice" "Voice"
}

それから、このサブセクションの最初にあった出力を入力します:

\relative {
  a'4 d8 bes8
  \new ImproVoice {
    c4^"ad lib" c
    c4 c^"undress"
    c c_"while playing :)"
  }
  a1
}

この例を完成させるには、コンテキストの階層に影響する変更が \midi ブロックでも同様に記述される必要があります。そうすることで、MIDI 出力においてもコンテキスト間の関係が同様に定義されます。

参照

内部リファレンス: Note_heads_engraver, Text_engraver, Rhythmic_column_engraver, Pitch_squash_engraver


5.1.7 コンテキストの配置順序

通常、コンテキストは入力ファイルの中で記述した順に楽譜の段の上から下に配置されます。コンテキストがネストされている場合、外側のコンテキストは入力ファイルの中で指定されたコンテキストを内側に保持して、内側のコンテキストは外側のコンテキストの “accepts” リストに含まれます。ネストされたコンテキストのうち外側のコンテキストの “accepts” リストに含まれないものは、ネストされずに外側のコンテキストの下に再配置されます。

コンテキストの “accepts” リストを \accepts コマンドや \denies コマンドで変更することができます。\accepts はコンテキストを “accepts” リストに追加して、\denies は “accepts” リストからコンテキストを削除します。

例えば、角括弧でグループ化された譜表は通常、波括弧でグループ化され小節線が繋げられる譜表グループの中にあることは通常見られず、デフォルトで GrandStaff は内部に StaffGroup を含めることができません。

\score {
  \new GrandStaff <<
    \new StaffGroup <<
      \new Staff { c'1 }
      \new Staff { d'1 }
    >>
    \new Staff { \set Staff.instrumentName = bottom f'1 }
  >>
}

[image of music]

しかし、\accepts コマンドを使うことで、StaffGroupGrandStaff コンテキストの中に含めることができます:

\score {
  \new GrandStaff <<
    \new StaffGroup <<
      \new Staff { c'1 }
      \new Staff { d'1 }
    >>
    \new Staff { \set Staff.instrumentName = bottom f'1 }
  >>
  \layout {
    \context {
      \GrandStaff
      \accepts StaffGroup
    }
  }
}

[image of music]

\denies は主に、他のコンテキストをベースに新しいコンテキストを作成した時に、中にネストするコンテキストを変更するために用いられます。例えば、VaticanaStaff コンテキストは Staff コンテキストをベースにしていますが、“accepts” リストでは Voice コンテキストの代わりに VaticanaVoice コンテキストを保持しています。

コンテキストに保持されるべきコマンドが出現して、それを保持するための適切なコンテキストが存在しない場合、コンテキストが暗黙的に作成されるということに注意してください。

コンテキスト定義の中で、暗黙的に作り出されるサブコンテキストの種類は \defaultchild により指定されます。多くの音楽イベントは最下位 (‘Bottom’) のコンテキストが必要です。そのようなイベントが現れた場合、‘defaultchild’ 設定を持たないコンテキストに到達するまで、再帰的にサブコンテキストが作られます。

暗黙的にコンテキストが生成されることによって、予期しない譜や楽譜が生み出される可能性があります。\new で明示的にコンテキストを作ることでこれらの問題を回避できます。

短い期間、あるコンテキストを存在させる必要がある場合があります。オッシアの譜コンテキストが良い例です。通常、これは主音楽の対応するセクションと並列に、適切な場所でコンテキスト定義を行うことで実現します。デフォルトでは、一時コンテキストは既存のすべてのコンテキストの下に配置されます。“main” というコンテキストの上に配置し直すには以下のようにします:

\new Staff \with { alignAboveContext = "main" }

ChoirStaff のような複数の譜のレイアウトで一時的な歌詞を配置する場合 – 例えば、繰り返しセクションに 2 番目の歌詞を追加する場合 – にも同様な状況が発生します。デフォルトでは、一時的な歌詞は下段の譜の下に配置されます。一時的な歌詞コンテキストを alignBelowContext で定義することにより、1 番目の歌詞を保持する (名前付きの) 歌詞コンテキストの下に配置することができます。

一時コンテキストを再配置する例は他にもあります – Nesting music expressions、+個々の譜を変更する、それに 歌詞に特有のテクニック を参照してください。

参照

学習マニュアル: Nesting music expressions

記譜法リファレンス: 個々の譜を変更する, 歌詞に特有のテクニック

アプリケーション使用方法: An extra staff appears

インストールされているファイル: ly/engraver-init.ly


5.2 内部リファレンスの説明


5.2.2 レイアウト インターフェイス

前のセクションで見た HTML ページには、Fingering と呼ばれるレイアウト オブジェクトについての記述がありました。そのようなオブジェクトは楽譜で記号となります。レイアウト オブジェクトは (太さや向きのような) 数値を保持するプロパティを持っていますが、関連オブジェクトへのポインタも持っています。レイアウト オブジェクトは Grob – これはグラフィカル オブジェクトを縮めたものです – とも呼ばれます。Grob についての詳細は、grob-interface を参照してください。

Fingering のページは、Fingering オブジェクトの定義をリストアップしています。例えば、このページには以下のような記述があります:

padding (dimension, in staff space):

0.5

これは、この運指記号は少なくとも符頭の 0.5 倍の距離を保つということを意味します。

各レイアウト オブジェクトは、記譜要素あるいは写植要素としての機能をいくつか持つ場合があります。例えば、Fingering オブジェクトは以下の側面を持っています:

  • Its size is independent of the horizontal spacing, unlike slurs or beams.

    (このオブジェクトのサイズは、スラーや連桁と異なり、水平方向のスペースとは無関係です)

  • It is a piece of text. Granted, it is usually a very short text.

    (このオブジェクトはテキストです。通常、これは非常に短いテキストです。)

  • That piece of text is typeset with a font, unlike slurs or beams.

    (このテキストは、スラーや連桁と異なり、フォントで写植されます。)

  • Horizontally, the center of the symbol should be aligned to the center of the note head.

    (水平方向では、この記号の中心は符頭の中心に揃えられます。)

  • Vertically, the symbol is placed next to the note and the staff.

    (垂直方向では、この記号は音符や譜の近く配置されます。)

  • The vertical position is also coordinated with other superscript and subscript symbols.

    (また、垂直方向の位置は、他の上付き記号や下付き記号との調整によって決まります。)

これらの側面はそれぞれ、いわゆる インターフェイス として捉えられます。それらは、Fingering ページの最下部でリストアップされています。

This object supports the following interfaces:

(このオブジェクトは以下のインターフェイスをサポートします:)

item-interface, self-alignment-interface, side-position-interface, text-interface, text-script-interface, font-interface, finger-interface, and grob-interface.

リンクのいずれかをクリックすると、それぞれのオブジェクト インターフェイスのページに行くことができます。各インターフェイスはいくつかのプロパティを持ちます。それらプロパティの中には、ユーザにとって役に立たないもの (‘内部プロパティ’) もありますが、それ以外は変更可能です。

これまで Fingering オブジェクトについて話してきましたが、これは実際にはそれほど多くのことをしているわけではありません。初期化ファイル (その他の情報源 を参照してください) scm/define-grobs.scm がこの ‘オブジェクト’ の本質を示しています:

(Fingering
  . ((padding . 0.5)
     (avoid-slur . around)
     (slur-padding . 0.2)
     (staff-padding . 0.5)
     (self-alignment-X . 0)
     (self-alignment-Y . 0)
     (script-priority . 100)
     (stencil . ,ly:text-interface::print)
     (direction . ,ly:script-interface::calc-direction)
     (font-encoding . fetaText)
     (font-size . -5) 		; don't overlap when next to heads.
     (meta . ((class . Item)
     (interfaces . (finger-interface
                    font-interface
                    text-script-interface
                    text-interface
                    side-position-interface
                    self-alignment-interface
                    item-interface))))))

見て取ることができるように、Fingering オブジェクトは変数設定の塊に過ぎず、内部リファレンスの中にある Web ページは、この定義から直接生成されたに過ぎません。


5.2.3 グラフィカル オブジェクト プロパティを決定する

以下の 2 の位置を変更しようとしていたことを思い出してください:

c''-2

[image of music]

垂直方向で見て、2 は元の音符の隣に配置されるのですから、この配置に関連するインターフェイスに干渉する必要があります。これは side-position-interface を用いて行います。このインターフェイスについてのページには、以下のように記述されています:

side-position-interface

Position a victim object (this one) next to other objects (the support). The property direction signifies where to put the victim object relative to the support (left or right, up or down?)

(対象オブジェクトを他のオブジェクト (サポート オブジェクト) の隣に配置します。このプロパティ direction は、対象オブジェクトをどこに配置するかをサポート オブジェクトからの相対位置で示します (左あるいは右、上あるいは下?))

この記述の下に、以下のような変数 padding についての記述があります:

padding

(dimension, in staff space) (譜スペースを単位とする距離)

Add this much extra space between objects that are next to each other. (隣り合うオブジェクトの間にスペースを付け加えます)

padding の値を増やすことで、運指記号を符頭から離すことができます。以下のコマンドは、音符と運指記号の間に “3 譜スペース”分の距離を加えます:

\once \override Voice.Fingering.padding = #3

パディングを運指記号オブジェクトが作成される前に挿入すると、以下のようになります:

\once \override Voice.Fingering.padding = #3
c''-2

[image of music]

このケースでは、調整されるコンテキストは Voice です。Fingering_engraver プラグインを参照してください。以下のように説明されています:

Fingering_engraver is part of contexts: … Voice

(Fingering_engraver は次のコンテキストの一部です: … Voice)


5.2.4 命名規約

内部リファレンスについて他に説明しておくべき事柄として、さまざまな命名規約についての概要があります:

  • Scheme 関数: 小文字の単語をハイフンでつなぎます (1 単語の名前も含みます) – 例: lowercase-with-hyphens
  • LilyPond 独自の Scheme 関数: Scheme スタイルの先頭に ly: を付けます – 例: ly:plus-scheme-style
  • 音楽イベント、音楽クラス、それに音楽プロパティ: Scheme 関数と同じスタイルです – 例: as-scheme-functions
  • グラフィカル オブジェクト インターフェイス: Scheme 関数と同じスタイルです – 例: scheme-style
  • バックエンド プロパティ: Scheme 関数と同じスタイルです (が、X と Y があります!)
  • コンテキスト (それに、音楽表記とグラフィカル オブジェクト): 大文字で始まる単語、あるいはそれらをつなげます – 例: Capitalized, CamelCase
  • コンテキスト プロパティ: 小文字で始まる単語に、大文字で始まる単語をつなげます – 例: lowercaseFollowedByCamelCase
  • エングラーバ: 大文字で始まる単語に、小文字で始まる単語をアンダスコアでつなげます – 例: Capitalized_followed_by_lowercase_and_with_underscores

このような疑問があります:

  • 命名規約のうち、慣習なのはどれで、規則なのはどれか?
  • 命名規約のうち、どれが基本言語の規則で、どれが LilyPond 特有の規則なのか?

5.3 プロパティを変更する


5.3.1 プロパティ変更の概要

各コンテキストは、ある特定のタイプのグラフィカル オブジェクトを作成することについて責任を持ちます。それらのオブジェクトを表示するために使用される設定も、コンテキストによって保存されます。それらの設定を変更することにより、オブジェクトの見た目を変えることができます。

コンテキストに保存されるプロパティには 2 種類あります: コンテキスト プロパティとグラフィカル オブジェクト プロパティです。コンテキスト プロパティは、コンテキスト全体に適用され、コンテキスト自体をどのように表示するかを制御します。対照的に、グラフィカル オブジェクト プロパティは、コンテキストの中に表示されるある特定のタイプのグラフィカル オブジェクトに適用されます。

\set コマンドと \unset コマンドは、コンテキスト プロパティの値を変更するために使用されます。\override コマンドと \revert コマンドは、グラフィカル オブジェクト プロパティの値を変更するために使用されます。

参照

内部リファレンス: Backend, All layout objects, OverrideProperty, RevertProperty, PropertySet

既知の問題と警告

バックエンドはオブジェクト プロパティのタイプ チェックをそれほど厳密には行いません。Scheme 値の循環参照は、ハング アップまたはクラッシュ、あるいは両方を引き起こす可能性があります。


5.3.2 \set コマンド

各コンテキストは プロパティ の集合を持ちます。プロパティとは、コンテキストの中に保持されている変数です。コンテキスト プロパティは、\set コマンドによって変更されます。\set コマンドは以下のような構文を持ちます:

\set context.property = #value

value は Scheme オブジェクトですので、# 文字を前に置く必要があります。

通常、コンテキスト プロパティの名前は、小文字で始まる単語に大文字で始まる単語をつなげたものです。これらはたいてい音楽から記譜への翻訳を制御します – 例えば、localAlterations (臨時記号を表示するかどうかを決定します) や、measurePosition (小節線を表示するタイミングを決定します) です。コンテキスト プロパティは、楽曲の解釈をしている間、ずっと値を変更しておくことができます。measurePosition がその良い例です。コンテキスト プロパティは \set で変更されます。

例えば、コンテキスト プロパティ skipBars#t にセットされていれば、複小節休符は 1 つの小節に統合されます (空の小節を圧縮する で説明されています):

R1*2
\set Score.skipBars = ##t
R1*2

[image of music]

context 引数が省略されている場合、プロパティはカレントの最下位のコンテキストにセットされます (一般に、ChordNames, Voice, TabVoice, あるいは Lyrics です)。

\set Score.autoBeaming = ##f
\relative {
  e''8 e e e
  \set autoBeaming = ##t
  e8 e e e
} \\
\relative {
  c''8 c c c c8 c c c
}

[image of music]

変更は ‘オンザフライ’ (その場、その時々) で適用されるため、設定 \set autoBeaming = ##t は 2 番目の 8 分音符グループだけに効果を持ちます。

最下位コンテキストが常に変更しようとしているプロパティを持っているとは限らないということに注意してください – 例えば、skipBars プロパティをデフォルトの最下位コンテキスト (この場合は、Voice です) にセットしようと試みても、効果はありません。なぜなら、skipBarsScore コンテキストのプロパティだからです。

R1*2
\set skipBars = ##t
R1*2

[image of music]

コンテキストは階層構造をとるため、音楽表記を囲っているコンテキスト – 例えば、Staff – が指定された場合、変更は現在の Staff の中にあるすべての Voice に適用されます。

\unset コマンド:

\unset context.property

は、context から property の定義を削除するために使用されます。このコマンドは、context の中にセットされた場合にのみ、定義を削除します。音楽表記を囲っているコンテキストにセットされたプロパティは、囲まれているコンテキストの中にある \unset では変更されません:

\set Score.autoBeaming = ##t
\relative {
  \unset autoBeaming
  e''8 e e e
  \unset Score.autoBeaming
  e8 e e e
} \\
\relative {
  c''8 c c c c8 c c c
}

[image of music]

\set と同様に、 最下位コンテキストに対しては context 引数を指定する必要はありません。ですから、以下の 2 つの記述:

\set Voice.autoBeaming = ##t
\set autoBeaming = ##t

は、カレントの最下位コンテキストが Voice であれば、等価です。

\set\unset の前に \once を置くと、その設定は単一の時間ステップにだけ適用されます:

c''4
\once \set fontSize = #4.7
c''4
c''4

[image of music]

利用可能なすべてのコンテキスト プロパティについての完全な記述は、内部リファレンスにあります。以下を参照してください: Tunable context properties.

参照

内部リファレンス: Tunable context properties


5.3.3 \override コマンド

特殊なタイプのコンテキスト プロパティがあります: グラフィカル オブジェクト記述です。グラフィカル オブジェクト記述には StudlyCaps という名前 (大文字で始まります) が付けられています。これらは、関連リストとして、ある特定の種類のグラフィカル オブジェクト用の ‘デフォルト設定’ を保持します。各グラフィカル オブジェクト記述の設定を調べるには、scm/define-grobs.scm を参照してください。各グラフィカル オブジェクト記述は \override を用いて変更します。

\override コマンドの構文は以下の通りです:

\override [context.]GrobName.property = #value

例えば、Stem オブジェクトの thickness プロパティをオーバライドすることによって、符幹の太さを太くすることができます:

c''4 c''
\override Voice.Stem.thickness = #3.0
c''4 c''

[image of music]

\override でコンテキストが指定されていない場合、その下にあるコンテキストに適用されます:

\override Staff.Stem.thickness = #3.0
<<
  \relative {
    e''4 e
    \override Stem.thickness = #0.5
    e4 e
  } \\
  \relative {
    c''4 c c c
  }
>>

[image of music]

調整可能なオプションには ‘サブプロパティ’ があり、これはプロパティの内部に存在します。これを調整するには、以下のような形式のコマンドを用います:

\override Stem.details.beamed-lengths = #'(4 4 3)

また、スパナの端を変更するには、以下のようにします:

\override TextSpanner.bound-details.left.text = "left text"
\override TextSpanner.bound-details.right.text = "right text"

\override の効果は、\revert によって元に戻すことができます。

\revert の構文は以下の通りです:

\revert [context.]GrobName.property

例を示します:

\relative {
  c''4
  \override Voice.Stem.thickness = #3.0
  c4 c
  \revert Voice.Stem.thickness
  c4
}

[image of music]

\override\revert の効果は、その時点から影響を受けるコンテキストの中にあるすべてのグラフィカル オブジェクトに適用されます:

<<
  \relative {
    e''4
    \override Staff.Stem.thickness = #3.0
    e4 e e
  } \\
  \relative {
    c''4 c c
    \revert Staff.Stem.thickness
    c4
  }
>>

[image of music]

\once\override\revert と共に用いることで、カレントの時間ステップだけに効果を与えることができます:

<<
  \relative c {
    \override Stem.thickness = #3.0
    e''4 e e e
  } \\
  \relative {
    c''4
    \once \override Stem.thickness = #3.0
    c4 c c
  }
>>

[image of music]

参照

内部リファレンス: Backend


5.3.4 \tweak コマンド

\tweak を用いたグラフィカル オブジェクト プロパティの変更は、コンテキストの中にあるすべてのグラフィカル オブジェクトに適用されます。しかしながら、影響を受けるコンテキストの中にあるすべてのグラフィカル オブジェクトではなく、1 つのグラフィカル オブジェクトだけに変更を適用したい場合もあります。そうするには、\tweak コマンドを用います。\tweak コマンドは以下のような構文を持ちます:

\tweak [layout-object.]grob-property value

layout-object の指定はオプションです。\tweak コマンドは、音楽の流れの中で value のすぐ後に現れる音楽オブジェクトに変更を適用します。

調整コマンドの構文と使用方法についての紹介は、調整手段 を参照してください。

同じようなオブジェクトがいくつか、同じ音楽タイミングで配置されている場合、\override コマンドでそれらの 1 つだけを変更することはできません – \tweak コマンドを用いる必要があります。同じ音楽タイミングで複数出現する可能性があるオブジェクトには、以下のようなものがあります:

  • 和音の中にある音符の符頭
  • 1 つの音符に付けられるアーティキュレーション記号
  • 和音の中にある音符の間に付けられるタイ
  • 同時に始まる連符の囲み

以下の例では、和音の中にある符頭の 1 つの色を変更し、さらに他の符頭のタイプを変更しています:

< c''
  \tweak color #red
  d''
  g''
  \tweak duration-log #1
  a''
> 4

[image of music]

\tweak を用いて、スラーを変更することができます:

\relative { c'-\tweak thickness #5 ( d e f) }

[image of music]

\tweak コマンドが機能するためには、入力ファイルが音楽の流れに変換されたときに、\tweak コマンドのすぐ後に変更が適用されるオブジェクトが配置されている必要があります。 和音全体に対する調整は何の効果もありません。なぜなら、和音の音楽イベントはコンテナと機能するだけで、すべてのレイアウト オブジェクトは EventChord の内部にあるイベントによって作成されるからです:

\tweak color #red c''4
\tweak color #red <c'' e''>4
<\tweak color #red c'' e''>4

[image of music]

単純な \tweak コマンドでは入力から直接作成されないオブジェクトを変更することはできません。特に、符幹、自動連桁、それに臨時記号には効果を持ちません。なぜなら、それらは入力ストリームの中の音楽要素によって生成されるのではなく、後になって NoteHead レイアウト オブジェクトによって生成されるからです。

そのような直接作成されないレイアウト オブジェクトは、グラフィカル オブジェクト名を明示的に指定した \tweak コマンドを用いることで調整することができます:

\tweak Stem.color #red
\tweak Beam.color #green c''8 e''
<c'' e'' \tweak Accidental.font-size #-3 ges''>4

[image of music]

\tweak コマンドで音部記号や拍子記号を変更することはできません。なぜなら、コンテキストを指定するために必要とされる追加要素の自動挿入により、それらは前に配置された \tweak コマンドとは分離されるからです。

記譜要素の前に複数の \tweak コマンドを配置することができます – それらはすべて効果を持ちます:

c'
  -\tweak style #'dashed-line
  -\tweak dash-fraction #0.2
  -\tweak thickness #3
  -\tweak color #red
  \glissando
f''

[image of music]

入力ファイルのあるセクションから生成される音楽の流れ – 自動的に挿入される要素も含めて – が、検証されます。Displaying music expressions を参照してください。これは、\tweak コマンドによって変更されるオブジェクトを決定するとき、あるいは、\tweak の適用で入力を調整する方法を決定するときに役に立つかもしれません。

参照

学習マニュアル: 調整手段

拡張: Displaying music expressions

既知の問題と警告

\tweak コマンドで和音の中にある複数のタイのうち 1 つだけの位置を変更することはできません。入力ファイルの中で最初に遭遇したタイの位置を変更してしまいます。


5.3.5 \set\override

\set\override コマンドは、コンテキストと結びついたプロパティを操作するものです。どちらの場合も、プロパティはコンテキストの階層に従います。そのコンテキスト自身で値がセットされていないプロパティは、対応する親コンテキストのプロパティの値を用いることになります。

コンテキスト プロパティの値や、その有効期間は動的なものであり、音楽が解釈 (つまり、‘イテレート’) されている最中にのみ有効なものです。コンテキストが生成される時、プロパティはそのコンテキストの定義に従って (変更が加えられる場合もあります) 初期化されます。続く変更は、音楽内にある‘プロパティを変更する’コマンドによって行われます。

グラフィカル オブジェクト (あるいは “grob”) の定義は、コンテキスト プロパティの中でも特別なカテゴリに属しており、構造や使用方法が通常のコンテキスト プロパティとは異なります。Grob の定義は、Grob プロパティに細分化されます。

また、通常のコンテキスト プロパティと異なる点がもう一つあり、Grob 定義はそれぞれの Grob プロパティやサブプロパティを追跡するために用いる内部‘記録’を持っています。そのため、これらのプロパティを異なるコンテキストに定義していても、Grob が生成される時には現在のコンテキストとその親の間で保持しているプロパティを受け継ぐことで、全ての Grob 定義を保持している状態になります。

Grob は音楽表記を解釈する際にエングラーバによって作成され、エングラーバが属するコンテキストの現在の Grob 定義から初期プロパティを受け取ります。 その後、エングラーバ (あるいは LilyPond の‘バックエンド’の部分) は Grob の初期プロパティを変更 (または追加) することができます。しかし、これはコンテキスト自身の Grob 定義には影響しません。

LilyPond が、‘ユーザ レベル’での調整において用いる Grob プロパティという言葉は、実はコンテキスト自身の持つ Grob 定義のプロパティを指しています。

Grob 定義は \override\revert という、異なるコマンド セットでアクセスあるいは操作され、大文字で始まる名前を持ちます (例えば ‘NodeHead’)。一方、通常のコンテキスト プロパティは \set\unset というコマンドで操作され、小文字で始まる名前を持ちます。

\tweak\overrideProperty は、全てのコンテキスト プロパティを完全に無視して対象の Grob プロパティを変更します。この際、Grob が生成されるタイミングで取得され、\tweak では音楽イベントに関連する Grob のプロパティが変更されます。\overrideProperty は特定のオーバライドに対して使用します。


5.3.6 \offset コマンド

\override, \tweak, \overrideProperty コマンドによって Grob プロパティを新たな値にセットすることができますが、そのようなプロパティをデフォルトの値との相対関係で変更できると便利な場合があります。\offset コマンドはこのような目的のために使用することができます。

\offset の記法は:

[-]\offset property offsets item

このコマンドは、item によって指定される Grob の property プロパティのデフォルト値に、offsets の内容を加算します。

コマンドの記法によって、\offset\tweak のように作用するか \override のように作用します。この使用法の差は \offset と用いられる Grob プロパティについてもう少し説明した後に示します。

オフセットできるプロパティ

全てではないですが、多くの Grob プロパティをオフセットすることができます。property がオフセットできない場合、オブジェクトは変更されず、警告が出力されます。このような場合には、代わりに \override\tweak を用いてオブジェクトを変更する必要があります。

トライアンドエラーで、警告を手がかりにしてオフセットできるものとできないものを判別することができます。しかし、より系統的なアプローチも存在します。

次の基準は、プロパティが \offset で変更できるかどうかの目安になります:

  • Grob の説明に‘デフォルト設定’が記述されているプロパティ。このようなプロパティは All layout objects に Grob 毎にリストアップされています。(これらは scm/define-grobs.scm からも確認することができます。)
  • 数値を取るプロパティ。具体的には numbernumber のリスト、number-pairnumber-pair-list を取るものを指します。All layout objects のページは、それぞれのプロパティが取るデータの型をリストアップしています。これはデフォルト設定が関数であっても問題ありません。
  • ‘サブ プロパティ’ではないプロパティ。サブ プロパティとは、他のプロパティの中にあるプロパティを指します。
  • 無限大にセットされていないプロパティ。正や負の無限大をオフセットする良い方法はありません。

次の例では、いくつかの Grob プロパティのオフセット可能性を、上の基準に基づいて判断します。

  • オフセットできるプロパティ
    Hairpin.height

    このプロパティはサブ プロパティではなく、Hairpin にリストアップされています。値については、‘dimension, in staff space’ を取り、デフォルト値は 0.6666 です—無限大ではない number となっています。

    Arpeggio.positions

    Arpeggio のページには、positions プロパティが ‘pair of numbers’ を取ると記述されています。デフォルト値は ly:arpeggio::positions となっています—これは、タイプセットの時に評価され、各 Arpeggio オブジェクトについて number のペアを返すコールバック関数です。

  • オフセットできないプロパティ
    Hairpin.color

    Hairpin には、color がリストアップされていません。

    Hairpin.circled-tip

    HairpinHairpin.circled-tip には、boolean の値を取るという記述があります。boolean は数値ではありません。

    Stem.details.lengths

    Stem の中にリストアップされており、デフォルト値が number のリストになっていますが、これは‘サブ プロパティ’です。‘ネストされたプロパティ’のオフセットには対応していません。

\offset を override として使う

item が Grob の名前 (例えば ArpeggioStaff.OttavaBracket) である場合、\offset の結果は指定された Grob の \override となります。

\offset property offsets [context.]GrobName

‘override’ の形では、先頭のハイフンは必ず使われません。\override コマンドにハイフンが使われないのと同様です。

次の例では、最初の小節にあるデフォルト設定のアルペジオを、‘override’ 形でより和音全体に広がるようにオフセットします。アルペジオは上下に譜スペースの半分ずつ広がります。また、最初の和音について通常の方法で positions プロパティをオーバライドする例も示しています。この方法では端点を相対座標ではなく絶対座標で指定しなければならないため、‘譜スペースの半分だけ広げる’という目的を全く表現できていません。また、他の和音についてはまたサイズや位置が異なるため、それぞれに別の \override が必要です。

arpeggioMusic = {
  <c' e' g'>\arpeggio <a' c'' e''>\arpeggio
  <d' f' a' c''>\arpeggio <c' e' g' b' d'' f'' a''>\arpeggio
}

{
  \arpeggioMusic
  \bar "||"
  \offset positions #'(-0.5 . 0.5) Arpeggio
  \arpeggioMusic
  \bar "||"
  \once \override Arpeggio.positions = #'(-3.5 . -0.5)
  <c' e' g'>1\arpeggio
  \bar "||"
}

[image of music]

‘override’ の形では、\offset の前に \once\temporary を置くことができ、\revert で元に戻すことができます (Intermediate substitution functions を参照してください)。つまり、\offset は実際には property\override を作成していることになります。

music = { c'8\< d' e' f'\! }

{
  \music
  \offset height 1 Hairpin
  \music
  \music
  \revert Hairpin.height
  \music
  \bar "||"
  \once \offset height 1 Hairpin
  \music \music
  \bar "||"
  \override Hairpin.height = 0.2
  \music
  \temporary \offset height 2 Hairpin
  \music
  \music
  \revert Hairpin.height
  \music
  \bar "||"
}

[image of music]

また、\override と同様に、\offset の ‘override’ 形は \undo\single と使用することもできます:

longStem = \offset length 6 Stem

{
 \longStem c'4 c''' c' c''
 \bar "||"
 \undo \longStem c'4 c''' c' c''
 \bar "||"
 \single \longStem c'4 c''' c' c''
 \bar "||"
}

[image of music]

\offset を tweak として使う

item が音楽表記 ((\arpeggio など) である場合、‘tweak’ が適用された音楽表記が出力されます。

[-]\offset [GrobName.]property offsets music-expression

‘tweak’ 形の \offset の記法は、\tweak コマンドそのものに似ています。引数の順番や、前に付くハイフンはそれと同様です。

次の例は、BreathingSign オブジェクトの縦位置を調整するために ‘tweak’ 形を用いています。これと、通常の \tweak コマンドによる例を見比べてください。記法は同一ですが、\tweak の出力はあまり直感的ではありません。なぜなら、BreathingSign.Y-offset が譜線の中央を原点として計算されるためです。\offset を使えば、Y-offset がどのように計算されているかを知る必要はありません。

{
  c''4
  \breathe
  c''4
  \offset Y-offset 2 \breathe
  c''2
  \tweak Y-offset 3 \breathe
}

[image of music]

前の例では、‘tweak’ されたオブジェクトはユーザの入力から直接作られています: \breathe コマンドは BreathingSign オブジェクトを明示的に作り出すためです。コマンドが対象にするオブジェクトが曖昧ではないため、オブジェクトの名前を指定する必要はありませんでした。しかし、オブジェクトが間接的に作られる場合には、Grob の名前を含める必要があります。これは \tweak コマンドと同様です。

次の例では、Beam オブジェクトの positions プロパティを \offset することで、連桁を 2 譜スペース分下にずらしています。

最初の \offset では、連桁を明示的に作り出すものが存在しないため、 Grob の名前が必要となります。次の \offset では、連桁が音楽表記 [ によって手動で作り出されるため、Grob の名前は必要ではありません。(また、後者では number-pair の両方をオフセットするために、単一の number を用いる省略記法も示しています。)

{
  c''8 g'' e'' d''
  \offset Beam.positions #'(-2 . -2)
  c''8 g'' e'' d''
  c''8 g'' e'' d''
  c''8-\offset positions #-2 [ g'' e'' d'']
}

[image of music]

改行するスパナを \offset する

改行や改ページにまたがるスパナの一部分を個別に変更することもできます。このような場合、offsets はプロパティが要求する型のリストを取ります。

このように用いられる \offset コマンドは \alterBroken コマンドと類似しています。(改行するスパナを変更する を参照してください。) ただし、\alterBroken とは異なり、\offset に与えられる値は絶対値ではなく相対値となります。

次の例は、‘改行する’ OttavaBracket オブジェクトを、staff-padding プロパティにより移動します。プロパティは元々 number を取るため、offsetsnumber のリストを取り、改行によって分けられる 2 つの部分に対応します。1 行目のブラケットは、staff-padding のデフォルト値に 0 が加算されることになるため実質変更されません。2 行目のブラケットはデフォルトの高さから 3 譜スペースだけ上に移動します。高さのデフォルト値 (絶対値) は 2 ですが、位置をオフセットするためにこの値を知る必要はありません。

{
  \offset staff-padding #'(0 3) Staff.OttavaBracket
  \ottava #1
  c'''2 c'''
  \break
  c'''2 c'''
}

[image of music]

次の例は、Slur オブジェクトの control-points プロパティをオフセットすることで \shape コマンドを模倣しています。ここでは、offsetsnumber-pair-list のリストとなり、それぞれの要素がスラーの一つの部分に対応します。この例では、形状を変更する に示した例と全く同じ結果を出力します。

{
  c'4-\offset control-points #'(
               ((0 . 0) (0 . 0) (0 . 0) (0 . 1))
               ((0.5 . 1.5) (1 . 0) (0 . 0) (0 . -1.5))
              ) ( f'4 g' c''
  \break
  d'4 c'' f' c')
}

[image of music]


5.3.7 連想配列を変更する

ユーザが変更可能なプロパティの中には、内部的には 連想配列 として存在しているものがあります – 連想配列は キー のペアの配列を保持します。連想配列の構造は下記のとおりです:

'((キー1 . 値1)
  (キー2 . 値2)
  (キー3 . 値3)
  …)

ある連想配列がグラフィカル オブジェクト プロパティまたは \paper 変数である場合、その連想配列の個々のキーを、他のキーに影響を与えることなく、変更することができます。

例えば、譜グループの中にある隣り合う譜間のスペースを減らすには、StaffGrouper グラフィカル オブジェクトの staff-staff-spacing プロパティを使用します。このプロパティは 4 つのキー – basic-distance, minimum-distance, padding, それに stretchability – を持つ連想配列です。このプロパティの標準設定は、内部リファレンスの “Backend” セクションでリストアップされています (StaffGrouper を参照してください):

'((basic-distance . 9)
  (minimum-distance . 7)
  (padding . 1)
  (stretchability . 5))

譜間のスペースを小さくする方法の 1 つは、basic-distance キーの値 (9) を minimum-distance キーの値 (7) 近くまで減らすことです。個々のキーを変更するには、ネストされた宣言 を使います:

% デフォルトの譜間スペース
\new PianoStaff <<
  \new Staff { \clef treble c''1 }
  \new Staff { \clef bass   c1   }
>>

% 譜間スペースを減らします
\new PianoStaff \with {
  % this is the nested declaration
  \override StaffGrouper.staff-staff-spacing.basic-distance = #7
} <<
  \new Staff { \clef treble c''1 }
  \new Staff { \clef bass   c1   }
>>

[image of music]

ネストされた宣言は、プロパティの他のキーに変更を加えることなく、指定されたキー (上の例では basic-distance) を更新します。

今度は、譜を重ならない範囲でできる限り近づけたいとします。最も簡単な方法は、連想配列の 4 つのキーすべてを 0 にセットすることです。しかしながら、4 つのネストされた宣言を記述する必要はありません。1 つの宣言でプロパティを丸ごと再定義することができます:

\new PianoStaff \with {
  \override StaffGrouper.staff-staff-spacing =
    #'((basic-distance . 0)
       (minimum-distance . 0)
       (padding . 0)
       (stretchability . 0))
} <<
  \new Staff { \clef treble c''1 }
  \new Staff { \clef bass   c1   }
>>

[image of music]

連想配列の再定義でリストアップされなかったキーは、セットされなかった場合のデフォルト値 にリセットされます。staff-staff-spacing の場合、セットされなかったキーは 0 にリセットされます (stretchability は例外で、セットされなかった場合、basic-distance にリセットされます)。このため、以下の 2 つの宣言は等価です:

\override StaffGrouper.staff-staff-spacing =
  #'((basic-distance . 7))

\override StaffGrouper.staff-staff-spacing =
  #'((basic-distance . 7)
     (minimum-distance . 0)
     (padding . 0)
     (stretchability . 7))

連想配列の再定義でリストアップされなかったキーがあることにより、初期化ファイルでセットされたり、入力ファイルがコンパイルされるときに読み込まれた標準設定が (意図せずに) 削除される可能性があります。上の例では、paddingminimum-distance の標準設定 (scm/define-grobs.scm で定義されます) は、セットされなかった場合のデフォルト値 (両方とも 0) にリセットされます。プロパティや (任意のサイズ) 連想配列を定義した場合、セットされなかったキー値はすべて セットされなかった場合のデフォルト値 にリセットされます。そうすることを意図しているのでない限り、ネストされた宣言を用いてキー値を個々に更新する方が安全です。

Note: ネストされた宣言は、コンテキスト プロパティ連想配列 (beamExceptions, keyAlterations, timeSignatureSettings 等) に対しては機能しません。これらのプロパティを変更するには、連想配列として丸ごと再定義するしかありません。


5.4 役に立つコンセプトとプロパティ


5.4.1 入力モード

入力ファイルの中に保持されている記譜を解釈する方法は、現在の入力モードによって決定されます。一般的には、入力モードを指定する方法は 2 種類あります: 長い形 (例えば \chordmode) と短い形 (例えば \chords) です。長い形は通常、入力を変数に格納する際や、明示的に作成されたコンテキストに直接音楽を入力する際に使用されます。短い形は、入力に対応したコンテキストを暗黙的に作成し、そのコンテキストに直接入力を渡します。入力を受け取るコンテキストを明示的に生成する必要がないような、シンプルな状況において有用です。

和音モード

このモードは \chordmode コマンドで有効になり、入力はコード記譜法の構文で解釈されるようになります。和音記譜法 を参照してください。和音モードで入力された音楽は、Staff コンテキスト内では和音として、ChordNames コンテキスト内ではコード ネームとして、FretBoards コンテキスト内ではフレットボードとして表示されます。

和音モードは \chords コマンドでも有効になります。このコマンドを用いると、入力は暗黙的に作成された ChordNames コンテキストの中でコード記譜法の構文で解釈され、コード ネームとして表示されます。コード ネームを譜刻する を参照してください。

ドラム モード

このモードは \drummode コマンドで有効になり、入力はドラム記譜法の構文で解釈されるようになります。基本的な打楽器の記譜法 を参照してください。ドラム モードで入力された音楽は、DrumStaff コンテキストの中で打楽器の音符として表示されます。

また、ドラム モードは \drums コマンドでも有効になります。このコマンドを用いると、入力は暗黙的に作成された DrumStaff コンテキストの中でドラム記譜法の構文で解釈され、打楽器の音符として表示されます。基本的な打楽器の記譜法 を参照してください。

通奏低音モード

このモードは \figuremode コマンドで有効になり、入力は通奏低音の構文で解釈されるようになります。通奏低音を入力する を参照してください。通奏低音モードで入力された音楽は、FiguredBass コンテキストか Staff コンテキストの中で通奏低音として表示されます。

また、通奏低音モードは \figures コマンドでも有効になります。このコマンドを用いると、入力は暗黙的に作成された FiguredBass コンテキストの中で通奏低音の構文で解釈され、通奏低音記号として表示されます。通奏低音の導入部 を参照してください。

フレットとタブ モード

フレット記号とタブ記号を入力するための特別な入力モードはありません。

タブ図を作成するには、音符モードで音符や和音を入力して、それらを TabStaff コンテキストの中に表示します。デフォルトのタブ譜 を参照してください。

譜の上にフレット図を作成するには、音符モードか和音モードのどちらかで音符や和音を入力し、それらを FretBoards コンテキストの中に表示します。自動フレット ダイアグラム を参照してください。または、フレット図は \fret-diagram コマンドを用いて、音符の上にマークアップとして入力することもできます。フレット ダイアグラム マークアップ を参照してください。

歌詞モード

このモードは \lyricmode コマンドで有効になり、入力はオプションで演奏時間を持つ歌詞音節や、歌詞の修飾子として解釈されます。声楽 を参照してください。歌詞モードでの入力は、Lyrics コンテキストの中で歌詞音節として表示されます。

また、歌詞モードは \lyrics コマンドでも有効になります。このコマンドを用いると、入力は暗黙的に作成された Lyrics コンテキストの中で歌詞音節の構文で解釈され、歌詞音節として表示されます。

また、歌詞モードは \addlyrics コマンドでも有効になります。このコマンドも同様に Lyrics コンテキストを暗黙的に作り出しますが、前にある音楽に紐づくように \lyricsto コマンドも暗黙的に作り出します。歌詞音節の自動演奏時間 を参照してください。

マークアップ モード

このモードは \markup コマンドで有効になり、入力はマークアップの構文で解釈されるようになります。\markup コマンドの一覧 を参照してください。

音符モード

このモードはデフォルトのモードであり、\notemode コマンドで有効にすることもできます。入力はピッチ、演奏時間、マークアップなどとして解釈され、譜面上に音楽記譜として写植されます。

通常、音符モードを明示的に指定する必要はありません。しかしながら、ある特定の状況 – 例えば、歌詞モード、和音モード、あるいは他のモードを使っていて、音符モードの構文でしか入力できないものを入力しようとしている場合 – では、音符モードを明示的に指定することが有用な場合があります。


5.4.2 向きと配置

楽譜を写植しているとき、多くの要素の向きと配置には選択の余地があります。例えば、音符の符幹は上向きあるいは下向きにすることができ、歌詞、強弱記号、他の表現記号は譜の上あるいは下に配置することができ、テキストは左揃え、右揃え、あるいは中央揃えにすることができる、などです。これらの選択のほとんどは LilyPond によって自動的に決定されますが、強制的に向きや配置を指定することが望ましい場合もあります。


アーティキュレーションの方向指示子

デフォルトでは、アーティキュレーションのいくつかの向きは常に上または下になっています (例えば、強弱記号やフェルマータ)。一方、他のアーティキュレーションは、符幹の向きによって、向きが上下します (スラーやアクセントなど)。

アーティキュレーションの前に 方向指示子 を置くことで、デフォルトの向きをオーバライドすることができます。3 つの方向指示子があります: ^ (“上向き” を意味します)、_ (“下向き” を意味します)、それに - (“デフォルトの向き” を意味します) です。通常、方向指示子は省略することができ、その場合は - と見なされます。しかしながら、以下のものの前には 常に 方向指示子を置く必要があります:

  • \tweak コマンド
  • \markup コマンド
  • \tag コマンド
  • 文字列マークアップ。例えば、-"string"
  • 運指指示。例えば、-1
  • アーティキュレーションの短縮記法。例えば、-., ->, --

方向指示子は、その後にくる音符だけに効果を持ちます:

\relative {
  c''2( c)
  c2_( c)
  c2( c)
  c2^( c)
}

[image of music]


方向プロパティ

多くのレイアウト オブジェクトの位置や向きは、direction プロパティによって制御されます。

direction プロパティの値は、1 (“上向き” あるいは “上” を意味します)、-1 (“下向き” あるいは “下” を意味します) にセットすることができます。記号 UPDOWN は、それぞれ 1-1 の代わりに用いることができます。デフォルトの向きを指定するには、direction0 あるいは CENTER にセットします。このような方法を用いる代わりに、多くの場合で、向きを指定するための前置コマンドが存在しています。それらはすべて以下のような形式をとります:

\xxxUp, \xxxDown, \xxxNeutral

ここで、\xxxNeutral は “デフォルトの向きを使用する” ことを意味します。譜内部オブジェクト を参照してください。

いくつかのケースでは – 一般的な例としてはアルペジオしかありません – direction プロパティの値は、オブジェクトが親オブジェクトの左右どちらに配置されるかを指定します。 この場合、-1 あるいは LEFT は “左側” を意味し、1 あるいは RIGHT は “右側” を意味します。0 あるいは CENTER は、前のケースと同様に、“デフォルトの向きを使用する” ことを意味します。

これらの指示子は、キャンセルされるまで効果を持ちます。

\relative {
  c''2( c)
  \slurDown
  c2( c)
  c2( c)
  \slurNeutral
  c2( c)
}

[image of music]

多声の音楽では、一般的にオブジェクトの向きを変えるよりも明示的に voice を指定した方が良いです。更なる情報は、複数のボイス を参照してください。

参照

学習マニュアル: Within-staff objects

記譜法リファレンス: 複数のボイス


5.4.3 距離と距離の単位

LilyPond における距離には 2 つのタイプがあります: 絶対距離と相対距離です。

絶対距離は、マージン、インデント、それにその他の詳細なページ レイアウトを指定するために使用され、デフォルトではミリメートルで指定されます。 距離は以下の単位で指定することもできます: \mm, \cm, \inch (インチ), それに \pt (ポイント。1/73.27 インチ) です。また、ページ レイアウトにおける距離は、値の後ろに \staff-space を付けることにより、 比率で指定することもできます (次の段落を参照してください)。ページ レイアウトについての詳細は、ページ レイアウト に記述されています。

相対距離は常に譜スペースを単位として指定されます – 稀に、半譜スペースが使用されます。譜スペースは隣り合う 2 本の譜線間の距離です。グローバル譜サイズを設定することにより、デフォルト値をグローバルに変更することができます。また、StaffSymbolstaff-space プロパティを変更することにより、譜スペースをローカルにオーバライドすることもできます。相対距離は、グローバル譜サイズや StaffSymbolstaff-space プロパティのいずれかが変更されると、自動的に変更されます。しかしながら、フォントの比率はグローバル譜サイズが変更された場合にのみ、自動的に変更されます。そのため、グローバル譜サイズは容易に描画される楽譜全体のサイズを変更することができます。グローバル譜サイズを設定するための手段については、譜サイズを設定する を参照してください。

楽譜のある部分だけの比率を変更したいのなら – 例えば、オッシア セクションや脚注で – 単純にグローバル譜サイズを変更するわけにはいきません。なぜなら、グローバル譜サイズを変更すると、楽譜全体が影響を受けるからです。そのような場合、StaffSymbolstaff-space プロパティとフォントのサイズをオーバライドすることにより、サイズを変更します。フォント サイズの変更を staff-space 単位の変更に変換するには、Scheme 関数 magstep を使用することができます。この関数の説明と使用例については、オブジェクトの長さと太さ を参照してください。

参照

学習マニュアル: オブジェクトの長さと太さ

記譜法リファレンス: ページ レイアウト, 譜サイズを設定する


5.4.4 寸法

グラフィカル オブジェクトの寸法 (大きさ) は、オブジェクトのバウンディング ボックスの左右端の位置、上下端の位置を指定します。これらはオブジェクトの参照ポイントからの距離で指定し、単位は譜スペースです。これらの位置は通常 2 つの Scheme ペアで表現します。例えば、テキスト マークアップ コマンド \with-dimensions は 3 つの引数を取り、最初の 2 つが左右端の位置と上下端の位置を示す Scheme ペアです:

\with-dimensions #'(-5 . 10) #'(-3 . 15) arg

これは arg のバウンディング ボックスの左端を -5, 右端を 10, 下端を -3, 上端を 15 に指定しています。全てオブジェクトの参照ポイントから、譜スペースの単位で計測されています。

参照

記譜法リファレンス: 距離と距離の単位


5.4.5 譜記号プロパティ

譜線の垂直位置と譜線の本数を同時に定義することができます。以下の例が示すように、音符の位置は譜線の位置には影響されません。

Note: 'line-positions プロパティは 'line-count をオーバライドします。譜線の本数は、'line-positions の値リストの中にある要素数によって、暗黙的に定義されます。

\new Staff \with {
  \override StaffSymbol.line-positions = #'(7 3 0 -4 -6 -7)
}
\relative { a4 e' f b | d1 }

[image of music]

譜の幅を変更することができます。単位は譜スペースです。譜内部のオブジェクトのスペースは、この設定によって影響を受けません。

\new Staff \with {
  \override StaffSymbol.width = #23
}
\relative { a4 e' f b | d1 }

[image of music]


5.4.6 スパナ

多くの音楽記譜オブジェクトは、複数の音符あるいは複数の小節にまたがって、広がりを持ちます。例としては、スラー、連桁、連譜の囲み、volta 繰り返しの囲み、クレッシェンド、トリル、それにグリッサンドがあります。そのようなオブジェクトは総称して “スパナ” と呼ばれ、それらの見た目と振る舞いを制御するための特殊なプロパティを持ちます。これらのプロパティのいくつかは、すべてのスパナに共通しています。他のプロパティはスパナの部分集合に限定されています。

すべてのスパナは spanner-interface をサポートします。いくつかのスパナ – 2 つのオブジェクトの間に直線を描くもの – は、さらに、line-spanner-interface をサポートします。


spanner-interface を使用する

このインターフェイスは、いくつかのスパナに適用される 2 つのプロパティを提供します。

The minimum-length プロパティ

スパナの最短の長さは、minimum-length プロパティによって指定されます。通常、このプロパティを増加させると、スパナの両端の間にある音符の間隔は増加します。しかしながら、このオーバライドは多くのスパナで効果を持ちません。なぜなら、それらの長さは他の要素によって決定されるからです。以下に効果を持つ例を 2, 3 示します。

a'~ a'
a'
% タイの長さを増加させます
-\tweak minimum-length #5
~ a'

[image of music]

\relative \compressMMRests {
  a'1
  R1*23
  % 休符バーの長さを増加させます
  \once \override MultiMeasureRest.minimum-length = #20
  R1*23
  a1
}

[image of music]

\relative {
  a' \< a a a \!
  % ヘアピンの長さを増加させます
  \override Hairpin.minimum-length = #20
  a \< a a a \!
}

[image of music]

さらに、このオーバライドはスラーとフレージング スラーの長さを増加させるためにも使用されます:

\relative {
  a'( g)
  a
  -\tweak minimum-length #5
  ( g)

  a\( g\)
  a
  -\tweak minimum-length #5
  \( g\)
}

[image of music]

いくつかのレイアウト オブジェクトでは、minimum-length プロパティは、set-spacing-rods プロシージャが明示的に呼び出された場合にのみ効果を持ちます。このプロシージャを呼び出すには、springs-and-rods プロパティにly:spanner::set-spacing-rods をセットしておく必要があります。例えば、グリッサンドの最短長は、springs-and-rods プロパティが設定されていない限り、効果を持ちません:

% デフォルト
e' \glissando c''

% 単独では効果を持ちません
\once \override Glissando.minimum-length = #20
e' \glissando c''

% 以下の両方のオーバライドが存在する場合にのみ、効果を持ちます
\once \override Glissando.minimum-length = #20
\once \override Glissando.springs-and-rods = #ly:spanner::set-spacing-rods
e' \glissando c''

[image of music]

Beam オブジェクトでも同じことが言えます:

% 単独では効果を持ちません
\once \override Beam.minimum-length = #20
e'8 e' e' e'

% 以下の両方のオーバライドが存在する場合にのみ、効果を持ちます
\once \override Beam.minimum-length = #20
\once \override Beam.springs-and-rods = #ly:spanner::set-spacing-rods
e'8 e' e' e'

[image of music]

The to-barline プロパティ

spanner-interface の 2 番目に有用なプロパティは to-barline です。デフォルトではこのプロパティは真であり、小節の最初の音符のところで終了するヘアピンや他のスパナは直前の小節線のところで終了させられます。偽に設定すると、スパナは小節線を越えて、音符のところで終了します:

\relative {
  a' \< a a a a \! a a a \break
  \override Hairpin.to-barline = ##f
  a \< a a a a \! a a a
}

[image of music]

このプロパティはすべてのスパナに対して効果を持つわけではありません。例えば、スラーやフレージング スラー、あるいは小節線で終了させることに意味が無い他のスパナに対して、このプロパティを #t に設定しても効果がありません。


line-spanner-interface を使用する

line-spanner-interface をサポートするオブジェクトには以下のものがあります:

  • DynamicTextSpanner
  • Glissando
  • TextSpanner
  • TrillSpanner
  • VoiceFollower

これらのスパナのステンシルを描画する責任を持つルーチンは ly:line-spanner::print です。このルーチンはスパナの両端の位置を綿密に決定し、求めに応じたスタイルでそれらの間に線を描きますスパナの両端の位置はオンザフライ (その場、その時々) で算出されますが、それらの Y 座標をオーバライドすることができます。指定する必要のあるプロパティは、プロパティ階層内で 2 階層下にネストされていますが、この \override コマンドは非常にシンプルです:

e''2 \glissando b'
\once \override Glissando.bound-details.left.Y = #3
\once \override Glissando.bound-details.right.Y = #-2
e''2 \glissando b'

[image of music]

Y プロパティの単位は staff-space であり、譜の中央線が 0 位置です。グリッサンドでは、スパナの両端は各符頭の中心であり、Y はそれらの点を上下させます。

Y が設定されていない場合、値はスパナの両端の垂直位置から算出されます。

改行の場合、終点の Y の値は bound-details の部分リスト left-brokenright-broken のによって指定されます。例を示します:

\override Glissando.breakable = ##t
\override Glissando.bound-details.right-broken.Y = #-3
c''1 \glissando \break
f''1

[image of music]

bound-details プロパティの部分リスト leftright の下位プロパティのいくつかは、Y と同じ方法で変更することができます:

Y

終点の Y 座標を、譜の中央線からの staff-space オフセットで、設定します。デフォルトでは、終点オブジェクトの中心です。ですから、グリッサンドは符頭の中心に向かって進みます。

水平方向に広がるスパナ – テキスト スパナやトリル スパナなど – では、この値は 0 に固定されています。

attach-dir

スパナのラインがオブジェクトの左右どちらから始まり、終わるのかを決定します。-1 (あるいは LEFT) であれば、ラインは符頭の左側から開始あるいは終了します。

X

終点の絶対 X 座標です。通常、オンザフライ (その場、その時々) で算出され、これをオーバライドしてもあまり意味がありません。

stencil

ライン スパナは開始点や終了点で記号を持つ場合があり、その記号はこのサブ プロパティに保持されています。このサブ プロパティは内部で使用するためのものです。このサブ プロパティの代わりに text を使用することを推奨します。

text

ステンシルを作成するために評価されるマークアップです。水平スパナに cresc., tr それに他のテキストを配置するために使用されます。

\override TextSpanner.bound-details.left.text
   = \markup { \small \bold Slower }
\relative { c''2\startTextSpan b c a\stopTextSpan }

[image of music]

stencil-align-dir-y
stencil-offset

これらの 1 つを設定しなければ、ステンシルは、XY サブ プロパティで定義されたとおりに、ラインに中央揃えで、終点に配置されます。stencil-align-dir-y あるいは stencil-offset のどちらかを設定すると、記号が上下します:

\override TextSpanner.bound-details.left.stencil-align-dir-y = #-2
\override TextSpanner.bound-details.right.stencil-align-dir-y = #UP

\override TextSpanner.bound-details.left.text = "ggg"
\override TextSpanner.bound-details.right.text = "hhh"

\relative { c'4^\startTextSpan c c c \stopTextSpan }

[image of music]

予期される結果とは逆に、負の値はテキストを 上げる ということに注意してください。なぜなら、-1 あるいは DOWN はテキストの 下端 をスパナ ラインに揃え、 1 あるいは UP はテキストの 上端 をスパナ ラインに揃えるからです。

arrow

このサブ プロパティに #t をセットするとラインの終点に矢印が描かれます。

padding

このサブ プロパティはラインの終点と実際の終点の間のスペースを制御します。パディングがなければ、グリッサンドは両端の符頭の中心から描かれます。

音楽関数 \endSpanners は直後の音符から始まるスパナをすぐに終了させます。ちょうど 1 音符分でスパナを終了させますが、to-barline が真で、かつ、次の音符の前に小節線がある場合はその小節線のところでスパナを終了させます。

\relative c'' {
  \endSpanners
  c2 \startTextSpan c2 c2
  \endSpanners
  c2 \< c2 c2
}

[image of music]

\endSpanners を使用している場合、\startTextSpan\endTextSpan で閉じる必要はなく、ヘアピンを \! で閉じる必要もありません。

参照

内部リファレンス: TextSpanner, Glissando, VoiceFollower, TrillSpanner, line-spanner-interface


5.4.7 オブジェクトの可視性

レイアウト オブジェクトの可視性を制御する主な方法は 4 つあります: オブジェクトのステンシルを削除する方法、オブジェクトを透明にする方法、オブジェクトの色を白にする方法、あるいは、オブジェクトの break-visibility プロパティをオーバライドする方法です。 最初の 3 つの方法はすべてのレイアウト オブジェクトに適用されますが、最後の方法はいくつかの – 改行可能な オブジェクト – だけに適用されます。学習マニュアルでは、これら 4 つのテクニックについて紹介しています。オブジェクトの可視性と色 を参照してください。

さらに、特定のレイアウト オブジェクト特有のテクニックがいくつかあります。それらについては、特別な考慮でカバーされています。


ステンシルを削除する

レウアウト オブジェクトはそれぞれステンシル プロパティを持ちます。デフォルトでは、このプロパティはそのオブジェクトを描画する特殊な関数にセットされています。このプロパティが #f にオーバライドされた場合、関数は呼び出されず、そのオブジェクトは描画されません。\revert でデフォルトの動作に戻すことができます。

a1 a
\override Score.BarLine.stencil = ##f
a a
\revert Score.BarLine.stencil
a a a

[image of music]

これはよく使う操作であるため、\omit という短縮記法が存在します:

a1 a
\omit Score.BarLine
a a
\undo \omit Score.BarLine
a a a

[image of music]


オブジェクトを透明にする

レイアウト オブジェクトはそれぞれ transparent プロパティを持っていて、デフォルトでは #f にセットされています。#t にセットされると、そのオブジェクトはスペースを占めたままですが、不可視になります。

a'4 a'
\once \override NoteHead.transparent = ##t
a' a'

[image of music]

これにも \hide という短縮記法があります:

a'4 a'
\once \hide NoteHead
a' a'

[image of music]


オブジェクトを白で描く

レイアウト オブジェクトはそれぞれ color プロパティを持っていて、デフォルトでは black にセットされています。このプロパティが white にセットされてると、そのオブジェクトは白い背景と区別が付かなくなります。しかしながら、そのオブジェクトが他のオブジェクトと交差している場合、交差している場所の色はオブジェクトの描画順序によって決定されます。これにより、以下に示すように、白いオブジェクトの画像が幽霊のように浮かび上がることがあります:

\override Staff.Clef.color = #white
a'1

[image of music]

オブジェクトの描画順序を変更することにより、これを回避することができます。すべてのレイアウト オブジェクトは layer プロパティを持っており、このプロパティには整数がセットされています。より小さな値の layer を持つオブジェクトが最初に描画され、より大きな値の layer を持つオブジェクトが後になってから描画されます。このため、より大きな値を持つオブジェクトがより小さな値を持つオブジェクトを上書きします。デフォルトでは、たいていのオブジェクトの layer には 1 が代入されています。しかしながら、いくつかのオブジェクト – StaffSymbolBarLine など – には 0 が代入されています。同じ値の layer を持つオブジェクトを描画する順番は不確定です。

上記の例において、白い音部記号 (この layer のデフォルト値は 1 です) は譜線 (この layer のデフォルト値は 0 です) の後に描画されます。そのため、音部記号は譜線を上書きしています。これを変更するには、Clef オブジェクトの layer により小さな値 – 例えば、-1 – を与えて、音部記号を先に描画させる必要があります:

\override Staff.Clef.color = #white
\override Staff.Clef.layer = #-1
a'1

[image of music]


break-visibility を用いる

たいていのレイアウト オブジェクトは 1 回だけ描画されます。しかしながら、小節線、音部記号、拍子記号、それに調号などのオブジェクトは、改行が起こると 2 回描画する必要があります – 行の最後で 1 回、次の行の最初でもう 1 回。そのようなオブジェクトは 改行可能 と呼ばれ、それらのオブジェクトが描画される可能性がある 3 つの場所 – 行の先頭、行の途中 (それらが変更された場合)、それに、行の最後 (そこで変更が行われた場合) – における可視性を制御する break-visibility プロパティを持ちます。

例えば、デフォルトでは拍子記号は最初の行の先頭で描画されますが、変更されない限り他の場所には描画されません。変更された場合、拍子記号は変更が行われた場所に描画されます。この変更が行の最後で行われた場合、新しい拍子記号は次の行の先頭に描画され、その前の行の最後にも忠告の拍子記号が描画されます。

この振る舞いは break-visibility プロパティによって制御されます。このプロパティについての説明は オブジェクトの可視性と色 を参照してください。このプロパティは 3 つのブール値からなるベクトルをとり、順に、そのオブジェクトが行の最後で描画されるかどうか、行の途中で描画されるかどうか、そして、行の先頭で描画されるかどうかを決定します。より正確には、改行の前、改行がない場合、改行の後です。

break-visibility プロパティによって制御する代わりに、これら 8 通りの組み合わせを scm/output-lib.scm で定義されている定義済み関数によって指定することもできます。このファイルの中で、最後の 3 列がその列のヘッダで示される場所での可視性を表しています:

関数形式ベクトル形式改行前改行なし改行後
all-visible#(#t #t #t)yesyesyes
begin-of-line-visible#(#f #f #t)nonoyes
center-visible#(#f #t #f)noyesno
end-of-line-visible#(#t #f #f)yesnono
begin-of-line-invisible#(#t #t #f)yesyesno
center-invisible#(#t #f #t)yesnoyes
end-of-line-invisible#(#f #t #t)noyesyes
all-invisible#(#f #f #f)nonono

break-visibility のデフォルト設定はレイアウト オブジェクトによって異なります。以下の表は、break-visibility によって影響をうけるすべてのレイアウト オブジェクトと、そのプロパティのデフォルト設定を示しています:

レイアウト オブジェクト通常のコンテキストデフォルト設定
BarLineScorecalculated
BarNumberScorebegin-of-line-visible
BreathingSignVoicebegin-of-line-invisible
ClefStaffbegin-of-line-visible
CustosStaffend-of-line-visible
DoublePercentRepeatVoicebegin-of-line-invisible
KeyCancellationStaffbegin-of-line-invisible
KeySignatureStaffbegin-of-line-visible
ClefModifierStaffbegin-of-line-visible
RehearsalMarkScoreend-of-line-invisible
TimeSignatureStaffall-visible

以下の例は、小節線の可視性を制御するベクトルの使用方法を示しています:

\relative {
  f'4 g a b
  f4 g a b
  % カレント行の最後で小節線を削除します
  \once \override Score.BarLine.break-visibility = ##(#f #t #t)
  \break
  f4 g a b
  f4 g a b
}

[image of music]

break-visibility をオーバライドするために使用されるベクトルの要素 3 つをすべて記述する必要がありますが、それらすべてが各レイアウト オブジェクトに対して効果を持つわけではなく、組み合わせによってはエラーになる場合もあります。以下の制限があります:

  • 小節線を行の先頭に描画することはできません。
  • 小節番号が 1 から始まるのでなければ、最初の行の先頭に描画することはできません。
  • 音部記号 – 次のセクションを参照してください
  • 2 重線のパーセント繰り返しはすべて描画するか、すべて描画しないかのどちらかです。描画するには begin-of-line-invisible を用い、描画しないのなら all-invisible を用います。
  • Key signature – 次のセクションを参照してください
  • ClefModifier – 次のセクションを参照してください

特別な考慮を必要とするもの

明示的な変更の後の可視性

break-visibility プロパティが調号の可視性と音部記号の変更を制御するのは、行の先頭 – つまり、改行の後 – においてだけです。行の途中や終わりでの明示的な調の変更や音部記号の変更の後に出現する調号や音部記号の可視性には効果を持ちません。以下の例では、all-invisible がセットされていますが、B フラット メジャーへの明示的な変更の後に出現する調号は可視のままです。

\relative {
  \key g \major
  f'4 g a b
  % すべての調号を削除しようと試みます
  \override Staff.KeySignature.break-visibility = #all-invisible
  \key bes \major
  f4 g a b
  \break
  f4 g a b
  f4 g a b
}

[image of music]

そのような明示的な調号や音部記号の変更の可視性は explicitKeySignatureVisibility プロパティや explicitClefVisibility プロパティによって制御されます。これらは break-visibility プロパティと等価であり、どちらも break-visibility と同様に 3 つのブール値からなるベクトルか上でリストアップした定義済み関数をとります。どちらも Staff コンテキストのプロパティであり、レイアウト オブジェクト自体のプロパティではありません。ですから、これらは \set コマンドでセットします。どちらもデフォルトでは all-visible がセットされています。これらのプロパティは明示的な変更の結果として生じる調号と音部記号の可視性だけを制御し、行の先頭での調号や音部記号には効果を持ちませんので、オブジェクトを削除するには適切な break-visibility をオーバライドする必要があります。

\relative {
  \key g \major
  f'4 g a b
  \set Staff.explicitKeySignatureVisibility = #all-invisible
  \override Staff.KeySignature.break-visibility = #all-invisible
  \key bes \major
  f4 g a b \break
  f4 g a b
  f4 g a b
}

[image of music]

前の調をキャンセルする臨時記号の可視性

明示的な調の変更で描画される前の調をキャンセルする臨時記号を削除するには、Staff コンテキスト プロパティ printKeyCancellation#f をセットします:

\relative {
  \key g \major
  f'4 g a b
  \set Staff.explicitKeySignatureVisibility = #all-invisible
  \set Staff.printKeyCancellation = ##f
  \override Staff.KeySignature.break-visibility = #all-invisible
  \key bes \major
  f4 g a b \break
  f4 g a b
  f4 g a b
}

[image of music]

このオーバライドによって、調の変更を示す臨時記号だけが残ります。

調を C メジャーや A マイナーに変更する時、前の調をキャンセルする臨時記号は前の調のキャンセルしている だけ であることに注意してください。そのようなケースでは、printKeyCancellation#f に設定しても効果はありません:

\relative {
  \key g \major
  f'4 g a b
  \set Staff.explicitKeySignatureVisibility = #all-invisible
  \set Staff.printKeyCancellation = ##f
  \key c \major
  f4 g a b \break
  f4 g a b
  f4 g a b
}

[image of music]

調を C メジャーや A マイナーに変更する場合に、前の調をキャンセルする臨時記号を消すには、KeyCancellation グラフィカル オブジェクトの可視性をオーバライドします:

\relative {
  \key g \major
  f'4 g a b
  \set Staff.explicitKeySignatureVisibility = #all-invisible
  \override Staff.KeyCancellation.break-visibility = #all-invisible
  \key c \major
  f4 g a b \break
  f4 g a b
  f4 g a b
}

[image of music]

自動小節線

特殊なケースとして、Score コンテキストの automaticBars プロパティを設定することにより、小節線の描画を Off にすることもできます。#f をセットされた場合、小節線は自動的には描画されなくなり、\bar コマンドで明示的に作成しなければならなくなります。定義済みコマンド \cadenzaOn とは異なり、小節数はカウントされ続けます。後になってこのプロパティに #t がセットされると、このカウントに従って小節線の生成が再開されます。#f がセットされている場合、改行が起こりえるのは明示的な \bar コマンドがある場所でだけになります。

オクターブ移調付きの音部記号

オクターブ移調付きの音部記号上の小さな移調記号は ClefModifier レイアウト オブジェクトによって作り出されます。このオブジェクトの可視性は Clef オブジェクトの可視性とは独立して制御されます。そのため、各行の先頭においてそのような音部記号を完全に消そうとするなら、Clef オブジェクトと ClefModifier オブジェクトの両方に対して必要な break-visibility のオーバライドを行う必要があります。

明示的な音部記号の変更では、explicitClefVisibility プロパティが音部記号とそれに関連する移調記号の両方を制御します。

参照

学習マニュアル: オブジェクトの可視性と色


5.4.8 ライン スタイル

いくつかの演奏指示子 – 例えば、rallentando, accelerando それに trills など – はテキストとして記述され、線で (点線や波線の場合もあります) でいくつもの小節にわたって広がります。

これらはすべてグリッサンドと同じルーチンを用いてテキストと線を描きます。そのため、それらの振る舞いの調整も同じように行います。これらはスパナによって実現され、スパナを描くルーチンは ly:line-spanner::print です。このルーチンは 2 つの スパン ポイント の位置を決定し、要求されたスタイルに応じてそれら 2 点の間に線を描きます。

利用可能なライン スタイルと、それらをどのように調整するかを示す例を挙げます。

\relative {
  d''2 \glissando d'2
  \once \override Glissando.style = #'dashed-line
  d,2 \glissando d'2
  \override Glissando.style = #'dotted-line
  d,2 \glissando d'2
  \override Glissando.style = #'zigzag
  d,2 \glissando d'2
  \override Glissando.style = #'trill
  d,2 \glissando d'2
}

[image of music]

スパナの終点の位置は各グラフィック オブジェクトごとにオンザフライ (その場、その時々) で計算されますが、それらをオーバライドすることもできます:

\relative {
  e''2 \glissando f
  \once \override Glissando.bound-details.right.Y = #-2
  e2 \glissando f
}

[image of music]

グリッサンドの終点の Y には -2 がセットされています。right の代わりに left を指定することにより、始点も同じように調整することができます。

Y がセットされていない場合、その値はスパナが取り付けられるポイントの垂直位置から算出されます。

スパナに他の調整を行うことも可能です。詳細は スパナ を参照してください。


5.4.9 オブジェクトを回転させる

レイアウト オブジェクトとマークアップ テキストの要素はどちらも任意のポイントを中心にして任意の角度で回転させることができます。しかしながら、回転させる方法はまったく異なります。


レイアウト オブジェクトを回転させる

grob-interface をサポートするすべてのレイアウト オブジェクトは、それらのオブジェクトの rotation プロパティを設定することにより、回転させることができます。これは 3 要素のリストをとります: 反時計回りの回転の角度、オブジェクトの参照ポイントからの相対座標 x と y (この座標が回転の中心になります) です。回転の角度は ‘°’で指定し、座標は譜スペースで指定します。

回転の角度と回転の中心座標は、トライ&エラーで決定する必要があります。

レイアウト オブジェクトを回転させることが有用な状況はあまりありません。以下の例は、有用であるかもしれないシチュエーションの 1 つを示しています:

g4\< e' d'' f''\!
\override Hairpin.rotation = #'(15 -1 0)
g4\< e' d'' f''\!

