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相対オクターブ入力
絶対オクターブ入力は、一つ一つの音符のオクターブを指定する必要があります。相対オクターブ入力は、対照的に、すぐ前の音符との関係で各オクターブを指定します。1 つの音符のオクターブを変更すると、続く音符のすべてに影響します。
相対音符モードは \relative
コマンドを使って明示的に入力する必要があります。
\relative startpitch musicexpr
相対モードでは、各音符は可能な限り前の音符の近くに配置されます。このことは、musicexp
の中にある各ピッチのオクターブが以下のように算出されるということを意味します:
- 音符に対してオクターブ変更記号が使用されていない場合、その音符のオクターブは前の音符との音程が 5 度よりも小さくなるよう算出されます。この音程は臨時記号を考慮せずに決定されます。
- オクターブ変更記号
'
や,
を付け加えることによって、オクターブ記号無しの場合のピッチから、ピッチを 1 オクターブ上げ下げすることができます。 - 複数のオクターブ変更記号を使用することができます。例えば、
''
と,,
はピッチを 2 オクターブ変えます。 - 最初の音符のピッチは
startpitch
と相対関係で決定されます。startpitch は絶対オクターブ モードで指定されます。以下のどれがわかりやすいですか?c
のオクターブc'
でミドル C を指定することは極めて基本的なため、c
のオクターブは、どちらかといえば素直です。あなたの音楽がc'''
より高いgis
で始まる場合、\relative c''' { gis' … }
のように書くことができます。- 内部の最初の音符のオクターブ
\relative gis''' { gis … }
と書くことで、内部の最初の音符の絶対ピッチを簡単に決めることができます。- 明示的な開始ピッチ無し
\relative { gis''' … }
の形式は前の選択肢のコンパクト版として機能します。内部の最初の音符は絶対ピッチで書かれます。(これは基準ピッチとしてf
を選択したのと同じです。)
このドキュメントは通常、最後の選択肢を使用します。
ここで、実際に相対モードの例を挙げます:
\relative { \clef bass c d e f g a b c d e f g }
オクターブ変更記号は 4 度よりも大きな音程に対して使用されます:
\relative { c'' g c f, c' a, e'' c }
音符の連なりはオクターブ変更記号が無い場合であっても大きな音程に広がる可能性があります:
\relative { c f b e a d g c }
\relative
ブロックがネストされている場合、最も内側の \relative
ブロックが、外側の \relative
とは独立した自身の参照ピッチで開始します。
\relative { c' d e f \relative { c'' d e f } }
\relative
は \chordmode
ブロックでは効果を持ちません。
\new Staff { \relative c''' { \chordmode { c1 } } \chordmode { c1 } }
\relative
を \chordmode
ブロックの中で使用することは認められません。
\transpose
ブロックの中では、\relative
を記述しない限り、絶対モードになります。
\relative { d' e \transpose f g { d e \relative { d' e } } }
前の要素が和音である場合、その和音の最初の音符が後に続く音符または和音の参照ポイントとして使用されます。和音の内部では、次の音符は常に 1 つ前の音符との相対関係になります。次の例を、c
の音符に気を付けて、注意深く検証してください。
\relative { c' <c e g> <c' e g'> <c, e, g''> }
上で説明したように、ピッチのオクターブは音符名のみを使って算出され、いかなる変更 (訳注: シャープやフラット) にも影響を受けません。そのため、B の後の E ダブル シャープは B よりも上に配置され、B の後の F ダブル フラットは B よりも下に配置されます。言い換えると、重増 4 度は重減 5 度よりも小さい – それぞれの音程に含まれる半音の数に関係無く – と見なされます。
\relative { c''2 fis c2 ges b2 eisis b2 feses }
状況が複雑であるときには、前の音符にかかわらず固定したピッチを指定するほうが有益かもしれません。これは \resetRelativeOctave
によって行うことができます。
\relative { << { c''2 d } \\ { e,,2 f } >> \resetRelativeOctave c'' c2 }
参照
音楽用語集: fifth, interval, Pitch names
記譜法リファレンス: オクターブ チェック
コード断片集: ピッチ
内部リファレンス: RelativeOctaveMusic
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