[image of music]


マークアップを回転させる

すべてのマークアップ テキストは、\rotate コマンドを前に置くことにより、任意の角度に回転させることができます。このコマンドは 2 つの引数をとります: 反時計回りの回転の角度 ‘°’ と、回転させられるテキストです。テキストの領域は回転しません: テキストの領域は回転させられるテキストの四隅になります。以下の例では、自動衝突回避を不可にするためにテキストの outside-staff-priority プロパティに #f をセットしています。そうしなければテキストのいくつかは高く押し上げられてしまいます。

\override TextScript.outside-staff-priority = ##f
g4^\markup { \rotate #30 "a G" }
b^\markup { \rotate #30 "a B" }
des'^\markup { \rotate #30 "a D-Flat" }
fis'^\markup { \rotate #30 "an F-Sharp" }

[image of music]


5.5 高度な調整

このセクションでは、楽譜の見た目を細かく調節するためのさまざまなアプローチについて議論します。

参照

学習マニュアル: 出力を調整する, その他の情報源

記譜法リファレンス: 内部リファレンスの説明, プロパティを変更する

拡張: Interfaces for programmers

インストールされているファイル: scm/define-grobs.scm

コード断片集: Tweaks and overrides

内部リファレンス: All layout objects


5.5.1 オブジェクトを揃える

self-alignment-interface と/あるいは side-position-interface をサポートするグラフィカル オブジェクトは、さまざまな形式で配置済みのオブジェクトに揃えることができます。そのようなオブジェクトのリストは、self-alignment-interfaceside-position-interface を参照してください。

すべてのグラフィカル オブジェクトは参照ポイント、水平方向の広がり、それに垂直方向の広がりを持ちます。水平方向の広がりは、参照ポイントから左端と右端までの距離を意味する数値のペアであり、左端は負値です。垂直方向の広がりは、参照ポイントから下端と上端までの距離を意味する数値のペアであり、下端は負値です。

あるオブジェクトの譜面上の位置は、X-offset プロパティと Y-offset プロパティの値によって与えられます。X-offset の値は、親オブジェクトの参照ポイントの X 座標からの距離を意味します。Y-offset の値は、譜の中央線からの距離を意味します。X-offsetY-offset の値は直接設定されることもありますし、いくつかの形式で親オブジェクトと揃えるためにプロシージャによって算出されることもあります。

Note: 多くのオブジェクトは特殊な配置規則を持っています。そのため、そのオブジェクトが self-alignment-interface をサポートしていたとしても、X-offset あるいは Y-offset の設定は無視されたり、変更されることがあります。

例えば、臨時記号は Y-offset を設定することにより垂直方向の位置を変更することができますが、X-offset は効果を持ちません。

リハーサル記号は、小節線、音部記号、拍子記号それに調号などの改行可能なオブジェクトに揃えることができます。リハーサル記号をそのようなオブジェクトに合わせて配置するために、break-aligned-interface の中に特別なプロパティがあります。

参照

記譜法リファレンス: break-alignable-interface を使用する,

拡張: Callback functions


X-offsetY-offset を直接設定する

多くのオブジェクトの X-offset プロパティと Y-offset プロパティに数値を与えることができます。以下の例は、3 つの音符を示していて、1 つはデフォルト配置の運指記号を持ち、他の 2 つの運指記号は X-offsetY-offset が変更されています。

a'-3
a'
-\tweak X-offset #0
-\tweak Y-offset #0
-3
a'
-\tweak X-offset #-1
-\tweak Y-offset #1
-3

[image of music]


side-position-interface を使用する

side-position-interface をサポートするオブジェクトは、その親オブジェクトの隣に配置することができ、それにより、それら 2 つのオブジェクトの指定された端をくっつけることができます。オブジェクトを親オブジェクトの上、下、右、あるいは左に配置することができます。親オブジェクトを指定することはできません: 親オブジェクトは入力ストリームの中での要素の順序によって決定されます。たいていのオブジェクトの親オブジェクトは、そのオブジェクトに関連する符頭となります。

side-axis プロパティと direction プロパティの値は、以下のように、オブジェクトが配置される場所を決定します:

side-axisdirection
propertypropertyPlacement
0-1
01
1-1
11

side-axis0 である場合、X-offset にはプロシージャ ly:side-position-interface::x-aligned-side をセットする必要があります。このプロシージャは、direction の値に基づいて親オブジェクトの左あるいは右にオブジェクトを配置するための適切な値を X-offset に返します。

side-axis1 である場合、Y-offset にはプロシージャ ly:side-position-interface::y-aligned-side をセットする必要があります。このプロシージャは、direction の値に基づいて親オブジェクトの上あるいは下にオブジェクトを配置するための適切な値を Y-offset に返します。


self-alignment-interface を使用する

オブジェクトを自動的に水平方向に揃える

self-alignment-interface をサポートするオブジェクトの水平方向の揃えは、self-alignment-X プロパティの値によって制御され、そのオブジェクトの X-offset プロパティにはly:self-alignment-interface::x-aligned-on-self がセットされています。 self-alignment-X には任意の実数値を与えることができますが、 与える値は、そのオブジェクトの X 方向の広がりの半分を単位とします。負値はオブジェクトを右に移動させ、正値はオブジェクトを左に移動させます。値が 0 であればそのオブジェクトは親オブジェクトの参照ポイントに中央揃えされ、値が -1 であればそのオブジェクトの左端が親オブジェクトの参照ポイントに揃えられ、値が 1 であればそのオブジェクトの右端が親オブジェクトの参照ポイントに揃えられます。記号 LEFT, CENTER, それに RIGHT はそれぞれ -10, それに 1 に対応します。

通常、\override コマンドを用いて self-alignment-X の値を変更しますが、\tweak コマンドを用いることで単一の音符に付けられている複数の注釈を個別に揃えることができます:

a'
-\tweak self-alignment-X #-1
^"left-aligned"
-\tweak self-alignment-X #0
^"center-aligned"
-\tweak self-alignment-X #RIGHT
^"right-aligned"
-\tweak self-alignment-X #-2.5
^"aligned further to the right"

[image of music]

オブジェクトを自動的に垂直方向に揃える

オブジェクトの Y-offset プロパティに ly:self-alignment-interface::y-aligned-on-self がセットされていれば、水平方向の揃えと同じように、垂直方向に揃えることができます。しかしながら、垂直方向の揃えには他のメカニズムも関与します: Y-offset の値は、垂直方向の揃えに関与する変数の 1 つに過ぎません。このことにより、いくつかのオブジェクトの Y-offset 値の調整はややこしくなります。単位はそのオブジェクトの垂直方向の広がりの半分です。通常これは非常に小さいため、非常に大きな数値が必要になる可能性があります。値が -1 であればそのオブジェクトの下端が親オブジェクトの参照ポイントに揃えられ、値が 0 であればそのオブジェクトの中央が親オブジェクトの参照ポイントに揃えられ、値が 1 であればそのオブジェクトの上端が親オブジェクトの参照ポイントに揃えられます。記号 DOWN, CENTER, それに UP はそれぞれ -10, それに 1 に対応します。

オブジェクトを自動的に両方向に揃える

X-offsetY-offset の両方の設定を行うことで、オブジェクトの水平方向と垂直方向の揃えを同時に行うことができます。

以下の例は、運指記号を符頭に近づけるための調整方法を示しています。

a'
-\tweak self-alignment-X #0.5  % 左方向に移動させます
-\tweak Y-offset #ly:self-alignment-interface::y-aligned-on-self
-\tweak self-alignment-Y #-1  % 上方向に移動させます
-3  % 3 の指

[image of music]


break-alignable-interface を使用する

リハーサル記号と小節番号を小節線ではなく、記譜オブジェクトに揃えることができます。対象となる記譜オブジェクトには、ambitus, breathing-sign, clef, custos, staff-bar, left-edge, key-cancellation, key-signature, それに time-signature があります。

それぞれの記号は、リハーサル記号が揃えられるデフォルトの参照点を持ち、その位置は種類ごとに異なります。

% リハーサル記号は音部記号の右端に揃えられます
\override Score.RehearsalMark.break-align-symbols = #'(clef)
\key a \major
\clef treble
\mark "↓"
e'1
% リハーサル記号は拍子記号の左端に揃えられます
\override Score.RehearsalMark.break-align-symbols = #'(time-signature)
\key a \major
\clef treble
\time 3/4
\mark "↓"
e'2.
% リハーサル記号はブレス記号の中央に揃えられます
\override Score.RehearsalMark.break-align-symbols = #'(breathing-sign)
\key a \major
\clef treble
\time 4/4
e'1
\breathe
\mark "↓"

[image of music]

揃えの対象となり得るオブジェクトのリストを指定することができます。揃えを行う時点で対象リストの中にあるオブジェクトのいくつかが不可視である – break-visibility の設定や、調号と音部に対する明示的な可視性の設定により – 場合、リハーサル記号あるいは小節番号はリストの中にある最初の可視のオブジェクトに揃えられます。リストの中にあるオブジェクトがすべて不可視である場合、小節線に揃えられます。小節線が不可視である場合、小節線があるはずの場所に揃えられます。

% リハーサル記号は調号の右端に揃えられます
\override Score.RehearsalMark.break-align-symbols = #'(key-signature clef)
\key a \major
\clef treble
\mark "↓"
e'1
% リハーサル記号は音部記号の右端に揃えられます
\set Staff.explicitKeySignatureVisibility = #all-invisible
\override Score.RehearsalMark.break-align-symbols = #'(key-signature clef)
\key a \major
\clef bass
\mark "↓"
gis,1
% リハーサル記号は小節線の中央に揃えられます
\set Staff.explicitKeySignatureVisibility = #all-invisible
\set Staff.explicitClefVisibility = #all-invisible
\override Score.RehearsalMark.break-align-symbols = #'(key-signature clef)
\key a \major
\clef treble
\mark "↓"
e'1

[image of music]

以下の例で示すように、記譜オブジェクトに対するリハーサル記号の揃えを変更することができます。複数の譜を持つ楽譜では、この設定はすべての譜に適用されます。

% リハーサル記号は調号の右端に揃えられます
\override Score.RehearsalMark.break-align-symbols = #'(key-signature)
\key a \major
\clef treble
\time 4/4
\mark "↓"
e'1
% リハーサル記号は調号の中央に揃えられます
\once \override Score.KeySignature.break-align-anchor-alignment = #CENTER
\mark "↓"
\key a \major
e'1
% リハーサル記号は調号の左端に揃えられます
\once \override Score.KeySignature.break-align-anchor-alignment = #LEFT
\key a \major
\mark "↓"
e'1

[image of music]

また、リハーサル記号を左端に揃えて、さらに任意の量だけ右あるいは左にずらすことができます。単位は譜スペースです:

% リハーサル記号は調号の左端に揃えられて
% さらに 3.5 譜スペース右にずらされます
\override Score.RehearsalMark.break-align-symbols = #'(key-signature)
\once \override Score.KeySignature.break-align-anchor = #3.5
\key a \major
\mark "↓"
e'1
% リハーサル記号は調号の左端に揃えられて
% さらに 2 譜スペース左にずらされます
\once \override Score.KeySignature.break-align-anchor = #-2
\key a \major
\mark "↓"
e'1

[image of music]


5.5.2 グラフィカル オブジェクトを垂直方向にグループ化する

VerticalAlignment グラフィカル オブジェクトと VerticalAxisGroup グラフィカル オブジェクトは対で機能します。VerticalAxisGroup は Staff, Lyrics, 等のような異なるグラフィカル オブジェクトをグループにまとめます。それから、VerticalAlignment が VerticalAxisGroup によってグループ化されたグラフィカル オブジェクトを垂直方向に揃えます。通常、楽譜には VerticalAlignment は 1 つしかありませんが、Staff, Lyrics 等はそれ自体でそれぞれに VerticalAxisGroup を持ちます。


5.5.3 ステンシルを変更する

すべてのレイアウト オブジェクトは、grob-interface の一部である stencil プロパティを持ちます。通常、デフォルトでこのプロパティには、出力でそのオブジェクトを具現化する記号を描画するための特有の関数がセットされています。例えば、MultiMeasureRest オブジェクトの stencil プロパティに対する標準設定は、ly:multi-measure-rest::print です。

stencil プロパティを変更して異なる描画関数を参照させることにより、オブジェクトの標準記号を置き換えることができます。これには LilyPond 内部機能についての高い知識が求められます。しかしながら、多くの場合にまずまずの結果を生み出すもっと簡単な方法があります。

簡単な方法では、stencil プロパティにテキストを描画する関数 – ly:text-interface::print – をセットし、必要な記号を生み出すマークアップ テキストを保持するよう設定された text プロパティ与えます。マークアップの自由度の高さにより、多くのことを達成できます。詳細は、マークアップ内部でのグラフィック記譜法 を参照してください。

以下の例では、この方法を用いて符頭記号を内部に×を持つ円に変更しています。

XinO = {
  \once \override NoteHead.stencil = #ly:text-interface::print
  \once \override NoteHead.text = \markup {
    \combine
      \halign #-0.7 \draw-circle #0.85 #0.2 ##f
      \musicglyph "noteheads.s2cross"
  }
}
\relative {
  a' a \XinO a a
}

[image of music]

\musicglyph マークアップ コマンドで、Emmentaler フォントに含まれる任意の Feta グリフを使用することができます。Emmentaler フォント を参照してください。

EPS ファイルや Postscript コマンドを、それぞれ \epsfile\postscript マークアップ コマンドを使って行内に埋め込むことができます。Graphical markup を参照してください。

参照

記譜法リファレンス: マークアップ内部でのグラフィック記譜法, テキストをフォーマットする, \markup コマンドの一覧, Emmentaler フォント, Graphical markup


5.5.4 形状を変更する


タイとスラーの形状を変更する

Tie, Slur, PhrasingSlur, LaissezVibrerTie, それに RepeatTie はすべて 3 次のベジエ曲線として描かれます。自動的に算出されるタイやスラーの形状が最適ではない場合、以下の 2 つの方法を用いて手動で形状を変更することができます:

  1. 自動的に算出されるベジエ曲線の制御ポイントの移動させる
  2. 求める曲線を定義するのに必要な 4 つの制御ポイントの位置を明示的に指定する

2 つの方法について以下で説明します。曲線の調節がわずかであれば、最初の方法が適しています。2 番目の方法は単一の音符に関連付けられる曲線を作り出す場合に適しています。

3 次ベジエ曲線

3 次あるいは 3 乗のベジエ曲線は、4 つの制御ポイントによって定義されます。1 番目と 4 番目の制御ポイントは曲線の始点と終点になります。間にある 2 つの制御ポイントは曲線の形状を定義します。Web でベジエ曲線が描かれる様子を示すアニメーションを見つけることができるでしょう。しかしながら、以下の記述も役に立つかもしれません。ベジエ曲線は最初の制御ポイントから 2 番目の制御ポイントに進み、徐々に 3 番目の制御ポイントの方へ向きを変えながら 4 番目の制御ポイントの方へ向かい続け、3 番目の制御ポイントから 4 番目の制御ポイントに到達します。ベジエ曲線は 4 つの制御ポイントからなる四角形の中に納まります。制御ポイントの平行移動、回転、伸縮はすべて同じ操作です。

制御ポイントを移動させる

以下の例では、タイの自動配置が最適ではなく、\tieDown も役に立ちません。

<<
  { e'1~ 1 }
\\
  \relative { r4 <g' c,> <g c,> <g c,> }
>>

[image of music]

\shape でタイの制御ポイントを調節することで衝突を避けることができます。

\shape の構文は以下の通りです:

[-]\shape displacements item

これは item の制御ポイントを displacements だけ移動させます。引数 displacements は数のペアのリスト、あるいはそのようなリストのリストです。ペアの要素は制御ポイントの座標の移動量を表しています。item が文字列の場合、指定されたグラフィカル オブジェクト タイプに \once \override で適用されます。item が音楽表記の場合、その音楽表記に調節が適用されます。

言い換えると、\shape 関数は、引数 item が “Slur” のようなグラフィカル オブジェクト名であるか “(” のような音楽表記であるかによって、\once \override コマンドあるいは \tweak コマンドのどちらにでもなり得ます。引数 displacements は 4 つの (dx . dy) ペアのリストで 4 つの制御ポイントの移動を指定します – 値の単位は譜スペースです。 (曲線が複数のセグメントを持つ場合、引数 displacements は 4 つのペアを持つリストのリストになります。)

\tweak 形式で用いる場合にのみ、先頭にハイフン - を付ける必要があります。

それでは、上記の例に \once \override 形式の \shape を使ってタイを 0.5 譜スペースだけ上に移動させてみましょう:

<<
  {
    \shape #'((0 . 0.5) (0 . 0.5) (0 . 0.5) (0 . 0.5)) Tie
    e'1~ 1
  }
\\
  \relative { r4 <g' c,> <g c,> <g c,> }
>>

[image of music]

タイの位置は改善されましたが、中央部分をもっと持ち上げるべきです。以下の例で \tweak 形式でそれを行っています:

<<
  {
    e'1-\shape #'((0 . 0.5) (0 . 1) (0 . 1) (0 . 0.5)) ~ e'
  }
\\
  \relative { r4 <g' c,> <g c,> <g c,> }
>>

[image of music]

同じ方法で制御ポイントを水平方向に移動させることもできて、同じ音楽タイミングで発生する 2 つの曲線をうまく配置することができます:

\relative {
  c''8(\( a) a'4 e c\)
  \shape #'((0.7 . -0.4) (0.5 . -0.4) (0.3 . -0.3) (0 . -0.2)) Slur
  \shape #'((0 . 0) (0 . 0.5) (0 . 0.5) (0 . 0)) PhrasingSlur
  c8(\( a) a'4 e c\)
}

[image of music]

\shape 関数は改行を跨ぐ曲線の制御ポイントを移動させることもできます。分割される曲線それぞれにリストを与えて制御ポイントを移動させます。片方の曲線は変更する必要がない場合、空のリストを渡します。以下の例では、1 つのスラーが改行で 2 つに分割されています:

\relative {
  c'4( f g c
  \break
  d,4 c' f, c)
}

[image of music]

分割されたスラーの形状を変更することで、改行を跨いで続くスラーであることがわかりやすくなります:

% 片方のスラーを変更する必要がない場合、
% () を ((0 . 0) (0 . 0) (0 . 0) (0 . 0)) の短縮形として使うことができます
\relative c' {
  \shape #'(
             (( 0 . 0) (0 . 0) (0 . 0) (0 . 1))
             ((0.5 . 1.5) (1 . 0) (0 . 0) (0 . -1.5))
           ) Slur
  c4( f g c
  \break
  d,4 c' f, c)
}

[image of music]

S 字曲線が求められた場合は、常に制御ポイントを手動で調節する必要があります — LilyPond が自動的にそのような形状を選択することはありません。

\relative c'' {
  c8( e b-> f d' a e-> g)
  \shape #'((0 . -1) (5.5 . -0.5) (-5.5 . -10.5) (0 . -5.5)) PhrasingSlur
  c8\( e b-> f d' a e-> g\)
}

[image of music]

制御ポイントの位置を明示的に指定する

ベジエ曲線の制御ポイントの座標を指定します – 単位は譜スペースです。X 座標はタイあるいはスラーを取り付ける音符の参照ポイントからの相対位置で、X 座標は譜の中央線からの相対位置です。制御ポイントの座標をリストで指定します – リストは数のペアを 4 つ持ちます。両端の座標を推測して、それから 2 つ中間点の座標を推測します。最適値はトライ&エラーで見つけます。音楽やレイアウトに変更が加えられた場合、手動で値を調節する必要があるということに注意してください。

制御ポイントを移動させるよりも、位置を明示的に指定する方が望ましいシチュエーションの 1 つは、単一の音符に関連付けられる曲線の場合です。ここで、そのような例を示します。繰り返しの差し替え部分まで延びるスラーを表示する方法を示しています。

\relative {
  c''1
  \repeat volta 3 { c4 d( e f }
  \alternative {
    { g2) d }
    {
      g2
      % スラーを作成して、新しい位置に移動させます
      % <> はスラーを終わらせるための空の和音です
      -\tweak control-points #'((-2 . 3.8) (-1 . 3.9) (0 . 4) (1 . 3.4)) ( <> )
      f,
    }
    {
      e'2
      % スラーを作成して、新しい位置に移動させます
      -\tweak control-points #'((-2 . 3) (-1 . 3.1) (0 . 3.2) (1 . 2.4)) ( <> )
      f,
    }
  }
}

[image of music]

既知の問題と警告

同じ音楽タイミングに複数のタイあるいはスラーが存在する場合、control-points プロパティを変更してもそれらの形状を変更することはできません。\tweak コマンドを用いたとしても変更できません。しかしながら、TieColumntie-configuration プロパティをオーバライドすることで、タイの垂直方向の位置と領域を変更することができます。

参照

内部リファレンス: TieColumn


5.5.5 改行するスパナを変更する


\alterBroken を使用する

スパナが改行や改ページにまたがる場合、それぞれの部分は元のスパナの属性を受け継ぎます。そのため、通常と同じようにスパナを変更することで、改行するスパナの各部分を変更することができます。下の例では thickness をオーバライドしていますが、改行するスラーの両方の部分が変更されています。

\relative c'' {
  r2
  \once\override Slur.thickness = 10
  c8( d e f
  \break
  g8 f e d) r2
}

[image of music]

\alterBroken コマンドを用いることで、改行するスパナの各部分をそれぞれ独立して変更することができます。このコマンドはスパナのプロパティを \override あるいは \tweak することができます。

\alterBroken の構文は:

[-]\alterBroken property values item

引数 values は値のリストを取り、スパナの各部分に対応します。itemSlurStaff.PianoPedalBracket のような Grob の名前である場合、結果はその Grob の \override となります。item が “(” や “[” のような音楽表記である場合、\tweak が適用された音楽表記が出力されます。

\tweak 形では前にハイフンが必要です。\alterBroken\override として用いる場合には、ハイフンを付けないでください。

\override として使用する場合、\alterBroken\once\temporary を前置することができ、\revert で元に戻すことができます (Intermediate substitution functions を参照してください)。

次のコードは、前の例におけるスラーの各部分をそれぞれ \override しています。

\relative c'' {
  r2
  \alterBroken thickness #'(10 1) Slur
  c8( d e f
  \break
  g8 f e d) r2
}

[image of music]

\alterBroken コマンドは全てのスパナに対して用いることができます (例えば Tie, PhrasingSlur, Beam, TextSpanner などです)。例えば、校訂譜を作成する際には、原典に無いスラーを追加する際に点線で表示させたいことがあります。次の例ではこれをどのように実現するかを示しており、今回は \tweak 形を用いています:

% 空リストが dash-definition のデフォルト設定であり、
% 繋がった曲線が出力されます
\relative {
  c''2-\alterBroken dash-definition #'(() ((0 1.0 0.4 0.75))) \(e
  \break
  g2 e\)
}

[image of music]

\alterBroken において、values のリストの各要素がスパナの各部分のプロパティに影響するということは重要です。もしスパナの要素数よりも少ない数の値がセットされていた場合、残りの部分は空リストがセットされたとして扱われます。この時、プロパティのデフォルト値が空リストではない場合には意図しない結果をもたらす可能性があります。そのような場合には、各部分について正しい値をセットしてください。

既知の問題と警告

レイアウトが変更された場合、改行の位置も変更されることがあります。このように改行位置が変更されて、スパナの跨る行数が増減した場合、\alterBroken の設定は適切ではなくなるでしょう。明示的に \break を用いることによってこれを防止します。

\alterBroken コマンドは、direction のように、改行処理の前にアクセスされるプロパティに対しては効果がありません。

参照

拡張: Difficult tweaks


5.5.6 unpure-pure コンテナ

unpure-pure コンテナは Y-axis スペース - 特に Y-offsetY-extent - の算出をリテラル (つまり、数字やペア) ではなく、Scheme 関数で上書きする際に有用です。

ある特定のグラフィカル オブジェクトでは、Y-extentstencil プロパティをベースにしていて、それらの stencil プロパティを上書きする場合は unpure-pure コンテナで Y-extent も上書きする必要があります。関数によって Y-offset と/または Y-extent を上書きした場合、その関数はコンパイルの最中の早すぎるタイミングで、改行の算出が行われるものと見なされます。そのため、その関数はまったく評価されず (通常、‘0’ または ‘'(0 . 0)’ の値を返します)、結果として衝突を引き起こすことがあります。‘pure’ 関数はプロパティ、オブジェクト、あるいはグラフィカル オブジェクトの消失に影響を与えないため、その関数の Y-axis に関する評価は常に正しく行われます。

現在のところ ‘pure’ と見なされる関数が約 30 あり、Unpure-pure コンテナを用いて ‘pure’ ではない関数を ‘pure’ な関数としてセットすることができます。‘pure’ 関数は改行の 前に 評価されるため、水平方向のスペースを ‘正しいタイミングで’ 調節することができます。‘unpure’ 関数は改行の 後に 評価されます。

Note: どの関数が ‘pure’ であるかを常に把握していることは困難なので、作成する ‘pure’ 関数ではグラフィカル オブジェクト BeamVerticalAlignment を使わないことをおすすめします。

unpure-pure コンテナは以下のように構築します:

(ly:make-unpure-pure-container f0 f1)

ここで f0n (n >= 1) 個の引数を取る関数であり、最初の引数は常にグラフィカル オブジェクトである必要があります。これが実際に結果を返す関数です。f1 は ‘pure’ であると見なされる関数であり、n + 2 個の引数を取ります。f1 も最初の引数は常にグラフィカル オブジェクトである必要があり、2 番目と 3 番目の引数は ‘start’ と ‘end’ です。

startend は事実上、Spanners (つまり、HairpinBeam) だけで問題となるダミー値であり、スパナが開始あるいは終了する段によって、高さの予想値が異なってくる場合に使用されるものです。

f1 の残りの引数は f0 の引数と同じです (n = 1 である場合は残りの引数はありません)。

関数 f1 の結果は概算であり、f0 が実際の値を得るのに用いられます。f0 の結果はもっと後のスペースの処理で微調整に用いられます。

#(define (square-line-circle-space grob)
(let* ((pitch (ly:event-property (ly:grob-property grob 'cause) 'pitch))
      (notename (ly:pitch-notename pitch)))
 (if (= 0 (modulo notename 2))
     (make-circle-stencil 0.5 0.0 #t)
     (make-filled-box-stencil '(0 . 1.0)
                              '(-0.5 . 0.5)))))

squareLineCircleSpace = {
  \override NoteHead.stencil = #square-line-circle-space
}

smartSquareLineCircleSpace = {
  \squareLineCircleSpace
  \override NoteHead.Y-extent =
   #(ly:make-unpure-pure-container
      ly:grob::stencil-height
      (lambda (grob start end) (ly:grob::stencil-height grob)))
}

\new Voice \with { \remove Stem_engraver }
\relative c'' {
  \squareLineCircleSpace
  cis4 ces disis d
  \smartSquareLineCircleSpace
  cis4 ces disis d
}

[image of music]

最初の小節では unpure-pure コンテナを用いていないため、スペース算出エンジンは符頭の幅を知ることができず、符頭と臨時記号が衝突しています。次の小節では unpure-pure コンテナを用いているため、スペース算出エンジンは符頭の幅を知ることができ、それに応じて小節の幅を増やすことで衝突を回避しています。

通常、簡単な計算では、unpure-pure コンテナの ‘unpure’ パートと ‘pure’ パートの両方に、引数の数とスコープを変えただけのほとんど同じ関数を用いることができます。このように使用されることが多いため、ly:make-unpure-pure-container に関数を 1 つだけ与えた場合、デフォルトで同じ関数を用いてコンテナを作り出します。

Note: ‘pure’ と見なした関数が ‘pure’ でなかった場合、予期しない結果となることがあります。


5.6 音楽関数を使用する

調整を異なる音楽表記に再利用する必要がある場合、その調整を音楽関数にしておくと便利です。このセクションでは、置換 関数についてだけ議論します。置換関数は変数を LilyPond 入力コードに置き換えます。他のもっと複雑な関数については、Music functions で記述されています。


5.6.1 置換関数の構文

変数を LilyPond コードに置換する関数を作成することは簡単にできます。置換関数の一般的な形式は以下のようなものです:

function =
#(define-music-function
     (arg1 arg2 …)
     (type1? type2? …)
   #{
     …music…
   #})

ここで

argNn 番目の引数
typeN?argN#t を返す Scheme の 型述語 (type predicate)。
…music…通常の LilyPond 入力。引数を参照するには $ (LilyPond 構造が許可されている場合のみ) や # (引数を Scheme 値、音楽関数の引数、あるいは音楽リスト内部の音楽として使う場合) を用います (例: ‘#arg1’)。

です。

引数として、型述語のリストが必須です。音楽関数で用いられる一般的な型述語には下記のものがあります:

boolean?
cheap-list?  (‘list?’ の代わりに用いることで、処理を高速にします)
ly:duration?
ly:music?
ly:pitch?
markup?
number?
pair?
string?
symbol?

利用可能な型述語のリストは、定義された型述語 を参照してください。ユーザが型述語を定義することもできます。

参照

記譜法リファレンス: 定義された型述語

拡張: Music functions

インストールされているファイル: lily/music-scheme.cc, scm/c++.scm, scm/lily.scm


5.6.2 置換関数の例

このセクションでは、置換関数の例をいくつか紹介します。高度なことはしていませんが、シンプルな置換関数を実現する方法を示しています。

最初の例では、TextScript のパディング設定を容易にするための関数が定義されています:

padText =
#(define-music-function
     (padding)
     (number?)
   #{
     \once \override TextScript.padding = #padding
   #})

\relative {
  c''4^"piu mosso" b a b
  \padText #1.8
  c4^"piu mosso" b a b
  \padText #2.6
  c4^"piu mosso" b a b
}

[image of music]

数値のほかに、音符などの音楽表記を音楽関数への引数にすることができます:

custosNote =
#(define-music-function
     (note)
     (ly:music?)
   #{
     \tweak NoteHead.stencil #ly:text-interface::print
     \tweak NoteHead.text
        \markup \musicglyph "custodes.mensural.u0"
     \tweak Stem.stencil ##f
     #note
   #})

\relative { c'4 d e f \custosNote g }

[image of music]

上に挙げた例の両方では、関数やオーバライドにおける最後の引数が空きになっているだけの、単一の式の形をしています。このような特別な場合では、よりシンプルな関数の定義方法があり、一定の部分はそのまま書き出し、引数となる最後の部分を \etc で置き換えるという書き方をします:

padText =
  \once \override TextScript.padding = \etc

\relative {
  c''4^"piu mosso" b a b
  \padText #1.8
  c4^"piu mosso" b a b
  \padText #2.6
  c4^"piu mosso" b a b
}

[image of music]

custosNote =
  \tweak NoteHead.stencil #ly:text-interface::print
  \tweak NoteHead.text
     \markup \musicglyph "custodes.mensural.u0"
  \tweak Stem.stencil ##f
  \etc

\relative { c'4 d e f \custosNote g }

[image of music]

複数の引数をとる置換関数を定義することもできます:

tempoPadded =
#(define-music-function
     (padding tempotext)
     (number? markup?)
   #{
     \once \override Score.MetronomeMark.padding = #padding
     \tempo \markup { \bold #tempotext }
   #})

\relative {
  \tempo \markup { "Low tempo" }
  c''4 d e f g1
  \tempoPadded #4.0 "High tempo"
  g4 f e d c1
}

[image of music]


Appendix A 付表


A.1 コード ネーム表

次の図は、コード ネームを表示する LilyPond の一般的な方式を、ピッチと共に示しています。初期の LilyPond リリース (バージョン 1.7 まで) でデフォルトで用いられた Harald Banter (1982) から着想を得た記譜法を含む追加の (サポートされていない) 命名システムも、Chords の “Chord names alternative” スニペットで紹介します。

[image of music]


A.2 一般的な和音修飾子

次の表は、一般的な和音を作るために使われる修飾子を示しています:

種類音程修飾子出力
メジャー長三度,
完全五度
5 または無しc1:5

[image of music]

マイナー短三度,
完全五度
m or m5c1:m

[image of music]

オーグメント長三度,
増五度
augc1:aug

[image of music]

ディミニッシュ短三度,
減五度
dimc1:dim

[image of music]

セブンス長三和音,
短七度
7c1:7

[image of music]

メジャー セブンス長三和音,
長七度
maj7 or majc1:maj7

[image of music]

マイナー セブンス短三和音,
短七度
m7c1:m7

[image of music]

ディミニッシュト セブンス減三和音,
減七度
dim7c1:dim7

[image of music]

オーグメンテッド セブンス増三和音,
短七度
aug7c1:aug7

[image of music]

ハーフ ディミニッシュト セブンス減三和音,
短七度
m7.5-c1:m7.5-

[image of music]

マイナー メジャー セブンス短三和音,
長七度
m7+c1:m7+

[image of music]

メジャー シックス長三和音,
長六度
6c1:6

[image of music]

マイナー シックス短三和音,
長六度
m6c1:m6

[image of music]

ナインスセブンス,
長九度
9c1:9

[image of music]

メジャー ナインスメジャー セブンス,
長九度
maj9c1:maj9

[image of music]

マイナー ナインスマイナー セブンス,
長九度
m9c1:m9

[image of music]

イレブンスナインス,
完全十一度
11c1:11

[image of music]

メジャー イレブンスメジャー ナインス,
完全十一度
maj11c1:maj11

[image of music]

マイナー イレブンスマイナー ナインス,
完全十一度
m11c1:m11

[image of music]

サーティーンスナインス,
長十三度
13c1:13

[image of music]

サーティーンスイレブンス,
長十三度
13.11c1:13.11

[image of music]

メジャー サーティーンスメジャー イレブンス,
長十三度
maj13.11c1:maj13.11

[image of music]

マイナー サーティーンスマイナー イレブンス,
長十三度
m13.11c1:m13.11

[image of music]

サスペンデッド セカンド長二度,
完全五度
sus2c1:sus2

[image of music]

サスペンデッド フォース完全四度,
完全五度
sus4c1:sus4

[image of music]

パワー コード
(2 音)
完全五度1.5 c1:5

[image of music]

パワー コード
(3 音)
完全五度,
完全八度
1.5.8 c1:5.8

[image of music]


A.3 定義された弦チューニング

下の図は、予め定義された弦チューニングの一覧を示しています。

[image of music]


A.5 定義された用紙サイズ

用紙サイズは、scm/paper.scm に定義されています。

“ISO 216” A シリーズ

"a10"

(26 x 37 mm)

"a9"

(37 x 52 mm)

"a8"

(52 x 74 mm)

"a7"

(74 x 105 mm)

"a6"

(105 x 148 mm)

"a5"

(148 x 210 mm)

"a4"

(210 x 297 mm)

"a3"

(297 x 420 mm)

"a2"

(420 x 594 mm)

"a1"

(594 x 841 mm)

"a0"

(841 x 1189 mm)

“ISO 216” B シリーズ (訳注: 日本の B 判とは異なります)

"b10"

(31 x 44 mm)

"b9"

(44 x 62 mm)

"b8"

(62 x 88 mm)

"b7"

(88 x 125 mm)

"b6"

(125 x 176 mm)

"b5"

(176 x 250 mm)

"b4"

(250 x 353 mm)

"b3"

(353 x 500 mm)

"b2"

(500 x 707 mm)

"b1"

(707 x 1000 mm)

"b0"

(1000 x 1414 mm)

“DIN 476” で定義された A0 より大きなサイズ

"4a0"

(1682 x 2378 mm)

"2a0"

(1189 x 1682 mm)

“ISO 269” C シリーズ

"c10"

(28 x 40 mm)

"c9"

(40 x 57 mm)

"c8"

(57 x 81 mm)

"c7"

(81 x 114 mm)

"c6"

(114 x 162 mm)

"c5"

(162 x 229 mm)

"c4"

(229 x 324 mm)

"c3"

(324 x 458 mm)

"c2"

(458 x 648 mm)

"c1"

(648 x 917 mm)

"c0"

(917 x 1297 mm)

北米規格

"junior-legal"

(8.0 x 5.0 in)

"legal"

(8.5 x 14.0 in)

"ledger"

(17.0 x 11.0 in)

"letter"

(8.5 x 11.0 in)

"tabloid"

(11.0 x 17.0 in)

"11x17"

(11.0 x 17.0 in)

"17x11"

(17.0 x 11.0 in)

IEEE Printer Working Group の Government-letter など

"government-letter"

(8 x 10.5 in)

"government-legal"

(8.5 x 13.0 in)

"philippine-legal"

(8.5 x 13.0 in)

ANSI 規格

"ansi a"

(8.5 x 11.0 in)

"ansi b"

(17.0 x 11.0 in)

"ansi c"

(17.0 x 22.0 in)

"ansi d"

(22.0 x 34.0 in)

"ansi e"

(34.0 x 44.0 in)

"engineering f"

(28.0 x 40.0 in)

北米図面用紙規格

"arch a"

(9.0 x 12.0 in)

"arch b"

(12.0 x 18.0 in)

"arch c"

(18.0 x 24.0 in)

"arch d"

(24.0 x 36.0 in)

"arch e"

(36.0 x 48.0 in)

"arch e1"

(30.0 x 42.0 in)

旧式のサイズ (イギリスで使われる)

"statement"

(5.5 x 8.5 in)

"half letter"

(5.5 x 8.5 in)

"quarto"

(8.0 x 10.0 in)

"octavo"

(6.75 x 10.5 in)

"executive"

(7.25 x 10.5 in)

"monarch"

(7.25 x 10.5 in)

"foolscap"

(8.27 x 13.0 in)

"folio"

(8.27 x 13.0 in)

"super-b"

(13.0 x 19.0 in)

"post"

(15.5 x 19.5 in)

"crown"

(15.0 x 20.0 in)

"large post"

(16.5 x 21.0 in)

"demy"

(17.5 x 22.5 in)

"medium"

(18.0 x 23.0 in)

"broadsheet"

(18.0 x 24.0 in)

"royal"

(20.0 x 25.0 in)

"elephant"

(23.0 x 28.0 in)

"double demy"

(22.5 x 35.0 in)

"quad demy"

(35.0 x 45.0 in)

"atlas"

(26.0 x 34.0 in)

"imperial"

(22.0 x 30.0 in)

"antiquarian"

(31.0 x 53.0 in)

PA4 ベースのサイズ

"pa0"

(840 x 1120 mm)

"pa1"

(560 x 840 mm)

"pa2"

(420 x 560 mm)

"pa3"

(280 x 420 mm)

"pa4"

(210 x 280 mm)

"pa5"

(140 x 210 mm)

"pa6"

(105 x 140 mm)

"pa7"

(70 x 105 mm)

"pa8"

(52 x 70 mm)

"pa9"

(35 x 52 mm)

"pa10"

(26 x 35 mm)

東南アジアやオーストラリアで使用されるサイズ

"f4"

(210 x 330 mm)

ドキュメントの @lilypond で使用される A8 横長ベースのサイズ

"a8landscape"

(74 x 52 mm)


A.6 MIDI 楽器

次のリストは、midiInstrument プロパティに使用することのできる名前です。General MIDI 規格の 128 個のプログラム順に左列から並んでいます。

acoustic grand            contrabass           lead 7 (fifths)
bright acoustic           tremolo strings      lead 8 (bass+lead)
electric grand            pizzicato strings    pad 1 (new age)
honky-tonk                orchestral harp      pad 2 (warm)
electric piano 1          timpani              pad 3 (polysynth)
electric piano 2          string ensemble 1    pad 4 (choir)
harpsichord               string ensemble 2    pad 5 (bowed)
clav                      synthstrings 1       pad 6 (metallic)
celesta                   synthstrings 2       pad 7 (halo)
glockenspiel              choir aahs           pad 8 (sweep)
music box                 voice oohs           fx 1 (rain)
vibraphone                synth voice          fx 2 (soundtrack)
marimba                   orchestra hit        fx 3 (crystal)
xylophone                 trumpet              fx 4 (atmosphere)
tubular bells             trombone             fx 5 (brightness)
dulcimer                  tuba                 fx 6 (goblins)
drawbar organ             muted trumpet        fx 7 (echoes)
percussive organ          french horn          fx 8 (sci-fi)
rock organ                brass section        sitar
church organ              synthbrass 1         banjo
reed organ                synthbrass 2         shamisen
accordion                 soprano sax          koto
harmonica                 alto sax             kalimba
concertina                tenor sax            bagpipe
acoustic guitar (nylon)   baritone sax         fiddle
acoustic guitar (steel)   oboe                 shanai
electric guitar (jazz)    english horn         tinkle bell
electric guitar (clean)   bassoon              agogo
electric guitar (muted)   clarinet             steel drums
overdriven guitar         piccolo              woodblock
distorted guitar          flute                taiko drum
guitar harmonics          recorder             melodic tom
acoustic bass             pan flute            synth drum
electric bass (finger)    blown bottle         reverse cymbal
electric bass (pick)      shakuhachi           guitar fret noise
fretless bass             whistle              breath noise
slap bass 1               ocarina              seashore
slap bass 2               lead 1 (square)      bird tweet
synth bass 1              lead 2 (sawtooth)    telephone ring
synth bass 2              lead 3 (calliope)    helicopter
violin                    lead 4 (chiff)       applause
viola                     lead 5 (charang)     gunshot
cello                     lead 6 (voice)

A.7 色の一覧

通常の色

使用する際の構文は オブジェクトに色を付ける に詳しく説明されています。

black       white          red         green
blue        cyan           magenta     yellow
grey        darkred        darkgreen   darkblue
darkcyan    darkmagenta    darkyellow

X 色名

X の色名にはいくつかの種類があります:

単語が大文字で区切られている色名 (例えば ‘LightSlateBlue’) は、小文字かつスペースで区切った名前を用いることもできます (例えば ‘light slate blue’)

‘grey’ は ‘gray’ と綴ることもできます (例えば ‘DarkSlateGray’)。

数字の接尾辞を付けることができる色名があります (例えば ‘LightSalmon4’)。

数字を付けない色名

AliceBlue       LawnGreen             OrangeRed      firebrick
AntiqueWhite    LemonChiffon          PaleGoldenrod  gainsboro
BlanchedAlmond  LightBlue             PaleGreen      gold
BlueViolet      LightCoral            PaleTurquoise  goldenrod
CadetBlue       LightCyan             PaleVioletRed  green
CornflowerBlue  LightGoldenrod        PapayaWhip     grey
DarkBlue        LightGoldenrodYellow  PeachPuff      honeydew
DarkCyan        LightGreen            PowderBlue     ivory
DarkGoldenrod   LightGrey             RosyBrown      khaki
DarkGreen       LightPink             RoyalBlue      lavender
DarkGrey        LightSalmon           SaddleBrown    linen
DarkKhaki       LightSeaGreen         SandyBrown     magenta
DarkMagenta     LightSkyBlue          SeaGreen       maroon
DarkOliveGreen  LightSlateBlue        SkyBlue        moccasin
DarkOrange      LightSlateGrey        SlateBlue      navy
DarkOrchid      LightSteelBlue        SlateGrey      orange
DarkRed         LightYellow           SpringGreen    orchid
DarkSalmon      LimeGreen             SteelBlue      peru
DarkSeaGreen    MediumAquamarine      VioletRed      pink
DarkSlateBlue   MediumBlue            WhiteSmoke     plum
DarkSlateGrey   MediumOrchid          YellowGreen    purple
DarkTurquoise   MediumPurple          aquamarine     red
DarkViolet      MediumSeaGreen        azure          salmon
DeepPink        MediumSlateBlue       beige          seashell
DeepSkyBlue     MediumSpringGreen     bisque         sienna
DimGrey         MediumTurquoise       black          snow
DodgerBlue      MediumVioletRed       blue           tan
FloralWhite     MidnightBlue          brown          thistle
ForestGreen     MintCream             burlywood      tomato
GhostWhite      MistyRose             chartreuse     turquoise
GreenYellow     NavajoWhite           chocolate      violet
HotPink         NavyBlue              coral          wheat
IndianRed       OldLace               cornsilk       white
LavenderBlush   OliveDrab             cyan           yellow

数字を付ける色名

接尾辞 N は 1-4 の数字を取ります:

AntiqueWhiteN    LightSkyBlueN    SteelBlueN   khakiN
CadetBlueN       LightSteelBlueN  VioletRedN   magentaN
DarkGoldenrodN   LightYellowN     aquamarineN  maroonN
DarkOliveGreenN  MediumOrchidN    azureN       orangeN
DarkOrangeN      MediumPurpleN    bisqueN      orchidN
DarkOrchidN      MistyRoseN       blueN        pinkN
DarkSeaGreenN    NavajoWhiteN     brownN       plumN
DeepPinkN        OliveDrabN       burlywoodN   purpleN
DeepSkyBlueN     OrangeRedN       chartreuseN  redN
DodgerBlueN      PaleGreenN       chocolateN   salmonN
HotPinkN         PaleTurquoiseN   coralN       seashellN
IndianRedN       PaleVioletRedN   cornsilkN    siennaN
LavenderBlushN   PeachPuffN       cyanN        snowN
LemonChiffonN    RosyBrownN       firebrickN   tanN
LightBlueN       RoyalBlueN       goldN        thistleN
LightCyanN       SeaGreenN        goldenrodN   tomatoN
LightGoldenrodN  SkyBlueN         greenN       turquoiseN
LightPinkN       SlateBlueN       honeydewN    wheatN
LightSalmonN     SpringGreenN     ivoryN       yellowN

グレースケール

グレースケールは 0-100 の数字を使うことができます:

greyN

A.8 Emmentaler フォント

Emmentaler フォントは 2 つのグリフのサブセットから成ります。一つは “Feta” で、伝統的な記譜法に用いられ、もう一つは “Parmesan” で、古代の記譜法に用いられます。

Emmentaler フォントの全てのグリフは、テキスト マークアップでグリフの名前を指定することでアクセスすることができます。グリフの名前は以下の表にあります。例えば:

g^\markup {\musicglyph "scripts.segno" }

または

\markup {\musicglyph "five"}

詳しくは テキストをフォーマットする を参照してください。


A.9 符頭のスタイル

以下は、符頭のスタイルの一覧です。

[image of music]


A.10 音部記号のスタイル

以下の表は、使用できる音部記号のスタイルの一覧です (ミドル C がどこに位置するかも表示してあります)。


通常の音部記号

出力出力
\clef G

[image of music]

\clef "G2"

[image of music]

\clef treble

[image of music]

\clef violin

[image of music]

\clef french

[image of music]

\clef GG

[image of music]

\clef tenorG

[image of music]


\clef soprano

[image of music]

\clef mezzosoprano

[image of music]

\clef C

[image of music]

\clef alto

[image of music]

\clef tenor

[image of music]

\clef baritone

[image of music]


\clef varC

[image of music]

\clef altovarC

[image of music]

\clef tenorvarC

[image of music]

\clef baritonevarC

[image of music]


\clef varbaritone

[image of music]

\clef baritonevarF

[image of music]

\clef F

[image of music]

\clef bass

[image of music]

\clef subbass

[image of music]


打楽器譜の音部記号

出力出力
\clef percussion

[image of music]

\clef varpercussion

[image of music]


タブ譜の音部記号

出力出力
\new TabStaff {
  \clef tab
}

[image of music]

\new TabStaff {
  \clef moderntab
}

[image of music]


古代音楽の音部記号

グレゴリオ聖歌

出力出力
\clef "vaticana-do1"

[image of music]

\clef "vaticana-do2"

[image of music]

\clef "vaticana-do3"

[image of music]

\clef "vaticana-fa1"

[image of music]

\clef "vaticana-fa2"

[image of music]


\clef "medicaea-do1"

[image of music]

\clef "medicaea-do2"

[image of music]

\clef "medicaea-do3"

[image of music]

\clef "medicaea-fa1"

[image of music]

\clef "medicaea-fa2"

[image of music]


\clef "hufnagel-do1"

[image of music]

\clef "hufnagel-do2"

[image of music]

\clef "hufnagel-do3"

[image of music]

\clef "hufnagel-fa1"

[image of music]

\clef "hufnagel-fa2"

[image of music]

\clef
"hufnagel-do-fa"

[image of music]

計量音楽

出力出力
\clef "mensural-c1"

[image of music]

\clef "mensural-c2"

[image of music]

\clef "mensural-c3"

[image of music]

\clef "mensural-c4"

[image of music]

\clef "mensural-c5"

[image of music]


\clef "mensural-f"

[image of music]

\clef "mensural-f2"

[image of music]

\clef "mensural-f3"

[image of music]

\clef "mensural-f4"

[image of music]

\clef "mensural-f5"

[image of music]


\clef "mensural-g1"

[image of music]

\clef "mensural-g2"

[image of music]

\clef "mensural-g"

[image of music]


\clef "blackmensural-c1"

[image of music]

\clef "blackmensural-c2"

[image of music]

\clef "blackmensural-c3"

[image of music]

\clef "blackmensural-c4"

[image of music]

\clef "blackmensural-c5"

[image of music]


\clef "neomensural-c1"

[image of music]

\clef "neomensural-c2"

[image of music]

\clef "neomensural-c3"

[image of music]

\clef "neomensural-c4"

[image of music]

\clef "neomensural-c5"

[image of music]


\clef "petrucci-c1"

[image of music]

\clef "petrucci-c2"

[image of music]

\clef "petrucci-c3"

[image of music]

\clef "petrucci-c4"

[image of music]

\clef "petrucci-c5"

[image of music]


\clef "petrucci-f"

[image of music]

\clef "petrucci-f2"

[image of music]

\clef "petrucci-f3"

[image of music]

\clef "petrucci-f4"

[image of music]

\clef "petrucci-f5"

[image of music]


\clef "petrucci-g1"

[image of music]

\clef "petrucci-g2"

[image of music]

\clef "petrucci-g"

[image of music]

キエフ記譜法

出力
\clef "kievan-do"

[image of music]


A.11 \markup コマンドの一覧

以下に挙げるコマンドは、\markup { }の内部で用いることができます。

システムの制約により、以下の一覧は英語での提供となります。

The following commands can all be used inside \markup { }.


A.11.1 Font markup

\abs-fontsize size (number) arg (markup)

Use size as the absolute font size (in points) to display arg.

This function adjusts the baseline-skip and word-space properties accordingly.

\markup {
  default text font size
  \hspace #2
  \abs-fontsize #16 { text font size 16 }
  \hspace #2
  \abs-fontsize #12 { text font size 12 }
}

[image of music]

Used properties:

  • baseline-skip (3)
  • word-space (0.6)
\bold arg (markup)

Print arg with a bold face.

\markup {
  default
  \hspace #2
  \bold bold
}

[image of music]

The code \markup \bold … is a shorthand for \markup \override #'(font-series . bold) … – using the more verbose form, it is possible to obtain nuances such as semi-bold, if the text font has such variants. Refer to the documentation for the font-series properties (User backend properties).

\box arg (markup)

Draw a box around arg.

This function looks at the thickness, box-padding, and font-size properties to determine the line thickness and padding around the markup.

\markup {
  \override #'(box-padding . 0.5)
  \box \line { V. S. }
}

[image of music]

Note that the box does not horizontally displace its argument. Use markup commands like \left-align or \table to make LilyPond realign it.

\markup {
  \override #'(box-padding . 1.5)
  \column {
    "text"
    \box "text"
    \left-align \box "text"
  }
}

[image of music]

Used properties:

  • box-padding (0.2)
  • font-size (0)
  • thickness (1)
\caps arg (markup)

Print arg in (fake) small caps.

This function is a copy of the \smallCaps command.

\markup {
  default
  \hspace #2
  \caps {
    Text in small caps
  }
}

[image of music]

Use \fontCaps for real small caps (if the font provides it).

\dynamic arg (markup)

Print arg using the (music) font for dynamics.

This font only contains letters f, m, n, p, r, s, and z. When producing phrases like ‘più f’, the normal words (like ‘più’) should be done in a different font. The recommended font for this is bold and italic.

\markup {
  \dynamic {
    sfzp
  }
}

[image of music]

\figured-bass arg (markup)

Set arg as small numbers for figured bass.

Specially slashed digits can be achieved with a trailing backslash (for numbers 6, 7, and 9) or a trailing plus (for numbers 2, 4, and 5).2

The use of a backslash is in analogy to \figuremode (see 通奏低音を入力する). Note that to get a backslash character in markup it must be escaped by doubling it. Additionally, it must be put into double quotes.

\markup {
  \figured-bass {
    2 3 4+ 7 "9\\"
  }
}

[image of music]

\finger arg (markup)

Set arg as small numbers for fingering instructions.

\markup {
  \finger {
    1 2 3 4 5
  }
}

[image of music]

\fontCaps arg (markup)

Print arg in small caps.

This command sets the font-variant property to small-caps.

Unlike \smallCaps, which merely uses capital letters at a smaller font size, this uses the actual variant of the font for small caps. (As a consequence, if you configure a custom text font, this command has no effect if that font does not have a small caps variant.)

\markup \fontCaps "Small caps"

[image of music]

\fontsize increment (number) arg (markup)

Increase current font size by increment to print arg.

This function adjusts the baseline-skip and word-space properties accordingly.

\markup {
  default
  \hspace #2
  \fontsize #-1.5 smaller
}

[image of music]

Used properties:

  • baseline-skip (2)
  • word-space (1)
  • font-size (0)
\huge arg (markup)

Set font size to value 2 to print arg.

\markup {
  default
  \hspace #2
  \huge huge
}

[image of music]

\italic arg (markup)

Print arg in italics.

This command sets the font-shape property to italic.

\markup {
  default
  \hspace #2
  \italic italic
}

[image of music]

\large arg (markup)

Set font size to value 1 to print arg.

\markup {
  default
  \hspace #2
  \large large
}

[image of music]

\larger arg (markup)

Increase current font size by 1 to print arg.

This function adjusts the baseline-skip and word-space properties accordingly.

\markup {
  default
  \hspace #2
  \larger larger
}

[image of music]

\magnify sz (number) arg (markup)

Magnify current font by factor sz to print arg.

\markup {
  default
  \hspace #2
  \magnify #1.5 {
    50% larger
  }
}

[image of music]

Note that magnification only works if a font name is explicitly selected. Use \fontsize otherwise.

\normal-size-sub arg (markup)

Set arg in subscript with a normal font size.

\markup {
  default
  \normal-size-sub {
    subscript in standard size
  }
}

[image of music]

Used properties:

  • font-size (0)
\normal-size-super arg (markup)

Set arg in superscript with a normal font size.

\markup {
  default
  \normal-size-super {
    superscript in standard size
  }
}

[image of music]

Used properties:

  • font-size (0)
\normal-text arg (markup)

Print arg with default text font.

This resets all font-related properties (except the size), no matter what font was used earlier.

\markup {
  \huge \bold \sans \fontCaps {
    huge bold sans caps
    \hspace #2
    \normal-text {
      huge normal
    }
    \hspace #2
    as before
  }
}

[image of music]

\normal-weight arg (markup)

Switch to normal weight (in contrast to bold) to print arg.

This command sets the font-series property to normal.

\markup {
  \bold {
    some bold text
    \hspace #2
    \normal-weight {
      normal font series
    }
    \hspace #2
    bold again
  }
}

[image of music]

\normalsize arg (markup)

Set font size to default (i.e., to value 0) to print arg.

\markup {
  \teeny {
    this is very small
    \hspace #2
    \normalsize {
      normal size
    }
    \hspace #2
    teeny again
  }
}

[image of music]

\number arg (markup)

Print arg using the (music) font for numbers.

This font also contains symbols for figured bass, some punctuation, spaces of various widths, some letters and text variants of accidentals. Use \dynamic to access the (very small number of) letters. For accidentals you might use \number in combination with Unicode characters to access the text representation forms of accidental glyphs, as the following table shows.

[image of music]

To get accidentals protected against overrides of font-name it is preferable to use \text-doubleflat, \text-flat, \text-natural, \text-sharp, \text-doublesharp or the general \text-accidental for the text variants of accidentals.

The appearance of digits in the Emmentaler font can be controlled with four OpenType features: ‘tnum’, ‘cv47’, ‘ss01’, and ‘kern’, which can be arbitrarily combined.

tnum

If off (which is the default), glyphs ‘zero’ to ‘nine’ have no left and right side bearings. If on, the glyphs all have the same advance width by making the bearings non-zero.

cv47

If on, glyphs ‘four’ and ‘seven’ have shorter vertical strokes. Default is off.

ss01

If on, glyphs ‘zero’ to ‘nine’ have a fatter design, making them more readable at small sizes. Default is off.

kern

If on (which is the default), provide pairwise kerning between (most) glyphs.

\markuplist
  \number
  \fontsize #4.5
  \override #'((padding . 2)
               (baseline-skip . 4)
               (box-padding . 0)
               (thickness . 0.1))
  \table #'(-1 -1 -1 -1) {
      0123456789 \box 147 \concat { \box 1 \box 4 \box 7 }
    \normal-text \normalsize "(time signatures)"
    \override #'(font-features .("cv47")) {
      0123456789 \box 147 \concat { \box 1 \box 4 \box 7 } }
    \normal-text \normalsize "(alternatives)"
    \override #'(font-features .("tnum" "cv47" "-kern")) {
      0123456789 \box 147 \concat { \box 1 \box 4 \box 7 } }
    \normal-text \normalsize "(fixed-width)"
    \override #'(font-features . ("tnum" "cv47" "ss01")) {
      0123456789 \box 147 \concat { \box 1 \box 4 \box 7 } }
    \normal-text \normalsize "(figured bass)"
    \override #'(font-features . ("cv47" "ss01")) {
      0123456789 \box 147 \concat { \box 1 \box 4 \box 7 } }
    \normal-text \normalsize "(fingering)"
  }

[image of music]

See also the markup commands \figured-bass and \finger, which set the font features accordingly.

\overtie arg (markup)

Overtie arg.

\markup \line {
  \overtie "overtied"
  \override #'((offset . 5) (thickness . 1))
  \overtie "overtied"
  \override #'((offset . 1) (thickness . 5))
  \overtie "overtied"
}

[image of music]

Used properties:

  • shorten-pair ((0 . 0))
  • height-limit (0.7)
  • direction (1)
  • offset (2)
  • thickness (1)
\replace replacements (list) arg (markup)

Use replacements to replace strings in arg.

Each (key . value) pair of the replacements alist specifies what should be replaced; key gets replaced by value. Note the quasiquoting syntax with a backquote in the second example.

\markup \replace #'(("2nd" . "Second"))
  "2nd time"
\markup \replace
  #`(("2nd" . ,#{ \markup \concat { 2 \super nd } #}))
  \center-column {
    \line { Play only }
    \line { the 2nd time }
  }

[image of music]

Used properties:

  • replacement-alist
\sans arg (markup)

Print arg with a sans-serif font.

This command sets the font-family property to sans.

\markup {
  default
  \hspace #2
  \sans {
    sans serif
  }
}

[image of music]

\serif arg (markup)

Print arg with a serif font.

This command sets the font-family property to serif.

\markup {
  \sans \bold {
    sans serif, bold
    \hspace #2
    \serif {
      text in serif font
    }
    \hspace #2
    return to sans
  }
}

[image of music]

\simple str (string)

Print string str.

\markup \simple "x" is equivalent to \markup "x". This command was previously used internally, but no longer is, and is being kept for backward compatibility only.

\small arg (markup)

Set font size to value -1 to print arg.

\markup {
  default
  \hspace #2
  \small small
}

[image of music]

\smallCaps arg (markup)

Print arg in (fake) small caps.

Unlike \fontCaps, which uses the actual small caps variant of the current font, this fakes small caps by using capital letters at a smaller font size. It can thus be used for fonts that don’t have a small caps variant.

\markup {
  default
  \hspace #2
  \smallCaps {
    Text in small caps
  }
}

[image of music]

\smaller arg (markup)

Decrease current font size by 1 to print arg.

This function adjusts the baseline-skip and word-space properties accordingly.

\markup {
  \fontsize #3.5 {
    large text
    \hspace #2
    \smaller { smaller text }
    \hspace #2
    large text
  }
}

[image of music]

\sub arg (markup)

Set arg in subscript.

\markup { \concat { H \sub 2 O } }

[image of music]

Ssee also \super.

Used properties:

  • font-size (0)
\super arg (markup)

Set arg in superscript.

\markup { E = \concat { mc \super 2 } }

[image of music]

See also \sub.

Used properties:

  • font-size (0)
\teeny arg (markup)

Set font size to value -3 to print arg.

\markup {
  default
  \hspace #2
  \teeny teeny
}

[image of music]

\tie arg (markup)

Add a horizontal bow at the bottom or top of arg.

This function uses make-tie-stencil to create the bow; it looks at the thickness and offset properties to determine the line thickness and vertical offset, respectively. The added bow fits the extent of arg; use the shorten-pair property to modify this. The direction property may be set explicitly using override or direction modifiers, or implicitly by using voiceOne, etc.

\markup {
  \override #'(direction . 1)
  \tie "above"
  \override #'(direction . -1)
  \tie "below"
}

[image of music]

See also \undertie and \overtie, which are shorthands for this function.

Used properties:

  • shorten-pair ((0 . 0))
  • height-limit (0.7)
  • direction (1)
  • offset (2)
  • thickness (1)
\tiny arg (markup)

Set font size to value -2 to print arg.

\markup {
  default
  \hspace #2
  \tiny tiny
}

[image of music]

\typewriter arg (markup)

Print arg in typewriter.

This command sets the font-family property to typewriter, also switching off the ‘liga’ OpenType feature to disable ligatures like ‘ff’ or ‘fi’.

\markup {
  "default fi ff"
  \hspace #2
  \typewriter "typewriter fi ff"
}

[image of music]

\underline arg (markup)

Underline arg.

This function looks at the property thickness to determine the line thickness, at offset to determine the line’s vertical offset from arg, and at underline-skip to determine the distance of additional lines from the others.

The underline-shift property is used to make subsequent calls work correctly. Overriding it makes little sense since it would end up adding the provided value to the one of offset.

\markup \justify-line {
  \underline "underlined"
  \override #'(offset . 5)
  \override #'(thickness . 1)
  \underline "underlined"
  \override #'(offset . 1)
  \override #'(thickness . 5)
  \underline "underlined"
  \override #'(offset . 5)
  \override #'(underline-skip . 4)
  \underline \underline \underline "underlined thrice"
}

[image of music]

Used properties:

  • underline-skip (2)
  • underline-shift (0)
  • offset (2)
  • thickness (1)
\undertie arg (markup)

Print a tie under arg.

\markup \line {
  \undertie "undertied"
  \override #'((offset . 5) (thickness . 1))
  \undertie "undertied"
  \override #'((offset . 1) (thickness . 5))
  \undertie "undertied"
}

[image of music]

Used properties:

  • shorten-pair ((0 . 0))
  • height-limit (0.7)
  • direction (1)
  • offset (2)
  • thickness (1)
\upright arg (markup)

Print arg upright.

This command is the opposite of \italic; it sets the font-shape property to upright.

\markup {
  \italic {
    italic text
    \hspace #2
    \upright {
      upright text
    }
    \hspace #2
    italic again
  }
}

[image of music]

\volta-number arg (markup)

Set arg in a font appropriate for volta numbers.

\markup \volta-number "4."

[image of music]

\with-string-transformer transformer (procedure) arg (markup)

Apply string transformer function transformer to arg.

Whenever a string is interpreted inside arg, function transformer is called first, and its result is then interpreted. The arguments passed to transformer are the output definition, the property alist chain, and the markup arg. See New markup command definition about the two first arguments.

\markup \with-string-transformer
  #(lambda (layout props str)
     (string-upcase str))
  \concat { "abc" \larger "def" }

[image of music]


A.11.2 Markup for text alignment

\abs-hspace amount (number)

Create an invisible object taking up absolute horizontal space of amount points.

\markup {
  one
  \abs-hspace #20
  two
  \abs-hspace #40
  three
}

[image of music]

See also \hspace.

\abs-vspace amount (number)

Create an invisible object taking up absolute vertical space of amount points.

\markup {
    \center-column {
    one
    \abs-vspace #20
    two
    \abs-vspace #40
    three
  }
}

[image of music]

See also \vspace.

\align-on-other axis (non-negative, exact integer) other-dir (boolean-or-number) other (markup) self-dir (boolean-or-number) self (markup)

Align markup self on markup other along axis.

This function uses self-dir and other-dir for mutual alignment of self and other, respectively, translating self as requested relative to its surroundings. other is not printed.

If self-dir or other-dir is #f, use the reference point of self or other, respectively.

\markup \column {
  12
  \align-on-other #X #RIGHT 12
                     #LEFT 12345
  \align-on-other #X #RIGHT 123
                     #LEFT \fermata
  123
  \align-on-other #X #RIGHT 123
                     ##f \fermata
}

[image of music]

\center-align arg (markup)

Align arg to its X center.

\markup {
  \column {
    one
    \center-align two
    three
  }
}

[image of music]

\center-column args (markup list)

Put args into a centered column.

See also \column.

\markup {
  \center-column {
    one
    two
    three
  }
}

[image of music]

Used properties:

  • baseline-skip
\column args (markup list)

Stack the markups in args vertically.

The property baseline-skip determines the space between markups in args (to be more precise, the space between the baselines of the markups).

\markup {
  \column {
    one
    two
    three
  }
}

[image of music]

The baseline of the output of \column is the baseline of its first line.

Used properties:

  • baseline-skip
\combine arg1 (markup) arg2 (markup)

Print arg1, then print arg2 on top of it.

Note: \combine cannot take a list of markups enclosed in curly braces as an argument; for this purpose use \overlay instead.

\markup {
  \fontsize #5
  \override #'(thickness . 2)
  \combine
    \draw-line #'(0 . 4)
    \arrow-head #Y #DOWN ##f
}

[image of music]

\concat args (markup list)

Concatenate args in a horizontal line, without spaces in between.

Strings are concatenated on the input level, allowing ligatures. For example, \concat { "f" "i" } is equivalent to "fi".

\markup {
  \concat {
    one two three
  }
}

[image of music]

\dir-column args (markup list)

Make a column of args.

Depending on the setting of the direction layout property, the arguments are stacked upwards or downwards.

\markup {
  \override #`(direction . ,UP)
  \dir-column {
    going up
  }
  \hspace #1
  \dir-column {
    going down
  }
  \hspace #1
  \override #'(direction . 1)
  \dir-column {
    going up
  }
}

[image of music]

The baseline of the output of \dir-column is the baseline of its first line.

Used properties:

  • baseline-skip
  • direction
\fill-line args (markup list)

Put markups args into a horizontal line.

The markups are spaced or flushed to fill the entire line. If there are no arguments, return an empty stencil.

The width of the horizontal line can be modified by overriding the line-width property.

\markup {
  \column {
    \fill-line {
      Words evenly spaced across the page
    }
    \null
    \fill-line {
      \line { Text markups }
      \line {
        \italic { evenly spaced }
      }
      \line { across the page }
    }
    \null
    \override #'(line-width . 50)
    \fill-line {
      Width explicitly specified
    }
  }
}

[image of music]

Used properties:

  • line-width (#f)
  • word-space (0.6)
  • text-direction (1)
\fill-with-pattern space (number) dir (direction) pattern (markup) left (markup) right (markup)

Put left and right at the start and end of a line, respectively, and fill the space inbetween with repeated pattern markups.

Patterns are spaced apart by space and aligned to direction dir. The width of the line is given by the line-width property.

\markup \column {
  "right-aligned:"
  \fill-with-pattern #1 #RIGHT . first right
  \fill-with-pattern #1 #RIGHT . second right
  \null
  "center-aligned:"
  \fill-with-pattern #1.5 #CENTER - left right
  \null
  "left-aligned:"
  \override #'(line-width . 50) {
    \fill-with-pattern #2 #LEFT : left first
    \fill-with-pattern #2 #LEFT : left second
  }
}

[image of music]

Used properties:

  • line-width
  • word-space
\general-align axis (integer) dir (number) arg (markup)

Align arg in axis direction to the dir side.

\markup {
  \column {
    one
    \general-align #X #LEFT two
    three
    \null
    one
    \general-align #X #CENTER two
    three
    \null
    \line {
      one
      \general-align #Y #UP two
      three
    }
    \null
    \line {
      one
      \general-align #Y #3.2 two
      three
    }
  }
}

[image of music]

\halign dir (number) arg (markup)

Print arg with horizontal alignment set to dir.

If dir is -1, arg is left-aligned, while +1 makes it right-aligned. Values inbetween interpolate the alignment accordingly.

\markup {
  \column {
    one
    \halign #LEFT two
    three
    \null
    one
    \halign #CENTER two
    three
    \null
    one
    \halign #RIGHT two
    three
    \null
    one
    \halign #-5 two
    three
  }
}

[image of music]

\hcenter-in length (number) arg (markup)

Center arg horizontally within a box of extending length/2 to the left and right.

\new StaffGroup <<
  \new Staff {
    \set Staff.instrumentName = \markup {
      \hcenter-in #12 Oboe
    }
    c''1
  }
  \new Staff {
    \set Staff.instrumentName = \markup {
      \hcenter-in #12 Bassoon
    }
    \clef tenor
    c'1
  }
>>

[image of music]

\hspace amount (number)

Create an invisible object taking up amount horizontal space.

\markup {
  one
  \hspace #2
  two
  \hspace #8
  three
}

[image of music]

See also \abs-hspace.

\justify args (markup list)

Print args as lines aligned both at the left and the right.

Like \wordwrap, but with lines stretched to justify the margins. Use \override #'(line-width . X) to set the line width; X is the number of staff spaces.

\markup {
  \justify {
    Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipisicing elit,
    sed do eiusmod tempor incididunt ut labore et dolore
    magna aliqua.  Ut enim ad minim veniam, quis nostrud
    exercitation ullamco laboris nisi ut aliquip ex ea
    commodo consequat.
  }
}

[image of music]

The baseline of the output of \justify is the baseline of its first line.

Used properties:

  • text-direction (1)
  • word-space
  • line-width (#f)
  • baseline-skip
\justify-field symbol (symbol)

Justify the data that has been assigned to symbol.

\header {
  title = "My title"
  myText = "Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur
    adipisicing elit, sed do eiusmod tempor incididunt
    ut labore et dolore magna aliqua.  Ut enim ad minim
    veniam, quis nostrud exercitation ullamco laboris
    nisi ut aliquip ex ea commodo consequat."
}

\paper {
  bookTitleMarkup = \markup {
    \column {
      \fill-line { \fromproperty #'header:title }
      \null
      \justify-field #'header:myText
    }
  }
}

\markup {
  \null
}

[image of music]

\justify-line args (markup list)

Put markups args into a horizontal line.

The markups are spread to fill the entire line and separated by equal space. If there are no arguments, return an empty stencil.

The width of the horizontal line can be modified by overriding the line-width property.

\markup {
  \justify-line {
    Constant space between neighboring words
  }
}

[image of music]

Used properties:

  • line-width (#f)
  • word-space (0.6)
  • text-direction (1)
\justify-string arg (string)

Print string arg as lines aligned both at the left and the right.

Paragraphs are indicated by double newlines. Use \override #'(line-width . X) to set the line width; X is the number of staff spaces.

\markup {
  \override #'(line-width . 40)
  \justify-string "Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur
      adipisicing elit, sed do eiusmod tempor incididunt ut
      labore et dolore magna aliqua.


      Ut enim ad minim veniam, quis nostrud exercitation
      ullamco laboris nisi ut aliquip ex ea commodo
      consequat.


      Excepteur sint occaecat cupidatat non proident, sunt
      in culpa qui officia deserunt mollit anim id est
      laborum"
}

[image of music]

The baseline of the output of \justify-string is the baseline of its first line.

Used properties:

  • text-direction (1)
  • word-space
  • line-width
  • baseline-skip
\left-align arg (markup)

Align arg on its left edge.

\markup {
  \column {
    one
    \left-align two
    three
  }
}

[image of music]

\left-column args (markup list)

Put args into a left-aligned column.

\markup {
  \left-column {
    one
    two
    three
  }
}

[image of music]

Used properties:

  • baseline-skip
\line args (markup list)

Put args into a horizontal line.

The property word-space determines the space between markups in args. For right-to-left scripts like Hebrew, text-direction should be set to -1.

\markup
  \override #'(word-space . 3)
  \column {
    \line { "A B" "C D" "E F" }
    \override #'(text-direction . -1)
    \line { "A B" "C D" "E F" }
  }

[image of music]

Used properties:

  • text-direction (1)
  • word-space
\lower amount (number) arg (markup)

Lower arg by the distance amount.

A negative amount indicates raising; see also \raise.

The argument to \lower is the vertical displacement amount, measured in (global) staff spaces, which is independent of the markup’s current font size. If you need vertical movement that takes the font size into account, use \translate-scaled instead.

This function is normally used to move one element inside of a markup relative to the other elements. When using it on the whole markup, bear in mind that spacing mechanisms that place the markup itself on the page could cancel this shift. Consider using grob properties such as padding, Y-offset, or extra-offset, or spacing variables such as markup-system-spacing.

\markup {
  one
  \lower #3 two
  three
}

[image of music]

\overlay args (markup list)

Take a list of markups args and combine them.

\markup {
  \fontsize #5
  \override #'(thickness . 2)
  \overlay {
    \draw-line #'(0 . 4)
    \arrow-head #Y #DOWN ##f
    \translate #'(0 . 4) \arrow-head #Y #UP ##f
  }
}

[image of music]

\pad-around amount (number) arg (markup)

Add padding amount all around arg.

Identical to function \pad-markup.

\markup {
  \box {
    default
  }
  \hspace #2
  \box {
    \pad-around #0.5 {
      padded
    }
  }
}

[image of music]

\pad-markup amount (number) arg (markup)

Add padding amount all around arg.

Identical to function \pad-around.

\markup {
  \box {
    default
  }
  \hspace #2
  \box {
    \pad-markup #1 {
      padded
    }
  }
}

[image of music]

\pad-to-box x-ext (pair of numbers) y-ext (pair of numbers) arg (markup)

Make arg take at least x-ext, y-ext space.

\markup {
  \box {
    default
  }
  \hspace #4
  \box {
    \pad-to-box #'(0 . 10) #'(0 . 3) {
      padded
    }
  }
}

[image of music]

\pad-x amount (number) arg (markup)

Add padding amount around arg in the X direction.

\markup {
  \box {
    default
  }
  \hspace #4
  \box {
    \pad-x #2 {
      padded
    }
  }
}

[image of music]

\put-adjacent axis (integer) dir (direction) arg1 (markup) arg2 (markup)

Put arg2 next to arg1 along axis to the dir side, without moving arg1.

\markup \column {
  text
  \put-adjacent #X #LEFT text *
  text
}

[image of music]

\raise amount (number) arg (markup)

Raise arg by the distance amount.

A negative amount indicates lowering, see also \lower.

The argument to \raise is the vertical displacement amount, measured in (global) staff spaces, which is independent of the markup’s current font size. If you need vertical movement that takes the font size into account, use \translate-scaled instead.

This function is normally used to move one element inside of a markup relative to the other elements. When using it on the whole markup, bear in mind that spacing mechanisms that place the markup itself on the page could cancel this shift. Consider using grob properties such as padding, Y-offset, or extra-offset, or spacing variables such as markup-system-spacing.

\markup { C \small \bold \raise #1.0 9/7+ }

[image of music]

\right-align arg (markup)

Align arg on its right edge.

\markup {
  \column {
    one
    \right-align two
    three
  }
}

[image of music]

\right-column args (markup list)

Put args into a right-aligned column.

\markup {
  \right-column {
    one
    two
    three
  }
}

[image of music]

Used properties:

  • baseline-skip
\rotate ang (number) arg (markup)

Rotate arg by ang degrees around its center.

\markup {
  default
  \hspace #2
  \rotate #45
  \line {
    rotated 45°
  }
}

[image of music]

\translate offset (pair of numbers) arg (markup)

Translate arg relative to its surroundings.

offset is a pair of numbers representing the displacement in the X and Y axes. See also \translate-scaled.

This function is normally used to move one element inside of a markup relative to the other elements. When using it on the whole markup, bear in mind that spacing mechanisms that place the markup itself on the page could cancel this shift. Consider using grob properties such as padding, X-offset, Y-offset or extra-offset, or spacing variables such as markup-system-spacing.

\markup {
  *
  \translate #'(2 . 3)
    \line { translated two spaces right, three up }
}

[image of music]

\translate-scaled offset (pair of numbers) arg (markup)

Translate arg by offset, scaling the offset by the font size.

This function is normally used to move one element inside of a markup relative to the other elements. When using it on the whole markup, bear in mind that spacing mechanisms that place the markup itself on the page could cancel this shift. Consider using grob properties such as padding, X-offset, Y-offset or extra-offset, or spacing variables such as markup-system-spacing.

See also \translate.

\markup {
  \fontsize #5 {
    * \translate #'(2 . 3) translate
    \hspace #2
    * \translate-scaled #'(2 . 3) translate-scaled
  }
}

[image of music]

Used properties:

  • font-size (0)
\vcenter arg (markup)

Align arg to its Y center.

\markup {
  one
  \vcenter two
  three
}

[image of music]

\vspace amount (number)

Create an invisible object taking up vertical space of amount multiplied by 3.

\markup {
    \center-column {
    one
    \vspace #2
    two
    \vspace #5
    three
  }
}

[image of music]

See also \abs-vspace.

\wordwrap args (markup list)

Print args as left-aligned lines.

This function provides simple word-wrap. Use \override #'(line-width . X) to set the line width; X is the number of staff spaces.

\markup {
  \wordwrap {
    Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipisicing elit,
    sed do eiusmod tempor incididunt ut labore et dolore
    magna aliqua.  Ut enim ad minim veniam, quis nostrud
    exercitation ullamco laboris nisi ut aliquip ex ea
    commodo consequat.
  }
}

[image of music]

The baseline of the output of \wordwrap is the baseline of its first line.

Used properties:

  • text-direction (1)
  • word-space
  • line-width (#f)
  • baseline-skip
\wordwrap-field symbol (symbol)

Word-wrap the data that has been assigned to symbol.

\header {
  title = "My title"
  myText = "Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur
    adipisicing elit, sed do eiusmod tempor incididunt ut
    labore et dolore magna aliqua.  Ut enim ad minim
    veniam, quis nostrud exercitation ullamco laboris nisi
    ut aliquip ex ea commodo consequat."
}

\paper {
  bookTitleMarkup = \markup {
    \column {
      \fill-line { \fromproperty #'header:title }
      \null
      \wordwrap-field #'header:myText
    }
  }
}

\markup {
  \null
}

[image of music]

\wordwrap-string arg (string)

Print string arg as left-aligned lines.

Paragraphs are indicated by double newlines. Use \override #'(line-width . X) to set the line width; X is the number of staff spaces.

\markup {
  \override #'(line-width . 40)
  \wordwrap-string "Lorem ipsum dolor sit amet,
      consectetur adipisicing elit, sed do eiusmod tempor
      incididunt ut labore et dolore magna aliqua.


      Ut enim ad minim veniam, quis nostrud exercitation
      ullamco laboris nisi ut aliquip ex ea commodo
      consequat.


      Excepteur sint occaecat cupidatat non proident,
      sunt in culpa qui officia deserunt mollit anim id
      est laborum"
}

[image of music]

The baseline of the output of \wordwrap-string is the baseline of its first line.

Used properties:

  • text-direction (1)
  • word-space
  • line-width
  • baseline-skip

A.11.3 Graphical markup

\arrow-head axis (integer) dir (direction) filled (boolean)

Print an arrow head along axis in direction dir.

Fill the head if filled is set to #t.

\markup {
  \fontsize #5 {
    \general-align #Y #DOWN {
      \arrow-head #Y #UP ##t
      \arrow-head #Y #DOWN ##f
      \hspace #2
      \arrow-head #X #RIGHT ##f
      \arrow-head #X #LEFT ##f
    }
  }
}

[image of music]

\beam width (number) slope (number) thickness (number)

Draw a beam with given width, slope, and thickness.

\markup {
  \beam #5 #1 #2
}

[image of music]

\bracket arg (markup)

Draw vertical brackets around arg.

\markup {
  \bracket {
    \note {2.} #UP
  }
}

[image of music]

\circle arg (markup)

Draw a circle around arg.

Use properties thickness, circle-padding, and font-size to set the line thickness and padding around the markup.

\markup {
  \circle {
    Hi
  }
}

[image of music]

Used properties:

  • circle-padding (0.2)
  • font-size (0)
  • thickness (1)
\draw-circle radius (number) thickness (number) filled (boolean)

Draw a circle with given radius and thickness.

Fill the circle if filled is set to #t.

\markup {
  \draw-circle #2 #0.5 ##f
  \hspace #2
  \draw-circle #2 #0 ##t
}

[image of music]

\draw-dashed-line dest (pair of numbers)

Draw a dashed line along vector dest.

Properties on and off give the length of a dash and the space between two dashes, respectively; phase shortens the first dash by the given amount.

If the full-length property is set to #t (which is the default), the value of property off (and on under some boundary conditions) gets adjusted so that there is neither whitespace at the end of the line nor the last dash truncated.

\markup {
  \override #'((on . 0.3) (off . 0.5))
  \draw-dashed-line #'(6 . 2)

  \draw-dashed-line #'(6 . 2)

  \override #'(full-length . #f)
  \draw-dashed-line #'(6 . 2)

  \override #'(phase . 0.5)
  \draw-dashed-line #'(6 . 2)

  \override #'((full-length . #f) (phase . 0.5))
  \draw-dashed-line #'(6 . 2)
}

[image of music]

Used properties:

  • full-length (#t)
  • phase (0)
  • off (1)
  • on (1)
  • thickness (1)
\draw-dotted-line dest (pair of numbers)

Draw a dotted line along vector dest.

Property off gives the space between two dots; its value gets adjusted so that the first and last dot exactly start and end the line, respectively. phase shifts all dots along the vector by the given amount.

\markup {
  \draw-dotted-line #'(5.1 . 2.3)
  \override #'((thickness . 2) (off . 0.2))
  \draw-dotted-line #'(5.1 . 2.3)
}

[image of music]

Used properties:

  • phase (0)
  • off (1)
  • thickness (1)
\draw-hline

Draw a horizontal line.

The property span-factor sets the length of the line as a multiple of the line-width property.

\markup {
  \column {
    \draw-hline
    \override #'(span-factor . 1/3)
    \draw-hline
  }
}

[image of music]

Used properties:

  • span-factor (1)
  • line-width
  • thickness (1)
\draw-line dest (pair of numbers)

Draw a line along vector dest.

\markup {
  \draw-line #'(4 . 4)
  \override #'(thickness . 5)
  \draw-line #'(-3 . 0)
}

[image of music]

Used properties:

  • thickness (1)
\draw-squiggle-line sq-length (number) dest (pair of numbers) eq-end? (boolean)

Draw a squiggled line along vector dest.

sq-length is the length of the first bow; this value gets always adjusted so that an integer number of squiggles is printed. If eq-end? is set to #t, the squiggled line ends with a bow in the same direction as the starting one.

The appearance of the squiggled line may be customized by overriding the thickness, angularity, height, and orientation properties.

\markup
  \column {
    \draw-squiggle-line #0.5 #'(6 . 0) ##t
    \override #'(orientation . -1)
    \draw-squiggle-line #0.5 #'(6 . 0) ##t
    \draw-squiggle-line #0.5 #'(6 . 0) ##f
    \override #'(height . 1)
    \draw-squiggle-line #0.5 #'(6 . 0) ##t
    \override #'(thickness . 5)
    \draw-squiggle-line #0.5 #'(6 . -2) ##t
    \override #'(angularity . 2)
    \draw-squiggle-line #0.5 #'(6 . 2) ##t
  }

[image of music]

Used properties:

  • orientation (1)
  • height (0.5)
  • angularity (0)
  • thickness (0.5)
\ellipse arg (markup)

Draw an ellipse around arg.

Use properties thickness, x-padding, y-padding, and font-size to set the line thickness and padding around the markup.

This is the same as function \oval but with different padding defaults.

\markup {
  \ellipse {
    Hi
  }
}

[image of music]

Used properties:

  • y-padding (0.2)
  • x-padding (0.2)
  • font-size (0)
  • thickness (1)
\epsfile axis (number) size (number) file-name (string)

Inline an image file-name, scaled along axis to size.

See \image for details on this command; calling

\markup \epsfile axis size file-name

is the same as

\markup
  \override #'(background-color . #f)
  \image axis size file-name
\filled-box xext (pair of numbers) yext (pair of numbers) blot (number)

Draw a box of dimensions xext and yext, with rounded corners given by blot.

For example,

\filled-box #'(-.3 . 1.8) #'(-.3 . 1.8) #0

creates a box extending horizontally from -0.3 to 1.8 and vertically from -0.3 up to 1.8, with corners formed from a circle of diameter 0 (i.e., sharp corners).

\markup {
  \filled-box #'(0 . 4) #'(0 . 4) #0
  \filled-box #'(0 . 2) #'(-4 . 2) #0.4
  \combine
    \filled-box #'(1 . 8) #'(0 . 7) #0.2
    \with-color #white
      \filled-box #'(3.6 . 5.6) #'(3.5 . 5.5) #0.7
}

[image of music]

\hbracket arg (markup)

Draw horizontal brackets around arg.

\markup {
  \hbracket {
    \line {
      one two three
    }
  }
}

[image of music]

\image axis (number) size (number) file-name (string)

Inline an image file-name, scaled along axis to size.

The image format is determined based on the extension of file-name, which should be .png for a PNG image, or .eps for an EPS image (.PNG and .EPS are allowed as well).

EPS files are only supported in the PostScript backend – for all output formats –, and in the Cairo backend – when creating PostScript or EPS output.

If the image has transparency, it will appear over a colored background with the color specified by the background-color property, which defaults to "white".

To disable the colored background, set background-color to #f. For EPS images, this always works (where EPS images work in the first place). On the other hand, for PNG images, it works in the Cairo backend (which can output all supported formats), as well as in the SVG backend, but not in the PostScript backend, which is the default. See Advanced command-line options for LilyPond for how to activate the Cairo backend.

Use \withRelativeDir as a prefix to file-name if the file should be found relative to the input file.

Used properties:

  • background-color ("white")
\oval arg (markup)

Draw an oval around arg.

Use properties thickness, x-padding, y-padding, and font-size to set the line thickness and padding around the markup.

This is the same as function \ellipse but with different padding defaults.

\markup {
  \oval {
    Hi
  }
}

[image of music]

Used properties:

  • y-padding (0.75)
  • x-padding (0.75)
  • font-size (0)
  • thickness (1)
\parenthesize arg (markup)

Draw parentheses around arg.

This is useful for parenthesizing a column containing several lines of text.

\markup {
  \parenthesize
  \column {
    foo
    bar
  }
  \override #'(angularity . 2)
  \parenthesize
  \column {
    bah
    baz
  }
}

[image of music]

Used properties:

  • width (0.25)
  • line-thickness (0.1)
  • thickness (1)
  • size (1)
  • padding
  • angularity (0)
\path thickness (number) commands (list)

Draw a path with line thickness according to the directions given in commands.

commands is a list of lists where the car of each sublist is a drawing command and the cdr comprises the associated arguments for each command.

There are seven commands available to use in commands: moveto, rmoveto, lineto, rlineto, curveto, rcurveto, and closepath. Note that the commands that begin with ‘r’ are the relative variants of the other three commands. You may also use the standard SVG single-letter equivalents: moveto = M, lineto = L, curveto = C, closepath = Z. The relative commands are written lowercase: rmoveto = r, rlineto = l, rcurveto = c.

The commands moveto, rmoveto, lineto, and rlineto take 2 arguments, namely the X and Y coordinates of the destination point.

The commands curveto and rcurveto create cubic Bézier curves, and take 6 arguments; the first two are the X and Y coordinates for the first control point, the second two are the X and Y coordinates for the second control point, and the last two are the X and Y coordinates for the destination point.

The closepath command takes zero arguments and closes the current subpath in the active path.

Line-cap styles and line-join styles may be customized by overriding the line-cap-style and line-join-style properties, respectively. Available line-cap styles are butt, round, and square. Available line-join styles are miter, round, and bevel.

The property filled specifies whether or not the path is filled with color.

samplePath =
  #'((lineto -1 1)
     (lineto 1 1)
     (lineto 1 -1)
     (curveto -5 -5 -5 5 -1 0)
     (closepath))

\markup \scale #'(2 . 2) {
  \path #0.25 #samplePath

  \override #'(line-join-style . miter)
  \path #0.25 #samplePath

  \override #'(filled . #t)
  \path #0.25 #samplePath
}

[image of music]

Used properties:

  • filled (#f)
  • line-join-style (round)
  • line-cap-style (round)
\polygon points (list of number pairs)

A polygon delimited by the list of points.

Property extroversion defines how the shape of the polygon is adapted to its thickness: if it is 0, the polygon is traced as-is. If it is -1, the outer side of the line is just on the given points. If set to 1, the line has its inner side on the points. The thickness property controls the thickness of the line; for filled polygons, this means the diameter of the blot.

regularPentagon =
  #'((1 . 0) (0.31 . 0.95) (-0.81 . 0.59)
     (-0.81 . -0.59) (0.31 . -0.95))

\markup \scale #'(2 . 2) {
  \polygon #'((-1 . -1) (0 . -3) (2 . 2) (1 . 2))
  \override #'(filled . #f)
    \override #'(thickness . 2)
      \combine
        \with-color #(universal-color 'blue)
          \polygon #regularPentagon
        \with-color #(universal-color 'vermillion)
          \override #'(extroversion . 1)
            \polygon #regularPentagon
}

[image of music]

Used properties:

  • thickness (1)
  • filled (#t)
  • extroversion (0)
\postscript str (string)

Insert str directly into the output as a PostScript command string.

This command is meant as a last resort. Almost all needs are better fulfilled by other markup commands (see, for example, \path and \draw-line). If you do use this command, keep the following points in mind:

  • \postscript does not work in SVG output.
  • Only a subset of the PostScript language is supported during the conversion from PostScript to PDF.
  • There are no stability guarantees on the details of how LilyPond produces its own output (i.e., the context into which the PostScript code is inserted). They may change substantially across versions.
  • LilyPond cannot understand the shape of the drawing, leading to suboptimal spacing. Usually, it is necessary to explicitly set up dimensions with a command like \with-dimensions.
  • Depending on how you install LilyPond, the version of the PostScript interpreter (Ghostscript) can vary, and some of its features may be disabled.

str is processed with the following constraints.

  • The string is embedded into the (intermediate) output file with the PostScript commands
    gsave currentpoint translate 0.1 setlinewidth
    

    before and

    grestore
    

    after it.

  • After these preceding commands (i.e., currentpoint translate) the origin of the current transformation is the reference point of \postscript. Scale and rotation of the current transformation reflect the global staff line distance and (if applied) other transformation markup commands (e.g., \scale and \rotate) encapsulating the \postscript command.
  • The current point is set to the coordinate (0, 0).
  • If an unwanted line appears at the beginning of your PostScript code, you are probably missing a call to newpath.
ringsps = "
  0.15 setlinewidth
  0.9 0.6 moveto
  0.4 0.6 0.5 0 361 arc
  stroke
  1.0 0.6 0.5 0 361 arc
  stroke
  "

rings = \markup {
  \with-dimensions #'(-0.2 . 1.6) #'(0 . 1.2)
  \postscript #ringsps
}

\relative c'' {
  c2^\rings
  a2_\rings
}

[image of music]

\rounded-box arg (markup)

Draw a box with rounded corners around arg.

This function looks at properties thickness, box-padding, and font-size to determine the line thickness and padding around the arg. The corner-radius property defines the radius of the round corners (default value is 1).

c4^\markup {
  \rounded-box {
    Overtura
  }
}
c,8. c16 c4 r

[image of music]

Note that the box does not horizontally displace its argument. Use markup commands like \left-align or \table to make LilyPond realign it.

\markup {
  \override #'(box-padding . 1.5)
  \column {
    "text"
    \rounded-box "text"
    \left-align \rounded-box "text"
  }
}

[image of music]

Used properties:

  • box-padding (0.5)
  • font-size (0)
  • corner-radius (1)
  • thickness (1)
\scale factor-pair (pair of numbers) arg (markup)

Scale arg.

factor-pair is a pair of numbers representing the scaling factor of the X and Y axes. Negative values may be used to produce mirror images.

\markup {
  \line {
    \scale #'(2 . 1)
    stretched
    \scale #'(1 . -1)
    mirrored
  }
}

[image of music]

\triangle filled (boolean)

Draw a triangle.

Fill the triangle if filled is set to #t.

The appearance can be controlled with properties extroversion, font-size, and thickness.

\markup {
  \triangle ##t
  \triangle ##f
  \override #'(font-size . 5)
  \override #'(thickness . 5) {
    \override #'(extroversion . 1)
    \triangle ##f
    \override #'(extroversion . -1)
    \triangle ##f
  }
}

[image of music]

Used properties:

  • thickness (1)
  • font-size (0)
  • extroversion (0)
\with-url url (string) arg (markup)

Add a link to URL url around arg.

This only works in the PDF backend.3

\markup {
  \with-url "https://lilypond.org/" {
    LilyPond ... \italic {
      music notation for everyone
    }
  }
}

[image of music]


A.11.4 Markup for music and musical symbols

\accidental alteration (an exact rational number)

Select an accidental glyph for alteration, given as a rational number.

Use \text-accidental instead if you need glyph representation forms that fit and align well with text.

\markup {
  text
  \tiny { \accidental #1/2 \accidental #-1/2 }
  text
  \tiny { \text-accidental #1/2 \text-accidental #-1/2 }
  text
}

[image of music]

Used properties:

  • alteration-glyph-name-alist
\bar-line strg (string)

Print a bar line in markup.

The allowed characters for input string strg are ‘;|.:!S[]{}’, having the same meaning as with the \bar command. The additional characters ‘{’ and ‘}’ denote left and right braces, respectively.

The output is vertically centered.

Changes of font-size are respected.

The default of height is 4 staff-space units. Apart from the bracket tips of a bracket bar line and the segno bar line all other bar lines are scaled with height. We don’t scale bracket tips and segno to meet the behaviour of SystemStartBracket and the segno barline.

\bar-line is further customizable by overriding dot-count and dash-count for dotted and dashed bar lines. The values for hair-thickness, kern and thick-thickness are customizable as well; defaults are the same as the values of the corresponding BarLine grob properties.

\markup {
   \override #'(word-space . 2)
   \column {
      \line {
        Examples
        \fontsize #-5 \translate-scaled #'(0 . 2) {
          \bar-line ":|.|:"
          \bar-line ";!S!;"
          \bar-line "]{|}["
        }
      }
      \line {
        Examples
        \fontsize #0 \translate-scaled #'(0 . 2) {
          \bar-line ":|.|:"
          \bar-line ";!S!;"
          \bar-line "]{|}["
        }
      }
      \line {
        Examples
        \fontsize #5 \translate-scaled #'(0 . 2) {
          \bar-line ":|.|:"
          \bar-line ";!S!;"
          \bar-line "]{|}["
        }
      }
   }
}

[image of music]

Used properties:

  • thick-thickness (6.0)
  • kern (3.0)
  • hair-thickness (1.9)
  • dash-count (5)
  • dot-count (4)
  • height (4)
  • font-size (0)
\coda

Draw a coda sign.

\markup {
  \coda
}

[image of music]

\compound-meter time-sig (number or pair)

Draw a numeric time signature based on time-sig.

time-sig can be a single number, an alist, a simple list, or a list of lists, as the following example demonstrates.

\markup {
  \override #'(baseline-skip . 4.5)
  \column {
    \line { Single number:
               \compound-meter #3 }
    \line { Conventional:
               \compound-meter #'(4 . 4) or
               \compound-meter #'(4 4) }
    \line { Compound:
               \compound-meter #'(2 3 5 8) }
    \line { Single-number compound:
               \compound-meter #'((2) (3)) }
    \line { Complex compound:
               \compound-meter #'((2 3 8) (3 4)) }
  }
}

[image of music]

\customTabClef num-strings (integer) staff-space (number)

Draw a clef in sans-serif style for a tablature with num-strings lines spaced by staff-space.

This markup command is used to implement \clef moderntab within a TabStaff context.

\markup {
  \customTabClef #4 #1
}

[image of music]

\doubleflat

Draw a double flat symbol.

\markup {
  \doubleflat
}

[image of music]

\doublesharp

Draw a double sharp symbol.

\markup {
  \doublesharp
}

[image of music]

\fermata

Create a fermata glyph.

If property direction is DOWN, use an inverted glyph.

Note that within music, one would normally use the \fermata articulation instead of a markup.

{ c''1^\markup \fermata d''1_\markup \fermata }

\markup { \fermata \override #`(direction . ,DOWN) \fermata }

[image of music]

Used properties:

  • direction (1)
\flat

Draw a flat symbol.

\markup {
  \flat
}

[image of music]

\multi-measure-rest-by-number length (non-negative, exact integer)

Return a multi-measure rest symbol for length measures.

If the number of measures is greater than the number given by expand-limit a thick horizontal line is printed. For every multi-measure rest lasting more than one measure a number is printed on top. However, if property multi-measure-rest-number is set to #t, this number gets suppressed.

\markup {
  Multi-measure rests may look like
  \multi-measure-rest-by-number #12
  or
  \override #'(multi-measure-rest-number . #f)
    \multi-measure-rest-by-number #7
  (church rests)
}

[image of music]

Used properties:

  • multi-measure-rest-number (#t)
  • width (8)
  • expand-limit (10)
  • hair-thickness (2.0)
  • thick-thickness (6.6)
  • word-space
  • style (())
  • font-size (0)
\musicglyph glyph-name (string)

Print music symbol glyph-name.

See The Emmentaler font for a complete listing of the possible glyph names.

\markup {
  \musicglyph "f"
  \musicglyph "rests.2"
  \musicglyph "clefs.G_change"
}

[image of music]

\natural

Draw a natural symbol.

\markup {
  \natural
}

[image of music]

\note duration (duration) dir (number)

Draw a note of given duration with a stem pointing into direction dir.

duration gives the note head type and augmentation dots; dir controls both the direction and length of the stem.

See also function \note-by-number.

\markup {
  \note {4..} #UP
  \hspace #2
  \override #'(style . cross)
  \note {4..} #0.75
  \hspace #2
  \note {\breve} #0
}

[image of music]

Used properties:

  • style (())
  • dots-direction (0)
  • flag-style (())
  • font-size (0)
\note-by-number log (number) dot-count (number) dir (number)

Draw a note of length log, with dot-count dots and a stem pointing into direction dir.

By using fractional values for dir, longer or shorter stems can be obtained.

Ancient note-head styles (via the style property, see 符頭のスタイル) get mensural-style flags by default; use flag-style to override this. Supported flag styles are default, old-straight-flag, modern-straight-flag, flat-flag, stacked, mensural, and neomensural. The last flag style is the same as mensural and provided for convenience.

\markup {
  \note-by-number #3 #0 #DOWN
  \hspace #2
  \note-by-number #1 #2 #0.8
  \hspace #2
  \override #'(style . petrucci)
  \note-by-number #3 #0 #UP
  \hspace #2
  \override #'(flag-style . modern-straight-flag)
  \note-by-number #4 #0 #DOWN
}

[image of music]

Used properties:

  • style (())
  • dots-direction (0)
  • flag-style (())
  • font-size (0)
\rest duration (duration)

Return a rest symbol with length duration.

If the multi-measure-rest property is set to #t, a multi-measure rest symbol may be returned. In this case the duration needs to be entered as { 1*N } to get a multi-measure rest for N bars. Actually, only the scaling factor (i.e., the number after ‘*’) determines the length; the basic duration is disregarded.

See also functions \rest-by-number and \multi-measure-rest-by-number for more information on the used properties.

\markup {
  Rests:
  \hspace #2
  \rest { 4.. }
  \hspace #2
  \rest { \breve }
  \hspace #2
  Multi-measure rests:
  \override #'(multi-measure-rest . #t)
  {
    \hspace #2
    \rest { 1*7 }
    \hspace #2
    \rest { 1*12 }
  }
}

[image of music]

Used properties:

  • multi-measure-rest-number (#t)
  • width (8)
  • expand-limit (10)
  • hair-thickness (2.0)
  • thick-thickness (6.6)
  • word-space
  • style (())
  • font-size (0)
  • style (())
  • ledgers ((-1 0 1))
  • font-size (0)
\rest-by-number log (integer) dot-count (integer)

Draw a rest of length log, with dot-count dots.

For duration logs that appear in the ledgers property, rest symbols with ledger lines are selected.

\markup {
  \rest-by-number #3 #2
  \hspace #2
  \rest-by-number #0 #1
  \hspace #2
  \rest-by-number #-1 #0
  \hspace #2
  \override #'(ledgers . ())
  \rest-by-number #-1 #0
}

[image of music]

Used properties:

  • style (())
  • ledgers ((-1 0 1))
  • font-size (0)
\rhythm music (music)

Draw embedded rhythmic pattern as specified by music.

\relative {
  \tempo \markup {
    Swing
    \hspace #0.4
    \rhythm { 8[ 8] } = \rhythm { \tuplet 3/2 { 4 8 } }
  }
  b8 g' c, d ees d16 ees d c r8
}

[image of music]

Within \rhythm, there is no time signature and no division in measures (as with \cadenzaOn, see 無韻律の音楽). Beaming must be added explicitly with the syntax explained in 手動連桁.

\markup {
  The rhythmic pattern \rhythm { 16[ 8 16] } is
  a type of syncopation.
}

[image of music]

\stemDown can be used to flip the stems.

\markup \rhythm { \stemDown 8 16 8 }

[image of music]

\rhythm works by creating a StandaloneRhythmVoice context. The parents of this context are StandaloneRhythmStaff and StandaloneRhythmScore. It is possible to apply global tweaks to the output by using a \layout block.

\layout {
  \context {
    \StandaloneRhythmVoice
    \xNotesOn
  }
}

\markup \rhythm { 8 16 8 }

[image of music]

Used properties:

  • font-size (-2)
\score score (score)

Inline an image of music as specified by score.

The reference point (usually the middle staff line) of the lowest staff in the top system is placed on the baseline.

\markup {
  Text before the score.
  \score {
    \new PianoStaff <<
      \new Staff \relative c' {
        \key f \major
        \time 3/4
        \mark \markup { Allegro }
        f2\p( a4)
      }
      \new Staff \relative c {
        \clef bass
        \key f \major
        \time 3/4
        f8( a c a c a
      }
    >>

    \layout {
      indent = 0.0\cm
    }
  }
  Text after the score.
}

[image of music]

Used properties:

  • baseline-skip
\segno

Draw a segno symbol.

\markup {
  \segno
}

[image of music]

\semiflat

Draw a semiflat symbol.

\markup {
  \semiflat
}

[image of music]

\semisharp

Draw a semisharp symbol.

\markup {
  \semisharp
}

[image of music]

\sesquiflat

Draw a 3/2 flat symbol.

\markup {
  \sesquiflat
}

[image of music]

\sesquisharp

Draw a 3/2 sharp symbol.

\markup {
  \sesquisharp
}

[image of music]

\sharp

Draw a sharp symbol.

\markup {
  \sharp
}

[image of music]

\text-accidental alteration (an exact rational number)

Select an accidental glyph for alteration (given as a rational number) that aligns well with text.

\markup {
  text
  \tiny { \text-accidental #1/2 \text-accidental #-1/2 }
  text
}

[image of music]

Used properties:

  • alteration-glyph-name-alist
\text-doubleflat

Draw a double flat symbol for text.

\markup {
  \text-doubleflat
}

[image of music]

\text-doublesharp

Draw a double sharp symbol for text.

\markup {
  \text-doublesharp
}

[image of music]

\text-flat

Draw a flat symbol for text.

\markup {
  \text-flat
}

[image of music]

\text-natural

Draw a natural symbol for text.

\markup {
  \text-natural
}

[image of music]

\text-sharp

Draw a sharp symbol for text.

\markup {
  \text-sharp
}

[image of music]

\tied-lyric str (string)

Replace ‘~’ tilde symbols with tie characters in str.

\markup \column {
  \tied-lyric
    "Siam navi~all'onde~algenti Lasciate~in abbandono"
  \tied-lyric
    "Impetuosi venti I nostri~affetti sono"
  \tied-lyric
    "Ogni diletto~e scoglio Tutta la vita~e~un mar."
}

[image of music]

Used properties:

  • word-space
\varcoda

Draw a varcoda sign.

\markup {
  \varcoda
}

[image of music]


A.11.5 Conditional markup

\if condition? (procedure) argument (markup)

Test condition?, and only insert argument if it is true.

The condition is provided as a procedure taking an output definition and a property alist chain. The procedure is applied, and its result determines whether to print the markup. This command is most useful inside oddHeaderMarkup or similar. Here is an example printing page numbers in bold:

\paper {
  oddHeaderMarkup =
    \markup \fill-line {
      ""
      \if #print-page-number
           \bold \fromproperty #'page:page-number-string
    }
  evenHeaderMarkup =
    \markup \fill-line {
      \if #print-page-number
           \bold \fromproperty #'page:page-number-string
      ""
    }
}
\unless condition? (procedure) argument (markup)

Test condition?, and only insert argument if it is false.

This function is similar to \if; the following example shows how to print the copyright notice on all pages but the last instead of just the first page.

\paper {
  oddFooterMarkup = \markup {
    \unless #on-last-page-of-part \fill-line {
      \fromproperty #'header:copyright
    }
  }
}

\header {
  copyright = "© LilyPond Authors. License: GFDL."
  tagline = "© LilyPond Authors.  Documentation placed
under the GNU Free Documentation License
version 1.3."
}

A.11.6 Instrument-specific markup

\fret-diagram definition-string (string)

Make a (guitar) fret diagram based on definition-string.

For example, say

\markup \fret-diagram "s:1.25;6-x;5-x;4-o;3-2;2-3;1-2;"

[image of music]

for fret spacing 5/4 of staff space, D chord diagram.

Syntax rules for definition-string:

  • − Diagram items are separated by semicolons.
  • − Possible items:
    • s:number – Set the fret spacing of the diagram (in staff spaces). Default: 1.
    • t:number – Set the line thickness (relative to normal line thickness). Default: 0.5.
    • h:number – Set the height of the diagram in frets. Default: 4.
    • w:number – Set the width of the diagram in strings. Default: 6.
    • f:number – Set fingering label type (0 = none, 1 = in circle on string, 2 = below string). Default: 0.
    • d:number – Set radius of dot, in terms of fret spacing. Default: 0.25.
    • p:number – Set the position of the dot in the fret space. 0.5 is centered; 1 is on lower fret bar, 0 is on upper fret bar. Default: 0.6.
    • c:string1-string2-fret – Include a barre mark from string1 to string2 on fret.
    • string-fret – Place a dot on string at fret. If fret is ‘o’, string is identified as open. If fret is ‘x’, string is identified as muted.
    • string-fret-fingering – Place a dot on string at fret, and label with fingering as defined by the f: code.
  • − Note: There is no limit to the number of fret indications per string.

Used properties:

  • thickness (0.5)
  • fret-diagram-details
  • size (1.0)
  • align-dir (-0.4)
\fret-diagram-terse definition-string (string)

Make a fret diagram markup using terse string-based syntax.

For example,

\markup \fret-diagram-terse "x;x;o;2;3;2;"

[image of music]

displays a D chord diagram.

Syntax rules for definition-string:

  • Strings are terminated by semicolons; the number of semicolons is the number of strings in the diagram.
  • Mute strings are indicated by ‘x’.
  • Open strings are indicated by ‘o’.
  • A number indicates a fret indication at that fret.
  • If there are multiple fret indicators desired on a string, they should be separated by spaces.
  • Fingerings are given by following the fret number with a ‘-’ followed by the finger indicator, e.g., ‘3-2’ for playing the third fret with the second finger.
  • Where a barre indicator is desired, follow the fret (or fingering) symbol with -( to start a barre and -) to end the barre.

Used properties:

  • thickness (0.5)
  • fret-diagram-details
  • size (1.0)
  • align-dir (-0.4)
\fret-diagram-verbose marking-list (pair)

Make a fret diagram containing the symbols indicated in marking-list.

The following example produces a standard D chord diagram without fingering indications.

\markup \scale #'(1.5 . 1.5)
  \fret-diagram-verbose
    #'((mute 6) (mute 5) (open 4)
       (place-fret 3 2) (place-fret 2 3) (place-fret 1 2))

[image of music]

Possible elements in marking-list:

(mute string-number)

Place a small ‘x’ at the top of string string-number.

(open string-number)

Place a small ‘o’ at the top of string string-number.

(barre start-string end-string fret-number)

Place a barre indicator (much like a tie) from string start-string to string end-string at fret fret-number.

(capo fret-number)

Place a capo indicator (a large solid bar) across the entire fretboard at fret location fret-number. Also, set fret fret-number to be the lowest fret on the fret diagram.

(place-fret string-number fret-number [finger-value] [color-modifier] [color] ['parenthesized ['default-paren-color]])

Place a fret playing indication on string string-number at fret fret-number with an optional fingering label finger-value, an optional color modifier color-modifier, an optional color color, an optional parenthesis 'parenthesized and an optional paranthesis color 'default-paren-color.

By default, the fret playing indicator is a solid dot. This can be globally changed by setting the value of the property dot-color or for a single dot by setting the value of color. The dot can be parenthesized by adding 'parenthesized. By default the color for the parenthesis is taken from the dot. Adding 'default-paren-color will take the parenthesis color from the global dot-color property; as a fallback black will be used. Setting color-modifier to inverted inverts the dot color for a specific fingering.

The values for string-number, fret-number, and the optional finger should be entered first in that order. The order of the other optional arguments does not matter. If the finger part of the place-fret element is present, finger-value will be displayed according to the setting of the variable finger-code. There is no limit to the number of fret indications per string.

\markup \scale #'(1.5 . 1.5)
  \fret-diagram-verbose #'(
    (place-fret 6 3 1 red parenthesized default-paren-color)
    (place-fret 5 3 1 inverted)
    (place-fret 4 5 2 blue parenthesized)
    (place-fret 3 5 3 blue)
    (place-fret 2 5 4 blue)
    (place-fret 1 3 1 inverted)
  )

[image of music]

Used properties:

  • thickness (0.5)
  • fret-diagram-details
  • size (1.0)
  • align-dir (-0.4)
\harp-pedal definition-string (string)

Make a harp pedal diagram containing the symbols indicated in definition-string.

Possible elements in definition-string:

^

pedal is up

-

pedal is neutral

v

pedal is down

|

vertical divider line

o

the following pedal should be circled (indicating a change)

\markup \harp-pedal "^-v|--ov^"

[image of music]

The function also checks whether the string has the typical form of three pedals, then the divider, and then the remaining four pedals, printing a warning otherwise (without preventing the non-standard order).

Use the size property to control the overall size, and the thickness property for the line thickness of the horizontal line and the divider.

The remaining configuration is done via the harp-pedal-details property; it contains the following elements:

box-offset

vertical shift of the box center for up/down pedals

box-width

box width

box-height

box height

space-before-divider

spacing between two boxes before the divider

space-after-divider

spacing between two boxes after the divider

\markup {
  \override #'((size . 1.5)
               (harp-pedal-details . ((box-width . 1)
                                      (box-offset . 2))))
  \harp-pedal "^-v|--ov^"
}

[image of music]

For global modification of harp-pedal-details, i.e., outside of the current \markup block, you can also use code similar to

\override Voice.TextScript.harp-pedal-details.box-width = 1

Used properties:

  • thickness (0.5)
  • harp-pedal-details (())
  • size (1.2)
\woodwind-diagram instrument (symbol) user-draw-commands (list)

Make a woodwind-instrument diagram for instrument using user-draw-commands.

user-draw-commands is a list of alists, specifying the left-hand keys, the elements on the central column, and the right-hand keys. For example, this diagram

\markup \woodwind-diagram
  #'oboe #'((lh . (d ees))
            (cc . (five3qT1q))
            (rh . (gis)))

[image of music]

shows an oboe with the left-hand d key, left-hand ees key, and right-hand gis key depressed, while the five-hole of the central column effectuating a trill between 1/4 and 3/4 is closed.

The following instruments are supported:

  • − piccolo
  • − flute
  • − oboe
  • − clarinet
  • − bass-clarinet
  • − saxophone
  • − bassoon
  • − contrabassoon

To see all of the callable keys for a given instrument, include the function call (print-keys 'instrument) in your .ly file, where instrument is the instrument whose keys you want to print.

Certain keys allow for special configurations. The entire gamut of configurations possible is as follows:

1q

1/4 covered

1h

1/2 covered

3q

3/4 covered

R

ring depressed

F

fully covered; the default if no state put

Additionally, these configurations can be used in trills. So, for example, three3qTR effectuates a trill between 3/4 full and ring depressed on the three hole. As another example, threeRT effectuates a trill between R and open, whereas threeTR effectuates a trill between open and shut. To see all of the possibilities for all of the keys of a given instrument, invoke (print-keys-verbose 'instrument).

Lastly, substituting an empty list for the pressed-key alist results in a diagram with all of the keys drawn but none filled, for example

\markup \woodwind-diagram #'flute #'()

[image of music]

Used properties:

  • woodwind-diagram-details (())
  • font-size (0)
  • graphical (#t)
  • thickness (0.1)
  • size (1)

A.11.7 Accordion registers

\discant name (string)

Generate a discant accordion register symbol for name.

To make it available,

#(use-modules (lily accreg))

is required near the top of your input file.

The register names in the default \discant register set have been modeled after the numeric Swiss notation (as depicted in http://de.wikipedia.org/wiki/Register_%28Akkordeon%29), omitting the slashes and dropping leading zeros.

The string name is basically a three-digit number with the lowest digit specifying the number of 16’ reeds, the tens the number of 8’ reeds, and the hundreds specifying the number of 4’ reeds. Without modification, the specified number of reeds in 8’ is centered in the symbol. Newer instruments may have registrations where 8’ can be used either within or without a tone chamber, ‘cassotto’. Notationally, the central dot then indicates use of cassotto. One can suffix the tens’ digits ‘1’ and ‘2’ with ‘+’ or ‘-’ to indicate clustering the dots at the right or left, respectively, rather than centered.

Some examples are

[image of music]

Used properties:

  • font-size (0)
\freeBass name (string)

Generate a free bass/converter accordion register symbol for the usual two-reed layout as given by name.

To make it available,

#(use-modules (lily accreg))

is required near the top of your input file.

Available registrations are

[image of music]

Used properties:

  • font-size (0)
\stdBass name (string)

Generate a standard bass accordion register symbol for name.

To make it available,

#(use-modules (lily accreg))

is required near the top of your input file.

The default bass register definitions have been modeled after the article http://www.accordions.com/index/art/stradella.shtml originally appearing in Accord Magazine.

The underlying register model is

[image of music]

This kind of overlapping arrangement is common for Italian instruments though the exact location of the octave breaks differ.

When not composing for a particular target instrument, using the five-reed definitions makes more sense than using a four-reed layout: in that manner, the ‘Master’ register is unambiguous. This is rather the rule in literature bothering about bass registrations at all.

Available registrations are

[image of music]

Used properties:

  • font-size (0)
\stdBassIV name (string)

Generate a standard bass accordion register symbol for name.

To make it available,

#(use-modules (lily accreg))

is required near the top of your input file.

The main use is for four-reed standard bass instruments with reedbank layout

[image of music]

Notable instruments are Morino models with MIII (the others are five-reed instead) and the Atlantic IV. Most of those models have three register switches. Some newer Morinos with MIII might have five or even seven.

The prevalent three-register layout uses the middle three switches ‘Tenor’, ‘Master’, ‘Soft Bass’. Note that the sound is quite darker than the same registrations of ‘c,’-based instruments.

Available registrations are

[image of music]

Used properties:

  • font-size (0)
\stdBassV name (string)

Generate a standard bass accordion register symbol for name.

To make it available,

#(use-modules (lily accreg))

is required near the top of your input file.

The main use is for five-reed standard bass instruments with reedbank layout

[image of music]

This tends to be the bass layout for Hohner’s Morino series without converter or MIII manual.

With the exception of the rather new 7-register layout, the highest two chord reeds are usually sounded together. Older instruments offer 5 or 3 bass registers. The Tango VM offers an additional ‘Solo Bass’ setting that mutes the chord reeds. The symbol on the register buttons of the Tango VM would actually match the physical five-octave layout reflected here, but it is not used in literature.

Composers should likely prefer the five-reed versions of these symbols. The mismatch of a four-reed instrument with five-reed symbols is easier to resolve for the player than the other way round.

Available registrations are

[image of music]

Used properties:

  • font-size (0)
\stdBassVI name (string)

Generate a standard bass accordion register symbol for six-reed basses as given by name.

To make it available,

#(use-modules (lily accreg))

is required near the top of your input file.

This is primarily the register layout for the Hohner “Gola” model. The layout is

[image of music]

The registers are effectively quite similar to that of \stdBass. An additional bass reed at alto pitch is omitted for esthetical reasons from the ‘Master’ setting, so the symbols are almost the same except for the ‘Alto/Soprano’ register with bass notes at Alto pitch and chords at Soprano pitch.

Available registrations are

[image of music]

Used properties:

  • font-size (0)

A.11.8 Other markup commands

\auto-footnote mkup (markup) note (markup)

Have footnote note act as an annotation to the markup mkup.

\markup {
  \auto-footnote a b
  \override #'(padding . 0.2)
  \auto-footnote c d
}

[image of music]

The footnote will be annotated automatically.

Used properties:

  • padding (0.0)
  • raise (0.5)
\backslashed-digit num (integer)

Print number num with the Emmentaler font, crossed through with a backslash.

This is for use in the context of figured bass notation.

\markup {
  \backslashed-digit #5
  \hspace #2
  \override #'(thickness . 3)
  \backslashed-digit #7
}

[image of music]

Used properties:

  • thickness (1.6)
  • font-size (0)
\char num (integer)

Produce a single Unicode character with code num.

Characters encoded in hexadecimal format require the prefix #x.

\markup {
  \char #65 \char ##x00a9
}

[image of music]

\eyeglasses

Prints out eyeglasses, indicating strongly to look at the conductor.

\markup { \eyeglasses }

[image of music]

\first-visible args (markup list)

Use the first markup in args that yields a non-empty stencil and ignore the rest.

\markup {
  \first-visible {
    \fromproperty #'header:composer
    \italic Unknown
  }
}

[image of music]

\footnote mkup (markup) note (markup)

Have footnote note act as an annotation to the markup mkup.

\markup {
  \footnote a b
  \override #'(padding . 0.2)
  \footnote c d
}

[image of music]

The footnote will not be annotated automatically.

\fraction arg1 (markup) arg2 (markup)

Make a fraction of markups arg1 and arg2.

\markup {
  π  \fraction 355 113
}

[image of music]

Used properties:

  • font-size (0)
\fromproperty symbol (symbol)

Read symbol from the property settings and produce a stencil from the markup contained within.

If symbol is not defined or is not a markup, return an empty markup.

Currently, the following properties can be accessed.

  • Within a \paper block defining titles, headers, or footers, or within a \header block: all fields from the \header block (that produce markup) are available, with header: as a name prefix.
  • Within a \paper block defining headers or footers: the current page number (symbol page:page-number-string).
  • Within the tocItemMarkup paper variable (or in custom-made Scheme code that uses function add-toc-item!) defining a table of contents entry: the entry’s text and page number are available as toc:text and toc:page, respectively. An entry’s indentation markup is available as toc:indent.
\header {
  myTitle = "myTitle"
  title = \markup {
    from
    \italic
    \fromproperty #'header:myTitle
  }
}
\markup {
  \null
}

[image of music]

\left-brace size (number)

Print a brace from the music font, of height size (in points).

\markup {
  \left-brace #35
  \hspace #2
  \left-brace #45
}

[image of music]

\lookup glyph-name (string)

Print a brace glyph with name glyph-name.

This is a historical command; \left-brace (which looks up the glyph by absolute size and is independent of the font size) is recommended instead.

\markup \lookup "brace200"

[image of music]

\markalphabet num (integer)

Make a markup letter for num.

The letters start with A to Z and continue with double letters.

\markup {
  \markalphabet #8
  \hspace #2
  \markalphabet #26
}

[image of music]

\markletter num (integer)

Make a markup letter for num.

The letters start with A to Z (skipping letter I), and continue with double letters.

\markup {
  \markletter #8
  \hspace #2
  \markletter #26
}

[image of music]

\null

An empty markup with extents of a single point.

\markup {
  \null
}

[image of music]

\on-the-fly procedure (procedure) arg (markup)

Apply the procedure markup command to arg.

procedure takes the same arguments as interpret-markup and returns a stencil.

\override new-prop (pair) arg (markup)

Add the argument new-prop to the property list for printing arg.

In general, any property may be overridden that is part of font-interface (font-interface), text-interface (text-interface), or instrument-specific-markup-interface (instrument-specific-markup-interface). Additionally, various markup commands listen to other properties, too, as described in a markup function’s documentation.

new-prop is either a single alist pair or a non-empty list of alist pairs.

\markup {
  \undertie "undertied"
  \override #'(offset . 15)
  \undertie "offset undertied"
  \override #'((offset . 15) (thickness . 3))
  \undertie "offset thick undertied"
}

[image of music]

Add a link to a score’s page page-number around arg.

This only works in the PDF backend.

\markup {
  \page-link #2 { \italic { This links to page 2... } }
}

[image of music]

\page-ref label (symbol) gauge (markup) default (markup)

Print a page number reference.

label is the label set on the referenced page (using \label or \tocItem), gauge a markup used to estimate the maximum width of the page number, and default the value to display when label is not found.

If the current book or bookpart is set to use roman numerals for page numbers, the reference will be formatted accordingly – in which case the gauge’s width may require additional tweaking.

\pattern count (non-negative, exact integer) axis (non-negative, exact integer) space (number) pattern (markup)

Print a pattern markup count times.

Patterns are spaced apart by space (defined as for \hspace or \vspace, respectively) and distributed on axis.

\markup \column {
  "Horizontally repeated:"
  \pattern #7 #X #2 \flat
  \null
  "Vertically repeated:"
  \pattern #3 #Y #0.5 \flat
}

[image of music]

\property-recursive symbol (symbol)

Print out a warning when header field markup in symbol contains some recursive markup definition.

\qr-code width (non-negative number) str (string)

Insert a QR code for string str, usually a URL, with a given width.

\markup \vcenter {
  \center-column { Engraved with LilyPond }
  \hspace #1.5
  \qr-code #10.0 "https://lilypond.org"
}

[image of music]

The error-correction-level property can be set to one of the symbols low, medium, quarter, or high. The higher the level of error correction is, the more the QR code contains redundancy, potentially helping detectors, e.g., in poor lighting conditions; however, a higher correction level also makes the code denser.

\markup \vcenter {
  \center-column { Engraved with LilyPond }
  \hspace #1.5
  \override #'(error-correction-level . high)
    \qr-code #10.0 "https://lilypond.org"
}

[image of music]

The quiet-zone-size property specifies the width of the “quiet zone”, namely the white area around the QR code. It is expressed as a multiple of the width of one little square inside the QR code. Use at least 4 for best results.

Used properties:

  • quiet-zone-size (4)
  • error-correction-level (low)
\right-brace size (number)

A music brace in point size size, rotated 180 degrees.

\markup {
  \right-brace #45
  \hspace #2
  \right-brace #35
}

[image of music]

\slashed-digit num (integer)

Print number num with the Emmentaler font, crossed through with a slash.

This is for use in the context of figured bass notation.

\markup {
  \slashed-digit #5
  \hspace #2
  \override #'(thickness . 3)
  \slashed-digit #7
}

[image of music]

Used properties:

  • thickness (1.6)
  • font-size (0)
\stencil stil (stencil)

Use stencil stil as markup.

\markup {
  \stencil #(make-circle-stencil 2 0 #t)
}

[image of music]

\strut

Create a box of the same height as the space in the current font.

\transparent arg (markup)

Make arg transparent.

\markup {
  \transparent {
    invisible text
  }
}

[image of music]

\verbatim-file name (string)

Read the contents of file name and include it verbatim.

\markup {
  \verbatim-file "en/included/simple.ly"
}

[image of music]

Use \withRelativeDir as a prefix to name if the file should be found relative to the input file.

\whiteout arg (markup)

Provide a white background for arg.

The shape of the white background is determined by the style property. The default is box which produces a rectangle. rounded-box produces a rounded rectangle, and outline approximates the outline of the markup.

\markup {
  \combine
    \filled-box #'(-1 . 15) #'(-3 . 4) #1
    \override #'(thickness . 1.5)
    \whiteout whiteout-box
}
\markup {
  \combine
    \filled-box #'(-1 . 24) #'(-3 . 4) #1
    \override #'((style . rounded-box) (thickness . 3))
    \whiteout whiteout-rounded-box
}
\markup {
  \combine
    \filled-box #'(-1 . 18) #'(-3 . 4) #1
    \override #'((style . outline) (thickness . 3))
    \whiteout whiteout-outline
}

[image of music]

Used properties:

  • thickness (())
  • style (box)
\with-color col (color) arg (markup)

Use color col to draw arg.

See オブジェクトに色を付ける for valid color specifications.

\markup {
  \with-color #red red
  \hspace #2
  \with-color #green green
  \hspace #2
  \with-color "#0000ff" blue
}

[image of music]

\with-dimension axis (integer) val (pair of numbers) arg (markup)

Set the dimension of arg along axis to val.

If axis is equal to X, set the horizontal dimension. If axis is equal to Y, set the vertical dimension.

\with-dimension-from axis (integer) arg1 (markup) arg2 (markup)

Print arg2 but replace the dimension along axis with the one from arg1.

If axis is set to X, replace the horizontal dimension. If axis is set to Y, replace the vertical dimension.

\with-dimensions x (pair of numbers) y (pair of numbers) arg (markup)

Set the horizontal and vertical dimensions of arg to x and y.

\with-dimensions-from arg1 (markup) arg2 (markup)

Print arg2 with the horizontal and vertical dimensions of arg1.

Add a link to the page holding label label around arg.

This only works in the PDF backend.

\markup {
  \with-link #'label {
    \italic { This links to the page
               containing the label... }
  }
}
\with-outline outline (markup) arg (markup)

Print arg with the outline and dimensions of outline.

The outline is used by skylines to resolve collisions (not for whiteout).

\with-true-dimension axis (integer) arg (markup)

Give arg its actual dimension (extent) on axis.

Sometimes, the extents of a markup’s printed ink differs from the default extents. The main case is if glyphs are involved. By default, the extents of a glyph are based on the glyph’s metrics (i.e., a default vertical and horizontal size for the glyph), which, for various reasons, are often not identical to its bounding box (i.e., the smallest rectangle that completely encompasses the glyph’s outline) – in most cases, the outline protrudes the box spanned up by the metrics.

\markup {
  text
  \fontsize #10
  \override #'((box-padding . 0) (thickness . 0.2))
  \box
    \musicglyph "scripts.trill"
  text
}

[image of music]

For purposes other than setting text, this behavior may not be wanted. You can use \with-true-dimension in order to give the markup its actual printed extent.

\markup {
  text
  \fontsize #10
  \override #'((box-padding . 0) (thickness . 0.2))
  \box
    \with-true-dimension #X
    \musicglyph "scripts.trill"
  text
}

[image of music]

\with-true-dimensions arg (markup)

Give arg its actual dimensions (extents).

Calling

\markup \with-true-dimensions arg

is short for

\markup
  \with-true-dimension #X
  \with-true-dimension #Y
  arg

i.e., \with-true-dimensions has the effect of \with-true-dimension on both axes.


A.12 \markuplist コマンドの一覧

以下に挙げるコマンドは、\markuplistの内部で用いることができます。

システムの制約により、以下の一覧は英語での提供となります。

\column-lines args (markup list)

Stack the markups in args vertically.

Like \column, but return a list of lines instead of a single markup. The property baseline-skip determines the space between each markup in args.

Used properties:

  • baseline-skip
\justified-lines args (markup list)

Print args as lines aligned both at the left and the right.

Like \justify, but return a list of lines instead of a single markup. Use \override-lines #'(line-width . X) to set the line width; X is the number of staff spaces.

Used properties:

  • text-direction (1)
  • word-space
  • line-width (#f)
  • baseline-skip
\override-lines new-prop (pair) args (markup list)

Add the argument new-prop to the property list for printing args.

Like \override but for markup lists.

\score-lines score (score)

Inline an image of music as specified by score.

Like \score but return a list of lines instead of a single markup.

\string-lines str (string)

Split string str into lines.

The character to split at is specified by the property split-char, defaulting to #\newline. Surrounding whitespace is removed from every resulting string. The returned list of markups is ready to be formatted by other markup or markup list commands like \column, \line, etc.

\markup {
  \column
    \string-lines
     "foo, foo,
     bar, bar,
     buzz, buzz!"
}

[image of music]

Used properties:

  • split-char (#\newline)
\table column-align (number list) lst (markup list)

Print a table.

column-align specifies how each column is aligned; possible values are -1, 0, and 1. The number of elements in column-align determines how many columns will be printed.

The entries to print are given by lst, a markup list. If needed, the last row is filled up with point-stencils.

Override the padding property to increase the horizontal distance between columns. Override baseline-skip to increase the vertical distance between rows.

% A markup command to print a fixed-width number.
\markup fwnum =
  \markup \override #'(font-features . ("ss01" "-kern"))
    \number \etc

\markuplist {
  \override #'(padding . 2)
  \table #'(0 1 0 -1) {
    \underline { center-aligned right-aligned
                 center-aligned left-aligned }
    one      \fwnum    1 thousandth \fwnum 0.001
    eleven   \fwnum   11 hundredth  \fwnum 0.01
    twenty   \fwnum   20 tenth      \fwnum 0.1
    thousand \fwnum 1000 one        \fwnum 1.0
  }
}

[image of music]

Used properties:

  • baseline-skip
  • padding (0)
\table-of-contents

Print a table of contents.

This function uses the paper variable tocTitleMarkup for the title; it then prints \tocItem entries line by line.

See 目次 for a complete discussion.

Used properties:

  • baseline-skip
\wordwrap-lines args (markup list)

Print args as left-aligned lines.

Like \wordwrap, but return a list of lines instead of a single markup. Use \override-lines #'(line-width . X) to set the line width, where X is the number of staff spaces.

Used properties:

  • text-direction (1)
  • word-space
  • line-width (#f)
  • baseline-skip

A.13 特殊文字の一覧

以下の特殊文字参照を用いることができます。詳しくは ASCII エイリアス を参照してください。

記法は HTML と同一で、参照の名前の多くも HTML 由来のものです。残りは LaTeX に由来するものです。

文字はボックスで囲まれており、サイズを確認することができます。見やすさのために、文字とボックスの間にはわずかに隙間があります。

[image of music]


A.14 アーティキュレーションの一覧

以下のリストは、音符に付加することのできる Feta フォントのスクリプト (例: ‘f\accent’, ‘f->’) の一覧です。例はそれぞれ上 (up)下 (down)デフォルト (neutral) の順番に示しています。


アーティキュレーション スクリプト

\accent または ->

[image of music]

\espressivo

[image of music]

\marcato または -^

[image of music]

\portato または -_

[image of music]

\staccatissimo
または -!

[image of music]

\staccato または -.

[image of music]

\tenuto または --

[image of music]


装飾音スクリプト

\prall

[image of music]

\prallup

[image of music]

\pralldown

[image of music]

\upprall

[image of music]

\downprall

[image of music]

\prallprall

[image of music]

\lineprall

[image of music]

\prallmordent

[image of music]

\mordent

[image of music]

\upmordent

[image of music]

\downmordent

[image of music]

\trill

[image of music]

\turn

[image of music]

\reverseturn

[image of music]

\slashturn

[image of music]

\haydnturn

[image of music]


フェルマータ スクリプト

\veryshortfermata

[image of music]

\shortfermata

[image of music]

\fermata

[image of music]

\longfermata

[image of music]

\verylongfermata

[image of music]

\henzeshortfermata

[image of music]

\henzelongfermata

[image of music]


楽器に固有のスクリプト

\upbow

[image of music]

\downbow

[image of music]

\flageolet

[image of music]

\open

[image of music]

\halfopen

[image of music]

\lheel

[image of music]

\rheel

[image of music]

\ltoe

[image of music]

\rtoe

[image of music]

\snappizzicato

[image of music]

\stopped or -+

[image of music]


A.15 打楽器の音符

bassdrum
bd

[image of music]

acousticbassdrum
bda

[image of music]

snare
sn

[image of music]

acousticsnare
sna

[image of music]

electricsnare
sne

[image of music]

lowfloortom
tomfl

[image of music]

highfloortom
tomfh

[image of music]

lowtom
toml

[image of music]

hightom
tomh

[image of music]

lowmidtom
tomml

[image of music]

himidtom
tommh

[image of music]

hihat
hh

[image of music]

closedhihat
hhc

[image of music]

openhihat
hho

[image of music]

halfopenhihat
hhho

[image of music]

pedalhihat
hhp

[image of music]

crashcymbal
cymc

[image of music]

crashcymbala
cymca

[image of music]

crashcymbalb
cymcb

[image of music]

ridecymbal
cymr

[image of music]

ridecymbala
cymra

[image of music]

ridecymbalb
cymrb

[image of music]

chinesecymbal
cymch

[image of music]

splashcymbal
cyms

[image of music]

ridebell
rb

[image of music]

cowbell
cb

[image of music]

hibongo
boh

[image of music]

openhibongo
boho

[image of music]

mutehibongo
bohm

[image of music]

lobongo
bol

[image of music]

openlobongo
bolo

[image of music]

mutelobongo
bolm

[image of music]

hiconga
cgh

[image of music]

openhiconga
cgho

[image of music]

mutehiconga
cghm

[image of music]

loconga
cgl

[image of music]

openloconga
cglo

[image of music]

muteloconga
cglm

[image of music]

hitimbale
timh

[image of music]

lotimbale
timl

[image of music]

hiagogo
agh

[image of music]

loagogo
agl

[image of music]

sidestick
ss

[image of music]

hisidestick
ssh

[image of music]

losidestick
ssl

[image of music]

guiro
gui

[image of music]

shortguiro
guis

[image of music]

longguiro
guil

[image of music]

cabasa
cab

[image of music]

maracas
mar

[image of music]

shortwhistle
whs

[image of music]

longwhistle
whl

[image of music]

handclap
hc

[image of music]

tambourine
tamb

[image of music]

vibraslap
vibs

[image of music]

tamtam
tt

[image of music]

claves
cl

[image of music]

hiwoodblock
wbh

[image of music]

lowoodblock
wbl

[image of music]

opencuica
cuio

[image of music]

mutecuica
cuim

[image of music]

triangle
tri

[image of music]

opentriangle
trio

[image of music]

mutetriangle
trim

[image of music]


A.16 技術用語集

LilyPond の内部で用いられる技術的な用語やコンセプトの一覧です。これらはマニュアル、メーリング リスト、ソースコードなどに現れます。


alist (連想配列)

連想配列 (association list, 縮めて alist) は、キーと値を結びつける Scheme ペアです: ‘(key . value)’。例えば scm/lily.scm には、連想配列 “type-p-name-alist があり、型述語 (例えば ly:music?) と型の名前 (例えば “music”) を結びつけています。そのため、型チェックに失敗した場合には、型述語に結びついた名前がエラー メッセージに表示されます。


callback (コールバック)

コールバック (callback) はルーチン、関数、メソッドの一種で、他のルーチンの引数にその参照が渡されることで呼び出されるものです。このテクニックを用いて、低レベルのソフトウェア レイヤから高レベルで定義した関数を呼び出すことができます。LilyPond では、コールバックは、低レベルのアクションがどれぐらい実行されるかをユーザ レベルの Scheme コードが定義できるようにするために広く使われています。


closure (クロージャ)

Scheme では、クロージャ (closure) は関数 (通常はラムダ式) が変数として渡された際に作られます。クロージャは、関数のコードと共に、関数における自由変数 (つまり、関数の中で使われているが、関数の外で定義されている変数) の静的束縛 (lexical binding) への参照が含まれます。この関数が異なる引数で再度呼ばれた際、クロージャで捕捉された自由変数の束縛が、 計算で使用される自由変数の値を得るために使われます。クロージャの便利な性質の一つは、内部変数の値を複数の呼び出しの間で保持できることです。これにより、状態を保存することができます。


glyph (グリフ)

グリフ (glyph) は印刷される文字一つ一つの形、あるいは複数の文字が組み合わされて合字となった際の形を表します。あるスタイルや形のグリフが集まってフォントを形成し、いくつかのスタイルやサイズのフォントが集まると書体となります。

参照

記譜法リファレンス: フォント, 特殊文字


grob (グラフィカル オブジェクト)

LilyPond のオブジェクトの内、 符頭、符幹、スラー、タイ、運指、音部記号などの、印刷される出力におけるアイテムを表すものは、‘レイアウト オブジェクト’ (‘layout object’) またはよく グラフィカル オブジェクト (‘GRaphical OBject’, 略して grob) と呼ばれます。これらは Grob クラスのインスタンスとして表されます。

参照

学習マニュアル: Objects and interfaces, Naming conventions of objects and properties, Properties of layout objects

内部リファレンス: grob-interface, All layout objects


immutable (イミュータブル)

イミュータブルな (immutable) オブジェクトは、生成された後にも状態を変更できるミュータブル オブジェクトとは異なり、生成された後は状態を変更できないオブジェクトを指します。

LilyPond では、イミュータブル プロパティまたは共有プロパティはデフォルトのスタイルや Grob の挙動を定義します。これらは多くのオブジェクトの間で共有されます。名前に反して実際には \override\revert で変更することができます。

参照

記譜法リファレンス: mutable (ミュータブル)


interface (インターフェイス)

複数の Grob で共通のアクションやプロパティは、grob-interface あるいは短く‘インターフェイス’ (‘interface’) と呼ばれるオブジェクトにまとめられます。

参照

学習マニュアル: Objects and interfaces, Naming conventions of objects and properties, Properties found in interfaces

記譜法リファレンス: レイアウト インターフェイス

内部リファレンス: Graphical Object Interfaces


lexer (字句解析器)

字句解析器 (lexer) は、文字列をトークンの列に変換する、字句解析を行うプログラムです。LilyPond の字句解析器は、.ly ファイルから取得されるストリームをトークン化したストリームに変換し、構文解析という次の処理により適した形にします。構文解析については parser (構文解析器、パーサ) を参照してください。LilyPond の字句解析器は Flex を用いて、字句に関する規則を定義したファイル lily/lexer.ll から作られます。このファイルはソース コードの一部であり、LilyPond のバイナリには含まれていません。


mutable (ミュータブル)

ミュータブルな (mutable) オブジェクトは、生成された際に状態が固定されるイミュータブル オブジェクトとは異なり、生成された後にも状態を変更できるオブジェクトを指します。

LilyPond では、ミュータブル プロパティは Grob ごとに固有の値を保持するために用いられます。通常、他のオブジェクトのリストや、計算結果がミュータブル プロパティに格納されます。

参照

記譜法リファレンス: immutable (イミュータブル)


output-def (出力定義クラス)

Output-def クラスのインスタンスは、出力ブロックに関連したデータ構造やメソッドを保持します。インスタンスは midi, layout, paper ブロックに対して作られます。


parser (構文解析器、パーサ)

構文解析器 (parser, パーサ) は、字句解析器によって出力されたトークンの列を文法規則に従ってより大きなグループにまとめていくことによって、その文法的構造を決定します。トークンの列が正しいものであれば、結果はトークンの木構造となり、その根は文法の始端記号になります。結果が得られない場合には入力が誤っており、正しいエラー メッセージが出力されます。文法的なグループと、そのグループを作り上げる LilyPond の文法は、lily/parser.yy に定義されており、LilyPond grammar にあるようにバッカス標準形 (Backus Normal Form, BNF) で記述されています。このファイルはプログラムのビルド時に Bison にによって構文解析器を生成する際に用いられます。このファイルはソース コードの一部であり、LilyPond のバイナリには含まれていません。


parser variable (パーサ変数)

これらは Scheme で直接定義される変数です。これらをユーザが直接操作することは、変数のスコープが難解であるため推奨されません。

このような変数が .ly ファイル内で変更された場合、変更はグローバルに適用され、明示的に戻さない限り、新たな値がファイルの最後まで保持されます。そのため、後に続く \score ブロックや、\include コマンドで読み込まれた外部ファイルの出力に影響します。これは予期しない結果を生み出す可能性があり、複雑なプロジェクトではエラーを追跡するのが難しくなります。

LilyPond は以下のパーサ変数を使用します:

  • afterGraceFraction
  • musicQuotes
  • mode
  • output-count
  • output-suffix
  • partCombineListener
  • pitchnames
  • toplevel-bookparts
  • toplevel-scores
  • showLastLength
  • showFirstLength

prob (プロパティ オブジェクト)

プロパティ オブジェクト (PRoperty OBject, 略して prob) は、Prob クラスのインスタンスであり、ミュータブルまたはイミュータブルなプロパティの連想配列や、それらを操作するメソッドを保持するシンプルな基底クラスです。MusicStream_event クラスは Prob から派生しています。Prob クラスは、ページ レイアウトの際にシステム Grob やタイトル ブロックのフォーマットされた内容を保持するためにも生成されます。


smob (Scheme オブジェクト)

Scheme オブジェクト (ScheMe OBjects, 略して smob) は、C や C++ オブジェクトを Scheme コードにエクスポートする際に Guile によって用いられます。LilyPond では、Scheme オブジェクトはマクロを用いて C++ オブジェクトから生成されます。Scheme オブジェクトには 2 種類あります: 数値のような単純なイミュータブル オブジェクトを格納するシンプル smob と、自身を持つオブジェクトに用いられる複合 smob です。LilyPond のソース コードがアクセスできる場合、より詳しい情報は lily/includes/smobs.hh にあります。


stencil (ステンシル)

ステンシル (stencil) クラスのインスタンスは、印刷に出力されるオブジェクトの情報を保持します。ステンシルは、オブジェクトの縦方向と横方向の大きさを決定するボックスと、評価された際にオブジェクトを出力する Scheme 式からなる シンプルな Scheme オブジェクトです。いくつかのステンシルの Scheme 式を組み合わせて複雑なステンシルを定義することもできます。

stencil プロパティは、grob-inteface で定義されており、grob とステンシルを繋ぐ役目を果たします。

参照

内部リファレンス: grob-interface


A.17 音楽関数の一覧

システムの制約により、以下の一覧は英語での提供となります。

\absolute music (music) ⇒ music

Make music absolute.

This does not actually change the music itself but rather hides it from surrounding \relative and \fixed commands.

\acciaccatura music (music) ⇒ music

Create an acciaccatura from music.

\accidentalStyle style (symbol list) ⇒ music

Set accidental style to style.

style is a (predefined) symbol list like piano-cautionary; see 自動臨時記号 for the available styles. If it is preceded by a context name, the settings are applied to that context (example: Staff.piano-cautionary). Otherwise, the context defaults to Staff, except for piano styles, which use GrandStaff as a context.

\addChordShape key-symbol (symbol) tuning (pair) shape-definition (string or pair) ⇒ void

Add shape-definition as a chord shape.

It gets added to the chord-shape-table hash with the key (cons key-symbol tuning).

\addInstrumentDefinition name (string) lst (list) ⇒ void

Create instrument name with properties lst.

This function is deprecated.

\addQuote name (string) music (music) ⇒ void

Define music as a quotable music expression named name.

\after delta (duration) ev (music) mus (music) ⇒ music

Add music ev with a delay of delta after the onset of mus.

ev is usually a post-event.

\afterGrace [fraction (non-negative rational, fraction, or moment)] main (music) grace (music) ⇒ music

Create grace as grace notes after a main music expression.

The musical position of the grace expression is after a given fraction of the main note’s duration has passed. If optional argument fraction is omitted, the fraction value is taken from afterGraceFraction, defaulting to 3/4.

\allowPageTurn ⇒ music

Allow a page turn.

May be used at top level (i.e., between scores or markups), or inside a score.

\allowVoltaHook bar (string) ⇒ void

Allow the volta bracket hook being drawn over bar line bar.

\alterBroken property (key list or symbol) arg (list) target (key list or music) ⇒ music

Override property for pieces of broken spanner target with arg.

target may either be music in the form of a starting spanner event, or a symbol list of the form Context.Grob or just Grob. If target is in the form of a spanner event, property may also have the form Grob.property for specifying a directed tweak.

arg is a list of values, one for each broken piece.

\ambitusAfter target (symbol) ⇒ music

Move the ambitus after the break-align symbol target.

\appendToTag tag (symbol) more (music) music (music) ⇒ music

Append more to music tagged with tag.

A post-event can be added to the articulations of rhythmic events or chords; other expressions may be added to chords, sequential or simultaneous music.

\applyContext proc (procedure) ⇒ music

Modify context properties with Scheme procedure proc.

\applyMusic func (procedure) music (music) ⇒ music

Apply procedure func to music.

\applyOutput target (symbol list or symbol) proc (procedure) ⇒ music

Apply function proc to every layout object matched by target.

target takes the form Context or Context.Grob.

\appoggiatura music (music) ⇒ music

Create an appoggiatura from music.

\assertBeamQuant l (pair) r (pair) ⇒ music

Testing function: check whether the beam quants l and r are correct.

\assertBeamSlope comp (procedure) ⇒ music

Testing function: check whether the slope of the beam is the same as comp.

\augmentum expr (music) ⇒ music

Add augmentum dots (morae) to Gregorian chant expr.

\autoChange [pitch (pitch)] [clef-1 (context modification)] [clef-2 (context modification)] music (music) ⇒ music

Make voices for music that switch between staves automatically.

The optional argument pitch specifies where to switch staves; the default is c'. Optional arguments clef-1 and clef-2 specify which clefs to use; this only works for implicitly instantiated staves.

Example:

\autoChange d' \with { \clef alto } { g4 d' g' }
\balloonGrobText grob-name (symbol) offset (pair of numbers) text (markup) ⇒ music

Attach text to grob-name at offset offset (use like \once).

\balloonText offset (pair of numbers) text (markup) ⇒ post-event

Attach text at offset (use like \tweak).

\bar type (string) ⇒ music

Insert a bar line of type type, overriding any automatic bar lines.

\barNumberCheck n (integer) ⇒ music

Print a warning if the current bar number is not n.

\beamExceptions music (music) ⇒ any type

Set beam exceptions.

This function extracts a value suitable for setting Timing.beamExceptions from the given pattern with explicit beams in music. A bar check ‘|’ has to be used between bars of patterns in order to reset the timing.

\bendAfter delta (real number) ⇒ post-event

Create a fall or doit of pitch interval delta.

\bendHold mus (music) ⇒ post-event

Set BendSpanner.style to 'hold for mus.

\bendStartLevel idx (non-negative, exact integer) mus (music) ⇒ post-event

Set Bendspanner.details.successive-level to idx for mus.

\bookOutputName newfilename (string) ⇒ void

Direct output for the current book block to newfilename.

This is equivalent to setting output-filename in the current book’s \paper block.

\bookOutputSuffix newsuffix (string) ⇒ void

Set the output file name suffix for the current book block to newsuffix.

This is equivalent to setting output-suffix in the current book’s \paper block.

\breathe ⇒ music

Insert a breath mark.

\caesura ⇒ music

Insert a caesura.

\chordRepeats [event-types (list)] music (music) ⇒ music

Extend ‘q’ to also repeat articulation.

This function walks through music, putting the notes of the previous chord into repeat chords, as well as an optional list of event-types such as #'(string-number-event).

\clef type (string) ⇒ music

Set the current clef to type.

\codaMark [num (non-negative, exact integer)] ⇒ music

Create a coda mark.

num may be 1 for the first mark, 2 for the second, etc., or it may be \default to use the next number in sequence automatically.

\compoundMeter args (pair) ⇒ music

Create a compound time signature.

The argument args is a Scheme list of lists. Each list represents one fraction, where all entries but the last hold the summands in the enumerator, and the last entry is the denominator. If the time signature consists of just one fraction, the list can be given directly, i.e., not as a list containing a single list. For example, a time signature of (3+1)/8 + 2/4 can be created with \compoundMeter #'((3 1 8) (2 4)), and a time signature of (3+2)/8 with either \compoundMeter #'((3 2 8)) or the shorter version \compoundMeter #'(3 2 8).

\compressMMRests music (music) ⇒ music

Convert empty bars to multi-measure rests in music.

\crossStaff notes (music) ⇒ music

Create cross-staff stems for notes.

\cueClef type (string) ⇒ music

Set the current cue clef to type.

\cueClefUnset ⇒ music

Unset the current cue clef.

\cueDuring what (string) dir (direction) main-music (music) ⇒ music

Create a cue.

This function inserts the contents of quote what corresponding to main-music, in a CueVoice context called cue oriented by dir.

\cueDuringWithClef what (string) dir (direction) clef (string) main-music (music) ⇒ music

Create a cue with clef.

This function inserts the contents of quote what corresponding to main-music, in a CueVoice context called cue oriented by dir and using clef clef.

\deadNote note (music) ⇒ music

Print note with a cross-shaped note head.

\defineBarLine bar (string) glyph-list (list) ⇒ void

Define bar line settings for bar line bar.

The list glyph-list must have three entries, defining substitute glyphs for the end of a line, the beginning of a line, and a span bar, respectively. The substitute glyphs may be either strings or Booleans: #t calls for the same value as bar and #f calls for no glyph.

\displayLilyMusic [port (output port)] music (music) ⇒ music

Write LilyPond’s input representation of music.

If port is omitted, the output defaults to the console (stdout).

\displayMusic [port (output port)] music (music) ⇒ music

Write the internal representation of music.

If port is omitted, the output defaults to the console (stdout).

\displayScheme [port (output port)] expr (any type) ⇒ any type

Write the internal Scheme representation of expr.

If port is omitted, the output defaults to the console (stdout).

\dropNote num (integer) music (music) ⇒ music

‘Drop’ the num-th note in each chord of music.

This function moves the affected notes down (usually by an octave) to be lower than the other notes of the chord. The position in a chord is counted downwards from the top.

The opposite function is \raiseNote.

\enablePolymeter ⇒ void

Enable polymetry.

This function moves the timing management from Score to Staff-like contexts. This is done by removing the Timing_translator from Score, and adding it to all contexts having the Staff alias.

Use this within an output definition.

\endSpanners music (music) ⇒ music

Terminate spanners.

This function prematurely ends all spanners in music by inserting an end-spanner event at the end of the argument, without the need of specific end-spanner commands.

\eventChords music (music) ⇒ music

Compatibility function: Handle isolated rhythmic events in music.

Use this to wrap EventChord around isolated rhythmic events occuring since version 2.15.28, after expanding repeat chords ‘q’.

Not needed for new code.

\featherDurations scale (non-negative rational, fraction, or moment) music (music) ⇒ music

Adjust feathered beam durations in music by scale.

\finger finger (index or markup) ⇒ post-event

Apply finger as a fingering indication.

\fixed pitch (pitch) music (music) ⇒ music

Use the octave of pitch as the default octave for music.

\footnote [mark (markup)] offset (pair of numbers) footnote (markup) item (symbol list or music) ⇒ music

Make the markup footnote a footnote on item.

The footnote is marked with a markup mark moved by offset with respect to the marked music.

If mark is not given or specified as \default, it is replaced by an automatically generated sequence number. If item is a symbol list of form Grob or Context.Grob, then grobs of that type are marked at the current time step in the given context (default Bottom).

If item is music, the music gets a footnote attached to a grob immediately attached to the event, like \tweak does. For attaching a footnote to an indirectly caused grob, write \single\footnote, use item to specify the grob, and follow it with the music to annotate.

Like with \tweak, if you use a footnote on a following post-event, the \footnote command itself needs to be attached to the preceding note or rest as a post-event with ‘-’.

\glide fingering (music) ⇒ post-event

Take a fingering-event and create a FingerGlideEvent setting the digit property. If the fingering-event has a tweak for id it as applied to the FingerGlideEvent as well. Both events are returned in PostEvents.

\grace music (music) ⇒ music

Insert music as grace notes.

\grobdescriptions descriptions (list) ⇒ any type

Create a context modification from descriptions.

The argument is a list in the format of all-grob-descriptions.

\harmonicByFret fret (number) music (music) ⇒ music

Convert music into mixed harmonics.

The resulting notes resemble harmonics played on a fretted instrument by touching the strings at fret.

\harmonicByRatio ratio (number) music (music) ⇒ music

Convert music into mixed harmonics.

The resulting notes resemble harmonics played on a fretted instrument by touching the strings at the point given through ratio.

\harmonicNote note (music) ⇒ music

Print note with a diamond-shaped note head.

\harmonicsOn ⇒ music

Set the default note head style to a diamond-shaped style.

\hide item (symbol list or music) ⇒ music

Make item invisible while still retaining its dimensions.

If item is a symbol list of form GrobName or Context.GrobName, the result is an override for the grob name specified by it. If item is a music expression, the result is the same music expression with an appropriate tweak applied to it.

This function sets item’s transparent property to #t.

\incipit incipit-music (music) ⇒ music

Output incipit-music as an incipit.

incipit-music is typeset within a MensuralStaff context; the result is positioned before the main staff (as part of an InstrumentName grob) to indicate the music’s original notation.

\inherit-acceptability to (symbol) from (symbol) ⇒ void

Make two contexts ‘compatible’.

When used in an output definition, modify all context definitions such that context to is accepted as a child by all contexts that also accept from.

\initialContextFrom music (music) ⇒ music

Enter the initial context of music and ignore the rest of it.

This is useful for prepending music while preserving the influence of the original music on the context.

Example:

{
  \initialContextFrom \originalMusic
  \prependedMusic
  \originalMusic
  \appendedMusic
}
\inStaffSegno ⇒ music

Put the segno variant varsegno at this position into the staff.

This is compatible with the repeat command.

\instrumentSwitch name (string) ⇒ music

Switch instrument to name.

name must have been predefined with function \addInstrumentDefinition.

This function is deprecated.

\inversion around (pitch) to (pitch) music (music) ⇒ music

Invert music about around and transpose from around to to.

\invertChords num (integer) music (music) ⇒ music

Invert any chords in music into their num-th position.

Chord inversions may be directed downwards using negative integers.

\jump text (markup) ⇒ music

Use text to mark a point of departure, e.g., ‘Gavotte I D.C.’.

\keepWithTag tags (symbol list or symbol) music (music) ⇒ music

Keep tagged music.

This function only includes elements of music that are tagged with one of the tags in tags. tags may be either a single symbol or a list of symbols.

Each tag may be declared as a member of at most one tag group (defined with \tagGroup). If none of a music element’s tags share a tag group with one of the specified tags, the element is retained.

\key [tonic (pitch)] [pitch-alist (list of number pairs)] ⇒ music

Set key to tonic and scale pitch-alist.

If both arguments are omitted (i.e., replaced by \default), just generate a KeyChangeEvent, which prints the current key signature again.

\killCues music (music) ⇒ music

Remove cue notes from music.

\label label (symbol) ⇒ music

Create label as a referrable label.

The value stored in label is the page number, which can be extracted with the \page-ref markup command later on.

\language language (string) ⇒ void

Set note names for language language.

The value is stored in the pitchnames alist.

\languageRestore ⇒ void

Restore the previously-saved pitchnames alist.

\languageSaveAndChange language (string) ⇒ void

Save current pitchnames alist and change note names to language.

\ligature music (music) ⇒ music

Make a ligature from Gregorian Chant music.

This is equivalent to enclosing music with \[ and \].

\magnifyMusic mag (positive number) music (music) ⇒ music

Magnify the size of music by factor mag.

This doesn’t change the staff size. Stems, beams, slurs, ties, and horizontal spacing are adjusted automatically.

\magnifyStaff mag (positive number) ⇒ music

Change the staff size by factor mag.

This adjusts notation size and horizontal spacing automatically.

\makeClusters arg (music) ⇒ music

Display chords in arg as clusters.

\makeDefaultStringTuning symbol (symbol) pitches (list) ⇒ void

Define string tuning symbol by a list of pitches.

symbol also gets registered in defaultStringTunings for documentation purposes.

\mark [label (index or markup)] ⇒ music

Create a rehearsal mark.

If label is an integer, create the rehearsal mark for the given sequence number. If label is \default, create the next sequential rehearsal mark. If label is markup, use it for the mark.

\markupMap path (symbol list or symbol) markupfun (markup-function) music (music) ⇒ music

Apply markupfun to property path in music.

Argument path is either of the form property or MusicExpression.property. If MusicExpression is not given, markupfun gets applied to all properties called property, otherwise it is restricted to MusicExpression events. If property is not a markup, it is ignored.

In the following example, both the tempo indication and the bowing instruction are printed in red. If you replace text with TempoChangeEvent.text, only the tempo indication changes the color.

\markupMap
  text
  \markup \with-color #red \etc
  { \tempo "Largo" g'2_"arco" c'' }
\modalInversion around (pitch) to (pitch) scale (music) music (music) ⇒ music

Invert music about around using scale and transpose from around to to.

\modalTranspose from (pitch) to (pitch) scale (music) music (music) ⇒ music

Transpose music from pitch from to pitch to using scale.

\musicLength music (music) ⇒ any type

Return the length of music as a moment.

\musicMap proc (procedure) mus (music) ⇒ music

Apply proc to mus and all of the music it contains.

\noPageBreak ⇒ music

Forbid a page break.

May be used at top level (i.e., between scores or markups), or inside a score.

\noPageTurn ⇒ music

Forbid a page turn.

May be used at top level (i.e., between scores or markups), or inside a score.

\octaveCheck pitch (pitch) ⇒ music

Do an octave check.

This prints a warning if the interval between the previous note and pitch is not within a fourth.

\offset property (symbol list or symbol) offsets (any type) item (key list or music) ⇒ music

Offset the default value of property of item by offsets.

If item is a string, the result is an override for the specified grob type. If item is a music expression, the result is the same music expression with an appropriate tweak applied to it.

\omit item (symbol list or music) ⇒ music

Omit item without taking up space.

If item is a symbol list of form GrobName or Context.GrobName, the result is an override for the grob name specified by it. If item is a music expression, the result is the same music expression with an appropriate tweak applied to it.

This function sets item’s stencil property to #f.

\once music (music) ⇒ music

Set property once to #t on all layout instruction events in music.

\ottava octave (integer) ⇒ music

Set the octavation to octave.

A positive value n indicates n octaves higher; a negative value n octaves lower, and value 0 means no octavation.

\overrideProperty grob-property-path (list of indices or symbols) value (any type) ⇒ music

Set the grob property specified by grob-property-path to value.

grob-property-path is a symbol list of the form Context.GrobName.property or GrobName.property, possibly with subproperties given as well.

As opposed to \override, which overrides the context-dependent defaults with which a grob is created, this command uses Output_property_engraver at the grob acknowledge stage. This may be necessary for overriding values set after the initial grob creation.

\overrideTimeSignatureSettings time-signature (boolean-or-fraction) base-moment (positive exact rational, fraction (as pair), moment, or +inf.0) beat-structure (list) beam-exceptions (list) ⇒ music

Override time signature settings.

This function sets timeSignatureSettings for time signatures equal to time-signature to have settings of base-moment, beat-structure, and beam-exceptions.

\pageBreak ⇒ music

Force a page break.

May be used at top-level (i.e., between scores or markups), or inside a score.

\pageTurn ⇒ music

Force a page turn.

May be used at top-level (i.e., between scores or markups), or inside a score.

\palmMute note (music) ⇒ music

Print note with a triangle-shaped note head.

\palmMuteOn ⇒ music

Set the default note head style to a triangle-shaped style.

\parallelMusic voice-ids (list) music (music) ⇒ void

Define parallel music sequences.

Within music, parallel music sequences are separated by ‘|’ characters. The sequences are assigned to the LilyPond music identifiers provided in voice-ids.

For example, this code

\parallelMusic A,B,C {
  c c | d d | e e |
  d d | e e | f f |
}

is equivalent to

A = { c c | d d }
B = { d d | e e }
C = { e e | f f }

The last bar checks in a sequence are not copied to the result in order to facilitate ending the last entry at non-bar boundaries.

\parenthesize arg (symbol list or music) ⇒ music

Tag arg to be parenthesized.

arg may be either a music event or a grob path.

\partCombine [chord-range (pair of numbers)] part1 (music) part2 (music) ⇒ music

Combine two parts into a single staff.

This takes the music in part1 and part2 and returns a music expression containing simultaneous Voice contexts (called one for the upper and two for the lower voice). Where appropriate, part1 and part2 are combined into a single voice (called shared or solo, depending on context).

Optional argument chord-range is a pair (start . stop) that defines the range in which the two voices are printed as chords (or unison); the default value is (0 . 8), which means that intervals up to and including a ninth are unified.

\partCombineDown [chord-range (pair of numbers)] part1 (music) part2 (music) ⇒ music

Combine two parts into a single staff with all stems downwards.

See function \partCombine for details.

\partCombineForce [type (symbol)] ⇒ music

Override the part-combiner mode with type.

The following table gives the possible values for type, together with the corresponding shorthand functions.

apart\partCombineApart
chords\partCombineChords
unisono\partCombineUnisono
solo1\partCombineSoloI
solo2\partCombineSoloII
\default\partCombineAutomatic
\partCombineUp [chord-range (pair of numbers)] part1 (music) part2 (music) ⇒ music

Combine two parts into a single staff with all stems upwards.

See function \partCombine for details.

\partial dur (duration) ⇒ music

Make a partial measure of duration dur.

\phrasingSlurDashPattern dash-fraction (number) dash-period (number) ⇒ music

Set up a custom dash pattern style for phrasing slurs.

dash-fraction gives the size of one dash relative to dash-period; dash-period is the length of one dash plus one space. LilyPond adjusts dash-period to produce symmetrical output.

More complex patterns can be achieved by directly manipulating the PhrasingSlur.dash-definition property.

\pitchedTrill main-note (music) secondary-note (music) ⇒ music

Print a pitched trill.

main-note is the main note of the trill; secondary-note gets printed as a stemless note head in parentheses.

\pointAndClickOff ⇒ void

Suppress links to LilyPond source code in music output.

\pointAndClickOn ⇒ void

Generate links to LilyPond source code in music output.

This enables the creation of code in a PDF or SVG output file to reference the originating LilyPond source code (i.e., file name, line number, and column). This is helpful when developing a score; however, the output file becomes much larger.

\pointAndClickTypes types (symbol list or symbol) ⇒ void

Generate point-and-click info for music of type types only.

types is a single music expression (such as #'note-event) or a list of music expressions.

\popContextProperty path (list of indices or symbols) ⇒ music

Pop value of context property path from stack and set it.

This is the opposite to function \pushContextProperty.

\preBend mus (music) ⇒ post-event

Set BendSpanner.style to 'pre-bend for mus.

\preBendHold mus (music) ⇒ post-event

Set BendSpanner.style to 'pre-bend-hold for mus.

\propertyOverride grob-property-path (list of indices or symbols) value (any type) ⇒ music

Set the grob property specified by grob-property-path to value.

grob-property-path is a symbol list of the form Context.GrobName.property or GrobName.property, possibly with subproperties given as well. This music function is mostly intended for use from Scheme as a substitute for the built-in \override command.

\propertyRevert grob-property-path (list of indices or symbols) ⇒ music

Revert the grob property specified by grob-property-path to its previous value.

grob-property-path is a symbol list of the form Context.GrobName.property or GrobName.property, possibly with subproperties given as well. This music function is mostly intended for use from Scheme as a substitute for the built-in \revert command.

\propertySet property-path (symbol list or symbol) value (any type) ⇒ music

Set the context property specified by property-path to value.

This music function is mostly intended for use from Scheme as a substitute for the built-in \set command.

\propertyTweak prop (key list or symbol) value (any type) item (key list or music) ⇒ music

Add a tweak to item, usually music.

This function sets the value of property prop to value; it generally behaves like \tweak but will turn into an \override when item is a symbol list. In that case, item specifies the grob path to override. This is mainly useful when using \propertyTweak as as a component for building other functions like \omit. It is not the default behavior for \tweak since many input strings in \lyricmode can serve equally as music or as symbols, which causes surprising behavior when tweaking lyrics using the less specific semantics of \propertyTweak.

prop can contain additional elements in which case a nested property (inside of an alist) is tweaked.

\propertyUnset property-path (symbol list or symbol) ⇒ music

Unset the context property specified by property-path.

This music function is mostly intended for use from Scheme as a substitute for the built-in \unset command.

\pushContextProperty path (list of indices or symbols) value (any type) ⇒ music

Set context property path to value and push old value to stack.

The old value can be popped off the stack and restored with function \popContextProperty.

\pushToTag tag (symbol) more (music) music (music) ⇒ music

Add more to the front of music tagged with tag.

A post-event can be added to the articulations of rhythmic events or chords; other expressions may be added to chords, sequential or simultaneous music.

\quoteDuring what (string) main-music (music) ⇒ music

Indicate a section of music to be quoted.

what indicates the name of the quoted voice, as specified in an \addQuote command. main-music is used to indicate the length of music to be quoted; it usually contains spacers or multi-measure rests.

\raiseNote num (integer) music (music) ⇒ music

‘Raise’ the num-th note in each chord of music.

This function moves the affected notes up (usually by an octave) to be higher than the other notes of the chord. The position in a chord is counted upwards from the bottom.

The opposite function is \dropNote.

\reduceChords music (music) ⇒ music

Reduce chords contained in music to single notes.

This is intended mainly for reusing music in a RhythmicStaff context. It does not reduce simultaneous music.

\relative [pitch (pitch)] music (music) ⇒ music

Make music relative to pitch.

If pitch is omitted, the first note in music is given in absolute pitch.

\removeWithTag tags (symbol list or symbol) music (music) ⇒ music

Remove elements of music that are tagged with one of the tags in tags.

tags may be either a single symbol or a list of symbols.

\resetRelativeOctave pitch (pitch) ⇒ music

Set the octave inside a \relative section to pitch.

\responsum music (music) ⇒ music

Prepend character U+211F (RESPONSE) to the lyrics represented by music.

\retrograde music (music) ⇒ music

Return music in reverse order.

\revertTimeSignatureSettings time-signature (pair) ⇒ music

Revert timeSignatureSettings for time signatures equal to time-signature.

\rightHandFinger finger (index or markup) ⇒ post-event

Apply finger as a right-hand fingering indication.

\scaleDurations fraction (non-negative rational, fraction, or moment) music (music) ⇒ music

Multiply the duration of events in music by fraction.

\sectionLabel text (markup) ⇒ music

Mark the beginning of a named passage with text, e.g., “Coda”.

This is well suited for use at a section division created with \section, but it does not imply \section and may be used alone.

\segnoMark [num (non-negative, exact integer)] ⇒ music

Create a segno mark (or bar line).

num may be 1 for the first segno, 2 for the second, etc., or it may be \default to use the next number in sequence automatically.

If the segnoStyle context property is 'bar-line, a segno bar line is created instead of a segno mark.

\settingsFrom [ctx (symbol)] music (music) ⇒ any type

Translate layout instructions into a context modification.

This function takes the layout instruction events from music (i.e., \set, \unset, \override, \revert), optionally restricted to those applying to context type ctx, and returns a context modification duplicating their effect.

\shape offsets (list) item (key list or music) ⇒ music

Offset control points of item by offsets.

offsets is a list of number pairs (x . y) or a list of such lists. Each pair represents an offset to a control point. The ‘y’ value of each pair is scaled by staff space.

If item is a string, the result is \once\override for the specified grob type. If item is a music expression, the result is the same music expression with an appropriate tweak applied.

\shiftDurations dur (integer) dots (integer) arg (music) ⇒ music

Change duration of arg.

This function walks over all durations and dot counts in arg, adding dur to the durations and dots to the dot counts.

\single overrides (music) music (music) ⇒ music

Convert overrides to tweaks and apply them to music.

This does not convert \revert, \set or \unset.

\skip arg (duration-or-music) ⇒ music

Skip over arg, which may be music or a duration.

\slashedGrace music (music) ⇒ music

Create slashed graces from music.

This produces slashes through stems, but no slur.

\slurDashPattern dash-fraction (number) dash-period (number) ⇒ music

Set up a custom dash pattern style for slurs.

dash-fraction gives the size of one dash relative to dash-period; dash-period is the length of one dash plus one space. LilyPond adjusts dash-period to produce symmetrical output.

More complex patterns can be achieved by directly manipulating the Slur.dash-definition property.

\staffHighlight color (color) ⇒ music

Start a highlight with color color.

\storePredefinedDiagram fretboard-table (hash table) chord (music) tuning (pair) diagram-definition (string or pair) ⇒ void

Add a predefined fret diagram to fretboard-table.

It is defined by diagram-definition for the chord pitches chord and the string tuning tuning.

\stringTuning chord (music) ⇒ any type

Convert chord to a string tuning.

chord must be in absolute pitches and should have the highest string number (generally the lowest pitch) first.

\styledNoteHeads style (symbol) heads (symbol list or symbol) music (music) ⇒ music

Set heads in music to style.

\tabChordRepeats [event-types (list)] music (music) ⇒ music

Extend ‘q’ to also repeat string and fingering information.

This function walks through music putting the notes, fingerings and string numbers of the previous chord into repeat chords, as well as an optional list of event-types such as #'(articulation-event).

\tabChordRepetition ⇒ void

Include the string and fingering information in a chord repetition.

This function is deprecated; use \tabChordRepeats instead.

\tag tags (symbol list or symbol) music (music) ⇒ music

Tag music with tags.

This function adds the single symbol or symbol list tags to the tags property of music and returns the result.

\tagGroup tags (symbol list) ⇒ void

Define a tag group comprising the symbols in the symbol list tags.

Tag groups must not overlap.

\temporary music (music) ⇒ music

Make \override reversible with \revert.

This function makes any \override in music replace an existing grob property value only temporarily, restoring the old value when a corresponding \revert is executed. This is achieved by clearing the pop-first property normally set on \overrides.

An \override/\revert sequence created by using \temporary and \undo on the same music containing overrides will cancel out perfectly or cause a warning.

Non-property-related music is ignored, warnings are generated for any property-changing music that isn’t an \override.

\textEndMark text (markup) ⇒ music

Create a right-aligned text mark using text.

\textMark text (markup) ⇒ music

Create a (left-aligned) text mark using text.

\tieDashPattern dash-fraction (number) dash-period (number) ⇒ music

Set up a custom dash pattern style for ties.

dash-fraction gives the size of one dash relative to dash-period; dash-period is the length of one dash plus one space. LilyPond adjusts dash-period to produce symmetrical output.

More complex patterns can be achieved by directly manipulating the Tie.dash-definition property.

\time [beat-structure (number list)] fraction (fraction, as pair) ⇒ music

Set fraction as a time signature.

The optional number list beat-structure additionally sets a beat structure.

\times fraction (fraction, as pair) music (music) ⇒ music

Scale music in time by fraction.

\tocItem [label (symbol list or symbol)] text (markup) ⇒ music

Add text as an entry to the table of contents.

This uses the tocItemMarkup paper variable markup for formatting and assigns it to label if one is provided. If a hierarchy of labels is given, make the current item a child of the corresponding objects.

\transpose from (pitch) to (pitch) music (music) ⇒ music

Transpose music from pitch from to pitch to.

\transposedCueDuring what (string) dir (direction) pitch (pitch) main-music (music) ⇒ music

Create a transposed cue.

This function inserts notes from the part what into a CueVoice context called cue, using the transposition defined by pitch. This happens simultaneously with main-music, which is usually a rest. The argument dir determines whether the cue notes should be notated as a first or second voice.

\transposition pitch (pitch) ⇒ music

Set instrument transposition to pitch.

\tuplet ratio (fraction, as pair) [tuplet-span (duration)] music (music) ⇒ music

Scale the given music to tuplets.

ratio is a fraction that specifies how many notes are played in place of the nominal value: it will be 3/2 for triplets, namely three notes being played in place of two.

If the optional duration tuplet-span is specified, it is used instead of tupletSpannerDuration for grouping the tuplets. For example,

\tuplet 3/2 4 { c8 c c c c c }

results in two groups of three tuplets, each group lasting for a quarter note.

\tupletSpan [tuplet-span (duration)] ⇒ music

Set tupletSpannerDuration to the duration tuplet-span.

This context property is the length into which \tuplet without an explicit tuplet span argument of its own will group its tuplets. To revert to the default of not subdividing the contents of a \tuplet command without an explicit tuplet span argument, use

\tupletSpan \default
\tweak prop (key list or symbol) value (any type) music (music) ⇒ music

Add a tweak to music.

Layout objects created by music get their property prop set to value. If prop has the form Grob.property, like with

\tweak Accidental.color #red cis'

an indirectly created grob (Accidental is caused by NoteHead) can be tweaked; otherwise only directly created grobs are affected.

prop can contain additional elements in which case a nested property (inside of an alist) is tweaked.

If music is an event-chord, every contained rhythmic-event is tweaked instead.

\undo music (music) ⇒ music

Convert \override and \set in music to \revert and \unset, respectively.

Any reverts and unsets already in music cause a warning. Non-property-related music is ignored.

\unfolded music (music) ⇒ music

Mask music until the innermost enclosing repeat is unfolded.

\unfoldRepeats [types (symbol list or symbol)] music (music) ⇒ music

Unfold \repeat.

This forces \repeat volta, \repeat tremolo or \repeat percent commands in music to be interpreted as \repeat unfold, if specified in the optional symbol-list types. The default for types is an empty list, which forces any of those commands in music to be interpreted as \repeat unfold. Possible entries are volta, tremolo or percent. Multiple entries are possible.

\versus music (music) ⇒ music

Prepend character U+2123 (VERSICLE) to the lyrics represented by music.

\voices ids (list of indices or symbols) music (music) ⇒ music

Specify voice order in simultaneous music.

This takes the key list ids of numbers (indicating the use of ‘\voiceOne’…) or symbols (indicating voice names, typically converted from strings by argument list processing) and assign the following \\-separated music in music to contexts according to that list. Named rather than numbered contexts can be used for continuing one voice (for the sake of spanners and lyrics), usually requiring a \voiceOne-style override at the beginning of the passage and a \oneVoice override at its end.

The default

<< … \\ … \\ … >>

construct would correspond to

\voices 1,2,3 << … \\ … \\ … >>
\void arg (any type) ⇒ void

Accept a Scheme argument arg and return a void expression.

Use this if you want to have a Scheme expression evaluated because of its side effects but its return value being ignored.

\volta volta-numbers (number list) music (music) ⇒ music

Mark music as being limited to the volte given in volta-numbers.

This gets used when the innermost enclosing repeat is unfolded. Volta number begins at 1 and increases by 1 with each repetition.

\vshape offsets (list) item (key list or music) ⇒ music

Like \shape, but additionally show control points for ease of tweaking.

\withMusicProperty sym (symbol) val (any type) music (music) ⇒ music

Set music property sym to val in music.

\withRelativeDir file-name (string) ⇒ any type

Prepend directory of current input file to string file-name.

Use this for markup commands that include files, and where such files should be found relative to the input file. Example:

\markup { \image #X #3 \withRelativeDir "test.png" }
\xNote note (music) ⇒ music

Print note with a cross-shaped note head.

\= id (index or symbol) event (post-event) ⇒ post-event

Assign an ID to a spanner or an item.

This sets the spanner-id or id property of event to the given id, which is a non-negative integer or a symbol.

For spanners this can be used to tell LilyPond how to connect overlapping or parallel slurs or phrasing slurs within a single Voice context.

\fixed c' { c\=1( d\=2( e\=1) f\=2) }

[image of music]

For itmes this can be used, for example, to tell LilyPond how to connect a FingerGlideSpanner with non-matching fingers.

\fixed c' { c\glide \= #'foo -1 d\= #'foo -2 }

[image of music]


A.18 コンテキストを変更する識別子

\layout\with ブロック内でコンテキストを変更するのに使用できるコマンドの一覧です。

システムの制約により、以下の一覧は英語での提供となります。

\EnableGregorianDivisiones

Configure division commands such as \section to create Divisio grobs rather than BarLine grobs. This does not affect measure bar lines or the properties of the grobs themselves.

  • Sets translator property caesuraTypeTransform to caesura-to-divisio.
  • Sets translator property doubleRepeatBarType to '().
  • Sets translator property endRepeatBarType to '().
  • Sets translator property fineBarType to "".
  • Sets translator property sectionBarType to "".
  • Sets translator property startRepeatBarType to '().
  • Sets translator property underlyingRepeatBarType to "".
  • Sets translator property doubleRepeatSegnoBarType to "S-||".
  • Sets translator property endRepeatSegnoBarType to "S-||".
  • Sets translator property fineSegnoBarType to "S-||".
  • Sets translator property fineStartRepeatSegnoBarType to "S-||".
  • Sets translator property segnoBarType to "S-||".
  • Sets translator property startRepeatSegnoBarType to "S-||".
\RemoveAllEmptyStaves

Remove staves which are considered to be empty according to the list of interfaces set by keepAliveInterfaces, including those in the first system.

\RemoveEmptyStaves

Remove staves which are considered to be empty according to the list of interfaces set by keepAliveInterfaces.


A.19 定義された型述語

システムの制約により、以下の一覧は英語での提供となります。

Predicates return #t (true) if their argument is of the named type and #f (false) if it isn’t.


R5RS primary predicates

Primary predicates can be applied to any expression. They can be used on their own as predicates for LilyPond functions. The predicates here are part of the Scheme standard R5RS.

Type predicateDescription
boolean?boolean
char?character
complex?complex number
eof-object?end-of-file object
input-port?input port
integer?integer
list?list (use cheap-list? for faster processing)
null?null
number?number
output-port?output port
pair?pair
port?port
procedure?procedure
rational?rational number
real?real number
string?string
symbol?symbol
vector?vector

R5RS secondary predicates

Secondary predicates are only applicable to specific expressions (for example, to numbers). They will throw a type error when applied to expressions they are not intended for. The predicates here are part of the Scheme standard R5RS.

Type predicateDescription
char-alphabetic?alphabetic character
char-lower-case?lower-case character
char-numeric?numeric character
char-upper-case?upper-case character
char-whitespace?whitespace character
even?even number
exact?exact number
inexact?inexact number
negative?negative number
odd?odd number
positive?positive number
zero?zero

Guile predicates

These predicates are defined by Guile but are not part of a Scheme standard.

Type predicateDescription
hash-table?hash table

LilyPond scheme predicates

These predicates are only available within LilyPond and defined in Scheme.

Type predicateDescription
alist?association list (list of pairs)
boolean-or-symbol?boolean or symbol
cheap-list?list (use this instead of list? for faster processing)
color?color
exact-rational?an exact rational number
fraction?fraction, as pair
grob-list?list of grobs
index?non-negative, exact integer
index-or-markup?index or markup
key?index or symbol
key-list?list of indices or symbols
key-list-or-music?key list or music
key-list-or-symbol?key list or symbol
ly:skyline-pair?pair of skylines
markup?markup
markup-command-list?markup command list
markup-list?markup list
moment-pair?pair of moment objects
musical-length?non-negative exact rational, fraction (as pair), moment, or +inf.0
musical-length-as-moment?non-negative moment with no grace part
musical-length-as-number?non-negative exact rational or +inf.0
non-negative-number?non-negative number
number-list?number list
number-or-grob?number or grob
number-or-pair?number or pair
number-or-string?number or string
number-pair?pair of numbers
number-pair-list?list of number pairs
positive-fraction?positive, finite fraction, as pair
positive-musical-length?positive exact rational, fraction (as pair), moment, or +inf.0
positive-musical-length-as-moment?positive moment with no grace part
positive-musical-length-as-number?positive exact rational or +inf.0
positive-number?positive number
rational-or-procedure?an exact rational or procedure
rhythmic-location?rhythmic location
scale?non-negative rational, fraction, or moment
scheme?any type
string-or-music?string or music
string-or-pair?string or pair
string-or-symbol?string or symbol
symbol-key-alist?alist, with symbols as keys
symbol-list?symbol list
symbol-list-or-music?symbol list or music
symbol-list-or-symbol?symbol list or symbol
void?void

LilyPond exported predicates

These predicates are only available within LilyPond and usually defined in C++.

Type predicateDescription
ly:book?book
ly:context?context
ly:context-def?context definition
ly:context-mod?context modification
ly:dimension?dimension, in staff space
ly:dir?direction
ly:dispatcher?dispatcher
ly:duration?duration
ly:event?post-event
ly:font-metric?font metric
ly:grob?graphical (layout) object
ly:grob-array?array of grobs
ly:grob-properties?grob properties
ly:input-location?input location
ly:item?item
ly:iterator?iterator
ly:lily-lexer?lily-lexer
ly:lily-parser?lily-parser
ly:listener?listener
ly:moment?moment
ly:music?music
ly:music-function?music function
ly:music-list?list of music objects
ly:music-output?music output
ly:note-scale?note scale
ly:otf-font?OpenType font
ly:output-def?output definition
ly:page-marker?page marker
ly:pango-font?Pango font
ly:paper-book?paper book
ly:paper-system?paper-system Prob
ly:pitch?pitch
ly:prob?property object
ly:score?score
ly:skyline?skyline
ly:source-file?source file
ly:spanner?spanner
ly:spring?spring
ly:stencil?stencil
ly:stream-event?stream event
ly:transform?coordinate transform
ly:translator?translator
ly:translator-group?translator group
ly:unpure-pure-container?unpure/pure container

Appendix B カンニング ペーパー

構文説明
1 2 8 16演奏時間

[image of music]

c4. c4..増音の付点

[image of music]

c d e f g a b 音階

[image of music]

fis bes変音

[image of music]

\clef treble \clef bass 音部記号

[image of music]

\time 3/4 \time 4/4 拍子記号

[image of music]

r4 r8休符

[image of music]

d ~ dタイ

[image of music]

\key es \major 調号

[image of music]

note'1 オクターブ上げる

[image of music]

note,1 オクターブ下げる

[image of music]

c( d e)スラー

[image of music]

c\( c( d) e\)プレージング スラー

[image of music]

a8[ b]連桁

[image of music]

<< \new Staff … >>複数の譜

[image of music]

c-> c-.アーティキュレーション

[image of music]

c2\mf c\sfz強弱記号

[image of music]

a\< a a\!クレッシェンド

[image of music]

a\> a a\!デクレッシェンド

[image of music]

< >和音

[image of music]

\partial 8上拍

[image of music]

\tuplet 3/2 {f g a}3 連符

[image of music]

\grace装飾小音符

[image of music]

\lyricmode { twinkle }歌詞を入力するtwinkle
\new Lyrics歌詞を譜刻する

[image of music]

twin -- kle歌詞のハイフン

[image of music]

\chordmode { c:dim f:maj7 }コード

[image of music]

\new ChordNamesコード ネームを譜刻する

[image of music]

<<{e f} \\ {c d}>>多声

[image of music]

s4 s8 s16空白休符

Appendix C GNU Free Documentation License

Version 1.3, 3 November 2008
Copyright © 2000, 2001, 2002, 2007, 2008 Free Software Foundation, Inc.
https://fsf.org/

Everyone is permitted to copy and distribute verbatim copies
of this license document, but changing it is not allowed.
  1. PREAMBLE

    The purpose of this License is to make a manual, textbook, or other functional and useful document free in the sense of freedom: to assure everyone the effective freedom to copy and redistribute it, with or without modifying it, either commercially or noncommercially. Secondarily, this License preserves for the author and publisher a way to get credit for their work, while not being considered responsible for modifications made by others.

    This License is a kind of “copyleft”, which means that derivative works of the document must themselves be free in the same sense. It complements the GNU General Public License, which is a copyleft license designed for free software.

    We have designed this License in order to use it for manuals for free software, because free software needs free documentation: a free program should come with manuals providing the same freedoms that the software does. But this License is not limited to software manuals; it can be used for any textual work, regardless of subject matter or whether it is published as a printed book. We recommend this License principally for works whose purpose is instruction or reference.

  2. APPLICABILITY AND DEFINITIONS

    This License applies to any manual or other work, in any medium, that contains a notice placed by the copyright holder saying it can be distributed under the terms of this License. Such a notice grants a world-wide, royalty-free license, unlimited in duration, to use that work under the conditions stated herein. The “Document”, below, refers to any such manual or work. Any member of the public is a licensee, and is addressed as “you”. You accept the license if you copy, modify or distribute the work in a way requiring permission under copyright law.

    A “Modified Version” of the Document means any work containing the Document or a portion of it, either copied verbatim, or with modifications and/or translated into another language.

    A “Secondary Section” is a named appendix or a front-matter section of the Document that deals exclusively with the relationship of the publishers or authors of the Document to the Document’s overall subject (or to related matters) and contains nothing that could fall directly within that overall subject. (Thus, if the Document is in part a textbook of mathematics, a Secondary Section may not explain any mathematics.) The relationship could be a matter of historical connection with the subject or with related matters, or of legal, commercial, philosophical, ethical or political position regarding them.

    The “Invariant Sections” are certain Secondary Sections whose titles are designated, as being those of Invariant Sections, in the notice that says that the Document is released under this License. If a section does not fit the above definition of Secondary then it is not allowed to be designated as Invariant. The Document may contain zero Invariant Sections. If the Document does not identify any Invariant Sections then there are none.

    The “Cover Texts” are certain short passages of text that are listed, as Front-Cover Texts or Back-Cover Texts, in the notice that says that the Document is released under this License. A Front-Cover Text may be at most 5 words, and a Back-Cover Text may be at most 25 words.

    A “Transparent” copy of the Document means a machine-readable copy, represented in a format whose specification is available to the general public, that is suitable for revising the document straightforwardly with generic text editors or (for images composed of pixels) generic paint programs or (for drawings) some widely available drawing editor, and that is suitable for input to text formatters or for automatic translation to a variety of formats suitable for input to text formatters. A copy made in an otherwise Transparent file format whose markup, or absence of markup, has been arranged to thwart or discourage subsequent modification by readers is not Transparent. An image format is not Transparent if used for any substantial amount of text. A copy that is not “Transparent” is called “Opaque”.

    Examples of suitable formats for Transparent copies include plain ASCII without markup, Texinfo input format, LaTeX input format, SGML or XML using a publicly available DTD, and standard-conforming simple HTML, PostScript or PDF designed for human modification. Examples of transparent image formats include PNG, XCF and JPG. Opaque formats include proprietary formats that can be read and edited only by proprietary word processors, SGML or XML for which the DTD and/or processing tools are not generally available, and the machine-generated HTML, PostScript or PDF produced by some word processors for output purposes only.

    The “Title Page” means, for a printed book, the title page itself, plus such following pages as are needed to hold, legibly, the material this License requires to appear in the title page. For works in formats which do not have any title page as such, “Title Page” means the text near the most prominent appearance of the work’s title, preceding the beginning of the body of the text.

    The “publisher” means any person or entity that distributes copies of the Document to the public.

    A section “Entitled XYZ” means a named subunit of the Document whose title either is precisely XYZ or contains XYZ in parentheses following text that translates XYZ in another language. (Here XYZ stands for a specific section name mentioned below, such as “Acknowledgements”, “Dedications”, “Endorsements”, or “History”.) To “Preserve the Title” of such a section when you modify the Document means that it remains a section “Entitled XYZ” according to this definition.

    The Document may include Warranty Disclaimers next to the notice which states that this License applies to the Document. These Warranty Disclaimers are considered to be included by reference in this License, but only as regards disclaiming warranties: any other implication that these Warranty Disclaimers may have is void and has no effect on the meaning of this License.

  3. VERBATIM COPYING

    You may copy and distribute the Document in any medium, either commercially or noncommercially, provided that this License, the copyright notices, and the license notice saying this License applies to the Document are reproduced in all copies, and that you add no other conditions whatsoever to those of this License. You may not use technical measures to obstruct or control the reading or further copying of the copies you make or distribute. However, you may accept compensation in exchange for copies. If you distribute a large enough number of copies you must also follow the conditions in section 3.

    You may also lend copies, under the same conditions stated above, and you may publicly display copies.

  4. COPYING IN QUANTITY

    If you publish printed copies (or copies in media that commonly have printed covers) of the Document, numbering more than 100, and the Document’s license notice requires Cover Texts, you must enclose the copies in covers that carry, clearly and legibly, all these Cover Texts: Front-Cover Texts on the front cover, and Back-Cover Texts on the back cover. Both covers must also clearly and legibly identify you as the publisher of these copies. The front cover must present the full title with all words of the title equally prominent and visible. You may add other material on the covers in addition. Copying with changes limited to the covers, as long as they preserve the title of the Document and satisfy these conditions, can be treated as verbatim copying in other respects.

    If the required texts for either cover are too voluminous to fit legibly, you should put the first ones listed (as many as fit reasonably) on the actual cover, and continue the rest onto adjacent pages.

    If you publish or distribute Opaque copies of the Document numbering more than 100, you must either include a machine-readable Transparent copy along with each Opaque copy, or state in or with each Opaque copy a computer-network location from which the general network-using public has access to download using public-standard network protocols a complete Transparent copy of the Document, free of added material. If you use the latter option, you must take reasonably prudent steps, when you begin distribution of Opaque copies in quantity, to ensure that this Transparent copy will remain thus accessible at the stated location until at least one year after the last time you distribute an Opaque copy (directly or through your agents or retailers) of that edition to the public.

    It is requested, but not required, that you contact the authors of the Document well before redistributing any large number of copies, to give them a chance to provide you with an updated version of the Document.

  5. MODIFICATIONS

    You may copy and distribute a Modified Version of the Document under the conditions of sections 2 and 3 above, provided that you release the Modified Version under precisely this License, with the Modified Version filling the role of the Document, thus licensing distribution and modification of the Modified Version to whoever possesses a copy of it. In addition, you must do these things in the Modified Version:

    1. Use in the Title Page (and on the covers, if any) a title distinct from that of the Document, and from those of previous versions (which should, if there were any, be listed in the History section of the Document). You may use the same title as a previous version if the original publisher of that version gives permission.
    2. List on the Title Page, as authors, one or more persons or entities responsible for authorship of the modifications in the Modified Version, together with at least five of the principal authors of the Document (all of its principal authors, if it has fewer than five), unless they release you from this requirement.
    3. State on the Title page the name of the publisher of the Modified Version, as the publisher.
    4. Preserve all the copyright notices of the Document.
    5. Add an appropriate copyright notice for your modifications adjacent to the other copyright notices.
    6. Include, immediately after the copyright notices, a license notice giving the public permission to use the Modified Version under the terms of this License, in the form shown in the Addendum below.
    7. Preserve in that license notice the full lists of Invariant Sections and required Cover Texts given in the Document’s license notice.
    8. Include an unaltered copy of this License.
    9. Preserve the section Entitled “History”, Preserve its Title, and add to it an item stating at least the title, year, new authors, and publisher of the Modified Version as given on the Title Page. If there is no section Entitled “History” in the Document, create one stating the title, year, authors, and publisher of the Document as given on its Title Page, then add an item describing the Modified Version as stated in the previous sentence.
    10. Preserve the network location, if any, given in the Document for public access to a Transparent copy of the Document, and likewise the network locations given in the Document for previous versions it was based on. These may be placed in the “History” section. You may omit a network location for a work that was published at least four years before the Document itself, or if the original publisher of the version it refers to gives permission.
    11. For any section Entitled “Acknowledgements” or “Dedications”, Preserve the Title of the section, and preserve in the section all the substance and tone of each of the contributor acknowledgements and/or dedications given therein.
    12. Preserve all the Invariant Sections of the Document, unaltered in their text and in their titles. Section numbers or the equivalent are not considered part of the section titles.
    13. Delete any section Entitled “Endorsements”. Such a section may not be included in the Modified Version.
    14. Do not retitle any existing section to be Entitled “Endorsements” or to conflict in title with any Invariant Section.
    15. Preserve any Warranty Disclaimers.

    If the Modified Version includes new front-matter sections or appendices that qualify as Secondary Sections and contain no material copied from the Document, you may at your option designate some or all of these sections as invariant. To do this, add their titles to the list of Invariant Sections in the Modified Version’s license notice. These titles must be distinct from any other section titles.

    You may add a section Entitled “Endorsements”, provided it contains nothing but endorsements of your Modified Version by various parties—for example, statements of peer review or that the text has been approved by an organization as the authoritative definition of a standard.

    You may add a passage of up to five words as a Front-Cover Text, and a passage of up to 25 words as a Back-Cover Text, to the end of the list of Cover Texts in the Modified Version. Only one passage of Front-Cover Text and one of Back-Cover Text may be added by (or through arrangements made by) any one entity. If the Document already includes a cover text for the same cover, previously added by you or by arrangement made by the same entity you are acting on behalf of, you may not add another; but you may replace the old one, on explicit permission from the previous publisher that added the old one.

    The author(s) and publisher(s) of the Document do not by this License give permission to use their names for publicity for or to assert or imply endorsement of any Modified Version.

  6. COMBINING DOCUMENTS

    You may combine the Document with other documents released under this License, under the terms defined in section 4 above for modified versions, provided that you include in the combination all of the Invariant Sections of all of the original documents, unmodified, and list them all as Invariant Sections of your combined work in its license notice, and that you preserve all their Warranty Disclaimers.

    The combined work need only contain one copy of this License, and multiple identical Invariant Sections may be replaced with a single copy. If there are multiple Invariant Sections with the same name but different contents, make the title of each such section unique by adding at the end of it, in parentheses, the name of the original author or publisher of that section if known, or else a unique number. Make the same adjustment to the section titles in the list of Invariant Sections in the license notice of the combined work.

    In the combination, you must combine any sections Entitled “History” in the various original documents, forming one section Entitled “History”; likewise combine any sections Entitled “Acknowledgements”, and any sections Entitled “Dedications”. You must delete all sections Entitled “Endorsements.”

  7. COLLECTIONS OF DOCUMENTS

    You may make a collection consisting of the Document and other documents released under this License, and replace the individual copies of this License in the various documents with a single copy that is included in the collection, provided that you follow the rules of this License for verbatim copying of each of the documents in all other respects.

    You may extract a single document from such a collection, and distribute it individually under this License, provided you insert a copy of this License into the extracted document, and follow this License in all other respects regarding verbatim copying of that document.

  8. AGGREGATION WITH INDEPENDENT WORKS

    A compilation of the Document or its derivatives with other separate and independent documents or works, in or on a volume of a storage or distribution medium, is called an “aggregate” if the copyright resulting from the compilation is not used to limit the legal rights of the compilation’s users beyond what the individual works permit. When the Document is included in an aggregate, this License does not apply to the other works in the aggregate which are not themselves derivative works of the Document.

    If the Cover Text requirement of section 3 is applicable to these copies of the Document, then if the Document is less than one half of the entire aggregate, the Document’s Cover Texts may be placed on covers that bracket the Document within the aggregate, or the electronic equivalent of covers if the Document is in electronic form. Otherwise they must appear on printed covers that bracket the whole aggregate.

  9. TRANSLATION

    Translation is considered a kind of modification, so you may distribute translations of the Document under the terms of section 4. Replacing Invariant Sections with translations requires special permission from their copyright holders, but you may include translations of some or all Invariant Sections in addition to the original versions of these Invariant Sections. You may include a translation of this License, and all the license notices in the Document, and any Warranty Disclaimers, provided that you also include the original English version of this License and the original versions of those notices and disclaimers. In case of a disagreement between the translation and the original version of this License or a notice or disclaimer, the original version will prevail.

    If a section in the Document is Entitled “Acknowledgements”, “Dedications”, or “History”, the requirement (section 4) to Preserve its Title (section 1) will typically require changing the actual title.

  10. TERMINATION

    You may not copy, modify, sublicense, or distribute the Document except as expressly provided under this License. Any attempt otherwise to copy, modify, sublicense, or distribute it is void, and will automatically terminate your rights under this License.

    However, if you cease all violation of this License, then your license from a particular copyright holder is reinstated (a) provisionally, unless and until the copyright holder explicitly and finally terminates your license, and (b) permanently, if the copyright holder fails to notify you of the violation by some reasonable means prior to 60 days after the cessation.

    Moreover, your license from a particular copyright holder is reinstated permanently if the copyright holder notifies you of the violation by some reasonable means, this is the first time you have received notice of violation of this License (for any work) from that copyright holder, and you cure the violation prior to 30 days after your receipt of the notice.

    Termination of your rights under this section does not terminate the licenses of parties who have received copies or rights from you under this License. If your rights have been terminated and not permanently reinstated, receipt of a copy of some or all of the same material does not give you any rights to use it.

  11. FUTURE REVISIONS OF THIS LICENSE

    The Free Software Foundation may publish new, revised versions of the GNU Free Documentation License from time to time. Such new versions will be similar in spirit to the present version, but may differ in detail to address new problems or concerns. See https://www.gnu.org/licenses/.

    Each version of the License is given a distinguishing version number. If the Document specifies that a particular numbered version of this License “or any later version” applies to it, you have the option of following the terms and conditions either of that specified version or of any later version that has been published (not as a draft) by the Free Software Foundation. If the Document does not specify a version number of this License, you may choose any version ever published (not as a draft) by the Free Software Foundation. If the Document specifies that a proxy can decide which future versions of this License can be used, that proxy’s public statement of acceptance of a version permanently authorizes you to choose that version for the Document.

  12. RELICENSING

    “Massive Multiauthor Collaboration Site” (or “MMC Site”) means any World Wide Web server that publishes copyrightable works and also provides prominent facilities for anybody to edit those works. A public wiki that anybody can edit is an example of such a server. A “Massive Multiauthor Collaboration” (or “MMC”) contained in the site means any set of copyrightable works thus published on the MMC site.

    “CC-BY-SA” means the Creative Commons Attribution-Share Alike 3.0 license published by Creative Commons Corporation, a not-for-profit corporation with a principal place of business in San Francisco, California, as well as future copyleft versions of that license published by that same organization.

    “Incorporate” means to publish or republish a Document, in whole or in part, as part of another Document.

    An MMC is “eligible for relicensing” if it is licensed under this License, and if all works that were first published under this License somewhere other than this MMC, and subsequently incorporated in whole or in part into the MMC, (1) had no cover texts or invariant sections, and (2) were thus incorporated prior to November 1, 2008.

    The operator of an MMC Site may republish an MMC contained in the site under CC-BY-SA on the same site at any time before August 1, 2009, provided the MMC is eligible for relicensing.

ADDENDUM: How to use this License for your documents

To use this License in a document you have written, include a copy of the License in the document and put the following copyright and license notices just after the title page:

  Copyright (C)  year  your name.
  Permission is granted to copy, distribute and/or modify this document
  under the terms of the GNU Free Documentation License, Version 1.3
  or any later version published by the Free Software Foundation;
  with no Invariant Sections, no Front-Cover Texts, and no Back-Cover
  Texts.  A copy of the license is included in the section entitled ``GNU
  Free Documentation License''.

If you have Invariant Sections, Front-Cover Texts and Back-Cover Texts, replace the “with…Texts.” line with this:

    with the Invariant Sections being list their titles, with
    the Front-Cover Texts being list, and with the Back-Cover Texts
    being list.

If you have Invariant Sections without Cover Texts, or some other combination of the three, merge those two alternatives to suit the situation.

If your document contains nontrivial examples of program code, we recommend releasing these examples in parallel under your choice of free software license, such as the GNU General Public License, to permit their use in free software.


Appendix D LilyPond コマンド インデックス

このインデックスは、すべての LilyPond コマンドとキーワードをリストアップしていて、それらの使い方について説明しているマニュアルのセクションへのリンクがあります。各リンクは 2 つのパートに分かれています。最初のパートは、マニュアルの中でコマンドあるいはキーワードが出現する場所へのリンクです。2 番目のパートは、マニュアルの中でコマンドあるいはキーワードが出現するセクションの先頭へのリンクです。

Jump to:   !   "   %   '   (   )   ,   -   .   /   :   <   =   >   ?   [   ]   ^   _   |   ~  
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Index Entry  Section

!
! 臨時記号
\! 強弱記号

"
"|" 小節と小節番号のチェック

%
% 3.1.1 スコアの構造
% 3.1.5 ファイル構造
%{ … %} 3.1.1 スコアの構造
%{ … %} 3.1.5 ファイル構造

'
' 絶対オクターブ入力

(
( スラー
\( フレージング スラー

)
) スラー
\) フレージング スラー

,
, 絶対オクターブ入力

-
- アーティキュレーションと装飾
-! A.14 アーティキュレーションの一覧
-+ フェルマータ スクリプト
-- A.14 アーティキュレーションの一覧
-. A.14 アーティキュレーションの一覧
-> A.14 アーティキュレーションの一覧
-^ A.14 アーティキュレーションの一覧
-_ A.14 アーティキュレーションの一覧

.
. 演奏時間

/
/ 和音の拡張と変形
/+ 和音の拡張と変形

:
: トレモロの繰り返し

<
<...> 和音の音符
<> 和音の音符
<> 譜を手動で変更する
< 和音の音符
\< 強弱記号

=
\= スラー
\= A.17 音楽関数の一覧
= オクターブ チェック

>
> 和音の音符
\> 強弱記号

?
? 臨時記号

[
[ 手動連桁
\[ リガトゥーラ

]
] 手動連桁
\] リガトゥーラ

^
^ 和音の拡張と変形

_
_ 複数の歌詞音節を 1 つの音符に割り当てる

|
| 小節と小節番号のチェック
| 小節と小節番号のチェック

~
~ タイ

A
\abs-fontsize フォントとフォント サイズを選択する
\abs-fontsize A.11.1 Font markup
\abs-hspace A.11.2 Markup for text alignment
\abs-vspace A.11.2 Markup for text alignment
\absolute A.17 音楽関数の一覧
\accent アーティキュレーションと装飾
\accent A.14 アーティキュレーションの一覧
\accentus グレゴリオ聖歌のアーティキュレーション
\accentus 繰り返し記号のスクリプト
\accepts 5.1.6 新しいコンテキストを定義する
\accepts 5.1.6 新しいコンテキストを定義する
\accepts 5.1.7 コンテキストの配置順序
\acciaccatura 装飾小音符
\acciaccatura A.17 音楽関数の一覧
\accidental A.11.4 Markup for music and musical symbols
\accidentalStyle 自動臨時記号
\accidentalStyle A.17 音楽関数の一覧
AccidentalSuggestion アーティキュレーションと装飾
add-grace-property 装飾小音符
\addChordShape あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
\addChordShape A.17 音楽関数の一覧
\addInstrumentDefinition A.17 音楽関数の一覧
additionalPitchPrefix コード ネームをカスタマイズする
\addlyrics 歌詞を旋律に揃える
\addlyrics 歌詞音節の自動演奏時間
\addlyrics 歌詞音節の自動演奏時間
\addQuote 他のボイスを引用する
\addQuote A.17 音楽関数の一覧
\aeolian 調号
\after A.17 音楽関数の一覧
\afterGrace 装飾小音符
\afterGrace A.17 音楽関数の一覧
afterGraceFraction parser variable (パーサ変数)
\aikenHeads シェイプ ノートの符頭
\aikenHeadsMinor シェイプ ノートの符頭
\aikenThinHeads シェイプ ノートの符頭
\aikenThinHeadsMinor シェイプ ノートの符頭
\alias 5.1.6 新しいコンテキストを定義する
\align-on-other A.11.2 Markup for text alignment
alignAboveContext オッシア譜
alignAboveContext 5.1.7 コンテキストの配置順序
alignBelowContext オッシア譜
alignBelowContext 歌詞と繰り返し
alignBelowContext 5.1.7 コンテキストの配置順序
\allowPageTurn 最適ページめくり
\allowPageTurn A.17 音楽関数の一覧
\allowVoltaHook A.17 音楽関数の一覧
\alterBroken \alterBroken を使用する
\alterBroken A.17 音楽関数の一覧
\alternative 1.4.1 長い繰り返し
\ambitusAfter A.17 音楽関数の一覧
AmbitusLine 音域
annotate-spacing 4.6.1 スペースを表示する
\appendToTag タグを使用する
\appendToTag A.17 音楽関数の一覧
\applyContext 5.1.2 コンテキストを作成して参照する
\applyContext A.17 音楽関数の一覧
\applyMusic A.17 音楽関数の一覧
\applyOutput A.17 音楽関数の一覧
\applySwing スウィング スクリプト
\applySwingWithOffset スウィング スクリプト
\appoggiatura 装飾小音符
\appoggiatura A.17 音楽関数の一覧
\arabicStringNumbers 弦番号の指示
\arpeggio アルペジオ
\arpeggioArrowDown アルペジオ
\arpeggioArrowUp アルペジオ
\arpeggioBracket アルペジオ
\arpeggioNormal アルペジオ
\arpeggioParenthesis アルペジオ
\arpeggioParenthesisDashed アルペジオ
\arrow-head マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\arrow-head A.11.3 Graphical markup
\articulate 奏法スクリプト
articulation-event 他のボイスを引用する
\ascendens グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\ascendens グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\assertBeamQuant A.17 音楽関数の一覧
\assertBeamSlope A.17 音楽関数の一覧
associatedVoice 歌詞を旋律に揃える
associatedVoice 歌詞音節の自動演奏時間
associatedVoice リズムが異なる歌詞の節
\auctum グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\auctum グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
aug 一般的な和音
\augmentum グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\augmentum A.17 音楽関数の一覧
auto-first-page-number ページ番号のための \paper 変数
\auto-footnote A.11.8 Other markup commands
autoBeaming 自動連桁の振る舞いを設定する
autoBeaming 出力定義 - コンテキストの青写真
\autoBeamOff 自動連桁
\autoBeamOff 譜変更線
\autoBeamOn 自動連桁
\autoBreaksOff 4.3.1 改行
\autoBreaksOn 4.3.1 改行
\autoChange 譜を自動で変更する
\autoChange A.17 音楽関数の一覧
\autoLineBreaksOff 4.3.1 改行
\autoLineBreaksOn 4.3.1 改行
automaticBars 特別な考慮を必要とするもの
\autoPageBreaksOff 手動改ページ
\autoPageBreaksOn 手動改ページ

B
\backslashed-digit A.11.8 Other markup commands
\balloonGrobText バルーン ヘルプ
\balloonGrobText A.17 音楽関数の一覧
\balloonLengthOff バルーン ヘルプ
\balloonLengthOn バルーン ヘルプ
\balloonText バルーン ヘルプ
\balloonText A.17 音楽関数の一覧
Balloon_engraver バルーン ヘルプ
banjo-c-tuning バンジョーのタブ譜
banjo-modal-tuning バンジョーのタブ譜
banjo-open-d-tuning バンジョーのタブ譜
banjo-open-dm-tuning バンジョーのタブ譜
\bar 小節線
\bar 小節線
\bar A.17 音楽関数の一覧
\bar-line A.11.4 Markup for music and musical symbols
barCheckSynchronize 小節と小節番号のチェック
BarNumber 小節番号
\barNumberCheck 小節と小節番号のチェック
\barNumberCheck A.17 音楽関数の一覧
barNumberVisibility 小節番号
bartype 小節線
base-shortest-duration 4.5.1 水平方向のスペースの概要
baseMoment 自動連桁の振る舞いを設定する
baseMoment 自動連桁の振る舞いを設定する
\bassFigureExtendersOff 通奏低音を入力する
\bassFigureExtendersOn 通奏低音を入力する
\bassFigureStaffAlignmentDown 通奏低音を表示する
\bassFigureStaffAlignmentNeutral 通奏低音を表示する
\bassFigureStaffAlignmentUp 通奏低音を表示する
\beam A.11.3 Graphical markup
\beamExceptions 自動連桁の振る舞いを設定する
\beamExceptions A.17 音楽関数の一覧
beatStructure 自動連桁の振る舞いを設定する
beatStructure 自動連桁の振る舞いを設定する
\bendAfter Fall と Doit
\bendAfter A.17 音楽関数の一覧
\bendHold A.17 音楽関数の一覧
\bendStartLevel A.17 音楽関数の一覧
binding-offset 両面モードのための \paper 変数
\blackTriangleMarkup コード ネームをカスタマイズする
blank-after-score-page-penalty 改ページのための \paper 変数
blank-last-page-penalty 改ページのための \paper 変数
blank-page-penalty 改ページのための \paper 変数
\bold フォントとフォント サイズを選択する
\bold A.11.1 Font markup
\book 3.1.2 ブックの中にある複数のスコア
\book 3.1.2 ブックの中にある複数のスコア
\book 3.1.5 ファイル構造
\bookOutputName 3.1.4 出力ファイル名
\bookOutputName A.17 音楽関数の一覧
\bookOutputSuffix 3.1.4 出力ファイル名
\bookOutputSuffix A.17 音楽関数の一覧
\bookpart 3.1.2 ブックの中にある複数のスコア
\bookpart 3.1.5 ファイル構造
\bookpart 手動改ページ
bookTitleMarkup タイトルのカスタム レイアウト
bottom-margin 4.1.3 固定された垂直方向の \paper スペース変数
\box マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\box A.11.1 Font markup
\bracket 新たな強弱記号
\bracket A.11.3 Graphical markup
bracket ピアノ ペダル
\bracket マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\break 4.3.1 改行
break-align-symbols break-alignable-interface を使用する
break-visibility break-visibility を用いる
breakable 自動連桁
breakbefore ブック パートとスコアのタイトルのデフォルト レイアウト
\breathe ブレス記号
\breathe A.17 音楽関数の一覧
BreathingSign ブレス記号
\breve 演奏時間
\breve 休符

C
\cadenzaOff 無韻律の音楽
\cadenzaOn 無韻律の音楽
\caesura ディビジオ
\caesura A.17 音楽関数の一覧
\caps A.11.1 Font markup
\cavum グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\cavum グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\center-align テキスト揃え
\center-align A.11.2 Markup for text alignment
\center-column テキスト揃え
\center-column A.11.2 Markup for text alignment
\change 譜を手動で変更する
\char A.11.8 Other markup commands
check-consistency 幅とマージンの \paper 変数
choral 自動臨時記号
choral-cautionary 自動臨時記号
chordChanges あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
chordChanges コード ネームを譜刻する
\chordmode 相対オクターブ入力
\chordmode 移調
\chordmode あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
\chordmode 5.4.1 入力モード
chordNameExceptions コード ネームをカスタマイズする
chordNameExceptions コード ネームをカスタマイズする
chordNameLowercaseMinor コード ネームをカスタマイズする
ChordNames あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
chordNameSeparator コード ネームをカスタマイズする
chordNameSeparator コード ネームをカスタマイズする
chordNoteNamer コード ネームをカスタマイズする
chordPrefixSpacer コード ネームをカスタマイズする
\chordRepeats デフォルトのタブ譜
\chordRepeats A.17 音楽関数の一覧
chordRootNamer コード ネームをカスタマイズする
\chords コード ネームを譜刻する
\chords 5.4.1 入力モード
\circle マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\circle A.11.3 Graphical markup
\circulus グレゴリオ聖歌のアーティキュレーション
\circulus 繰り返し記号のスクリプト
\clef 音部記号
\clef A.17 音楽関数の一覧
clip-regions 3.4 出力を制御する
\cm 5.4.3 距離と距離の単位
\coda アーティキュレーションと装飾
\coda A.11.4 Markup for music and musical symbols
\coda 楽器に固有のスクリプト
\codaMark A.17 音楽関数の一覧
color オブジェクトに色を付ける
\column テキスト揃え
\column A.11.2 Markup for text alignment
\column-lines A.12 \markuplist コマンドの一覧
\combine マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\combine A.11.2 Markup for text alignment
common-shortest-duration 4.5.1 水平方向のスペースの概要
Completion_heads_engraver 自動音符分割
Completion_rest_engraver 自動音符分割
\compound-meter A.11.4 Markup for music and musical symbols
\compoundMeter 多拍子記譜法
\compoundMeter A.17 音楽関数の一覧
\compressEmptyMeasures 空の小節を圧縮する
\compressMMRests 小節単位の休符
\compressMMRests 小節単位の休符
\compressMMRests 空の小節を圧縮する
\compressMMRests A.17 音楽関数の一覧
\concat A.11.2 Markup for text alignment
\consists 5.1.4 コンテキストのプラグインを変更する
\consists 5.1.6 新しいコンテキストを定義する
\context 5.1.2 コンテキストを作成して参照する
\context 同じタイプの全コンテキストを変更する
context-spec-music 衝突の解決
controlpitch オクターブ チェック
countPercentRepeats パーセント繰り返し
\cr 強弱記号
\cresc 強弱記号
crescendo-event 他のボイスを引用する
crescendoSpanner 強弱記号
crescendoText 強弱記号
\crescHairpin 強弱記号
\crescTextCresc 強弱記号
cross 特殊な符頭
\crossStaff 譜変更線
\crossStaff A.17 音楽関数の一覧
\cueClef 合図音符をフォーマットする
\cueClef A.17 音楽関数の一覧
\cueClefUnset 合図音符をフォーマットする
\cueClefUnset A.17 音楽関数の一覧
\cueDuring 合図音符をフォーマットする
\cueDuring A.17 音楽関数の一覧
\cueDuringWithClef 合図音符をフォーマットする
\cueDuringWithClef A.17 音楽関数の一覧
CueVoice 合図音符をフォーマットする
currentBarNumber 小節番号
currentBarNumber 時間管理
\customTabClef A.11.4 Markup for music and musical symbols

D
\dashBang アーティキュレーションと装飾
\dashDash アーティキュレーションと装飾
\dashDot アーティキュレーションと装飾
\dashHat アーティキュレーションと装飾
\dashLarger アーティキュレーションと装飾
\dashPlus アーティキュレーションと装飾
\dashUnderscore アーティキュレーションと装飾
\deadNote 特殊な符頭
\deadNote A.17 音楽関数の一覧
\deadNotesOff 特殊な符頭
\deadNotesOn 特殊な符頭
\decr 強弱記号
\decresc 強弱記号
decrescendoSpanner 強弱記号
decrescendoText 強弱記号
default-staff-staff-spacing システム内部のスペース プロパティ
default 自動臨時記号
default 自動臨時記号
\default リハーサル記号
\default 音楽表記の中にある脚注
\defaultchild 5.1.7 コンテキストの配置順序
\defaultTimeSignature 拍子
\defineBarLine 小節線
\defineBarLine A.17 音楽関数の一覧
\deminutum グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\deminutum グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\denies 5.1.6 新しいコンテキストを定義する
\denies 5.1.6 新しいコンテキストを定義する
\denies 5.1.7 コンテキストの配置順序
\descendens グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\descendens グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
dim 一般的な和音
\dim 強弱記号
\dimHairpin 強弱記号
\dimTextDecr 強弱記号
\dimTextDecresc 強弱記号
\dimTextDim 強弱記号
\dir-column A.11.2 Markup for text alignment
\discant A.11.7 Accordion registers
\displayLilyMusic 3.6.1 LilyPond 記譜法を表示する
\displayLilyMusic A.17 音楽関数の一覧
\displayMusic A.17 音楽関数の一覧
\displayScheme A.17 音楽関数の一覧
\divisioMaior ディビジオ
\divisioMaxima ディビジオ
\divisioMinima ディビジオ
dodecaphonic 自動臨時記号
dodecaphonic-first 自動臨時記号
dodecaphonic-no-repeat 自動臨時記号
\dorian 調号
\dotsDown 演奏時間
\dotsNeutral 演奏時間
\dotsUp 演奏時間
\doubleflat A.11.4 Markup for music and musical symbols
\doublesharp A.11.4 Markup for music and musical symbols
\downbow アーティキュレーションと装飾
\downbow ボーイング指示
\downbow フェルマータ スクリプト
\downmordent アーティキュレーションと装飾
\downmordent アーティキュレーション スクリプト
\downprall アーティキュレーションと装飾
\downprall アーティキュレーション スクリプト
\draw-circle マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\draw-circle A.11.3 Graphical markup
\draw-dashed-line A.11.3 Graphical markup
\draw-dotted-line A.11.3 Graphical markup
\draw-hline A.11.3 Graphical markup
\draw-line マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\draw-line A.11.3 Graphical markup
\draw-squiggle-line A.11.3 Graphical markup
\dropNote 和音の転回と特殊なボイシング
\dropNote A.17 音楽関数の一覧
\drummode 新たに譜をインスタンス化する
\drummode 5.4.1 入力モード
drumPitchNames カスタム打楽器譜
drumPitchTable カスタム打楽器譜
\drums 5.4.1 入力モード
DrumStaff 新たに譜をインスタンス化する
drumStyleTable カスタム打楽器譜
\dwn アラブ音楽での音符名
\dynamic 新たな強弱記号
\dynamic A.11.1 Font markup
dynamic-event 他のボイスを引用する
\dynamicDown 強弱記号
DynamicLineSpanner 強弱記号
DynamicLineSpanner 強弱記号
\dynamicNeutral 強弱記号
\dynamicUp 強弱記号

E
\easyHeadsOff 演奏を容易にする記譜法の符頭
\easyHeadsOn 演奏を容易にする記譜法の符頭
\ellipse A.11.3 Graphical markup
\EnableGregorianDivisiones A.18 コンテキストを変更する識別子
\enablePolymeter A.17 音楽関数の一覧
\endcr 強弱記号
\enddecr 強弱記号
\endSpanners line-spanner-interface を使用する
\endSpanners A.17 音楽関数の一覧
\episemFinis グレゴリオ聖歌のアーティキュレーション
\episemInitium グレゴリオ聖歌のアーティキュレーション
\epsfile マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\epsfile A.11.3 Graphical markup
\espressivo アーティキュレーションと装飾
\espressivo 強弱記号
\espressivo A.14 アーティキュレーションの一覧
\etc 5.6.2 置換関数の例
\eventChords A.17 音楽関数の一覧
\expandEmptyMeasures 空の小節を圧縮する
explicitClefVisibility 特別な考慮を必要とするもの
explicitKeySignatureVisibility 特別な考慮を必要とするもの
extra-offset システム内部のスペース プロパティ
\eyeglasses A.11.8 Other markup commands
Ez_numbers_engraver 演奏を容易にする記譜法の符頭

F
\f 強弱記号
\featherDurations 羽状の連桁
\featherDurations A.17 音楽関数の一覧
\fermata アーティキュレーションと装飾
\fermata A.11.4 Markup for music and musical symbols
\fermata 装飾音スクリプト
\ff 強弱記号
\fff 強弱記号
\ffff 強弱記号
\fffff 強弱記号
\figured-bass A.11.1 Font markup
figuredBassAlterationDirection 通奏低音を入力する
figuredBassPlusDirection 通奏低音を入力する
\figuremode 通奏低音の導入部
\figuremode 5.4.1 入力モード
\figures 通奏低音の導入部
\figures 5.4.1 入力モード
\fill-line テキスト揃え
\fill-line A.11.2 Markup for text alignment
\fill-with-pattern A.11.2 Markup for text alignment
\filled-box マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\filled-box A.11.3 Graphical markup
\finalis ディビジオ
\finger 運指の指示
\finger A.11.1 Font markup
\finger A.17 音楽関数の一覧
fingeringOrientations 運指の指示
first-page-number ページ番号のための \paper 変数
\first-visible A.11.8 Other markup commands
\fixed 絶対オクターブ入力
\fixed A.17 音楽関数の一覧
\flageolet アーティキュレーションと装飾
\flageolet フェルマータ スクリプト
\flat A.11.4 Markup for music and musical symbols
\flexa グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
followVoice 譜変更線
font-encoding フォントの説明
font-interface 記譜フォント サイズを選択する
font-interface フォントの説明
font-size 記譜フォント サイズを選択する
font-size 記譜フォント サイズを選択する
\fontCaps A.11.1 Font markup
fontSize 記譜フォント サイズを選択する
\fontsize フォントとフォント サイズを選択する
\fontsize A.11.1 Font markup
\footnote 音楽表記の中にある脚注
\footnote A.11.8 Other markup commands
\footnote A.17 音楽関数の一覧
footnote-separator-markup その他の \paper 変数
Forbid_line_break_engraver 連符
forget 自動臨時記号
four-string-banjo バンジョーのタブ譜
\fp 強弱記号
\fraction A.11.8 Other markup commands
\freeBass A.11.7 Accordion registers
\frenchChords コード ネームをカスタマイズする
\fret-diagram フレット ダイアグラム マークアップ
\fret-diagram A.11.6 Instrument-specific markup
fret-diagram-interface フレット ダイアグラム マークアップ
\fret-diagram-terse フレット ダイアグラム マークアップ
\fret-diagram-terse A.11.6 Instrument-specific markup
\fret-diagram-verbose フレット ダイアグラム マークアップ
\fret-diagram-verbose A.11.6 Instrument-specific markup
FretBoards あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
\fromproperty A.11.8 Other markup commands
\funkHeads シェイプ ノートの符頭
\funkHeadsMinor シェイプ ノートの符頭

G
\general-align テキスト揃え
\general-align A.11.2 Markup for text alignment
\germanChords コード ネームをカスタマイズする
\glide A.17 音楽関数の一覧
\glissando グリッサンド
\glissandoMap グリッサンド
\grace 装飾小音符
\grace A.17 音楽関数の一覧
GregorianTranscriptionStaff 新たに譜をインスタンス化する
gridInterval グリッド ライン
Grid_line_span_engraver グリッド ライン
Grid_point_engraver グリッド ライン
grob-interface interface (インターフェイス)
\grobdescriptions A.17 音楽関数の一覧
grow-direction 羽状の連桁

H
\halfopen アーティキュレーションと装飾
\halfopen フェルマータ スクリプト
\halign テキスト揃え
\halign A.11.2 Markup for text alignment
\harmonic 特殊な符頭
\harmonic ハーモニクス
\harmonic デフォルトのタブ譜
\harmonicByFret デフォルトのタブ譜
\harmonicByFret A.17 音楽関数の一覧
\harmonicByRatio デフォルトのタブ譜
\harmonicByRatio A.17 音楽関数の一覧
\harmonicNote A.17 音楽関数の一覧
\harmonicsOff ハーモニクス
\harmonicsOn ハーモニクス
\harmonicsOn A.17 音楽関数の一覧
\harp-pedal A.11.6 Instrument-specific markup
\haydnturn アーティキュレーションと装飾
\haydnturn アーティキュレーション スクリプト
\hbracket マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\hbracket A.11.3 Graphical markup
\hcenter-in A.11.2 Markup for text alignment
\header 3.1.5 ファイル構造
\henzelongfermata アーティキュレーションと装飾
\henzelongfermata 装飾音スクリプト
\henzeshortfermata アーティキュレーションと装飾
\henzeshortfermata 装飾音スクリプト
\hide オブジェクトを透明にする
\hide A.17 音楽関数の一覧
\hideKeySignature バグパイプの定義
\hideNotes 隠された音符
\hideSplitTiedTabNotes デフォルトのタブ譜
\hideStaffSwitch 譜変更線
horizontal-shift シフトとインデントのための \paper 変数
HorizontalBracketText 分析の囲み
Horizontal_bracket_engraver 分析の囲み
\hspace A.11.2 Markup for text alignment
\huge 記譜フォント サイズを選択する
\huge フォントとフォント サイズを選択する
\huge A.11.1 Font markup

I
\ictus グレゴリオ聖歌のアーティキュレーション
\ictus 繰り返し記号のスクリプト
\if A.11.5 Conditional markup
\iij グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\IIJ グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\ij グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\IJ グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\image A.11.3 Graphical markup
\improvisationOff 即興
\improvisationOff 旋律のリズムを示す
\improvisationOn 即興
\improvisationOn 旋律のリズムを示す
\in 5.4.3 距離と距離の単位
\incipit インキピット
\incipit A.17 音楽関数の一覧
\inclinatum グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\inclinatum グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\include 3.1.5 ファイル構造
\include 3.3.1 LilyPond ファイルをインクルードする
indent 楽器名
indent シフトとインデントのための \paper 変数
indent 4.5.4 行の幅
\inherit-acceptability 5.1.6 新しいコンテキストを定義する
\inherit-acceptability A.17 音楽関数の一覧
\initialContextFrom A.17 音楽関数の一覧
inner-margin 両面モードのための \paper 変数
\inStaffSegno 通常の繰り返し
\inStaffSegno A.17 音楽関数の一覧
\instrumentSwitch A.17 音楽関数の一覧
\inversion 反転
\inversion A.17 音楽関数の一覧
\invertChords 和音の転回と特殊なボイシング
\invertChords A.17 音楽関数の一覧
\ionian 調号
\italianChords コード ネームをカスタマイズする
\italic フォントとフォント サイズを選択する
\italic A.11.1 Font markup

J
\jump A.17 音楽関数の一覧
\justified-lines 複数ページにわたるマークアップ
\justified-lines A.12 \markuplist コマンドの一覧
\justify テキスト揃え
\justify A.11.2 Markup for text alignment
\justify-field A.11.2 Markup for text alignment
\justify-line A.11.2 Markup for text alignment
\justify-string A.11.2 Markup for text alignment

K
\keepWithTag タグを使用する
\keepWithTag A.17 音楽関数の一覧
\key 調号
\key シェイプ ノートの符頭
\key A.17 音楽関数の一覧
\kievanOff キエフ記譜法の音符
\kievanOn キエフ記譜法の音符
KievanStaff キエフ記譜法のコンテキスト
KievanVoice キエフ記譜法のコンテキスト
\killCues 合図音符をフォーマットする
\killCues A.17 音楽関数の一覧

L
\label 3.2.5 ページ番号の参照
\label A.17 音楽関数の一覧
\laissezVibrer タイ
\language A.17 音楽関数の一覧
\languageRestore A.17 音楽関数の一覧
\languageSaveAndChange A.17 音楽関数の一覧
\large 記譜フォント サイズを選択する
\large フォントとフォント サイズを選択する
\large A.11.1 Font markup
\larger フォントとフォント サイズを選択する
\larger フォントとフォント サイズを選択する
\larger A.11.1 Font markup
last-bottom-spacing 可変な垂直方向の \paper スペース変数のリスト
\layout 3.1.5 ファイル構造
\layout 4.2.1 \layout ブロック
\layout 出力定義 - コンテキストの青写真
\layout 同じタイプの全コンテキストを変更する
layout-set-staff-size 4.2.2 譜サイズを設定する
\left-align テキスト揃え
\left-align A.11.2 Markup for text alignment
\left-brace A.11.8 Other markup commands
\left-column A.11.2 Markup for text alignment
left-margin 幅とマージンの \paper 変数
\lheel アーティキュレーションと装飾
\lheel フェルマータ スクリプト
\ligature A.17 音楽関数の一覧
\line A.11.2 Markup for text alignment
line-width テキスト揃え
line-width 幅とマージンの \paper 変数
line-width 4.5.4 行の幅
\linea グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\linea グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\lineprall アーティキュレーションと装飾
\lineprall アーティキュレーション スクリプト
\locrian 調号
\longa 演奏時間
\longa 休符
\longfermata アーティキュレーションと装飾
\longfermata 装飾音スクリプト
\lookup A.11.8 Other markup commands
\lower テキスト揃え
\lower A.11.2 Markup for text alignment
\ltoe アーティキュレーションと装飾
\ltoe フェルマータ スクリプト
ly:minimal-breaking 最小改ページ
ly:one-line-auto-height-breaking 高さが自動の 1 行の改ページ
ly:one-line-breaking 1 行の改ページ
ly:one-page-breaking 1 ページの改ページ
ly:optimal-breaking 最適改ページ
ly:page-turn-breaking 最適ページめくり
\lydian 調号
\lyricmode 歌詞を入力する
\lyricmode 歌詞を旋律に揃える
\lyricmode 5.4.1 入力モード
\lyrics 5.4.1 入力モード
\lyricsto 歌詞を旋律に揃える
\lyricsto 歌詞音節の自動演奏時間
\lyricsto 歌詞音節の自動演奏時間

M
m 一般的な和音
magnification->font-size 記譜フォント サイズを選択する
magnification->font-size 4.2.2 譜サイズを設定する
\magnify フォントとフォント サイズを選択する
\magnify A.11.1 Font markup
\magnifyMusic 記譜フォント サイズを選択する
\magnifyMusic A.17 音楽関数の一覧
\magnifyStaff A.17 音楽関数の一覧
magstep 記譜フォント サイズを選択する
magstep 4.2.2 譜サイズを設定する
magstep 5.4.3 距離と距離の単位
maj 一般的な和音
\major 調号
majorSevenSymbol コード ネームをカスタマイズする
majorSevenSymbol コード ネームをカスタマイズする
make-dynamic-script 新たな強弱記号
make-pango-font-tree ドキュメント全体のフォント
\makeClusters クラスタ
\makeClusters A.17 音楽関数の一覧
\makeDefaultStringTuning A.17 音楽関数の一覧
\marcato アーティキュレーションと装飾
\marcato A.14 アーティキュレーションの一覧
\mark リハーサル記号
\mark テキスト マーク
\mark A.17 音楽関数の一覧
\markalphabet A.11.8 Other markup commands
\markLengthOff メトロノーム記号
\markLengthOff テキスト マーク
\markLengthOn メトロノーム記号
\markLengthOn テキスト マーク
\markletter A.11.8 Other markup commands
\markup テキスト オブジェクトの概要
\markup テキスト マーク
\markup 独立したテキスト
\markup 独立したテキスト
\markup テキスト マークアップの導入部
\markup 5.4.1 入力モード
markup-markup-spacing 可変な垂直方向の \paper スペース変数のリスト
markup-system-spacing 可変な垂直方向の \paper スペース変数のリスト
\markuplist 独立したテキスト
\markuplist 複数ページにわたるマークアップ
\markuplist 複数ページにわたるマークアップ
\markupMap A.17 音楽関数の一覧
Mark_engraver テキスト マーク
max-systems-per-page 改行のための \paper 変数
\maxima 演奏時間
\maxima 休符
measureBarType 小節線
measureLength 自動連桁の振る舞いを設定する
measureLength 時間管理
measurePosition 上拍
measurePosition 時間管理
Measure_grouping_engraver 自動連桁の振る舞いを設定する
\melisma 複数の音符を 1 つの歌詞音節に割り当てる
\melismaEnd 複数の音符を 1 つの歌詞音節に割り当てる
MensuralStaff 新たに譜をインスタンス化する
MensuralStaff 計量記譜法のコンテキスト
MensuralVoice 計量記譜法のコンテキスト
\mergeDifferentlyDottedOff 衝突の解決
\mergeDifferentlyDottedOn 衝突の解決
\mergeDifferentlyHeadedOff 衝突の解決
\mergeDifferentlyHeadedOn 衝突の解決
\mf 強弱記号
\midi 3.1.5 ファイル構造
\midi 出力定義 - コンテキストの青写真
midiBalance 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
midiChannelMapping 3.5.7 MIDI のチャンネル マッピング
midiChorusLevel 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
midiDrumPitches カスタム打楽器譜
midiExpression 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
midiPanPosition 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
midiReverbLevel 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
min-systems-per-page 改行のための \paper 変数
minimum-Y-extent システム内部のスペース プロパティ
minimumFret デフォルトのタブ譜
minimumFret 自動フレット ダイアグラム
minimumPageTurnLength 最適ページめくり
minimumRepeatLengthForPageTurn 最適ページめくり
\minor 調号
minorChordModifier コード ネームをカスタマイズする
mixed ピアノ ペダル
\mixolydian 調号
\mm 5.4.3 距離と距離の単位
\modalInversion 様式的な変形
\modalInversion A.17 音楽関数の一覧
\modalTranspose 様式的な変形
\modalTranspose A.17 音楽関数の一覧
mode parser variable (パーサ変数)
modern 自動臨時記号
modern-cautionary 自動臨時記号
modern-voice 自動臨時記号
modern-voice-cautionary 自動臨時記号
\mordent アーティキュレーションと装飾
\mordent アーティキュレーション スクリプト
\mp 強弱記号
\multi-measure-rest-by-number A.11.4 Markup for music and musical symbols
MultiMeasureRestScript 小節単位の休符
MultiMeasureRestText 小節単位の休符
\musicglyph リハーサル記号
\musicglyph A.11.4 Markup for music and musical symbols
\musicLength A.17 音楽関数の一覧
\musicMap A.17 音楽関数の一覧
musicQuotes parser variable (パーサ変数)

N
\n 強弱記号
\name 5.1.6 新しいコンテキストを定義する
\natural A.11.4 Markup for music and musical symbols
neo-modern 自動臨時記号
neo-modern-cautionary 自動臨時記号
neo-modern-voice 自動臨時記号
neo-modern-voice-cautionary 自動臨時記号
\new 5.1.2 コンテキストを作成して参照する
\newSpacingSection 4.5.2 新しいスペース セクション
no-reset 自動臨時記号
\noBeam 手動連桁
\noBreak 4.3.1 改行
nonstaff-nonstaff-spacing システム内部のスペース プロパティ
nonstaff-relatedstaff-spacing システム内部のスペース プロパティ
nonstaff-unrelatedstaff-spacing システム内部のスペース プロパティ
\noPageBreak 手動改ページ
\noPageBreak A.17 音楽関数の一覧
\noPageTurn 最適ページめくり
\noPageTurn A.17 音楽関数の一覧
\normal-size-sub A.11.1 Font markup
\normal-size-super フォントとフォント サイズを選択する
\normal-size-super A.11.1 Font markup
\normal-text A.11.1 Font markup
\normal-weight A.11.1 Font markup
\normalsize 記譜フォント サイズを選択する
\normalsize フォントとフォント サイズを選択する
\normalsize A.11.1 Font markup
\note A.11.4 Markup for music and musical symbols
\note-by-number A.11.4 Markup for music and musical symbols
note-event 他のボイスを引用する
\notemode 5.4.1 入力モード
noteNameFunction 音符名
NoteNames 音符名
noteNameSeparator 音符名
Note_heads_engraver 自動音符分割
Note_name_engraver 音符名
\null テキスト揃え
\null A.11.8 Other markup commands
NullVoice 歌詞を共有する多声
\number A.11.1 Font markup
\numericTimeSignature 拍子

O
\octaveCheck オクターブ チェック
\octaveCheck A.17 音楽関数の一覧
\offset 5.3.6 \offset コマンド
\offset A.17 音楽関数の一覧
\omit ステンシルを削除する
\omit A.17 音楽関数の一覧
\on-the-fly ヘッダとフッタのカスタム レイアウト
\on-the-fly A.11.8 Other markup commands
\once 5.3.2 \set コマンド
\once 5.3.3 \override コマンド
\once 5.3.6 \offset コマンド
\once \alterBroken を使用する
\once A.17 音楽関数の一覧
\oneVoice 単一譜の多声
\open アーティキュレーションと装飾
\open ボーイング指示
\open フェルマータ スクリプト
\oriscus グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\oriscus グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\ottava オッターバ囲み
\ottava A.17 音楽関数の一覧
outer-margin 両面モードのための \paper 変数
output-count parser variable (パーサ変数)
output-def output-def (出力定義クラス)
output-suffix parser variable (パーサ変数)
outside-staff-horizontal-padding 4.4.3 垂直方向の衝突回避
outside-staff-padding 4.4.3 垂直方向の衝突回避
outside-staff-priority 4.4.3 垂直方向の衝突回避
\oval A.11.3 Graphical markup
\overlay A.11.2 Markup for text alignment
\override 5.3.3 \override コマンド
\override 5.3.5 \set\override
\override A.11.8 Other markup commands
\override-lines A.12 \markuplist コマンドの一覧
\overrideProperty 5.3.5 \set\override
\overrideProperty A.17 音楽関数の一覧
\overrideTimeSignatureSettings 拍子
\overrideTimeSignatureSettings A.17 音楽関数の一覧
\overtie A.11.1 Font markup

P
\p 強弱記号
\pad-around マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\pad-around A.11.2 Markup for text alignment
\pad-markup マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\pad-markup A.11.2 Markup for text alignment
\pad-to-box マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\pad-to-box A.11.2 Markup for text alignment
\pad-x マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\pad-x A.11.2 Markup for text alignment
page-breaking 改ページのための \paper 変数
page-breaking-system-system-spacing 改ページのための \paper 変数
page-count 改ページのための \paper 変数
\page-link A.11.8 Other markup commands
page-number-type ページ番号のための \paper 変数
\page-ref 3.2.5 ページ番号の参照
\page-ref A.11.8 Other markup commands
page-spacing-weight その他の \paper 変数
\pageBreak 手動改ページ
\pageBreak A.17 音楽関数の一覧
\pageTurn 最適ページめくり
\pageTurn A.17 音楽関数の一覧
\palmMute A.17 音楽関数の一覧
\palmMuteOn A.17 音楽関数の一覧
\paper 3.1.5 ファイル構造
\paper 4.1.2 紙面サイズと自動拡縮
paper-height 4.1.3 固定された垂直方向の \paper スペース変数
paper-width 幅とマージンの \paper 変数
\parallelMusic 音楽を並列に記述する
\parallelMusic A.17 音楽関数の一覧
\parenthesize 括弧
\parenthesize A.11.3 Graphical markup
\parenthesize A.17 音楽関数の一覧
\partCombine 自動パート結合
\partCombine 歌詞を共有する多声
\partCombine A.17 音楽関数の一覧
\partCombineApart 自動パート結合
\partCombineAutomatic 自動パート結合
\partCombineChords 自動パート結合
\partCombineDown A.17 音楽関数の一覧
\partCombineForce A.17 音楽関数の一覧
partCombineListener parser variable (パーサ変数)
\partCombineSoloI 自動パート結合
\partCombineSoloII 自動パート結合
\partCombineUnisono 自動パート結合
\partCombineUp A.17 音楽関数の一覧
\partial 上拍
\partial 1.4.1 長い繰り返し
\partial 通常の繰り返し
\partial A.17 音楽関数の一覧
\path A.11.3 Graphical markup
\pattern A.11.8 Other markup commands
pedalSustainStyle ピアノ ペダル
percent パーセント繰り返し
\pes グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\phrasingSlurDashed フレージング スラー
\phrasingSlurDashPattern フレージング スラー
\phrasingSlurDashPattern A.17 音楽関数の一覧
\phrasingSlurDotted フレージング スラー
\phrasingSlurDown フレージング スラー
\phrasingSlurHalfDashed フレージング スラー
\phrasingSlurHalfSolid フレージング スラー
\phrasingSlurNeutral フレージング スラー
\phrasingSlurSolid フレージング スラー
\phrasingSlurUp フレージング スラー
\phrygian 調号
piano 自動臨時記号
piano-cautionary 自動臨時記号
PianoStaff キーボードのためのリファレンス
PianoStaff 譜を自動で変更する
\pitchedTrill トリル
\pitchedTrill A.17 音楽関数の一覧
pitchnames parser variable (パーサ変数)
Pitch_squash_engraver 旋律のリズムを示す
\pointAndClickOff A.17 音楽関数の一覧
\pointAndClickOn A.17 音楽関数の一覧
\pointAndClickTypes A.17 音楽関数の一覧
\polygon A.11.3 Graphical markup
\popContextProperty A.17 音楽関数の一覧
\portato アーティキュレーションと装飾
\portato A.14 アーティキュレーションの一覧
\postscript マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\postscript A.11.3 Graphical markup
\pp 強弱記号
\ppp 強弱記号
\pppp 強弱記号
\ppppp 強弱記号
\prall アーティキュレーションと装飾
\prall アーティキュレーション スクリプト
\pralldown アーティキュレーションと装飾
\pralldown アーティキュレーション スクリプト
\prallmordent アーティキュレーションと装飾
\prallmordent アーティキュレーション スクリプト
\prallprall アーティキュレーションと装飾
\prallprall アーティキュレーション スクリプト
\prallup アーティキュレーションと装飾
\prallup アーティキュレーション スクリプト
\preBend A.17 音楽関数の一覧
\preBendHold A.17 音楽関数の一覧
predefinedDiagramTable あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
\predefinedFretboardsOff 自動フレット ダイアグラム
\predefinedFretboardsOn 自動フレット ダイアグラム
print-all-headers その他の \paper 変数
print-first-page-number ページ番号のための \paper 変数
print-page-number ページ番号のための \paper 変数
printAccidentalNames 音符名
printNotesLanguage 音符名
printOctaveNames 音符名
\property-recursive A.11.8 Other markup commands
\propertyOverride A.17 音楽関数の一覧
\propertyRevert A.17 音楽関数の一覧
\propertySet A.17 音楽関数の一覧
\propertyTweak A.17 音楽関数の一覧
\propertyUnset A.17 音楽関数の一覧
\pt 5.4.3 距離と距離の単位
\pushContextProperty A.17 音楽関数の一覧
\pushToTag タグを使用する
\pushToTag A.17 音楽関数の一覧
\put-adjacent A.11.2 Markup for text alignment

Q
\qr-code A.11.8 Other markup commands
\quilisma グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\quilisma グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
quotedCueEventTypes 他のボイスを引用する
quotedEventTypes 他のボイスを引用する
\quoteDuring 他のボイスを引用する
\quoteDuring 合図音符をフォーマットする
\quoteDuring A.17 音楽関数の一覧

R
r 休符
R 小節単位の休符
ragged-bottom 4.1.3 固定された垂直方向の \paper スペース変数
ragged-last 幅とマージンの \paper 変数
ragged-last 4.5.4 行の幅
ragged-last-bottom 4.1.3 固定された垂直方向の \paper スペース変数
ragged-right 幅とマージンの \paper 変数
ragged-right 4.5.4 行の幅
\raise テキスト揃え
\raise A.11.2 Markup for text alignment
\raiseNote 和音の転回と特殊なボイシング
\raiseNote A.17 音楽関数の一覧
\reduceChords 旋律のリズムを示す
\reduceChords A.17 音楽関数の一覧
\relative 相対オクターブ入力
\relative 相対オクターブ入力
\relative 移調
\relative 譜を自動で変更する
\relative A.17 音楽関数の一覧
\remove 5.1.4 コンテキストのプラグインを変更する
remove-grace-property 装飾小音符
\RemoveAllEmptyStaves 譜を隠す
\RemoveAllEmptyStaves A.18 コンテキストを変更する識別子
\RemoveEmptyStaves 譜を隠す
\RemoveEmptyStaves A.18 コンテキストを変更する識別子
\removeWithTag タグを使用する
\removeWithTag A.17 音楽関数の一覧
\repeat 1.4.1 長い繰り返し
\repeat percent パーセント繰り返し
\repeat tremolo トレモロの繰り返し
repeatCommands 手動の繰り返し記号
repeatCountVisibility パーセント繰り返し
\repeatTie タイ
\repeatTie 通常の繰り返し
\repeatTie 歌詞と繰り返し
\replace A.11.1 Font markup
\resetRelativeOctave 相対オクターブ入力
\resetRelativeOctave A.17 音楽関数の一覧
\responsum グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\responsum A.17 音楽関数の一覧
\rest 休符
\rest A.11.4 Markup for music and musical symbols
\rest-by-number A.11.4 Markup for music and musical symbols
rest-event 他のボイスを引用する
restNumberThreshold 空の小節を圧縮する
restrainOpenStrings デフォルトのタブ譜
\retrograde 逆行
\retrograde A.17 音楽関数の一覧
\reverseturn アーティキュレーションと装飾
\reverseturn アーティキュレーション スクリプト
\revert 5.3.3 \override コマンド
\revertTimeSignatureSettings 拍子
\revertTimeSignatureSettings A.17 音楽関数の一覧
\rfz 強弱記号
rgb-color オブジェクトに色を付ける
\rheel アーティキュレーションと装飾
\rheel フェルマータ スクリプト
\rhythm A.11.4 Markup for music and musical symbols
RhythmicStaff 新たに譜をインスタンス化する
\right-align テキスト揃え
\right-align A.11.2 Markup for text alignment
\right-brace A.11.8 Other markup commands
\right-column A.11.2 Markup for text alignment
right-margin 幅とマージンの \paper 変数
\rightHandFinger 右手の運指
\rightHandFinger A.17 音楽関数の一覧
\romanStringNumbers ボーイング指示
\romanStringNumbers 弦番号の指示
\rotate A.11.2 Markup for text alignment
\rounded-box マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\rounded-box A.11.3 Graphical markup
\rtoe アーティキュレーションと装飾
\rtoe フェルマータ スクリプト

S
s 不可視の休符
\sacredHarpHeads シェイプ ノートの符頭
\sacredHarpHeadsMinor シェイプ ノートの符頭
\sans A.11.1 Font markup
\scale A.11.3 Graphical markup
\scaleDurations 演奏時間を変更する
\scaleDurations 多拍子記譜法
\scaleDurations A.17 音楽関数の一覧
\score 3.1.1 スコアの構造
\score 3.1.5 ファイル構造
\score A.11.4 Markup for music and musical symbols
\score-lines A.12 \markuplist コマンドの一覧
score-markup-spacing 可変な垂直方向の \paper スペース変数のリスト
score-system-spacing 可変な垂直方向の \paper スペース変数のリスト
scoreTitleMarkup タイトルのカスタム レイアウト
\sectionLabel A.17 音楽関数の一覧
\segno アーティキュレーションと装飾
\segno A.11.4 Markup for music and musical symbols
\segno 楽器に固有のスクリプト
\segnoMark A.17 音楽関数の一覧
self-alignment-X システム内部のスペース プロパティ
\semicirculus グレゴリオ聖歌のアーティキュレーション
\semicirculus 繰り返し記号のスクリプト
\semiflat A.11.4 Markup for music and musical symbols
\semiGermanChords コード ネームをカスタマイズする
\semisharp A.11.4 Markup for music and musical symbols
\serif A.11.1 Font markup
\sesquiflat A.11.4 Markup for music and musical symbols
\sesquisharp A.11.4 Markup for music and musical symbols
\set 自動連桁の振る舞いを設定する
\set 5.3.2 \set コマンド
\set 5.3.5 \set\override
set-global-fonts ドキュメント全体のフォント
set-global-staff-size 4.2.2 譜サイズを設定する
set-octavation オッターバ囲み
\settingsFrom A.17 音楽関数の一覧
\sf 強弱記号
\sff 強弱記号
\sfz 強弱記号
\shape タイとスラーの形状を変更する
\shape A.17 音楽関数の一覧
\sharp A.11.4 Markup for music and musical symbols
\shiftDurations A.17 音楽関数の一覧
\shiftOff 衝突の解決
\shiftOn 衝突の解決
\shiftOnn 衝突の解決
\shiftOnnn 衝突の解決
short-indent 楽器名
short-indent シフトとインデントのための \paper 変数
\shortfermata アーティキュレーションと装飾
\shortfermata 装飾音スクリプト
show-available-fonts 個々に登録するフォント
showFirstLength 3.4.2 校正済みの音楽をスキップする
showFirstLength parser variable (パーサ変数)
\showKeySignature バグパイプの定義
showLastLength 3.4.2 校正済みの音楽をスキップする
showLastLength parser variable (パーサ変数)
\showStaffSwitch 譜変更線
\signumcongruentiae アーティキュレーションと装飾
\signumcongruentiae 繰り返し記号のスクリプト
\simple A.11.1 Font markup
\single 音楽表記の中にある脚注
\single 5.3.6 \offset コマンド
\single A.17 音楽関数の一覧
\skip 不可視の休符
\skip 歌詞と繰り返し
\skip A.17 音楽関数の一覧
skipBars 空の小節を圧縮する
skipTypesetting 3.4.2 校正済みの音楽をスキップする
slashChordSeparator コード ネームをカスタマイズする
\slashed-digit A.11.8 Other markup commands
\slashedGrace 装飾小音符
\slashedGrace A.17 音楽関数の一覧
\slashSeparator その他の \paper 変数
\slashturn アーティキュレーションと装飾
\slashturn アーティキュレーション スクリプト
slur-event 他のボイスを引用する
\slurDashed スラー
\slurDashPattern スラー
\slurDashPattern A.17 音楽関数の一覧
\slurDotted スラー
\slurDown スラー
\slurHalfDashed スラー
\slurHalfSolid スラー
\slurNeutral スラー
\slurSolid スラー
\slurUp スラー
\small 記譜フォント サイズを選択する
\small フォントとフォント サイズを選択する
\small A.11.1 Font markup
\smallCaps A.11.1 Font markup
\smaller フォントとフォント サイズを選択する
\smaller フォントとフォント サイズを選択する
\smaller A.11.1 Font markup
\snappizzicato アーティキュレーションと装飾
\snappizzicato フェルマータ スクリプト
\sostenutoOff ピアノ ペダル
\sostenutoOn ピアノ ペダル
\sourcefileline 3.1.5 ファイル構造
\sourcefilename 3.1.5 ファイル構造
\southernHarmonyHeads シェイプ ノートの符頭
\southernHarmonyHeadsMinor シェイプ ノートの符頭
\sp 強弱記号
spacing 4.5.1 水平方向のスペースの概要
Span_stem_engraver 譜変更線
\spp 強弱記号
\staccatissimo アーティキュレーションと装飾
\staccatissimo A.14 アーティキュレーションの一覧
\staccato アーティキュレーションと装飾
\staccato A.14 アーティキュレーションの一覧
staff-affinity システム内部のスペース プロパティ
\staff-space 5.4.3 距離と距離の単位
staff-staff-spacing システム内部のスペース プロパティ
Staff.midiInstrument 3.5.9 MIDI 出力をより良くする
staffgroup-staff-spacing システム内部のスペース プロパティ
\staffHighlight A.17 音楽関数の一覧
Staff_collecting_engraver テキスト マーク
Staff_symbol_engraver 譜を隠す
start-repeat 手動の繰り返し記号
startAcciaccaturaMusic 装飾小音符
startAppoggiaturaMusic 装飾小音符
startGraceMusic 装飾小音符
\startGroup 分析の囲み
\startStaff 譜シンボル
\startStaff オッシア譜
\startTrillSpan トリル
\stdBass A.11.7 Accordion registers
\stdBassIV A.11.7 Accordion registers
\stdBassV A.11.7 Accordion registers
\stdBassVI A.11.7 Accordion registers
stem-spacing-correction 4.5.1 水平方向のスペースの概要
\stemDown 符幹
stemLeftBeamCount 手動連桁
stemLeftBeamCount 手動連桁
\stemNeutral 符幹
stemRightBeamCount 手動連桁
stemRightBeamCount 手動連桁
\stemUp 符幹
\stencil A.11.8 Other markup commands
stopAcciaccaturaMusic 装飾小音符
stopAppoggiaturaMusic 装飾小音符
stopGraceMusic 装飾小音符
\stopGroup 分析の囲み
\stopped アーティキュレーションと装飾
\stopped フェルマータ スクリプト
\stopStaff 譜シンボル
\stopStaff オッシア譜
\stopStaff 譜を隠す
\stopTrillSpan トリル
\storePredefinedDiagram あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
\storePredefinedDiagram あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
\storePredefinedDiagram A.17 音楽関数の一覧
strictBeatBeaming 自動連桁の振る舞いを設定する
\string-lines A.12 \markuplist コマンドの一覧
stringNumberOrientations 運指の指示
\stringTuning カスタム タブ譜
\stringTuning A.17 音楽関数の一覧
stringTunings カスタム タブ譜
stringTunings あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
strokeFingerOrientations 運指の指示
strokeFingerOrientations 右手の運指
\stropha グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\stropha グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\strut A.11.8 Other markup commands
\styledNoteHeads A.17 音楽関数の一覧
\sub フォントとフォント サイズを選択する
\sub A.11.1 Font markup
subdivideBeams 自動連桁の振る舞いを設定する
suggestAccidentals アーティキュレーションと装飾
suggestAccidentals 注釈的な臨時記号 (ムジカ・フィクタ)
\super フォントとフォント サイズを選択する
\super A.11.1 Font markup
sus 和音の拡張と変形
\sustainOff ピアノ ペダル
\sustainOn ピアノ ペダル
system-count 改行のための \paper 変数
system-separator-markup その他の \paper 変数
system-system-spacing 可変な垂直方向の \paper スペース変数のリスト
systems-per-page 改行のための \paper 変数

T
\tabChordRepeats デフォルトのタブ譜
\tabChordRepeats A.17 音楽関数の一覧
\tabChordRepetition A.17 音楽関数の一覧
\tabFullNotation デフォルトのタブ譜
\table A.12 \markuplist コマンドの一覧
\table-of-contents 3.2.6 目次
\table-of-contents A.12 \markuplist コマンドの一覧
TabStaff 新たに譜をインスタンス化する
TabStaff デフォルトのタブ譜
TabVoice デフォルトのタブ譜
\tag タグを使用する
\tag A.17 音楽関数の一覧
\tagGroup タグを使用する
\tagGroup A.17 音楽関数の一覧
\taor バグパイプの定義
teaching 自動臨時記号
\teeny 記譜フォント サイズを選択する
\teeny フォントとフォント サイズを選択する
\teeny A.11.1 Font markup
\tempo メトロノーム記号
\temporary 5.3.6 \offset コマンド
\temporary \alterBroken を使用する
\temporary A.17 音楽関数の一覧
\tenuto アーティキュレーションと装飾
\tenuto A.14 アーティキュレーションの一覧
text ピアノ ペダル
\text-accidental A.11.4 Markup for music and musical symbols
\text-doubleflat A.11.4 Markup for music and musical symbols
\text-doublesharp A.11.4 Markup for music and musical symbols
\text-flat A.11.4 Markup for music and musical symbols
\text-natural A.11.4 Markup for music and musical symbols
\text-sharp A.11.4 Markup for music and musical symbols
\textEndMark A.17 音楽関数の一覧
\textLengthOff 小節単位の休符
\textLengthOff 小節単位の休符
\textLengthOff テキスト スクリプト
\textLengthOn 小節単位の休符
\textLengthOn 小節単位の休符
\textLengthOn 強弱記号
\textLengthOn テキスト スクリプト
\textMark A.17 音楽関数の一覧
\textSpannerDown テキスト スパナ
\textSpannerNeutral テキスト スパナ
\textSpannerUp テキスト スパナ
\thumb アーティキュレーションと装飾
\thumb 運指の指示
\tie A.11.1 Font markup
TieColumn タイ
\tied-lyric A.11.4 Markup for music and musical symbols
\tieDashed タイ
\tieDashPattern タイ
\tieDashPattern A.17 音楽関数の一覧
\tieDotted タイ
\tieDown タイ
\tieHalfDashed タイ
\tieHalfSolid タイ
\tieNeutral タイ
\tieSolid タイ
\tieUp タイ
tieWaitForNote タイ
\time 拍子
\time 自動連桁の振る舞いを設定する
\time A.17 音楽関数の一覧
\times A.17 音楽関数の一覧
timeSignatureFraction 多拍子記譜法
\tiny 記譜フォント サイズを選択する
\tiny フォントとフォント サイズを選択する
\tiny A.11.1 Font markup
\tocItem 3.2.6 目次
\tocItem A.17 音楽関数の一覧
\tocItemWithDotsMarkup 3.2.6 目次
top-margin 4.1.3 固定された垂直方向の \paper スペース変数
top-markup-spacing 可変な垂直方向の \paper スペース変数のリスト
top-system-spacing 可変な垂直方向の \paper スペース変数のリスト
toplevel-bookparts parser variable (パーサ変数)
toplevel-scores parser variable (パーサ変数)
\translate テキスト揃え
\translate A.11.2 Markup for text alignment
\translate-scaled テキスト揃え
\translate-scaled A.11.2 Markup for text alignment
\transparent A.11.8 Other markup commands
\transpose 相対オクターブ入力
\transpose 移調
\transpose 移調
\transpose A.17 音楽関数の一覧
\transposedCueDuring 合図音符をフォーマットする
\transposedCueDuring A.17 音楽関数の一覧
\transposition 楽器の移調
\transposition 他のボイスを引用する
\transposition A.17 音楽関数の一覧
\treCorde ピアノ ペダル
tremolo トレモロの繰り返し
\triangle マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\triangle A.11.3 Graphical markup
\trill アーティキュレーションと装飾
\trill トリル
\trill アーティキュレーション スクリプト
\tripletFeel スウィング スクリプト
\tuplet 連符
\tuplet 多拍子記譜法
\tuplet A.17 音楽関数の一覧
tuplet-slur 連符
\tupletDown 連符
\tupletNeutral 連符
TupletNumber 連符
tupletNumberFormatFunction 連符
\tupletSpan 連符
\tupletSpan A.17 音楽関数の一覧
tupletSpannerDuration 連符
\tupletUp 連符
\turn アーティキュレーションと装飾
\turn アーティキュレーション スクリプト
\tweak 5.3.4 \tweak コマンド
\tweak 5.3.5 \set\override
\tweak A.17 音楽関数の一覧
two-sided 両面モードのための \paper 変数
\type 5.1.6 新しいコンテキストを定義する
\typewriter A.11.1 Font markup

U
\unaCorda ピアノ ペダル
\underline フォントとフォント サイズを選択する
\underline A.11.1 Font markup
\undertie A.11.1 Font markup
\undo 5.3.6 \offset コマンド
\undo A.17 音楽関数の一覧
unfold 繰り返しを描き出す
\unfolded A.17 音楽関数の一覧
\unfoldRepeats 3.5.6 MIDI で繰り返しを用いる
\unfoldRepeats A.17 音楽関数の一覧
\unHideNotes 隠された音符
\unless A.11.5 Conditional markup
\unset 5.3.2 \set コマンド
\upbow アーティキュレーションと装飾
\upbow ボーイング指示
\upbow フェルマータ スクリプト
\upmordent アーティキュレーションと装飾
\upmordent アーティキュレーション スクリプト
\upprall アーティキュレーションと装飾
\upprall アーティキュレーション スクリプト
\upright A.11.1 Font markup

V
\varcoda アーティキュレーションと装飾
\varcoda A.11.4 Markup for music and musical symbols
\varcoda 楽器に固有のスクリプト
VaticanaStaff 新たに譜をインスタンス化する
VaticanaStaff グレゴリオ聖歌のコンテキスト
VaticanaVoice グレゴリオ聖歌のコンテキスト
\vcenter A.11.2 Markup for text alignment
\verbatim-file A.11.8 Other markup commands
\version 3.1.5 ファイル構造
\versus グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\versus A.17 音楽関数の一覧
VerticalAxisGroup システム内部のスペース プロパティ
\verylongfermata アーティキュレーションと装飾
\verylongfermata 装飾音スクリプト
\veryshortfermata アーティキュレーションと装飾
\veryshortfermata 装飾音スクリプト
\virga グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\virga グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\virgula ディビジオ
voice 自動臨時記号
voice 自動臨時記号
Voice 単一譜の多声
\voiceFour 単一譜の多声
\voiceFourStyle ボイス スタイル
\voiceNeutralStyle ボイス スタイル
\voiceOne 単一譜の多声
\voiceOneStyle ボイス スタイル
\voices 単一譜の多声
\voices A.17 音楽関数の一覧
\voiceThree 単一譜の多声
\voiceThreeStyle ボイス スタイル
\voiceTwo 単一譜の多声
\voiceTwoStyle ボイス スタイル
\void 3.6.1 LilyPond 記譜法を表示する
\void A.17 音楽関数の一覧
\volta A.17 音楽関数の一覧
\volta-number A.11.1 Font markup
Volta_engraver 通常の繰り返し
\vshape A.17 音楽関数の一覧
\vspace A.11.2 Markup for text alignment

W
\walkerHeads シェイプ ノートの符頭
\walkerHeadsMinor シェイプ ノートの符頭
whichBar 小節線
\whiteout A.11.8 Other markup commands
\whiteTriangleMarkup コード ネームをカスタマイズする
\with 5.1.4 コンテキストのプラグインを変更する
\with 指定したコンテキストだけを変更する
\with-color オブジェクトに色を付ける
\with-color A.11.8 Other markup commands
\with-dimension A.11.8 Other markup commands
\with-dimension-from A.11.8 Other markup commands
\with-dimensions A.11.8 Other markup commands
\with-dimensions-from A.11.8 Other markup commands
\with-link A.11.8 Other markup commands
\with-outline A.11.8 Other markup commands
\with-string-transformer A.11.1 Font markup
\with-true-dimension A.11.8 Other markup commands
\with-true-dimensions A.11.8 Other markup commands
\with-url A.11.3 Graphical markup
\withMusicProperty A.17 音楽関数の一覧
\withRelativeDir A.17 音楽関数の一覧
\woodwind-diagram A.11.6 Instrument-specific markup
\wordwrap テキスト揃え
\wordwrap A.11.2 Markup for text alignment
\wordwrap-field A.11.2 Markup for text alignment
\wordwrap-lines 複数ページにわたるマークアップ
\wordwrap-lines A.12 \markuplist コマンドの一覧
\wordwrap-string A.11.2 Markup for text alignment

X
X-offset システム内部のスペース プロパティ
x11-color オブジェクトに色を付ける
x11-color オブジェクトに色を付ける
\xNote 特殊な符頭
\xNote A.17 音楽関数の一覧
\xNotesOff 特殊な符頭
\xNotesOn 特殊な符頭

Jump to:   !   "   %   '   (   )   ,   -   .   /   :   <   =   >   ?   [   ]   ^   _   |   ~  
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Appendix E LilyPond インデックス

すべての LilyPond コマンドとキーワードに加えて、このインデックスは、それらに関連する音楽用語や単語をリストアップしていて、そのトピックスについて説明しているマニュアルのセクションへのリンクがあります。各リンクは 2 つのパートに分かれています。最初のパートは、マニュアルの中でトピックスが出現する場所へのリンクです。2 番目のパートは、マニュアルの中でトピックスが出現するセクションの先頭へのリンクです。

Jump to:   !   "   #   %   '   (   )   ,   -   .   /   1   8   :   <   =   >   ?   [   ]   ^   _   |   ~  
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Index Entry  Section

!
! 臨時記号
\! 強弱記号

"
"|" 小節と小節番号のチェック

#
#f (false) A.19 定義された型述語
#t (true) A.19 定義された型述語

%
% 3.1.1 スコアの構造
% 3.1.5 ファイル構造
%{ … %} 3.1.1 スコアの構造
%{ … %} 3.1.5 ファイル構造

'
' 絶対オクターブ入力

(
( スラー
\( フレージング スラー

)
) スラー
\) フレージング スラー

,
, 絶対オクターブ入力

-
- アーティキュレーションと装飾
-! A.14 アーティキュレーションの一覧
-+ フェルマータ スクリプト
-- A.14 アーティキュレーションの一覧
-. A.14 アーティキュレーションの一覧
-> A.14 アーティキュレーションの一覧
-^ A.14 アーティキュレーションの一覧
-_ A.14 アーティキュレーションの一覧

.
. 演奏時間

/
/ 和音の拡張と変形
/+ 和音の拡張と変形

1
15ma オッターバ囲み
15mb オッターバ囲み

8
8va オッターバ囲み
8vb オッターバ囲み

:
: トレモロの繰り返し

<
<...> 和音の音符
<> 和音の音符
<> 譜を手動で変更する
< 和音の音符
\< 強弱記号

=
\= スラー
\= A.17 音楽関数の一覧
= オクターブ チェック

>
> 和音の音符
\> 強弱記号

?
? 臨時記号

[
[ 手動連桁
\[ リガトゥーラ

]
] 手動連桁
\] リガトゥーラ

^
^ 和音の拡張と変形

_
_ 複数の歌詞音節を 1 つの音符に割り当てる

|
| 小節と小節番号のチェック
| 小節と小節番号のチェック

~
~ タイ

A
a due part (二重奏パート) 自動パート結合
\abs-fontsize フォントとフォント サイズを選択する
\abs-fontsize A.11.1 Font markup
\abs-hspace A.11.2 Markup for text alignment
\abs-vspace A.11.2 Markup for text alignment
\absolute A.17 音楽関数の一覧
absolute (絶対) 絶対オクターブ入力
absolute dynamics (絶対強弱記号) 強弱記号
absolute octave entry (絶対オクターブ入力) 絶対オクターブ入力
absolute octave specification (絶対オクターブ指定) 絶対オクターブ入力
\accent アーティキュレーションと装飾
\accent A.14 アーティキュレーションの一覧
accent (アクセント) アーティキュレーションと装飾
\accentus グレゴリオ聖歌のアーティキュレーション
\accentus 繰り返し記号のスクリプト
\accepts 5.1.6 新しいコンテキストを定義する
\accepts 5.1.6 新しいコンテキストを定義する
\accepts 5.1.7 コンテキストの配置順序
\acciaccatura 装飾小音符
\acciaccatura A.17 音楽関数の一覧
acciaccatura (アッチャカトゥーラ) 装飾小音符
acciaccatura, multi-note (複数音符のアッチャカトゥーラ) 装飾小音符
\accidental A.11.4 Markup for music and musical symbols
accidental (臨時記号) 臨時記号
accidental (臨時記号) 自動臨時記号
accidental style (臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental style, choral (choral 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental style, choral-cautionary (choral-cautionary 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental style, default (default 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental style, default (デフォルトの臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental style, dodecaphonic (dodecaphonic 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental style, dodecaphonic-first (dodecaphonic-first 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental style, dodecaphonic-no-repeat (dodecaphonic-no-repeat 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental style, forget (forget 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental style, modern (modern 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental style, modern (modern 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental style, modern-cautionary (modern-cautionary 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental style, modern-cautionary (modern-cautionary 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental style, modern-voice-cautionary (modern-voice-cautionary 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental style, neo-modern (neo-modern 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental style, neo-modern-cautionary (neo-modern-cautionary 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental style, neo-modern-voice (neo-modern-voice 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental style, neo-modern-voice-cautionary (neo-modern-voice-cautionary 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental style, no-reset (no-reset 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental style, piano (piano 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental style, piano-cautionary (piano-cautionary 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental style, teaching (teaching 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental style, voice (voice 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental, and simultaneous notes (臨時記号と同時発生する音符) 自動臨時記号
accidental, automatic (自動臨時記号) 自動臨時記号
accidental, cautionary (忠告の臨時記号) 臨時記号
accidental, Gregorian (グレゴリオ聖歌の臨時記号) グレゴリオ聖歌の臨時記号と調号
accidental, hiding, on tied notes at start of system (システムの先頭にあるタイで繋がれた音符の臨時記号を隠す) 臨時記号
accidental, in cadenzas (カデンツァでの臨時記号) 無韻律の音楽
accidental, in chords (和音の中の臨時記号) 自動臨時記号
accidental, in unmetered music (無韻律の音楽での臨時記号) 無韻律の音楽
accidental, Kievan (キエフ記譜法の臨時記号) キエフ記譜法の臨時記号
accidental, mensural (計量記譜法の臨時記号) 計量記譜法の臨時記号と調号
accidental, modern style (modern 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
accidental, multi-voice (多声の臨時記号) 自動臨時記号
accidental, musica ficta (ムジカ・フィクタ 臨時記号) 注釈的な臨時記号 (ムジカ・フィクタ)
accidental, on tied note (タイで結ばれた音符への臨時記号) 臨時記号
accidental, parenthesized (括弧に囲まれた臨時記号) 臨時記号
accidental, quarter-tone (4 分音臨時記号) 臨時記号
accidental, reminder (親切の臨時記号) 臨時記号
\accidentalStyle 自動臨時記号
\accidentalStyle A.17 音楽関数の一覧
AccidentalSuggestion アーティキュレーションと装飾
accordion (アコーディオン) 2.2.3 アコーディオン
accordion discant symbol (アコーディオンのディスカント記号) ディスカント記号
accordion register symbol (アコーディオンのレジスター記号) ディスカント記号
accordion shift symbol (アコーディオン シフト記号) ディスカント記号
acoustic bass (アコースティック バス) 古代音楽のスクリプト
acoustic snare (アコースティック スネア) 古代音楽のスクリプト
add-grace-property 装飾小音符
\addChordShape あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
\addChordShape A.17 音楽関数の一覧
adding custom fret diagram (カスタム フレット ダイアグラムを追加する) あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
adding white background, to text A.11.8 Other markup commands
\addInstrumentDefinition A.17 音楽関数の一覧
addition, in chords (和音への音の追加) 和音の拡張と変形
additional voices in polyphonic music (多声での追加のボイス) 衝突の解決
additionalPitchPrefix コード ネームをカスタマイズする
\addlyrics 歌詞を旋律に揃える
\addlyrics 歌詞音節の自動演奏時間
\addlyrics 歌詞音節の自動演奏時間
\addQuote 他のボイスを引用する
\addQuote A.17 音楽関数の一覧
adjusting staff symbol (譜記号を調節する) 5.4.5 譜記号プロパティ
\aeolian 調号
aeolian (エオリアン) 調号
\after A.17 音楽関数の一覧
\afterGrace 装飾小音符
\afterGrace A.17 音楽関数の一覧
afterGraceFraction parser variable (パーサ変数)
agogo (アゴゴ) 古代音楽のスクリプト
Aiken shape note head (Aiken のシェイプ ノートの符頭) シェイプ ノートの符頭
Aiken shape note head, thin variant (細い Aiken のシェイプ ノートの符頭) シェイプ ノートの符頭
\aikenHeads シェイプ ノートの符頭
\aikenHeadsMinor シェイプ ノートの符頭
\aikenThinHeads シェイプ ノートの符頭
\aikenThinHeadsMinor シェイプ ノートの符頭
al niente, hairpin (アル ニエンテのヘアピン) 強弱記号
\alias 5.1.6 新しいコンテキストを定義する
align to object (オブジェクトに揃える) break-alignable-interface を使用する
\align-on-other A.11.2 Markup for text alignment
alignAboveContext オッシア譜
alignAboveContext 5.1.7 コンテキストの配置順序
alignBelowContext オッシア譜
alignBelowContext 歌詞と繰り返し
alignBelowContext 5.1.7 コンテキストの配置順序
aligning markup (マークアップを揃える) テキスト揃え
aligning markup text (マークアップ テキストを揃える) テキスト揃え
aligning text (テキストを揃える) テキスト揃え
aligning to cadenza (カデンツァに揃える) カデンツァに揃える
alignment, bar numbers (小節番号を揃える) 小節番号
alignment, horizontal, lyrics (歌詞の水平揃え) 歌詞の水平方向の配置
alignment, text, commands (テキスト揃えのコマンド) テキスト揃え
alignment, vertical, dynamics (強弱記号の縦方向の位置) 強弱記号
alignment, vertical, text (テキストを垂直方向に揃える) テキスト揃え
alignment, vertical, text scripts (テキスト スクリプトの縦方向の位置) 強弱記号
alist (連想配列) alist (連想配列)
\allowPageTurn 最適ページめくり
\allowPageTurn A.17 音楽関数の一覧
\allowVoltaHook A.17 音楽関数の一覧
alteration, figured bass, position (通奏低音の変化記号の位置) 通奏低音を入力する
\alterBroken \alterBroken を使用する
\alterBroken A.17 音楽関数の一覧
altered chord (和音の変形) 和音の拡張と変形
alternate ending, repeats (繰り返しを入れ替えて終わる) 繰り返しを描き出す
alternate endings (繰り返しの入れ替え部分) 1.4.1 長い繰り返し
alternate fretboard table (他のフレットボード テーブル) あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
alternate repeat (入れ替えのある繰り返し) 繰り返しを描き出す
\alternative 1.4.1 長い繰り返し
alternative code name (コードの別名) コード ネームをカスタマイズする
alternative ending, and lyrics (差し替えのある繰り返しと歌詞) 歌詞と繰り返し
alternative ending, with ties (タイを持つ繰り返しの入れ替え部分) 通常の繰り返し
alternative melody, switching to (代替の旋律に切り替える) リズムが異なる歌詞の節
alternative style of breve notes (二全音符の別のスタイル) 演奏時間
alto clef (アルト音部記号) 音部記号
alto clefa (アルト音部記号) A.10 音部記号のスタイル
alto varC clef (アルト 変形 C 音部記号) A.10 音部記号のスタイル
Amazing Grace bagpipe example (アメージング グレースのバグパイプの例) バグパイプの例
ambitus (音域) 音域
ambitus, line gap (音域の線の隙間) 音域
ambitus, multiple voices (複数ボイスでの音域) 音域
ambitus, per voice (ボイスごとの音域) 音域
\ambitusAfter A.17 音楽関数の一覧
AmbitusLine 音域
anacrusis (弱拍) 上拍
anacrusis, in a repeat (繰り返しの中にある弱拍) 通常の繰り返し
analysis bracket, musicological (音楽学的分析の囲み) 分析の囲み
analysis bracket, with label (ラベル付きの分析の囲み) 分析の囲み
ancient clef (古代音部記号) 音部記号
ancient music clef (古代音楽の音部記号) 計量記譜法の音部記号
ancient music clefs (古代音楽の音部記号) A.10 音部記号のスタイル
angled hairpin (回転したヘアピン) レイアウト オブジェクトを回転させる
annotate-spacing 4.6.1 スペースを表示する
anthem (賛美歌) 2.1.5 合唱
\appendToTag タグを使用する
\appendToTag A.17 音楽関数の一覧
\applyContext 5.1.2 コンテキストを作成して参照する
\applyContext A.17 音楽関数の一覧
\applyMusic A.17 音楽関数の一覧
\applyOutput A.17 音楽関数の一覧
\applySwing スウィング スクリプト
\applySwingWithOffset スウィング スクリプト
\appoggiatura 装飾小音符
\appoggiatura A.17 音楽関数の一覧
appoggiatura (アッポジャトゥーラ) 装飾小音符
Arabic improvisation (アラブ音楽の即興) アラブ音楽での拍子
Arabic key signatures (アラブ音楽での調号) アラブ音楽での調号
Arabic maqam (アラブのマカーム) 記譜法とチューニング システムを拡張する
Arabic music (アラブ音楽) アラブ音楽のためのリファレンス
Arabic music example (アラブ音楽の例) アラブ音楽の例
Arabic music template (アラブ音楽のテンプレート) アラブ音楽の例
Arabic note name (アラブ音楽での音符名) アラブ音楽での音符名
Arabic semi-flat symbol (アラブ音楽での半フラット記号) アラブ音楽での音符名
Arabic time signatures (アラブ音楽での拍子記号) アラブ音楽での拍子
\arabicStringNumbers 弦番号の指示
\arpeggio アルペジオ
arpeggio (アルペジオ) アルペジオ
arpeggio and ties (アルペジオとタイ) タイ
arpeggio bracket, cross-staff (譜を跨ぐアルペジオのブラケット) 譜変更線
arpeggio bracket, marking divided voices (アルペジオ囲みによってボイスの分割を示す) 合唱のための楽譜レイアウト
arpeggio symbol, special (特殊なアルペジオ シンボル) アルペジオ
arpeggio, cross-staff (譜をまたがるアルペジオ) アルペジオ
arpeggio, cross-staff (譜をまたがるアルペジオ) アルペジオ
arpeggio, cross-staff parenthesis-style (譜を跨ぐ括弧スタイルのアルペジオ) アルペジオ
\arpeggioArrowDown アルペジオ
\arpeggioArrowUp アルペジオ
\arpeggioBracket アルペジオ
\arpeggioNormal アルペジオ
\arpeggioParenthesis アルペジオ
\arpeggioParenthesisDashed アルペジオ
\arrow-head マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\arrow-head A.11.3 Graphical markup
\articulate 奏法スクリプト
articulate script (奏法スクリプト) 奏法スクリプト
articulate.ly 奏法スクリプト
articulation (アーティキュレーション) アーティキュレーションと装飾
articulation, default values, modifying (アーティキュレーションのデフォルト値を変更する) アーティキュレーションと装飾
articulation, Gregorian (グレゴリオ聖歌のアーティキュレーション) グレゴリオ聖歌のアーティキュレーション
articulation-event 他のボイスを引用する
artificial harmonics (アーティフィシャル ハーモニクス) ハーモニクス
\ascendens グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\ascendens グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\assertBeamQuant A.17 音楽関数の一覧
\assertBeamSlope A.17 音楽関数の一覧
associatedVoice 歌詞を旋律に揃える
associatedVoice 歌詞音節の自動演奏時間
associatedVoice リズムが異なる歌詞の節
association list (連想配列) alist (連想配列)
\auctum グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\auctum グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
aug 一般的な和音
augmentation dot, change number of (付点の数を変更する) 演奏時間
\augmentum グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\augmentum A.17 音楽関数の一覧
auto-beaming, properties for time signatures (拍子のための自動連桁プロパティ) 拍子
auto-first-page-number ページ番号のための \paper 変数
\auto-footnote A.11.8 Other markup commands
autoBeaming 自動連桁の振る舞いを設定する
autoBeaming 出力定義 - コンテキストの青写真
\autoBeamOff 自動連桁
\autoBeamOff 譜変更線
\autoBeamOn 自動連桁
\autoBreaksOff 4.3.1 改行
\autoBreaksOn 4.3.1 改行
\autoChange 譜を自動で変更する
\autoChange A.17 音楽関数の一覧
\autoChange and relative music (\autoChange と相対モード) 譜を自動で変更する
\autoLineBreaksOff 4.3.1 改行
\autoLineBreaksOn 4.3.1 改行
automatic accidental (自動臨時記号) 自動臨時記号
automatic chord diagram (自動コード ダイアグラム) 自動フレット ダイアグラム
automatic fret diagram (自動フレット ダイアグラム) 自動フレット ダイアグラム
automatic part combining (自動パート結合) 自動パート結合
automatic staff change (譜の自動変更) 譜を自動で変更する
automaticBars 特別な考慮を必要とするもの
\autoPageBreaksOff 手動改ページ
\autoPageBreaksOn 手動改ページ
available fonts, listing (利用可能なフォントをリストアップする) 個々に登録するフォント

B
backslashed digit A.11.8 Other markup commands
\backslashed-digit A.11.8 Other markup commands
bagpipe (バグパイプ) バグパイプの定義
bagpipe example (バグパイプの例) バグパイプの例
balance in MIDI (MIDI でのバランス) 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
balloon (バルーン) バルーン ヘルプ
balloon help (バルーン ヘルプ) バルーン ヘルプ
\balloonGrobText バルーン ヘルプ
\balloonGrobText A.17 音楽関数の一覧
\balloonLengthOff バルーン ヘルプ
\balloonLengthOn バルーン ヘルプ
\balloonText バルーン ヘルプ
\balloonText A.17 音楽関数の一覧
Balloon_engraver バルーン ヘルプ
banjo tablature (バンジョー タブ譜) 2.4 フレットのある弦楽器
banjo tablature (バンジョーのタブ譜) バンジョーのタブ譜
banjo tuning (バンジョーのチューニング) バンジョーのタブ譜
banjo-c-tuning バンジョーのタブ譜
banjo-modal-tuning バンジョーのタブ譜
banjo-open-d-tuning バンジョーのタブ譜
banjo-open-dm-tuning バンジョーのタブ譜
\bar 小節線
\bar 小節線
\bar A.17 音楽関数の一覧
bar check (小節チェック) 小節と小節番号のチェック
bar check, with repeats (小節チェックと繰り返し) 通常の繰り返し
bar line (小節線) 小節線
bar line, avoided by lyrics (歌詞が小節線を避けるようにする) 歌詞の水平方向の配置
bar line, between staves (譜の間の小節線) 譜をグループ化する
bar line, cadenzas (カデンツァでの小節線) 無韻律の音楽
bar line, closing (閉じの小節線) 小節線
bar line, default, changing (デフォルトの小節線を変更する) 小節線
bar line, defining (小節線を定義する) 小節線
bar line, double (2 重小節線) 小節線
bar line, hairpin, stopping at (小節線で終わるヘアピン) 強弱記号
bar line, in ChordNames (ChordNames における小節線) コード ネームをカスタマイズする
bar line, in markup A.11.4 Markup for music and musical symbols
bar line, invisible (不可視の小節線) 小節線
bar line, manual (手動の小節線) 小節線
bar line, suppressing (小節線を消す) 特別な考慮を必要とするもの
bar line, symbols on (小節線上のシンボル) テキスト マーク
bar line, unmetered music (無韻律の音楽での小節線) 無韻律の音楽
bar number (小節番号) 小節番号
bar number (小節番号) 時間管理
bar number check (小節番号チェック) 小節と小節番号のチェック
bar number, alignment (小節番号を揃える) 小節番号
bar number, alternative, in repeat (繰り返しでの異なる小節番号) 通常の繰り返し
bar number, cadenzas (カデンツァでの小節番号) 無韻律の音楽
bar number, collision (小節番号の衝突) 小節番号
bar number, printed at regular intervals (一定間隔で小節番号を表示する) 小節番号
bar number, printed in first measure (最初の小節に小節番号を表示する) 小節番号
bar number, regular spacing 規則的な間隔で小節番号を譜刻する 小節番号
bar number, removal (小節番号を削除する) 小節番号
bar number, style (小節番号のスタイル) 小節番号
bar number, unmetered music (無韻律の音楽での小節番号) 無韻律の音楽
bar number, with letter, in repeat (繰り返しでの小節番号) 通常の繰り返し
\bar-line A.11.4 Markup for music and musical symbols
barCheckSynchronize 小節と小節番号のチェック
baritone clef (バリトン音部記号) 音部記号
baritone varC clef (バリトン 変形C 音部記号) A.10 音部記号のスタイル
baritone varF clef (バリトン 変形 F 音部記号) A.10 音部記号のスタイル
BarNumber 小節番号
\barNumberCheck 小節と小節番号のチェック
\barNumberCheck A.17 音楽関数の一覧
barNumberVisibility 小節番号
barre indication (バレー指示) フレット ダイアグラム マークアップ
bartype 小節線
Bartók pizzicato (バルトーク ピッツィカート) スナップ (バルトーク) ピッツィカート
base-shortest-duration 4.5.1 水平方向のスペースの概要
baseMoment 自動連桁の振る舞いを設定する
baseMoment 自動連桁の振る舞いを設定する
bass (バス) 古代音楽のスクリプト
bass clef (ヘ音記号、バス音部記号) 音部記号
bass clef (低音部記号) A.10 音部記号のスタイル
bass note, for chords (和音に対する低音) 和音の拡張と変形
bass, figured (通奏低音) 通奏低音の導入部
bass, thorough (通奏低音) 通奏低音の導入部
\bassFigureExtendersOff 通奏低音を入力する
\bassFigureExtendersOn 通奏低音を入力する
\bassFigureStaffAlignmentDown 通奏低音を表示する
\bassFigureStaffAlignmentNeutral 通奏低音を表示する
\bassFigureStaffAlignmentUp 通奏低音を表示する
basso continuo (通奏低音) 通奏低音の導入部
\beam A.11.3 Graphical markup
beam, cadenzas (カデンツァでの連桁) 無韻律の音楽
beam, cross-staff (譜を跨ぐ連桁) 譜を手動で変更する
beam, customizing rules (連桁の規則をカスタマイズする) 自動連桁
beam, endings, in a score (楽譜の終わりでの連桁) 自動連桁の振る舞いを設定する
beam, endings, with multiple voices (複数のボイスの終わりでの連桁) 自動連桁の振る舞いを設定する
beam, feathered (羽状の連桁) 羽状の連桁
beam, horizontal (水平な連桁) デフォルトのタブ譜
beam, in tablature (タブ譜内の連桁) デフォルトのタブ譜
beam, line breaks (連桁と改行) 自動連桁
beam, line breaks (連桁と改行) 自動連桁
beam, manual (手動連桁) 自動連桁
beam, manual (手動連桁) 手動連桁
beam, nibs (はみ出す連桁) 手動連桁
beam, \partCombine with \autoBeamOff (連桁と \autoBeamOff を伴う \partCombine) 自動連桁
beam, subdividing (連桁をサブ グループ化する) 自動連桁の振る舞いを設定する
beam, unmetered music (無韻律の音楽での連桁) 無韻律の音楽
beam, with knee gap (向きの変わる連桁) 自動連桁
beam, with knee gap, changing (向きの変わる連桁を変更する) 自動連桁
beam, with lyrics (連桁と歌詞) 自動連桁の振る舞いを設定する
beam, with melisma (メリスマの連桁) 自動連桁
beam, with polymetric meters (多拍子での連桁) 多拍子記譜法
beamed tuplet, line break within (連桁で繋がれた連符の途中で改行する) 連符
\beamExceptions 自動連桁の振る舞いを設定する
\beamExceptions A.17 音楽関数の一覧
beaming, strict-beat (拍に厳密な連桁) 自動連桁の振る舞いを設定する
beaming, time signature default properties (連桁と拍子のデフォルト プロパティ) 拍子
beamlet, orientation (16 分音符以下の連桁の向き) 自動連桁の振る舞いを設定する
beat, grouping (拍をグループ化する) 自動連桁の振る舞いを設定する
beats per minute (1 分毎の拍数) メトロノーム記号
beatStructure 自動連桁の振る舞いを設定する
beatStructure 自動連桁の振る舞いを設定する
beginners’ music (初心者のための楽譜) 演奏を容易にする記譜法の符頭
\bendAfter Fall と Doit
\bendAfter A.17 音楽関数の一覧
\bendHold A.17 音楽関数の一覧
\bendStartLevel A.17 音楽関数の一覧
binding gutter 両面モードのための \paper 変数
binding-offset 両面モードのための \paper 変数
bisbigliando (ビズビッリャンド) ハープのためのリファレンス
Bison parser (構文解析器、パーサ)
blackmensural clef (計量記譜法の音部記号, 黒) 計量記譜法の音部記号
blackmensural clef (黒色計量記譜法の音部記号) A.10 音部記号のスタイル
\blackTriangleMarkup コード ネームをカスタマイズする
blank-after-score-page-penalty 改ページのための \paper 変数
blank-last-page-penalty 改ページのための \paper 変数
blank-page-penalty 改ページのための \paper 変数
block comment (ブロック コメント) 3.1.1 スコアの構造
block comment (ブロック コメント) 3.1.5 ファイル構造
BNF parser (構文解析器、パーサ)
\bold フォントとフォント サイズを選択する
\bold A.11.1 Font markup
bongo (ボンゴ) 古代音楽のスクリプト
\book 3.1.2 ブックの中にある複数のスコア
\book 3.1.2 ブックの中にある複数のスコア
\book 3.1.5 ファイル構造
\bookOutputName 3.1.4 出力ファイル名
\bookOutputName A.17 音楽関数の一覧
\bookOutputSuffix 3.1.4 出力ファイル名
\bookOutputSuffix A.17 音楽関数の一覧
\bookpart 3.1.2 ブックの中にある複数のスコア
\bookpart 3.1.5 ファイル構造
\bookpart 手動改ページ
bookTitleMarkup タイトルのカスタム レイアウト
bottom-margin 4.1.3 固定された垂直方向の \paper スペース変数
bounding box (バウンディング ボックス) 5.4.4 寸法
bounding box, of glyph A.11.8 Other markup commands
bowing indication (ボーイング指示) ボーイング指示
\box マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\box A.11.1 Font markup
brace, at start of single staff (1 つの譜の先頭にある括弧) 譜をグループ化する
brace, in markup A.11.8 Other markup commands
brace, nesting of (波括弧をネストする) ネストされた譜グループ
brace, various sizes (さまざまなサイズの波括弧) フォントの説明
brace, vertical (垂直の波括弧) 譜をグループ化する
\bracket 新たな強弱記号
\bracket A.11.3 Graphical markup
bracket (囲み) 括弧
bracket (囲み、角括弧) 分析の囲み
bracket, angle (山括弧) 和音の音符
bracket, at start of single staff (1 つの譜の先頭にある括弧) 譜をグループ化する
bracket, cross-staff (譜を跨ぐブラケット) 譜変更線
bracket, horizontal (水平の囲み) 分析の囲み
bracket, nesting of (角括弧をネストする) ネストされた譜グループ
bracket, phrasing (フレーズの囲み) 分析の囲み
bracket, phrasing, with label (ラベル付きのフレーズの囲み) 分析の囲み
bracket, square, at start of staff group (譜グループの先頭の角括弧) 譜をグループ化する
bracket, vertical (垂直の角括弧) 譜をグループ化する
bracket, vertical, marking divided voices (縦方向の囲みによってボイスの分割を示す) 合唱のための楽譜レイアウト
bracket, volta (volta 囲み) 手動の繰り返し記号
bracket ピアノ ペダル
\bracket マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\break 4.3.1 改行
break in unmetered music (無韻律の音楽での改行、改ページ) 無韻律の音楽
break-align-symbols break-alignable-interface を使用する
break-visibility break-visibility を用いる
breakable 自動連桁
breakable glissando (改行可能なグリッサンド) グリッサンド
breakbefore ブック パートとスコアのタイトルのデフォルト レイアウト
breaking lines (改行する) 4.3.1 改行
breaking pages (改ページ) 4.5.4 行の幅
breath mark (ブレス記号) ブレス記号
breath mark symbol, changing (ブレス記号を変更する) ブレス記号
\breathe ブレス記号
\breathe A.17 音楽関数の一覧
BreathingSign ブレス記号
\breve 演奏時間
\breve 休符
breve note, alternative style (二全音符の別のスタイル) 演奏時間
breve rest (二全休符) 休符
broken chord (変則和音) アルペジオ
broken spanner, modifying (改行するスパナを変更する) \alterBroken を使用する
Bézier curve, control points (ベジエ曲線の制御ポイント) タイとスラーの形状を変更する

C
C clef (C 音部記号) 音部記号
C clef (C 音部記号) A.10 音部記号のスタイル
cabasa (カバサ) 古代音楽のスクリプト
cadenza (カデンツァ) 無韻律の音楽
cadenza (カデンツァ) カデンツァに揃える
cadenza, accidentals (カデンツァでの臨時記号) 無韻律の音楽
cadenza, aligning to (カデンツァに揃える) カデンツァに揃える
cadenza, bar lines (カデンツァでの小節線) 無韻律の音楽
cadenza, bar numbers (カデンツァでの小節番号) 無韻律の音楽
cadenza, beams (カデンツァでの連桁) 無韻律の音楽
cadenza, line breaks (カデンツァでの改行) 無韻律の音楽
cadenza, page breaks (カデンツァでの改ページ) 無韻律の音楽
\cadenzaOff 無韻律の音楽
\cadenzaOn 無韻律の音楽
\caesura ディビジオ
\caesura A.17 音楽関数の一覧
caesura (カエスーラ) ブレス記号
callback (コールバック) callback (コールバック)
canticle (雅歌) 2.1.7 聖歌と賛美歌
canticle (雅歌) 聖歌を設定する
capo (カポ) フレット ダイアグラム マークアップ
\caps A.11.1 Font markup
cautionary accidental (忠告の臨時記号) 臨時記号
\cavum グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\cavum グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\center-align テキスト揃え
\center-align A.11.2 Markup for text alignment
\center-column テキスト揃え
\center-column A.11.2 Markup for text alignment
centered dynamics in piano music (ピアノ譜で強弱記号を中央に配置する) キーボードのためのリファレンス
centering column of text A.11.2 Markup for text alignment
centering text on page (テキストをページの中央に揃える) テキスト揃え
\change 譜を手動で変更する
change number of augmentation dots (付点の数を変更する) 演奏時間
change tempo without metronome mark (メトロノーム記号を表示しないテンポ変化) メトロノーム記号
change tuplet number (連符の数の変更) 連符
changing breath mark symbol (ブレス記号を変更する) ブレス記号
changing chord separator (コード ネームの区切り記号を変更する) コード ネームをカスタマイズする
changing direction of text column A.11.2 Markup for text alignment
changing font (フォントを変更する) フォントとフォント サイズを選択する
changing instrument name (楽器名を変更する) 楽器名
changing property (プロパティを変更する) 5.3.2 \set コマンド
changing staff automatically (譜を自動で変更する) 譜を自動で変更する
changing staff manually (譜を手動で変更する) 譜を手動で変更する
chant (詠唱) 2.1.7 聖歌と賛美歌
chant (詠唱) 聖歌を設定する
\char A.11.8 Other markup commands
character name (役名) 役名
chart, fingering (運指表) 運指
check-consistency 幅とマージンの \paper 変数
chinese cymbal (チャイニーズ シンバル) 古代音楽のスクリプト
choir staff (合唱譜) 譜をグループ化する
choral 自動臨時記号
choral accidental style (choral 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
choral tenor clef (合唱譜のテナー音部記号) 音部記号
choral-cautionary 自動臨時記号
choral-cautionary accidental style (choral-cautionary 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
chord (コード, 和音) コード ネームを譜刻する
chord (和音) 和音の音符
chord (和音) 2.7.1 和音モード
chord diagram (コード ダイアグラム) フレット ダイアグラム マークアップ
chord diagram (コード ダイアグラム) あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
chord diagram, automatic (自動コード ダイアグラム) 自動フレット ダイアグラム
chord inversion (和音の転回) 和音の転回と特殊なボイシング
chord mode (和音モード) 和音モードの概要
chord name (コード ネーム) 和音モードの概要
chord name (コード ネーム) コード ネームを譜刻する
chord name, with fret diagrams あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
chord names, exceptions (コード ネームの例外) コード ネームをカスタマイズする
chord quality (コード クオリティー) 一般的な和音
chord separator, changing (コード ネームの区切り記号を変更する) コード ネームをカスタマイズする
chord shape, for fretted instrument (フレットのある楽器のコード シェイプ) あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
chord step, altering (和音の音を変化させる) 和音の拡張と変形
chord voicing (和音のボイシング) 和音の転回と特殊なボイシング
chord, accidentals in (和音の中の臨時記号) 自動臨時記号
chord, alternative name (コードの別名) コード ネームをカスタマイズする
chord, and relative octave entry (和音と相対オクターブ入力) 相対オクターブ入力
chord, and tie (和音とタイ) タイ
chord, broken (変則和音) アルペジオ
chord, cross-staff (譜を跨ぐ和音) 譜変更線
chord, empty (空の和音) 装飾小音符
chord, empty (空の和音) 和音の音符
chord, empty (空の和音) 譜を手動で変更する
chord, fingering (和音の運指法) 運指の指示
chord, glissando, in tablatures (タブ譜内の和音のグリッサンド) デフォルトのタブ譜
chord, jazz (ジャズ コード) コード ネームをカスタマイズする
chord, major 7, layout (長七和音のレイアウト) コード ネームをカスタマイズする
chord, modifying one note in (和音の中にある音符の 1 つを変更する) 5.3.4 \tweak コマンド
chord, power (パワー コード) パワー コードの指示
chord, relative pitch (相対ピッチと和音) 和音の音符
chord, repetition (和音の繰り返し) 和音の繰り返し
chord, repetition (和音の繰り返し) デフォルトのタブ譜
chord, rotating (和音の転回) 和音の転回と特殊なボイシング
chord, splitting across staves with \autoChange (\autoChange で譜を跨ぐ和音) 譜を自動で変更する
chord, suppressing repeated (和音の繰り返しを抑制する) コード ネームを譜刻する
chord, suppressing repeated (繰り返しの和音を抑制する) あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
chordChanges あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
chordChanges コード ネームを譜刻する
\chordmode 相対オクターブ入力
\chordmode 移調
\chordmode あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
\chordmode 5.4.1 入力モード
chordNameExceptions コード ネームをカスタマイズする
chordNameExceptions コード ネームをカスタマイズする
chordNameLowercaseMinor コード ネームをカスタマイズする
ChordNames あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
ChordNames, with bar lines (ChordNames における小節線) コード ネームをカスタマイズする
chordNameSeparator コード ネームをカスタマイズする
chordNameSeparator コード ネームをカスタマイズする
chordNoteNamer コード ネームをカスタマイズする
chordPrefixSpacer コード ネームをカスタマイズする
\chordRepeats デフォルトのタブ譜
\chordRepeats A.17 音楽関数の一覧
chordRootNamer コード ネームをカスタマイズする
\chords コード ネームを譜刻する
\chords 5.4.1 入力モード
chords, volta repeat, below (和音の下にある volta 繰り返し) コード ネームをカスタマイズする
chorus level in MIDI (MIDI でのコーラス) 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
Christian Harmony note head (Christian Harmony の符頭) シェイプ ノートの符頭
church mode (チャーチ モード) 調号
church rest (教会音楽の休符) 空の小節を圧縮する
\circle マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\circle A.11.3 Graphical markup
circling text A.11.3 Graphical markup
\circulus グレゴリオ聖歌のアーティキュレーション
\circulus 繰り返し記号のスクリプト
claves (クラベス) 古代音楽のスクリプト
\clef 音部記号
\clef A.17 音楽関数の一覧
clef (音部記号) 臨時記号
clef (音部記号) 音部記号
clef (音部記号) グレゴリオ聖歌の音部記号
clef (音部記号) キエフ記譜法の音部記号
clef styles (音部記号のスタイル) 計量記譜法の音部記号
clef styles (音部記号のスタイル) A.10 音部記号のスタイル
clef, alto (アルト音部記号) 音部記号
clef, alto (アルト音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, alto varC (アルト 変形 C 音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, ancient (古代音部記号) 音部記号
clef, ancient music (古代音楽の音部記号) 計量記譜法の音部記号
clef, ancient music (古代音楽の音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, baritone (バリトン音部記号) 音部記号
clef, baritone varC (バリトン 変形 C 音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, baritone varF (バリトン 変形 F 音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, bass (ヘ音記号、バス音部記号) 音部記号
clef, bass (低音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, blackmensural (計量記譜法の音部記号, 黒) 計量記譜法の音部記号
clef, blackmensural (黒色計量記譜法の音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, C (C 音部記号) 音部記号
clef, C (C 音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, F (F 音部記号) 音部記号
clef, F (F 音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, french (フレンチ (バイオリン) 音部記号) 音部記号
clef, french (フレンチ (バイオリン) 音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, G (G 音部記号) 音部記号
clef, G (G 音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, G2 (G2 音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, GG (GG 音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, Kievan (キエフ記譜法の音部記号) 計量記譜法の音部記号
clef, Kievan (キエフ記譜法の音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, mensural (計量記譜法の音部記号) 計量記譜法の音部記号
clef, mensural (計量記譜法の音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, mezzosoprano (メゾソプラノ音部記号) 音部記号
clef, mezzosoprano (メゾソプラノ音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, moderntab (現代タブ譜の音部記号) カスタム タブ譜
clef, percussion (打楽器の音部記号) 基本的な打楽器の記譜法
clef, percussion (打楽器の音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, Petrucci (Petrucci の音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, Petrucci (Petrucci スタイルの音部記号) 計量記譜法の音部記号
clef, soprano (ソプラノ音部記号) 音部記号
clef, soprano (ソプラノ音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, subbass (低バス音部記号) 音部記号
clef, subbass (低バス音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, tab (タブ譜の音部記号) カスタム タブ譜
clef, tab (タブ譜の音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, tenor (テノール音部記号) 音部記号
clef, tenor (テノール音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, tenor G (テノール G 音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, tenor varC (テノール 変形 C 音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, transposing (音部を移調する) 音部記号
clef, treble (高音部記号) 音部記号
clef, treble (高音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, tweaking properties (音部記号のプロパティを変更する) 音部記号
clef, varbaritone (変形バリトン音部記号) 音部記号
clef, varbaritone (変形バリトン音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, varC (変形 C 音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, violin (バイオリン音部記号) 音部記号
clef, violin (バイオリン音部記号) A.10 音部記号のスタイル
clef, visibility following explicit change (明示的な変更の後の音部記号の可視性) 特別な考慮を必要とするもの
clef, visibility of transposition (オクターブ移調付きの音部記号の可視性) 特別な考慮を必要とするもの
clef, with cue notes (合図音符の音部記号) 音部記号
clip-regions 3.4 出力を制御する
closing bar line (閉じの小節線) 小節線
closure (クロージャ) closure (クロージャ)
cluster (クラスタ) クラスタ
\cm 5.4.3 距離と距離の単位
\coda アーティキュレーションと装飾
\coda A.11.4 Markup for music and musical symbols
\coda 楽器に固有のスクリプト
coda (コーダ) リハーサル記号
coda sign (コーダ記号) アーティキュレーションと装飾
coda sign, on bar line (小節線上のコーダ記号) テキスト マーク
coda sign, variant (変形コーダ記号) アーティキュレーションと装飾
\codaMark A.17 音楽関数の一覧
collision (衝突) 衝突の解決
collision, bar number (小節番号の衝突) 小節番号
collision, cross-staff voices (譜を跨ぐボイスによる衝突) 譜を手動で変更する
collision, ignoring (衝突を無視する) 同時進行表記
collision, ignoring (衝突を無視する) 衝突の解決
color オブジェクトに色を付ける
color (色) オブジェクトに色を付ける
color in chord (和音の中で色を付ける) オブジェクトに色を付ける
color, list of (色の一覧) A.7 色の一覧
color, rgb (RGB カラー) オブジェクトに色を付ける
colored note (色付きの音符) オブジェクトに色を付ける
colored note in chord (和音の中にある色付きの音符) オブジェクトに色を付ける
colored object (色付きのオブジェクト) オブジェクトに色を付ける
coloring note (音符に色を付ける) オブジェクトに色を付ける
coloring object (オブジェクトに色を付ける) オブジェクトに色を付ける
coloring object (オブジェクトに色を付ける) オブジェクトを白で描く
coloring text A.11.8 Other markup commands
coloring voice (ボイスに色を付ける) ボイス スタイル
\column テキスト揃え
\column A.11.2 Markup for text alignment
column, text (テキストの段) 独立したテキスト
column, text (テキストの段) テキスト揃え
\column-lines A.12 \markuplist コマンドの一覧
\combine マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\combine A.11.2 Markup for text alignment
combining parts (パート結合) 自動パート結合
combining parts, changing text (パート結合のテキストを変更する) 自動パート結合
comma interval (コンマ音程) トルコの伝統音楽のためのリファレンス
comment (コメント) 3.1.1 スコアの構造
comment (コメント) 3.1.5 ファイル構造
common-shortest-duration 4.5.1 水平方向のスペースの概要
Completion_heads_engraver 自動音符分割
Completion_rest_engraver 自動音符分割
compound time signature (複合拍子記号) 多拍子記譜法
\compound-meter A.11.4 Markup for music and musical symbols
\compoundMeter 多拍子記譜法
\compoundMeter A.17 音楽関数の一覧
\compressEmptyMeasures 空の小節を圧縮する
compressing music (音楽を圧縮する) 演奏時間を変更する
\compressMMRests 小節単位の休符
\compressMMRests 小節単位の休符
\compressMMRests 空の小節を圧縮する
\compressMMRests A.17 音楽関数の一覧
\concat A.11.2 Markup for text alignment
concatenating text A.11.2 Markup for text alignment
condensing rests (休符をまとめる) 小節単位の休符
conducting signs (指揮記号) 自動連桁の振る舞いを設定する
conga (コンガ) 古代音楽のスクリプト
\consists 5.1.4 コンテキストのプラグインを変更する
\consists 5.1.6 新しいコンテキストを定義する
constante hairpin (広がらないヘアピン) 強弱記号
contemporary glissando (現代のグリッサンド) グリッサンド
\context 5.1.2 コンテキストを作成して参照する
\context 同じタイプの全コンテキストを変更する
context definitions with MIDI (MIDI のコンテキスト定義) MIDI ブロック プロパティを設定する
\context in \layout block (\layout ブロックの中の \context) 同じタイプの全コンテキストを変更する
context property, changing default (デフォルトのコンテキスト プロパティを変更する) 5.1.5 コンテキストのデフォルト設定を変更する
context, creating and referencing (コンテキストを作成して参照する) 5.1.2 コンテキストを作成して参照する
context, defining new (新しいコンテキストを定義する) 5.1.6 新しいコンテキストを定義する
context, implicit (暗黙的なコンテキスト) 5.1.7 コンテキストの配置順序
context, keeping alive (コンテキストを残しておく) 5.1.3 コンテキストを残しておく
context, layout order (コンテキストの配置順序) 5.1.7 コンテキストの配置順序
context, lifetime (コンテキストのライフタイム) 5.1.3 コンテキストを残しておく
context-spec-music 衝突の解決
control pitch (ピッチの制御) オクターブ チェック
control point, Bézier curve (ベジエ曲線の制御ポイント) タイとスラーの形状を変更する
control point, tweaking (制御点を調整する) 5.3.4 \tweak コマンド
controlling general text alignment A.11.2 Markup for text alignment
controlpitch オクターブ チェック
copyright sign (著作権記号) Unicode
count visibility of percent repeats (パーセント繰り返しのカウンタの可視性) パーセント繰り返し
counter, percent repeat (パーセント繰り返しのカウンタ) パーセント繰り返し
countPercentRepeats パーセント繰り返し
cowbell (カウベル) 古代音楽のスクリプト
\cr 強弱記号
crash cymbal (クラッシュ シンバル) 古代音楽のスクリプト
creating a table A.12 \markuplist コマンドの一覧
creating empty text object A.11.8 Other markup commands
creating horizontal space, in text A.11.2 Markup for text alignment
creating horizontal space, in text A.11.2 Markup for text alignment
creating text fraction A.11.8 Other markup commands
creating vertical space, in text A.11.2 Markup for text alignment
creating vertical space, in text A.11.2 Markup for text alignment
creating vertical space, in text A.11.8 Other markup commands
\cresc 強弱記号
crescendo (クレッシェンド) 強弱記号
crescendo-event 他のボイスを引用する
crescendoSpanner 強弱記号
crescendoText 強弱記号
\crescHairpin 強弱記号
\crescTextCresc 強弱記号
cross 特殊な符頭
cross note head (×の符頭) 特殊な符頭
cross-staff arpeggio (譜をまたがるアルペジオ) アルペジオ
cross-staff arpeggio (譜をまたがるアルペジオ) アルペジオ
cross-staff arpeggio bracket (譜を跨ぐアルペジオのブラケット) 譜変更線
cross-staff beam (譜を跨ぐ連桁) 譜を手動で変更する
cross-staff chord (譜を跨ぐ和音) 譜変更線
cross-staff collision (譜を跨ぐボイスによる衝突) 譜を手動で変更する
cross-staff line (譜跨ぎ線) 譜変更線
cross-staff note (譜を跨ぐ音符) 譜を手動で変更する
cross-staff note (譜を跨ぐ音符) 譜変更線
cross-staff parenthesis-style arpeggio (譜を跨ぐ括弧スタイルのアルペジオ) アルペジオ
cross-staff stem (譜を跨ぐ符幹) 譜変更線
cross-staff tremolo (譜を跨ぐトレモロ) トレモロの繰り返し
\crossStaff 譜変更線
\crossStaff A.17 音楽関数の一覧
cue clef (合図音符の音部記号) 音部記号
cue note (合図音符) 合図音符をフォーマットする
cue note (演奏指示音符) 他のボイスを引用する
cue note, formatting (合図音符をフォーマットする) 合図音符をフォーマットする
cue note, removing (合図音符を削除する) 合図音符をフォーマットする
cue, in vocal score (歌曲における合図) 合図
cue, musical (合図) 合図
\cueClef 合図音符をフォーマットする
\cueClef A.17 音楽関数の一覧
\cueClefUnset 合図音符をフォーマットする
\cueClefUnset A.17 音楽関数の一覧
\cueDuring 合図音符をフォーマットする
\cueDuring A.17 音楽関数の一覧
\cueDuringWithClef 合図音符をフォーマットする
\cueDuringWithClef A.17 音楽関数の一覧
CueVoice 合図音符をフォーマットする
cuica (クイーカ) 古代音楽のスクリプト
currentBarNumber 小節番号
currentBarNumber 時間管理
custodes (クストス) クストス
custom fret diagram (カスタム フレット ダイアグラム) フレット ダイアグラム マークアップ
custom fret diagram (カスタム フレット ダイアグラム) フレット ダイアグラム マークアップ
custom fret diagram, adding (カスタム フレット ダイアグラムを追加する) あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
custom fretboard fret diagram (カスタム フレットボード フレット ダイアグラム) あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
custom metronome mark markup (メトロノーム記号のカスタム マークアップ) メトロノーム記号
custom rehearsal mark (リハーサル記号のカスタム) リハーサル記号
custom string tuning (カスタム弦チューニング) カスタム タブ譜
customized fret diagram (カスタマイズされたフレット ダイアグラム) フレット ダイアグラム マークアップ
customizing chord names (コード ネームをカスタマイズする) コード ネームをカスタマイズする
\customTabClef A.11.4 Markup for music and musical symbols
custos (クストス) クストス
cymbal, various (さまざまなシンバル) 古代音楽のスクリプト

D
D.S. al Fine (ここで曲の先頭に戻り、Fine で終わる) リハーサル記号
dampened note, on fretted instrument (フレットのある楽器のデッド ノート) ハーモニクスとデッド ノートの指示
dash patterns, slur (スラーの破線パターン) スラー
dash patterns, slur (スラーの破線パターン) スラー
\dashBang アーティキュレーションと装飾
\dashDash アーティキュレーションと装飾
\dashDot アーティキュレーションと装飾
dashed phrasing slur (破線のフレージング スラー) フレージング スラー
dashed slur (破線のスラー) スラー
dashed tie (破線のタイ) タイ
\dashHat アーティキュレーションと装飾
\dashLarger アーティキュレーションと装飾
\dashPlus アーティキュレーションと装飾
\dashUnderscore アーティキュレーションと装飾
dead note, percussion (打楽器での dead note) ゴースト ノート
\deadNote 特殊な符頭
\deadNote A.17 音楽関数の一覧
\deadNotesOff 特殊な符頭
\deadNotesOn 特殊な符頭
decorating text (テキストを飾り付ける) マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\decr 強弱記号
\decresc 強弱記号
decrescendo (デクレッシェンド) 強弱記号
decrescendoSpanner 強弱記号
decrescendoText 強弱記号
default accidental style (default 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
default accidental style (デフォルトの臨時記号スタイル) 自動臨時記号
default bar line, changing (デフォルトの小節線を変更する) 小節線
default context property, changing (デフォルトのコンテキスト プロパティを変更する) 5.1.5 コンテキストのデフォルト設定を変更する
default note duration (デフォルトの音符演奏時間) 演奏時間
default note name (デフォルトの音符名) 臨時記号
default pitch (デフォルトのピッチ) 演奏時間
default, offsetting (デフォルトのオフセット) 5.3.6 \offset コマンド
default-staff-staff-spacing システム内部のスペース プロパティ
default 自動臨時記号
default 自動臨時記号
\default リハーサル記号
\default 音楽表記の中にある脚注
\defaultchild 5.1.7 コンテキストの配置順序
\defaultTimeSignature 拍子
define predefined fretboard (フレットボードを定義する) あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
\defineBarLine 小節線
\defineBarLine A.17 音楽関数の一覧
defining bar line (小節線を定義する) 小節線
delayed turn ornamentation (遅れターン装飾記号) アーティキュレーションと装飾
\deminutum グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\deminutum グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\denies 5.1.6 新しいコンテキストを定義する
\denies 5.1.6 新しいコンテキストを定義する
\denies 5.1.7 コンテキストの配置順序
\descendens グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\descendens グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
diagram, chord for fretted instruments (フレットのある楽器のためのコード ダイアグラム) フレット ダイアグラム マークアップ
diagram, fret (フレット ダイアグラム) フレット ダイアグラム マークアップ
diagram, fret, customized (カスタマイズされたフレット ダイアグラム) フレット ダイアグラム マークアップ
diagram, fret, transposing (フレット ダイアグラムを移調させる) あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
diamond note head (ダイアモンド形の符頭) 特殊な符頭
diamond-shaped note head (ダイアモンド形の符頭) ハーモニクス
dim 一般的な和音
\dim 強弱記号
dimension (寸法) 5.4.4 寸法
dimensions, of bounding box A.11.8 Other markup commands
\dimHairpin 強弱記号
diminuendo (ディミヌエンド) 強弱記号
\dimTextDecr 強弱記号
\dimTextDecresc 強弱記号
\dimTextDim 強弱記号
\dir-column A.11.2 Markup for text alignment
direction, automatic, of stem, on center line (中央の線上にある自動的な符幹の向き) 符幹
direction, default, of stem, on center line (中央の線上にある符幹のデフォルトの向き) 符幹
\discant A.11.7 Accordion registers
discant symbol, accordion (アコーディオンのディスカント記号) ディスカント記号
\displayLilyMusic 3.6.1 LilyPond 記譜法を表示する
\displayLilyMusic A.17 音楽関数の一覧
\displayMusic A.17 音楽関数の一覧
\displayScheme A.17 音楽関数の一覧
distance, absolute (絶対距離) 5.4.3 距離と距離の単位
distance, between staves (譜の間隔) 4.4.1 システム内部の可変な垂直方向のスペース
distance, scaled (相対距離) 5.4.3 距離と距離の単位
divided lyrics (ディヴィージされた歌詞) 歌詞のディヴィージ
divided voices (ボイスの分割) 合唱のための楽譜レイアウト
divisio (ディビジオ) ディビジオ
\divisioMaior ディビジオ
\divisioMaxima ディビジオ
\divisioMinima ディビジオ
divisiones (ディビジオ) ディビジオ
dodecaphonic 自動臨時記号
dodecaphonic accidental style (dodecaphonic 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
dodecaphonic-first 自動臨時記号
dodecaphonic-first accidental style (dodecaphonic-first 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
dodecaphonic-no-repeat 自動臨時記号
dodecaphonic-no-repeat accidental style (dodecaphonic-no-repeat 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
doit Fall と Doit
\dorian 調号
dorian (ドリアン) 調号
\dotsDown 演奏時間
\dotsNeutral 演奏時間
\dotsUp 演奏時間
dotted note (付点音符) 演奏時間
dotted note, change number of dots (付点の数を変更する) 演奏時間
dotted note, moving horizontally (付点付きの音符を水平方向に移動する) 衝突の解決
dotted phrasing slur (点線のフレージング スラー) フレージング スラー
dotted slur (点線のスラー) スラー
dotted tie (点線のタイ) タイ
double bar line (2 重小節線) 小節線
double flat (ダブル フラット) 臨時記号
double sharp (ダブル シャープ) 臨時記号
double slurs, for legato chords (和音のレガートに用いる 2 つのスラー) スラー
double-dotted notes (2 重付点音符) 演奏時間
double-time signatures (2 重拍子) 多拍子記譜法
\doubleflat A.11.4 Markup for music and musical symbols
\doublesharp A.11.4 Markup for music and musical symbols
doubleSlurs スラー
down-bow (ダウン ボー、下弓) アーティキュレーションと装飾
down-bow indication (ダウン ボー指示) ボーイング指示
\downbow アーティキュレーションと装飾
\downbow ボーイング指示
\downbow フェルマータ スクリプト
\downmordent アーティキュレーションと装飾
\downmordent アーティキュレーション スクリプト
\downprall アーティキュレーションと装飾
\downprall アーティキュレーション スクリプト
\draw-circle マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\draw-circle A.11.3 Graphical markup
\draw-dashed-line A.11.3 Graphical markup
\draw-dotted-line A.11.3 Graphical markup
\draw-hline A.11.3 Graphical markup
\draw-line マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\draw-line A.11.3 Graphical markup
\draw-squiggle-line A.11.3 Graphical markup
drawing beam, within text A.11.3 Graphical markup
drawing box, with rounded corners A.11.3 Graphical markup
drawing box, with rounded corners, around text A.11.3 Graphical markup
drawing circle, within text A.11.3 Graphical markup
drawing dashed line, within text A.11.3 Graphical markup
drawing dotted line, within text A.11.3 Graphical markup
drawing ellipse, around text A.11.3 Graphical markup
drawing graphic object (グラフィック オブジェクトを描く) マークアップ内部でのグラフィック記譜法
drawing line, across a page A.11.3 Graphical markup
drawing line, within text A.11.3 Graphical markup
drawing oval, around text A.11.3 Graphical markup
drawing path A.11.3 Graphical markup
drawing polygon A.11.3 Graphical markup
drawing solid box, within text A.11.3 Graphical markup
drawing squiggled line, within text A.11.3 Graphical markup
drawing staff symbol (譜記号を描画する) 5.4.5 譜記号プロパティ
drawing triangle, within text A.11.3 Graphical markup
\dropNote 和音の転回と特殊なボイシング
\dropNote A.17 音楽関数の一覧
drum (ドラム) 基本的な打楽器の記譜法
drum staff (ドラム譜) 新たに譜をインスタンス化する
drum, various (さまざまなドラム) 古代音楽のスクリプト
\drummode 新たに譜をインスタンス化する
\drummode 5.4.1 入力モード
drumPitchNames カスタム打楽器譜
drumPitchTable カスタム打楽器譜
\drums 5.4.1 入力モード
drums (ドラム) 打楽器の譜
DrumStaff 新たに譜をインスタンス化する
drumStyleTable カスタム打楽器譜
duration, default (デフォルトの演奏時間) 演奏時間
duration, isolated (独立した演奏時間) 演奏時間
duration, of notes (音符の演奏時間) 演奏時間
duration, scaling (演奏時間を伸縮する) 演奏時間を変更する
\dwn アラブ音楽での音符名
\dynamic 新たな強弱記号
\dynamic A.11.1 Font markup
dynamic mark, multiple on one note (1 つの音符に複数の強弱記号をつける) 強弱記号
dynamic mark, new (新たな強弱記号) 新たな強弱記号
dynamic-event 他のボイスを引用する
\dynamicDown 強弱記号
DynamicLineSpanner 強弱記号
DynamicLineSpanner 強弱記号
\dynamicNeutral 強弱記号
dynamics (強弱記号) 強弱記号
dynamics in MIDI (MIDI での強弱記号) 3.5.4 MIDI での音の強弱を制御する
dynamics in MIDI, custom (MIDI でのカスタム強弱記号) MIDI での強弱記号
dynamics, absolute (絶対強弱記号) 強弱記号
dynamics, centered in keyboard music (キーボード譜で強弱記号を中央に配置する) キーボードのためのリファレンス
dynamics, editorial (注釈の強弱記号) 新たな強弱記号
dynamics, extender line, hiding (強弱記号の線を隠す) 強弱記号
dynamics, parenthesis (括弧の強弱記号) 新たな強弱記号
dynamics, text spanner, customize (強弱記号のテキスト スパナをカスタマイズする) テキスト スパナ
dynamics, text, style (強弱記号のテキストのスタイル) 強弱記号
dynamics, vertical alignment (強弱記号の縦方向の位置) 強弱記号
dynamics, vertical positioning (強弱記号の垂直方向の位置) 強弱記号
\dynamicUp 強弱記号

E
easy notation (演奏を容易にする記譜法) 演奏を容易にする記譜法の符頭
easy notation, using numbers (演奏を容易にする記譜法で数字を使用する) 演奏を容易にする記譜法の符頭
easy play note head (演奏を容易にする符頭) 演奏を容易にする記譜法の符頭
\easyHeadsOff 演奏を容易にする記譜法の符頭
\easyHeadsOn 演奏を容易にする記譜法の符頭
editorial dynamics (注釈の強弱記号) 新たな強弱記号
effects in MIDI (MIDI でのエフェクト) 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
electric snare (エレクトリック スネア) 古代音楽のスクリプト
\ellipse A.11.3 Graphical markup
embedded graphics (埋め込みグラフィック) マークアップ内部でのグラフィック記譜法
embedding graphic object (グラフィック オブジェクトを埋め込む) マークアップ内部でのグラフィック記譜法
Emmentaler font (Emmentaler フォント) A.8 Emmentaler フォント
empty chord (空の和音) 装飾小音符
empty chord (空の和音) 譜を手動で変更する
empty staff (空の譜) 譜を隠す
\EnableGregorianDivisiones A.18 コンテキストを変更する識別子
\enablePolymeter A.17 音楽関数の一覧
encapsulated postscript output (EPS 出力) 3.4.3 他の出力フォーマット
enclosing text in box, with rounded corners A.11.3 Graphical markup
enclosing text within a box A.11.1 Font markup
end repeat (繰り返しの終了) 手動の繰り返し記号
\endcr 強弱記号
\enddecr 強弱記号
\endSpanners line-spanner-interface を使用する
\endSpanners A.17 音楽関数の一覧
engraver, including in context (エングラーバをコンテキストに含める) 5.1.6 新しいコンテキストを定義する
entering lyrics (歌詞を入力する) 歌詞を入力する
entering multiple tuplets (複数の連符を入力する) 連符
\episemFinis グレゴリオ聖歌のアーティキュレーション
\episemInitium グレゴリオ聖歌のアーティキュレーション
EPS output (EPS 出力) 3.4.3 他の出力フォーマット
EPS, image A.11.3 Graphical markup
\epsfile マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\epsfile A.11.3 Graphical markup
equalization, instrument, replacing MIDI default (MIDI のデフォルトの音量の均等化を置き換える) MIDI の音量を設定する
\espressivo アーティキュレーションと装飾
\espressivo 強弱記号
\espressivo A.14 アーティキュレーションの一覧
espressivo (エスプレッシーヴォ) アーティキュレーションと装飾
espressivo articulation (エスプレッシーヴォ アーティキュレーション) 強弱記号
\etc 5.6.2 置換関数の例
\eventChords A.17 音楽関数の一覧
exception, chord names (コード ネームの例外) コード ネームをカスタマイズする
\expandEmptyMeasures 空の小節を圧縮する
expanding music (音楽を伸長する) 演奏時間を変更する
explicitClefVisibility 特別な考慮を必要とするもの
explicitKeySignatureVisibility 特別な考慮を必要とするもの
expression in MIDI (MIDI でのエクスプレッション) 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
expression, markup (マークアップ表記) テキスト マークアップの導入部
extended chord (和音の拡張) 和音の拡張と変形
extender (延長線) 延長線とハイフン
extender line, dynamics, hiding (強弱記号の線を隠す) 強弱記号
extent, of actual inking A.11.8 Other markup commands
extent, of bounding box A.11.8 Other markup commands
extra natural sign, preventing (追加のナチュラル記号を表示しないようにする) 臨時記号
extra voice for handling breaks (改行・改ページを操作するための追加のボイス) 4.3.1 改行
extra-offset システム内部のスペース プロパティ
\eyeglasses A.11.8 Other markup commands
Ez_numbers_engraver 演奏を容易にする記譜法の符頭

F
\f 強弱記号
F clef (F 音部記号) 音部記号
F clef (F 音部記号) A.10 音部記号のスタイル
fall Fall と Doit
false (#f) A.19 定義された型述語
false note, percussion (打楽器での false note) ゴースト ノート
\featherDurations 羽状の連桁
\featherDurations A.17 音楽関数の一覧
feathered beam (羽状の連桁) 羽状の連桁
feature, OpenType font A.11.1 Font markup
\fermata アーティキュレーションと装飾
\fermata A.11.4 Markup for music and musical symbols
\fermata 装飾音スクリプト
fermata (フェルマータ) リハーサル記号
fermata (フェルマータ) アーティキュレーションと装飾
fermata, on bar line (小節線上のフェルマータ) テキスト マーク
fermata, on multi-measure rest (複数小節にまたがる休符上のフェルマータ) 小節単位の休符
Ferneyhough hairpin (ファーニホウのヘアピン) 強弱記号
Feta font (Feta フォント) A.8 Emmentaler フォント
\ff 強弱記号
\fff 強弱記号
\ffff 強弱記号
\fffff 強弱記号
figured bass (通奏低音) 通奏低音の導入部
figured bass, alignment (通奏低音の揃え位置) 通奏低音を表示する
figured bass, alteration, position (通奏低音の変化記号の位置) 通奏低音を入力する
figured bass, extender lines (通奏低音の継続線) 通奏低音を入力する
\figured-bass A.11.1 Font markup
figuredBassAlterationDirection 通奏低音を入力する
figuredBassPlusDirection 通奏低音を入力する
\figuremode 通奏低音の導入部
\figuremode 5.4.1 入力モード
\figures 通奏低音の導入部
\figures 5.4.1 入力モード
\fill-line テキスト揃え
\fill-line A.11.2 Markup for text alignment
\fill-with-pattern A.11.2 Markup for text alignment
\filled-box マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\filled-box A.11.3 Graphical markup
\finalis ディビジオ
finalis (フィナリス) ディビジオ
finding available fonts (利用可能なフォントを見つける) 個々に登録するフォント
\finger 運指の指示
\finger A.11.1 Font markup
\finger A.17 音楽関数の一覧
finger change (指を変える) 運指の指示
fingering (運指法) 運指の指示
fingering chart (運指表) 運指
fingering chord (和音の運指法) 運指の指示
fingering instruction, for chords (和音の運指指示) 運指の指示
fingering vs. string number (運指 vs. 弦番号) 弦番号の指示
fingering, adding to fret diagram (フレット ダイアグラムに運指を追加する) 自動フレット ダイアグラム
fingering, and multi-measure rest (運指記号と複数小節にまたがる休符) 小節単位の休符
fingering, inside of staff (譜の内部の運指) 運指の指示
fingering, orientation (運指の向き) 運指の指示
fingering, right-hand, placement (右手の運指の配置) 右手の運指
fingering, symbols for wind instruments (管楽器の運指記号) 運指
fingeringOrientations 運指の指示
fingerings, right-hand, for fretted instrument (フレットのある楽器での右手の運指) 右手の運指
first-page-number ページ番号のための \paper 変数
\first-visible A.11.8 Other markup commands
\fixed 絶対オクターブ入力
\fixed A.17 音楽関数の一覧
flag, mensural (計量記譜法の符尾) 計量記譜法の符尾
\flageolet アーティキュレーションと装飾
\flageolet フェルマータ スクリプト
flageolet (フラジョレット) アーティキュレーションと装飾
flags, flat (水平な符尾) 手動連桁
flared hairpin (裾の広いヘアピン) 強弱記号
\flat A.11.4 Markup for music and musical symbols
flat (フラット) 臨時記号
flat flags (水平な符尾) 手動連桁
flat, double (ダブル フラット) 臨時記号
Flex lexer (字句解析器)
\flexa グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
floor tom tom (フロアタム) 古代音楽のスクリプト
follow voice (フォロー ボイス) 譜変更線
followVoice 譜変更線
font (フォント) glyph (グリフ)
font family (フォント ファミリ) フォントとフォント サイズを選択する
font family, setting (フォント ファミリを設定する) ドキュメント全体のフォント
font feature, OpenType A.11.1 Font markup
font size (notation) (フォント サイズ (記譜法)) 記譜フォント サイズを選択する
font size (notation), scaling (フォント サイズ (記譜法) の調整) 記譜フォント サイズを選択する
font size (notation), standard (標準フォント サイズ (記譜法)) 記譜フォント サイズを選択する
font size (フォント サイズ) フォントとフォント サイズを選択する
font size, setting (フォント サイズを設定する) 4.2.2 譜サイズを設定する
font switching (フォントの切り換え) フォントとフォント サイズを選択する
font, changing for entire document (ドキュメント全体のフォントを変更する) ドキュメント全体のフォント
font, Emmentaler (Emmentaler フォント) A.8 Emmentaler フォント
font, explained (フォントの説明) フォントの説明
font, external files (外部のフォントファイル) フォントの説明
font, Feta (Feta フォント) A.8 Emmentaler フォント
font, finding available (利用可能なフォントを見つける) 個々に登録するフォント
font, music notation (音楽記譜フォント) フォントの説明
font, non-text in markup (マークアップ内の非テキスト フォント) フォントの説明
font, Parmesan (Parmesan フォント) A.8 Emmentaler フォント
font-encoding フォントの説明
font-interface 記譜フォント サイズを選択する
font-interface フォントの説明
font-size 記譜フォント サイズを選択する
font-size 記譜フォント サイズを選択する
\fontCaps A.11.1 Font markup
fontSize 記譜フォント サイズを選択する
\fontsize フォントとフォント サイズを選択する
\fontsize A.11.1 Font markup
foot mark (フット マーク、足記号) アーティキュレーションと装飾
footer (フッタ) 3.2 タイトルとヘッダ
footer, page (ページ フッタ) ヘッダとフッタのデフォルト レイアウト
\footnote 音楽表記の中にある脚注
\footnote A.11.8 Other markup commands
\footnote A.17 音楽関数の一覧
footnote (脚注) 3.2.4 脚注を作成する
footnote, event-based (イベントに紐づく脚注) 音楽表記の中にある脚注
footnote, in music expressions (音楽表記の中にある脚注) 音楽表記の中にある脚注
footnote, in stand-alone text (独立したテキストの中にある脚注) 独立したテキストの中にある脚注
footnote, time-based (時間に紐づく脚注) 音楽表記の中にある脚注
footnote-separator-markup その他の \paper 変数
Forbid_line_break_engraver 連符
forget 自動臨時記号
forget accidental style (forget 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
format, rehearsal mark (リハーサル記号のフォーマット) リハーサル記号
formatting, cue notes (合図音符をフォーマットする) 合図音符をフォーマットする
formatting, in lyrics (歌詞のフォーマット) 歌詞を入力する
formatting, text spanner (テキスト スパナ フォーマット) テキスト スパナ
four-bar music (4 小節楽譜) 4.3.1 改行
four-string-banjo バンジョーのタブ譜
\fp 強弱記号
\fraction A.11.8 Other markup commands
fragment (楽曲の断片) 合図音符をフォーマットする
fragment, music (音楽の断片) 3.4 出力を制御する
fragment, quoting (楽曲の断片を引用する) 他のボイスを引用する
framing text (テキストにフレームを付ける) マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\freeBass A.11.7 Accordion registers
French clef (フレンチ (バイオリン) 音部記号) 音部記号
French clef (フレンチ (バイオリン) 音部記号) A.10 音部記号のスタイル
\frenchChords コード ネームをカスタマイズする
Frenched score (譜が隠された楽譜) 譜を隠す
Frenched staff (隠された譜) オッシア譜
Frenched staff (隠された譜) 譜を隠す
fret デフォルトのタブ譜
fret diagram (フレット ダイアグラム) フレット ダイアグラム マークアップ
fret diagram (フレット ダイアグラム) あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
fret diagram (フレット ダイアグラム), left-handed (左利き) フレット ダイアグラム マークアップ
fret diagram, adding custom (カスタム フレット ダイアグラムを追加する) あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
fret diagram, adding fingering (フレット ダイアグラムに運指を追加する) 自動フレット ダイアグラム
fret diagram, automatic (自動フレット ダイアグラム) 自動フレット ダイアグラム
fret diagram, changing orientation (フレット ダイアグラムの向きを変更する) フレット ダイアグラム マークアップ
fret diagram, custom (カスタム フレット ダイアグラム) フレット ダイアグラム マークアップ
fret diagram, customized (カスタマイズされたフレット ダイアグラム) フレット ダイアグラム マークアップ
fret diagram, customized (フレット ダイアグラムのカスタマイズ) フレット ダイアグラム マークアップ
fret diagram, mandolin (マンドリンのフレット ダイアグラム) あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
fret diagram, markup (フレット ダイアグラムのマークアップ) フレット ダイアグラム マークアップ
fret diagram, transposing (フレット ダイアグラムを移調させる) あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
fret diagram, ukulele (ウクレレのフレット ダイアグラム) あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
fret diagram, with chord names あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
\fret-diagram フレット ダイアグラム マークアップ
\fret-diagram A.11.6 Instrument-specific markup
fret-diagram-interface フレット ダイアグラム マークアップ
\fret-diagram-terse フレット ダイアグラム マークアップ
\fret-diagram-terse A.11.6 Instrument-specific markup
fret-diagram-terse markup (fret-diagram-terse マークアップ) フレット ダイアグラム マークアップ
\fret-diagram-verbose フレット ダイアグラム マークアップ
\fret-diagram-verbose A.11.6 Instrument-specific markup
fret-diagram-verbose markup (fret-diagram-verbose マークアップ) フレット ダイアグラム マークアップ
fretboard fret diagram, customized (フレットボードのフレット ダイアグラムをカスタマイズする) あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
fretboard, alternate table (他のフレットボード テーブル) あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
fretboard, define predefined (既定のフレットボードを定義する) あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
FretBoards あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
fretted instrument, chord shape (フレットのある楽器のコード シェイプ) あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
fretted instrument, dampened note (フレットのある楽器のデッド ノート) ハーモニクスとデッド ノートの指示
fretted instrument, harmonics (フレットのある楽器のハーモニクス) ハーモニクスとデッド ノートの指示
fretted instrument, indicating position and barring (フレットのある楽器でのポジションとバレーの指示) ポジションとバレーの指示
fretted instrument, predefined string tunings (あらかじめ定義された弦チューニングのフレットのある楽器) カスタム タブ譜
fretted instrument, right-hand fingering (フレットのある楽器での右手の運指) 右手の運指
\fromproperty A.11.8 Other markup commands
full-measure rest (小節単位の休符) 小節単位の休符
funk shape note head (Funk のシェイプ ノートの符頭) シェイプ ノートの符頭
\funkHeads シェイプ ノートの符頭
\funkHeadsMinor シェイプ ノートの符頭

G
G clef (G 音部記号) 音部記号
\general-align テキスト揃え
\general-align A.11.2 Markup for text alignment
\germanChords コード ネームをカスタマイズする
ghost note (ゴースト ノート) 括弧
ghost note, percussion (打楽器でのゴースト ノート) ゴースト ノート
\glide A.17 音楽関数の一覧
\glissando グリッサンド
glissando (グリッサンド) グリッサンド
glissando, across repeats (繰り返しにまたがるグリッサンド) グリッサンド
glissando, and repeats (グリッサンドと繰り返し) 通常の繰り返し
glissando, breakable (改行可能なグリッサンド) グリッサンド
glissando, chords in tablatures (タブ譜内の和音のグリッサンド) デフォルトのタブ譜
glissando, contemporary (現代のグリッサンド) グリッサンド
glissando, timing marks (グリッサンドのタイミング マーク) グリッサンド
\glissandoMap グリッサンド
global variable (グローバル変数) parser variable (パーサ変数)
glyph (グリフ) glyph (グリフ)
glyph, bounding box A.11.8 Other markup commands
glyph, music (音楽的図柄) リハーサル記号
\grace 装飾小音符
\grace A.17 音楽関数の一覧
grace note (装飾小音符) 装飾小音符
grace note (装飾小音符) バグパイプの定義
grace note, and lyrics (装飾小音符と歌詞) リズムが異なる歌詞の節
grace note, and strict spacing (装飾小音符と厳密なスペーシング) 装飾小音符
grace note, changing layout settings (装飾小音符のレイアウト設定を変更する) 装飾小音符
grace note, changing layout settings (装飾小音符のレイアウト設定を変更する) 装飾小音符
grace note, following (装飾小音符を後ろに配置する) 装飾小音符
grace note, synchronization (装飾小音符の同期) 装飾小音符
grace note, tweaking (装飾小音符を調整する) 装飾小音符
grace note, tweaking (装飾小音符を調整する) 装飾小音符
grammar, for LilyPond parser (構文解析器、パーサ)
grand staff (グランド譜) 譜をグループ化する
graphic notation (グラフィック記譜法) マークアップ内部でのグラフィック記譜法
graphic object, drawing (グラフィック オブジェクトを描く) マークアップ内部でのグラフィック記譜法
graphic object, embedding (グラフィック オブジェクトを埋め込む) マークアップ内部でのグラフィック記譜法
graphical object (グラフィカル オブジェクト) grob (グラフィカル オブジェクト)
graphical object interface (グラフィカル オブジェクト インターフェイス) interface (インターフェイス)
graphics, embedding (グラフィックを埋め込む) マークアップ内部でのグラフィック記譜法
graphics, embedding (グラフィックを埋め込む) マークアップ内部でのグラフィック記譜法
Gregorian accidental (グレゴリオ聖歌の臨時記号) グレゴリオ聖歌の臨時記号と調号
Gregorian articulation (グレゴリオ聖歌のアーティキュレーション) グレゴリオ聖歌のアーティキュレーション
Gregorian key signature (グレゴリオ聖歌の調号) グレゴリオ聖歌の臨時記号と調号
Gregorian music, modern transcription (グレゴリオ聖歌の現代譜への転写) 聖歌を設定する
Gregorian square neumes ligature (グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ) グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
Gregorian transcription staff (グレゴリオ聖歌の転写譜) 新たに譜をインスタンス化する
GregorianTranscriptionStaff 新たに譜をインスタンス化する
grid line (グリッド ライン) グリッド ライン
grid lines, changing appearance (グリッド ラインの見た目を変更する) グリッド ライン
gridInterval グリッド ライン
Grid_line_span_engraver グリッド ライン
Grid_point_engraver グリッド ライン
grob (グラフィカル オブジェクト) 5.2.2 レイアウト インターフェイス
grob (グラフィカル オブジェクト) grob (グラフィカル オブジェクト)
grob property (グラフィカル オブジェクト プロパティ) 5.3.3 \override コマンド
grob, overwriting (グラフィカル オブジェクトを上書きする) オブジェクトを白で描く
grob, visibility of (グラフィカル オブジェクトの可視性) 5.4.7 オブジェクトの可視性
grob-interface interface (インターフェイス)
\grobdescriptions A.17 音楽関数の一覧
grouping beats (拍をグループ化する) 自動連桁の振る舞いを設定する
grow-direction 羽状の連桁
guiro (グイロ) 古代音楽のスクリプト
guitar note head (ギターの符頭) 特殊な符頭
guitar tablature (ギター タブ譜) 2.4 フレットのある弦楽器
guitar, chord chart (ギター コード表) 旋律のリズムを示す
guitar, strumming rhythm, showing (ギターのつま弾き (ストラム) のリズムを示す) 旋律のリズムを示す
guitar, strumming rhythm, showing (ギターのつま弾き (ストラム) のリズムを示す) 旋律のリズムを示す
gutter 両面モードのための \paper 変数

H
hairpin (ヘアピン) 強弱記号
hairpin, al niente (アル ニエンテのヘアピン) 強弱記号
hairpin, angled (回転したヘアピン) レイアウト オブジェクトを回転させる
hairpin, constante (広がらないヘアピン) 強弱記号
hairpin, Ferneyhough (ファーニホウのヘアピン) 強弱記号
hairpin, flared (裾の広いヘアピン) 強弱記号
hairpin, minimum length (ヘアピンの最小の長さ) 強弱記号
hairpin, moving ends of (ヘアピンの終点を移動する) 強弱記号
hairpin, stopping at bar lines (小節線で終わるヘアピン) 強弱記号
Hal Leonard 演奏を容易にする記譜法の符頭
half-open high hat (ハーフ オープン ハイハット) 古代音楽のスクリプト
\halfopen アーティキュレーションと装飾
\halfopen フェルマータ スクリプト
\halign テキスト揃え
\halign A.11.2 Markup for text alignment
hammer on (ハンマリング オン) デフォルトのタブ譜
handclap (ハンドクラップ) 古代音楽のスクリプト
Harmonia Sacra note head (Harmonia Sacra の符頭) シェイプ ノートの符頭
\harmonic 特殊な符頭
\harmonic ハーモニクス
\harmonic デフォルトのタブ譜
harmonic indication in tablature notation (タブ譜の記譜法でのハーモニック指示) デフォルトのタブ譜
harmonic note head (和音の符頭) 特殊な符頭
harmonic, in tablatures デフォルトのタブ譜
\harmonicByFret デフォルトのタブ譜
\harmonicByFret A.17 音楽関数の一覧
\harmonicByRatio デフォルトのタブ譜
\harmonicByRatio A.17 音楽関数の一覧
\harmonicNote A.17 音楽関数の一覧
harmonics, artificial (アーティフィシャル ハーモニクス) ハーモニクス
harmonics, natural (ナチュラル ハーモニクス) ハーモニクス
harmonics, on fretted instrument (フレットのある楽器のハーモニクス) ハーモニクスとデッド ノートの指示
\harmonicsOff ハーモニクス
\harmonicsOn ハーモニクス
\harmonicsOn A.17 音楽関数の一覧
harp (ハープ) ハープのためのリファレンス
harp pedal (ハープ ペダル) ハープ ペダル
harp pedal diagram (ハープ ペダル ダイアグラム) ハープ ペダル
\harp-pedal A.11.6 Instrument-specific markup
haydn turn (ハイドン ターン) アーティキュレーションと装飾
\haydnturn アーティキュレーションと装飾
\haydnturn アーティキュレーション スクリプト
\hbracket マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\hbracket A.11.3 Graphical markup
\hcenter-in A.11.2 Markup for text alignment
\header 3.1.5 ファイル構造
header (ヘッダ) 3.2 タイトルとヘッダ
header, page (ページ ヘッダ) ヘッダとフッタのデフォルト レイアウト
Hel-arabic note name (アラブ音楽での音符名) アラブ音楽での音符名
help, balloon (バルーン ヘルプ) バルーン ヘルプ
\henzelongfermata アーティキュレーションと装飾
\henzelongfermata 装飾音スクリプト
\henzeshortfermata アーティキュレーションと装飾
\henzeshortfermata 装飾音スクリプト
hidden note (隠された音符) 隠された音符
\hide オブジェクトを透明にする
\hide A.17 音楽関数の一覧
\hideKeySignature バグパイプの定義
\hideNotes 隠された音符
\hideSplitTiedTabNotes デフォルトのタブ譜
\hideStaffSwitch 譜変更線
hiding accidentals, on tied notes at start of system (システムの先頭にあるタイで繋がれた音符の臨時記号を隠す) 臨時記号
hiding ancient staves (古代譜を隠す) 譜を隠す
hiding dynamics extender line (強弱記号の線を隠す) 強弱記号
hiding rhythmic staves (リズム譜を隠す) 譜を隠す
hiding staves (譜を隠す) 譜を隠す
hiding vaticana staves (バチカン版スタイルの譜を隠す) 譜を隠す
high bongo (ハイ ボンゴ) 古代音楽のスクリプト
high conga (ハイ コンガ) 古代音楽のスクリプト
high hat (ハイハット) 古代音楽のスクリプト
high timbale (ハイ ティンバル) 古代音楽のスクリプト
high tom tom (ハイタム) 古代音楽のスクリプト
horizontal alignment, lyrics (歌詞の水平揃え) 歌詞の水平方向の配置
horizontal beams (水平な連桁) デフォルトのタブ譜
horizontal bracket (水平の囲み) 分析の囲み
horizontal shift of notes (音符を水平方向に移動する) 衝突の解決
horizontal spacing (水平方向のスペース) 4.5 水平方向のスペース
horizontal spacing, overriding (水平方向のスペースを上書きする) 5.5.6 unpure-pure コンテナ
horizontal text alignment (テキストを水平方向に揃える) テキスト揃え
horizontal-shift シフトとインデントのための \paper 変数
HorizontalBracketText 分析の囲み
horizontally centering text A.11.2 Markup for text alignment
Horizontal_bracket_engraver 分析の囲み
\hspace A.11.2 Markup for text alignment
hufnagel 2.9 古代の記譜法
hufnagel 2.9.1 サポートされているスタイルの概要
\huge 記譜フォント サイズを選択する
\huge フォントとフォント サイズを選択する
\huge A.11.1 Font markup
hymn (賛美歌) 2.1.7 聖歌と賛美歌
hymn (賛美歌) 聖歌を設定する
hymn, and partial measures (賛美歌と部分小節) 賛美歌での部分小節
hyperlink, as QR code A.11.8 Other markup commands
hyphen (ハイフン) 延長線とハイフン

I
\ictus グレゴリオ聖歌のアーティキュレーション
\ictus 繰り返し記号のスクリプト
\if A.11.5 Conditional markup
\iij グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\IIJ グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\ij グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\IJ グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\image A.11.3 Graphical markup
image A.11.3 Graphical markup
image, embedding (画像を埋め込む) マークアップ内部でのグラフィック記譜法
immutable object (イミュータブル オブジェクト) immutable (イミュータブル)
immutable property (イミュータブル プロパティ) immutable (イミュータブル)
implicit context (暗黙的なコンテキスト) 5.1.7 コンテキストの配置順序
importing stencil, into text A.11.8 Other markup commands
improvisation (即興) 即興
improvisation, Arabic (アラブ音楽の即興) アラブ音楽での拍子
\improvisationOff 即興
\improvisationOff 旋律のリズムを示す
\improvisationOn 即興
\improvisationOn 旋律のリズムを示す
\in 5.4.3 距離と距離の単位
\incipit インキピット
\incipit A.17 音楽関数の一覧
incipit, adding (インキピットを追加する) インキピット
\inclinatum グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\inclinatum グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\include 3.1.5 ファイル構造
\include 3.3.1 LilyPond ファイルをインクルードする
include settings (インクルード設定) グローバル設定を使用する
including files (ファイルをインクルードする) 3.3.1 LilyPond ファイルをインクルードする
indent 楽器名
indent シフトとインデントのための \paper 変数
indent 4.5.4 行の幅
indicating No Chord in ChordNames (ChordNames で無和音を記述する) コード ネームを譜刻する
indicating position and barring for fretted instrument (フレットのある楽器でのポジションとバレーの指示) ポジションとバレーの指示
\inherit-acceptability 5.1.6 新しいコンテキストを定義する
\inherit-acceptability A.17 音楽関数の一覧
\initialContextFrom A.17 音楽関数の一覧
inner-margin 両面モードのための \paper 変数
inserting music, into text A.11.4 Markup for music and musical symbols
inserting PostScript directly, into text A.11.3 Graphical markup
inserting URL link, into text A.11.3 Graphical markup
\inStaffSegno 通常の繰り返し
\inStaffSegno A.17 音楽関数の一覧
instrument equalization in MIDI, replacing default (MIDI のデフォルトの音量の均等化を置き換える) MIDI の音量を設定する
instrument name (楽器名) 楽器名
instrument name (楽器名) 3.5.9 MIDI 出力をより良くする
instrument name, adding to other contexts (楽器名を他のコンテキストに付け加える) 楽器名
instrument name, centering (楽器名を中央揃えする) 楽器名
instrument name, changing (楽器名を変更する) 楽器名
instrument name, complex (複雑な楽器名) 楽器名
instrument name, short (短縮楽器名) 楽器名
instrument, transposing (移調楽器) 移調
\instrumentSwitch A.17 音楽関数の一覧
interface (インターフェイス) interface (インターフェイス)
interface, layout (レイアウト インターフェイス) 5.2.2 レイアウト インターフェイス
interleaved music (間奏) 音楽を並列に記述する
Internals Reference (内部リファレンス) 5 デフォルトを変更する
\inversion 反転
\inversion A.17 音楽関数の一覧
inversion (反転) 反転
inversion, modal (様式的な反転) 様式的な変形
\invertChords 和音の転回と特殊なボイシング
\invertChords A.17 音楽関数の一覧
invisible note (不可視の音符) 隠された音符
invisible rest (不可視の休符) 不可視の休符
invisible stem (不可視の符幹) 符幹
\ionian 調号
ionian (アイオニアン) 調号
isolated duration (独立した演奏時間) 演奏時間
isolated percent repeat (独立したパーセント繰り返し) パーセント繰り返し
isolated pitch (独立したピッチ) 演奏時間
\italianChords コード ネームをカスタマイズする
\italic フォントとフォント サイズを選択する
\italic A.11.1 Font markup

J
jazz chord (ジャズ コード) コード ネームをカスタマイズする
\jump A.17 音楽関数の一覧
justified text (両端揃えのテキスト) テキスト揃え
\justified-lines 複数ページにわたるマークアップ
\justified-lines A.12 \markuplist コマンドの一覧
\justify テキスト揃え
\justify A.11.2 Markup for text alignment
\justify-field A.11.2 Markup for text alignment
\justify-line A.11.2 Markup for text alignment
\justify-string A.11.2 Markup for text alignment
justifying lines of text A.12 \markuplist コマンドの一覧
justifying text A.11.2 Markup for text alignment

K
keep tagged music (タグの付いた音楽を保持する) タグを使用する
\keepWithTag タグを使用する
\keepWithTag A.17 音楽関数の一覧
\key 調号
\key シェイプ ノートの符頭
\key A.17 音楽関数の一覧
key signature (調号) 臨時記号
key signature (調号) 調号
key signature, Gregorian (グレゴリオ聖歌の調号) グレゴリオ聖歌の臨時記号と調号
key signature, mensural (計量記譜法の調号) 計量記譜法の臨時記号と調号
key signature, non-traditional (非伝統的な調号) 調号
key signature, preventing natural signs (調号のナチュラル記号を表示しない) 調号
key signature, visibility following explicit change (明示的な変更の後の調号の可視性) 特別な考慮を必要とするもの
keyboard instrument staff (キーボード譜) キーボードのためのリファレンス
keyboard music, centering dynamics (キーボード譜で強弱記号を中央に配置する) キーボードのためのリファレンス
keyed instrument staff (キーを持つ楽器の譜) キーボードのためのリファレンス
Kievan accidental (キエフ記譜法の臨時記号) キエフ記譜法の臨時記号
Kievan clef (キエフ記譜法の音部記号) 計量記譜法の音部記号
Kievan clef (キエフ記譜法の音部記号) A.10 音部記号のスタイル
Kievan ligature (キエフ記譜法のリガトゥーラ) キエフ記譜法のメリスマ
\kievanOff キエフ記譜法の音符
\kievanOn キエフ記譜法の音符
KievanStaff キエフ記譜法のコンテキスト
KievanVoice キエフ記譜法のコンテキスト
\killCues 合図音符をフォーマットする
\killCues A.17 音楽関数の一覧
kirchenpause (教会音楽の休符) 空の小節を圧縮する
knee gap, with beams (向きの変わる連桁) 自動連桁
knee gap, with beams, changing (向きの変わる連桁を変更する) 自動連桁

L
\label 3.2.5 ページ番号の参照
\label A.17 音楽関数の一覧
laissez vibrer (レセ ヴィブレ) タイ
\laissezVibrer タイ
\language A.17 音楽関数の一覧
language, note names in other (他の言語での音符名) 他の言語での音符名
language, pitch names in other (他の言語でのピッチ名) 他の言語での音符名
\languageRestore A.17 音楽関数の一覧
\languageSaveAndChange A.17 音楽関数の一覧
\large 記譜フォント サイズを選択する
\large フォントとフォント サイズを選択する
\large A.11.1 Font markup
\larger フォントとフォント サイズを選択する
\larger フォントとフォント サイズを選択する
\larger A.11.1 Font markup
last-bottom-spacing 可変な垂直方向の \paper スペース変数のリスト
layer (レイヤ) オブジェクトを白で描く
\layout 3.1.5 ファイル構造
\layout 4.2.1 \layout ブロック
\layout 出力定義 - コンテキストの青写真
\layout 同じタイプの全コンテキストを変更する
layout interface (レイアウト インターフェイス) 5.2.2 レイアウト インターフェイス
layout object (レイアウト オブジェクト) grob (グラフィカル オブジェクト)
layout, file (レイアウト ファイル) 4.2.2 譜サイズを設定する
layout, major 7 chord (長七和音のレイアウト) コード ネームをカスタマイズする
layout-set-staff-size 4.2.2 譜サイズを設定する
lead sheet (リード シート) コード ネームを譜刻する
ledger line (加線) 譜シンボル
ledger line, internal (内部の加線) 譜シンボル
ledger line, modifying (加線を変更する) 譜シンボル
\left-align テキスト揃え
\left-align A.11.2 Markup for text alignment
left-aligning text A.11.2 Markup for text alignment
\left-brace A.11.8 Other markup commands
\left-column A.11.2 Markup for text alignment
left-handed fret diagram (左利き用のフレット ダイアグラム) フレット ダイアグラム マークアップ
left-margin 幅とマージンの \paper 変数
length of multi-measure rest (複数小節にまたがる休符の長さ) 小節単位の休符
length of note (音符の長さ) 演奏時間
lexer (字句解析器) lexer (字句解析器)
\lheel アーティキュレーションと装飾
\lheel フェルマータ スクリプト
\ligature A.17 音楽関数の一覧
ligature (リガトゥーラ) リガトゥーラ
ligature, in text A.11.2 Markup for text alignment
ligature, Kievan (キエフ記譜法のリガトゥーラ) キエフ記譜法のメリスマ
ligature, mensural (計量記譜法のリガトゥーラ) 白色計量記譜法のリガトゥーラ
ligature, square neumes (四角形ネウマのリガトゥーラ) グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
LilyPond grammar parser (構文解析器、パーサ)
\line A.11.2 Markup for text alignment
line break (改行) 小節線
line break, beams (改行と連桁) 自動連桁
line break, beams (改行と連桁) 自動連桁
line break, cadenzas (カデンツァでの改行) 無韻律の音楽
line break, managing with extra voice (改行を追加のボイスで操作する) 4.3.1 改行
line break, unmetered music (無韻律の音楽での改行) 無韻律の音楽
line comment (行コメント) 3.1.1 スコアの構造
line comment (行コメント) 3.1.5 ファイル構造
line, cross-staff (譜跨ぎ線) 譜変更線
line, grid (グリッド ライン) グリッド ライン
line, staff-change (譜変更線) 譜変更線
line, staff-change follower (譜変更フォロー線) 譜変更線
line-width テキスト揃え
line-width 幅とマージンの \paper 変数
line-width 4.5.4 行の幅
\linea グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\linea グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\lineprall アーティキュレーションと装飾
\lineprall アーティキュレーション スクリプト
lines, vertical, between staves (譜の間の垂直な線) グリッド ライン
list of colors (色の一覧) A.7 色の一覧
list of keys in woodwind diagrams (木管楽器のダイアグラムの調リスト) 2.6.3.1 木管楽器のダイアグラム
list of woodwind diagrams (木管楽器のダイアグラムのリスト) 2.6.3.1 木管楽器のダイアグラム
listing available fonts (利用可能なフォントをリストアップする) 個々に登録するフォント
\locrian 調号
locrian (ロクリアン) 調号
long pralltriller (ロング プラルトリラー) アーティキュレーションと装飾
\longa 演奏時間
\longa 休符
longa rest (四全休符) 休符
\longfermata アーティキュレーションと装飾
\longfermata 装飾音スクリプト
\lookup A.11.8 Other markup commands
low bongo (ロー ボンゴ) 古代音楽のスクリプト
low conga (ロー コンガ) 古代音楽のスクリプト
low timbale (ロー ティンバル) 古代音楽のスクリプト
low tom tom (ロータム) 古代音楽のスクリプト
\lower テキスト揃え
\lower A.11.2 Markup for text alignment
lowering text A.11.2 Markup for text alignment
\ltoe アーティキュレーションと装飾
\ltoe フェルマータ スクリプト
lute tablature (リュートのタブ譜) リュートのタブ譜
lute tuning (リュートのチューニング) リュートのタブ譜
ly:minimal-breaking 最小改ページ
ly:one-line-auto-height-breaking 高さが自動の 1 行の改ページ
ly:one-line-breaking 1 行の改ページ
ly:one-page-breaking 1 ページの改ページ
ly:optimal-breaking 最適改ページ
ly:page-turn-breaking 最適ページめくり
\lydian 調号
lydian (リディアン) 調号
\lyricmode 歌詞を入力する
\lyricmode 歌詞を旋律に揃える
\lyricmode 5.4.1 入力モード
\lyrics 5.4.1 入力モード
lyrics, aligning to a melody (歌詞を旋律に揃える) 歌詞を旋律に揃える
lyrics, aligning with sporadic melody (途切れ途切れのメロディに歌詞を揃える) 5.1.3 コンテキストを残しておく
lyrics, and markup (歌詞とマークアップ) 歌詞を入力する
lyrics, and melodies (歌詞と旋律) 歌詞音節の自動演奏時間
lyrics, and tied notes (歌詞とタイで結ばれた音符) 歌詞と繰り返し
lyrics, assigned to one voice (1 つのボイスに代入される歌詞) 単一譜の多声
lyrics, avoid bar lines (歌詞が小節線を避けるようにする) 歌詞の水平方向の配置
lyrics, divided (ディヴィージされた歌詞) 歌詞のディヴィージ
lyrics, entering (歌詞を入力する) 歌詞を入力する
lyrics, formatting (歌詞のフォーマット) 歌詞を入力する
lyrics, horizontal alignment (歌詞の水平揃え) 歌詞の水平方向の配置
lyrics, increasing space between (歌詞の間隔を広げる) 歌詞の水平方向の配置
lyrics, keeping inside margin (歌詞をマージン内に収める) テキスト スクリプト
lyrics, keeping inside margin (歌詞を余白内に収める) 歌詞の水平方向の配置
lyrics, on grace notes (装飾小音符の歌詞) リズムが異なる歌詞の節
lyrics, positioning (歌詞の配置) オッシア譜
lyrics, positioning (歌詞を配置する) 歌詞の垂直方向の配置
lyrics, punctuation (歌詞の句読点) 歌詞を入力する
lyrics, repeating (歌詞を繰り返す) 歌詞と繰り返し
lyrics, repeats with alternative endings (差し替えのある繰り返しの歌詞) 歌詞と繰り返し
lyrics, shared among voices (歌詞を共有する多声) 歌詞を共有する多声
lyrics, skip (歌詞をスキップする) 不可視の休符
lyrics, skipping notes (歌詞の中で音符をスキップする) 歌詞と繰り返し
lyrics, using variables (歌詞に変数を用いる) 歌詞と変数に取り組む
lyrics, version 2.12 spacing (バージョン 2.12 のスペーシングの歌詞) 歌詞の垂直方向の配置
lyrics, with beam (歌詞と連桁) 自動連桁の振る舞いを設定する
\lyricsto 歌詞を旋律に揃える
\lyricsto 歌詞音節の自動演奏時間
\lyricsto 歌詞音節の自動演奏時間

M
m 一般的な和音
magnification->font-size 記譜フォント サイズを選択する
magnification->font-size 4.2.2 譜サイズを設定する
\magnify フォントとフォント サイズを選択する
\magnify A.11.1 Font markup
magnifying text A.11.1 Font markup
\magnifyMusic 記譜フォント サイズを選択する
\magnifyMusic A.17 音楽関数の一覧
\magnifyStaff A.17 音楽関数の一覧
magstep 記譜フォント サイズを選択する
magstep 4.2.2 譜サイズを設定する
magstep 5.4.3 距離と距離の単位
maj 一般的な和音
\major 調号
major (メジャー) 調号
major 7 chord, layout (長七和音のレイアウト) コード ネームをカスタマイズする
major seven symbol (長七和音の記号) コード ネームをカスタマイズする
majorSevenSymbol コード ネームをカスタマイズする
majorSevenSymbol コード ネームをカスタマイズする
makam (マカーム) 記譜法とチューニング システムを拡張する
makam (マカーム) トルコの伝統音楽のためのリファレンス
makam (マカーム) トルコ音楽の音符名
makam, example (マカームの例) トルコ音楽の調号
makamlar (マカーム) 記譜法とチューニング システムを拡張する
makamlar (マカーム) トルコの伝統音楽のためのリファレンス
makamlar (マカーム) トルコ音楽の音符名
make-dynamic-script 新たな強弱記号
make-pango-font-tree ドキュメント全体のフォント
\makeClusters クラスタ
\makeClusters A.17 音楽関数の一覧
\makeDefaultStringTuning A.17 音楽関数の一覧
manual bar line (手動の小節線) 小節線
manual beam (手動連桁) 自動連桁
manual beam (手動連桁) 手動連桁
manual beam, direction shorthand for (手動連桁の向きを指定する短縮記譜法) 手動連桁
manual beam, grace notes (装飾小音符の手動連桁) 手動連桁
manual engraving of ties (タイを手動で譜刻する) タイ
manual line break (手動改行) 4.3.1 改行
manual measure line (手動の小節線) 小節線
manual rehearsal mark (手動のリハーサル記号) リハーサル記号
manual repeat mark (手動の繰り返し記号) 手動の繰り返し記号
manual staff change (手動の譜の変更) 譜を手動で変更する
maqam (マカーム) 記譜法とチューニング システムを拡張する
maqam (マカーム) アラブ音楽のためのリファレンス
maracas (マラカス) 古代音楽のスクリプト
\marcato アーティキュレーションと装飾
\marcato A.14 アーティキュレーションの一覧
marcato (マルカート) アーティキュレーションと装飾
margin, text running over (マージンからはみ出すテキスト) テキスト スクリプト
\mark リハーサル記号
\mark テキスト マーク
\mark A.17 音楽関数の一覧
mark, on every staff (全ての譜にリハーサル記号を表示する) テキスト マーク
mark, phrasing (フレーズ記号) フレージング スラー
mark, rehearsal (リハーサル記号) リハーサル記号
mark, rehearsal, below staff (譜の下にあるリハーサル記号) メトロノーム記号
mark, rehearsal, format (リハーサル記号のフォーマット) リハーサル記号
mark, rehearsal, manual (手動でリハーサル記号をセットする) リハーサル記号
mark, rehearsal, style (リハーサル記号のスタイル) リハーサル記号
mark, text (テキスト マーク) テキスト マーク
\markalphabet A.11.8 Other markup commands
\markLengthOff メトロノーム記号
\markLengthOff テキスト マーク
\markLengthOn メトロノーム記号
\markLengthOn テキスト マーク
\markletter A.11.8 Other markup commands
\markup テキスト オブジェクトの概要
\markup テキスト マーク
\markup 独立したテキスト
\markup 独立したテキスト
\markup テキスト マークアップの導入部
\markup 5.4.1 入力モード
markup (マークアップ) テキスト マークアップの導入部
markup expression (マークアップ表記) テキスト マークアップの導入部
markup mode, quoted text (マークアップ モードでの引用譜で囲まれたテキスト) テキスト マークアップの導入部
markup mode, special characters (マークアップ モードでの特殊文字) テキスト マークアップの導入部
markup object (マークアップ オブジェクト) テキスト オブジェクトの概要
markup syntax (マークアップ構文) テキスト マークアップの導入部
markup text (マークアップ テキスト) テキスト マークアップの導入部
markup text, aligning (マークアップ テキストを揃える) テキスト揃え
markup text, alignment command (マークアップ テキスト揃えのコマンド) テキスト揃え
markup text, decorating (マークアップ テキストを飾り付ける) マークアップ内部でのグラフィック記譜法
markup text, framing (マークアップ テキストにフレームを付ける) マークアップ内部でのグラフィック記譜法
markup text, justified (両端揃えのマークアップ テキスト) テキスト揃え
markup text, line width (マークアップ テキストの線幅) テキスト揃え
markup text, multi-page (複数ページにわたるマークアップ テキスト) 複数ページにわたるマークアップ
markup text, padding (マークアップ テキスト パディング) マークアップ内部でのグラフィック記譜法
markup text, wordwrapped (折り返しされたマークアップ テキスト) テキスト揃え
markup, aligning (マークアップを揃える) テキスト揃え
markup, centering on page (マークアップをページの中央に揃える) テキスト揃え
markup, conditional (条件付マークアップ) ヘッダとフッタのカスタム レイアウト
markup, image A.11.3 Graphical markup
markup, in lyrics (歌詞におけるマークアップ) 歌詞を入力する
markup, multi-line (複数行にわたるマークアップ) テキスト揃え
markup, multi-measure rest (複数小節にまたがる休符のマークアップ) 小節単位の休符
markup, multi-page (複数ページにわたるマークアップ) 複数ページにわたるマークアップ
markup, music notation inside (マークアップ内部の音楽記譜法) マークアップ内部での音楽記譜法
markup, on multi-measure rest (複数小節にまたがる休符上のマークアップ) 小節単位の休符
markup, rhythm A.11.4 Markup for music and musical symbols
markup, score inside (マークアップ内部の楽譜) マークアップ内部での音楽記譜法
markup, text, inside slurs (スラー内部のマークアップ テキスト) スラー
markup, two-column (2 段のマークアップ) 独立したテキスト
markup-markup-spacing 可変な垂直方向の \paper スペース変数のリスト
markup-system-spacing 可変な垂直方向の \paper スペース変数のリスト
\markuplist 独立したテキスト
\markuplist 複数ページにわたるマークアップ
\markuplist 複数ページにわたるマークアップ
\markupMap A.17 音楽関数の一覧
Mark_engraver テキスト マーク
max-systems-per-page 改行のための \paper 変数
\maxima 演奏時間
\maxima 休符
maxima rest (八全休符) 休符
measure check (小節チェック) 小節と小節番号のチェック
measure grouping (小節をグループ化する) 自動連桁の振る舞いを設定する
measure line (小節線) 小節線
measure line, invisible (不可視の小節線) 小節線
measure line, manual (手動の小節線) 小節線
measure number (小節番号) 小節番号
measure number (小節番号) 時間管理
measure number check (小節番号チェック) 小節と小節番号のチェック
measure number, and repeats (小節番号と繰り返し) 通常の繰り返し
measure number, style (小節番号のスタイル) 小節番号
measure repeat (小節の繰り返し) パーセント繰り返し
measure sub-grouping (小節をサブ グループ化する) 自動連桁の振る舞いを設定する
measure, partial (部分小節) 上拍
measure, partial, in hymns (賛美歌での部分小節) 賛美歌での部分小節
measure, pickup (ピックアップ小節) 上拍
measureBarType 小節線
measureLength 自動連桁の振る舞いを設定する
measureLength 時間管理
measurePosition 上拍
measurePosition 時間管理
Measure_grouping_engraver 自動連桁の振る舞いを設定する
Medicaea, Editio 2.9 古代の記譜法
Medicaea, Editio 2.9.1 サポートされているスタイルの概要
medium interval (中間音程) アラブ音楽のためのリファレンス
\melisma 複数の音符を 1 つの歌詞音節に割り当てる
melisma (メリスマ) 複数の音符を 1 つの歌詞音節に割り当てる
melisma (メリスマ) 延長線とハイフン
melisma, with beams (メリスマの連桁) 自動連桁
\melismaEnd 複数の音符を 1 つの歌詞音節に割り当てる
melismata (メリスマ) 複数の音符を 1 つの歌詞音節に割り当てる
melody rhythm, showing (旋律のリズムを示す) 旋律のリズムを示す
mensural (計量記譜法) 2.9 古代の記譜法
mensural (計量記譜法) 2.9.1 サポートされているスタイルの概要
mensural clef (計量記譜法の音部記号) 計量記譜法の音部記号
mensural clef (計量記譜法の音部記号) A.10 音部記号のスタイル
mensural flag (計量記譜法の符尾) 計量記譜法の符尾
mensural ligature (計量記譜法のリガトゥーラ) 白色計量記譜法のリガトゥーラ
mensural music, transcription of (計量音楽の転写) 譜をグループ化する
MensuralStaff 新たに譜をインスタンス化する
MensuralStaff 計量記譜法のコンテキスト
MensuralVoice 計量記譜法のコンテキスト
mensuration sign (メンスーラ記号) 計量記譜法の拍子記号
Mensurstriche Mensurstriche レイアウト
mensurstriche layout (計量音楽風のレイアウト) 譜をグループ化する
\mergeDifferentlyDottedOff 衝突の解決
\mergeDifferentlyDottedOn 衝突の解決
\mergeDifferentlyHeadedOff 衝突の解決
\mergeDifferentlyHeadedOn 衝突の解決
merging notes (音符に余白を設ける) 衝突の解決
merging text A.11.2 Markup for text alignment
merging text A.11.2 Markup for text alignment
meter (拍) 拍子
meter style (拍スタイル) 拍子
meter, polymetric (多拍子) 多拍子記譜法
metronome mark (メトロノーム記号) メトロノーム記号
metronome mark, below staff (譜の下にあるメトロノーム記号) メトロノーム記号
metronome mark, custom markup (メトロノーム記号のカスタム マークアップ) メトロノーム記号
mezzosoprano clef (メゾソプラノ音部記号) 音部記号
mezzosoprano clef (メゾソプラノ音部記号) A.10 音部記号のスタイル
\mf 強弱記号
microtone (微分音) 他の言語での音符名
microtone, tab (タブ譜での微分音) カスタム タブ譜
mid tom tom (ミッドタム) 古代音楽のスクリプト
MIDI 楽器の移調
\midi 3.1.5 ファイル構造
\midi 出力定義 - コンテキストの青写真
MIDI 3.5 MIDI 出力を作り出す
MIDI, balance (MIDI でのバランス) 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
MIDI, block (MIDI ブロック) 3.5.3 MIDI ブロック
MIDI, channels (MIDI チャンネル) 3.5.7 MIDI のチャンネル マッピング
MIDI, chorus level (MIDI でのコーラス) 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
MIDI, context definitions (MIDI のコンテキスト定義) MIDI ブロック プロパティを設定する
MIDI, custom dynamics (MIDI でのカスタム強弱記号) MIDI での強弱記号
MIDI, dynamics (MIDI での強弱記号) 3.5.4 MIDI での音の強弱を制御する
MIDI, effects (MIDI でのエフェクト) 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
MIDI, equalization (MIDI での音量の均等化) 3.5.4 MIDI での音の強弱を制御する
MIDI, expression (MIDI でのエクスプレッション) 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
MIDI, instrument (MIDI での楽器) 3.5.9 MIDI 出力をより良くする
MIDI, metadata (MIDI メタデータ) 3.2.3 出力ファイルのメタデータを作成する
MIDI, one channel per voice (MIDI におけるボイスごとのチャンネル) 3.5.7 MIDI のチャンネル マッピング
MIDI, pan position (MIDI でのパン ポジション) 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
MIDI, replacing default instrument equalization (MIDI のデフォルトの音量の均等化を置き換える) MIDI の音量を設定する
MIDI, reverb (MIDI でのリバーブ) 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
MIDI, stereo balance (MIDI でのステレオ バランス) 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
MIDI, supported notation (MIDI でサポートされている記法) 3.5 MIDI 出力を作り出す
MIDI, tracks (MIDI トラック) 3.5.7 MIDI のチャンネル マッピング
MIDI, transposition (MIDI の移調) 楽器の移調
MIDI, unsupported notation (MIDI でサポートされていない記法) 3.5.1 MIDI でサポートされている記法
MIDI, using repeats (MIDI で繰り返しを用いる) 3.5.6 MIDI で繰り返しを用いる
MIDI, volume (MIDI での音量) 3.5.4 MIDI での音の強弱を制御する
midiBalance 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
midiChannelMapping 3.5.7 MIDI のチャンネル マッピング
midiChorusLevel 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
midiDrumPitches カスタム打楽器譜
midiExpression 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
midiPanPosition 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
midiReverbLevel 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
min-systems-per-page 改行のための \paper 変数
minimum length, hairpin (ヘアピンの最小の長さ) 強弱記号
minimum-Y-extent システム内部のスペース プロパティ
minimumFret デフォルトのタブ譜
minimumFret 自動フレット ダイアグラム
minimumPageTurnLength 最適ページめくり
minimumRepeatLengthForPageTurn 最適ページめくり
\minor 調号
minor (マイナー) 調号
minorChordModifier コード ネームをカスタマイズする
mirroring markup A.11.3 Graphical markup
mixed ピアノ ペダル
\mixolydian 調号
mixolydian (ミクソリディアン) 調号
\mm 5.4.3 距離と距離の単位
modal inversion (様式的な反転) 様式的な変形
modal transformation (様式的な変形) 様式的な変形
modal transposition (様式的な移調) 様式的な変形
\modalInversion 様式的な変形
\modalInversion A.17 音楽関数の一覧
\modalTranspose 様式的な変形
\modalTranspose A.17 音楽関数の一覧
mode parser variable (パーサ変数)
mode (モード) 調号
modern 自動臨時記号
modern accidental (modern 臨時記号) 自動臨時記号
modern accidental style (modern 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
modern accidental style (modern 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
modern style accidental (modern 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
modern transcription of Gregorian music (グレゴリオ聖歌の現代譜への転写) 聖歌を設定する
modern-cautionary 自動臨時記号
modern-cautionary accidental style (modern-cautionary 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
modern-cautionary accidental style (modern-cautionary 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
modern-voice 自動臨時記号
modern-voice-cautionary 自動臨時記号
modern-voice-cautionary accidental style (modern-voice-cautionary 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
moderntab clef (現代タブ譜の音部記号) カスタム タブ譜
modifier, in chord (和音での修飾子) 一般的な和音
\mordent アーティキュレーションと装飾
\mordent アーティキュレーション スクリプト
mordent (モルデント) アーティキュレーションと装飾
mordent (モルデント) アーティキュレーションと装飾
mordent, lower (ローワー モルデント) アーティキュレーションと装飾
mordent, upper (アッパー モルデント) アーティキュレーションと装飾
movements, multiple (複数の楽章) 3.1.2 ブックの中にある複数のスコア
\mp 強弱記号
multi-line comment (複数行コメント) 3.1.1 スコアの構造
multi-line comment (複数行コメント) 3.1.5 ファイル構造
multi-line markup (複数行にわたるマークアップ) テキスト揃え
multi-line text (複数行にわたるテキスト) テキスト揃え
multi-measure notes, contracting (複数小節にまたがる音符をまとめる) 空の小節を圧縮する
multi-measure notes, expanding (複数小節にまたがる音符を展開する) 空の小節を圧縮する
multi-measure rest (複数小節にまたがる休符) 小節単位の休符
multi-measure rest with markup (マークアップを持つ複数小節にまたがる休符) 小節単位の休符
multi-measure rest, and fingerings (運指記号と複数小節にまたがる休符) 小節単位の休符
multi-measure rest, attaching fermata (複数小節にまたがる休符にフェルマータを付ける) 小節単位の休符
multi-measure rest, attaching text (複数小節にまたがる休符にテキストを付ける) 小節単位の休符
multi-measure rest, length (複数小節にまたがる休符の長さ) 小節単位の休符
multi-measure rest, markup (複数小節にまたがる休符のマークアップ) 小節単位の休符
multi-measure rest, numbering (複数小節にまたがる休符の数字) 空の小節を圧縮する
multi-measure rest, positioning (複数小節にまたがる休符の位置) 小節単位の休符
multi-measure rest, script (複数小節にまたがる休符上のスクリプト) 小節単位の休符
multi-measure rest, style (複数小節にまたがる休符のスタイル) 空の小節を圧縮する
multi-measure rest, within text, by duration A.11.4 Markup for music and musical symbols
multi-measure rest, within text, by number of measures A.11.4 Markup for music and musical symbols
multi-measure rests, contracting (複数小節にまたがる休符をまとめる) 空の小節を圧縮する
multi-measure rests, expanding (複数小節にまたがる休符を展開する) 空の小節を圧縮する
\multi-measure-rest-by-number A.11.4 Markup for music and musical symbols
multi-note acciaccatura (複数音符のアッチャカトゥーラ) 装飾小音符
multi-page markup (複数ページにわたるマークアップ) 複数ページにわたるマークアップ
multi-voice accidental (多声の臨時記号) 自動臨時記号
MultiMeasureRestScript 小節単位の休符
MultiMeasureRestText 小節単位の休符
multiple dynamic mark on one note (1 つの音符に複数の強弱記号をつける) 強弱記号
multiple phrasing slurs (多重フレージング スラー) フレージング スラー
multiple slurs (多重スラー) スラー
multiple voices (複数のボイス) 衝突の解決
music fragment (音楽の断片) 3.4 出力を制御する
music glyph (音楽的図柄) リハーサル記号
music, beginners’ (初心者のための楽譜) 演奏を容易にする記譜法の符頭
music, inside markup (マークアップ内部の音楽) マークアップ内部での音楽記譜法
music, unmetered (無韻律の音楽) 時間管理
musica ficta (ムジカ・フィクタ) 注釈的な臨時記号 (ムジカ・フィクタ)
musical cue (合図) 合図
\musicglyph リハーサル記号
\musicglyph A.11.4 Markup for music and musical symbols
\musicLength A.17 音楽関数の一覧
\musicMap A.17 音楽関数の一覧
musicological analysis (音楽学的分析) 分析の囲み
musicQuotes parser variable (パーサ変数)
mutable object (ミュータブル オブジェクト) mutable (ミュータブル)
mutable property (ミュータブル プロパティ) mutable (ミュータブル)
mute bongo (ミュート ボンゴ) 古代音楽のスクリプト
mute conga (ミュート コンガ) 古代音楽のスクリプト
mute timbale (ミュート ティンバル) 古代音楽のスクリプト
muted note, percussion (打楽器での muted note) ゴースト ノート

N
\n 強弱記号
N.C. symbol (N.C. 記号) コード ネームを譜刻する
\name 5.1.6 新しいコンテキストを定義する
name of singer (歌手の名前) 歌詞の節に歌手の名前を追加する
name, character (役名) 役名
\natural A.11.4 Markup for music and musical symbols
natural harmonics (ナチュラル ハーモニクス) ハーモニクス
natural pitch (ナチュラル ピッチ) 臨時記号
natural sign (ナチュラル記号) 臨時記号
natural sign, extra, preventing (追加のナチュラル記号を表示しないようにする) 臨時記号
natural sign, preventing in key signatures (調号のナチュラル記号を表示しない) 調号
neo-modern 自動臨時記号
neo-modern accidental style (neo-modern 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
neo-modern-cautionary 自動臨時記号
neo-modern-cautionary accidental style (neo-modern-cautionary 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
neo-modern-voice 自動臨時記号
neo-modern-voice accidental style (neo-modern-voice 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
neo-modern-voice-cautionary 自動臨時記号
neo-modern-voice-cautionary accidental style (neo-modern-voice-cautionary 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
neomensural (新しい計量記譜法) 2.9.1 サポートされているスタイルの概要
nested repeat (ネストされた繰り返し) 通常の繰り返し
nested staff bracket (ネストされた譜の角括弧) ネストされた譜グループ
nesting of staves (譜をネストする) ネストされた譜グループ
\new 5.1.2 コンテキストを作成して参照する
new context (新しいコンテキスト) 5.1.2 コンテキストを作成して参照する
new dynamic mark (新たな強弱記号) 新たな強弱記号
new spacing section (新しいスペース セクション) 4.5.2 新しいスペース セクション
new staff (新しい譜) 新たに譜をインスタンス化する
\newSpacingSection 4.5.2 新しいスペース セクション
niente, al, hairpin (アル ニエンテのヘアピン) 強弱記号
no-chord symbol (無和音記号) コード ネームを譜刻する
no-reset 自動臨時記号
no-reset accidental style (no-reset 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
\noBeam 手動連桁
\noBreak 4.3.1 改行
non-ASCII character (非 ASCII 文字) 3.3.3 特殊文字
non-default tuplet numbers (デフォルトではない連符の数) 連符
non-empty text (空ではないテキスト) テキスト スクリプト
non-musical symbol (音楽要素ではないシンボル) マークアップ内部でのグラフィック記譜法
non-text font, in markup (マークアップ内の非テキスト フォント) フォントの説明
nonstaff-nonstaff-spacing システム内部のスペース プロパティ
nonstaff-relatedstaff-spacing システム内部のスペース プロパティ
nonstaff-unrelatedstaff-spacing システム内部のスペース プロパティ
\noPageBreak 手動改ページ
\noPageBreak A.17 音楽関数の一覧
\noPageTurn 最適ページめくり
\noPageTurn A.17 音楽関数の一覧
normal repeat (通常の繰り返し) 1.4.1 長い繰り返し
\normal-size-sub A.11.1 Font markup
\normal-size-super フォントとフォント サイズを選択する
\normal-size-super A.11.1 Font markup
\normal-text A.11.1 Font markup
\normal-weight A.11.1 Font markup
\normalsize 記譜フォント サイズを選択する
\normalsize フォントとフォント サイズを選択する
\normalsize A.11.1 Font markup
notation, explaining (記譜法を説明する) バルーン ヘルプ
notation, font size (記譜フォント サイズ) 記譜フォント サイズを選択する
notation, graphic (グラフィック記譜法) マークアップ内部でのグラフィック記譜法
notation, inside markup (マークアップ内部の記譜法) マークアップ内部での音楽記譜法
\note A.11.4 Markup for music and musical symbols
note cluster (音符のクラスタ) クラスタ
note collision (音符の衝突) 衝突の解決
note duration (音符の演奏時間) 演奏時間
note duration, default (デフォルトの音符演奏時間) 演奏時間
note grouping bracket (音符グループ化囲み) 分析の囲み
note head (符頭) 記譜フォント サイズを選択する
note head style (符頭のスタイル) 特殊な符頭
note head style (符頭のスタイル) A.9 符頭のスタイル
note head, Aiken (Aiken の符頭) シェイプ ノートの符頭
note head, Aiken, thin variant (細い Aiken の符頭) シェイプ ノートの符頭
note head, ancient (古代の符頭) 計量記譜法の符頭
note head, ancient (古代の符頭) キエフ記譜法の音符
note head, Christian Harmony (Christian Harmony の符頭) シェイプ ノートの符頭
note head, cross (×の符頭) 特殊な符頭
note head, diamond (ダイアモンド形の符頭) 特殊な符頭
note head, diamond-shaped (ダイアモンド形の符頭) ハーモニクス
note head, easy notation (演奏を容易にする記譜法の符頭) 演奏を容易にする記譜法の符頭
note head, easy play (演奏を容易にする符頭) 演奏を容易にする記譜法の符頭
note head, funk (Funk の符頭) シェイプ ノートの符頭
note head, guitar (ギターの符頭) 特殊な符頭
note head, Harmonia Sacra (Harmonia Sacra の符頭) シェイプ ノートの符頭
note head, harmonic (和音の符頭) 特殊な符頭
note head, improvisation (即興の符頭) 即興
note head, parlato (語りの符頭) 特殊な符頭
note head, practice (練習のための符頭) 演奏を容易にする記譜法の符頭
note head, Sacred Harp (Sacred Harp の符頭) シェイプ ノートの符頭
note head, shape (シェイプ ノートの符頭) シェイプ ノートの符頭
note head, slashed (スラッシュ形の符頭) 即興
note head, Southern Harmony (Southern Harmony の符頭) シェイプ ノートの符頭
note head, special (特別な符頭) 特殊な符頭
note head, Walker (Walker の符頭) シェイプ ノートの符頭
note length (音符の長さ) 演奏時間
note name, Arabic (アラブ音楽での音符名) アラブ音楽での音符名
note name, default (デフォルトの音符名) 臨時記号
note name, Dutch (オランダ語での音符名) 臨時記号
note name, Hel-arabic (アラブ音楽での音符名) アラブ音楽での音符名
note name, other languages (他の言語での音符名) 他の言語での音符名
note name, printing (音符名の譜刻) 音符名
note pitch, default (デフォルトの音符ピッチ) 演奏時間
note, colored (色付きの音符) オブジェクトに色を付ける
note, colored in chord (和音の中にある色付きの音符) オブジェクトに色を付ける
note, cross-staff (譜を跨ぐ音符) 譜を手動で変更する
note, cross-staff (譜を跨ぐ音符) 譜変更線
note, dotted (付点音符) 演奏時間
note, dotted, moving horizontally (付点付きの音符を水平方向に移動する) 衝突の解決
note, double-dotted (2 重付点音符) 演奏時間
note, ghost (ゴースト ノート) 括弧
note, hidden (隠された音符) 隠された音符
note, horizontal shift (音符を水平方向に移動する) 衝突の解決
note, invisible (不可視の音符) 隠された音符
note, parenthesized (括弧で囲まれた音符) 括弧
note, smaller (小さな音符) 合図音符をフォーマットする
note, spacing horizontally (音符の水平方向のスペース) 4.5.2 新しいスペース セクション
note, splitting (音符を分割する) 自動音符分割
note, transparent (透明な音符) 隠された音符
note, transposition of (音符の移調) 移調
note, within text, by duration A.11.4 Markup for music and musical symbols
note, within text, by log and dot-count A.11.4 Markup for music and musical symbols
\note-by-number A.11.4 Markup for music and musical symbols
note-event 他のボイスを引用する
\notemode 5.4.1 入力モード
noteNameFunction 音符名
NoteNames 音符名
noteNameSeparator 音符名
Note_heads_engraver 自動音符分割
Note_name_engraver 音符名
\null テキスト揃え
\null A.11.8 Other markup commands
NullVoice 歌詞を共有する多声
\number A.11.1 Font markup
number, bar (小節番号) 小節番号
number, in easy notation (演奏を容易にする記譜法での数字) 演奏を容易にする記譜法の符頭
number, measure (小節番号) 小節番号
\numericTimeSignature 拍子

O
object, colored (色付きのオブジェクト) オブジェクトに色を付ける
object, coloring (オブジェクトに色を付ける) オブジェクトを白で描く
object, markup (マークアップ オブジェクト) テキスト オブジェクトの概要
object, overwriting (オブジェクトを上書きする) オブジェクトを白で描く
object, rotating (オブジェクトを回転させる) レイアウト オブジェクトを回転させる
object, visibility of (オブジェクトの可視性) 5.4.7 オブジェクトの可視性
ocatve specification, relative (相対オクターブ指定) 相対オクターブ入力
octavation (オクタベーション) オッターバ囲み
octave changing mark (オクターブ変更記号) 絶対オクターブ入力
octave check (オクターブ チェック) オクターブ チェック
octave correction (オクターブ修正) オクターブ チェック
octave entry, absolute (絶対オクターブ入力) 絶対オクターブ入力
octave entry, relative (相対オクターブ入力) 相対オクターブ入力
octave specification, absolute (絶対オクターブ指定) 絶対オクターブ入力
octave transposition (オクターブ移調) 音部記号
octave transposition, optional (任意のオクターブ移調) 音部記号
\octaveCheck オクターブ チェック
\octaveCheck A.17 音楽関数の一覧
\offset 5.3.6 \offset コマンド
\offset A.17 音楽関数の一覧
offsetting (オフセット) 5.3.6 \offset コマンド
\omit ステンシルを削除する
\omit A.17 音楽関数の一覧
\on-the-fly ヘッダとフッタのカスタム レイアウト
\on-the-fly A.11.8 Other markup commands
\once 5.3.2 \set コマンド
\once 5.3.3 \override コマンド
\once 5.3.6 \offset コマンド
\once \alterBroken を使用する
\once A.17 音楽関数の一覧
\oneVoice 単一譜の多声
\open アーティキュレーションと装飾
\open ボーイング指示
\open フェルマータ スクリプト
open (オープン) アーティキュレーションと装飾
open bongo (オープン ボンゴ) 古代音楽のスクリプト
open conga (オープン コンガ) 古代音楽のスクリプト
open high hat (オープン ハイハット) 古代音楽のスクリプト
open string indication (開放弦の指示) ボーイング指示
open timbale (オープン ティンバル) 古代音楽のスクリプト
OpenType, font feature A.11.1 Font markup
operation, inversion (反転操作) 反転
operation, modal (様式的な操作) 様式的な変形
operation, modal inversion (様式的な反転操作) 様式的な変形
operation, retrograde (逆行操作) 逆行
operation, transposition (移調操作) 様式的な変形
optional octave transposition (任意のオクターブ移調) 音部記号
oratorio (聖譚曲) 2.1.5 合唱
orchestral strings (オーケストラの弦楽器) 2.3 フレットの無い弦楽器
ordering, vertical, of scripts (スクリプトの縦方向の順序) アーティキュレーションと装飾
organ pedal mark (オルガン ペダル記号) アーティキュレーションと装飾
orientation of fret diagram, changing (フレット ダイアグラムの向きを変更する) フレット ダイアグラム マークアップ
orientation, of fingerings (運指の向き) 運指の指示
\oriscus グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\oriscus グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
ornament (装飾) アーティキュレーションと装飾
ornament (装飾音) 装飾小音符
ornamentation (装飾) アーティキュレーションと装飾
ornamentation, turn, delayed (遅れターン装飾記号) アーティキュレーションと装飾
ossia (オッシア) オッシア譜
ossia (オッシア) 譜を隠す
ossia, positioning (オッシアの配置) オッシア譜
\ottava オッターバ囲み
\ottava A.17 音楽関数の一覧
ottava (オッターバ) オッターバ囲み
ottava spanner, modify slope (オッターバのスパナの傾きを変更する) オッターバ囲み
ottava text (オッターバのテキスト) オッターバ囲み
ottava, for single voice (単一声部に対するオッターバ) オッターバ囲み
Ottoman music (オスマン音楽) トルコの伝統音楽のためのリファレンス
Ottoman, classical music (オスマントルコの伝統音楽) 記譜法とチューニング システムを拡張する
outer-margin 両面モードのための \paper 変数
output definition (出力定義) 出力定義 - コンテキストの青写真
output-count parser variable (パーサ変数)
output-def output-def (出力定義クラス)
output-suffix parser variable (パーサ変数)
outside-staff-horizontal-padding 4.4.3 垂直方向の衝突回避
outside-staff-padding 4.4.3 垂直方向の衝突回避
outside-staff-priority 4.4.3 垂直方向の衝突回避
\oval A.11.3 Graphical markup
\overlay A.11.2 Markup for text alignment
\override 5.3.3 \override コマンド
\override 5.3.5 \set\override
\override A.11.8 Other markup commands
override, reverting (オーバライドを元に戻す) 5.3.3 \override コマンド
\override-lines A.12 \markuplist コマンドの一覧
\overrideProperty 5.3.5 \set\override
\overrideProperty A.17 音楽関数の一覧
\overrideTimeSignatureSettings 拍子
\overrideTimeSignatureSettings A.17 音楽関数の一覧
overriding for only one moment (一時的にオーバライドする) 5.3.3 \override コマンド
overriding property within text markup A.11.8 Other markup commands
\overtie A.11.1 Font markup
overtie-ing text A.11.1 Font markup
overwriting object (オブジェクトを上書きする) オブジェクトを白で描く

P
\p 強弱記号
\pad-around マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\pad-around A.11.2 Markup for text alignment
\pad-markup マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\pad-markup A.11.2 Markup for text alignment
\pad-to-box マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\pad-to-box A.11.2 Markup for text alignment
\pad-x マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\pad-x A.11.2 Markup for text alignment
padding 5.2.3 グラフィカル オブジェクト プロパティを決定する
padding around text (テキストの周りのパディング) マークアップ内部でのグラフィック記譜法
padding text A.11.2 Markup for text alignment
padding text horizontally A.11.2 Markup for text alignment
page break (改ページ) 4.5.4 行の幅
page break, cadenzas (カデンツァでの改ページ) 無韻律の音楽
page break, managing with extra voice (改ページを追加のボイスで操作する) 4.3.1 改行
page break, unmetered music (無韻律の音楽での改ページ) 無韻律の音楽
page breaking, manual (手動改ページ) 手動改ページ
page footer (ページ フッタ) ヘッダとフッタのデフォルト レイアウト
page header (ページ ヘッダ) ヘッダとフッタのデフォルト レイアウト
page layout (ページ レイアウト) 4.5.4 行の幅
page number, auto-numbering (ページ番号を自動付番する) ページ番号のための \paper 変数
page number, in roman numerals (ローマ数字のページ番号) ページ番号のための \paper 変数
page number, specify first (最初のページ番号を指定する) ページ番号のための \paper 変数
page number, suppress (ページ番号を抑制する) ページ番号のための \paper 変数
page size (ページ サイズ) 4.1.2 紙面サイズと自動拡縮
page, orientation (紙面の向き) 紙面サイズを設定する
page-breaking 改ページのための \paper 変数
page-breaking-system-system-spacing 改ページのための \paper 変数
page-count 改ページのための \paper 変数
\page-link A.11.8 Other markup commands
page-number-type ページ番号のための \paper 変数
\page-ref 3.2.5 ページ番号の参照
\page-ref A.11.8 Other markup commands
page-spacing-weight その他の \paper 変数
\pageBreak 手動改ページ
\pageBreak A.17 音楽関数の一覧
\pageTurn 最適ページめくり
\pageTurn A.17 音楽関数の一覧
\palmMute A.17 音楽関数の一覧
\palmMuteOn A.17 音楽関数の一覧
pan position in MIDI (MIDI でのパン ポジション) 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
Pango フォントの説明
\paper 3.1.5 ファイル構造
\paper 4.1.2 紙面サイズと自動拡縮
paper size (紙面サイズ) 4.1.2 紙面サイズと自動拡縮
paper size, landscape (横向きの紙面サイズ) 紙面サイズを設定する
paper size, orientation (紙面サイズの向き) 紙面サイズを設定する
paper-height 4.1.3 固定された垂直方向の \paper スペース変数
paper-width 幅とマージンの \paper 変数
parallel music (並列な音楽) 音楽を並列に記述する
\parallelMusic 音楽を並列に記述する
\parallelMusic A.17 音楽関数の一覧
parenthesis (括弧) 括弧
\parenthesize 括弧
\parenthesize A.11.3 Graphical markup
\parenthesize A.17 音楽関数の一覧
parenthesized accidental (括弧に囲まれた臨時記号) 臨時記号
parlato 語り音楽
parlato note head (語りの符頭) 特殊な符頭
Parmesan font (Parmesan フォント) A.8 Emmentaler フォント
parser parser (構文解析器、パーサ)
parser variable (パーサ変数) parser variable (パーサ変数)
part combiner (パート結合) 自動パート結合
part combiner, changing text (パート結合のテキストを変更する) 自動パート結合
part song (パート ソング) 2.1.5 合唱
\partCombine 自動パート結合
\partCombine 歌詞を共有する多声
\partCombine A.17 音楽関数の一覧
\partCombine and lyrics (\partCombine と歌詞) 自動パート結合
\partCombine and lyrics (\partCombine と歌詞) 歌詞を共有する多声
\partCombineApart 自動パート結合
\partCombineAutomatic 自動パート結合
\partCombineChords 自動パート結合
\partCombineDown A.17 音楽関数の一覧
\partCombineForce A.17 音楽関数の一覧
partCombineListener parser variable (パーサ変数)
\partCombineSoloI 自動パート結合
\partCombineSoloII 自動パート結合
\partCombineUnisono 自動パート結合
\partCombineUp A.17 音楽関数の一覧
\partial 上拍
\partial 1.4.1 長い繰り返し
\partial 通常の繰り返し
\partial A.17 音楽関数の一覧
partial measure (部分小節) 上拍
partial measure, in hymns (賛美歌での部分小節) 賛美歌での部分小節
\path A.11.3 Graphical markup
path, drawing A.11.3 Graphical markup
\pattern A.11.8 Other markup commands
pause mark (休止記号) ブレス記号
PDF metadata (PDF メタデータ) 3.2.3 出力ファイルのメタデータを作成する
pedal diagram, harp (ハープ ペダル ダイアグラム) ハープ ペダル
pedal high hat (ペダル ハイハット) 古代音楽のスクリプト
pedal indication style (ペダル指示スタイル) ピアノ ペダル
pedal indication, bracket (ペダル指示の囲み) ピアノ ペダル
pedal indication, mixed (混合ペダル指示) ピアノ ペダル
pedal indication, text (ペダル指示テキスト) ピアノ ペダル
pedal mark, organ (オルガン ペダル記号) アーティキュレーションと装飾
pedal sustain style (ペダル サステイン スタイル) ピアノ ペダル
pedal, harp (ハープ ペダル) ハープ ペダル
pedal, piano (ピアノ ペダル) ピアノ ペダル
pedal, sostenuto (ソステヌート ペダル) ピアノ ペダル
pedal, sustain (サステイン ペダル) ピアノ ペダル
pedalSustainStyle ピアノ ペダル
percent パーセント繰り返し
percent repeat (パーセント繰り返し) パーセント繰り返し
percent repeat counter (パーセント繰り返しのカウンタ) パーセント繰り返し
percent repeat, count visibility (パーセント繰り返しのカウンタの可視性) パーセント繰り返し
percent repeat, isolated (独立したパーセント繰り返し) パーセント繰り返し
percussion (打楽器) 基本的な打楽器の記譜法
percussion (打楽器) 打楽器の譜
percussion clef (打楽器の音部記号) 基本的な打楽器の記譜法
percussion clef (打楽器の音部記号) A.10 音部記号のスタイル
percussion staff (打楽器譜) 新たに譜をインスタンス化する
percussion, custom (カスタム打楽器) カスタム打楽器譜
percussion, dead note (打楽器での dead note) ゴースト ノート
percussion, false note (打楽器での false note) ゴースト ノート
percussion, ghost note (打楽器でのゴースト ノート) ゴースト ノート
percussion, muted note (打楽器での muted note) ゴースト ノート
percussion, silenced note (打楽器での silenced note) ゴースト ノート
Persian makam (ペルシアのマカーム) 記譜法とチューニング システムを拡張する
\pes グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
Petrucci 2.9 古代の記譜法
Petrucci 2.9.1 サポートされているスタイルの概要
Petrucci clef (Petrucci の音部記号) A.10 音部記号のスタイル
Petrucci clef (Petrucci スタイルの音部記号) 計量記譜法の音部記号
phrasing bracket (フレーズの囲み) 分析の囲み
phrasing mark (フレーズ記号) フレージング スラー
phrasing slur (フレージング スラー) スラー
phrasing slur (フレージング スラー) フレージング スラー
phrasing slur, dashed (破線のフレージング スラー) フレージング スラー
phrasing slur, defining dash patterns フレージング スラー
phrasing slur, dotted (点線のフレージング スラー) フレージング スラー
phrasing slur, half solid and half dashed (半分が実線で半分が破線のフレージング スラー) フレージング スラー
phrasing slurs, multiple (多重フレージング スラー) フレージング スラー
phrasing slurs, simultaneous (同時進行のフレージング スラー) フレージング スラー
phrasing, in lyrics (歌詞の中でのフレーズ) 複数の音符を 1 つの歌詞音節に割り当てる
\phrasingSlurDashed フレージング スラー
\phrasingSlurDashPattern フレージング スラー
\phrasingSlurDashPattern A.17 音楽関数の一覧
\phrasingSlurDotted フレージング スラー
\phrasingSlurDown フレージング スラー
\phrasingSlurHalfDashed フレージング スラー
\phrasingSlurHalfSolid フレージング スラー
\phrasingSlurNeutral フレージング スラー
\phrasingSlurSolid フレージング スラー
\phrasingSlurUp フレージング スラー
\phrygian 調号
phrygian (フリジアン) 調号
piano 自動臨時記号
piano accidental style (piano 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
piano music, centering dynamics (ピアノ譜で強弱記号を中央に配置する) キーボードのためのリファレンス
piano pedal (ピアノ ペダル) ピアノ ペダル
piano staff (ピアノ譜) 譜をグループ化する
piano staff (ピアノ譜) キーボードのためのリファレンス
piano-cautionary 自動臨時記号
piano-cautionary accidental style (piano-cautionary 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
PianoStaff キーボードのためのリファレンス
PianoStaff 譜を自動で変更する
pickup measure (ピックアップ小節) 上拍
pickup, in a repeat (繰り返しの中にあるピックアップ) 通常の繰り返し
pitch (ピッチ) 絶対オクターブ入力
pitch name (ピッチ名) 絶対オクターブ入力
pitch name, other languages (他の言語でのピッチ名) 他の言語での音符名
pitch range (ピッチ範囲) 音域
pitch, default (デフォルトのピッチ) 演奏時間
pitch, isolated (独立したピッチ) 演奏時間
pitch, transposition of (ピッチの移調) 移調
pitched trill (ピッチを持つトリル) トリル
pitched trill, with accidental (ピッチを持つトリルと臨時記号) トリル
\pitchedTrill トリル
\pitchedTrill A.17 音楽関数の一覧
pitches, ‘smart’ transposition (ピッチの‘スマート’ トランスポーズ) 移調
pitchnames parser variable (パーサ変数)
Pitch_squash_engraver 旋律のリズムを示す
pizzicato, Bartók (バルトーク ピッツィカート) スナップ (バルトーク) ピッツィカート
pizzicato, snap (スナップ ピッツィカート) スナップ (バルトーク) ピッツィカート
placeholder event (プレースホルダー イベント) 和音の音符
placement, lyrics (歌詞の配置) 歌詞の垂直方向の配置
placement, right-hand fingering (右手の運指の配置) 右手の運指
placing horizontal brackets, around text A.11.3 Graphical markup
placing parentheses, around text A.11.3 Graphical markup
placing vertical brackets, around text A.11.3 Graphical markup
PNG, image A.11.3 Graphical markup
\pointAndClickOff A.17 音楽関数の一覧
\pointAndClickOn A.17 音楽関数の一覧
\pointAndClickTypes A.17 音楽関数の一覧
\polygon A.11.3 Graphical markup
polymetric meter, with beams (多拍子での連桁) 多拍子記譜法
polymetric score (多拍子の楽譜) 5.1.4 コンテキストのプラグインを変更する
polymetric signatures (多拍子) 多拍子記譜法
polyphonic music (多声の音楽) 衝突の解決
polyphony, additional voices (多声での追加のボイス) 衝突の解決
polyphony, in tablatures (タブ譜内の多声) デフォルトのタブ譜
polyphony, shared lyrics (歌詞を共有する多声) 歌詞を共有する多声
polyphony, single-staff (単一譜の多声) 単一譜の多声
\popContextProperty A.17 音楽関数の一覧
\portato アーティキュレーションと装飾
\portato A.14 アーティキュレーションの一覧
portato (ポルタート) アーティキュレーションと装飾
position, figured bass alteration (通奏低音の変化記号の位置) 通奏低音を入力する
position, lyrics (歌詞の配置) オッシア譜
position, multi-measure rest (複数小節にまたがる休符の位置) 小節単位の休符
position, ossia (オッシアの配置) オッシア譜
\postscript マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\postscript A.11.3 Graphical markup
postscript マークアップ内部でのグラフィック記譜法
power chord (パワー コード) パワー コードの指示
\pp 強弱記号
\ppp 強弱記号
\pppp 強弱記号
\ppppp 強弱記号
practice note head (練習のための符頭) 演奏を容易にする記譜法の符頭
\prall アーティキュレーションと装飾
\prall アーティキュレーション スクリプト
\pralldown アーティキュレーションと装飾
\pralldown アーティキュレーション スクリプト
\prallmordent アーティキュレーションと装飾
\prallmordent アーティキュレーション スクリプト
\prallprall アーティキュレーションと装飾
\prallprall アーティキュレーション スクリプト
pralltriller (プラルトリラー) アーティキュレーションと装飾
pralltriller, long (ロング プラルトリラー) アーティキュレーションと装飾
pralltriller, up (アップ プラルトリラー) アーティキュレーションと装飾
pralltrlller, down (ダウン プラルトリラー) アーティキュレーションと装飾
\prallup アーティキュレーションと装飾
\prallup アーティキュレーション スクリプト
\preBend A.17 音楽関数の一覧
\preBendHold A.17 音楽関数の一覧
predefined string tuning, for fretted instruments (フレットのある楽器のためにあらかじめ定義された弦チューニング) カスタム タブ譜
predefinedDiagramTable あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
\predefinedFretboardsOff 自動フレット ダイアグラム
\predefinedFretboardsOn 自動フレット ダイアグラム
prima volta (1 つ目の volta) 1.4.1 長い繰り返し
print-all-headers その他の \paper 変数
print-first-page-number ページ番号のための \paper 変数
print-page-number ページ番号のための \paper 変数
printAccidentalNames 音符名
printing chord name (コード ネームを譜刻する) コード ネームを譜刻する
printing order (描画の順番) オブジェクトを白で描く
printing reserved character (予約文字を譜刻する) テキスト マークアップの導入部
printing special character (特殊文字を譜刻する) テキスト マークアップの導入部
printNotesLanguage 音符名
printOctaveNames 音符名
prob (プロパティ オブジェクト) prob (プロパティ オブジェクト)
property (プロパティ) 5.3.2 \set コマンド
property object (プロパティ オブジェクト) prob (プロパティ オブジェクト)
property, grob (グラフィカル オブジェクト プロパティ) 5.3.3 \override コマンド
\property-recursive A.11.8 Other markup commands
\propertyOverride A.17 音楽関数の一覧
\propertyRevert A.17 音楽関数の一覧
\propertySet A.17 音楽関数の一覧
\propertyTweak A.17 音楽関数の一覧
\propertyUnset A.17 音楽関数の一覧
psalm (聖歌) 2.1.7 聖歌と賛美歌
psalm (聖歌) 聖歌を設定する
\pt 5.4.3 距離と距離の単位
pull off (プリング オフ) デフォルトのタブ譜
punctuation, in lyrics (歌詞の句読点) 歌詞を入力する
pure container, Scheme (Scheme pure コンテナ) 5.5.6 unpure-pure コンテナ
\pushContextProperty A.17 音楽関数の一覧
\pushToTag タグを使用する
\pushToTag A.17 音楽関数の一覧
\put-adjacent A.11.2 Markup for text alignment
putting space around text A.11.2 Markup for text alignment

Q
q, chord repetition (q を用いた和音の繰り返し) 和音の繰り返し
q, chord repetition (q を用いた和音の繰り返し) デフォルトのタブ譜
QR code A.11.8 Other markup commands
\qr-code A.11.8 Other markup commands
quarter tone (4 分音) 臨時記号
quarter-tone accidental (4 分音臨時記号) 臨時記号
quarter-tone, tab (タブ譜での 4 分音) カスタム タブ譜
\quilisma グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\quilisma グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
quote, in lyrics (歌詞のスペース) 歌詞を入力する
quote, in lyrics (歌詞の中での引用符) 複数の歌詞音節を 1 つの音符に割り当てる
quote, voices (ボイスの引用) 他のボイスを引用する
quoted text (引用符で囲まれたテキスト) テキスト スクリプト
quoted text, in markup mode (マークアップ モードでの引用譜で囲まれたテキスト) テキスト マークアップの導入部
quotedCueEventTypes 他のボイスを引用する
quotedEventTypes 他のボイスを引用する
\quoteDuring 他のボイスを引用する
\quoteDuring 合図音符をフォーマットする
\quoteDuring A.17 音楽関数の一覧

R
r 休符
R 小節単位の休符
ragged-bottom 4.1.3 固定された垂直方向の \paper スペース変数
ragged-last 幅とマージンの \paper 変数
ragged-last 4.5.4 行の幅
ragged-last-bottom 4.1.3 固定された垂直方向の \paper スペース変数
ragged-right 幅とマージンの \paper 変数
ragged-right 4.5.4 行の幅
railroad tracks (線路記号、カエスーラ) ブレス記号
\raise テキスト揃え
\raise A.11.2 Markup for text alignment
\raiseNote 和音の転回と特殊なボイシング
\raiseNote A.17 音楽関数の一覧
raising text A.11.2 Markup for text alignment
range of pitches (ピッチの範囲) 音域
Ratisbona, Editio 2.9.1 サポートされているスタイルの概要
\reduceChords 旋律のリズムを示す
\reduceChords A.17 音楽関数の一覧
referencing context (コンテキストを参照する) 5.1.2 コンテキストを作成して参照する
referencing page label, in text A.11.8 Other markup commands
referencing page number, in text A.11.8 Other markup commands
referencing page number, in text A.11.8 Other markup commands
register symbol, accordion (アコーディオンのレジスター記号) ディスカント記号
regular line break (規則的な改行) 4.3.1 改行
rehearsal mark (リハーサル記号) リハーサル記号
rehearsal mark, below staff (譜の下にあるリハーサル記号) メトロノーム記号
rehearsal mark, format (リハーサル記号のフォーマット) リハーサル記号
rehearsal mark, manual (手動でリハーサル記号をセットする) リハーサル記号
rehearsal mark, style (リハーサル記号のスタイル) リハーサル記号
\relative 相対オクターブ入力
\relative 相対オクターブ入力
\relative 移調
\relative 譜を自動で変更する
\relative A.17 音楽関数の一覧
relative (相対) 相対オクターブ入力
relative music, and \autoChange (相対モードと \autoChange) 譜を自動で変更する
relative octave entry (相対オクターブ入力) 相対オクターブ入力
relative octave entry, and chords (相対オクターブ入力と和音) 相対オクターブ入力
relative octave entry, and transposition (相対オクターブ入力と移調) 相対オクターブ入力
relative octave specification (相対オクターブ指定) 相対オクターブ入力
relative pitch, chords (和音と相対ピッチ) 和音の音符
religious music (宗教音楽) 2.1.7 聖歌と賛美歌
reminder accidental (親切の臨時記号) 臨時記号
removal, in chord (和音の音の削除) 和音の拡張と変形
\remove 5.1.4 コンテキストのプラグインを変更する
remove tagged music (タグの付いた音楽を排除する) タグを使用する
remove-grace-property 装飾小音符
\RemoveAllEmptyStaves 譜を隠す
\RemoveAllEmptyStaves A.18 コンテキストを変更する識別子
\RemoveEmptyStaves 譜を隠す
\RemoveEmptyStaves A.18 コンテキストを変更する識別子
\removeWithTag タグを使用する
\removeWithTag A.17 音楽関数の一覧
removing bar numbers (小節番号を削除する) 小節番号
removing cue notes (合図音符を削除する) 合図音符をフォーマットする
renaissance music (ルネサンス音楽) 譜をグループ化する
\repeat 1.4.1 長い繰り返し
repeat (繰り返し) 小節線
repeat bar (繰り返しの小節線) 小節線
repeat number, changing (繰り返しの回数を変更する) 手動の繰り返し記号
\repeat percent パーセント繰り返し
\repeat tremolo トレモロの繰り返し
repeat volta, changing (繰り返し volta を変更する) 手動の繰り返し記号
repeat with alternate endings (入れ替え部分を持つ繰り返し) 1.4.1 長い繰り返し
repeat, alternative (繰り返しの入れ替え) 繰り返しを描き出す
repeat, alternative bar numbers (繰り返しでの異なる小節番号) 通常の繰り返し
repeat, ambiguous (あいまいな繰り返し) 通常の繰り返し
repeat, and glissandi (繰り返しとグリッサンド) グリッサンド
repeat, and glissandi (繰り返しとグリッサンド) 通常の繰り返し
repeat, and lyrics (繰り返しと歌詞) 歌詞と繰り返し
repeat, and measure number (繰り返しと小節番号) 通常の繰り返し
repeat, and slur (繰り返しとスラー) 通常の繰り返し
repeat, bar numbers with letters (繰り返しでの小節番号) 通常の繰り返し
repeat, double, style for volta (二重繰り返しのスタイル) 通常の繰り返し
repeat, end (繰り返しの終了) 手動の繰り返し記号
repeat, manual (手動の繰り返し) 手動の繰り返し記号
repeat, measure (小節の繰り返し) パーセント繰り返し
repeat, nested (ネストされた繰り返し) 通常の繰り返し
repeat, normal (通常の繰り返し) 1.4.1 長い繰り返し
repeat, percent (パーセント繰り返し) パーセント繰り返し
repeat, percent counter (パーセント繰り返しのカウンタ) パーセント繰り返し
repeat, percent, count visibility (パーセント繰り返しのカウンタの可視性) パーセント繰り返し
repeat, percent, isolated (独立したパーセント繰り返し) パーセント繰り返し
repeat, short (短い繰り返し) パーセント繰り返し
repeat, start (繰り返しの開始) 手動の繰り返し記号
repeat, timing information (繰り返しタイミング情報) 通常の繰り返し
repeat, tremolo (トレモロの繰り返し) トレモロの繰り返し
repeat, unfold (繰り返しを展開する) 繰り返しを描き出す
repeat, with anacrusis (弱拍を持つ繰り返し) 通常の繰り返し
repeat, with bar checks (繰り返しと小節チェック) 通常の繰り返し
repeat, with pickup (ピックアップを持つ繰り返し) 通常の繰り返し
repeat, with segno (セーニョを持つ繰り返し) 通常の繰り返し
repeat, with ties (タイを持つ繰り返し) 通常の繰り返し
repeat, with upbeat (上拍を持つ繰り返し) 通常の繰り返し
repeat, written-out (繰り返しを描き出す) 繰り返しを描き出す
repeatCommands 手動の繰り返し記号
repeatCountVisibility パーセント繰り返し
repeated chords, suppressing (和音の繰り返しを抑制する) コード ネームを譜刻する
repeated chords, suppressing (繰り返しの和音を抑制する) あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
repeating lyrics, with alternative endings (差し替えのある繰り返しの歌詞) 歌詞と繰り返し
repeating tie (タイを含む繰り返し) タイ
repeats in MIDI (MIDI での繰り返し) 3.5.6 MIDI で繰り返しを用いる
\repeatTie タイ
\repeatTie 通常の繰り返し
\repeatTie 歌詞と繰り返し
repetition, using q (q を用いた繰り返し) 和音の繰り返し
repetition, using q (q を用いた繰り返し) デフォルトのタブ譜
\replace A.11.1 Font markup
reserved character, printing (予約文字を譜刻する) テキスト マークアップの導入部
\resetRelativeOctave 相対オクターブ入力
\resetRelativeOctave A.17 音楽関数の一覧
resizing of staves (譜をリサイズする) オッシア譜
\responsum グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\responsum A.17 音楽関数の一覧
\rest 休符
\rest A.11.4 Markup for music and musical symbols
rest (休符) 休符
rest, ancient (古代の休符) 計量記譜法の休符
rest, church (教会音楽の休符) 空の小節を圧縮する
rest, collisions of (休符の衝突) 小節単位の休符
rest, condensing ordinary (通常の休符をまとめる) 小節単位の休符
rest, entering durations (休符の演奏時間を入力する) 休符
rest, full-measure (小節単位の休符) 小節単位の休符
rest, invisible (不可視の休符) 不可視の休符
rest, multi-measure (複数小節にまたがる休符) 休符
rest, multi-measure (複数小節にまたがる休符) 小節単位の休符
rest, specifying vertical position (休符の垂直方向の位置を指定する) 休符
rest, splitting (休符を分割する) 自動音符分割
rest, style (休符のスタイル) 休符
rest, whole, for a full measure (小節に対する全休符) 小節単位の休符
rest, whole-measure (全休符) 休符
rest, within text, by duration A.11.4 Markup for music and musical symbols
rest, within text, by log and dot-count A.11.4 Markup for music and musical symbols
\rest-by-number A.11.4 Markup for music and musical symbols
rest-event 他のボイスを引用する
restNumberThreshold 空の小節を圧縮する
restoring default properties for time signatures (拍子をデフォルト プロパティに戻す) 拍子
restrainOpenStrings デフォルトのタブ譜
\retrograde 逆行
\retrograde A.17 音楽関数の一覧
retrograde transformation (逆行変換) 逆行
reverb in MIDI (MIDI でのリバーブ) 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
reverse turn (逆ターン) アーティキュレーションと装飾
\reverseturn アーティキュレーションと装飾
\reverseturn アーティキュレーション スクリプト
\revert 5.3.3 \override コマンド
reverting override (オーバライドを元に戻す) 5.3.3 \override コマンド
\revertTimeSignatureSettings 拍子
\revertTimeSignatureSettings A.17 音楽関数の一覧
\rfz 強弱記号
rgb color (RGB カラー) オブジェクトに色を付ける
rgb-color オブジェクトに色を付ける
\rheel アーティキュレーションと装飾
\rheel フェルマータ スクリプト
\rhythm A.11.4 Markup for music and musical symbols
rhythm, in text A.11.4 Markup for music and musical symbols
rhythm, showing melody (旋律のリズムを示す) 旋律のリズムを示す
rhythmic staff (リズム譜) 新たに譜をインスタンス化する
RhythmicStaff 新たに譜をインスタンス化する
ride bell (ライドベル) 古代音楽のスクリプト
ride cymbal (ライド シンバル) 古代音楽のスクリプト
\right-align テキスト揃え
\right-align A.11.2 Markup for text alignment
right-aligning text A.11.2 Markup for text alignment
\right-brace A.11.8 Other markup commands
\right-column A.11.2 Markup for text alignment
right-hand fingering, for fretted instrument (フレットのある楽器での右手の運指) 右手の運指
right-hand fingering, placement (右手の運指の配置) 右手の運指
right-margin 幅とマージンの \paper 変数
\rightHandFinger 右手の運指
\rightHandFinger A.17 音楽関数の一覧
\romanStringNumbers ボーイング指示
\romanStringNumbers 弦番号の指示
root of chord (和音の根音) 一般的な和音
\rotate A.11.2 Markup for text alignment
rotating object (オブジェクトを回転させる) レイアウト オブジェクトを回転させる
rotating text A.11.2 Markup for text alignment
\rounded-box マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\rounded-box A.11.3 Graphical markup
\rtoe アーティキュレーションと装飾
\rtoe フェルマータ スクリプト

S
s 不可視の休符
Sacred Harp note head (Sacred Harp の符頭) シェイプ ノートの符頭
\sacredHarpHeads シェイプ ノートの符頭
\sacredHarpHeadsMinor シェイプ ノートの符頭
\sans A.11.1 Font markup
SATB (S: ソプラノ、A: アルト、T: テナー、B: バス) 2.1.5 合唱
scalable vector graphics output (SVG 出力) 3.4.3 他の出力フォーマット
\scale A.11.3 Graphical markup
\scaleDurations 演奏時間を変更する
\scaleDurations 多拍子記譜法
\scaleDurations A.17 音楽関数の一覧
scaling duration (演奏時間を伸縮する) 演奏時間を変更する
scaling markup A.11.3 Graphical markup
scaling text A.11.2 Markup for text alignment
Scheme object (Scheme オブジェクト) smob (Scheme オブジェクト)
Scheme variable (Scheme 変数) parser variable (パーサ変数)
Scheme, pure container (Scheme pure コンテナ) 5.5.6 unpure-pure コンテナ
Scheme, unpure container (Scheme unpure コンテナ) 5.5.6 unpure-pure コンテナ
\score 3.1.1 スコアの構造
\score 3.1.5 ファイル構造
\score A.11.4 Markup for music and musical symbols
score, inside markup (マークアップ内部の楽譜) マークアップ内部での音楽記譜法
score, vocal, adding cues (歌曲で合図を追加する) 合図
\score-lines A.12 \markuplist コマンドの一覧
score-markup-spacing 可変な垂直方向の \paper スペース変数のリスト
score-system-spacing 可変な垂直方向の \paper スペース変数のリスト
scoreTitleMarkup タイトルのカスタム レイアウト
Scottish highland bagpipe (スコティッシュ ハイランド バグパイプ) バグパイプの定義
script (スクリプト) アーティキュレーションと装飾
script, on multi-measure rest (複数小節にまたがる休符上のスクリプト) 小節単位の休符
script, vertical ordering (スクリプトの縦方向の順序) アーティキュレーションと装飾
seconda volta (2 つ目の volta) 1.4.1 長い繰り返し
\sectionLabel A.17 音楽関数の一覧
\segno アーティキュレーションと装飾
\segno A.11.4 Markup for music and musical symbols
\segno 楽器に固有のスクリプト
segno (セーニョ) 小節線
segno (セーニョ) リハーサル記号
segno sign (セーニョ記号) アーティキュレーションと装飾
segno sign, on bar line (小節線上のセーニョ記号) テキスト マーク
segno, with repeats (繰り返しを持つセーニョ) 通常の繰り返し
\segnoMark A.17 音楽関数の一覧
selecting font size (notation) (フォント サイズ (記譜法) を選択する) 記譜フォント サイズを選択する
self-alignment-X システム内部のスペース プロパティ
semai form (セマーイー形式) アラブ音楽での拍子
semi-flat (半フラット) 臨時記号
semi-flat (半フラット) 他の言語での音符名
semi-flat symbol appearance (半フラット記号の見た目) アラブ音楽での音符名
semi-sharp (半シャープ) 臨時記号
semi-sharp (半シャープ) 他の言語での音符名
\semicirculus グレゴリオ聖歌のアーティキュレーション
\semicirculus 繰り返し記号のスクリプト
\semiflat A.11.4 Markup for music and musical symbols
\semiGermanChords コード ネームをカスタマイズする
\semisharp A.11.4 Markup for music and musical symbols
separate text (独立したテキスト) 独立したテキスト
\serif A.11.1 Font markup
sesqui-flat (1.5 フラット) 他の言語での音符名
sesqui-sharp (1.5 シャープ) 他の言語での音符名
\sesquiflat A.11.4 Markup for music and musical symbols
\sesquisharp A.11.4 Markup for music and musical symbols
\set 自動連桁の振る舞いを設定する
\set 5.3.2 \set コマンド
\set 5.3.5 \set\override
set-global-fonts ドキュメント全体のフォント
set-global-staff-size 4.2.2 譜サイズを設定する
set-octavation オッターバ囲み
setting extent of text object A.11.8 Other markup commands
setting extent of text object A.11.8 Other markup commands
setting extent of text object A.11.8 Other markup commands
setting extent of text object A.11.8 Other markup commands
setting extent of text object A.11.8 Other markup commands
setting horizontal text alignment A.11.2 Markup for text alignment
setting subscript, in standard font size A.11.1 Font markup
setting superscript, in standard font size A.11.1 Font markup
\settingsFrom A.17 音楽関数の一覧
seventh chord (七の和音、セブンス コード) 一般的な和音
\sf 強弱記号
\sff 強弱記号
\sfz 強弱記号
\shape タイとスラーの形状を変更する
\shape A.17 音楽関数の一覧
shape note (シェイプ ノート) シェイプ ノートの符頭
shaping slurs and ties (スラーとタイの形状) タイとスラーの形状を変更する
shared property (共有プロパティ) immutable (イミュータブル)
\sharp A.11.4 Markup for music and musical symbols
sharp (シャープ) 臨時記号
sharp, double (ダブル シャープ) 臨時記号
shift note (音符のシフト) 衝突の解決
shift rest, automatic (自動的な休符のシフト) 衝突の解決
shift symbol, accordion (アコーディオンのシフト記号) ディスカント記号
\shiftDurations A.17 音楽関数の一覧
shifting voice (ボイスをずらす) 衝突の解決
\shiftOff 衝突の解決
\shiftOn 衝突の解決
\shiftOnn 衝突の解決
\shiftOnnn 衝突の解決
short-indent 楽器名
short-indent シフトとインデントのための \paper 変数
shortened volta brackets (短縮された繰り返し括弧) 通常の繰り返し
\shortfermata アーティキュレーションと装飾
\shortfermata 装飾音スクリプト
show-available-fonts 個々に登録するフォント
showFirstLength 3.4.2 校正済みの音楽をスキップする
showFirstLength parser variable (パーサ変数)
\showKeySignature バグパイプの定義
showLastLength 3.4.2 校正済みの音楽をスキップする
showLastLength parser variable (パーサ変数)
\showStaffSwitch 譜変更線
sidestick (サイドスティック) 古代音楽のスクリプト
sidestick (サイドスティック) 古代音楽のスクリプト
sign, coda (コーダ記号) アーティキュレーションと装飾
sign, conducting (指揮記号) 自動連桁の振る舞いを設定する
sign, segno (セーニョ記号) アーティキュレーションと装飾
sign, variant coda (変形コーダ記号) アーティキュレーションと装飾
signature, polymetric (多拍子) 多拍子記譜法
\signumcongruentiae アーティキュレーションと装飾
\signumcongruentiae 繰り返し記号のスクリプト
silenced note, percussion (打楽器での silenced note) ゴースト ノート
\simple A.11.1 Font markup
simple text string, with tie characters A.11.4 Markup for music and musical symbols
simultaneous notes and accidentals (同時発生する音符と臨時記号) 自動臨時記号
simultaneous phrasing slurs (同時進行のフレージング スラー) フレージング スラー
simultaneous slurs (同時進行のスラー) スラー
singer name (歌手名) 歌詞の節に歌手の名前を追加する
\single 音楽表記の中にある脚注
\single 5.3.6 \offset コマンド
\single A.17 音楽関数の一覧
single staff with bracket or brace (括弧が付いている 1 つの譜) 譜をグループ化する
single-line comment (単一行コメント) 3.1.1 スコアの構造
single-line comment (単一行コメント) 3.1.5 ファイル構造
single-staff polyphony (単一譜の多声) 単一譜の多声
\skip 不可視の休符
\skip 歌詞と繰り返し
\skip A.17 音楽関数の一覧
skip (スキップ) 不可視の休符
skipBars 空の小節を圧縮する
skipping notes in lyrics (歌詞の中で音符をスキップする) 歌詞と繰り返し
skipTypesetting 3.4.2 校正済みの音楽をスキップする
slash turn (スラッシュ ターン) アーティキュレーションと装飾
slashChordSeparator コード ネームをカスタマイズする
slashed digit A.11.8 Other markup commands
slashed note head (スラッシュ形の符頭) 即興
slashed stem (スラッシュ付きの符幹) 装飾小音符
\slashed-digit A.11.8 Other markup commands
\slashedGrace 装飾小音符
\slashedGrace A.17 音楽関数の一覧
\slashSeparator その他の \paper 変数
\slashturn アーティキュレーションと装飾
\slashturn アーティキュレーション スクリプト
slide, in tablature notation (タブ譜の記譜法でのスライド) デフォルトのタブ譜
slope, ottava spanner, modification (オッターバのスパナの傾きを変更する) オッターバ囲み
slur (スラー) スラー
slur style (スラーのスタイル) スラー
slur, above notes (音符の上にスラーを配置する) スラー
slur, and repeats (スラーと繰り返し) 通常の繰り返し
slur, below notes (音符の下にスラーを配置する) スラー
slur, dashed (破線のスラー) スラー
slur, dashed phrasing (破線のフレージング スラー) フレージング スラー
slur, defining dash patterns (スラーの破線パターンを定義する) スラー
slur, defining dash patterns (スラーの破線パターンを定義する) スラー
slur, defining dash patterns for phrasing (フレージング スラーの破線パターンを定義する) フレージング スラー
slur, dotted (点線のスラー) スラー
slur, dotted phrasing (点線のフレージング スラー) フレージング スラー
slur, for tuplets (連符のスラー) 連符
slur, half dashed and half solid (半分が破線で半分が実線のスラー) スラー
slur, half solid and half dashed phrasing (半分が実線で半分が破線のフレージング スラー) フレージング スラー
slur, manual placement (手動でスラーを配置する) スラー
slur, modifying (スラーの形状を変更する) タイとスラーの形状を変更する
slur, multiple (多重スラー) スラー
slur, phrasing (フレージング スラー) スラー
slur, phrasing (フレージング スラー) フレージング スラー
slur, phrasing, defining dash patterns (フレージング スラーの破線パターンを定義する) フレージング スラー
slur, simultaneous (同時進行のスラー) スラー
slur, solid (実線のスラー) スラー
slur, text markup inside (スラー内部のマークアップ テキスト) スラー
slur-event 他のボイスを引用する
\slurDashed スラー
\slurDashPattern スラー
\slurDashPattern A.17 音楽関数の一覧
\slurDotted スラー
\slurDown スラー
\slurHalfDashed スラー
\slurHalfSolid スラー
\slurNeutral スラー
slurs, double, for legato chords (和音のレガートに用いる 2 つのスラー) スラー
slurs, multiple phrasing (多重フレージング スラー) フレージング スラー
slurs, simultaneous phrasing (同時進行のフレージング スラー) フレージング スラー
\slurSolid スラー
\slurUp スラー
\small 記譜フォント サイズを選択する
\small フォントとフォント サイズを選択する
\small A.11.1 Font markup
\smallCaps A.11.1 Font markup
\smaller フォントとフォント サイズを選択する
\smaller フォントとフォント サイズを選択する
\smaller A.11.1 Font markup
smaller note (小さな音符) 合図音符をフォーマットする
smob (Scheme オブジェクト) smob (Scheme オブジェクト)
snap pizzicato (スナップ ピッツィカート) スナップ (バルトーク) ピッツィカート
\snappizzicato アーティキュレーションと装飾
\snappizzicato フェルマータ スクリプト
snare (スネア) 古代音楽のスクリプト
Solesmes 2.9.1 サポートされているスタイルの概要
solid slur (実線のスラー) スラー
solo part (ソロ パート) 自動パート結合
soprano clef (ソプラノ音部記号) 音部記号
soprano clef (ソプラノ音部記号) A.10 音部記号のスタイル
sos. ピアノ ペダル
sostenuto pedal (ソステヌート ペダル) ピアノ ペダル
\sostenutoOff ピアノ ペダル
\sostenutoOn ピアノ ペダル
sound (サウンド) 3.5 MIDI 出力を作り出す
\sourcefileline 3.1.5 ファイル構造
\sourcefilename 3.1.5 ファイル構造
Southern Harmony note head (Southern Harmony の符頭) シェイプ ノートの符頭
\southernHarmonyHeads シェイプ ノートの符頭
\southernHarmonyHeadsMinor シェイプ ノートの符頭
\sp 強弱記号
space, between staves (譜の間のスペース) 4.4.1 システム内部の可変な垂直方向のスペース
space, in lyrics (歌詞のスペース) 歌詞を入力する
space, in lyrics (歌詞の中での空白) 複数の歌詞音節を 1 つの音符に割り当てる
space, inside systems (システム内部のスペース) 4.4.1 システム内部の可変な垂直方向のスペース
spacer note (空白音符) 不可視の休符
spacer rest (空白休符) 不可視の休符
spacing 4.5.1 水平方向のスペースの概要
spacing lyrics (歌詞の間隔) 歌詞の水平方向の配置
spacing section, new (新しいスペース セクション) 4.5.2 新しいスペース セクション
spacing, display of layout (レイアウト スペースの表示) 4.6.1 スペースを表示する
spacing, horizontal (水平方向のスペース) 4.5 水平方向のスペース
spacing, vertical (垂直方向のスペース) 4.4 垂直方向のスペース
spanner, modifying (スパナを変更する) \alterBroken を使用する
Span_stem_engraver 譜変更線
special arpeggio symbol (特殊なアルペジオ シンボル) アルペジオ
special character (特殊文字) 3.3.3 特殊文字
special character, in markup mode (マークアップ モードでの特殊文字) テキスト マークアップの導入部
special characters, printing (特殊文字を譜刻する) テキスト マークアップの導入部
special note head (特別な符頭) 特殊な符頭
splash cymbal (スプラッシュ シンバル) 古代音楽のスクリプト
splice into tagged music (タグの付いた音楽に組み込む) タグを使用する
splitting notes (音符を分割する) 自動音符分割
splitting rests (休符を分割する) 自動音符分割
\spp 強弱記号
Sprechgesang 語り音楽
square bracket, at start of staff group (譜グループの先頭の角括弧) 譜をグループ化する
square naumes ligature (四角形ネウマのリガトゥーラ) グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\staccatissimo アーティキュレーションと装飾
\staccatissimo A.14 アーティキュレーションの一覧
staccatissimo (スタッカーティシモ) アーティキュレーションと装飾
\staccato アーティキュレーションと装飾
\staccato A.14 アーティキュレーションの一覧
staccato (スタッカート) アーティキュレーションと装飾
stacking text in a column A.11.2 Markup for text alignment
staff brace, in markup A.11.8 Other markup commands
staff change, automatic (譜の自動変更) 譜を自動で変更する
staff change, manual (手動の譜の変更) 譜を手動で変更する
staff distance (譜の間隔) 4.4.1 システム内部の可変な垂直方向のスペース
staff group (譜グループ) 譜をグループ化する
staff group, with square bracket at start (譜グループの先頭の角括弧) 譜をグループ化する
staff initiation (譜の開始) 新たに譜をインスタンス化する
staff instantiation (譜のインスタンス化) 新たに譜をインスタンス化する
staff line, modifying (譜線を変更する) 譜シンボル
staff line, stopping and starting (譜線を停止、開始する) 譜シンボル
staff size, setting (譜サイズを設定する) 4.2.2 譜サイズを設定する
staff switching (譜の切り換え) 譜変更線
staff symbol (譜シンボル) 譜シンボル
staff symbol, setting of (譜記号の設定) 5.4.5 譜記号プロパティ
staff, choir (合唱譜) 譜をグループ化する
staff, drum (ドラム譜) 新たに譜をインスタンス化する
staff, empty (空の譜) 譜を隠す
staff, Frenched (隠された譜) オッシア譜
staff, grand (グランド譜) 譜をグループ化する
staff, hiding (譜を隠す) 譜を隠す
staff, keyboard instruments (キーボード譜) キーボードのためのリファレンス
staff, keyed instruments (キーを持つ楽器の譜) キーボードのためのリファレンス
staff, metronome mark below (譜の下にあるメトロノーム記号) メトロノーム記号
staff, multiple (複数の譜) 譜をグループ化する
staff, nested (ネストされた譜) ネストされた譜グループ
staff, new (新しい譜) 新たに譜をインスタンス化する
staff, percussion (打楽器譜) 新たに譜をインスタンス化する
staff, piano (ピアノ譜) 譜をグループ化する
staff, piano (ピアノ譜) キーボードのためのリファレンス
staff, resizing of (譜をリサイズする) オッシア譜
staff, single (単一の譜) 新たに譜をインスタンス化する
staff, single, with bracket or brace (括弧が付いている 1 つの譜) 譜をグループ化する
staff-affinity システム内部のスペース プロパティ
staff-change line (譜変更線) 譜変更線
\staff-space 5.4.3 距離と距離の単位
staff-staff-spacing システム内部のスペース プロパティ
Staff.midiInstrument 3.5.9 MIDI 出力をより良くする
staffgroup-staff-spacing システム内部のスペース プロパティ
\staffHighlight A.17 音楽関数の一覧
Staff_collecting_engraver テキスト マーク
Staff_symbol_engraver 譜を隠す
standalone text (孤立したテキスト) 独立したテキスト
standard font size (notation) (標準フォント サイズ (記譜法)) 記譜フォント サイズを選択する
stanza number (歌詞番号) 歌詞の節番号を追加する
start of system (システムの開始) 譜をグループ化する
start repeat (繰り返しの開始) 手動の繰り返し記号
start-repeat 手動の繰り返し記号
startAcciaccaturaMusic 装飾小音符
startAppoggiaturaMusic 装飾小音符
startGraceMusic 装飾小音符
\startGroup 分析の囲み
\startStaff 譜シンボル
\startStaff オッシア譜
\startTrillSpan トリル
\stdBass A.11.7 Accordion registers
\stdBassIV A.11.7 Accordion registers
\stdBassV A.11.7 Accordion registers
\stdBassVI A.11.7 Accordion registers
stem (符幹) 符幹
stem, automatic direction on center line (中央の線上にある自動的な符幹の向き) 符幹
stem, cross-staff (譜を跨ぐ符幹) 譜変更線
stem, default direction on center line (中央の線上にある符幹のデフォルトの向き) 符幹
stem, direction (符幹の向き) 符幹
stem, down (符幹を下向きにする) 符幹
stem, in tablature (タブ譜内の符幹) デフォルトのタブ譜
stem, invisible (不可視の符幹) 符幹
stem, neutral (符幹の向きを元に戻す) 符幹
stem, up (符幹を上向きにする) 符幹
stem, with slash (スラッシュ付きの符幹) 装飾小音符
stem-spacing-correction 4.5.1 水平方向のスペースの概要
\stemDown 符幹
stemLeftBeamCount 手動連桁
stemLeftBeamCount 手動連桁
\stemNeutral 符幹
stemRightBeamCount 手動連桁
stemRightBeamCount 手動連桁
\stemUp 符幹
\stencil A.11.8 Other markup commands
stencil (ステンシル) stencil (ステンシル)
stencil, removing (ステンシルを削除する) ステンシルを削除する
stereo balance in MIDI (MIDI でのステレオ バランス) 3.5.8 MIDI エフェクトのためのコンテキスト プロパティ
stopAcciaccaturaMusic 装飾小音符
stopAppoggiaturaMusic 装飾小音符
stopGraceMusic 装飾小音符
\stopGroup 分析の囲み
\stopped アーティキュレーションと装飾
\stopped フェルマータ スクリプト
stopped (ストップ、ミュート) アーティキュレーションと装飾
\stopStaff 譜シンボル
\stopStaff オッシア譜
\stopStaff 譜を隠す
\stopTrillSpan トリル
\storePredefinedDiagram あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
\storePredefinedDiagram あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
\storePredefinedDiagram A.17 音楽関数の一覧
strict spacing and grace notes (厳密なスペーシングと装飾小音符) 装飾小音符
strict-beat beaming (拍に厳密な連桁) 自動連桁の振る舞いを設定する
strictBeatBeaming 自動連桁の振る舞いを設定する
string number (弦番号) ボーイング指示
string number (弦番号) 弦番号の指示
string vs. fingering number (弦 vs. 指番号) 弦番号の指示
string, indicating open (開放弦の指示) ボーイング指示
\string-lines A.12 \markuplist コマンドの一覧
stringNumberOrientations 運指の指示
strings, orchestral (オーケストラの弦楽器) 2.3 フレットの無い弦楽器
strings, writing for (弦楽器のための記譜法) 2.3 フレットの無い弦楽器
\stringTuning カスタム タブ譜
\stringTuning A.17 音楽関数の一覧
stringTunings カスタム タブ譜
stringTunings あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
strokeFingerOrientations 運指の指示
strokeFingerOrientations 右手の運指
\stropha グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\stropha グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
strumming rhythm, showing (つま弾き (ストラム) のリズムを示す) 旋律のリズムを示す
strumming rhythm, showing (つま弾き (ストラム) のリズムを示す) 旋律のリズムを示す
\strut A.11.8 Other markup commands
style, bar number (小節番号のスタイル) 小節番号
style, double repeat for volta (二重繰り返しのスタイル) 通常の繰り返し
style, measure number (小節番号のスタイル) 小節番号
style, multi-measure rests (複数小節にまたがる休符のスタイル) 空の小節を圧縮する
style, note heads (符頭のスタイル) 特殊な符頭
style, rehearsal mark (リハーサル記号のスタイル) リハーサル記号
style, rests (休符のスタイル) 休符
style, slur (スラーのスタイル) スラー
style, text dynamics (強弱記号のテキストのスタイル) 強弱記号
style, voice (ボイス スタイル) ボイス スタイル
\styledNoteHeads A.17 音楽関数の一覧
\sub フォントとフォント サイズを選択する
\sub A.11.1 Font markup
subbass clef (低バス音部記号) 音部記号
subbass clef (低バス音部記号) A.10 音部記号のスタイル
subdivideBeams 自動連桁の振る舞いを設定する
subdividing beams (連桁をサブ グループ化する) 自動連桁の振る舞いを設定する
subscript (下付き文字) フォントとフォント サイズを選択する
subscript text A.11.1 Font markup
suggestAccidentals アーティキュレーションと装飾
suggestAccidentals 注釈的な臨時記号 (ムジカ・フィクタ)
\super フォントとフォント サイズを選択する
\super A.11.1 Font markup
superscript (上付き文字) フォントとフォント サイズを選択する
superscript text A.11.1 Font markup
suppressing repeated chords (和音の繰り返しを抑制する) コード ネームを譜刻する
suppressing repeated chords (繰り返しの和音を抑制する) あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
sus 和音の拡張と変形
sustain pedal (サステイン ペダル) ピアノ ペダル
sustain pedal style (サステイン ペダル スタイル) ピアノ ペダル
\sustainOff ピアノ ペダル
\sustainOn ピアノ ペダル
SVG output (SVG 出力) 3.4.3 他の出力フォーマット
swing A.11.4 Markup for music and musical symbols
swing script (スウィング スクリプト) スウィング スクリプト
swing.ly スウィング スクリプト
switching font (フォントを切り換える) フォントとフォント サイズを選択する
syllable duration, automatic (歌詞音節の自動演奏時間) 歌詞音節の自動演奏時間
symbol, breath mark, changing (ブレス記号を変更する) ブレス記号
symbol, major seven (長七和音の記号) コード ネームをカスタマイズする
symbol, non-musical (音楽要素ではないシンボル) マークアップ内部でのグラフィック記譜法
syntax, markup (マークアップ構文) テキスト マークアップの導入部
system (システム) 譜をグループ化する
system separator mark (システム分割記号) システムを分割する
system start delimiter (システム開始の境界線) 譜をグループ化する
system start delimiter, nested (ネストされたシステムの開始境界線) ネストされた譜グループ
system-count 改行のための \paper 変数
system-separator-markup その他の \paper 変数
system-system-spacing 可変な垂直方向の \paper スペース変数のリスト
systems-per-page 改行のための \paper 変数

T
tab clef (タブ譜の音部記号) カスタム タブ譜
tab clef (タブ譜の音部記号) A.10 音部記号のスタイル
tab microtones (タブ譜での微分音) カスタム タブ譜
tab quarter-tones (タブ譜での 4 分音) カスタム タブ譜
\tabChordRepeats デフォルトのタブ譜
\tabChordRepeats A.17 音楽関数の一覧
\tabChordRepetition A.17 音楽関数の一覧
\tabFullNotation デフォルトのタブ譜
tablature (タブ譜) 新たに譜をインスタンス化する
tablature (タブ譜) 2.4 フレットのある弦楽器
tablature, and beams (タブ譜と連桁) デフォルトのタブ譜
tablature, and harmonic indications (タブ譜とハーモニック指示) デフォルトのタブ譜
tablature, and harmonics デフォルトのタブ譜
tablature, and polyphony (タブ譜と多声) デフォルトのタブ譜
tablature, and slides (タブ譜とスライド) デフォルトのタブ譜
tablature, and stems (タブ譜と符幹) デフォルトのタブ譜
tablature, banjo (バンジョー タブ譜) 2.4 フレットのある弦楽器
tablature, banjo (バンジョー タブ譜) カスタム タブ譜
tablature, banjo (バンジョーのタブ譜) バンジョーのタブ譜
tablature, basic (基本的なタブ譜) デフォルトのタブ譜
tablature, bass (バス タブ譜) カスタム タブ譜
tablature, bass guitar (バス ギター タブ譜) カスタム タブ譜
tablature, cello (チェロ タブ譜) カスタム タブ譜
tablature, chord glissando (タブ譜と和音のグリッサンド) デフォルトのタブ譜
tablature, custom (カスタム タブ譜) カスタム タブ譜
tablature, custom string tunings (カスタム弦チューニングのタブ譜) カスタム タブ譜
tablature, default (デフォルトのタブ譜) デフォルトのタブ譜
tablature, double bass (ダブル バス タブ譜) カスタム タブ譜
tablature, guitar (ギター タブ譜) 2.4 フレットのある弦楽器
tablature, guitar (ギター タブ譜) カスタム タブ譜
tablature, hammer on (タブ譜とハンマリング オン) デフォルトのタブ譜
tablature, lute (リュートのタブ譜) リュートのタブ譜
tablature, mandolin (マンドリン タブ譜) カスタム タブ譜
tablature, predefined string tunings (あらかじめ定義された弦チューニングのタブ譜) カスタム タブ譜
tablature, pull off (タブ譜とプリング オフ) デフォルトのタブ譜
tablature, ukulele (ウクレレ タブ譜) カスタム タブ譜
tablature, viola (ビオラ タブ譜) カスタム タブ譜
tablature, violin (バイオリン タブ譜) カスタム タブ譜
\table A.12 \markuplist コマンドの一覧
\table-of-contents 3.2.6 目次
\table-of-contents A.12 \markuplist コマンドの一覧
TabStaff 新たに譜をインスタンス化する
TabStaff デフォルトのタブ譜
TabVoice デフォルトのタブ譜
\tag タグを使用する
\tag A.17 音楽関数の一覧
tag (タグ) タグを使用する
tag groups (タグ グループ) タグを使用する
\tagGroup タグを使用する
\tagGroup A.17 音楽関数の一覧
tam tam (タムタム) 古代音楽のスクリプト
tambourine (タンバリン) 古代音楽のスクリプト
\taor バグパイプの定義
taqasim (タクシーム) アラブ音楽での拍子
teaching 自動臨時記号
teaching accidental style (teaching 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
\teeny 記譜フォント サイズを選択する
\teeny フォントとフォント サイズを選択する
\teeny A.11.1 Font markup
template Arabic music (アラブ音楽のテンプレート) アラブ音楽の例
\tempo メトロノーム記号
tempo (テンポ) メトロノーム記号
tempo, change, without metronome mark (メトロノーム記号を表示しないテンポ変化) メトロノーム記号
tempo, with rhythm A.11.4 Markup for music and musical symbols
\temporary 5.3.6 \offset コマンド
\temporary \alterBroken を使用する
\temporary A.17 音楽関数の一覧
tenor clef (テノール音部記号) 音部記号
tenor clef (テノール音部記号) A.10 音部記号のスタイル
tenor clef, choral (合唱譜のテナー音部記号) 音部記号
tenor G clef (テノール G 音部記号) A.10 音部記号のスタイル
tenor varC clef (テノール 変形 C 音部記号) A.10 音部記号のスタイル
\tenuto アーティキュレーションと装飾
\tenuto A.14 アーティキュレーションの一覧
tenuto (テヌート) アーティキュレーションと装飾
text ピアノ ペダル
text alignment command (テキスト揃えのコマンド) テキスト揃え
text column, left-aligned A.11.2 Markup for text alignment
text column, right-aligned A.11.2 Markup for text alignment
text dynamics, style (強弱記号のテキストのスタイル) 強弱記号
text item, non-empty (空ではないテキスト アイテム) テキスト スクリプト
text mark (テキスト マーク) テキスト マーク
text markup (テキスト マークアップ) テキスト マークアップの導入部
text markup, inside slurs (スラー内部のマークアップ テキスト) スラー
text object (テキスト オブジェクト) テキスト オブジェクトの概要
text script (テキスト スクリプト) テキスト スクリプト
text script, vertical alignment (テキスト スクリプトの縦方向の位置) 強弱記号
text size (テキスト サイズ) フォントとフォント サイズを選択する
text spanner (テキスト スパナ) テキスト スパナ
text spanner, dynamics, customize (強弱記号のテキスト スパナをカスタマイズする) テキスト スパナ
text spanner, formatting (テキスト スパナ フォーマット) テキスト スパナ
text, aligning (テキストを揃える) テキスト揃え
text, centering on page (テキストをページの中央に揃える) テキスト揃え
text, decorating (テキストを飾り付ける) マークアップ内部でのグラフィック記譜法
text, framing (テキストにフレームを付ける) マークアップ内部でのグラフィック記譜法
text, horizontal alignment (テキストを水平方向に揃える) テキスト揃え
text, in columns (テキストの段組) 独立したテキスト
text, in columns (段組のテキスト) テキスト揃え
text, in volta bracket (volta 囲みの中にあるテキスト) 手動の繰り返し記号
text, justified (両端揃えのテキスト) テキスト揃え
text, keeping inside margin (テキストをマージン内に収める) テキスト スクリプト
text, line width (テキストの線幅) テキスト揃え
text, multi-line (複数行にわたるテキスト) テキスト揃え
text, on bar line (小節線上のテキスト) テキスト マーク
text, on multi-measure rest (複数小節にまたがる休符上のテキスト) 小節単位の休符
text, other languages (他の言語のテキスト) 1.8.1 テキストを記述する
text, ottavation (オッターバのテキスト) オッターバ囲み
text, outside margin (マージンからはみ出すテキスト) テキスト スクリプト
text, padding (テキスト パディング) マークアップ内部でのグラフィック記譜法
text, separate (独立したテキスト) 独立したテキスト
text, spread over multiple pages (複数ページに広がるテキスト) 複数ページにわたるマークアップ
text, standalone (孤立したテキスト) 独立したテキスト
text, top-level (最上位レベルのテキスト) 独立したテキスト
text, vertical alignment (テキストを垂直方向に揃える) テキスト揃え
text, wordwrapped (折り返しされたテキスト) テキスト揃え
\text-accidental A.11.4 Markup for music and musical symbols
\text-doubleflat A.11.4 Markup for music and musical symbols
\text-doublesharp A.11.4 Markup for music and musical symbols
\text-flat A.11.4 Markup for music and musical symbols
\text-natural A.11.4 Markup for music and musical symbols
\text-sharp A.11.4 Markup for music and musical symbols
\textEndMark A.17 音楽関数の一覧
\textLengthOff 小節単位の休符
\textLengthOff 小節単位の休符
\textLengthOff テキスト スクリプト
\textLengthOn 小節単位の休符
\textLengthOn 小節単位の休符
\textLengthOn 強弱記号
\textLengthOn テキスト スクリプト
\textMark A.17 音楽関数の一覧
\textSpannerDown テキスト スパナ
\textSpannerNeutral テキスト スパナ
\textSpannerUp テキスト スパナ
thorough bass (通奏低音) 通奏低音の導入部
\thumb アーティキュレーションと装飾
\thumb 運指の指示
thumb (親指記号) A.14 アーティキュレーションの一覧
thumb marking (親指記号) アーティキュレーションと装飾
thumb script (サム スクリプト) 運指の指示
tick mark (チェック マーク) ブレス記号
\tie A.11.1 Font markup
tie (タイ) タイ
tie, alternative endings (タイと繰り返しの入れ替え部分) 通常の繰り返し
tie, and volta bracket (タイと volta 囲み) タイ
tie, appearance (タイの見た目) タイ
tie, dashed (破線のタイ) タイ
tie, dotted (点線のタイ) タイ
tie, in chords (和音内のタイ) タイ
tie, in lyrics (歌詞の中でのタイ) 複数の歌詞音節を 1 つの音符に割り当てる
tie, in repeats (繰り返しの中にあるタイ) 通常の繰り返し
tie, laissez vibrer (レセ ヴィブレのタイ) タイ
tie, manual engraving (タイを手動で譜刻する) タイ
tie, modifying (タイの形状を変更する) タイとスラーの形状を変更する
tie, placement (タイの配置) タイ
tie, repeating (タイを含む繰り返し) タイ
tie, with arpeggios (タイとアルペジオ) タイ
tie-ing text A.11.1 Font markup
TieColumn タイ
tied note, accidental (タイで結ばれた音符への臨時記号) 臨時記号
\tied-lyric A.11.4 Markup for music and musical symbols
\tieDashed タイ
\tieDashPattern タイ
\tieDashPattern A.17 音楽関数の一覧
\tieDotted タイ
\tieDown タイ
\tieHalfDashed タイ
\tieHalfSolid タイ
\tieNeutral タイ
\tieSolid タイ
\tieUp タイ
tieWaitForNote タイ
timbale (ティンバル) 古代音楽のスクリプト
\time 拍子
\time 自動連桁の振る舞いを設定する
\time A.17 音楽関数の一覧
time administration (時間管理) 時間管理
time signature (拍子) 拍子
time signature style (拍子スタイル) 拍子
time signature style (拍子スタイル) 計量記譜法の拍子記号
time signature, compound (複合拍子記号) 多拍子記譜法
time signature, default settings (拍子のデフォルト設定) 拍子
time signature, double (2 重拍子) 多拍子記譜法
time signature, mensural (計量記譜法の拍子記号) 計量記譜法の拍子記号
time signature, mid-measure (小節の途中の拍子記号) 上拍
time signature, multiple (複数の拍子記号) 5.1.4 コンテキストのプラグインを変更する
time signature, polymetric (多拍子) 多拍子記譜法
time signature, printing only numerator (拍子記号の分子のみを表示する) 拍子
time signature, properties, restoring default values (拍子プロパティをデフォルト値に戻す) 拍子
time signature, visibility (拍子の可視性) 拍子
\times A.17 音楽関数の一覧
timeSignatureFraction 多拍子記譜法
timing information and repeats (タイミング情報と繰り返し) 通常の繰り返し
timing mark, for glissando (グリッサンドのタイミング マーク) グリッサンド
timing, within score (楽譜内でのタイミング) 時間管理
\tiny 記譜フォント サイズを選択する
\tiny フォントとフォント サイズを選択する
\tiny A.11.1 Font markup
title (タイトル) 3.2 タイトルとヘッダ
\tocItem 3.2.6 目次
\tocItem A.17 音楽関数の一覧
\tocItemWithDotsMarkup 3.2.6 目次
tom tom (トムトム) 古代音楽のスクリプト
top-level text (最上位レベルのテキスト) 独立したテキスト
top-margin 4.1.3 固定された垂直方向の \paper スペース変数
top-markup-spacing 可変な垂直方向の \paper スペース変数のリスト
top-system-spacing 可変な垂直方向の \paper スペース変数のリスト
toplevel-bookparts parser variable (パーサ変数)
toplevel-scores parser variable (パーサ変数)
transcription of mensural music (計量音楽の転写) 譜をグループ化する
transcription, mensural to modern (計量記譜法から現代譜への転写) 1 つのソースから古代譜と現代譜の両方を生成する
transcription, modern of Gregorian music (グレゴリオ聖歌の現代譜への転写) 聖歌を設定する
transformation, modal (様式的な変形) 様式的な変形
transformation, retrograde (逆行変換) 逆行
\translate テキスト揃え
\translate A.11.2 Markup for text alignment
\translate-scaled テキスト揃え
\translate-scaled A.11.2 Markup for text alignment
translating text A.11.2 Markup for text alignment
translating text A.11.2 Markup for text alignment
\transparent A.11.8 Other markup commands
transparent note (透明な音符) 隠された音符
transparent, making objects (オブジェクトを透明にする) オブジェクトを透明にする
\transpose 相対オクターブ入力
\transpose 移調
\transpose 移調
\transpose A.17 音楽関数の一覧
transpose (移調) 移調
transposed clef, visibility of (オクターブ移調付きの音部記号の可視性) 特別な考慮を必要とするもの
\transposedCueDuring 合図音符をフォーマットする
\transposedCueDuring A.17 音楽関数の一覧
transposing (移調) 移調
transposing clefs (音部を移調する) 音部記号
transposing fret diagram (フレット ダイアグラムを移調させる) あらかじめ定義されたフレット ダイアグラム
transposing instrument (移調楽器) 移調
transposing instrument (移調楽器) 楽器の移調
\transposition 楽器の移調
\transposition 他のボイスを引用する
\transposition A.17 音楽関数の一覧
transposition (移調) 移調
transposition, and relative octave entry (移調と相対オクターブ入力) 相対オクターブ入力
transposition, instrument (楽器の移調) 楽器の移調
transposition, MIDI (MIDI の移調) 楽器の移調
transposition, modal (様式的な移調) 様式的な変形
transposition, of notes (音符の移調) 移調
transposition, of pitches (ピッチの移調) 移調
transposition, pitches, ‘smart’ (ピッチの‘スマート’ トランスポーズ) 移調
tre corde (トレ コルデ) ピアノ ペダル
treble clef (ト音記号、高音部記号) 音部記号
treble clef (高音部記号) A.10 音部記号のスタイル
\treCorde ピアノ ペダル
tremolo トレモロの繰り返し
tremolo (トレモロ) トレモロの繰り返し
tremolo beam (トレモロの連桁) トレモロの繰り返し
tremolo mark (トレモロ記号) トレモロの繰り返し
tremolo, cross-staff (譜を跨ぐトレモロ) トレモロの繰り返し
triad (三和音、トライアド) 一般的な和音
\triangle マークアップ内部でのグラフィック記譜法
\triangle A.11.3 Graphical markup
triangle (トライアングル) 古代音楽のスクリプト
\trill アーティキュレーションと装飾
\trill トリル
\trill アーティキュレーション スクリプト
trill (トリル) アーティキュレーションと装飾
trill (トリル) トリル
trill, pitched (ピッチを持つトリル) トリル
trill, with accidental (トリルと臨時記号) トリル
triplet (3 連符) 連符
triplet, formatting (3 連符のフォーマット) 連符
\tripletFeel スウィング スクリプト
true (#t) A.19 定義された型述語
tuning, banjo (バンジョーのチューニング) バンジョーのタブ譜
tuning, lute (リュートのチューニング) リュートのタブ譜
tuning, non-Western (非西洋音楽のチューニング) 記譜法とチューニング システムを拡張する
\tuplet 連符
\tuplet 多拍子記譜法
\tuplet A.17 音楽関数の一覧
tuplet (連符) 連符
tuplet bracket, placement (連符囲みの配置) 連符
tuplet bracket, visibility (連符囲みの可視性) 連符
tuplet bracket, visibility (連符囲みの表示) 連符
tuplet number , visibility (連符の数字の表示) 連符
tuplet number, changes (連符の数の変更) 連符
tuplet number, non-default (デフォルトではない連符の数) 連符
tuplet slur (連符のスラー) 連符
tuplet, beamed, line break within (連桁で繋がれた連符の途中で改行する) 連符
tuplet, entering multiple (複数の連符を入力する) 連符
tuplet, formatting (連符のフォーマット) 連符
tuplet, grouping (連符のグルーピング) 連符
tuplet-slur 連符
\tupletDown 連符
\tupletNeutral 連符
TupletNumber 連符
tupletNumberFormatFunction 連符
\tupletSpan 連符
\tupletSpan A.17 音楽関数の一覧
tupletSpannerDuration 連符
\tupletUp 連符
Turkish makam (トルコのマカーム) 記譜法とチューニング システムを拡張する
Turkish makam, example (トルコ音楽のマカームの例) トルコ音楽の調号
Turkish music (トルコ音楽) トルコの伝統音楽のためのリファレンス
Turkish note name (トルコ音楽の音符名) トルコ音楽の音符名
Turkish, classical music (トルコの伝統音楽) 記譜法とチューニング システムを拡張する
\turn アーティキュレーションと装飾
\turn アーティキュレーション スクリプト
turn (ターン) アーティキュレーションと装飾
turn ornamentation, delayed (遅れターン装飾記号) アーティキュレーションと装飾
\tweak 5.3.4 \tweak コマンド
\tweak 5.3.5 \set\override
\tweak A.17 音楽関数の一覧
tweak, relation to \override (\override に関連した\tweak) 5.3.5 \set\override
tweaking (調整) 5.3.4 \tweak コマンド
tweaking control point (制御点を調整する) 5.3.4 \tweak コマンド
tweaking grace note (装飾小音符を調整する) 装飾小音符
tweaking grace note (装飾小音符を調整する) 装飾小音符
two-column text (2 段のテキスト) 独立したテキスト
two-sided 両面モードのための \paper 変数
\type 5.1.6 新しいコンテキストを定義する
typeface (書体) glyph (グリフ)
typeset text (テキストの譜刻) テキスト マークアップの導入部
\typewriter A.11.1 Font markup

U
U.C. ピアノ ペダル
ukulele (ウクレレ) フレット ダイアグラム マークアップ
una corda (ウナ コルダ) ピアノ ペダル
\unaCorda ピアノ ペダル
\underline フォントとフォント サイズを選択する
\underline A.11.1 Font markup
underlining text A.11.1 Font markup
\undertie A.11.1 Font markup
undertie-ing text A.11.1 Font markup
\undo 5.3.6 \offset コマンド
\undo A.17 音楽関数の一覧
unfold 繰り返しを描き出す
unfold repeat (繰り返しを展開する) 繰り返しを描き出す
unfold repeat, with alternate endings (入れ替え部分のある繰り返しを展開する) 繰り返しを描き出す
\unfolded A.17 音楽関数の一覧
\unfoldRepeats 3.5.6 MIDI で繰り返しを用いる
\unfoldRepeats A.17 音楽関数の一覧
\unHideNotes 隠された音符
Unicode (ユニコード) Unicode
\unless A.11.5 Conditional markup
unmetered music (無韻律の音楽) 無韻律の音楽
unmetered music (無韻律の音楽) 時間管理
unmetered music, accidentals (無韻律の音楽での臨時記号) 無韻律の音楽
unmetered music, bar lines (無韻律の音楽での小節線) 無韻律の音楽
unmetered music, bar numbers (無韻律の音楽での小節番号) 無韻律の音楽
unmetered music, beams (無韻律の音楽での連桁) 無韻律の音楽
unmetered music, line breaks (無韻律の音楽での改行) 無韻律の音楽
unmetered music, page breaks (無韻律の音楽での改ページ) 無韻律の音楽
unpure container, Scheme (Scheme unpure コンテナ) 5.5.6 unpure-pure コンテナ
\unset 5.3.2 \set コマンド
up-bow (アップ ボー、上弓) アーティキュレーションと装飾
up-bow indication (アップ ボー指示) ボーイング指示
upbeat (上拍) 上拍
upbeat, in a repeat (繰り返しの中にある上拍) 通常の繰り返し
\upbow アーティキュレーションと装飾
\upbow ボーイング指示
\upbow フェルマータ スクリプト
\upmordent アーティキュレーションと装飾
\upmordent アーティキュレーション スクリプト
\upprall アーティキュレーションと装飾
\upprall アーティキュレーション スクリプト
\upright A.11.1 Font markup
URL link, as QR code A.11.8 Other markup commands
UTF-8 テキスト エンコーディング

V
varbaritone clef (変形バリトン音部記号) 音部記号
varbaritone clef (変形バリトン音部記号) A.10 音部記号のスタイル
varC clef (変形 C 音部記号) A.10 音部記号のスタイル
\varcoda アーティキュレーションと装飾
\varcoda A.11.4 Markup for music and musical symbols
\varcoda 楽器に固有のスクリプト
variables (変数) 3.1.5 ファイル構造
variables, use of (変数を使用する) 変数を使用する
variant coda sign (変形コーダ記号) アーティキュレーションと装飾
Vaticana, Editio 2.9 古代の記譜法
Vaticana, Editio 2.9.1 サポートされているスタイルの概要
VaticanaStaff 新たに譜をインスタンス化する
VaticanaStaff グレゴリオ聖歌のコンテキスト
VaticanaVoice グレゴリオ聖歌のコンテキスト
\vcenter A.11.2 Markup for text alignment
\verbatim-file A.11.8 Other markup commands
\version 3.1.5 ファイル構造
\versus グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\versus A.17 音楽関数の一覧
vertical alignment, dynamics (強弱記号の縦方向の位置) 強弱記号
vertical alignment, text (テキストを垂直方向に揃える) テキスト揃え
vertical alignment, text scripts (テキスト スクリプトの縦方向の位置) 強弱記号
vertical lines between staves (譜の間の垂直な線) グリッド ライン
vertical ordering, of scripts (スクリプトの縦方向の順序) アーティキュレーションと装飾
vertical positioning of dynamics (強弱記号の垂直方向の位置) 強弱記号
vertical spacing (垂直方向のスペース) 4.4 垂直方向のスペース
vertical spacing (垂直方向のスペース) 4.5.4 行の幅
VerticalAxisGroup システム内部のスペース プロパティ
vertically centering text A.11.2 Markup for text alignment
\verylongfermata アーティキュレーションと装飾
\verylongfermata 装飾音スクリプト
\veryshortfermata アーティキュレーションと装飾
\veryshortfermata 装飾音スクリプト
vibraslap (ビブラスラップ) 古代音楽のスクリプト
violin clef (バイオリン音部記号) 音部記号
violin clef (バイオリン音部記号) A.10 音部記号のスタイル
\virga グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\virga グレゴリオ聖歌の四角形ネウマのリガトゥーラ
\virgula ディビジオ
visibility of object (オブジェクトの可視性) 5.4.7 オブジェクトの可視性
visibility of transposed clef (オクターブ移調付きの音部記号の可視性) 特別な考慮を必要とするもの
visibility of tuplet brackets (連符囲みの可視性) 連符
visibility of tuplets (連符の見た目) 連符
vocal score, adding cues (歌曲で合図を追加する) 合図
voice 自動臨時記号
voice 自動臨時記号
Voice 単一譜の多声
voice (ボイス) 単一譜の多声
voice accidental style (voice 臨時記号スタイル) 自動臨時記号
voice style (ボイス スタイル) ボイス スタイル
voice, additional, in polyphonic music (多声での追加のボイス) 衝突の解決
voice, ambitus (ボイスと音域) 音域
voice, divided (ボイスの分割) 合唱のための楽譜レイアウト
voice, extra, for handling breaks (改行・改ページを操作するための追加のボイス) 4.3.1 改行
voice, following (フォロー ボイス) 譜変更線
voice, multiple (複数のボイス) 衝突の解決
voice, \partCombine with \autoBeamOff (ボイスと \autoBeamOff を伴う \partCombine) 自動連桁
voice, quoting (ボイスを引用する) 他のボイスを引用する
voice, quoting(ボイスを引用する) 合図音符をフォーマットする
voice, shifting (ボイスをずらす) 衝突の解決
voice, with ottavation (単一声部に対するオッターバ) オッターバ囲み
\voiceFour 単一譜の多声
\voiceFourStyle ボイス スタイル
\voiceNeutralStyle ボイス スタイル
\voiceOne 単一譜の多声
\voiceOneStyle ボイス スタイル
\voices 単一譜の多声
\voices A.17 音楽関数の一覧
\voiceThree 単一譜の多声
\voiceThreeStyle ボイス スタイル
\voiceTwo 単一譜の多声
\voiceTwoStyle ボイス スタイル
\void 3.6.1 LilyPond 記譜法を表示する
\void A.17 音楽関数の一覧
volta 1.4.1 長い繰り返し
\volta A.17 音楽関数の一覧
volta bracket (volta 囲み) 手動の繰り返し記号
volta bracket, and tie (volta 囲みとタイ) タイ
volta bracket, in additional staves (他の譜における繰り返し括弧) 通常の繰り返し
volta bracket, shortened (短縮された繰り返し括弧) 通常の繰り返し
volta bracket, with text (テキストを持つ volta 囲み) 手動の繰り返し記号
volta repeat, below chords (和音の下にある volta 繰り返し) コード ネームをカスタマイズする
volta, double repeat style (二重繰り返しのスタイル) 通常の繰り返し
volta, prima (1 つ目の volta) 1.4.1 長い繰り返し
volta, seconda (2 つ目の volta) 1.4.1 長い繰り返し
\volta-number A.11.1 Font markup
Volta_engraver 通常の繰り返し
vowel transition (母音の遷移) 母音の段階的な変化
\vshape A.17 音楽関数の一覧
\vspace A.11.2 Markup for text alignment

W
Walker shape note head (Walker のシェイプ ノートの符頭) シェイプ ノートの符頭
\walkerHeads シェイプ ノートの符頭
\walkerHeadsMinor シェイプ ノートの符頭
whichBar 小節線
whistle (ホイッスル) 古代音楽のスクリプト
white mensural ligature (白色計量記譜法のリガトゥーラ) 白色計量記譜法のリガトゥーラ
\whiteout A.11.8 Other markup commands
whitespace 3.1.5 ファイル構造
\whiteTriangleMarkup コード ネームをカスタマイズする
whole rest, for a full measure (小節に対する全休符) 小節単位の休符
wind instruments (管楽器) 管楽器のためのリファレンス
wind instruments, fingering symbols (管楽器の運指記号) 運指
\with 5.1.4 コンテキストのプラグインを変更する
\with 指定したコンテキストだけを変更する
\with-color オブジェクトに色を付ける
\with-color A.11.8 Other markup commands
\with-dimension A.11.8 Other markup commands
\with-dimension-from A.11.8 Other markup commands
\with-dimensions A.11.8 Other markup commands
\with-dimensions-from A.11.8 Other markup commands
\with-link A.11.8 Other markup commands
\with-outline A.11.8 Other markup commands
\with-string-transformer A.11.1 Font markup
\with-true-dimension A.11.8 Other markup commands
\with-true-dimensions A.11.8 Other markup commands
\with-url A.11.3 Graphical markup
\withMusicProperty A.17 音楽関数の一覧
\withRelativeDir A.17 音楽関数の一覧
woodblock (ウッドブロック) 古代音楽のスクリプト
woodwind diagram, key lists (木管楽器のダイアグラムの調リスト) 2.6.3.1 木管楽器のダイアグラム
woodwind diagram, list (木管楽器のダイアグラムのリスト) 2.6.3.1 木管楽器のダイアグラム
woodwind diagrams, modifying (木管楽器のダイアグラムを変更する) 2.6.3.1 木管楽器のダイアグラム
\woodwind-diagram A.11.6 Instrument-specific markup
\wordwrap テキスト揃え
\wordwrap A.11.2 Markup for text alignment
\wordwrap-field A.11.2 Markup for text alignment
\wordwrap-lines 複数ページにわたるマークアップ
\wordwrap-lines A.12 \markuplist コマンドの一覧
\wordwrap-string A.11.2 Markup for text alignment
wordwrapped text (折り返しされたテキスト) テキスト揃え
writing music in parallel (音楽を並列に記述する) 音楽を並列に記述する
written-out repeat (繰り返しを描き出す) 繰り返しを描き出す

X
X-offset システム内部のスペース プロパティ
x11 color (X11 カラー) オブジェクトに色を付ける
x11 color (X11 カラー) オブジェクトに色を付ける
x11-color オブジェクトに色を付ける
x11-color オブジェクトに色を付ける
\xNote 特殊な符頭
\xNote A.17 音楽関数の一覧
\xNotesOff 特殊な符頭
\xNotesOn 特殊な符頭

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Table of Contents


Footnotes

(1)

Scheme tutorial の中に、Scheme 形式で数、リスト、文字列、それに記号を入力するための簡単な手引きがあります。

(2)

Internally, this works by activating the ‘dlig’ OpenType feature of the Emmentaler font.

(3)

Due to technical limitations the link doesn’t work here in the Notation Reference.

LilyPond 記譜法リファレンス v2.25.21 (開発版).